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平成23年第1回定例会島村高彦一般質問

 

「調和と連携の未来へ前進」

2011.2.15登壇

島村高彦一般質問

 私は、公明党豊島区議団を代表して、「調和と連携の未来へ前進」と題して、第1に、平成23年度予算について、第2に公会計制度改革、第3に就労支援対策、第4に高齢者等の移動支援、第5に自転車走行時の安全対策とマナー啓発、第6にその他として、地元の課題について一般質問を行います。

本題の前に、議会改革について、一言申し述べさせていただきます。今、全国的に議会改革に取り組む地方議会が増えております。また、名古屋市や阿久根市のように、首長と議会の対立も話題となっており、議会の機能や役割を見直す必要性が急速に求められているのではないかと考えられます。その背景には、地方分権の流れが加速をしていることに合わせ、議会の透明化を求める有権者が増えている状況があると思われます。地方においては、既に相当数の議会が議会の憲法とも言うべき議会基本条例の制定を終え、議会の見える化を目指し、様々な取り組みが開始されております。議会改革のための特別委員会やプロジェクトチームを立ち上げ、議員同士で議論を交わしております。その上で、日曜議会や出前委員会を行ったり、住民と全会派からなる議員の意見交換会を行う際、超党派の議員による街頭演説で住民の参加を呼びかけ、多くの住民が参加をしたという事例もございます。また会派の異なる議員で班を編成し、各地区に分かれて住民と議論を行う議会もあります。こうした試みは当初、各議員とも大きな抵抗感を感じていたとのことですが、回を重ねるに従い、連係していけるようになったのと同時に、議員提案による条例制定も増加していったとのことです。そうした中で、住民側の姿勢にも徐々に変化が表れ、批判しかしなかった住民が建設的な意見を交わすようになったとも聞いております。こうした地方の議会だけでなく、東京23区でも、杉並区やお隣の文京区のように、議会基本条例の制定に着手をするところも出てまいりました。本区においては、昨年の9月から、正副幹事長会において議会改革の検討を行っておりますが、今後、豊島区だけが遅れをとることのないよう、区民に対し、より開かれた議会改革を目指していきたいと思います。

 

それでは、第1番目に、平成23年度予算についてお聞きいたします。今回は財政運営の持続性という観点からのみお尋ねします。本予算は低迷する景気の影響もあり、特別区民税や特別区交付金が前年度予算を下回る厳しい歳入状況の中で編成をされました。当然のことですが、今後も先行き不透明な経済情勢や少子高齢化の影響により歳出は増加をしても、このままでは歳入は減少し続けることとなります。そこで、今後歳入確保の方策について具体的に取り組むことが必要となります。例えば収益性の高い企業の誘致、より担税力のある人口層の増加策、あるいは区内事業者の活性化などに取り組んでいくことも歳入の増加につながり、安定した区民福祉の向上のために必要な対策と考えます。今後、将来にわたる歳入確保の方策について、区長のお考え、展望についてお聞かせ願います。

次に、長年にわたり本区の財政運営を苦しめてきた土地開発公社の債務が、昨年11月に完済されました。21年度末で40億円もの債務を一括償還したわけですが、一方でこうした巨額の資金については、返済に充てるのでなく福祉サービスに回せとの声もある中で、これが23年度予算に及ぼした影響についてお聞かせを願うとともに、仮にこの債務を抱えたまま行政経営を行った場合、それが将来に及ぼす影響についてもお聞かせ願います。

次に、当初予算が1,000億円を超えるのは13年ぶりとのことですが、当然、平成10年度のそれとは内訳が大きく異なり、生活保護費を初めとする扶助費、区債の満期一括返済による公債費、また特別会計繰出金の増加などが主な要因とのことです。公債費は別といたしまして、扶助費と特別会計の繰出金は今後も増加をしていくと思われますが、この歳出抑制策についてもお尋ねいたします。例えば23年度の拡充事業として取り組むこととなっておりますが、生活保護費の増加に対しては十分効果的な自立支援策が必要であります。また、介護予防の参加者が増加するのに伴い、元気高齢者の割合も、わずかでありますが増加をしているというデータも出ていることから、さらなる拡充が求められ、さらにこの間のがん対策の取り組みにより、検診受診率も向上しております。長期的に見た場合には、こうした対策をさらに強化していくことが特別会計への繰出金の抑制にもつながっていくと考えられます。将来を見据えた歳出抑制策について、お示しを願います。

次に、投資的経費は、この2年間抑えた形で推移をしておりますが、今後、学校改築経費や公共施設の老朽化への対応に伴い、多額の負担を要することとなります。これは、現状、社会資本形成の世代間負担比率が23区の中でも特に低いことから見ても、真剣に取り組まねば、将来世代に大きな負担を先送りすることとなってしまいます。このことをまず区民に対し、さらに理解していただくことが必要と思いますが、いかがでしょうか。今回についても、財源不足から施設建設などを見直すこともあったかとは思いますが、そうしたことも毎回できることではありません。改修のための基金の積み立ても財政余力がなければ不可能であり、改修の優先化や経費の見直しだけで将来にわたって対応し切れるものではないと考えます。将来の区民生活を守るためには、改修も担ってもらうような借地方法や、時に売却という資産運用についても、区民とともに検討しなければならない日がくると感ずるものです。今後の対策についてお聞かせ願います。これまで、稀有の財政危機を乗り切った高野区長の業績は実に多大なものであり、他の模範となると確信をするものです。長期的な視点から見れば、多くの自治体が厳しい財政状況にある中、今後も本区の対策がさらなる模範となるよう期待いたします。

