平成29年第一回定例会高橋一般質問
「誰もが暮らしやすい 魅力ある豊島をめざして」
公明党豊島区議団 高橋佳代子
私は、公明党豊島区議団を代表いたしまして「誰もが暮らしやすい 魅力ある豊島をめざして」と題し、1.防災対策について、2.福祉施策について、3.教育について、4.読書活動について、一般質問を行います。
始めに1項目めとして、「防災対策について」伺います。
平成28年4月に2度にわたる震度7クラスの地震が発生した熊本地震は、災害といえば水害と考えられていた地域に思いがけない甚大な被害をもたらしました。防災・震災対策調査特別委員会では本年1月18日と19日に熊本市と大分県で視察を行い、初動期から急性期に至るまでの対応状況と課題等について学んで参りました。復旧・復興の途上にある中で、特別委員会の視察を快く受け入れて下さった熊本市と大分県の関係者の皆様には、心から感謝を申し上げる次第であります。
熊本市では全ての小・中学校の耐震化が完了していたものの、体育館の天井落下等で25か所が使用できなかったとの話がありました。また、熊本県全体では、公立小中学校・高等学校・特別支援学校全体の約66%が天井落下や水道・給水管の破裂、建物コンクリート剥離等の被害があったとのデータがあります。文部科学省は、学校施設の非構造部材の耐震化ガイドラインを示されておりますが、本区の救援センターとなる学校施設が、いざという時に使えないという事がないよう望むものです。区立小・中学校の現状と今後の点検体制と劣化対応について、お考えを伺います。
熊本県教育委員会では熊本地震での教訓を活かすため、「熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会」を発足させ、避難所となった学校における施設面の課題等をまとめられております。その中には備えられていなかったために困った機能として、高齢者等は外にあるトイレの往復が不便であった事から、多くの方が体育館内の多目的トイレの必要性をあげられております。また、夜間は館内が真っ暗になるため、調光機能を備えた館内照明や、館内出入口の照明の設置。さらに、避難期間が長くなればなるほど、空調の必要性があげられております。区立小・中学校体育館の冷暖房化の状況と、今後のお考えについて伺います。また、災害時には区民の生活の場となるという視点で、学校施設整備のあり方を、今一度検討する必要があると考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います
熊本地震の支援にあたられた大分県は「九州・山口9県災害時応援協定」「関西広域連合との九州地方知事会との災害時の相互応援に関する協定」「全国都道府県における災害時の広域応援に関する協定」を締結されております。協定に基づき九州・山口9県被災地支援対策本部が常設されており、熊本地震ではカウンターパート方式により、熊本支援に中心的役割を果たされてきました。豊島区地域防災計画には、東京都や東京23区における相互応援協力等が記載されておりますが、防災協定締結自治体もあり、それぞれの支援スキームとの調整ルール確立も、混乱を避け、受援体制の構築には重要となります。熊本地震での行われたカウンターパート方式等、本区の広域支援のあり方と受援体制の整備について、お考えをお示し下さい。
さらに、熊本地震では物資の滞留がマスコミで取り上げられました。当初利用を想定していた物資集積拠点が被災し、渋滞が発生したとの話を大分県庁で伺いました。また、物資の発注状況や輸送情報を共有できる仕組みについても調査研究されるとの事でありましたが、本区の今後の物流体制構築について、あらためてお考えを伺います。
私ども公明党は、女性の視点からの防災対策の必要性について、東日本大震災の教訓を踏まえて2011年8月に「女性防災会議」を発足して、様々提言を行って参りました。中でも災害時に女性特有のニーズに対応した体制作りが必要であることから、災害対策基本法の改正を行うなど、地方防災会議への女性委員の登用を進め、豊島区議会でも平成23年の第2回定例会で当時、此島議員が「防災計画見直しに当たる女性参画の拡大について」質問で取り上げ、その後検討会が組織され、地域防災計画や救援センターマニュアルに女性の視点が反映されてきたと認識しております。
東京都では、平成29年度予算案の中に都議会公明党が提案した「女性視点の防災ブック」発行へ向け、3億円の事業予算を盛り込むと発表しております。今後、編集会議が立ち上げられ、女性の視点に立ったコンセプトや掲載内容が検討される事になると期待をしております。また、同じく東京都の新年度予算案には新たに「女性防災人材育成事業費」が盛り込まれ、女性の視点を取り入れた防災人材育成に向け、意識啓発のためのシンポジウムや防災に関心を持つ女性に対するセミナーを実施するとしております。東日本大震災女性支援ネットワークでは、東日本大震災の教訓をもとに「こんな支援が欲しかった!~現場に学ぶ、女性と多様なニーズに配慮した災害支援事例集~」を作成されております。東日本大震災の支援活動にあたった様々な団体の経験から得られた支援事例を紹介したもので、専門の団体による支援を待つよりも、だれもが多様性に配慮した支援ができるようにすることのほうが大切であるとし、多くの自治会役員の男性の中で、相談や困りごとに素早く対応した女性リーダーの存在が事例として紹介されております。また、石巻市でも東日本大震災での経験を踏まえ「女性のための防災リーダー養成講座」を開催されております。過去の震災の教訓を踏まえると、本区におきましても、女性防災リーダーの育成は欠かす事はできません。今後の女性の視点を活かした地域防災訓練と、女性防災リーダーの育成について、お考えをお聞かせください。
