平成29年第4回定例会一般質問 公明党 根岸光洋

「誰もが安心して住み続けられる豊島区を目指して」
2017H29.11.21登壇

私は、公明党豊島区議団を代表して「誰もが安心して住み続けられる豊島区を目指して」と題して

1.観光施策について 2.健康と福祉施策について 3.教育課題について 4.その他として、大塚駅周辺の整備について一般質問を行います。

1.観光施策について

1番目の質問は観光施策についてです。

はじめにシェアサイクル導入について伺います。シェアサイクルについては今年2月の第1回定例会で商店街の空きスペースを活用して商店街の活性化にもつながるような検討をしてはどうかとの質問をしました。

その時に参考事例として、香川県高松市のレンタサイクル事業を紹介しました。視察した瀬戸内国際芸術祭の移動手段として、高松市内では主としてコミュニティバスとレンタサイクルを活用していました。瀬戸内海の島々へのフェリーにもレンタサイクルが持ち込まれていました。点在する瀬戸内国際芸術祭の展示箇所を回るには大変便利だと感じました。そこで質問します。本区でもレンタサイクル事業に取り組んだこともあると伺いましたが様々な課題により廃止されたそうです。その当時の実施状況と廃止に至った課題はなんだったのか伺います。現在では放置自転車対策とあわせて駐輪場整備も大きく進んでいます。区内の駐輪場を活用してはどうかと思い確認したところ、駐輪場の稼働率が高く難しいとのことでした。何十台も置くことは難しいにしても数台とか可能な範囲で駐輪場の空きスペースを活用したシェアサイクルの導入を検討してはどうかと思いますがいかがでしょうか。また、前回の一般質問でも提案した、商店街の店舗前などに駐車スペースを設け、店舗での飲食代やお買い物の割引をするなどのサービスと組み合わせて導入してはどうかと思いますがいかがでしょうか

今年の1月時点でのシェアサイクル事業の実施区は23区で、4区だけでした。現在では千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、渋谷区の7区が自転車シェアリング広域実験を行い、10月1日からは7区すべてで自転車の貸出・返却が可能になっています。駐輪できるポートは駅、公園、スポーツ施設などの公共施設の他、ホテルやビルなどの民間事業者、大手コンビニチェーンなどに設置しています。この7区以外でも、3月25日大田区、10月1日練馬区、10月18日品川区が区内のみとなりますがサービスを開始しています。そこで質問します。増加する観光客に区内の観光スポットを十分に堪能して頂くとともに豊島区の魅力を世界に発信し、さらにはリピーターとしてもまた訪れて頂けるよう、シェアサイクル事業導入の検討をご提案しますが区のお考えをお聞きかせください。

次にWi-Fi整備について伺います。本区のこれまでの取り組みにより拡充してきたWi-Fi整備について現在の整備状況をお伺いします。また今後のWi-Fi整備についてはどのように進めていくのかお伺いします。

Wi-Fi整備とともに携帯電話等の充電器の設置を望む声も多く聞かれます。充電器についても設置できる方法がないかご検討をお願いいたします。

次に観光ボランティアについて伺います。豊島区では、「国際アート・カルチャー都市構想」をかかげ「マンガ・アニメの聖地」「演劇・美術のまち」「ソメイヨシノ発祥の地」「雑司が谷の未来遺産活動」など区の魅力と多様な取り組みを世界へ発信しています。観光施策はまさに喫緊の課題であると考えます。本区の観光協会では、「外国語観光ボランティアガイドの会」が来日外国人の対応に活躍しています。案内の参考となる資料を個人で作り来日外国人をおもてなししようと努力している方もいると伺いました。また、区内の重要スポットの案内役のみならず、切符の払い戻し方法まで教示できるボランティアガイドは外国人旅行者にとって大変ありがたい存在であり、本区のインバウンド施策として大きな効果をもたらすことが期待されています。現在、区内の外国人向けのボランティアガイドの活動状況について区が掌握しているものをお伺いいたします。また、今後の外国人ボランティアガイドの活動については、積極的な支援が必要です。区のお考えを伺います。

観光施策についてのまとめとして、国際アートカルチャー都市として、東アジア文化都市の開催地として今後、観光施策をどのように展開をしていくのか区のお考えを伺います。

2.健康と福祉施策について

次に、健康と福祉施策のうち認知症サポーター養成について伺います。

昨年の第1回定例会一般質問で認知症サポーター養成講座の拡充とその講座の講師となるキャラバンメイトの増員を提案しました。区は独自の制度としてキャラバンメイトの育成に取り組んだ結果、今年2月の講座で新たに38名の方がキャラバンメイトになりました。担当課のご努力を高く評価させて頂きます。先月、その新たにキャラバンメイトになった方による認知症サポーター養成講座が、大塚の地元企業であるパナホームさんの1階にあるビューノプラザ大塚で開催されました。講師役のキャラバンメイトさんは福祉に携わる関係者ではなく、日ごろから地域の為に何か役立つならばと様々な活動をしている方でした。福祉の専門家ではありませんが歌やトークをまじえての認知症セミナーは大変良い取り組みであったと思います。そこで質問します。その他のキャラバンメイトさんによる講座開講の状況や課題等について伺います。いずれにしても認知症は身近な課題であり、誰もが関わることとして一人でも多くの地域の方が関心を持ち取り組んでいけるよう区の支援を望みます。今後の認知症サポータ養成講座の取組みとキャラバンメイトが積極的に活動できるような支援について区のお考えを伺います。

