区長(高野之夫君) ただいまの此島澄子議員のご質問に対しまして、順次お答えを申し上げます。なお、教育委員会所管に属する事項につきましては、教育長からご答弁申し上げます。

  まず、新たな住民サービスの展開についてのご質問にお答えをいたします。

  第一点目の自動交付機専用カードの作成率と利用状況についてのうち、第一番目のカードの作成率についてですが、十二月現在で区民カードは六百七十枚、印鑑登録証兼区民カードは二万九千五百六十五枚発行しており、印鑑登録者数に占めるカードの発行数の割合は、一七・八%となっております。また、自動交付機の利用状況についてでございますけれど、十二月現在で住民票の写しの交付率は八・六%、印鑑登録証明書の交付率は一八・六%となっており、一番利用度の高い場所は、本庁舎一階の税務課横の機器でありまして、利用度の低い方では、南長崎第一児童館と巣鴨社会教育会館の機器となっております。

  第二番目の自動交付機の今後の移設計画についてですが、自動交付機の設置場所は、区民の方々にとってよりわかりやすい場所に設置することが、区民サービスの充実に寄与すると思いますので、場所により区施設よりも金融機関や郵便局等に設置することが、より望ましい場合もあると考えております。自動交付機を民間施設へ設置するのは、静岡県沼津市に次いで全国で二番目ですが、巣鴨信用金庫本店への設置は試行設置として、その利用状況や財政状況を踏まえながら、今後、移設や増設を検討してまいりたいと考えております。

  第三番目の自動交付機活用の区民への呼びかけについてですが、自動交付機を最大限に活用するためには、カードの交付拡大が重要なことと考えておりますので、窓口にお見えにならなくても、書留等により安全に、また簡単に交付できるよう検討してまいりたいと思います。

  第四番目の職員の窓口対応と愛着を持った仕事についてのご意見ですが、議員ご指摘のとおり、職員一人ひとりの能力を活用し、効率的な組織運営を行うことがさらに求められておりますので、庁内LANを活用してパソコンを導入するなど、極力機械化に努め、貴重な人材を直接区民への対応に振り向けてまいりたいと考えております。

  次に、第二点目の総合窓口を目指した構造改革についてでありますが、これからの区民サービスの向上には、できる限り身近な場所でサービスを受けることができるシステムが求められる一方、一カ所でさまざまなサービスを受けることができる、いわゆるワンストップ・サービスの実現が不可欠であります。区本庁舎の現在の事務室配置は、基本的には平成九年度の再配置を引き継いでおり、一階、二階に区民サービスのほとんどの部分を集中させております。高齢者福祉課の配置につきましては、介護保険施策と密接に関連しておりますことから、平成十一年度、介護保険課、中央保健福祉センター、社会福祉協議会を合わせ、旧池袋保健所跡に配置したものであります。本庁舎と道を隔てておりますので、大変ご不便をおかけしており、誠に申し訳なく感じております。現在の庁舎の現状では、これらの事務室を取り込むことは、残念ながら困難と言わざるを得ません。しかしながら、できる限り区民を歩かせない、待たせない、立たせないというサービスの基本に立ち返って、現在の業務のあり方を改革していかなければならないと私も考えております。

  総合窓口のあり方については、「新生としま改革プラン」に掲げます区民が利用しやすいサービスの実現の大きな柱でもあります。物理的には困難な総合窓口機能をできる限りソフトサービスの面から補完するため、フロアマネージャーの常設について検討を関係部局に指示したところでございます。ご指摘のように、区民の目線に立ち、区民にやさしいサービスのあり方について、現在の庁舎でも可能な方策を早急に検討してまいります。

  次に、第三点目の出張所事務室跡の活用や有料化後の区民集会室の利用法についてであります。

  「新生としま改革プラン」によりまして、旧出張所跡地施設で現在集会室機能のみのものにつきましては、今後処分を含め本格的活用を図ることとしております。また、区民集会室につきましては本年十月から有料化を予定しておりますが、ご提案のように民間の力をお借りしながら、また区民の方々の創意あふれる工夫によりまして従来にない方法で活用していく必要があります。これらの施設について、地域の活性化に結びつくような構想やアイディアを広く内外から募ることにつきましては、前向きに対応させていただきたいと思います。

