令和6年3月21日

令和6年度豊島区予算案に対する公明党意見開陳

公明党豊島区議団

根岸 光洋

私は、公明党豊島区議団を代表して、令和6年度豊島区一般会計予算、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療事業会計、介護保険事業会計の3特別会計、令和6年度豊島区一般会計補正予算第1号を可決することに賛成する立場から意見開陳をいたします。

最初に、円滑公平な運営に努められました正副委員長の労に感謝を申し上げます。また、理事者の皆様には、資料要求をはじめ、事前調査に快く応じていただき、私どもの質問に対して、その意を酌まれ丁寧にご答弁いただきましたことに心から御礼を申し上げます。

さて予算案審議に当たって、我ども公明党は、コロナ禍は開けたとはいえ、物価高騰や世界情勢の不安定など現下の厳しい景気経済状況の中での影響を受け止めつつ、1.区民目線に立った行政運営となっているか、2.時代の変化に的確に対応した事業展開となっているか、3.SDGsの立場から安全・安心のまちづくりへの取り組みがなされているか、4.身の丈にあった持続可能な財政運営並びに区民生活向上のため我が党の予算要望に応えられているか、などを主眼に、慎重かつ厳正に審査に臨みました。

令和6年度の一般会計当初予算規模は、1529億3500万円、前年度に比べ、167億8400万円の増、12.3%のプラスとなり、当初予算としては初の1500億円台となる過去最大の規模となりました。特別会計を含めた財政規模は、2120億5000万円、前年度当初予算に比べて158億8300万円の増、8.1%のプラスとなりました。その特徴としては新規・拡充事業の倍増、区民生活の支えとなる扶助費は12年連続の増加、投資的経費は対前年比71億円増となりました。さらに区民視点を重視した予算、4年連続の財政調整基金の繰入れや起債を活用した予算編成になっていました。

少子高齢化、デジタル化社会、老朽施設の更新など時代や区民ニーズの変化に対応した予算編成であると理解致しました。

まず、総括質疑においては

①身の丈にあった予算編成について②予算規模を膨張させない取り組みについて③行政課題に的確に対応する組織について④組織改正の意図とあるべき姿について⑤身の丈にあった職員体制について⑥今後の職員体制や人材確保について⑦民間の経験、東京都職員としての経験、本区副区長としての経験をどう生かしていくのか⑧豊島区初の女性区長としての取り組み⑨持続可能な区政運営について伺いました。

以下、款別に意見、要望を述べさせて頂きます。

議会費・政策経営費・総務費では

(北岡)

〇区民の安全安心をまもる要となる防災関係事業の中で、防災協定の見直し、区有施設へのエレベーター備蓄ポケットの設置拡大、女性防災リーダー育成講座の充実、救援センター開設訓練の年1回開催への拡充等を要望しました。

さらに

〇困難女性支援計画の策定及び支援の強化

〇立教小学校へ貸付けされる旧真和中学校の整備状況の確認と通学路となる周辺の交通安全対策の推進について要望しました。

〇すずらんスマイルプロジェクトでは、若年女性支援の更なる強化

〇エポック10でのLGBTQ・男性向け相談窓口拡充等を要望しました。

(根岸)

〇シテイプロモーション事業については、民間からの公募による新規採用の課題や効果を伺いました。本事業を推進する為に、全庁が連携した積極的な取り組みを要望いたします。

〇安全安心メールのバージョンアップを確認しました。LINEやXとの連携により、災害時に区民に必要な情報の提供はもとより防犯対策にもより効果が図られるよう要望します。

〇マイナンバーカードの利便性を周知し交付率アップを望みます。

区民費・福祉費・衛生費では

(高橋)

〇子どものインフルエンザワクチンの任意接種補助を要望します。

〇妊婦健康診査受診票を助産院でも利用できるようにする為に、東京都地域保健事業連絡協議会での協議が推進されるよう要望します。

(北岡)

〇ペット災害時同行避難について、周知やパンフレット作成を要望します。

〇地域猫協議会への更なる支援を要望します。

〇がん対策アピアランスケアのウィッグと胸部補正具補助の拡充と、相談窓口の充実や1日ですべての5ガン検診が受診できるレディースデーの設置をこれまで我が会派では、何度も要望してきましたが、改めて要望します。

〇区民ひろばは、熱中症対策としてマイボトル用給水機の設置や涼みどころとして利用されているが、普段利用していない方にもわかるような周知の徹底を要望します。

〇薬局での涼みどころ設置事業については、利用の促進と設置個所の更なる拡充を望みます。

(根岸)

〇公明党令和5年度会派予算要望の重点要望であった帯状疱疹ワクチンの今年度の実施と拡充に感謝いたします。新年度での着実な実施と周知も宜しくお願いします。また同様に、令和6年度会派予算要望の重点要望の男性へのHPVワクチン接種も同様に実施されることになり感謝申し上げます。事業内容を丁寧に周知説明して安心して受けられるよう要望します。