第2番目に、本区の公会計制度改革についてお尋ねいたします。私は、平成18年第2回定例会や、その後の決算・予算委員会で、財政の透明化と効率化、行政の説明責任の強化、そして職員の事業に対するコスト意識の向上を目的として、公会計システムの見直しについて求めてまいりました。その過程で明らかになったことは、本区が会計制度改革に必要不可欠な執行系システムの電算化がなされていない23区唯一の区であったということであります。このシステムの導入効果について、平成19年2月の予算委員会において、年間5万5,500時間程度の業務効率化によって約1億円の経費削減が見込まれるとの答弁をいただきました。本区は、平成23年度からこのシステムを導入することとなったとのことですが、ここで改めて具体的な導入効果についてお聞かせ願います。

また、本区では、システム導入以前から、決算後の組み替え作業により財務諸表4表を作成しておりますが、その後の総務省通知により、人口3万人以上の都市は平成21年秋までに、それ以外の地方公共団体は平成23年秋をめどに、この4表の作成に取り組むこととなりました。こうした流れに反し、企業のように黒字を増やすことが目的ではないので、民間会計のような基準は不要であり、今の官庁会計で十分だとの意見が自治体に根強く残っているとの声もお聞きします。私は、今後こうした考え方が通用しなくなると考えております。なぜなら、急速に進む少子高齢社会の中にあって、多くの自治体が厳しい財政状況にあり、自らの置かれている現状について、より早い時期に客観的かつ正確に掌握し、住民に明示をしていかなければならないからであります。したがって、少しでも早く財務諸表を公表し、自治体間の比較を可能なものとすべきと考えます。しかしながら、総務省が提示した会計モデルである基準モデルと総務省方式改訂モデルは双方にも違いがあり、さらに双方とも民間企業会計とは異なっております。よって、ほかの自治体や民間企業における類似事業との比較分析が困難であり、同時に住民へのわかりやすい財務情報の提供にも支障を及ぼすと考えられます。したがって、一刻も早く会計基準の統一化を求めるべきと考えますが、区長のご見解をお示しください。こうした課題に加えて、さらに問題なのは、本区にとって最も比較の対象とすべき23区の会計基準が、現状では統一化されていないことです。より民間の企業会計に近い基準モデルを採用予定としている区が7区、改訂モデルは本区も含めて11区、独自モデルが3区、総務省旧方式が2区という状況です。せめて23区だけでも同じ会計基準でスタートすべきと考えますが、このことについてもお考えをお聞かせください。

次に、本区の行政経営課によりますと、平成20年8月時点で、この会計制度導入について、東京都方式も含め、現在慎重に区の方向性を検討しているとのことでしたが、総務省方式改訂モデルを選択することとなった経緯についてお尋ねいたします。ご承知のように、東京都方式は民間会計制度とほぼ同じであり、国際公会計基準にも極めて近いものとなっております。基準モデルはその次のレベルに位置付けられており、個々の取り引きを発生の都度、または期末一括で複式記帳を行うのに対し、本区が採用する改訂モデルでは、従前同様、決算後の組み替え作業で財務書類を作成しなければならず、迅速性に欠けるものとなっております。資産管理についても基準モデルは、すべての固定資産を公正価値により評価するのに対し、改訂モデルでは資産評価を段階的に行い、順次財務諸表に計上していくことから、資産情報の正確性も低いものとなってしまいます。また改訂モデルは最終的に基準モデルに至る暫定モデルと言われているように、開始時には簡便で事務的負担が軽い一方で、段階的整備を要するため、継続的に負荷がかかります。それに対し、基準モデルは導入時には負担を要するものの、整備後は継続しやすく、将来世代の負担予想や、予算編成のシミュレーションも可能であるといわれております。本区においては、財政的な理由や職員の研修にかかる時間的な理由があったかもしれませんが、町田市のように東京都方式での財務諸表作成を決定した自治体がある中で、どの区よりも財政悪化に苦しんだ本区としては、より迅速かつ正確に財務状況を把握するため、最低でも基準モデルでスタートすべきであったと考えますが、いかがでしょうか。

次に、最も重要な財務諸表の活用方法についてお尋ねいたします。言うまでもなく、でき上がった財務諸表を単に見せても、なじみのない職員や一般区民には、何だかわかりません。これをわかりやすく説明することが、今後、行政側に最も強く求められているところです。こうした説明責任の履行に加え、この財務諸表が財政運営の方向性の検討や施策の見直し、資産管理や職員の意識改革など、行財政改革のツールとして活用されなければなりません。既に本区においても、各種決算資料等で各数値の比率や推移の説明については詳細に行っており、また健全化判断比率で現状の健全性は理解できるところです。しかしながら、将来の財政予想や他自治体との比較、また一般区民に対し一目でわかる財政表示についてはいまだ不十分であり、財政運営上の政策形成を行う上で、基礎情報としての財務諸表がどのように活用されているのか、さらには職員のコスト意識がどの程度向上しているのかは見えにくいものがあります。端的な例を一例だけ挙げさせていただきますと、ある市で、受益者負担の適正化に向けて施設の使用料の改定に取り組むこととなり、その際、施設別行政コスト計算書を活用し、わかりやすく説明したところ、利用者も納得したというものです。単に受益者負担の適正化といっても、それだけでは納得しないのであります。今後、行政運営上特に重要な資産形成度、世代間公平性や持続可能性、効率性の評価をどのように設定をし、そして各指標をどのように区民にわかりやすく示していくのか、その取り組み方針についてお聞かせ願います。

 

