平成26年第1回定例会島村高彦一般質問

「支えあいの心を育む街・豊島」

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 平成26年2月18日登壇

私は公明党豊島区議団を代表し「支えあいの心を育む街・豊島」と題して 
1.平成26年度予算について 
2.見守り体制の強化について 
3.災害時における隣接区連携について 
4.私道の管理について、一般質問を行います。

最初に、この度の大雪で被害に遭われた各地域の方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早く通常の生活に戻れるよう、お祈り申し上げます。いずれにしても自然災害は予期せぬ形でやってきます。今回、被害に遭った自治体の中にも雪に対する対策を想定していなかったところもあるとのことです。したがって、想定できうることは全て想定し対策を練っていく姿勢が求められていると、強く実感した次第であります。

さて西暦2025年には、いわゆる団塊の世代が全て75歳以上になります。予測では、65歳以上の単身世帯が全国で700万世帯、認知症高齢者も470万人に達すると見込まれております。そして2010年では現役世代2.6人で一人の高齢者を支えていた構造が、1.8人で支えることとなります。こうした状況をかんがみ社会保障制度改革国民会議は、若い人・現役世代が高齢者を支えるという構造を見直し、全ての世代が能力に応じて支えあう全世代型の社会保障として「21世紀日本モデル」への転換を打ち出しました。非常に的を得た方針であると考えますが、2番目にお尋ねする「見守り体制の強化」はその下地となる取組みをお尋ねするものであります。また、先に述べた人口構造を少しでも好転させる対策として求められているのが介護予防をはじめとした健康施策、そして少子化対策であります。子どもを生み、育てやすい環境を作り上げる必要性に各自治体とも迫られているのであります。その一助にと思い、私ども公明党豊島区議団は自民党豊島区議団、自治みらい豊島区議団とともに、2度にわたり、認証保育所利用者に対する補助拡充の申し入れを行いました。おかげ様で、当初の案を大きく上回る拡充案となり、これまで対象外であった世帯に対しても補助の適用が見込まれることとなります。限られた財源の中から予算を捻出してくださった、高野区長の英断を高く評価するとともに、深く感謝を申し上げます。

 それでは最初に平成26年度予算、さらにその先の対策についても、併せて端的にお尋ねいたします。まず、新庁舎の完成にともなう保留床購入費の財源ですが、当然、新庁舎建設費は地代収入によって賄うこととなっておりますが、地代を受領するのは定期借地契約後、平成27年度となります。しかし、その前に、すなわち平成26年度中に131億円の保留床購入費を支払わねばならないわけですが、その財源はどのように手当するのか、お示しください。また支払い後の財政状態についてはどうなのか。地代収入計画の見込みとあわせてお聞かせください。

次に将来的な歳入の見通しも予断を許さず、今後も歳出の増加が避けられない中、現庁舎地周辺整備に対し、63億5千万円の起債発行を予定しておりますが、今後5年間、平成30年度までの間、本区の起債残高は最高値としてどれほどになるのか。過去に膨大な債務に苦しめられた本区としては当然、計画的に取組んでいくことは承知しておりますが、明確にお示し願います。

次に公共施設の再構築方針ですが、今後60年間、施設の改修・改築経費は推計約2,600億円、年平均43億円、結果、年に16億円もの財源不足になるとの見通しです。このままでは、多くの施設の維持管理が困難となり、施設を閉鎖するか、施設を維持するならば、区民サービスの多くを廃止せざるを得ません。他の区でも同様の状態に置かれている中、本区においても公共施設再配置計画の策定に向けて検討委員会を設置したところですが、最終的に現状の施設総量の内、何割を削減すれば、将来的に適正運営が可能と試算されているのかお示しください。また、こうした施設の再構築や廃止は突然発表すれば、大きな軋轢が生じることから、早期に区民に対し、わかりやすく伝えていくことが求められます。したがって今から施設運営にかかる費用も含めて、検討内容そのものを、徹底して区民に伝達していくべきと考えますが、いかかでしょうか。一方で、この公共施設再配置計画は、単に施設を廃止するということではなく、需要に合った必要な機能を維持しつつ施設を再構築していくという方針であると理解をしております。それならば区民需要に合わせて拡充すべき機能もあると考えます。例えば本区の課題の一つであります待機児童対策については、私ども区議団も施設型保育ママや、スマート保育所の誘致等、様々な提案をさせて頂いて参りました。しかしながら、新たな施設を整備するたびに待機児童が増加する状況もあり、定例会初日の区長招集挨拶の中では、私立認可保育所の整備に取り組む方針が示されました。そこで伺いますが、具体的な整備園数とスケジュール、事業主体についてのお考えをお聞かせ下さい。また今後、空き区有地や国有地・都有地等への私立認可保育所誘致についてどのようにお考えか、お示し下さい。

