議員提出議案第5号「西山陽介副議長の副議長不信任決議」対する公明党島村幹事長の反対討論

平成29年5月25日 臨時本会議

私は、公明党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております、議員提出議案第5号「西山陽介副議長の副議長不信任決議」に対し、可決に反対の立場から討論を行います。平成28年3月の第1回定例会における議員提出議案第8号「 豊島区における公正な選挙の確立を求める決議」について、公明党高橋議員の賛成討論について、日本共産党が区議会会議規則第53条の「議題外にわたり、またはその範囲をこえてはならない」に違反するとして、会議が終わってから、異例の「他会派の発言削除」を正副議長に求め、加えて、このたび正副議長による一部削除とする決断に対して、無謀にも正副議長不信任案を提出しました。公明党からすると、削除する必要は全くなく、議長が制止した発言でもないのに、我が党の議員の発言を削除することは容認できるものではないことは再三、村上前議長、竹下議長に申し上げてきたとおりです。しかしながら、適切な理由もない共産党の削除の要求とわが会派の意見の対立で議事録の調整がこれ以上遅れる事は区民の不利益にもつながることから、議会全体の事を考え、総合的な判断のもと、一部削除との正副議長の「議事整理権」行使をわが会派は受け入れることといたしました。

しかし、一方で共産党が正副議長に対して不信任案を提出する事は全く理解できず、筋が通らない行為であり、著しく議会制民主主義に反し、到底、容認できるものではありません。以下理由を述べます。

第1に、昨年3月の延長議会の末の正副幹事長会の結論である「議長立会いのもと、削除希望部分については、正式な議事録で決定すること」とは、あくまでも議事録が正式にできた段階で共産党が削除してもらいたい部分について決定するものであり、そもそも削除を前提にしたものではないのであります。従って、我々は議事録が正式にできた段階で、なんら削除の必要がないとの会派の判断を正副議長にお伝えしただけであります。ここで皆さんに正確な事実関係をお知らせし、議事録に留めておきたいと思います。竹下議長、西山副議長が誕生した後、この件で公明党と共産党双方に「なぜ削除が必要なのか?なぜ削除が必要ないのか?その見解を文章で出すように」指示がありました。我々公明党からは、削除の必要がないことを文章でお示ししましたが、共産党からは「見解を出す必要がない」と見解がでてこなかった事実も歴史に留めておきたいと思います。削除が必要ならなぜ理由を明らかにしないのか?この事実をとっても、共産党の主張は全く適切な主張でなかったとの証明であると言わざるをえません。従って、議事録削除に関しての正副議長の様々な対応、判断は議会運営の最高責任者として民主主義の適切なルールにも基づいた結論であることを知るべきであり、不信任を出すこと事態が筋違いであります。

第2に、区民から選挙で選ばれた議員の発言権は重く、憲法にも地方自治法にも明確に担保されていることを改めて、ここに指摘しておきます。そもそも地方自治法において、議員の発言を削除するには、①会期中に本人が申し出る場合と②会期中に議長が不穏当発言として削除する場合の2つの方法しかなく、豊島区議会の歴史をひも解いても、自らが発言の撤回を求め了承したのが2件、議長が不穏当と判断して、発言を中止させ、正副幹事長会の全会派一致で不穏当部分のみ削除したものしかなく、今回はそのどれにも当たらないことを申し上げます。

地方自治法関連逐条解説には議長が「発言の留保」をすることが記載されていますが、これは不穏当発言が前提であり、昨年の討論は発言通告も出しており、個人的な誹謗をのべているわけではありません。何より当該の発言中に議長の発言制止がなく終わったということは不穏当発言ではなかったのであります。それにもかかわず、会期が終わってから、ある会派の意向で、他会派の発言議事録の削除などできるわけがないのであります。

したがって豊島区議会にも周辺議会にも過去に例がない会期終了後の議事録削除は、民主主義を根底から揺るがすこととなり、同時に区民の知る権利の侵害にもつながり、区議会史上大きな汚点を残すことになります。

また、会期終了後の会議録の削除がゆるされるなら、今後、過去の他党の発言を掘り出し、削除を迫るなど議会が大混乱することが予想されます。こうした悪い慣例を作らないよう、正副議長には、今後におかれましても『議事整理権』の重大性を認識され、その適切な行使を果たすよう要望し、議員提出議案第5号「西山陽介副議長の副議長不信任決議」に対する反対討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。