次にロタウイルスについて伺います。豊島区の子育て施策は他区と比べても産前、産後、就学前ときめ細やかに手当されていて大変充実しているとの声が子育て中の若い世代から上がっています。その上で、ワクチン接種で、子ども達が健康に成長でき、しかも予防医療を行うことで医療費の削減効果も発揮され、あわせて子育て世帯の共働きする親たちの負担も軽減できるという効果もふまえてロタウイルスワクチン接種助成についてお伺いしたいと思います。ロタウイルスは5歳未満の乳幼児がごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまいます。この感染力の強いウイルスは乳幼児においては下痢、嘔吐、発熱、腹痛を引き起こします。感染しても特殊な薬や治療がなく対症療法でウイルスが体外に出るのを待つだけです。子どもには大変に苦しい病気と言えます。また、脳炎、脳症など重篤な神経系合併症を起こすこともあり、日本における小児の急性脳炎、脳症のうち4%がロタウイルスによるもので、インフルエンザ、突発性発疹症(ほっしんしょう)の次に多いとされています。子どもたちの大切な未来を奪う病気です。接種するワクチンは3万円もかかり、子育て世帯には大きな負担となります。2017年7月現在、全国で267の自治体が半額もしくは全額助成をしています。東京都では中野区、杉並区、渋谷区、品川区が助成をしています。財源面については平成30年度から廃止となる「国民健康保険減額調整措置」で確保されるものを子育て支援として活用できるとも聞いています。是非来年度平成30年度からロタウイルスワクチン接種の公費助成を豊島区としても導入できるよう強く要望致します。区の見解を伺います。

次にピロリ菌検査について伺います。20代への検査導入をはじめ区の取り組みは高く評価しています。そこでまずこれまでの受診率の推移と受診率を上げるための取り組みについて伺います。また来年度からは内視鏡検査も導入することが検討されていると伺っています。これは50代以上の方を対象とすると聞いていますがこれまでのバリウム検査とどう組み合わせていくのか現在の検討状況と課題等があればお聞かせください。これまでも若年層のピロリ菌検査については、他の自治体でも実施されている中学生の検査についても導入を提案してきました。様々な課題があることも承知していますが若年層の受診率向上への取り組みとして、年齢層の拡充を重ねて要望しますが区のご見解はいかがでしょうか

3.教育課題について

教育課題について伺います。はじめに教員の働き方改革について伺います。8月29日、中央教育審議会初等中等教育分科会、学校における働き方改革特別部会は「学校における働き方改革に係る緊急提言」を発表しました。そこには教員勤務実態調査から、教職員の長時間勤務の実態が看過できない状況であり、授業改善をはじめとする教育の質の確保・向上や社会での活動を通じた自己研鑽の充実の観点からも、学校教育の根幹が揺らぎつつある現実を重く受け止めるべきであり、「学校における働き方改革」を早急に進めていく必要があるとしています。また東京都教育委員会は11月9日教員の長時間労働を減らすため「在校時間を週60時間以下に」などとする働き方改革の案を報告しました。タイムカードで在校時間を正確に把握したり、一部の業務を教員以外に任せたりして、労働環境の改善を図りたいとしています。これに先立ち行われた勤務時間の実態調査では、厚生労働省が労災認定の目安とする「残業月80時間」に相当する「在校時間が週60時間」を超える教員が、小学校で37.4%、中学校で68.2%、高校で31.9%、特別支援学校で43.5%いることが判明しました。これを受けて「平日の在校時間は11時間以内」「土日のどちらかは必ず休む」といった方針を示し、ICカードを利用した在校時間の管理システムの導入などを改革案に盛り込んでいます。全国的に広まっている部活動への外部指導員導入を促進するといった案も示されました。こうした教員の長時間労働の実態について教育委員会はどう考えているのかお聞かせください。また本区の教員の労働時間の実態はどうなっているのか合わせてお聞かせください。

また具体的に長時間労働をせざるを得ない原因はどこにあるのかお聞かせください。

豊島区ではモデル的に副校長2人体制をとる学校がありますが、導入の経緯と効果、そしてこうした長時間労働の解消にもなっているのかをお聞かせください。

次に、教員の働き方の中で、特に部活動の指導についてお尋ねします。教員の働き方改革の一つとして土日いずれかを必ず休むようにとあるが、部活動を指導している本区の教員の土日勤務の実態はどうなっているのかお聞かせください。また、今後土日を必ず休むように方針が示された場合は、実態として教員は休むことができるのかまたその補填として外部指導員を活用するにあたり経費等相当かかると思われるが教育委員会としては今後どのように取り組んでいくのか現段階での見通しと課題があればお聞かせください。

私の姪っ子は、教員として採用されて初めての勤務地が本区の小学校でした。学校行事の前はもちろんですが毎日帰宅時間は遅く、また、翌日も朝早く出かけていました。教員の資格があるとはいえ社会人としてはまったくの未経験、児童との向き合い、学級の運営、年上の保護者との対応など大変なストレスを抱えているように見えました。おかげさまで学校長はじめ指導していただいた先輩教員に励まされてなんとか職務を果たせていたようです。過日の新聞に、「小中の教諭 高ストレス」との記事がありました。文部科学省が教員の落ち着きのなさや気分の落ち込みなど6項目を数値化し役職ごとの平均値を算出したものです。小中学校ともに校長は3点台、副校長は4点台に対して意外にも教員は頭痛や血圧上昇などの影響が出る恐れのある5点を上回った結果がでたとのことです。1週間で75時間以上働く教員は6点を超えていました。多忙な教員が抱えるストレスは一概には判断できませんが、少しでもストレスを減らし、長時間労働を減らし、その分を児童、生徒に向き合う時間にあてることが本来の姿ではないかと思いますが、教育委員会のご見解を伺います