 次に新庁舎移転後には最高レベルの区民サービスの提供目指し、休日開庁を予定しております。画期的な取組みでありますが、それだけにこの平成26年度中に十分な検討を行う必要があると考えます。中でも福祉総合フロアにおいては生活、高齢者、障害者の三つの支援ゾーンに分けております。これを各3名で行うというのは相当困難であるとの職員の声もありますが、実際に対応可能であるのか、その根拠も含めてお応え願います。また、区民総合フロアも含め、今いる職員だけで休日に交替出勤となると、平日の勤務体制にも影響を与えますが、総計何名ほどの増員を検討されているのかお示しください。さらに福祉総合フロアでは、言うまでもなく幅広い知識に加え、専門的な経験も求められております。これまでにも各部所の連携に疑問が生じるような対応もあった中で、ワンストップサービスを掲げ、来庁者の要望に的確に応対する体制をどう構築されていくのかお示しください。また、これに関連して、相談内容によっては高齢者総合相談センターによる対応も必要になってくると考えられますが、同センターが日曜休日のままで課題はないのかお聞かせください。そして平日仕事の共働き世帯にとっても、休日の開庁は魅力的であり需要も高いと見込まれますが、子ども・子育て関係ゾーンの開設については、どのように検討されているのかお示しください。

 第二番目に見守り体制の強化についてお尋ねいたします。本区では、高齢者や子育て世帯を中心に様々な担い手による見守りや訪問支援を行っております。お尋ねはそれらの情報がどのように集約され、共有され、そして対処されているかということであります。課題を明らかにするために中野区の取組みである「地域支えあい活動」に沿ってお尋ねしてまいります。中野区は人口こそ31万人と本区より4万人ほど上回っておりますが、それ以外、すなわち人口密度や高齢者と年少者の割合、またファミリー世帯や単独世帯の割合などが本区と酷似していることから、非常に参考になると考えます。まず、中野区においては一人暮らしや認知症の高齢者の孤立を防ぐために「見守り支援ネットワーク事業」を立ち上げ、支援をする取組みを行ってきました。しかし、支援する人も支えてほしい人も両方集まらず、事業の広がりが思うように進展していかなかったとのことです。原因を探ると、「活動内容が義務化されているようで、過剰な負担がかかる」と感じ取られているということでありました。このことは見守りの担い手を増やし、その輪を広げていく上で極めて大きな障壁となると考えます。ちなみに本区の同様の事業である「見守りと支えあいネットワーク事業」も年を得るごとに、登録世帯数、協力員数の双方が減少しております。本来、年を得るごとに高齢者は増加しているので、双方が増加していかねばならないはずですが、このことをどう認識し、そして分析されているのかについて、まずはお聞かせ願います。

 中野区は上記の反省にたち、見守りの担い手が各々の主体的な活動を通して、自分たちができる範囲でのゆるやかな見守りを重ね、地域の高齢者や障害者を支えていくことを目指したのであります。そこで平成23年に「地域支えあい活動の推進に関する条例」を制定・施行し、新たな見守り活動がスタートします。ここで重要なことは、これまで担い手が感じていた、義務感、負担感をできるだけ取り除き、主体的に活動できるように努めたことです。すなわち、見守りの担い手を増やし、重層的に支えあえる構造を目指したことであります。本区においては、一人暮らし高齢者等のアウトリーチ事業や都の補助事業を活用した見守り訪問事業など期間限定的な調査や、CSWや地域福祉サポーター、また民生委員や地域包括の見守り専任スタッフ等の課題解決に向けた専門家の配備については相当力を入れて取組んでおります。しかしながら、状況というものは時とともに、刻々と変化し、その情報が専門家に届かなければ意味がなく、限られた専門スタッフの目や稼働範囲も、おのずと限界があります。したがって、どうしても見落としや気づかれない人が発生いたします。地域においては、見守りの担い手以外の人による日常生活の中での気づき、すなわちご近所の目が多く必要と考えます。その上で、この人たちの情報が適切に専門家に伝えられてこそ、効果的な支援が可能となると考えますが、いかかでしょうか。そして、区内では町会や高齢者クラブ、またボランティア団体による見守りが行われているとのことですが、どの程度の規模や頻度で行われているのか、さらに新聞や郵便等の配達事業者にも業務の傍ら見守りをお願いしておりますが、この方々たちが、異変を感じた場合、統一された連絡先が全員に周知されているのか、そしてその情報により適切な支援に結びついた過去の事例等ありましたら合わせてお示し願います。

