18H30年予算委員会 国保会計 ふま議員( 3月13日)

医療費適正化・データヘルス・ジェネリック

○ふまミチ委員  では、よろしくお願いいたします。私のほうから、国民健康保険事業会計の医療費適正化についてお伺いいたします。

まず初めに、本区における医療費はどのような状況なのかお聞かせください。

○佐藤国民健康保険課長  本区における医療費の状況ということでございます。総医療費のベースで申し上げますと、25年度が223億円、26年度は227億円と増加傾向であったのに対して、27年度は226億円と0.2%の減、また直近、28年度では219億円、およそ3%の減と減少傾向がこの2年続いているような状況でございます。

この要因でございますけれども、被保険者数が減少の傾向にあるということ、また比較的医療費の低いと思われる外国人留学生の加入がふえていること、また、さらには後期高齢者医療制度への移行による喪失、そういったことが多いというようなところで、本区においては医療費が減少したのではないかというふうに考えているところでございます。

○ふまミチ委員  それでは、その医療費適正化に向け、どのような事業に取り組んでおられるのかお聞かせください。

○佐藤国民健康保険課長  医療費適正化施策について、さまざま事業を行っておりますけれども、特に平成27年度から糖尿病重症化予防事業というものを行っております。特定健診で一定の数値の方に対して、予防事業を行うことを中心にしたものですけれども、そういった取り組みを継続して行っているところでございます。またジェネリック医薬品の差額通知、そういったものも24年から取り組んでおります。また今年度につきましては、特定健診計画、またデータヘルス計画の策定にも取り組んでいるところでございます。

○ふまミチ委員  今、ちょっと御答弁の中にはなかったんですけれども、ほかの自治体では、重複受診とか頻回受診対策や調剤点検などを行っている自治体があるというふうに聞いておりますけれども、本区ではそういうことはどうなんでしょうか。お聞かせください。

○佐藤国民健康保険課長  いわゆる重複頻回受診、そういったものも医療費の適正化の策としてやっているものでございますが、本区においては、そういった取り組みは、研究段階ということで、まだ事業の実施には至っておりません。

○ふまミチ委員  そういうこともできるのであれば、ぜひともやっていただければなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

あと、糖尿病重症化予防事業を実施しているということなんですけれども、どのような成果が出ているかお聞かせください。

○佐藤国民健康保険課長  糖尿病の重症化予防事業については、特に予防事業に力を入れているところでございますけれども、特定健診の受診結果でヘモグロビンA1c、その数値に着目をして、対象者を抽出したりもしているんですけれども、そのヘモグロビンA1cの値が、この数年で伸びが抑制された、そのような効果が出ているということを最近では確認をしております。それが、例えばその医療費の減に幾らつながっているというようなところ、そういった具体的な数値を示す状況にはありませんけれども、重症化を予防するという観点からは、中長期的にはこういった成果が出てくる、実を結ぶのではないかなというふうに考えているところでございます。

○ふまミチ委員  では、その糖尿病重症化予防事業について、今後はどのように取り組んでいくかお聞かせください。

○佐藤国民健康保険課長  今現在は予防事業、これは二次予防というふうに呼んでおりますが、一次予防として、周知啓発、そういったものに継続的に取り組んでいるところでございます。

今般策定予定のデータヘルス計画でも、引き続き優先的に取り組む疾病を糖尿病と定めて、いろいろと事業を展開していく予定ということになっておりますけれども、今後は、例えば一定期間、治療を中断している方の状況などについて、引き続きの分析を進めるということにはなるんですが、糖尿病の患者に対する保健指導、いわゆる三次予防事業の開始に向けた検討を引き続き進めていきたいというふうに考えております。

○ふまミチ委員  その三次予防などで、保健師の指導というお話がございました。この保健師が入っての指導というのはどのような形でやるのか、その内容がわかればちょっと教えていただければと思います。

○常松地域保健課長  基本的には集合のセミナーのような形で、糖尿病になるメカニズムですとか、そこに寄与する運動の効果ですとか、そういうお話をいたします。その後、進んでいきますと、個別の面接といったような形で、お一人お一人の状態を踏まえた形で、どういうような形で生活を営んでらっしゃるかみたいなところにも立ち入った形で、こういうような長い取り組みになりますので、くじけないように、寄り添いながら進めていくということでございます。