次にいじめについて伺います。

文部科学省の調査によると、全国の小中高校などでの2016年度のいじめの認知件数が、32万3808件に上りました。これは前年度よりも約10万件の増加です。急増したのは、いじめを積極的に見つける対応が進んでいることも大きいようです。いじめから子どもを守るために何が大切かを考えていかなくてはなりません。そこでまず本区でのいじめの認知件数は文部科学省の調査同様に急増しているのかお聞かせください。またその内容についてどの様に分析し、対応していくのかお考えをお聞かせください。NPO法人「ストップいじめ!ナビ」の須永副代表はいじめについて、「最初は1対1のちょっとした言葉でのからかいや、小突いたりすることから始まり、そうしたことが徐々にエスカレートし手が付けられない状況に陥ってしまうので、そうなる前に止めることが大切です」と語っています。また、いじめ防止対策推進法には、いじめを「児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義しています。目に見える具体的な暴力を受けていなくても、本人が苦痛を感じていたら、いじめとして対処する必要があります。その上で大切なことは子ども自身に何かあった時に相談することができるかどうか。話を聞いてもらえる誰かがいるかどうかだと。さらに、いじめられた時の相談相手で一番多いのは、小学生は「親・先生」中学生は「友人・知人」いじめを経験した子どもで学校の先生に相談したことがあるのは全体の4割ほど。そのうち7割の子が「「いじめがなくなった」「すくなくなった」と答えているとのことです。先生が適切に関わることで、ある程度の割合でいじめが少なくなっていると言えます。そこで質問します。いじめの問題は、まず学校の先生が適切に関わっていくことが大切だと思いますが教育委員会のご見解を伺います。両親や先生、友人にもなかなか相談できないという子どももいます。したがって、子ども達が相談しやすい体制を整備することが求められています。この度の決算特別委員会で紹介した長野県教育委員会のLINEを活用した相談では、電話相談の年間259件を大きく上回りわずか2週間で1579件のアクセスがありました。いかに子ども達にとって利用しやすいものであるかがわかります。本区での相談体制の現状と今後LINEを活用した取り組みの推進についてお考えをお聞かせください。さらにあってはならないことですが今年のニュースでは学校の先生によることが原因として自殺してしまったという悲しい報道がありました。それは今年の2月、愛知県に住む中学3年生の男子生徒がビルの7階から飛び降り自ら命を絶つという痛ましい出来事でした。この報道の見出しは「教師という圧倒的優位な対場を利用した担任によるいじめ、教育パワハラ」となっていました。また、11月には、「教員との関係が原因の自殺『指導死』に潜む複雑な問題」というショッキングな報道がありました。これは、今年の3月に福井県の中学2年生の男子生徒が校舎から飛び降り、自ら命を絶ったというものでした。10月15日に第三者委員会がまとめた報告書では「担任、副担任から立て続けに強い叱責を受けた」ことが自殺の原因と結論づけられました。自殺した児童生徒の数は前年度に比べて29人増の244人。自殺の理由のうちもっとも多いのは「家庭不和」と「進路問題」で「教職員との関係での悩み」は3人になっています。学校は、えてして外界と隔絶された閉鎖的な空間になりやすい。その中では、人間関係やいじめに悩む子どもが唯一頼れる大人が教員である。以前、教員の不適切なかかわり方が原因で不登校を招いてしまうという、島村議員の質問もありましたが、このケースではその教員こそが自殺の原因になるという最悪の事態を招いてしまったと報道されています。いじめから子どもを守るべき教員がいじめの主体者になってしまったことは信じがたいことです。本区では、豊島教員ミニマムに 「ひと言の重みを自覚し、子どもが抱える心の悩みをとらえよう。」「子どもと向き合い、温かい人間関係を築こう。」とあります。この事件について教育委員会としてはどのような見解をお持ちなのかお聞かせください。また万が一にもこのような事が起きないようにするには日頃から教員に対してどのような指導をすべきなのかお考えをお聞かせください。

教育課題の最後として学校開放事業について伺います。

昭和50年代に始まった学校開放事業は様々な変化をしながらも今日まで40数年にわたり行われてきました。特にスポーツ振興としては身近なところでできる施設として多数の方に利用されてきました。まず現在の学校開放事業の利用状況について伺います。

現在の学校と地域との関わりを見るとその繋がりの深さを痛感いたします。小学校では学校開放団体が協力して、夏休みのイベントや一輪車検定の手伝い、餅つきなどなど多くの活動をしています。

中学生開放は部活とは違う競技ができ、また部活に入っていない生徒もスポーツに親しむことができます。ボランティアとして地域の方が面倒をみてくれています。私の子どももよく遊ばせてもらい時には叱られたりしながら楽しく過ごさせてもらいました。そこでお伺いします。学校開放事業のなかにある中学生開放の現在の状況をお聞かせください。また、中学生開放の果たしてきた意義と今後の継続した活動に対して教育委員会としてはどのような考えなのかお伺いします。さらに学校開放事業の一つとして個人開放があります。この個人開放はボランティアとして開放協力員が教育委員会から委嘱され、器具の設置から安全管理まで行っています。学校開放事業は、長い歴史を持ちその間、区民の健康増進や地域コミュニティの形成、児童生徒の健全育成と見守りなどに深く関わってきました。いざという時の避難場所としての役割など学校と地域の関係はますます重要になっています。そこで質問します。これまで個人開放事業の果たしてきた役割と今後の継続した事業展開について教育委員会のお考えを伺います。