 中野区では、「地域支えあい活動」をスタートさせ顔の見える人に対しては効果的な支援が行えるようになったとのことですが、どの地域でも課題となったのが、地域とのつながりを持たず、存在のわかりづらい人たちでした。そこで、その対策として先の「地域支えあい活動の推進に関する条例」に基づき、「見守り対象者名簿」を各地域に提供したのであります。対象者は70歳以上の単身または75歳以上のみの世帯、身体、知的障害者に加え、精神障害者もその対象としており、さらには課題があると考えられる子どもと保護者も含まれているのであります。本区の防災対策基本条例に基づく災害時要援護者名簿の対象者と比較すると幅の広さに違いが認められるのであります。災害時に援護すべき人は日頃から見守りの対象者として接していなければ、効果的に救援することは困難ではないでしょうか。お考えをお聞かせください。また、災害時要援護者名簿については地域に提供すべく、現在、着々と準備を進めている最中なのにまことに恐縮ですが、この際、日常の見守りにも活用できるよう世代を超えて課題を抱えている人を対象者に含めるべきと考えますが、ご見解をお示しください。 次にあらゆる方面からの情報の集約方法ですが、中野区では区内4か所の「すこやか福祉センター」に全ての情報が集約されるシステムになっております。日常の相談拠点であり、保健福祉センターや地域包括も併設され、総合的な支援の連携拠点と定めております。困っている方本人の相談はもちろん、見守りの担い手からの情報提供もここで分析調査され、担当機関につなげる、いわば医療における総合診療科の役割を担っているのであります。問題は何なのかを見守りの担い手が考え、調査する義務はなく、人によって見守る視点もまちまちであることから、課題をすぐに見抜くことは困難でもあります。あらゆる世代や課題が複雑に絡み合うことも多い中で、本区では各部局が互いに連携を密にしていることは承知をしてはおりますが、高齢者は高齢者総合相談センターへ、子どもは家庭支援センターか子育て支援課へ、ではなく、意識の低い見守り活動家や見守りに関心のない一般の人、そして業務に追われる配達事業者のたまたまの気づきも含めて、気軽に連絡ができ、かつ全てを集約する機関が必要と考えますが、いかかでしょうか。

 また、この情報の集約そして取得ということで、具体的な方策について2点ほど、お聞きします。1点目に本区においては、中年男性と若い女性の自殺率が高い傾向にありますが、自ら相談に訪れることもなく、心も閉ざしたこの人たちに対し、救いの手を差し伸べていくことも大きな課題であるはずですが、危機にさらされているこの人たちの情報を具体的にどのように地域から吸い上げていくのかお聞かせください。次に2点目に、私ども公明区議団は昨年9月、北海道本別町におけるソーシャル・ファームの取組みについて、視察を行いました。一般の労働市場で不利な立場にある人々のために、雇用の機会を提供することに焦点をおいた取組みです。この中で高齢の刑務所出所者には軽度の障害を持つ人がかなりの割合で存在することを学びました。この人たちは、長い間、社会的に孤立し、まともに職に就く手立てもなく、また、生活福祉課に相談するということも知らず、結局、罪を犯し刑務所の入退所を繰り返しているのであります。彼らは地域においても、多くは危険な人としか見なされず、反社会的行為を行ったときの情報のみが注目されやすくなります。しかし同時に別の角度から見れば、福祉施策の届かない、制度の狭間におかれた人とも言えるのではないでしょうか。視察においては、こういった人たちの悪循環を断ち切るのに自然と触れ合う農作業に従事することが大きな効果があるとのことでしたが、一見しただけではわからない障がいを持つ方や刑務所出所者についての情報をどのよう取得していくのか、また今後、生活保護法改正による、生活困窮者自立支援法の施行に伴い、こうした労働市場に不利な立場にある人に対し、どのような支援を行っていくのかについてもお聞かせ願います。