  次に、「財政健全化計画」とその対応についてのご質問にお答えをいたします。

  第一点目は、健全化計画において、十四年度以降実施と位置づけた事業についての実施期間とその理由についてであります。

  「財政健全化計画」では、施策の見直しとして、一般財源の投入規模が大きい事業、百九十八事業を取り上げ、それぞれの事業について見直し内容をご説明申し上げてまいりました。本来であれば、これらの事業は十三年度から見直しを実施し、その効果により、できるだけ早い時期に財政の再建を果たすことが望まれるものでありますが、事業によりましては、その実施などに大きな利害を持つ方々が存在すること、また相当の期間を設定して見直すべきものなどが含まれております。また、計画の性格上、具体的な見直し額を決定しなければならないという厳密性も必要でありますことから、健全化計画の初年度には見直しが困難であると判断いたしたものを十四年度以降実施とし、計画の明確化を図ったものであります。

  なお、十三年度に一定の見直しを行った事業でありましても、さらに十四年度以降見直すべき事業につきましても同様に、十四年度以降実施と位置づけてございます。これを事業数で区分いたしますと、総体では百九十八事業中、九十二事業でございまして、このうち十三年度に具体的な見直しに至らなかった事業は、十事業でございます。残りの八十二事業につきましては、十三年度での見直しに加え、十四年度以降もさらに見直しを図るものであります。特に、ご指摘をいただきました外郭団体への補助につきましては、十三年度に一定の見直しを行ったものでありますが、今後、各団体の人件費のあり方など、より根本的な課題の検討を行い、できるだけ早い時期に見直しが実施できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

  次に、第二点目、健全化計画に対する職員全体の理解と協力が保障されているのか、とのご質問にお答えをいたします。

  この計画は行財政改革推進本部を中心として、予算編成との有機的な連携を前提に、全庁挙げて検討、策定してきたものでございます。平成六年度に本格的な行財政改革に取り組んで以来、足かけ八年にも及ぶ年月を要しても、区財政の好転は実現できませんでした。私が就任し、初めて編成に臨んだ十二年度予算におきましても、清掃移管と介護保険の実施が重なり、財政の再建に向けた十分な対応がとれたとは言えなかったのであります。この間、職員の共通の願いは、「財政の健全化に向けた明確な道筋を早期に示してほしい」というものであり、「そのための協力は惜しまない」というものであったと受けとめております。その点から申し上げますと、今回の「財政健全化計画」で示した考え方、方法などにつきましては、理解をし、協力をし、職員自身がみずから行動しようとしているのであります。

  しかしながら、一方では、事務事業の根源的な見直しを実施するものや区の役割を大きく転換しなければならない項目もありますことから、職員の意識変革なくしては実施できない項目もございます。また、健全化計画における財源対策では、職員給与の臨時特例的な縮減を掲げており、直接的な給与の縮減につきましては、強い反対の意見がございます。健全化計画の各論では、職員の間にもさまざまな意見がありますが、区民にご負担をお願いし、新たな豊島区づくりを進めなければ、区民の負託にこたえることができないという点につきましては十分な理解が得られているものでございます。

  いずれにいたしましても、職員みずからが区民福祉の継続的、安定的な提供のため、それぞれの持ち場で懸命に努力することが重要でありますので、情報提供などを徹底し、計画の達成に向け、今後とも督励してまいりたいと考えております。

  第三点目、私の「財政健全化計画」に取り組む姿勢につきまして、お答えを申し上げます。

  ご質問にございましたように、区民生活を取り巻く環境は一層厳しさを増し、新たな制度にも不安と戸惑いを感じておられる方も多数おいでになるものと受けとめております。私ども、基礎的自治体の役割は、住民の方々の福祉向上のため日々の生活に密着したサービスを提供することにあります。したがいまして、そのサービスを提供する際には、常に区民感覚にマッチし、時代にふさわしいものとしていくことが必要でありまして、政策を立案する場合も同様であります。私は、行財政改革の根底には、区政本来の役割を果たし、区民の方々が安心して暮らすことができる自治体づくりという理念が欠かせないと考えております。単に、財政の収支を合わせることが、財政の健全化ではないと認識をしております。このような目的を実現するためにも、危機的な財政状況を何としても克服し、区民の皆様が未来への希望を持ちつつ、生き生きとした生活を送ることができる基盤づくりを進めていかなければならないと、改めて決意している次第でございます。