4.最後にその他として大塚地域の整備について伺います。南北自由通路の開通により大塚駅周辺の整備は大きく展開をしてきました。今年5月には南口駅前広場の整備も完了し「トランパル大塚」と命名され多くの方が憩いの空間として利用しています。この広場にはバラの植栽もされました。根ずくまでの数か月間都電沿線協議会の有志で水やりをしてきました。私も月曜日の朝を担当して雨降り以外は朝のラジオ体操が終わった後、水栓を開き2時間ほど放水してまた水栓を閉めるという作業をしました。都電沿線ほどは大きくはありませんが綺麗な花を咲かせています。しかしこの広場には多くの方が集まる一方空き缶空き瓶のポイ捨てが目立ちました。なかにはタバコのポイ捨てをして桜の植栽付近から煙がでるなど消防車が何回か出動する騒ぎもありました。区の手配した清掃業務が入っているようですが利用者のマナー向上と安全安心な空間づくりへの対応を重ねてお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。またこの広場のバラの手入れにつきましても区が積極的に関わって頂くようお願いいたします。この広場と従来から都電沿線協議会が手入れしてきたバラのロードの間には自転車の臨時置き場がありましたが大塚駅南口地下駐輪場の整備とともに廃止されました。現在、駅前広場とバラのロードとの間は、コンクリートの車道になっています。今後、駅前広場とバラのロードが緑でつながるようにハーブなどを植栽できるようご検討ください。

「誰もが安心して住み続けられる豊島区を目指して」人間優先の施策がさらに推進することを期待して一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

○区長(高野之夫) ただいまの根岸光洋議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。

観光施策についての御質問のうち、本年第1回の定例会でもシェアサイクル導入についての御質問もいただきましたが、まず、過去実施したレンタサイクルの事業の実施状況と廃止に至った課題についての御質問にお答えをいたします。

まず、実施状況でありますけど、本区においては放置自転車の抑制を目的といたしまして、池袋東自転車駐車場と目白駅東自転車駐車場の2カ所でレンタサイクル事業に取り組みました。具体的には、池袋駅東が平成12年7月から平成20年6月までの8年間、目白駅東が平成14年4月から平成20年6月までの6年間、実施をいたしました。他区に先駆けて早い段階で取り組んだわけでございますが、それぞれ50台の自転車を1カ月ごとに定期利用や1日ごとの当日利用で貸し出しをいたしました。

利用状況といたしましては、2カ所の平均貸出率が平成18年度で56.8%、平成19年度で55.7%という、やや低い利用状況でございました。

廃止に至った課題でありますけど、利用者がレンタサイクルを放置する状況や特定の方が数カ月にわたって借りたままという状況が見られたことなどが挙げられます。また、池袋東、目白駅東の2つの自転車駐車場の利用率が向上し、レンタサイクル事業を受け入れる余裕がなくなってきたという状況もあり、区として廃止を判断したものであります。

次に、現行の区立自転車駐車場を活用してのシェアサイクル導入についての御質問にお答えをいたします。

現在、区立自転車駐車場の1日当たりの平均利用率は96.3%となっており、多くの方々に御利用をいただいている状況であります。しかしながら、駐車場の場所や時間帯によっては空きスペースも見受けられる場合もありますので、そのような駐車場の活用を図っていくことも大切であると認識をしております。

いずれにいたしましても、放置自転車対策として整備してきた既存の駐車場の機能を確保することを優先させ、シェアサイクルにおいて活用する方策についても検討をしてまいりたいと思います。

次に、シェアサイクルの商店の割引サービス等との組み合わせ導入についての御質問にお答えをいたします。

自転車を貸し借りする拠点として、商店街の中にサイクルポートが設置されれば、買い物で移動する利用者がふえますし、ポート利用に伴う割引クーポンもスマートフォン配信できるようにすれば、商店街での買い物をする機会も増加をするものと想定できます。このように、シェアサイクルは商店街の活性化にも密接に関係をいたしますので、その導入の際には商店街とも連携を検討してまいりたいと思います。

次に、豊島区の観光施策としてのシェアサイクル導入についての御質問にお答えをいたします。

2019年東アジア文化都市、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催により、国内外から大勢の観光客が豊島区を訪れることが見込まれます。一昨日、11月19日でありますけど、京都市で行われました東アジア文化都市クロージング式典に参加をしてまいりました。当日は大変大勢の外国人、特に参加国の中国、韓国の方々がお越しになっておられました。

本区といたしましては、この機会を最大限に生かして観光客に本区の魅力あるスポットや町並み風景を見ながら、自転車でゆっくりと回っていただき、本区の魅力を実感していただきたいと考えております。シェアサイクルの導入につきましては、観光客だけではなく、地域の活性化や区民の皆さんの利便性の向上等、様々なメリットがあると考えます。しかしながら、一方では、自転車増加に伴う自転車事故の発生や放置自転車の増加、導入に係る経費の負担等、様々な課題があります。こうしたことを踏まえまして、実施に向けた検討を進めてまいりたいと思っております。

なお、他区で実施されておりますシェアサイクルには株式会社ドコモバイクシェアが運営するものもございますが、これは電動自転車で、導入に当たっては自転車やポート設置に補助金を行うなど、区の費用負担が前提の事業でございます。

これに対して中国では、シェアサイクルを展開しているモバイクなどの事業者が、近年、日本でのビジネスを模索しております。例えばモバイクについては、電動自転車でありませんが、当区に本社があります無印良品のデザインを手がける日本人デザイナーがデザインをしたしゃれた自転車で、導入に当たってはサイクルポートの設置場所について協力を求められるのみでありまして、区の負担は求めないといったものでございます。

また、今日も、これは日経でございますけど、セブンイレブン・ジャパンが自社のコンビニエンスストアを自転車のシェアサービスの拠点として活用を展開するというような記事が出てございました。