第3番目に、就労支援対策です。これも過去に何度も取り上げておりますが、今回、若年層に限定して質問いたします。

昨年12月1日時点で、今春卒業予定の大学生の内定率が68.8%と、過去最低であることが何度も報道されており、かつての就職氷河期をしのぐ超氷河期の様相を呈しております。本来的には、国の経済対策、雇用対策に負うことが大きい施策でありますが、地域自治体としても取り組める対策があると考えることから、取り上げるものであります。私は、これまでも、他区のきめ細かな就労相談事業等を例に挙げ、本区においても常設の就労相談窓口の設置を要望し続けてまいりました。それに対し、本区では年1回の若年者向けといっても、35歳未満ないし39歳未満の方対象のヤング就職応援フェスタを実施しております。平成18年の事業開始から昨年までの実績を見ますと、求職者に対し実際に就職できた比率は、当初の10.6%から昨年の3.5%と、年々減少している状況にあります。そこで、今後この事業の効果を向上させるための取り組み策について、お聞かせ願います。

次に、企業と若年求職者とのミスマッチの解消策についてですが、さきの報道でも従業員5,000人以上の大企業では、新卒者の求人倍率は0.47倍であるのに対し、従業員300人未満の中小企業では4.41倍にも上がるとのことです。これほどの就職難でありながら、中小企業では人手不足が続いているのであります。優れた技術を持ち、将来性の高い中小企業が少なくない中、この情報が学生ら新卒者の間で希薄なものとなっているということがこの数値に表れております。国におきましても、この問題の解消に向け、昨年5月よりドリーム・マッチ・プロジェクトを開始し、東京都でも平成23年度の緊急重点事業として、雇用のミスマッチ解消と中小企業の人材確保を支援することとなりました。そこで、本区としても、中小企業と学生、新卒者の橋渡し役をわずかでも担っていただきたいと考えるわけでございます。即ち、中小企業の要望する人材情報と、学生・新卒者が求める企業情報が両者に共有できるシステムの構築を強く望みます。こうしたシステム構築が単独で難しい場合は、現在、本区のとしまビジネスサポートセンターの一環として行われている、としま企業支援サイトにおいて、人材募集の特集項目を設け、これには広く他区の企業にも参加してもらい、その情報を区内の学生や新卒者に広く周知させる取り組みを行っていただきたいのであります。現状でも、としま企業支援サイトは、企業情報がかなり詳細にわかるようになっており、個別に自社のホームページで募集活動を行っております。この情報がより多くの求職者に届けば、企業側にとっても有為な人材確保の機会を広げることにつながると考えますが、いかがでしょうか。ご見解をお示し願います。

第4番目に、高齢者等の移動支援についてお伺いをいたします。

本区は、平成17年に福祉有償運送の運営協議会の設置を目的に、内閣府より外出支援サービス特区の認定を受けました。そして、社会福祉協議会を含め、4法人で福祉有償運送を実施してまいりました。その後の法改正により、特区申請そのものは不要となりましたが、まずは今日に至るまでの成果についてお聞かせ願います。この福祉有償運送は、各団体の会員に対してのみ提供されるサービスであり、その会員とは、障害者や車椅子利用者など、特に移動に困難を極めている方々であり、会員以外の一般の高齢者は対象外となっているようでございます。一方で、この特区申請の際に著された構造改革特別区域計画には、移動困難者の実態と対策の意義が明確に記されており、私もこの内容に沿ってこれまで発言・要望をしてきたところです。即ち、要介護者の大部分は、公共交通機関を利用して外出をすることが難しく、移動支援を必要としており、要介護状態でない高齢者も、乗り換えや駅の階段の昇降などで不便を来しており、福祉タクシー券を要望していることや、こうした方々の移動を支援することが、住み慣れた地域で余暇活動や事業に参加しやすくなるとともに、健康で生きがいを持った暮らしが実現し、介護予防にもつながることから、自立した生活を過ごすことができる。やがては高齢者を支える人々の負担も軽減されるという効果が期待できるという記載でございます。また、実施が見送られている状態にあるコミュニティバスの導入コンセプトにも、移動手段が限られる高齢者や乳幼児連れの世帯が安心して外出できる環境を整えることにより、さらなる外出機会を創出することが謳われております。地域公共交通会議における区民代表委員等からも、既存路線ではなく、住宅街を通さないと意味がないとか、狭い道路を通すために小型車両の開発も含めて考えるべき等の意見が出ております。今後ますます増える高齢者に対する福祉車両や移動支援が、前述のように、必ずや地域の活性化につながることから、早い時期に取り組みを開始するよう要望いたします。とはいっても、交通事業者との調整や財源の問題もあり慎重に検討すべき課題でもありますが、本区の移動支援に関する今後の取り組み方針をお聞かせ願います。

 

第5番目に、自転車走行時の安全対策とマナー啓発を目的とした条例制定についてお尋ねします。

本区の自転車等の利用と駐輪に関する総合計画の中間見直しの資料にもあるように、平成16年から21年の期間における交通事故に占める自転車事故の割合は年々増加をしている状況にあります。実際に街を走る自転車利用者のマナーを見れば、事故が多発するであろうことは容易に察しがつくところであります。私自身、日々、かなりの速度で自転車を走らせており、あまり人のことは言えませんが、それでも歩行者に何の配慮もなく歩道を走ったり、横断歩道の歩行者の群れの中を突っ切ろうとしている自転車を見る度に、マナー啓発の必要性を実感いたします。また、自動車と違い免許が不要なことから、道路交通法など基本的な決まり事を周知徹底することも必要と考えます。例えば、歩道を走行中に前を行く歩行者に対し、何の悪げもなく、ベルをけたたましく鳴らしている人がおります。歩道は歩行者優先であり、自己の進路を確保する目的で警音器を使用してはならないという基本的な決まり事を単に知らずに行っている人がかなりいると思われるのです。この間、警察等に対し、悪質な自転車運転の取り締まりや指導の強化も求めてまいりましたが、あまり取り組んでいる様子を窺うこともできませんでした。また、現在見直し中の自転車等の利用と駐輪に関する総合計画においても、自転車利用者の責務を定め、利用に当たっては法令を遵守し、歩行者の安全を確保することとしておりますが、その実効性は不明であります。