豊島区は女性に優しいまちづくりを推進し、ファミリー世帯の定住化促進にも取り組んでいるところであります。文京区は、平成24年に全国に先駆けて災害時に妊産婦や乳児が避難する専用の妊産婦・乳児救護所(母子救護所)の設置を地域防災計画に明記されました。救護所開設場所となる4つの私立大学、妊産婦のケアをする助産師、ハイリスク妊婦や出産時にサポートが必要となる大学病院等、多様な区内の関係機関と協定を結び、災害弱者となる妊産婦や乳児を保護する開設訓練を毎年実施されております。これは、東日本大震災の折り、避難所に派遣された文京区の職員が、災害弱者の中で特に妊産婦と乳児へのケアが不十分であったことを目の当たりにし、プロジェクトチームを立ち上げてプランが練られたものです。
この取り組みは平成25年の第1回定例会で西山議員も取り上げましたが、災害時おなかの中の赤ちゃんを守るネットワークの構築と、明日災害がきても安心して未来の子どもたちを産める体制づくりが重要であります。このような災害時母子避難所を作る動きが世田谷区、港区、北区、江東区をはじめ三鷹市、小平市、調布市、日野市、福生市など各自治体に広がっており、このような取り組みが災害時だけではなく、平時の子育て層に安心感を与え、仲間を作るきっかけづくりにもなることが分かってきております。この広がりを受け、内閣府の「少子化対策大綱」や「第二次健やか親子21」などの政策の中でも取り上げられるようになりました。本区の中でも、子育て世代のママたちから設置を求めるご要望の声があがっておりますが、区のお考えを伺います。
さらに、幼児にあっては泣いたり笑ったりしながら、成長していくものですが、とかくこれまでの震災ではこのような幼児たちの声が、同じ避難者から「うるさい」と叱責され、親子共に委縮し安心して過ごせないケースが多くあったと伺っております。それゆえ避難所を避けて車中泊等で過したり、行き場がなくなり困ったとの声もありました。
平成28年4月に内閣府が示した「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」には、福祉避難所の対象者として想定されているのは、法律上「要配慮者」であり、「災害時において、高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者」と明記されております。こうした幼い子どもがいるファミリー世帯の避難所につては、高齢者や障がい者の方々とは別に、明確に福祉避難所の指定をして、乳幼児に必要な備蓄をしっかり整備する事が、安心して暮らし続けられる地域に繋がると考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
私は先日、防災アドバイザーの岡部梨恵子さんの講演会を拝聴して参りました。クロワッサン2016年10月号の別冊「女性目線から考える 最新版 防災ハンドブック」を執筆された方であります。
首都直下型地震は30年以内に70%の確率で起こると言われる中、東日本大震災の15倍の人が避難を余儀なくされるという事実。そのような中で、大切な家族を守るためにしっかり備蓄しなければいけないと思いながらも、どうすればいいのか分からないという人に向けた、女性の視点を取り入れた備蓄術の分かりやすい講演でした。一週間の備蓄なら本棚やパントリーの1段ででき、浅いカゴを使って栄養素ごとに分け、1日2食分の家族分を1つのカゴにセットします。それを横にスライドしていくローリングストック法で、古くなったカゴを食べて横にスライドさせ、新しい物をカゴに入れて備蓄していく方法です。さらに岡部さんは、ライフラインが止まった時のカセットコンロを使ったパッククッキングレシピも開発されています。
防災・震災調査特別委員会で視察に伺った熊本市や大分県でも、地域住民が自助の大切さを痛感し、皆さんが備蓄を始めたと言われておりました。「備えあれば憂いなし」とはよく言いますが、こうした自助の分かりやすく取り組みやすい意識啓発も区民の生命を守る重要な事業であります。今後の取り組みについて伺います。
次に2項目めとして「福祉施策について」伺います。
1点目として発達障がい者支援について伺います。
私はこれまで、平成16年第 会定例会から発達障がい者支援を訴えて参りました。当時、社会的に認知されていなかった発達障がいについて、本区も行政課題として受け止めて頂き、平成21年から「豊島区発達障害者支援検討会」が設置されました。
この約10年でライフステージにおける支援は徐々に充実してきたものの、課題として浮かび上がってきたのが、ライフステージが移り変わることによる支援が引き継がれず、本人や家族が負担を強いられるという場合があるという事であります。この点については、繰り返し支援の移行をスムーズに行うための取り組みを求めて参りましたが、幼児期から学齢期、成人に至るまでの支援については、関係する部署も違えば得る情報の内容も多様です。大阪府では、「発達障がいのある方のための支援の引継等に関する手引き」が策定されており、切れ目ない支援のあり方が示されております。本区ではこの引継ぎについて、現在どのように行われているのか。また今後、より移行をスムーズに行うためのお考えについて伺います。
また、発達障がい者支援については、各ライフステージごとに相談窓口も多様であり、非常に分かりづらいとのお声が区民からあります。幼児期・学齢期・就労期等の相談窓口を一本化し、ライフステージごとの支援に繋げていきながら、包括的な支援が行える機能が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
さらに、発達障がい者支援の中でもペアレントメンター事業が全国で広がりつつあります。ペアレントメンターとは「信頼できる相談相手」の事であり、発達障がいのあるお子さんを育ててこられた保護者の方が、同じように子どもの発達が気になる保護者の悩みを聞いて、寄り添いながら相談・助言を行っていく事業であります。東京都では平成29年度予算案の中に「ペアレントメンター養成・派遣事業」を盛り込んでおり、家族への適切な支援に結び付ける事で家族支援体制の整備を図ろうとするものです。このような経験者の助言は、保護者の大きな力になり、本区としても積極的に取り組むよう望みますが、いかがでしょうか。