区といたしましては、先ほど申し上げたメリット・デメリットを踏まえつつ、こうした新たな運営事業者が参入している状況もよく見極めまして、実施に向けた検討を進めてまいりたいと思います。

次に、現在のWi-Fi整備状況と今後の整備の進め方についての御質問にお答えをいたします。

これまで区役所本庁舎、救援センターなどの区有施設や池袋駅周辺の野外施設等へアクセスポイントの設置を進め、池袋周辺17カ所の屋外アクセスポイントを設置いたしました。さらに、本年度は、これまで池袋駅周辺としてきた設置地域を拡大し、巣鴨、大塚、駒込、目白の各駅周辺に新たに10カ所を設置する予定でございます。

また、同時に、区内の店舗等にもアクセスポイントの設置を呼びかけ、本年10月末現在で164店舗に御協力をいただきました。今後のWi-Fi整備に当たりましては、インバウンド向けの滞在環境の快適化、観光情報等の情報発信力強化とともに、災害時の適切、迅速な多言語による情報提供の観点からWi-Fi整備を進めていきたいと考えております。

次に、携帯電話等の充電器の設置についての御質問にお答えをいたします。

2019年秋にオープン予定の新区民センターのインフォメーションコーナーや池袋西口公園のインフォメーションには、外国人を含めて多く観光客が訪れることが想定されます。そのため施設内には多言語で観光案内が可能なタブレットを設置するほか、御自身のスマートフォンやタブレットで情報収集していただくため、Wi-Fi環境の整備のほか、充電するための充電プラグも設置をしてまいりたいと思います。

次に、区内の外国人向けボランティアガイドの活動状況についての御質問にお答えいたします。

豊島区観光協会の外国語観光ボランティアには、現在48名の方に登録をいただき、区内で開催するイベントに来場する外国人にイベントの内容や付近の道案内、観光モデルコースの設定や案内、駅周辺等での道案内なども行っていただいております。今年度には新たに昭和鉄道高等学校の学生さんと連携したボランティアガイド、豊島区帰宅困難者対策訓練への協力を行っていただき、案内業務の対応件数については、28年度に開始して以来、延べ180件にも上る状況となっております。

次に、外国人向けボランティアガイドへの積極的な支援についての御質問にお答えをいたします。

現在、区では、東京都、豊島区観光協会と共催で外国人おもてなし語学ボランティア育成講座を開催し、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた英語によるおもてなし力のスキル向上を目指していただく取組みを実施しております。今後は本講座からボランティアガイドへとつながる仕組みについて検討をするとともに、引き続き観光協会を通じまして、当会に対する支援を行ってまいりたいと思います。

次に、国際アート・カルチャー都市、東アジア文化都市開催地としての今後の観光施策の展開についての御質問にお答えをいたします。

平成30年度に改定予定の豊島区観光振興プランでは、国際アート・カルチャー都市構想実現戦略に基づき、今後の区の観光計画をまとめる予定であります。少子高齢化が進行する中で、観光関連産業については、比重は飛躍的に上がっていくものと考えられます。中でも、実現戦略の国際戦略に位置づけられている2019年東アジア文化都市の開催や東京オリンピック・パラリンピックに向けたインバウンド対策は非常に重要な課題と認識をしておりまして、さらに積極的に取り組んでまいりたいと思います。

先ほども申し上げましたけど、一昨日、京都市での東アジア文化都市クロージング、ファイナル閉会式に参加をいたしまして、その規模の大きさ、その報告の中での1年間の文化都市としての活動の歩みを拝見して、改めて豊島区で進めております国際アート・カルチャー都市によるまちづくりが、2019年、大きくその国際性、ブランド力の向上に確かな手応えを感じてまいりました。ぜひ区民の皆さんとともに、この文化都市開催、オリンピック・パラリンピック等をぜひ成功をさせる一翼になればと思っております。

私からの答弁は以上でございますけど、そのほかの質問につきましては両副区長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁をいたします。

〔水島正彦副区長登壇〕

○副区長(水島正彦) 健康と福祉施策についての御質問のうち、まずキャラバン・メイトによる講座開催の状況や課題等についての御質問にお答えをいたします。

認知症サポーター養成講座の開催状況でございますが、今年度は10月末時点で39回開催し、そのうちキャラバン・メイト主催の講座が約半数の20回となっております。キャラバン・メイトが主催する講座の多くは、自身が活動している団体や事業所等で開催されており、地域に密着した少人数単位の講座をきめ細かに開催をしていることが特徴となっております。

実施したキャラバン・メイトからは、受講者の認知症への理解が深まり、やりがいがますます高まったとの声がありました。一方で、開催までには準備を含めて非常に時間がかかる、講座時間の設定や講座内容のアイデアの出し方に苦労する等の意見が上がっており、講座を開催するまでに不安と思うことが多いことがわかりました。

次に、今後の認知症サポーター養成講座の取組みとキャラバン・メイトの活動への支援についての御質問にお答えいたします。

本区では、基本計画において平成32年度までに認知症サポーターを1万人養成する目標を掲げており、平成28年度末までに7,200名の区民の皆様に受講をしていただいております。

これまでの受講者は、町会の方、小学校、介護事業所、金融機関にお勤めの方など多岐にわたっております。しかし、その7割以上が40歳以上であるとのアンケート結果が出ていることから、これまで以上に認知症サポーターの養成を加速させていくためには、若年層の受講者をふやしていく取組みを進めていくことが必要であります。

今年度、大学としては初めて大正大学と帝京平成大学から認知症サポーター養成講座を開催したいとの受講依頼がありました。キャラバン・メイトを派遣いたしました。ほかに立教高校からもお声をかけていただいており、今後は他の高校、大学にも積極的に周知し、若年層にも認知症支援の輪を広げてまいりたいと考えております。