全国的にも自転車事故が増加する中で、京都市では、昨年9月、議員提出議案である京都市自転車安心安全条例が可決をされました。内容としては、自転車利用者や小売業者の責務を明示。小・中学校における交通安全教育の義務化、商店街が実施する事故防止策への支援。そして、自転車損害保険の加入促進を定めております。このまま本区で取り組んでも区民の意識啓発に有効であると考えられます。今後の自転車走行時の安全対策とマナー啓発の取り組み方針についてお聞かせください。また、セーフコミュニティの認証取得を目指す上でも、これを条例化することは安全に関する区民意識の高揚につながると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

 

第6番目に、地元巣鴨・駒込の課題についてお尋ねいたします。

平成21年第2回定例会で、巣鴨地区まちづくり協議会から出された巣鴨地蔵通り周辺地域の総合的なまちづくり促進に関する請願が採択をされました。これを受けて、本区として巣鴨地区まちづくり計画策定基礎調査を開始し、来訪者へのアンケート調査や協議会委員の意向調査を行い、平成22年3月、今後の方向性の検討について報告書をまとめております。その中の協議会委員の意見として多かったのが、地蔵通り入口から高岩寺周辺における建物高さの規制に対する意見であり、12階、あるいは6階程度を望んでいるとの報告でありました。しかしながら最近、まちづくりの拠点整備地として見込まれている地点に30階を超えるマンション建築計画があるとのことです。この計画を実行するためには、保健福祉部分庁舎や児童遊園の売却、そして区道の廃止を行わなければなりません。これまで協議会や商店街と連携を取りながら、この地域のまちづくりについて検討を重ねてきた本区として、どのように対応されるのかお聞かせ願います。また別に、この区道を6メートルに拡幅するとのお話もございますが、これについても地元の人たちとの協議が必要であると考えますが、お考えをお聞かせください。本区が策定した都市計画マスタープランでは、まちづくりを区民との協働により推進することとしており、同時に、地区を基礎においたまちづくりを進め、歴史や文化、景観などの資源を生かした地区ごとの個性が輝く魅力あふれる都市を目指すとあります。今後についてもこのマスタープランで策定したとおりのまちづくりを推進するため、より一層協議会や地元の人たちとの連係を強化するよう要望いたしますが、巣鴨地区まちづくりに対する今後の取り組み方針についてお示しください。

次に、都バス車庫用地についてお尋ねします。これを一般質問でお聞きをするのはこれで4回目となりますが、昨年12月に営業所部分の工事説明会が行われましたので、改めて取り上げるものです。説明会では営業所の竣工が平成24年3月とのことであり、その後、利活用施設の計画に入るとの説明もございました。この間、この用地の活用については、様々と要望を重ねてまいりましたが、特に用地の全面活用については、残念ながら断念をせざるを得なくなりました。今後は利活用施設のあり方について要望を続けてまいりますが、特にお願いをしたいことは、地元の駅前商店街やまちづくり協議会など、地域の意見が反映をされるよう力を尽くしていただきたいということであります。説明会においてもこのことが不安の声として上がっており、東京都だけで計画が決定をしてしまうことがないよう要望をするところです。前回質問の平成20年第3回定例会においては、利活用施設の計画は決まっておらず、固まり次第、本区に情報提供をされることになっているとの答弁でありましたが、固まってからでは遅いのであります。これは何度も申し上げておりますが、巣鴨の中心街におけるこの施設のあり方が将来のまちづくりに大きな影響を及ぼしていくのであります。したがって、東京都の計画を待つのでなく、地域との連携と協議を重ね、積極的に都に働きかけを行うよう要望いたしますが、今後の対応方針についてお聞かせ願います。

最後に、JR駒込駅東口のバリアフリー化についてのお尋ねです。平成21年5月、JR東日本に対し、また同年6月に豊島区と北区に対してJR駒込駅東口のバリアフリー化に関する要望書がNPO駒込駅周辺街づくり環境整備協議会から1,876名の署名を添付し提出されました。まずこれを受けて、本区がどのような取り組みを行ってきたのかお聞かせ願います。要望書にもあるように、平成18年に北口にエレベーター、エスカレーターが設置され、乗降客の利便性は大きく向上いたしました。一方で、階段の昇降が困難な乗降客は東口の利用はできず、急な坂を上りながら北口まで回り道をしなければなりません。エレベーター、エスカレーターが未設置である駅がほかにもあり、駒込駅は既に北口に設置をされていることから、補助金の支出は後回しとなってしまいます。しかしながら、現状、東口周辺の住民や駅利用者の中には、設置を要望する声が数多くあり、またこれによって、駅に直結している駒込銀座商店街やアゼリア商店会の活性化にもつながると考えます。したがって、JRはもちろん、北区とも連携を強化しながら設置に向け尽力をしていただきたいのであります。今後の本区の取り組み方針についてお聞かせ願います。