次に、2点目として障害児通所給付費について伺います。
障がい児の放課後等デイサービスでは、就学している児童の生活能力向上や、社会との交流促進等のための支援が行われえおります。平成28年3月、厚生労働省は「障害児通所支援の質の向上及び障害児通所給付費等の通所給付決定に係る留意事項について」との通知を行っております。「適切な一か月あたりの利用必要日数を定めることとし、原則として、各月の日数から8日を控除した日数を上限とすること」というものであります。これにより、平成28年4月からは原則23日が上限となり、本区でも同じく上限が23日であります。しかしながら、障がいの状態や、家庭の状況によっては、それ以上の支援が必要な場合もあり、厚生労働省も自治体の判断としております。障がいや家庭の状況をよく把握し、誰もが暮らしやすい豊島区となるよう、柔軟な対応を望みますがお考えを伺います。
3点目は、「子ども・若者支援について」であります。
昨年の第一回定例会の私の一般質問で、子ども・若者支援について取り上げました。子どもや若者を取り巻く環境は急激に変化しており、経済的困窮、児童虐待や不登校、ニートや引きこもり等の自立困難な若者の増加が新たな社会問題として認識され、「子ども・若者育成支援推進法」が制定されました。
その後、豊島区青少年問題協議会の専門委員会の中で検討され、「豊島区子ども・若者支援計画(案)」がまとめられ、現在パブリックコメントが行われております。
若年無業者や引きこもりの方は、自ら窓口に出向くことは難しく、行政側が受け身的な姿勢に留まっていては、いつまでたっても支援に繋がりません。昨年の一般質問では、国の大綱に示されております訪問支援を取り上げ、本人への直接アプローチで効果を上げることが期待される、アウトリーチ事業の重要性について触れました。
以前テレビ番組で、若者訪問支援に取り組んでおられるNPOスチューデント・サポート・フェイス代表理事の谷口仁史(ひとし)さんの取り組みが紹介されておりました。谷口さんは、「若者が自分から相談施設に足を運ぶ事は難しく、彼らが自立に向けたきっかけを得るには、アウトリーチが必要である。だが、アウトリーチは、極めて高い援助技術を要し、熟練の支援者でも取り組むことが難しい。心を閉ざした若者との直接接触はリスクが高く、彼らをさらに追い詰め、状況を悪化させる恐れもあるからだ。」また「1人の若者やその家族を支援するには、家庭生活や学校生活、就労先など多面的に支えいく必要があり、関係機関との連携が必要である」と語られていました。ひきこもり、不登校、自殺未遂。社会の人間関係に傷つき、心を閉ざした若者たちの多くが、悩みや苦しみを打ち明けられずに、孤独の中で暮らしています。そうした若者たちを救うため、積極的にアウトリーチを行う必要があるのではないでしょうか。しかしながら、「豊島区子ども・若者支援計画(案)」の計画事業には残念ながら記載がなく、居場所づくりが中心になっております。国や東京都の関連事業も掲載されておりますが、このような支援にいったい誰が繋げていくのでしょうか。自ら窓口に出向く事ができない方への支援について、お考えを伺います。
また、支援の質を確保するための人材研修が必要であると考えますがいかがでしょうか。合わせて伺います。
さらに、本区では困難を有する若者へのヒアリング調査が行われております。10代から50代までの合意を得られた20名への対面調査という事ですが、大変貴重なデータであり、この結果分析により様々な事がみえてきました。その背景にはいじめや不登校、家庭内の問題等が複雑に絡み合っており、それを隠そうとするためか近隣と疎遠になる傾向があること。また、悩みがあっても家族や親族以外に相談する相手がなく、社会的な場において、自ら話を聴いてもらえたと感じる体験が希薄であったと推測される事。さらに、学校や家庭以外の安全な居場所や相談相手等をあげる語りが目立ったとの事ですが、注目すべきは「いつかは自分とおなじような境遇の子どもの役に立ちたい」と、支援を一方的にうけるのではなく、「自らが支援の担い手になりたい」と複数の方が考えているという事であります。
そのためにも、当事者や保護者がどのような内容であっても相談ができる、縦割りではない相談窓口の必要性があげられております。今後の取り組みについて伺います。
次に3項目めとして「教育について」伺います。
1点目として、次期学習指導要領について伺います。
小・中学校の学習指導要領の改定案を文部科学省が公表し、年度内に次期指導要領が告示される予定となっております。
改定案では、グローバル化に対応するため英語を小学校5、6年で教科化するほか、小・中学校ともに討論や発表などを通し自ら課題を見つけて解決する力を育成する「主体的・対話的で深い学び」を各教科で導入されます。児童、生徒の語彙力や読解力アップに向けた新聞・本の活用に加え、理論的な思考力を身に付けるプログラミング教育も小学校で必修化されます。
時期学習指導要領は小学校が2020年度、中学校は2021年度から全面実施されるようになりますが、それまでの準備期間を大切にしたいと考えます。とりわけ、教員の負担への目配りが重要です。日本の教員は、授業だけではなく生活指導や書類作成、部活動などを幅広く受け持ち、「世界一忙しい」とさえ言われておりますが、次期学習指導要領が成果を上げるうえで、その中核を担う教員のサポート体制をどのように考えるのか。まさに「チーム学校」の視点が大切であります。学校全体の組織力や教育力を高め、教員が子どもたちと向き合う時間を確保できるよう、教員へのサポート体制強化が重要であると考えますが、いかがでしょうか。
