○此島澄子委員 またかと思われる待機児童対策について。委員長、最後なので気合いを入れていきたいと思います。よろしくお願いします。
まず初めに、豊島区監査委員の監査機関で出された意見書とか報告書がありますけれども、その検討状況をチェックする機関といいますか、チェックするところというのは、その出されたところの担当部署以外にあるんでしょうか。
○小野総務部長 監査でご指摘をいただいた場合、それぞれのところが意見等をいただくわけでございまして、その所管がまずもって対応するということが前提でございます。ただ、その対応状況につきまして、どういう状況にあるのかというのは、私ども総務でまとめて、それで動いていないところについては、その状況について進めるようにということは、私どもで責任を持ってやっているところでございます。
○此島澄子委員 例えば先日取り上げさせていただきました学校監査に出された報告書の中の意見要望ですけれども、今年1月に出された報告書を見ますと、これは今回初めて出てきたわけではないことが見てとれるんです、書かれている内容が。この中に平成19年度の監査において、幼保一元化について検討を進めるよう意見を述べてきたと書いてあるんです。保育園の待機児童が大きな問題でなければいいんですけれども、今やもう全庁的に取り組まなければならないような課題になっているにもかかわらず、19年に出されてもう3年目ですよね。そんなにのんびりしないでくださいと言いたくなるんですけれども、教育委員会も見えないところで努力をされているかもしれないなと思いまして、一言どうぞ。
○三田教育長 私ども監査委員会から監査報告として、そうした提案をいただいているということにつきましては十分承知しております。
また、今回の教育ビジョンの2010の検討の中でも、そうしたことを踏まえて待機児童対策という趣旨ではございませんけれども、豊島区に住んでいる幼児を、全体を、幼児教育をどのように進めていくかという観点から、幼保一元化も含めて、幼児教育のあり方について、今後どうしたらいいかということを検討していく必要があるということを十分認識の上で、今回の教育ビジョンのところで、幼稚園教育についての項立てをさせていただいたと、そういう趣旨でございまして、十分前向きに考えて検討していきたい、そういう視点に立っていると考えてございます。
○此島澄子委員 そのことについては、先日述べさせていただきましたけれども、今回の教育ビジョンの中に検討しますという項目を入れてくださったことは評価しているんですけれども、具体的にこれから検討しますというのは、ちょっと遅いですねと、この間も言ったんですけれども、なかなか厳しいなと思われる部分が、幼保一元化について私立幼稚園に遠慮して積極的に進めなかった部分があるかもしれないなと思うんです。私立幼稚園が幼保一元化を進めてくれればよかったんですけれども、ずっと、10年ぐらい前でしょうか、もう一時保育が始まったころに、だんだん少子化の勢いで子どもが減っていく中で、やはり私立幼稚園の園児も少ないのではないですかということで、そういう中で一時保育をやりたいというところが出てきませんかねとしきりに何度となく言ったんですけれども、ずっとここ見ててもこの10年間全然出てきませんでしたよね。でも本当にそういう状況ですから、いつまでも遠慮することはないと思うんです。
特にここに来て、やはり出生率も若干回復されて、園児も増えてきているせいか、私立幼稚園も待機児童が出ている状況ですから、こういう中では本当に強気に出て、ぜひ幼保一元化を積極的に進めていただきたいと思うんですけれども、改めて子育て支援課に伺いたいんですが、他区では幼稚園と保育園の一体化が都内で進行中ということで、区立認定こども園が盛んにやられているんですけれども、これについて改めて確認させていただけますでしょうか。
○田中子育て支援課長 幼保一元化の施設でございますけれども、認定こども園といたしましては、現在、区立で実施しているところが3区ございます、新宿区、品川区、台東区。それから、認定こども園という制度ではないんですけれども、独自制度といたしまして、この4月から渋谷区、杉並区で区立幼稚園を活用しての3歳児、もしくは渋谷区でいきますと1歳児から受け入れをするという幼保一元化の施設を検討しているということは伺っております。
○此島澄子委員 これだったら今いらっしゃる幼稚園児が一緒にやっていけるわけなので、ぜひ、早急な取り組みをお願いしたいと思うんですが、教育委員会のご意見も一言お聞かせください。
○三田教育長 ご案内のとおり、公立の幼稚園教育につきましては設置基準の問題等、それから施設設備の問題、それから保育の体制の問題等、基準がかなりいろいろと違っております。親といいますか、国のレベルでは、そうした整備がまだまだ十分整っていないという中で、各区がやっているのは特区制度を生かした対応というか、そういうことをかなり充実させてきていると思っております。
そういうわけで、私どもは22年の4月から、今、遅きにというお話がございますけれども、幼保一元についてはまだまだこれからの大きな課題だと思っておりますので、実態、保育ニーズも含めて、そうしたことをしっかりと把握していく必要があるかと思います。
幼児教育全体が幼稚園教育から保育園にずっと流れてきていると、それは様々な社会的な背景があると私どもは捉えてございますけれども、そうしたことも含めて、実態を正確に把握していく必要がございますし、また、私どもが抱えております小1プロブレムの問題、それから特別支援教育の幼児期からのあり方の問題、それから確かな学力や体力を向上させていくという、これまで議論されてきた課題につきましても、やはり幼保一元化の必要性ということは十分考えてございます。
そういう意味で、まずは内容の一元化ということを図っていこうということを私どもは考えてございますが、そうした制度、仕組みのあり方、基準も踏まえて、実質一体化するような内容を豊島区としてどのようにつくっていけるかということをしっかりと検討も踏まえて進めてまいりたいと、そんなふうに考えてございます。