〇リトルベビーハンドブックの作成を要望します。

〇ベンチプロジェクトの多角的展開を要望します。

環境清掃費・都市整備費では

(高橋)

〇番神通りの区道の廃止についは、地域の声を聞き丁寧な対応を望みます。

〇都市計画道路環状第5の1号線に南池袋2丁目C地区と区役所側を渡す横断歩道橋の設置要望とバリアフリー化については予算も含め東京都との連携強化を要望致します。

(根岸)

〇質疑で路面下空洞調査の効果が確認されました。今後の継続した調査を望みます。

〇公園等みどりの協定団体への支援については、物価高騰を考慮した対応を望みます。

〇大塚駅周辺整備については歩行者の安全を最優先し、自転車の駐輪と安全通行への更なる対策を要望します。

文化商工費・子ども家庭費・教育費では

(北岡)

〇小中学校の移動教室については、宿泊単価の増大等に伴う補助の拡充の推進と4年生の移動教室の再開を要望します。

〇学校健診については、児童のプライバシーや心情に配慮した体制構築を要望します。

〇私立幼稚園給食費補助の多子計算に係る年齢制限が緩和されます。今回この制限が緩和されたことに感謝の声が寄せられています。この年齢制限緩和については十分な周知を望みます。

〇幼児教育に対するビジョンは、幼稚園児や保護者等から幅広く集約した意見を参考に、教育ビジョンの策定を望みます。

〇区民ひろば内の子育てひろばと区役所子育て支援課、子育てインフォメーションをオンラインで連携させた相談窓口機能の強化、充実を望みます。

〇病児病後児保育の予約・空き状況の確認及び申請が容易にできるようにWEB化の推進を要望します。

〇千早スポーツフィールドの一般開放の詳細を確認しました。本事業の確実な実施を要望します。

(根岸)

〇「スポーツは世界共通の人類の文化」であることを位置づけることや区民の健康づくりへの更なる取り組みの為に、「スポーツ推進条例」の制定を望みます。

〇スポーツ推進の新たな拠点となる「屋内スポーツ施設」の整備を学校跡地も視野に入れて検討するよう要望します。

〇父親に必要な育児知識を凝縮した父子手帳作成に続き、昔の子育て、今の子育てとの違いを最新の情報とともに分かりやすく解説する「祖父母手帳」の作成を望みます。

〇区立保育施設の整備については、男性職員のトイレや休憩室の確保、充実を要望します。

〇保育園の紙おむつのサブスクについては、保護者の意見を聞いて紙おむつの種類拡充など利便性の向上を望みます。

〇放課後子ども教室のスタッフの待遇改善を確認しました。同様に学校開放協力員の待遇改善も要望します。

〇地域はもとより、区内大学やスポーツ団体と連携して外部指導員の有効な活用を推進し学校間で差がでないよう、部活動の充実を図ることを要望します。

〇教職員庶務システムを充分活用し、勤務実態調査を基に、教員の負担軽減と児童・生徒に向かい合う時間の確保を望みます。

〇少子高齢化や教員採用試験の倍率低下などによる人材確保の困難を乗り越え教育の質を守るよう望みます。

一般会計歳入では

(根岸)

〇狭小住戸集合住宅税を活用し住宅施策の充実を要望します。また住宅施策は生活の根幹となる重要な事業である。今後、住宅マスタープランを実現するため、令和7年度の当初予算に間に合わなくても、補正予算を組むなどして積極的に対応することを要望します。

3特別会計では

(北岡)

〇医療費の適正化については、ジエネッリック薬品の推進、糖尿病重症化予防を要望します。

〇向精神薬重複受診・投薬については、全国に先駆けて医師会のご協力のもと、適正化に向けた取り組みが始まります。さらなる医療費の適正化に取り組まれるよう要望致します。

さて、東日本大震災から13年の月日が経ちましたが、いまだに故郷へ帰れずに避難生活を余儀なくされている方がいらっしゃいます。1月の能登半島地震でも多くの被害がでていまだに復興に向け大変なご苦労をされ、将来に不安を抱きながら生活をしている方が多くいらっしゃいます。こうした被災された方々へ思いを寄せながら、私ども公明党は生活者の目線にたった現場の声の届く、安全安心への一層の取り組みを推進していくことを最も大事な視点であると考えております。その上で、安定的な区財政運営に十分配慮しつつ、住んで良かった、住み続けたい街豊島区を構築すべく、不断の努力を重ねていくことを肝に銘じて、令和6年度豊島区予算に対し、可決すべきものと意見開陳いたします。

ご清聴、ありがとうございました。