また、教員のスキルアップも欠かす事はできません。次期指導要領を踏まえた研修の充実や、具体的な実践事例の共有などを通し、教員の創意工夫を促し、深い学びを生み出す授業の実現に向けて、取り組むよう求めますが教育長のお考えを伺います。
次に2点目として「特別支援教育」について伺います。
東京都は特別支援教育第三次計画の中で、小・中学校の通常学級に在籍する発達障がいの児童・生徒への支援充実のため、全ての小中学校に「特別支援教室」を設置するとし、特別支援教室への巡回指導を明記しております。一人ひとりに応じた指導や支援に加え、インクルーシブ教育システムを構築する上でも非常に重要な取り組みであると考えます。本区でもこの巡回指導が本格的に始まり、約1年を迎えようとしておりますが、現在の状況と今後の課題についてお聞かせ下さい。
さらに今後は、中学校への特別支援教室導入も、多様なニーズに応えるためには必要であります。東京都は29年度、中学校における特別支援教室導入のモデル事業を4区市で実施するとしておりますが、本区のお考えを伺います。
文部科学省のデータでは、義務教育の全児童数が減少しているものの、特別支援教育の対象となる児童・生徒については増加しております。特に通常学級に在籍する特別な支援が必要とされる児童・生徒が増加しており、平成17年と比較すると2.3倍の約9万人とされております。そのような状況を踏まえ、文部科学省は特別支援教育の観点から、障がいに応じた特別の指導担当教員の基礎定数化による教職員定数の改善を新年度予算案に盛り込んでおりますが、本区の今後の取り組みについて伺います。
4月からは、私ども公明党区議団がかねてより要望して参りました「自閉症・情緒障害特別支援学級」が区内で初めて南池袋小学校に「けやき学級」として開設される予定であり、教育委員会の積極的な取り組みを高く評価するものであります。引き続き、児童・生徒一人ひとりのニーズに向き合い、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善・克服するため、適切な指導と支援をお願い致します。
次に4項目めとして「読書活動について」伺います。
この項目についても、繰り返し取り上げてきたものですが、1点目として「学校図書館」について伺います。
全ての区立小・中学校図書館に、学校司書の配置が行われ、28年度からは非常勤職員である区立図書館司書を活用し、子ども読書活動の推進が図られておりますが、日数や時間については学校現場や子ども達からも拡充の要望が出ているかと思います。教育委員会として、この学校司書の配置については、今後どのような体制構築をめざされるのかお答えください。
また、学習情報センター化の環境を整えるため、既存教室等の改修にも取り組むとされておりますが、具体的な計画は示されておりません。お考えを伺います。
2点目として図書館について伺います。中央図書館移転から10年が経過し、蔵書の質の向上が求められておりました。そのような中で、29年度予算案において図書館資料購入経費の拡充を図られた事は、高く評価をするものであります。しかしながら、それでも23区の中でまだまだ下位という状況の中で、今後の蔵書充実についても計画的に取り組む必要があると考えます。区民の読書環境充実について、今後の取り組みを伺います。
また、赤ちゃんや幼い子どもたちを連れたママたちが、過ごしやすい図書館づくりが求められます。ネットで発信されているのは、ゆったりと出来て授乳室がある図書館の口コミです。女性にやさしいまちづくりを標榜する豊島区の図書館は、子ども達が幼い頃から読書に親しみ、子どもだけではなくママたちのリフレッシュもできるような図書館でありたいと考えます。このような授乳室の設置については、スペースの確保が困難である図書館もあるかと思いますが、親子が使用する公共施設としては知恵を絞って確保すべきものであると考えます。現状と今後の取り組みについて伺います。
さらに、幼い子ども達が伸び伸びと読書活動ができ、ママたちがゆったりできるリフレッシュの場として、子ども図書館の設置を検討されてはいかがでしょうか。渋谷区の笹塚子ども図書館は、児童館であった建物を改修し、子育て支援センターと併設されています。本区でも、例えば西部子ども家庭支援センターの改修時や、学校跡地の活用時に併設を検討する事も可能であると考えます。こんな図書館が近くにあれば住んでみたいと子育て世帯から選ばれるような、そんな豊島区でありたいと願います。子ども図書館設置についてのお考えを伺います。
以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
平成29年第1回定例会(第3号 2月22日)
○区長(高野之夫) ただいまの高橋佳代子議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。
第2項目めの福祉施策についての御質問のうち、まず、発達障害者のための支援の引き継ぎと移行をよりスムーズに行うための検討についての御質問にお答えをいたします。
既に本区では、本人や家族が発達の過程を書きとめる発達サポートファイルを作成することで支援機関へつなぎやすくするとともに、情報をわかりやすくまとめた支援者ガイドを作成し、身近な地域において支援を受けやすくしております。
一方、例えば私立幼稚園や私立保育園からの引き継ぎがうまくいっていないなどの声が聞かれますが、子どもたちがよりよい学校生活を送るために情報共有は重要な課題でもあります。個人情報の保護に十分に留意をしながら引き継ぎが適切に行われるよう、発達障害者支援ネットワーク会議等において共通認識を深めてまいりたいと思います。
また今後、より移行をスムーズに行うため、支援の引き継ぎに関する手引書の作成にも関係機関と連携して着手してまいりたいと思います。
次に、各ライフステージにおける発達障害者への相談窓口の一本化による包括的な支援についての御質問にお答えをいたします。