○此島澄子委員 その基準の問題とかあるかと思います。そして幼稚園から保育園に流れているというお話ですけれども、そういう状況をよく見極めながらという部分もわかるのですけれども、区内の今の目下の状況を考えますと、こういう形で乗り切るというのも非常に大事な一手だなあと思うんです。ですので、その辺を、その基準を取り払うのに時間的なものが必要なことはよくわかりますので、それを極力早く乗り越えて、区民の立場からしますと、そういうこともよくわかりませんし、何でもう少し早くスムーズにいかないのかといったもどかしい部分があると思うんです。ですので、ぜひそういう部分で子ども家庭部と、そして教育委員会の縦割りを取っ払ったといいますか、本当によく話し合っていただきまして、一刻も早く実現できるようにお願いしたいなと思うんです。
ついでにここで言ってしまいますけれども、区民は大変厳しい生活状況にあって、この間も2月の終わりにうちの控室にご相談に来られた方がいるんですけれども、その方は豊島区役所のお仕事をある会社のもとで働いてんだけれども、給料がもらえないということで来たんですね。何で豊島区役所の仕事をしてるのに給料がもらえないのと言ったら、その事業者が言うには、豊島区役所の支払いが遅れていると言って、そんな馬鹿なことあり得ないでしょうということで、その担当部署のたまたま課長がいなかったので係長にお願いして、2月の末ですから、ちょうどその事業者に入金になる日だったので、一本電話してくれればありがたいということだったんですけれども、豊島区役所の係長は、それはできませんと、事業者がきちっと仕事をしてくれている以上はできないというんですね。私は、ええっと、では、あなたの会社のもとで働いている方からこういう声があるということは確認できるでしょうと言ったんです。そうしたら渋々受け入れてくれたんですけれども、その日のうちの確認することはなかったんです。
その相談者の方は、一方、東京都にその後に行きまして、東京都の仕事はちょっぴりだったんだけれども、東京都に行って、また東京都にも同じ申し入れをしたんですね。そうしたら、東京都は本当にほんの少しだったからどうかなあと言ってたんだけれども、すぐにその日のうちに電話を入れてくれたらしいんです。その月末は特に入金の日ではなかったんだけれども、区の払うべき給料も合わせて次の日に入金をしてくれたらしいんですね。でも、本当にその相談者の方は、これでもう借金も返せると、やっと生活が何とか落ちつきますという喜びの電話もくれたんですけれども、やはり一般区民は公務員の方はいいですねと、私たちもそうですよね、特別公務員ですから。本当にこういう景況の状況にあっても、ちゃんちゃんと給料が払い込まれていいですねという思いで見ているわけです。本当にそういう中で、やはり区民の窮状というのを理解してあげないといけないと思うんです。
だから、保育園もこうでこうで入れないという部分も、このように取り組んでいるんですけれども、もう今年もさっき子ども家庭部長からあって、枠をさらに広げてこれだけやったけれども、さらにこれだけの応募者が多くてという形で、区民にも本当に親切丁寧にわかるように対応していただければありがたいと思うんですけれども、なかなかその辺が区民は理解できない部分があります。ですので、そういう部分ですね、役所としてもその取り組みについては、スピードアップしていただいて物事に取り組んでいただきたいということがあります。
あとは縦割りの弊害というのはないかとは思いますけれども、やはりもっともっと子ども家庭部も教育委員会に積極的に詰めていただいて、いろんなことを聞いていくとどうかなと思うところがあるもんですから、そういう部分を積極的に詰めていただいて、一刻も早くできるような形にしてもらいたいと思います。
これは保育の問題ですけれども、様々な形でこれから本当に少子高齢化、人口減少社会とか、いろいろ社会経済もだんだんだんだん大変厳しい状況になってくる中で、やはり役所というのはこれまでの縦割り行政は、もちろんそういった弊害はもう本当にぶち破ってと、もう言って久しくなるわけなんですけれども、コスト意識とかスピード意識とか、サービス精神というのは、本当にそういった経営感覚を強く持っていかないといけないのではないかなと思うんです。ですので、そういう部分から、より積極的に取り組んでいただきたいということを要望して、最後の質問とします。
○水島副区長 今ご質問の中でございました、支払いが遅れているというケースにつきましてでございますが、調べてみたいと思いますんで、終わりましたら、また委員から再度お話を承りたいと思います。よろしくお願いいたします。
○此島澄子委員 犯人捜しではなくて、私は1つの例えとして言ったまでですので、そういう形で、これから今後あらゆる部分で取り組んでいただければいいと思っておりますので、その辺は大丈夫ですか。
○高野区長 待機児童の問題から保育園、幼保一元化、それらについてのご指摘、大変19年から監査から言われても、なかなかそれに対して答えてないというか、スピードがないという、まさにそのとおり反省いたします。
お互いに縦割りをなくして、要するに区民の目線に立って物を考えていくというのが私の基本でありますので、今のご指摘もいただきながら、より一層今まで以上にこれらについて緊密な連携をとりながら、結果が現れるように、できるだけ早く現れるようにスピーディーな対応をしていきたいと思っております。
先程のお話は犯人捜しじゃございませんけれども、そういうお話を聞くと、何か私たちは非常に心を痛むというか、職員の顔を見ながら、そんなことは決してないわけでありますけれども、より一層緊張感を持って対応していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。