令和 7年予算特別委員会 3月 3日島村議員総括質疑
枠配分方式を休止し査定方式―区民の声を聞き施策に反映
○島村高彦委員 おはようございます。公明党豊島区議団、今回、偶数議席議員の人が予算委員ということで、我が会派、3名の予算委員で臨ませていただきます。しかしながら、御覧になったように、辻委員が副委員長、ふま委員が副議長ということで、発言するのは私1人ということになってしまいました。これまで2人でやったことはあるんですけど、1人でやるのは初めてでございまして、大変なことになってしまったわけでございますが、どうか理事者の皆様方の御協力、御支援を心からお願いを申し上げます。
それでは、総括質疑ということで入らせていただきます。今、自民党さんからもいろいろございましたように、今回の予算額、過去最高の1,700億円を超えるというところで、これは予算案の概要にも書いてありますように、区民の多くの声を聞き入れて、そして、その行政需要に柔軟に対応するためにこうした予算規模になったというふうに解釈をしております。
高際区長のこれまでの区民の声を重視し、区民視点に立ったまちづくりの実現に向けて取り組んでいくんだというこの姿勢については、私どもも大いに賛同し、評価をさせていただいているところでございます。
ここで気になるのは、この高際区長の姿勢、区民の声に耳を傾けて、区民視点に立つんだという、この姿勢が全ての職員にしっかりと受け継がれて、日々の業務にそれが表れているか、体現されているかというところが非常に気になるところでもございます。日頃、特に区民に直接接する職員たちの職務姿勢、これが、高際区長の姿勢がしっかりと受け継がれて、それでしっかりと業務に当たっているかどうかということが気になるわけですが、部長、課長の目から見ていかがでございましょうか。
○山野邊政策経営部長 非常に大事なことでございまして、高際体制に入って2年目でございますので、初めからこの姿勢は、区長が就任された日に訓辞がございましたので、職員一同この目標に向かってしっかり対応しているということでございます。
具体的に申し上げますと、やはりワークショップを多くしたりとか、それから、子どもレターというようなことで、本当にそういった手法も大分広がってきているというふうに認識しています。それから、よく区長に言われることは、現場主義を貫けというふうな話を常に指示をしていただいておりまして、特に部長会などを開く際には、定期的にそういったことを確認しながら、部長視点で、しっかり自分の部の職員に対して、現場主義を貫いているかということを確認しながら進めているということでございます。
しかし、一方、まだまだ区民の声を聞いて、それを施策に反映していくということは道半ばだと考えてございますので、しっかり定期的に組織全体でそういったことを意識しながら、新規拡充事業や既存事業の見直しに反映していくということを今後もしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○島村高彦委員 しっかりとやっていくということで、ありがとうございます。
区民からすれば、接するその職員を通してでしか豊島区の体制というのを知ることができないわけですよね。区長がどんなにそのような姿勢でおっても、直接それに触れる区民もいますけども、触れない区民も大勢いるわけです。したがいまして、1人の区民に対応するということは非常に、何ですか、重要な業務でございますので、しっかりとお願いしたいと思います。
そういった職員の中には、窓口業務等で業務委託の社員もいらっしゃいますよね。こういった区役所の正規の職員ではない、区民に接する業務委託の社員なんかにも、それがしっかりと理解されて取り組んでいるかどうかという点ではいかがでしょうか。
○山野邊政策経営部長 区民から見ると、窓口の職員が正規職員であるのか、そうではなくて、委託の派遣職員であるのかということは全く関係ないというふうに認識しています。特に窓口については区の顔でございますので、区民の方が、頻繁に来ない方でも、年に1回来たときに、一つのボタンの掛け違いで区全体のイメージが悪くなってしまうということもございます。そういう意味では、委託している業者に対して必ず毎年の契約の改定時期、あるいは指定管理業務の中で、職員の指導を徹底するようにというふうに行ってございます。
それから、所管によっては定期的に委託先のリーダーと区のリーダーが話し合う機会をしっかり持ちながら、区民の声の中で、例えばちょっと厳し目な御意見があったという場合には、きちっと定期的に打合せをしながら、区の思いも伝え、実際に派遣の方で窓口に立っている人に対しては、委託側のリーダーからきちっと定期的に御指導いただき、研修をしていただき、区民にとって心いい、気持ちよく窓口に来ていただけるような体制を確保しているというようなところでございます。
○島村高彦委員 分かりました。区民の声を聞くといっても、実際はそれに対応していかなきゃいけないってことで、本当に大変な御苦労が伴いますが、ぜひ、豊島区の将来のために、何とか踏ん張って頑張っていただきたいと思います。