今年度よりネットワーク会議におきまして、長年の懸案事項でありました幼児期、学齢期及び就労期等の相談窓口を一本化する検討を開始をいたしました。29年度には西部子ども家庭支援センター、池袋保健所、教育センター及び障害福祉課など各課に分かれている事業を体系的に整理するとともに、全体をコーディネートできる総合相談窓口について具体的に検討いたしておりまして、30年度より設置をしてまいりたいと思います。これにより、区民の皆さんにわかりやすく支援の移行もスムーズに行えるライフステージを通じた切れ目のない包括的な支援を実現をしてまいりたいと思います。
次に、ペアレントメンター事業への積極的な取り組みについての御質問にお答えをいたします。
障害者の家族に対する支援といたしましては、これまでも懇談会の場の提供や講演会などを行ってまいりました。
子どもが発達障害の診断を受けて間もない保護者などに対し、発達障害児の子育て経験を生かして相談、助言を行うペアレントメンターの存在は家族の大きな力となり、きめ細やかな支援を図る上で大変重要と考えております。
東京都の29年度予算の中にも新規事業として盛り込まれておりますが、詳細な内容は現時点では把握をしておりません。今後、事業内容を把握してペアレントメンターの人材養成やコーディネーターの配置についても検討してまいりたいと思います。
次に、障害児の放課後等デイサービスにおける柔軟な対応についての御質問にお答えをいたします。
放課後等のデイサービスにつきましては、急激な事業所の増加によりまして、利用する児童がふえる一方で、サービスの質の低下が問題視されております。厚生労働省は質の向上と支援内容の適正化を図る観点から、本年4月より開設基準を厳格化する方針を決定をいたしました。
本区では、国の動向を踏まえた上、真に発達支援を必要とする障害児のニーズに的確に対応するため、今後、利用者アンケートを実施し、また、他の自治体の状況を見て、障害の状況や家族状況によって利用日数をふやす必要があるかどうか、運用面の見直しも検討してまいりたいと思います。
次に、子ども・若者支援におけるみずから窓口に出向くことができない方への支援と支援の質を確保するための人材研修についての御質問にお答えをいたします。
御指摘のとおり、若年無業者やひきこもりの方は、みずから窓口に相談に出向くことは難しく、家庭自体が孤立している場合には、近所の方すら、その存在を知らないということもあります。こうした状況にある方をなるべく早期に発見して支援につなげる必要があるわけであります。
そこで、3月に策定予定の子ども・若者計画の中では、今後必要な取り組みとして若者支援ネットワークの構築及び若者総合相談事業を掲げております。当面は既存のさまざまな相談事業の連携を図りながら、アウトリーチを取り入れた総合相談の実現に向けて検討をしてまいりたいと思います。
また、実際にアウトリーチなどを行う支援者には、高い専門性が必要であることから、社会福祉法人やNPOの活用も考えてまいりたいと思います。
一方で、区民の皆さんの発するSOSは、一見何の関係もない窓口で糸口をつかむこともあることから、区職員の問題意識を高めるような研修も実施してまいりたいと考えております。
次に、当事者や保護者がどのような内容であっても相談できる縦割りでない相談窓口の必要性についての御質問にお答えをいたします。
子ども・若者計画を策定する際に実施をいたしました困難を有する若者へのヒアリング調査の中でも、どこに相談に行けばよいかわからなかったとの回答が複数ございました。
そのため、計画で掲げた若者総合相談事業においては、相談者に寄り添い、その悩みや希望をじっくりと多面的にお聞きする中で、内容を整理するとともに、状況に合わせて、支援者の側が積極的にさまざまな個別の相談窓口などと連携をとりながら解決に向かうような取り組みを目指してまいりたいと思います。
私からの答弁は以上でございますが、そのほかの質問につきましては水島副区長並びに危機管理監から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁をいたします。
〔水島正彦副区長登壇〕
○副区長(水島正彦) 読書活動についての御質問のうち、まず、区民の読書環境の充実についての御質問にお答えいたします。
御指摘のとおり、これまで区民1人当たりの図書館資料購入経費は258円で23区中18位でありました。しかし、国際アート・カルチャー都市を標榜する都市として、図書資料の充実を図ることは当然であります。29年度予算では、区民1人当たりの図書館資料費を74円拡充し、332円といたしました。これは区民1人当たりに換算をいたしますと、23区中11位となるものであります。まだまだ不十分ですので、次年度予算でさらに努力したいと考えております。
今後の蔵書の充実を計画的に取り組むため、図書館経営協議会に諮問をいたしました。これは、学識経験者やボランティア、公募区民で構成するもので、豊島区立図書館基本計画として答申をいただいたところであります。この計画は、区立図書館の基本方針と事業計画を包含したもので、その中で資料の収集方法を示しております。計画素案につきましては、区議会に御報告した後、パブリックコメントを実施する予定であります。
この基本方針を受け、29年度の予算では、区立図書館の資料のみならず、学校図書館への団体貸し出しや新たに開始する区民ひろばへの大活字本の貸し出しなどに反映さしており、より一層、読書環境を充実してまいります。
次に、図書館への授乳室の設置についての御質問にお答えいたします。
御指摘のとおり、図書館は親子が使用する安全・安心な公共施設であるばかりでなく、親子の触れ合いの場として、また、就学前の子どもの読書活動の場でもあります。
