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平成25年9月 第3回定例会一般質問 根岸光洋原稿

「未来に希望輝く 安全・安心な街 豊島区を目指して」

2013.9.25登壇

 公明党豊島区議団を代表して「未来に希望輝く 安全・安心な街 豊島区を目指して」と題して1.防災・減災対策について2.スポーツ・健康施策について3.青年の声を活かした文化・観光施策について4.空き家等老朽家屋対策について一般質問を行います。

 東日本大震災から2年半が過ぎましたが未だに約29万人近い方が避難生活を余儀なくさていることに改めてお見舞いを申し上げます。一日も早い復興を願います。

 1.防災・減災対策について

 それでは最初の質問の防災・減災対策について伺います。

今年は、猛暑を通り越して酷暑と言われる記録的な暑い夏となりました。高知県四万十市では気温が41度に達して6年振りに国内最高気温を更新しました。また、台風、豪雨災害、竜巻災害等これまでにない被害が全国各地で起きました。まさにあらゆる災害に対策を講じていかなくてはならないことを痛感する夏でもありました。

 1960年代、初めての東京オリンピック開催や高度成長時代には高速道路や新幹線整備などが矢継ぎ早に行われました。人類史上最速の都市整備は同じく人類最速の老朽化を一気に迎えていると言えます。建築後50年を経過する社会資本は2029年度には50%を超えます。東日本大震災の教訓から地域の防災力を高めるためにこの老朽化していく社会資本の再整備が必要であります。地震大国日本でその首都機能となる東京は首都直下型地震の発生が今後30年間で70%とも言われています。「大地震が来る」という覚悟と準備が必要なのであります。私共公明党は災害を未然に防ぐための「防災」と自然災害は発生そのものを防ぐことができないのでいざという時に被害を最小限に食い止める「減災」という取り組みに、老朽化した社会資本を前倒しして再整備しコスト削減と雇用創出等が期待される経済対策をあわせた「防災・減災・ニューディール」政策を打ち出してきました。現実に目を向けた「命を守る」政策であります。具体的には老朽化した社会資本を計画的に再整備することで寿命をのばし費用を抑え、災害に強い街づくりや、さらに社会資本だけでなく防災教育、防災備品の充実などへの取り組みです。そこで質問しますが、災害に強い、災害に負けない街づくりについて本区では老朽化していく社会資本の現状と再整備について、防災・減災対策の観点からどのように認識をされているのかお伺いします。また、その対策の一つとして進めいている、橋梁の長寿命化計画の進捗状況は現在どのようになっているのかお伺いいたします。この橋梁の長寿命化計画は区民の皆様からも多くの関心が寄せられています。特に、西巣鴨橋はコンクリート橋梁で建築より50数年がたち区内でも最も古く安全性が懸念され、架け替え計画が示されています。架け替えはまだ先とのことですが、その間に大震災が発災したら崩壊などの危険性はないのかなどの声も多く聞いています。計画の前倒しや特に対策に急を要するものなど、区民の不安を取り除く様早急な対応策を望みますがご見解はいかがでしょうか

 次に台風、豪雨被害についてお伺いします。今年5月に気象業務法が改正されて警報よりランクが一つ上の「特別警報」が加わりました。8月30日に運用が開始されてわずか半月後の9月16日に台風18号の日本列島上陸により初めて適用がされました。「直ちに命を守る行動を取ってください」とのテレビ放映は「これまで経験したことがない大雨だった」「こんなことが起きるなど思わなかった」と呆然としている市民の姿を映し出し、被害の凄まじさを伝えていました。「数十年に一度の豪雨」など異常気象とひと言では言い表すことができないぐらい様々な被害が起きています。首都直下型地震もいつ起きてもおかしくないと言われて様々な対策をしてきていますが、それに加えて豪雨災害もいつどこで起きるかわからない状況と捉え、対策を検討推進していかなくてはなりません。