次に、予算編成方針についてお尋ねします。平成17年から20年間続いた各部長の権限と責任で編成された枠配分方式、これをやめて、政策経営部による査定方式を採用するということで、せんだっての一般質問でも複数の議員さんから質問がございました。この新しい査定方式の内容自体は、高際区長の丁寧な御答弁で了解をいたしました。私は、この査定方式に至る過程について、ちょっとお伺いをしたいと思います。
平成17年2月、当時は非常に財政難だったわけでございます。このときに枠配分方式予算編成というのが導入されたわけでございます。それまでは、政策経営部ではなくて財政課による査定方式を用いていたというところで、この査定方式を枠配分に替えるときに、やはり予算委員会でいろいろ質問があったような記憶がございます。
当時、私は1期生で分かんなくて、先輩たちが言うのをぼけっと聞いていたわけですけども、このときに区側の答弁としては、この枠配分方式、これはスクラップ・アンド・ビルドを徹底して、コスト意識に立脚した全職員参加による予算編成なんだというところで、よく分からない私は、ほう、そうなんだというふうに聞いていたわけですが、さらに、財政状況と透明性が確保された予算の編成、また、政策目標をより効果的、効率的に実現できる仕組みなんだというふうにおっしゃっておりました。
このときの質問の答弁で、ある部長の答弁、お二人ほどちょっと紹介させていただきたいと思います。この方式は、歳出削減につながっていくんだというふうにおっしゃっているんですね。私も財政再建の一助になるべく一生懸命やりたいと思っているという答弁です。次の部長ですね、これは非常に、何ていうんですか、意義深い答弁なんですけども、各課長も部長も、区民にとって何が一番公平であってどの施策が重要であるかというのは、ふだんから頭の中に整理されているんだと。すごいですよね。枠配分方式というのは、現場の声を上げて予算編成をするという意味で非常に効果があるというふうに考えているとおっしゃったんですね。
最後、区長の答弁は少し長いので簡略しますけども、区長は、大変厳しい中でもこの枠配分方式ができたというのは、全職員がまさに一丸となって配分された枠の中でどれだけ効果を上げるかというようなことを、今までにない職員の意欲というものを私は感じているんだという高野区長の答弁がございました。これほどすごい予算編成方式が、平成17年から20年で今回替わるということで、私自身はかなり大きな変更だなというふうに思っております。
それで、今言ったような方針で組まれたこの方針が、今回の予算案の概要では、自主的な見直し事例は極めて少なく、枠配分超過額が常態化するなど機能不全に陥っていると。あれほどの思いでスタートした枠配分方針が、部長の責任で、よく現場が分かっている部長がやってきた方式なのに何でこうなったのかというのがちょっと分からないんで、その過程を説明していただければと思います。
○坂本財政課長 平成17年度の枠配分方式、今おっしゃっていただいたとおり、区全体の財政支出の抑制だったり、各部局の主体性、創造性の発揮、職員の創意工夫による真に必要な事業の実現などというようなところを目指して導入しておりました。ただ、課題としては、各部局で決算や行政評価等と連動させて、後年度負担をも視野に入れて、自己検証、自己責任の下に予算編成を実際に行えるかというようなところが重要な鍵、キーポイントだろうと思っております。
この枠配分を導入して以降、特に近年は新型コロナウイルス対策や急激な物価高騰など、社会経済状況の変化にスピード感を持って対応するというようなところで、新規拡充事業をどんどんどんどん積み増していきました。そういったところで、結果的に部局による既存事業の見直しが不足して、予算規模が枠配分予算の範囲を超えてしまう部局が発生してしまっていたというようなところでございます。
また、行政課題が多様化、複雑化して、部局を超えて対応すべき課題が多くなる中、単独の部局では有効な見直しができないといった、枠配分の構造的な限界も顕在化してきたというようなところが分かってございます。
ほかの自治体の予算編成施行として、枠配分方式を採用しているのが26%、大体4分の1程度というような調査がございます。このうち、査定方式を導入しているのが、72%になるんですが、そのうちの4分の1は、一度枠配分方式を導入しましたが査定方式に戻しているというようなところもございます。枠配分方式、こういった、効果としては大きいものが見込めるわけですけれど、その運用の部分でやはり難しい部分があるというようなところで、ほかの自治体も1回、枠配分方式入れても査定方式に戻しているようなところもあるというようなところもございますので、本区においても、そういった少し課題が様々見えてきた中で、一旦事業見直しの3年間、そういったところの集中的な見直しとともに、1回、枠配分方式を休止し査定方式にしたというようなところでございます。
○島村高彦委員 新規事業等が数多く行われる中で、既存事業との関連性でうまくその辺の整理ができなかったというところと、やはり今までは縦割りでいろいろやってきたものを、部局同士の連携がいろいろ増えてきたと、そういった環境の中でこうなったということで理解をいたしました。
この新たな査定方式でちょっと気になるのは、令和7年度予算編成から3年間は査定方式を採用ということなんですが、と書いてあるんですけど、その後はどうなってしまうんですか。