  最後に、地域コミュニティ支援についてのご質問にお答えをいたします。

  まず、団体への活動場所の提供についてですが、区政に対する区民意識の高まりとともに、NPOや街づくりに関する特定のテーマを協議する新たなコミュニティ等が運営されております。そこで、区民参加による地域コミュニティをつくり上げるためにも、ボランティア団体への支援強化は重要な課題であると認識をしておりますので、「新生としま改革プラン」の中で、団体の活動や団体間の交流の場として、東西区民事務所内にボランティア活動室を設置することとしております。

  次に、各地域のイベントに対する支援についてですが、議員ご指摘のとおり、地域コミュニティを醸成し活性化するためには、社会環境の変化等を踏まえ、イベント等は行政主導ではなくて、区民の方々がみずから考え自主的に活動することが重要であると思いますので、十三年度当初に学識経験者、公募による地域住民、町会、ボランティア団体の構成による「地域活動のあり方検討

 会」を設置いたしまして、支援策や仕組み等を検討してまいりたいと考えております。

  以上をもちまして、此島澄子議員のご質問に対する私の答弁を終わります。

      〔教育長二ノ宮富枝君登壇〕

○教育長(二ノ宮富枝君) 引き続きまして、教育委員会の所管事項に関するご質問に対しまして、私よりお答えいたします。

  まず、地域コミュニティ支援についてのご質問の第二点目、IT講習会実施後のパソコンの配置についてでございます。

  IT関連事業で購入したもののうち、IT講習会用として購入いたしましたパソコンは四十四台でございます。講習会終了後、区民の皆さんが自由に使えるパソコンとして、図書館、社会教育会館、区民事務所、区役所本庁舎に配置したいと考えております。

  次に、第三点目のIT講習会へのシニア世代の参加についてでございます。

  平成十三年度に実施するIT講習会は、IT基礎技能の習得を目的とするものでございます。したがって、これまでパソコンにあまりなじみのなかったシニア世代にも、多数受講していただきたいと考えています。このため、「広報としま」はもとより、ことぶきの家にご案内のチラシを配付する等、積極的な呼びかけを行っていきたいと考えております。また、講習の実施に当たりましては、シニアの方々の習熟度に合わせたきめ細かい対応を行っていきたいと考えています。

  以上をもちまして、此島澄子議員のご質問に対する私の答弁を終わります。

○二十一番(此島澄子君) 一つだけご質問させていただきます。

  今、IT講習の十三年度の講習会、それ、終わった後のパソコンの設置場所なのですけれども、先ほども吉村議員のときにお聞きしまして、教育委員会としての設置場所というのは了解しました。そのほかに百台近く購入する中で、先ほどの質問の中にもありますけれど、地域社会の中で商店街とか要望があった場合には、ということでご質問させていただきましたけれども、その部分はいかがでしょうか。

○区長(高野之夫君) 大変申し訳ございません。

  IT講習会というのは大変あちらこちらで熱望されておりますので、できる限りそれに対応していきたい、そんな思いをしておりますので、ご要望のとおり対応していきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

○二十一番(此島澄子君) それで、十三年度のその講習会が終わりますね。それで、その後に教育委員会は教育委員会、四十二台のパソコンをいろいろな社会教育会館とか、そういうところに置くのですけれども、それ以外に地域社会とか、民間の方でもってご要望があった場合に、そのパソコンをその場所に設置するということは可能かどうかということをお伺いしたいのです。

○区長(高野之夫君) ただいまのご要望、しっかり受けとめてやりますので、受けとめて、その後利用しろということでしょう。そういうことですね。受けとめますから、やりますからよろしくどうぞお願いします。