以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

高野区長及び理事者答弁

○区長(高野之夫) ただいまの島村高彦議員のご質問に対しましてお答え申し上げます。

平成23年度予算についてのご質問のうち、まず、歳入確保の方策についてのご質問にお答えいたします。歳入確保ということでは、これまでも私が区長就任当初から23区の中でも最悪と言われる財政状況の中だけに滞納対策の推進や受益者負担の適正化、あるいは本区独自の法定外税の設置など、本区は様々な努力をしてまいったわけであります。ご指摘にございますとおり、担税力のある人口層の増加策によりまして、区民税など基幹となる税収入を安定的に確保することが歳入の確保の基本であると考えております。そのため、これまでも住み続けたいまちを目標にまちづくりを推進してまいりました。幸いにも、現在も本区の人口増加は続いておりますが、今後も豊島区総体でバランスのとれた担税力をどのように確保するかという視点が重要であると考えているわけであります。また、特別区の場合は市町村と異なり、法人事業税や都市計画税の収入はございません。そして、特別区は財政調整制度の下、固定資産税や法人住民税も東京都で収入の上、配分される形になっております。したがいまして、本区に収益性の高い企業を誘致しても、本区の直接な歳入増加にはならず、財政調整制度の上、昼間人口比率の増加という小さな要素を通じてしか反映されないというのが現状でございます。しかしながら、企業収益の増加や区内事業者の活性化は、財政調整交付金の原資全体を増加させるという意味におきましても、また住みたいまちの魅力を増加させて人口増の要因となるという意味におきましても、大切な政策であることには間違いございません。企業・事業者への取り組みが、各区の収入に直接インセンティブとして働く仕組みを新たに構想することも、今後の特別区の大きな課題であると思っております。

次に、土地開発公社の債務償還の影響についてのご質問にお答えいたします。22年度当初予算では土地開発公社の長期債務を7億3,800万円計上しておりました。昨年11月の繰上償還によりまして、23年度以降ゼロとなりましたので、23年度予算におきましては、早速この分が他の施策の財源に生かされております。そして、将来に及ぼす影響ということで申し上げますと、昨年11月の繰上償還がなければ、平成33年度まで11年間にわたって、この7億円余りを毎年当初予算で計上し続けることになっていたわけでございます。その分が今後11年間続けて軽くなるわけでございますので、これだけでも将来への大きな貢献になっております。振り返りますと、借り換えにより元金返済を先延ばす方法などによりまして、私の就任時には起債以外に土地開発公社の長期債務178億円のほか、旧保健所の債務を加えますと200億円を超える債務がございました。そして、昭和62年から昨年の平成22年までの24年間に、繰上償還を含む200億円から元金返済に加えて100億円を超える利子を支払ってきたわけでございます。すべてを払い終えるには300億円という巨額な返済をしてきたわけでございます。それだけに巨額の経費を先延ばし、後送りするようなことは二度としてはならないという、非常に重い教訓を踏まえて、今後は基本に立ち返った財政運営を行ってまいりたいと思います。

次に、将来を見据えた歳出抑制策についてのご質問にお答えいたします。平成10年度予算と23年度予算を比べますと、生活保護費は71億円から154億円へ2倍以上増加し、繰出金は35億円から103億円と3倍近く増加しております。ご指摘のように、生活保護費の増加、高齢化の進展に伴う医療介護関係費用の増加は、今後の歳出増加要素の中でも最も大きなものであるという認識は私も持っております。これらの経費につきましては、一方では生活保護制度、医療保険制度、介護保険制度などの国レベルの法制度であることから、現実的には区としての歳出抑制には限りがございます。したがいまして、これまで同様、地方自治体財政に過大な負担を強いることのないように、適切な改正、地方の負担軽減を国に強く求めていくということが前提になろうかと思います。そうした中でも、もちろん座して待つわけではなく、自立した生活になることを支援する施策、そもそも病気やけがにならないように予防するための施策、あるいは介護予防の施策、これらにつきましては、これまでも様々な形で力を入れてまいりました。そして新年度予算におきましても、がん対策の経費を始め、これらに関する経費を積極的に計上しているところでございます。今後も現場を預かり、実態をよく知る者として、区長会、全国市長会を通じて国への制度改正や予算要望を積極的に働きかけてまいりたいと思います。また、福祉・健康施策の展開におきましても、豊島区自ら問題発生予防型のアプローチに力を入れてまいりたいと思っておりますし、豊島区が独自に展開しておりますセーフコミュニティの取り組みとも、まさに相通ずるものではないかと思います。

次に、投資的経費の今後の負担増についてのご質問にお答えいたします。ご指摘の世代間負担比率の低さは、現在の資産、即ち過去の建設への投資が起債などの後年度負担に大きく依存してきたことの表れであります。これは他区と比較して、本区は資産も多いが債務も多いということであり、このまま推移すれば大きな公債費と大きな施設改修経費を背負い、あるいは次世代にも背負わせていってしまうということでございます。このような状況を改善していく必要については、従来より施設白書等によって状況をお知らせし、施設再構築を実施してきております。しかしながら、なおご指摘のように、区民の皆様にわかりやすくご説明をし、施設の統合や跡地の利活用などについてもご理解を得ることについてはまだ十分ではないと思っております。したがいまして、今後も財務諸表の指標も含めて様々な方法を工夫しながら、資産と債務等の状況と、区の対応についてお知らせをしてまいります。

次に、施設建設や資産運用の今後の対策についてのご質問にお答えいたします。区の公共施設のうち、築年数が40年を超えるものが34%あり、このうち3分の1が学校施設であります。ご指摘のとおり、高度成長期に建築した施設を中心に多くの施設が更新期を向かえ、大規模改修費などが増加傾向にあり、確実に新たな財政負担が増えると見込んでおります。こうした状況の中、区は現在、平成15年の公共施設の再構築、区有財産の活用本部案を踏まえた豊島区基本計画に基づき、数から質への転換を図る方向で、施設の集約化・複合化などを方針として公共施設の再構築計画を進める一方、不要となった用地については、再構築の財源とするため、売却や貸し付けなどの資産活用を行うことを基本方針にしております。この基本方針を基に、例えば(仮称)西部地域複合施設の整備についても、近接する施設を統合し、統合する千早図書館と千早地域文化創造館の跡地は売却し、新しい施設建設の財源にする予定でございます。起債につきましては、対象制限があることから限定的であり、また、右肩上がりの未来が期待できない現状にあって、ご指摘のように将来の世代に対し責任ある対応が必要でございます。したがって、建設時の大きな負担を緩和するため、公共施設再構築基金の積み立てが欠かせません。これまで公共施設として使っていた土地を売却したり別の用途に貸し付けたりすることを地域の皆さんにご理解いただくことはなかなか大変なことでございますが、機会をとらえて、また区民参加の様々な方法により、区民の皆さんのご理解をいただくことが重要であると考えております。また、売却や貸し付けなどの資産活用だけでなく、公共的機能を維持しながら、将来の施設維持費がかからない民間活用の方法などについても、さらに検討を深めてまいりたいと思います。