○坂本財政課長 枠配分方式の課題というものを一旦ここで整理して、査定方式や事業見直しで課題等を整理したいというふうに考えてございます。
そういった長年続けてきて顕在化してきた枠配分方式の課題の解決と並行して、新たな予算編成手法というものをこの3年間で研究してまいりたいと考えてございます。今年度実施した予算編成手法の効果、課題等を整理した上で、3年後、予算編成手法を検討してまいりたいと考えております。
起債・負債残高の最高限度
○島村高彦委員 分かりました。絶えず見直しをするということで理解をいたしました。
次に、起債についてお尋ねします。先ほども自民党からいろいろとお話がございました。いろんな施設の改修、あるいは人件費の増と、いろんな理由で今年度の、来年度の起債が87億ということで、前年度の倍になっているわけでございますね。結果として298億円が年度末の予想でございます。
今回、一方で財政調整基金の繰入れはしないということで、貯金じゃなくて借金をしたということなんですが、今、金利がどんどん上昇をしているという中でこういった選択をした理由が、基金は大切な財源なので慎重に扱わなきゃいけないんですが、この金利上昇面でこのような選択をした理由をお聞かせください。
○坂本財政課長 今、金利上昇局面というようなところですが、今現在借り入れる金利というものは、まだそんなに大きく上がっていないというようなところでございます。
一方で、内閣府のほうでやっている経済財政諮問会議の資料によりますと、10年後には1.5%から2%ぐらい増える、最大の成長予測の場合はそのぐらい利率が上がるというふうに言われております。なので、今のうちにある程度起債をして基金を温存する。さらに、基金の積立ても計画的にある程度積み増していく。今年度は義務教育基金8億円積み増しておりますが、そういった形である程度、今後さらに金利が上がる局面に向けて、基金を今後ある程度活用して、ためておかないといけないというような認識で、今回このような予算編成をさせていただきました。
○島村高彦委員 この負債の残高なんですが、私、過去2回ほど一般質問で、この負債残高の最高限度という目安を定めておくべきだというところで、2回とも答弁が、300億円を維持できるように努力するという答弁でございました。実際にその質問以降今日に至るまで、300億を超えたことはないんですよね。
ということで、令和7年度は298億円で、今後の方針見ますと、令和9年から11年、328億から367、347というふうに、3年間にわたって増えていくわけですが、300億円を超えていっているわけですね。このおおむねの目安、最高限度の目安をどのようにお考えになっているかというところをちょっとお尋ねしたいと思います。
○坂本財政課長 一つ、予算規模だったり物価だったり上がっている中で、額でこの程度というようなお示しするのがなかなか難しい状況になっているのかなというふうなところはございます。令和元年度に定めたオルタナティブルールにおきましては、公債費比率10%以下というような目標もございます。額ではなく、そういった率で今後考えていきたいと思っておりますが、公債費比率によりますと、今後、令和11年度、大体5%前後というような試算をしておりますので、オルタナティブルールの10%以下というところは、まだ大丈夫というような状況でございます。
○島村高彦委員 残高だけではなくて、そういった公債費比率等も目安にして、ある一定のものをやはり抑えておかないと、どこかで必要だから必要だからということになるのが非常に怖いというふうに思っております。いずれにしても、その辺は先を見通しながらお願いをいたします。
最後に、こういった状況の中でございますけども、これからも様々な需要に対応していくために、区長のほうでもいろいろとお考えがあるかと思います。既に新たな基本構想の中におきまして、3つの理念、それから7つのまちづくりの方向性というのは示されておりますが、特に今後力を入れて取り組んでいきたいというようなことがあればお聞かせを願いたいと思います。
○高際区長 冒頭、区民目線の御質問からしていただきまして、私もそうですし、今日こちらにいます職員も全員ぴりっとしたと思います。基本構想、基本計画は本当に多くの方と一緒につくりまして、7つの柱を設け、これからスタートになりますけれども、全てがやはり区民目線、これを忘れずにやってまいりたいというのを大前提にしたいと思います。特に一般質問のときにもお答えを申し上げたかと思いますけれども、7つの中でも最優先は安心・安全と、それから不登校対策をはじめ、教育、それから孤独・孤立の問題がまた加速化していますが、特に子ども、若者の居場所、そして、福祉の根幹ということも申し上げましたけれども、住宅、これに来年度は特に注力をして、スピード感を持って進められるように全職員一丸となって取り組んでまいりたいと思っております。
また、財政のことについては、先ほども申し上げましたけれども、中長期的な視点を持った不断の見直し、これが必須だと思っておりますので、来年度は補助金はじめ、2年目の事業見直し、ひるむことなく進めてまいりたいと思っております。ありがとうございます。
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