○ふまミチ委員  わかりました。本当に長い活動になるのかなと思います。

個別対応をセミナーの後にしていただけるということなんですけれども、私たち会派、呉市のほうに以前視察に行かせていただきました。そのときに委託先の看護師が、被保険者に対して何度も何度もお電話を入れて訪問のアポをとっているというのを拝見しました。その徹底ぶりに本当にすごく感心したわけですけれども、電話をしてもつながらないというのも、何度も何度もする中で、被保険者の心を動かして、訪問指導につながったというふうにも言われていましたし、そこから人間関係もできて、その後もずっとその健康の相談に乗っていく中で、重症化が防げたというお話でございました。

本区でもそのような、その被保険者に糖尿病の重症化による合併症などでつらい思いをさせないという決意、そういう思いが大事なのかなというふうに思いますが、ちょっとその辺の御見解をお聞かせ願えればと思います。

○常松地域保健課長  呉市の取り組みは非常に有名で、私どもも、文献レベルですけれども、いろいろと勉強させていただいております。

これまでのところは、先ほど国保課長のほうから申し上げましたように、一次予防と二次予防に力を入れているところでございます。特にポピュレーションアプローチということで、より多くの方に発症の前の段階で食いとめるといったようなところに、この間、力点を置いているとこでございます。しかしながら、先ほど国保課長から申しましたけれども、三次予防も含めて、今後は検討していく必要があるのかなということで、もう少し推移を見ながら、そういったことも視野に入れつつ、進めてまいりたいというふうに存じます。

○ふまミチ委員  わかりました。ぜひともお願いしたいと思います。

先ほどもありましたけれども、ジェネリック医薬品の差額通知の実施実況と、また効果がどの程度上がっているのかをお聞かせ願えたらと思います。

○佐藤国民健康保険課長  ジェネリック医薬品の差額通知でございますけれども、年2回、例年8月と2月に通知を発送しているところでございます。最近の効果額を見ますと、1月当たりの金額でございますが、およそ2,000万円を超える削減効果というものを確認しているところでございます。

この事業、平成24年の11月に開始しておりますが、事業開始当初は数量シェアが35%でございました。それが最近、直近では29年9月のデータでございますけれども、数量シェアが56%というふうに、着実に増加をしているというような状況でございます。毎月、最近では2,000万円ぐらいの削減効果が見込めるということをお話させていただきましたが、この累積の効果額でいいますと、この5年間でおよそ6億8,000万円にも、その削減効果が上っているのではないかと試算しているところでございます。

○ふまミチ委員  わかりました。本当にジェネリックに変えるだけで、それだけ違ってくるのだなというふうに思って感動、感心しております。それで、先ほど35%だったのが56%までにということで、着実にふえておりますけれども、まだまだそれはふえていく方向、80%とか90%とかにふえていく方向で考えておられるんですよね。

○佐藤国民健康保険課長  ジェネリック医薬品の数量シェアなどについては、国でもその指針などで示されているように、目標の数値などもあります。区としても、適宜そういった目標を定めながらやっていきたいと考えておりますが、そのジェネリック医薬品の使用促進については、現在、特別区全体でも取り組みを進めようということで動いておりまして、医療費適正化推進の広域的な取り組みというようなところで現在検討を行っているところでございます。このジェネリック医薬品の使用促進については、23区の国保連携事業というふうに言っておりますけれども、例えば、その共通の周知文言を使用するであるとか、そういった広域的な取り組み、こういったことにも積極的に取り組んでいるところでございまして、より深く検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

○ふまミチ委員  わかりました。そのように広域化に伴い、そしてまた全体的にやっていただけるということで、よろしくお願いしたいと思います。

それで、最後に、医療費適正化についての今後の展望をお聞かせ願い、質問を終了いたします。よろしくお願いいたします。

○佐藤国民健康保険課長  この30年度につきましては、特定健診計画、データヘルス計画を策定した初年度に当たりますので、その計画に基づいて、特定健診の受診率向上、また生活習慣病の予防の取り組みを推進するとともに、特に効果の高いと思われる糖尿病重症化予防、それからジェネリック医薬品使用促進、これを着実に進めていくということと、あとレセプトデータを、今、蓄積、分析をしておりますので、その分析もさらに進めていきたいというふうに思っております。また先ほども申し上げた特別区全体の広域的な事業実施も視野に入れながら、積極的に検討し、その取り組みを進めていきたいというふうに考えているところでございます。