これまでは、自動貸出機の設置や図書館の大規模改修時にトイレ改修を行うなど、システム改修や施設改修を中心に行ってまいりましたが、今年度中に、まず手始めとして中央図書館の児童コーナーに専用の授乳室を設置をいたします。地域図書館については、大規模改修の折に授乳室を設置していく予定であります。このほか、来年度は児童コーナーの一角に絵本とともに子育てに関するブックリスト等を設置するなど、女性に優しいまちづくりを掲げる区にふさわしい図書館として子育て支援サービスを充実してまいります。
次に、子ども図書館の設置の検討についての御質問にお答えいたします。
現在、独立した施設として子ども図書館及び子ども向けの図書館を設置している区は、23区のうち8区に上ります。
子ども図書館が子育て支援のスペースとして有効であり、また、子どもの読書活動に与える影響は大きいことから、女性に優しいまちづくりを推進する本区としましても、子ども図書館の設置については十分に必要性があると考えております。
しかしながら、本区は用地を新たに取得することが困難でありますので、まずは図書館を初めとする既存の施設の大規模改修のときに、児童コーナーの機能を充実させる方法で検討してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございます。
〔今浦勇紀危機管理監登壇〕
○危機管理監(今浦勇紀) 防災対策についての御質問のうち、まず、本区の広域支援のあり方と受援体制整備についての御質問にお答えいたします。
まず、防災協定締結自治体については、災害が発生した場合には、豊島区は直接当該自治体に支援を要請し、それを受け入れることとなっております。
現在、輸送手段と荷さばき要員を一体として派遣するパッケージ支援と高齢者や障害者の方々にホテルなどを提供する福祉救援センターに関して、防災協定締結自治体と具体的な協議を行っております。
さらに、全国知事会等、公的な組織からの広域支援については、東京都が各自治体の被害状況や要請に基づき、その調整を行うこととなっており、広域支援に関しては、原則として東京都を通じて支援を受けることとなります。
一方、昨年末、都、区、市町村により設立されました被災者生活再建支援システム利用協議会において、当区が主導的な役割を果たしていくなど、今後もより実効性のある支援体制の構築に努めてまいります。
また、受援体制の整備については、住家被害調査、罹災証明発行業務等に関して、災害時の所要に対する区の能力の不足分を補うための受援計画の作成に着手したところであります。29年度においても、区職員の教育、訓練による所要の技能者の養成とあわせ、ボランティアの活用を含めた受援計画の具体化を進めてまいります。
次に、本区の今後の物流体制構築についての御質問にお答えいたします。
豊島区では、大規模災害発生時における具体的な物流体制の整備を進めております。
まず、発災初日には36カ所の救援センターに集積した備蓄品を使用するとともに、日通江古田倉庫等に保管してある5万3,000人分の帰宅困難者用備蓄品を日通役務で輸送するとともに、荷さばきのための職員を指定するなど、所要の体制を整えています。
また、発災2日目、3日目は、区の備蓄倉庫にある備蓄品を各救援センターに輸送するために必要な2トントラック14両をトラック協会、赤帽、物流会社の輸送役務、防災協定締結自治体からのパッケージ支援によって確保するとともに、所要の荷さばきのための職員を指定しております。
発災4日目以降、都の支援物資の受け入れ、配送に関しましても、これらの物流資源を活用いたします。
また、フォークリフト等の荷さばき器材に関しては、建設機材リース会社との間で防災協定の締結を進めております。
さらに、より効率的な物流管理のため、物流会社の最新のロケーション管理とリアルタイムの在庫管理システム等を研究し、導入の可否を検討してまいります。
今後、現在検討中の施策も含め、区の物流体制をさらに強化してまいります。
次に、今後の女性の視点を生かした地域防災訓練と女性防災リーダーの育成についての御質問にお答えいたします。
豊島区では、東日本大震災後の平成23年12月に、女性の視点による防災・復興対策検討委員会を立ち上げ、平成25年1月に提言をまとめ、区長に答申しております。
それらは既に地域防災計画や各種マニュアルにも反映し、また、一部の備蓄物資等についても見直しを図ってきたところであります。
一方、昨年11月に合同防災訓練において、女性の視点を取り入れた避難所運営図上訓練を実施いたしました。これについては、参加された町会の方々から、女性ならではの細やかな視点で避難所の運営要領を見直すことができたと大変高い評価をいただくことができました。
この種の図上訓練を充実させることで、参加された男性に、女性の視点での救援センターの運営の必要性を認識していただくとともに、女性リーダーの育成の機会にもなるものと期待しております。
来年度は、引き続き女性の防災リーダーの育成に留意しつつ、この種の図上訓練を導入し、合同防災訓練等の充実を図ってまいります。
次に、災害時の母子避難所及びファミリー世帯の避難所の設置についての御質問にお答えいたします。
母子避難所や乳幼児を持つファミリー世帯を対象とする福祉避難所に関しては、避難生活を考える際に大変重要な課題であると認識しております。豊島区においても、妊産婦の避難所については、医師会との協議の中でも、その必要性が常に議論されています。
一方で、区内には災害時の周産期医療を十分に担うだけの医療資源が限られているという事情もあり、具体的な施策には至っておりません。
今後、区としては最寄りの救援センターの福祉室を活用した後に妊産婦の避難所へ移動するなど、災害のフェーズに合わせた適切な対応を考えてまいります。
また、ファミリー世帯の避難所の設置については、現行の地域防災計画において、補助救援センターとしている区立保育園を乳幼児を持つファミリー世帯対象の福祉救援センターとして位置づける方向で、現在、関係部局間で協議を進めております。
今後、早急に詳細を詰め、具体化した後、地域防災計画の改定とともに運営マニュアル等の整備に着手してまいります。