 先月8月21日の大雨では区内でも多くの浸水被害がありました。改めて被災された方々にお見舞いを申し上げます。私は8月21日の夕方の大雨で床上浸水被害のあったお宅へ急遽駆けつけました。その被災状況はマンションの1階の玄関と裏手の両方から水が一気に入り、屋内の排水口からも逆流しあっという間に床上まで浸水したそうでうす。コンセントも水に浸かり漏電の心配など混乱した状況でした。部屋で横になっていた高齢の母親はあっという間に水が来て恐怖で一杯だったそうです。その後は雨も止み、水もひいていきましたが畳や家具も水につかり何よりもその日の宿泊先や土のうの手配などに追われました。エレベーターも浸水したため使用ができなくなりました。その後、一旦は回復したと思われた天気は、夜に再び激しい雷とともに豪雨となりました。地元の町会長からも連絡があり現場へ駆けつけましたが夕方の浸水被害とは別のマンション2棟の1階が床上浸水の被害を受けました。かき出しても次から次へと浸水してきました。警報も出ていなかったので区の方では待機をしていなかったとのことで、私の方で土のうの手配など緊急の対応をお願いしました。南大塚一丁目の三業通りは大人の膝まで水位があがり子どもや高齢者では流されてしまうほど危険でした。深夜1時過ぎまで現場での対応をして、床上浸水した方の希望を取り宿泊先の手配をしました。その後は消防団の召集がかかりビルの半地下駐車場が水没した現場へ駆けつけ、排水作業をしました。作業の一応のめどがついたのは深夜3時ごろだったと記憶しています。しかしながら被災した方はその後も休むことなく夜をあかされたことに心が痛みました。今月の15~16日の台風18号でも同じ南大塚1丁目の住宅が浸水の被害を受けました。住民の皆さんからは雨が降ると眠ることができない。7月末に転居した方はこれではもうここには住めないと声をあらわにしていました。私が聞いた、その他の被害状況は、地下室への浸水被害、飲食店での厨房室排水口からの逆流浸水被害、機械式駐車場の地下2階3階の車の水没被害、タバコ、飲料水の自動販売機、コインランドリーの洗濯機の浸水による故障など日を追って増えていきました。当然区としても被害状況を掌握していることと思いますがまず、8月21日の大雨と台風18号による被害は南大塚一丁目を含めて全区的にはどのような状況だったのかお伺いいたします。

また、この豪雨による浸水被害が起きた原因はどこにあるのか、もちろん予想を上回る雨量であったことは承知していますが排水対策など課題はなかったのかお伺いします。次に浸水被害後に雨水ますをコンクリートからグレーチング蓋に変更しましたがこれによってどのような効果が期待されるのかお伺いします。雨水ますについては、ゴミ受け付きのものは適切な清掃が必要であるが今回の被害に何らかの影響はなかったのか、また、雨水ますに沈殿したゴミなどの清掃はどのようになっていたのか伺います。

住民の皆様の不安は一体どのくらいの雨が降れば浸水の被害の可能性があるのかが、わからないということです。区役所と高田公園の雨量計の数値では不十分ではないかと思います。今回、多くの被害があった南大塚1丁目地域内にある巣鴨小学校への雨量計の設置も含めた区内の雨量情報の収集方法を検討していただきたいと思いますがいかがでしょう?また、現在この大塚三業通り地下に通る「千川幹線」は東京都下水道局による下水道再構築工事が行われています。現在は、巣鴨小学校から先の、まさに浸水被害の大きかった地域で行われています。また、大塚三業通り入口の方の再構築工事は平成26年度に予定されています。今回の被害を受けて、この工事の前倒しを長橋都議会議員を通して東京都下水道局に強く要望しました。区内では椎名町駅周辺の豪雨被害は対策を施した結果によりなくなったと聞いています。しかし一方では、高松地域では対策を施しているにもかかわらず今回も浸水被害が起きました。地域ごとの特性も含めて区民が不安なく安全に安心して生活できる豊島区になることを含めて、区としても南大塚一丁目の千川幹線下水道再構築工事の早期完成を東京都へ要望すること及び学校や公園等を利用して雨水の流出抑制を図るなど、その他、区内の水害防止対策を早急にすすめていただきたいと思いますがいかがでしょうか?