次に、キャラバン・メイトの活動への支援についてでありますが、運営のポイントをまとめた資料、講座時間に合わせた企画案、参考となるDVD映像を事前に配付するなど、講座開催に当たっての負担を軽減し、より積極的に活動していただけるようにしてまいります。

次に、ロタウイルスワクチン接種の公費助成についての御質問にお答えをいたします。

本ワクチンの効果は医学的に認められており、現在、国におきましては本ワクチンを定期接種と位置づけるべきか検討を重ねていると聞いております。

根岸光洋議員が御指摘のとおり、本ワクチンは保護者にとって経費の負担が大きく、接種をちゅうちょする場合もあると想定されます。

また、ロタウイルスに感染した場合の本人の苦痛の軽減はもとより、保育園などでの感染拡大の防止、看病する方の時間的、経済的負担を軽減する観点からも、本ワクチンを接種する意義はあると認識いたしております。

1人当たり約3万円の接種費用のうち、仮に杉並区並みの1万2,000円を助成することといたしますと、接種率を75%と想定し、約2,000万円の財源が必要となります。国民健康保険減額調整措置の見直しにより生じる歳入を財源とする御提案もいただきましたが、国からは、去る11月1日、その使途についてはさらなる医療費助成の拡大ではなく、他の少子化対策の拡充に充てるよう通達が来ておりますので、様々な観点に立って、この財源の活用等を検討しているところであります。また、その助成額の推計も少な目に見積もったものでありまして、本歳入を財源に充てることは難しいのではないかと考えております。

一方、東京都医療保健政策区市町村包括補助事業補助金を必要総額の2分の1を上限に充てることができますが、他の施策でもこの補助金を活用しておりまして、接種費用の補助に充てられる額は少なくなる可能性もあると考えられます。

以上、申し上げてまいりました様々な状況の中にありますけども、本ワクチン接種の公費助成につきましては、本区医師会からも強く要望されておりますので、他区の状況も参考にしながら、今後慎重に検討してまいりたいと考えております。

次に、ピロリ菌検査受診率の推移と向上への取組みについての御質問にお答えいたします。

ピロリ菌検査の受信状況は、28年度において20歳が9.1%、30歳が10.2%、合計で9.8%となっております。平成26年度より20歳を対象として開始して以来、同程度の推移となっております。1月の成人式の際にPRに努めるほか、転入者を対象とした再勧奨、また、女性については子宮頸がん検診の受診の再勧奨の際に、あわせてピロリ菌の検査についても勧奨を行っております。

次に、50歳代を対象に導入する内視鏡検査とバリウム検査との組み合わせについての検討状況と課題についての御質問にお答えします。

平成30年度からは胃がんの内視鏡による検診を実施すべく、現在、医師会と細部の調整を図っております。対象は50歳以上と考えておりまして、国のガイドラインを踏まえて2年に一度、対象者が偶数年齢となる年にバリウムによる検査か内視鏡による検査かを選択していただくこととなっております。

内視鏡検査の受診に当たっては、バリウムによる検査を行っております健康診査センターのほか、協力医療機関での受診も可能となるよう調整中であり、詳細が決まりましたら議会にも報告をしたいと考えております。

次に、若年層受診率向上への取組みとしての年齢層の拡大についての御質問にお答えいたします。

かねて御要望いただいております若年層におけるピロリ菌の検査対象年齢の拡大を含めて、胃がんの対策を全体としてどのように構成していくかは、新年度の50歳以上の内視鏡検査の導入を踏まえて、今後改めて医師会とも意見交換をしながら検討していくこととなります。そのためにも、現在実施しております20歳、30歳のピロリ菌検査、40歳、50歳のABC検査、そして新たに開始する50歳以上の内視鏡検査とバリウム検査の選択的実施、それぞれの受診状況を1年間、見定めたいと考えております。

それらを踏まえまして、限られた予算の中でどのように効果を上げていくか、医師会とも相談しながらしっかりと考えてまいりたいと考えております。

私からの答弁は以上でございます。

  〔宿本尚吾副区長登壇〕

○副区長(宿本尚吾) その他についての御質問のうち、まず、トランパル大塚における利用者のマナー向上と安全・安心な空間づくりへの対応についての御質問にお答えをいたします。

トランパル大塚におきまして、たばこのポイ捨てが原因で、桜の根元に養生用に敷き詰められたチップ材に引火したぼや騒ぎが複数回生じたことを受けまして、区といたしましても桜の木や広場周辺の柵に利用者のマナー向上を促す表示板を取りつけております。また、桜の根元のチップ材を撤去し、不燃の材料に変更することにより、万が一たばこのポイ捨てがあった場合でも、火が燃え移らないような対策をとっております。

次に、トランパル大塚のバラの手入れへの区の積極的関与についての御質問にお答えをいたします。

広場内の植栽管理につきましては、都電沿線協議会の方々に多大なる御協力をいただき、深く感謝をしております。

今回の広場整備では、地域の方々の御要望を踏まえ、400本を超えるバラが新しく植えられました。地域の方々がこれらのバラの手入れについても積極的に取り組んでいただいております。しかしながら、区といたしましても、バラの管理の全てをお任せすることは地域の方々にとって負担が大きいと認識をしております。

そこで、1月からは特に労力を要する冬季剪定作業を中心に専門業者に発注するなど、地域の方々のボランティア活動と業務委託を併用しながら、共同でバラの維持管理を行ってまいります。

次に、駅前広場とバラのロードをつなぐ植栽についての御質問にお答えをいたします。

御指摘の箇所につきましては、現在、東京都交通局と協議しながら植栽帯の設計を進めており、概略がまとまり次第、都電沿線協議会の方々と植栽の内容や管理方法につきまして協議を行う予定としております。