 

次に、高齢者等の移動支援についてのご質問のうち、まず、福祉有償運送の成果についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、区は平成17年11月に福祉有償運送の使用車両を車椅子や車椅子車や寝台車等に加え、セダン型まで拡大した事業が、構造改革特区計画「豊島区外出支援サービス特区」と認定され、平成18年10月には特区から全国展開となっております。平成21年度現在、登録4団体の年間実績は、総運送人数は2万2,000人余り、総走行距離は14万8,000キロメートルに至っております。また、毎年、福祉有償運送運営協議会を開催いたしまして、高齢者等の移動支援について、区の施策を踏まえて、福祉有償運送の必要性及び安全性を協議してまいりました。福祉有償運送は、高齢者等の移動困難者がタクシー料金のおよそ半額で車両を利用することができる事業であり、地域生活における移動の利便性を高め、社会参加を促すなどの成果があったものと認識しております。なお、今後、利用者の拡大に向けて、さらなるPRに努めていかなければならないと思っております。

次に、移動支援に関する今後の取り組みについての方針についてのご質問にお答えいたします。ご案内のとおり、高齢化率が20%を超え、3人に一人以上がひとり暮らし高齢者である本区においては、地域での自立生活を支援するための取り組みや、そのための福祉サービスの質の向上を図ることは切に求められております。とりわけ、高齢者が生きがいを持ち、余暇活動に参加できる仕組みづくりとしての移動支援策は、閉じこもりを防止、介護予防にも役立ち、社会参加を促すための手段として検討すべき重要課題であると認識しております。したがいまして、今後は地域公共交通会議のメンバーに福祉部門も加え、高齢者を含む交通弱者を対象とした移動支援のあり方を検討するとともに、福祉のまちづくりの観点からも移動しやすい環境の整備を推進するほか、ソフト面においても支援策につきまして地域特性や区民要望、他区の状況等を踏まえながら、慎重かつ総合的に検討してまいりたいと思います。

次に、自転車走行時の安全対策とマナー啓発を目的とした条例制定についてのご質問にお答えいたします。本区における交通事故のうち、平成21年の自転車に関わる事故件数は47.4%と、大変多くの割合を占めておりまして、区といたしましても、自転車の安全利用及びマナー啓発の重要性は十分に認識しているところでございます。本区では、セーフコミュニティの認証に向けて検討しておりますが、その10本の柱の中にも自転車利用の安全性を掲げております。そして、地域活動団体や交通管理者、区職員等の25名からなる対策委員会を設置し、自転車の事故減少に向けて、あらゆる角度から検討を進めております。ご指摘のありました、京都市が制定した条例について、本区でも同様のものを制定してはどうかとのご質問でございますが、先程もるる申し上げましたが、豊島区が進めている安全・安心まちづくりセーフコミュニティの検討の重要政策の一つであるとの認識の下、目玉政策としてご提案を生かして、新規条例制定の方向で積極的に検討させていただきたいと思います。

私からの答弁は以上でございますが、その他の質問につきましては、関係部長から答弁をいたさせます。

○政策経営部長(吉川彰宏) 公会計制度改革についてのご質問のうち、まず、システムの具体的な導入効果についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、豊島区は23区で唯一、財務システム全体の電算化がなされていない自治体でありましたが、21年7月より開発を開始し、22年10月に全庁での運用を開始したところでございます。今回の予算編成もそれにより作成されており、今後は4月以降の予算執行、そして24年度での決算と順次電算化を図ってまいります。予算の配当、契約、執行という一連の会計処理が一元化されることで、紙で行っていた作業がシステム化され、転記をしていた手間などの削減が実現いたします。これにより、会計処理にかかる職員の労働時間の削減、紙代やコピー代などの事務経費の削減など、量的な効果が期待できるところでございます。また、リアルタイムで執行状況が把握できることなど、質的な効果も期待できるものでございます。さらに、短期間での統計情報の作成ができることも効果の一つでございまして、例えば財政課では総務省へ提出する決算統計を作成するために、毎年6月、1カ月をかけて、延べ500時間近くの超過勤務が発生しておりましたが、本区と同じシステムを先に導入した隣接区の話では、業務量はほぼ半減したと聞いております。削減効果額につきましては、計画時の机上計算での想定額でありまして、今後、見込んでいた経費削減効果が実現できたかどうかを実証的に把握してまいります。既に昨年夏に全庁的な業務量調査を終えており、平成23年度の会計事務が終了する平成24年度にも同様の業務量調査を行いまして、システムの導入の前と後での数値の比較を行う予定でございます。いずれにいたしましても、大きな効果となるよう、運用面にも工夫を凝らして努力してまいります。

次に、会計基準の統一化を求めることについてのご質問にお答えいたします。本区は、平成20年度決算より、総務省方式改訂モデルによる財務諸表を作成し公表しておりますが、以前から、より精緻で、よりわかりやすい財務諸表の作成を目指し、基準モデルなどの会計基準も検討してまいったところでございます。自治体経営の透明性を確保し、区民の皆さんに対する説明責任を一層向上させるためには、比較検証が可能で、全国統一的な会計基準の策定が望ましいと考えております。既に9割以上の自治体におきまして、財務諸表の作成に着手されており、平成20年11月には全国知事会から全国標準的な会計基準の整備を求める提言が出されております。一方で、全国市長会からは新公会計制度導入について、これに伴うシステム改修費などの財政負担を懸念する声が上がっております。これらを踏まえまして、国の方では、総務省方式改訂モデルから基準モデルへと段階的に進めることを想定しております。今後、さらに基準の統一化が図られれば、この財務諸表に基づく指標により、自治体間の比較が可能になりますが、特に特別区は独特の財政制度下にあるため、従来より23区同士の比較が最も重要な分析の対象となっております。

