令和 4年予特委員会 3月 8日⑤文化商工・子ども・教育費

学校教育での生きる力の醸成

○島村高彦委員  さきの一般質問におきまして、不登校・ひきこもり支援に関連をいたしまして、生きる力を養う教育について教育長の御見解をお伺いしました。生きる力ということで、困難を乗り越える力、また、いじめに遭っても跳ね返す力または無視してやり過ごす力、あるいは極めて不条理なこの世の中を堂々と前向きにしたたかに生きていく力、言い換えると切りがないんでやめますけれども、こういった力というのは、一義的にはもう家庭の教育、これが一番大きいんだろうと。こういった家庭の教育力がだんだん弱まってきてるようなときにあっては、次に学校の教育あるいは社会の子どもを思う方々の教育、こうしたものが必要になってくるわけでございます。そこで、学校の教育といたしまして、子どもたちにこうした力を養ってもらうために、児童生徒と教員がどのように向き合ってるか、このことについてお尋ねをいたしたいと思います。

昨今、教員の成り手不足が報道に上がってるんですが、非常にゆゆしき事態だなというふうに考えております。その要因といたしまして、ちょっと前の全国アンケートなんですが、事務的な業務が多過ぎる、それから保護者の対応が非常に負担になってる、さらにその次が、採点業務が多過ぎると、さらに、授業の準備が大変だと、こうしたことで教員さんが非常にストレスを抱えてしまっているというようなことが報道にございました。本区としては、教育としま、本区ですから、こういったものについてはしかるべき対応をしてきたと思うんですが、教育委員会としてこの問題に関しましてどういうふうに対応してきたか、お聞かせ願います。

○佐藤指導課長  教員の働き方改革という視点から、教員がやらなくてはいけないもの、子どもに向き合う時間を保障するという視点で、事務的なサポートをするスクールサポートスタッフを全校に配置しております。また、多様な教育ニーズに対応できるために、保護者の方たち等とのやり取りの中で、トラブルが発生してしまったものを解決していただくためのスクールロイヤーというものも令和2年より導入いたしまして、学校支援という形で努めさせていただいております。

○島村高彦委員  ということは、豊島区におきましては、こうした課題で教員が児童生徒と向き合う時間がないというようなことは、教育現場においてはそうないだろうということでよろしいでしょうか。

○佐藤指導課長  子どもと向き合う時間というのは、本当に最大限必要だというふうに思っておりますので、このコロナ禍の中で先生方が子どもと向き合うというのは非常に大変だというふうに認識しております。あってもあっても足らないというふうに思っておりますので、現在、先ほどは2つの視点で働き方改革のところをお話しさせていただいているところでありますけれども、学校にどのような支援ができるのかというのは、もっともっと教育委員会事務局の中で考えていって、学校支援という形で入れていかなきゃいけないというふうに思っております。

○島村高彦委員  子どもに向き合う、やっぱりそれが子どもの将来にとって大きな役割を果たしていくというふうに思っております。したがって、言葉が悪いですけど、逆に、そういった教員本来の仕事を妨害するような、こういった今先ほど上げた課題ですね、こういったものについては、いろいろな方法で、予算の関係もあるんですが、ほかのやっていただくような人をできるだけ増やしていかなきゃいけないんだろうというふうに考えております。

また、先ほど来ずっといろんな委員から質疑に上がっておりますデジタル化ですね、ICTと言うんだか、違い分かりませんけれど、そういった教育がこの児童と向き合うという観点から見たときにはどのような影響を与えているんだろうかというのは、ちょっとデジタルに弱い私としては気になっておるんですが、その辺はどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。

○佐藤指導課長  少し先ほども触れさせていただいたんですが、子どもによっては、タブレットが入ったことで、今まで何となく先生と話しにくかった環境から少し解放されて、タブレット、ICTを使って先生とコミュニケーションを交わしやすくなったという子どももいますし、一方で、コロナ禍だからこそ対面が必要という子どももおります。一人一人の子どものニーズに合わせた形で教育はやっていくものが必要だというふうに認識しておりますので、これからも子どもの一人一人のニーズとはどういうものかということを向き合っていく必要があるというふうに認識しております。

○島村高彦委員  我々の頃はそんなもんはなかったわけで、先生の、いい言葉で言えば、ぬくもり、また、息遣い、体臭、そういったものがやっぱり私たちを取り囲んで育ててくださったという思いがあるんですよね。デジタル社会からはどんどん遠ざかってしまってちょっと問題なんですけれども、いずれにいたしましても、この今の世の中、デジタル化でございますので、これを子どもの教育に生きる力を養うという点からも、このデジタル化の教育の在り方について今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

一方で、これまで何度も主張、訴えてまいりました教員の外部教員とか、あるいは社会人経験の教員ですね、こういった方々を教育現場にいっぱい投入して、子どもに刺激を与えていくことが、私は将来の子どもにとって役に立つと訴えてまいりました。新卒の教員さんが駄目だということではないんですよ。ただ、やっぱり学校を卒業してすぐ教員になった人と、やはり修羅場をくぐり抜けて、もう体から、何だ、分かんなくなったけど、子どもを本当にそういう経験から育てようという教員と、やはりその辺のところも、これまでの長い学校教育の中ではなかなかなかったものについて、現在この豊島区では、社会人経験教員や外部教員をどのように導入して学校教育に導入してるかというのをお聞きしたいと思います。

○佐藤指導課長  授業を教えるという視点では、東京都の、豊島区だけに限らず、東京都の公立学校は、教員免許、しかも中学校は、その教科の免許を持った教員が指導することというふうになっておりますので、単独で授業をするのは全て教員免許を持った方ということで対応させていただいております。それ以外の子どもたちへの支援という方たちにつきましては、様々な、会計年度の方たちの御立場、それぞれの立場になりますけれども、これまでの豊富な社会経験を培った方たちに入っていただきながらサポートしていただいてるというところでございます。

○島村高彦委員  教員資格認定試験というのがあるようでございまして、社会人の方が教員になりやすいように、この条件がどんどん緩和をされてるというのを報道を見たことがございます。この制度は本区としては特に採用はしていないんでしょうかね。

○佐藤指導課長  現在は、本区の中ではこの制度は使っておりません。しかしながら、来年度なんですけれども、東京都の事業でございます社会の力の人材活用事業というのがございまして、これは教員免許を持たない方でありながら、しっかりと専門性を、これまでの社会経験と専門性を持たれた方が学校の中に入って教育に関わっていくという事業がございます。試行的に来年度1校やってみまして、果たしてそれが本当に効果的なものなのかということを検証しながら、今後の動向というものを図っていきたいというふうには思っております。

○島村高彦委員  この制度は、一方では教員の成り手不足の解消みたいなところがあるんですが、もともと私がずっと考えておりました社会人の人が正式な教員になると。教員免許がないのね。だから、これは本当に今、指導課長おっしゃったように、いろいろな問題があるかとは思います。しかしながら、子どもの生きる力、今まさに時代が求めてる大きな力ではないかというふうに思います。マイナスのこの要因だけ見るんじゃなくて、子どもに与える与えた影響をしっかりと検証していただいて、豊島区の子どもが本当に強い子どもになるように、豊島区の小・中学校を卒業した子どもは本当に強いなということで企業の採用にも有利になるような、そのくらいのやっぱり強い子を育てていただきたいと私、個人的には思っておりますんで、本区の教育方針と違っちゃうといけないのでこれ以上は言いませんけれども、ぜひそういった方向性で取り組んでいただきたいと思います。 以上です。