次に、自助のわかりやすく取り組みやすい意識啓発についての御質問にお答えいたします。
現在、豊島区では、防災知識の普及啓発については、まず第1に消防署、消防団などの関係機関との連携により、防災訓練時における講話や寸劇を通じて、参加者に自助、共助の大切さと具体的な対応について周知を図ってきております。これについては、今後も引き続き防災知識の周知活動として力を入れてまいります。
また、昨年度からは、まず乳幼児を持ち、お子様の安全対策などに関して問題意識の高いファミリー世帯を対象に、区立保育園を中心に防災出前講座を実施しております。
区としては、これらファミリー世帯が自助を徹底することで、災害時には自身や家族の安全を確保でき、さらには地域において、共助の担い手になっていただけるものと期待しております。
来年度においても、引き続きファミリー世帯対象の防災講座に加え、各種の防災訓練、防災イベント等を通じて、広くファミリー世帯など、若い世代への自助の大切さを呼びかけてまいります。
私からの答弁は以上でございます。
〔三田一則教育長登壇〕
○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関する御質問に対しまして、お答え申し上げます。
まず、防災対策についての御質問のうち、区立小・中学校施設の非構造部材の現状と、今後の体制や劣化対応についての御質問にお答えいたします。
本区では、落下が懸念される体育館のつり天井は、平成26年度に明豊中学校で撤去し、すべての小・中学校で撤去が完了しております。
また、強化ガラスや網入りガラスを使用していない校舎の窓ガラスは、破片の飛散防止フイルムの貼付を進め、来年度に完了する予定となっております。さらに、校舎や体育館の大規模改修時には、外壁の落下防止工事を行うなど、防災機能の強化に努めております。
非構造部材の耐震点検につきましては、年に一度実施する法定点検の中で安全の確認を行っており、非構造部材が劣化などによって異変が起きた際には、学校から年4回報告を受ける体制も整備し、適宜、修理、修繕を実施してまいります。
非構造部材の損傷により、いざというときに救援センターの機能が損なわれることがないよう、今後も非構造部材の耐震性の確保に努めてまいります。
次に、区立小・中学校の体育館の冷暖房化の現状と今後のあり方についての御質問にお答えいたします。
学校体育館は、災害時には避難所として多くの被災者が避難生活を送る重要な場所であり、熊本地震で長期の避難生活での問題として空調が挙げられていることは、本区としても大きな課題であると受けとめております。
今年度、開校した池袋本町地区校舎併設型小中連携校、池袋第三小学校を初め、目白小学校、西池袋中学校など、近年の改築校につきましては、体育館の冷暖房化を進めておりますが、既存の小・中学校の体育館は長崎小学校など4校が暖房のみの設置で、その他の小・中学校は冷暖房設備がないのが現状でございます。
既存校の体育館に新たに冷暖房機を設置するには、機器の重量に壁などが耐えられるかなどの構造上の問題や多額の経費を要することなどの課題がございますが、今後、既存校の体育館の大規模修理時には冷暖房の設置につきまして、可能性も含めて検討してまいりまいります。
次に、災害時には区民の生活の場となるという視点での学校施設整備のあり方の御質問にお答えいたします。
これまでも学校改築の際には、防災の拠点、救援センターとしての機能をあらかじめ考慮し、体育館、防災備蓄倉庫、家庭科室やランチルームなどが相互に連携し、災害時に救援センターとしての機能が十分に発揮できるよう設計しております。また、トイレ、更衣室などを体育館の近くに配置する方針も作成し、整備を進めております。御指摘の現地の教訓から深く学ぶことは極めて重要だと考えておりまして、学校施設の整備のあり方につきましては、今後も大震災の教訓を踏まえながら、災害時に区民の生活の場となるという視点を持ち、区長部局と連携し、学校の改築、大規模改修と連動させながら施設整備に当たってまいります。
次に、教育についての御質問のうち、まず、学習指導要領改訂に向けた教員へのサポート体制の強化についての御質問にお答えいたします。
平成29年2月に公表されました次期学習指導要領が示す総授業数を見ますと、小学校第3学年では945時間から年間980時間へ、第4学年から第6学年までは980時間から1,015時間へと小学校の授業時数が年間にして35時間、授業時数がふえることとなり、小学校英語教育やAI、プログラミング教育の導入なども加わることから、教員の負担がふえ、子どもと向き合う時間が確保できないのではないかという御心配は御指摘のとおりでございます。
教育委員会といたしましては、世界一忙しいと言われている教員のサポート体制は重要かつ必須の課題と受けとめ、次期学習指導要領の完全実施までの間に3つの重点を置いて強化を図っていきたいと考えております。
まず、これまでの取り組みも含めて、第1に高度情報化社会に対応した学びと校務支援システムのICT化を促進するため、教育委員会庶務課に学校ICTグループを設置して、学校におけるICT活用の全面的バックアップ体制を確立してまいりました。今後のAI、プログラミング教育や校務支援システムの有効活用に大きな学校サポート役として活躍できるものと思います。
第2に、新たに導入されるアクティブラーニングを推進するカリキュラムマネジメント力を高めるために、校内研究体制による授業改善システムと人材育成システムを定着させてまいりました。3年に1回の校内研究発表、能代市との教育連携や全教員参加による豊島教育フォーラムや区小研、区中研の研究体制の充実などは、新教育課程へ向かう教員の資質、能力の向上を応援するサポート体制となっております。
第3に、学びと育ちの連続性を推しはかる区独自の学力調査や心理テスト、ハイパーQUなどの評価システムの活用により、学級経営や生活指導へのサポート体制の確立をしてまいりました。