次に、23区の会計基準の統一化についてのご質問にお答えいたします。23区につきましても、基準は不統一な現状でございますが、当面、総務省方式改訂モデルで行い、将来的に基準モデルへと進む予定であるとする区が多数という状況でございます。また、基準モデルなど、既存の決算統計を経ずに、直接に財務情報から迅速に複式簿記を作成する方式へと移行するには、相当のシステム経費を伴うことも、各区共通の課題でございます。特に23区同士の比較は、特別区にとって重要な分析であるだけに、早期の統一が望ましいことではありますが、基準モデルに全区が移行して統一が達成されるには、多少時間がかかるのではないかと思っております。

次に、総務省方式改訂モデルを選択した経緯についてのご質問にお答えいたします。一つには、本区において公会計制度改革に対する対応を検討した際には、いまだ財務会計システムが導入されておりませんでした。したがって、少なくとも22年度決算までは財務諸表の作成を職員の手作業によって行うほかはなく、総務省方式改訂モデルが選択可能な方式の中でよりよいものであると判断したわけでございます。もう一つには、現時点でも総務省方式改訂モデルを採用する自治体が多数あり、比較検証の相手が最も多いものを採用するという意義もあったものと考えております。

次に、基準モデルの採用についてのご質問にお答えいたします。スタートが基準モデルでなく、総務省方式改訂モデルとなった経緯、事情はさきに述べたとおりでございまして、本区では当初から基準モデルの採用が困難でありましたが、ご指摘のように財務情報の迅速かつ正確な把握の必要性は十分認識しておりまして、基準モデル等の採用につきましても、引き続き真剣に検討してまいります。なお、どの区よりも財政悪化に苦しんだ本区といたしまして、投資的経費の投入量、その結果である資産の量、そして債務残高の量、こうしたもののバランスを将来にわたって正確に把握し、持続可能な資産保有と債務残高を管理することが大変重要だと考えております。この点では、どの方式を選択するかにかかわらず、固定資産台帳の整備が重要なポイントでありますので、これにつきましては既に着手し、現在、鋭意作業を進めているところでございます。

次に、財務諸表の活用の取り組み方針についてのご質問にお答えいたします。これまで各種財務諸表につきまして、あるいは健全化判断比率などにつきましては、積極的に、また様々に工夫も凝らし、説明責任を果たしてまいりましたが、この財務諸表に基づく指標につきましては、一定の他区比較は行っておりますが、より積極的に比較分析をし、お示ししていく余地がまだあるものと思っております。とりわけ、ご指摘のような四つの分析の視点に、弾力性、自律性を加えた六つの視点が重要と考えております。世代間負担比率など、代表的な指標とされているものの多くは、本区の財務諸表においても掲載をしているところであります。いずれにいたしましても、今後、財務諸表をどのように分析し、活用していくかが実務上の大きな課題であります。今後は23区が公表する財務諸表や各種指標との比較分析を深め、職員にとってコスト分析等がしやすく、区民の皆様にとってもわかりやすくなるようにする工夫を図ってまいります。また、同時に、浜松市の事業別・施設別の財務諸表の活用例にもありますように、具体・個別の施策にダイレクトに活用できる方策が求められております。これには財務会計システムの情報から直接的に財務諸表を作成するシステムが欠かせません。この面からも、基準モデル等の導入に早期に取り組む必要があるものと認識しております。

○文化商工部長(東澤 昭) 若者の就労支援についてのご質問のうち、まず、ヤング応援就職フェスタの効果を向上させる取り組みについてのご質問にお答えいたします。ご案内のとおり、この事業は、区とハローワークなどが連携して実施する共催事業であり、今年度は「ヤング応援就職面接会イン豊島」として実施いたしました。参加企業を確保する上でも効率的であることから、今後とも現在の枠組みの中で継続してまいりたいと考えております。しかしながら、企業の求める人材と参加者が希望する職種や勤務条件などのミスマッチから、ご指摘のとおり、事業としての実績は十分ではないと受け止めております。一方で、企業関係者からは簡潔で丁寧な応募書類の記述や面接での受け答えが採用の決め手になることも多いとの話も聞かれます。就職希望者がそうしたノウハウを身につけているか否かによって、採用結果が大きく左右されることになり、大変重要なポイントであるととらえております。そこで、それらをわかりやすく解説する就職支援セミナーの開催を今年度の3回から来年度は6回に倍増し、より多くの方々が自信を持って就活に臨んでいただけるよう支援してまいりたいと考えております。