 東京都は平成19年8月に「東京都豪雨対策基本方針」を策定しています。平成20年9月には、浸水被害に強い家づくり・まちづくり対策を推進するために具体的対策や配慮すべき事項等を指針として取りまとめた「東京都地下空間浸水対策ガイドライン」を公表しています。そこには水防訓練の実施や参加への促進、地下浸水の危険性の周知・啓発が区の役割として求められています。地下空間は容量が小さく極めて短時間で水位が上昇します。土地の有効利用等による地下室や半地下構造なども増加しています。居室としての利用も多くなるなどから人的被害の危険性は高まっていると考えられます。先に要望した雨量の正確な情報提供と共に区民への水防訓練の実施や参加の促進、地下浸水の危険性の周知・啓発をすべきと考えますがいかがでしょうか?また、品川区では住宅、店舗、事務所に対して、防水板の設置及びその関連工事の費用について、区民は工事に要した費用の4分の3、法人は2分の1で上限100万円までの助成をしています。中野区では直接の地下空間に対する助成ではありませんが、家屋の高床工事費用の2分の1、限度額200万円までの助成や水害被害特別資金融資あっ旋制度を設けています。文京区にも同様の制度があります。さらに排水ポンプ購入助成を行っていた区もありました。浸水被害に対して町会、近隣の方は懸命な救助作業をしておりましたが、防水手袋や長靴がないなかびしょ濡れの状態で作業をしていました。本区では土のうの配布などがありますが、今後増加することが予測される水害、浸水被害に対して各家庭、地域でできる防水板や排水ポンプ等の購入助成の検討をしていただきたいと思いますがいかがでしょうか?

 次に災害時の救急医療体制についてお伺いします。東京都地域防災計画の改定によると災害時に災害医療コーディネーターの設置や医療機関の役割の明確化及び緊急医療救護所の設置、医薬品等供給体制について定められています。本区における災害時の救急医療体制について進捗状況と今後の課題をお示しください。また、災害時の救急医療ボランティアとして潜在看護師の活用は大きな意義があると思いますがお考えをお伺いいたします

 セーフコミュニティ国際認証を取得した豊島区として安全・安心創造都市として災害に負けない取り組みの推進を念願します。

 

2.スポーツ・健康施策について

 次にスポーツ・健康施策について伺います。

2020年の東京オリンピック招致が決定して国民の中には大きな喜びと期待の声が上がっています。今回の招致の成功は安全性や財政面での確実性もあるがスポーツの新たな価値として、スポーツが災害からの復興に役立てるという点も注目されたとの識者の声があります。さらに、世界のトップアスリートが被災地を訪問し子供たちや市民とスポーツを一緒に行うことで心の復興にも役立つと論じています。する人・観る人・支える人の輪がスポーツの楽しみ、感動を分かち、支え合う社会へと繋がっていく。とりわけ全ての方の健康を推進する意味からもその影響力は大きいことでしょう。喜びを与えるスポーツの存在が存分に発揮されることと期待するものです。「スポーツ・フォア・オール」国際オリンピック委員会(IOC)が規定するオリンピック憲章のなかにある言葉ですが、これは子供から高齢者まで誰もが生涯を通じてスポーツに親しむことができる社会の実現を目指すということです。いつでも・どこでも・いつまでも、それぞれの年齢や技術・興味・目的に応じてスポーツを楽しむことができる社会という意味でもあります。

そこで伺いますが、スポーツ振興策としてまず、昨年スポーツに関する意識調査が行われましたが、スポーツに対する区民の声をどう捉えたのかお伺いします?また、より身近なところでスポーツに親しみたいと考えている区民のニーズとスポーツ施設数や設備の増加、利用料金など要望が多くあるがこの点をどのように考えているのか伺います?東京城北勤労者サービスセンターでは会員への助成として区内民間スポーツ施設の利用料補助をしています。健康施策として最新の施設も含めて区民が身近なところでスポーツに親しむきっかけとしてこれらの民間スポーツ施設の体験利用の助成をしてはいかがでしょうかお考えをお聞かせ下さい?

区立スポーツ施設の充実についてですが、これまでも中学生のサッカー大会ができる施設整備の推進を要望してきました。池袋中学の改築によるグランド整備は学校施設として大会の開催などの利用には制約もあるでしょうが関係者の期待するところです。合わせて旧十中跡地の整備についてもサッカー、テニスなど屋外競技ができるスポーツ施設として整備計画を早期に示して推進して頂きたいと思いますがいかがでしょうか?また区立体育施設の利用時間の見直し、特に夜間の開館時間の延長は23区のほとんどの区で実施しているので検討していただきたいがいかがでしょうか?