小学校に新たに導入された英語教育に対する学校サポート体制として、他区に先んじて実施してきたALTの全校配置を継続し、東京都教育委員会が予定している英語教育推進リーダーの配置を視野に入れて強化してまいります。
今後は、移行措置計画を視野に入れて、学校支援に当たる専門機関や地域、学習支援ボランティアなどとの連携を十分に図り、教員の負担軽減、子どもと真剣に向き合う十分な時間の確保など、チーム学校体制を強化してまいります。
次に、次期学習指導要領を踏まえた教員のスキルアップについての御質問にお答えいたします。
私は、他を照らす者、みずから輝かなければならないという強い信念を持って教育の道を歩んでまいりましたが、次期学習指導要領の目玉である主体的、対話的で深い学びの実現は、教師みずからが主体的で対話的、実践的な学びによってカリキュラムマネジメントを果たしていくことにあり、研修は極めて重要であると考えております。
本区では既に豊島区教員研修体系や豊島教員ミニマム、豊島の子七か条など、実践的で汎用性のある研修システムを構築してきており、新規の課題も研修体系に位置づけ、教員の資質、能力の向上と実践的指導力が発揮できるよう支援してまいります。
次に、特別支援教室への巡回指導の現状と今後の課題についての御質問にお答えいたします。
平成28年度よりスタートいたしました特別支援教室を活用した巡回指導は、当初220名だった利用者数が、本年1月には286名と大幅に増加しており、予想以上の成果が上がったと評価しております。通級指導学級へ通うことができなかった児童に対して、校内で個別指導を行うことで、学習における課題を効果的に改善、克服することができ、学力や集団適応能力を伸長させることができました。こうしたことが、巡回指導に対して保護者から高く評価された結果であると考えております。
また、どの学級担任からも巡回指導教員との情報交換がその日のうちに行えることで、児童の取り組み状況や頑張りを把握することが容易となり、在籍学級での指導に活用しやすくなったとの評価を得ております。区内全小学校で一斉にスタートし、足並みをそろえて指導を徹底してきたことも成果や課題の共有につながり、効果的であったと受けとめております。
今後の課題は、特別支援教室における個別指導計画に基づく取り出しが意図的、計画的な支援へと深まっているか、また、在籍学級における学び合い、かかわり合いが充実して、共生社会に生きる基礎的、基本的資質、能力が育っているかの複眼的な視点から、カリキュラムマネジメントの充実を図っていくことにあると考えております。
次に、中学校における特別支援教室導入についての御質問にお答えいたします。
平成29年度には、今年度、小学校で巡回指導を受けた児童が中学校に進学することから、中学校での特別支援教室の導入は喫緊の課題であり、積極的に推進してまいります。本区は、平成29年度から西巣鴨中学校に通級指導学級を設置すること、既に特別支援教室として運用できる場所の確保ができていることから、平成29年度中に特別支援教育検討委員会を立ち上げ、東京都の平成33年度からの実施方針に先駆けて取り組んでまいります。
次に、特別支援教育の対象となる児童・生徒の増加に対する今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。
平成24年度文部科学省調査によると、特別な教育支援を必要とする可能性のある児童の出現率の全国平均が7.7%で、本区における出現率は全国平均に比べ今後もかなり高く推移していくものと予想しております。
文部科学省が障害に応じた特別の指導担当教員の基礎定数化による教職員定数の改善を新年度予算に盛り込んだとの情報は確認しておりますが、現在のところ、定数措置の当事者である東京都教育委員会からの通知がないことから、本区といたしましては、情報収集に努め、迅速な対応に備えてまいります。
次に、読書活動についての御質問のうち、まず、学校図書館司書の今後の配置体制についての御質問にお答えいたします。
豊島区教育委員会では、平成23年度より学校図書館司書の配置をモデル校4校からスタートし、以来、年々配置校数や配置日数をふやし、平成25年度から全小・中学校に学校図書館司書を配置してまいりました。
今年度は、小学校21校、中学校1校に図書館課の非常勤職員を月に5日、1日7時間45分配置いたしました。昨年度までの委託業者に比べ、校長が直接指示、命令でき、勤務時間も授業支援の回数もふえ、学校図書館の充実につながっております。
来年度につきましては、新たに中学校にも図書館課の非常勤職員を配置し、全小・中学校で区立図書館との連携の強化を図り、学習情報センター機能を一層充実させてまいります。
次に、学習情報センター化に向けた具体的な計画についての御質問にお答えいたします。
本区では、本に親しむ機会の充実やICT環境の整備などを通じて、児童・生徒がみずから学ぶ意欲を伸ばし、調べる学習などで情報の収集、選択、活用能力を育成するなど、学校教育の中核的な役割を果たす学習情報センターを豊島区教育ビジョン2015で充実を図ると位置づけております。また、改築の基本的な考え方として、学校図書館を校舎の中心に配置し、学習情報センターとして整備することも定めております。
教育委員会では、この方針に基づき、学校改築の際には学習情報センターの充実に力を入れてまいりました。また、既存校につきましても、学校の要望を踏まえながら、千早小学校や仰高小学校、今年度の駒込小学校など、大規模改修に合わせた学習情報センター化の整備を進めてまいりました。
今後、学校改築、学校改修の計画にあわせて学習情報センター計画も付記し、読書活動の充実と学習情報センター機能を高め、児童・生徒の学習環境の充実を図ってまいります。
以上をもちまして、高橋佳代子議員の御質問に対する答弁を終わります。