また、協議が調った後、次年度に工事発注を行い、広場とバラのロードが緑でつながる空間を創出してまいりたいと考えております。

私からの答弁は以上でございます。

  〔三田一則教育長登壇〕
○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関する御質問に対しましてお答え申し上げます。

教育課題についての御質問のうち、まず、教員の長時間勤務の実態について、教育委員会はどう考えるかについての御質問にお答えいたします。

教員の長時間勤務の実態は、御指摘のとおり学校教育の根幹を揺るがしかねないものと重く受けとめております。

平成29年11月9日、東京都教育委員会が発表した公立学校教員勤務実態調査の結果から、次の特徴が浮き彫りになりました。

第一は、文部科学省が平成18年度実施した教員勤務実態調査に比べて、平成28年度のものは週当たり勤務時間を見ると、副校長が9時間24分増加と、最も長時間勤務を強いられています。

第二は、教員の年齢や職層の違いにかかわらず、小学校5時間17分、中学校6時間29分と大幅に増加しており、国の調査以上に深刻な実態が浮き彫りとなりました。

第三は、負担感の多い教員の悩みとして、「教材準備の時間が十分にとれない」、90.5%、「教員としての学習指導の満足度がまあまあ」、46.0%という2つの全国調査データを関連づけて考えると、教員本来の業務が時間内で全て処理することが困難になっているということでございます。

第四に、学校を取り巻く環境の変化から、授業以外の業務が学校に持ち込まれて対応が難しくなっているという厳しい現実があることです。教育職員の勤務は一般公務員と異なり、児童・生徒を対象として有形無形の教育を行うことが中心となることから、教育公務員の勤務時間の特殊性に基づく勤務時間制度が設定されており、複雑です。したがって、勤務時間という量的な把握だけではなく、勤務の質にかかわる把握も進めながら、今後抜本的改革に向けて早期に着手すべき重要課題であると受けとめております。

次に、本区の教員の勤務時間の実態はどうなっているかについての御質問にお答えいたします。

今年度、文部科学省の調査に参加した本区学校のサンプリング調査結果のうち、教員の勤務時間を見ますと、週当たり小学校56時間33分、中学校61時間56分となっており、東京都の平均と比べますと小学校ではマイナス2時間、中学校ではマイナス3時間39分と、東京都の結果より際立って少ないことがわかります。これまでの校務支援システム等の導入の効果が出てきたと受けとめております。

また、副校長につきましても、小学校62時間37分、中学校61時間48分と東京都の平均と比べると小学校でマイナス6時間、中学校でマイナス4時間という結果でございました。

次に、教員の長時間勤務をせざるを得ない原因はどこにあるのかという御質問にお答えします。

長時間勤務の背景として、まず、年間授業時数が小学校第6学年を例にしますと、平成18年度、9教科で945時間、平成28年度になりますと9教科980時間、そして今度の新指導要領実施に当たります平成32年度からは11教科1,015時間となり、授業時数の大幅な増加傾向を挙げることができます。

また、団塊の世代からの世代交代によって各小中学校は若手教員が増加し、経験不足からくる諸困難に十分対応し切れないことが負担感を一層増していると捉えております。

こうした背景から、校務分掌に係る業務、保護者、地域対応、部活の指導、いじめなどの調査の増加が原因であると考えております。

次に、副校長2人制導入の経緯と効果はいずれか、長時間勤務解消につながっているかについてお答えします。

この事業は、東京都で行っている副校長負担軽減モデル事業で、副校長を複数配置し、負担軽減を検証することを目的としております。

本区におきましては、学校規模の大きな南池袋小学校と千登世橋中学校で実施しております。この事業は、教員定数の1名分を副校長として配置し、副校長2名で週10時間以上の授業を担うことになっております。

副校長の職務は、校長を助け、校務を整理し、教育をつかさどるということから、職務全般の企画・立案、調整・実施の万般にわたって相乗的な効果が確認できました。また、新設した特別支援学級への指導効果や、副校長が担当する教科の授業改善が図られるなど、授業にかかわる役割分担も果たすことができました。総じて副校長の長時間勤務の軽減と学校全体の長時間勤務の解消に一定の成果があったと考えております。

次に、部活動を指導している本区の教員の土日勤務の実態及び方針提示後の教員の勤務予測と外部指導員の活用についての御質問にお答えします。

部活動を指導する教員の土日勤務は、文部科学省のガイドラインに沿って、週当たり2日以上の休養日を設定しております。練習試合や大会参加で土曜日や日曜日に活動する場合は、休養日を他の曜日で確保し、土日を連続して活動しないよう努力をしております。こうした実態は区立中学校のみならず、区内の私立学校とも合意し、共通化しております。また、教員の土日の勤務につきましては、教員特殊勤務手当の支給や振替え休業日の設定によって対応をしております。

今後、東京都教育委員会が発表した学校における働き方改革推進プラン(中間まとめ)に基づき、平日は1日当たり在校時間を11時間以内とし、土日は連続して勤務せず、どちらか一方は必ず休養できるよう施策を展開してまいります。

また、部活動のあり方や外部指導員の活用につきましては、外部指導員に関する要綱に基づき、部活動顧問の指導負担の軽減に努めてまいります。さらに、複数顧問制を取り入れ、教員の負担軽減に努めてまいります。

次に、長時間勤務など教員のストレスを減らし、児童生徒に向き合う時間に充てることについての御質問にお答えします。

長時間勤務などによるストレスを減らすために、本区では昨年度よりストレスチェックを全教員対象に実施しております。教員自身がストレスの状況に気づき、ストレスが高い場合は医師との面接相談を行っております。また、学校に対する専門員によるコンサルティング、校長に対する教員間のフォローなど、職場環境の改善を図っております。