また、今の小、中、高校生が2020年のオリンピックで活躍する世代です。区立小中学生がオリンピックの機運が高まっていく中でスポーツが好きになり健康で伸び伸びと成長できるような取り組みを例えば、トップアスリートによる講習会の開催などをいままで以上に推進するなど検討して頂きたいと思いますがいかがでしょうか?私の所属する豊島区バドミントン協会では、昨年から60歳以上を対象としたグランドシニア大会も始まり多くの方が熱心にシャトルを追いかけています。これもオリンピックにおいてバドミントン種目での日本人選手の活躍があったからだと思います。こうしたジュニア世代にも負けないシニア大会が益々広がっていくようなスポーツ施策に取り組んで頂きたいと思いますがいかがでしょうか?2020年、この東京で、世界のトップアスリートのダイナミックなプレーを見て皆さんと共に感動を分かち合う日を夢見ていきたいと思います。豊島区としてもオリンピックという絶好の機会を得た本年を、スポーツ推進元年として積極的に取り組んでいくことを強く要望しますが区のご見解はいかがでしょうか?

 

3.青年の声を活かした文化・観光施策について

次に、青年の声を活かした文化・観光施策について伺います。

豊島区のまちづくりに若者のアイデアを活かそうとフェイスブックなどを活用してアイデアの募集をしてきました。今年の6月に青年の代表の方たちと「豊島区のまちづくりに若者の声を!」との要望書を高野区長へ提出させて頂きました。この提案について区の見解をお伺いしたいと思います。

2020年の東京オリンピック開催が決定し、今後、外国人旅行者の増加が期待されるなか、東京観光にあたって、池袋は安いホテルも多く、都内各方面への交通の便もよいことから、東京観光の拠点として使われることが期待されます。一方で、池袋の利点は、海外からの旅行者には意外と知られていないと考えられます。池袋への呼び込みを強化することが必要であると思います。そのためには、外国人旅行者向けの「池袋ガイドブック」の情報をネット上にて発信するなどは効果的だと考えますが区のご見解をお聞かせください。

次に、海外旅行客呼び込みの観点から池袋の誇る「ラーメン」の活用が有効と考えます。海外旅行者が日本に来て食べたい日本食の1位はスシである。2位はラーメンとの報告があります。しかし、ラーメンを英語で検索すると、札幌ラーメンや博多ラーメンなどのご当地ラーメンが中心になります。池袋のような、ご当地ラーメンでないラーメン激戦区の情報はうまく発信されていない現状です。実際、英語でramen ikebukuroと検索しても、CNNの「東京ラーメン戦争:池袋」という記事が出る以外は、あまり有用な英語情報が得られません。ちなみに、新横浜ラーメン博物館は英語版の日本ガイドブックにも取り上げられ、外国人客の訪問が伸びています。
また、池袋は狭い面積に多くのラーメン店が集まっていて「有名店で池袋に店を出していない方が少ない」とも言われています。池袋は、ラーメンの食べ歩きに持ってこいの場所でもあります。公園などで各店舗が、小さなブースを出店し、ミニラーメンを振る舞うラーメン博覧会のようなイベントを開催し、ラーメンの街をアピールするなど、観光資源としての活用につなげられないかと思いますがお考えをお聞かせください。

3番目にアニメ、映画の街おこしについてです
アニメについても海外旅行客の呼び込みのための大きな観光資源となります。映画は国内の旅行者向けとして強いコンテンツでもあります。コンテンツツーリズムと言って、映画、ドラマ、アニメのロケ地を訪問するファンがいて、有効な観光資源として使われています。豊島区は古い街並みから新しい街並みまでが共存するエリアであり、ドラマのロケ地としては効率がよい。たとえば、フィルムコミッションなどを設立し、ロケの誘致や支援を行うことで、豊島区をロケ地とした映画やドラマ、アニメを増やすことができれば、豊島区の観光スポットが増えることになります。また、ロケ地支援には、「豊島区の記憶」アーカイブ等の歴史や風土の情報を活用することが非常に有用だと思います。ロケ地誘致の資源は整っており、あとは実行するための組織設立ができれば、実現できるのではないでしょうか。既に進められているアニメや映画のまちづくりと合わせ、相乗的に効果を上げていくことができると考えますが区のお考えをお聞かせ下さい。

  

4.空き家等老朽家屋対策について

 次に、空き家等老朽家屋対策について質問致します。私ども公明党豊島区議団は、空き家等老朽家屋対策については議会において再三にわたり取り上げてまいりました。区が適切に対応するための根拠となる条例の制定や空き家台帳の整備などを提案してきました。これに対して本区では、(仮称)豊島区老朽化家屋適正管理に関する条例策定小委員会を設置し、検討を重ねています。こうした本区における条例化へ向けての動きを受けて、先月開催された地域科学研究会主催の「老朽空き家等の適正管理条例の運用成果と新しい課題」と題するセミナーに参加し、既に条例を施行し運用している足立区、千葉県市川市、秋田県大仙市の各自治体の担当者からその成果と課題を伺ってまいりました。