次に、中小企業及び若年求職者の双方が共有できるシステムの構築についてのご質問にお答えいたします。現在の超氷河期と言われる大変厳しい就職難と中小企業の人手不足については、区としても大変憂慮しているところであり、大きな課題ととらえております。これはご案内のとおり、優れた技術を持ち、将来性の高い中小企業の情報が学生・新卒者に十分届いていないことと同時に、長引く不況の下、学生・新卒者に安定志向が高まり、就職活動が大企業に偏りがちとなっている結果であるとの見方も報道、分析されているところでございます。また、一方で、区内事業者の実態を見ますと、その4分の3を占める従業員10人未満の企業・事業所では、欠員が出た時点で人材を募集せざるを得ないことなどから、計画的な採用は難しい実情もあります。こうした中で、今回のご提案は、学生・新卒者と中小企業をつなぐ一つの方法として大変参考になるご提案であり、貴重なご意見として受け止めさせていただきます。しかしながら、区単独のシステム構築につきましては、システム開発や維持管理費等に加え、常に正確で新しい情報が求められる企業の採用情報を、区が把握、更新していくことは必要なノウハウがないことからも、多くの難しい課題があるものと考えております。一方、ご案内のとおり、としま企業支援サイトでは、採用情報を掲載している企業もあり、また詳細な企業情報も掲載され、それらは常に登録している各企業が自ら更新しており、大変効率的に運用されております。またそのほかにも、現在、既に中小企業の採用情報を集めたサイトが、中小企業支援の関係諸機関や産業団体によって開設、運営されております。今後、これらの関係機関や団体と協議を進め、ご提案の趣旨を踏まえて、早速、としま企業支援サイトに採用情報の項目を設けるなど、企業の様々な情報を広く共有できる環境づくりについて取り組んでまいります。

○都市整備部長(増田良勝) 巣鴨・駒込の課題についてのご質問のうち、まず、巣鴨地区まちづくりについてのご質問にお答えいたします。巣鴨四丁目地区の拠点整備につきましては、地蔵通りの再整備との一体的なまちづくりを進めるため、巣鴨地区まちづくり協議会が主体となり、巣鴨地蔵通り商店街、当該地の土地所有者、首都圏不燃建築公社、東京都、そして豊島区による検討組織を設け、平成20年から22年にかけて、協議を重ねた経緯があります。この検討の過程におきましては、保健福祉部分庁舎や児童遊園の土地の売却は前提としておりません。また、白山通りに接続する区道についても、ミニ区画整理など敷地の整形化を図る場合に限定して、必要な範囲で他の場所に付け替える検討はありましたが、廃止や売却は全く検討しておりません。まちづくり協議会が行った検討では、地域の安全性と快適性の向上、また活力の向上を目指し、地域に貢献するような拠点整備を検討したものです。現在、この検討組織は、地元の事情により協議会活動が中断している実情があり、検討協議のほうも途中の段階で中断している状況です。したがいまして、ご指摘にあります30階を超えるマンション計画は、まちづくり協議会が主体となって検討してきた計画とは全く関係のない異なる計画であります。また、今後、区がどのように地元に関わるかということについてでございますが、平成14年と平成21年に区議会に対し、巣鴨地区のまちづくりに関する請願書が提出されておりますので、まちづくり協議会の今後の動向を踏まえ、地元と一体となり、まちづくりに取り組んでまいります。

次に、区道拡幅に関する地元との協議についてのご質問にお答えいたします。ご質問の特別区道は、道路幅員6メートル未満の箇所を含む道路として管理していますが、現在この区道を6メートル道路として認定する考えはございません。なお、区道拡幅に際し、地元との協議を要するような法的な規定はございませんので、その点をご理解いただきたいと存じます。

次に、巣鴨地区まちづくりに対する今後の取り組み方針についてのご質問にお答えいたします。現在、活動を中断しておりますまちづくり協議会は、巣鴨地蔵通りのまちづくりについて、新たなメンバー構成で新たな検討に入る予定にあると聞いています。今後の具体的な取り組みとしましては、中断しております巣鴨四丁目の拠点整備とは切り離した形で、巣鴨地蔵通り商店街の将来ビジョンの検討を急ぐ予定とのことであります。したがいまして、区は今後、地元との連携を図り、コンサルタントの派遣など、まちづくりを支援してまいります。

次に、都バス車庫用地における利活用施設に関する今後の対応方針についてのご質問にお答えいたします。巣鴨自動車営業所の新築工事についての地元説明会が、昨年12月14日に開催されました。その席で、今後、東京都が白山通りに面して計画することを発表している利活用施設について、施設計画が決まってから地元に説明するのではなく、地元と十分な打ち合わせを行い、地元が納得した活用計画を検討してほしいという地元要望がございました。営業所の新築工事は24年度末が完成予定で、利活用施設はそれからのスケジュールとなるようですので、今後、有効活用についての方向性やたたき台がまとまり次第、速やかに東京都から地元にお知らせできるよう、東京都に働きかけ、地域活性化につながるよう努力してまいります。

次に、JR駒込駅東口のバリアフリー化への取り組みについてのご質問にお答えいたします。JR駒込駅につきましては、ご承知のとおり、平成17年から18年にかけて駅舎改修を行うとともに、北口改札口につながる経路につきましては、エレベーター1基、エスカレーター2基を設置し、区におきましても、整備費用の一部を助成し、バリアフリー化を進めてきたところであります。一方、駅東口につきましては、階段の昇り降りが困難なため、車椅子をご利用の方を始め、ベビーカーご利用のお子様連れの方々などにおかれましても大きく迂回するとともに、急な坂道を通らざるを得ない状況となり、大変ご不便をおかけしていることも十分承知しております。平成21年6月に、JR駒込駅東口のバリアフリー化に関するご要望をいただいて以降、区といたしましても、JR東日本東京支社に要請するとともに、現地調査も行ったところであります。しかしながら、駅ホームや通路の幅が狭いなどの構造的な問題により、通常の工法での設置が困難なこと、また、JR東日本主要駅の中で御茶ノ水駅や神田駅などバリアフリー未整備駅への対応が優先されていることなど、課題も多く、直ちに解決することは極めて難しい状況にございます。駅などの公共交通施設のバリアフリー化と安全の確保は、セーフコミュニティの観点からも、区としまして大変重要な課題と認識しております。今後とも引き続き要望実現に向けて努力してまいりたいと考えております。

以上をもちまして、島村高彦議員のご質問に対する答弁を終わります。