今後も学校における働き方改革を推進し、長時間勤務の改善によって児童生徒に向き合う時間こそ重要であるという教育を充実させてまいります。

次に、本区のいじめ認知件数と内容及び、その分析と対応についての御質問にお答えします。

本区におけるいじめ認知件数は、前年度問題行動調査結果と比べて、小学校46件から68件、中学校14件から11件となっております。小学校は、御指摘のように22件の増加ですが、これはいじめの被害を受けた子どもが心身の苦痛を感じているとの判断の下、早期発見・早期対応の基準として有効手段として活用したことから、素早い対応ができた結果だと受けとめております。小学校のいじめ解消率は86.8%と高率であったことからも、本人が苦痛に感じていることはいじめであるという「いじめ防止対策推進法」や本区が策定した条例の趣旨が浸透してきていると捉えております。

また、中学校の減少傾向につきましては、小・中連携教育による心理テストが有効活用され、軽微ないじめは繰り返さない小中学校間の努力が実を結んできていると捉えております。

平成28年度の調査後の本年2月、東京都教育委員会は、いじめ総合対策【第2次】を発表しました。ここでは、いじめの未然防止、早期発見、早期対応、重大事態についての抜本的対策を打ち出し、「親切のつもり、悪気はなかった、ついかっとなった」というような「いじめの基準」もいじめとして明確にしていることから、いじめ発見率は今年度よりさらに高まるものと思います。この傾向は、軽微ないじめを見逃さず、予防策を持って早期に対応することで大幅な改善につながると受けとめております。

成長期に受けるいじめは人の一生に深刻な影響を与えることから、今後とも全ての学校、保護者、地域が協力していじめの根絶を目指してまいります。

次に、いじめに学校の先生が適切にかかわることが大切であるということについての御質問にお答えします。

平成24・25年度東京都教育委員会のいじめ問題アンケート調査では、「いじめを受けたとき誰に相談したか」の回答として、保護者が73%、友達47%、担任が35%と3人に1人の生徒は担任に相談しております。また、文部科学省によるいじめ発見の調査では、教職員の発見率、小学校が69%、中学校が56%と高く、第一義的な役割を果たしていることと認識しております。

次に、いじめの相談件数の現状とLINE活用の取組みについてお答えします。

本区におけるいじめ相談は、まず年3回の担任と個人面談及びいじめアンケートによる実態調査に基づく面談、教育センターにおける電話相談のほか、他の相談機関との連携によって、いつでも、誰でも相談できる体制を確立しております。

LINEを活用した取組みにつきましては、東京都教育委員会によるSNSを活用したアプリの提供を行っていることから、これを広く宣伝活用できるよう周知してまいります。

次に、学校の先生によることが原因として自殺してしまったことについての見解と、教員に対する指導についての御質問にお答えします。

御案内の「愛知県中学校第3学年男子生徒の自殺」につきましては、報道によると、現在、第三者委員会が発足して調査中であるとのこと、また、「福井県中学校第2学年男子生徒の自殺」につきましては、遺族の申し出により事件の真相の公表が控えられている現状がございます。したがいまして、教育委員会としての本件に対する正式な見解は、現段階では差し控えさせていただきます。

しかし、教員が児童・生徒をいじめる、あるいは、その行為によって自殺の原因をつくるといった教員の非違行為は免職、停職に値する重大な問題であり、いかなる理由があっても決して許されない行為であります。

豊島区教育委員会では、御指摘の事例は常に他山の石であり、アンテナを高く張り、日ごろから我が事として、人権教育プログラムや生活指導提要を実践的に活用させ、学校ごとに服務事故防止研修を年2回実施するなど、教員への指導を徹底させ、児童・生徒の心に寄り添った教育を進めてまいります。

次に、学校開放事業の利用状況についての御質問にお答えいたします。

学校開放事業は全小中学校で展開しております。22小学校の実績を申し上げますと、校庭が13万1,770人、体育館12万7,781人、特別教室1万5,819人、合計27万5,370人の方々が利用されています。

また、中学校の開放は、平成28年度、校庭が2万7,617人、体育館及び武道場が3万6,747人、合計6万4,364人と多数の方々に利用されており、有効活用が定着してきていると認識しております。

次に、中学生開放事業の現状と、事業の意義と今後の活動についての御質問にお答えいたします。

中学生への開放は、在校生を対象に、各学校の校庭と体育館を開放するもので、西巣鴨中学校、池袋中学校、千登世橋中学校及び明豊中学校の4校で実施され、平成28年度は校庭と体育館を合わせて、延べ1,434人の中学生が利用しました。

この事業は、将来を担う中学生が地域の方々と交流を通じて、学年や部活動の枠を超え、友達と一緒になって様々な運動に対する知識や技能を身につけ、体力向上を図る上で大変有効な活動であると考えております。今後もより多くの中学校での取組みを広げるよう、推進してまいります。

次に、個人開放事業が果たしてきた役割と今後の事業展開についての御質問にお答えいたします。

個人開放事業は、安全な遊び場の確保及びスポーツの機会の提供に地域がかかわることよって、開かれた学校づくり及び地域コミュニティの形成に寄与してまいりました。今後も地域における学校の役割を果たすため、また、3年後に迫ったオリンピック・パラリンピック機運の高まりを背景に、生涯スポーツ振興のため、教育活動に支障のない限りにおいて積極的に学校を開放してまいりたいと考えております。

以上をもちまして、根岸光洋議員の御質問に対する答弁を終わります。