セミナーのコーディネーター役である上智大学法科大学院の北村教授によると、既に全国の250の自治体で条例が策定又は検討が行われているとのことです。各自治体の条例が実現することを目的とする利益である保護法益は、建物の管理不全による身体・財産への被害防止という防災面と、敷地内に放置されているごみや管理されずに繁茂する樹木・雑草の除去という生活環境面の2つがあるとしています。本区の条例案を見てみますと、第2条の定義のうち「管理不全な状態」については、「建物等の部材等が落下し、飛散するおそれのある状態」など4項目とも建物に特化しているように思われます。私どもに寄せられる「管理不全な状態」の相談の多くは繁茂する樹木等環境面の苦情です。市川市の条例では、「草木の著しい繁茂又は害虫、ねずみ等の著しい発生により、周辺の生活環境の保全上支障を生ずるおそれがある状態」と明記されていました。

そこで先ず、本区の条例案においても「管理不全な状態」の定義に樹木の繁茂やごみ投棄の状態など生活環境面についても記載すべきであると要望致しますが、ご見解をお聞かせ下さい。また、こうした生活環境面の相談など内容によって担当部署が変わってまいります。その際、区民からの相談窓口は一本化し、部門を越えた取り組みが必要であると考えますが併せてお聞かせ下さい。

次に、行政指導について伺います。足立区では、強制を排除した条例となっており、行政指導は勧告までに留めています。理由としては、行政代執行は最終的に自治体に相当な労力と費用がかかるためです。訴訟のリスクに加えて、解体しても老朽化した空き家等の所有者から解体費用を回収出来ず結局自治体負担になる可能性が大きいからだそうです。それよりもむしろ助成金を出した方が進むとの考え方から足立区では、本年1月より100万円を上限に解体費用の9割を助成しています。その財源として復興税を活用していました。そして助成金支出の公益性・客観性を担保し、指導・勧告に対する意見や緊急安全措置の必要性について、民間の専門家を含めた第三者機関を設置しています。北風と太陽の寓話でいえば、足立区は太陽型です。そこで、本区における行政指導は、北風と太陽の併用型と思われますが、先ず我が会派から要望しておりました解体助成制度についてはどのような取り組みをするのでしょうか?また、対策の方向性として「数値的な基準の策定とそれに基づく措置・支援等」が示されていますが、第三者機関の設置の検討状況も含め、本区独自の取り組みについてお聞かせ下さい。

3点目に、台帳の整備について伺います。第4条において、「適正な維持管理が行われていない状態の建物等の情報の収集に努めるとともに、収集した情報を台帳等に記録する」としています。昨年第4回定例会の一般質問においても「運用上有効な手だての一つとして台帳の整備についても積極的に探ってまいりたい」との答弁を頂いております。秋田県大仙市では、空き家台帳システムを活用していました。同市の空き家等の適正管理に関する条例を運用するにあたっては、倒壊等の事故、犯罪、火災等を防止する目的から、台帳を作成。また、指導・助言だけではなく立入検査、措置命令といった行政処分の様式を規則で定め、空き家等防災管理システムを活用して空き家マップをつくり、調査票や行政処分の様式を自動的に出力。さらに、市内の空き家を有効活用し、大仙市への定住と地域の活性化を図ることを目的に空き家バンク制度を創設。この8月から空き家台帳システムを改良し、新たに空き家対策管理システムを造って空き家バンクの支援に活用していました。そこで、本区においても、相談窓口の一本化と部門を越えた取り組みを推進していくためにも同様のシステムを活用した管理が必要であると考えますがご見解をお聞かせ下さい。

4点目に、第12条の建築基準法令に関する調査について伺います。空き家実態調査から本区においては木造2階建ての老朽家屋が多く、危険な建築物に移行しない予防的措置の支援として画期的な取り組みであると考えます。改めてこの狙いと方向性についてお聞かせ下さい。

最後に、本条例に対する区民の理解と周知徹底のために図画入りパンフレットの作成を提案致しますが、ご見解をお聞かせ下さい。

 以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。