 次に担当職員が不在の休日・夜間の対応についてお尋ねいたします。この「すこやか福祉センター」では職員が緊急時に備えて24時間交替で携帯電話により応対しております。緊急時にも対応できるために、区民や見守りの担い手の安心感につながっているとのことです。昨年、本区で実際あった事例として、寝たきりのご主人を看病している奥様が急きょ入院することになってしまい、ひとり、とり残されたご主人の身を案じた近所のご婦人が担当地域の高齢者総合相談センターも含め、二つのセンターに連絡を取ったものの、土曜日の4時を過ぎていたため、誰も電話に出ず、役所に電話しても「担当がいないので、対応できません」とのことでした。この高齢夫婦はご主人が寝たきりにもかかわらず、介護申請も行っていなかったので担当の介護事業所もありません。次に訪問診療を行っている病院に連絡したところ、やっと対応してもらえたとのことでした。特段の知識のない近所の一区民としてここまで尽力できるのはまれなことであると考えますが、こうした実態をどう認識されているか、また、24時間365日対応してくれる機関があれば、区民や見守り担い手の安心につながり、見守りの輪を広げていく上で有効な対策と考えますが、ご見解をお聞かせください。

次に3つの情報共有の方策についてご見解をうかがいます。中野区では「すこやか福祉センター」に全ての情報が集約されることにより、一つ目の「行政当局内の情報共有」がかなりの精度で可能となります。また、情報集約数が膨大であったとしても全部局に配置されている多くの専門職員たちに情報が届き、各自がそれを裁くので、的確な対応も可能となります。そしてこのセンターの下には、区内15か所の「区民活動センター」内に設けられた「地域支えあい部会」があり、そこでは、見守りに関わる全ての人、配達事業者さえも参加して、地域の課題の共有と今後の取組みについて連携を図っております。すなわち、二つ目の「見守りの担い手同士の情報共有」がなされるのであります。見守りの担い手にとって、自分以外の誰かが別の立場で関わっているのかどうかを知ることは極めて重要なことであり、この情報共有がなされているか否かにより、見守りの効果に格段の差が生じると考えます。そしてこの部会での情報をセンターに吸い上げることにより、行政としては一人の要支援者に対し、誰が関わっているのかということが把握でき、その人に必要な支援について的確に手が打てるのであります。これが三つ目の「行政と見守りの担い手との情報共有」であり、これがなされたときの大きな成果であります。こうした情報共有の方策についてのご見解と本区における情報共有の取組み方針についてお示し願います。

 以上、自身が見守りの担い手であることを自覚しなくとも、地域の各人が気軽にできる活動を重ね合わせ、支援の厚みを増すことで、安心の輪が広がることにつながると考えます。本区においても全ての人が地域で互いに支えあって行けるよう願うものです。

 第三番目に災害時における隣接区連携についてお尋ねいたします。これはひとえに災害時のみならず、街づくりや街おこし、その他様々なイベント等、また先の見守り活動をはじめとする福祉施策についても、日常的な隣接区の住民同士の連携は非常に重要なことであると考えますが、とりあえず、災害時に限定してお聞きいたします。平成24年の2定の一般質問において、地域防災計画では「23区内の相互協力において、被災を逃れた、また被害の軽微な区が被災区に物的、人的支援を図る」と規定されているが、同程度に被災した場合の協定はどうなっているか、お尋ねしたところ、「特別区災害時相互協力及び相互支援に関する協定」において、「区を越えた連携の基本的な仕組みはできて」いるとの答弁でありました。ところが、この協定を見ても、やはり支援区と被災区を立て分けて規定しているのであります。およそ大規模災害発生時には本区と隣接5区が同程度の被害を受けることは想定されることであり、発災後即座に支援区と被災区に分けることが可能であるのか、ご見解をお聞かせください。また、こうした協定よりも、隣接区域の住民に的を絞り、相互に連携しながら彼らがより安全に避難し、その後の生活について相互支援を行えるような協定に改善すべきと考えますが、いかかでしょうか。さらに、行政当局同士の連携はもちろん、結局同じ地域に暮らす、隣接区の住民同士の連携を深めることが重要であることから、区をまたがった隣接区同士の防災・避難訓練などを数多く実施すべきと考えますが、ご所見をお尋ねいたします。

 最後に私道の管理についてお尋ねいたします。ここでいう私道とは所有者だけが使用している私有地ではなく、所有者以外の一般の人も通行している道路のことであります。昨年の1定で我が会派の中島議員より、本区の私道排水設備助成制度が23区で最下位の50%であることに疑問を呈する質問がございました。答弁によりますと、排水設備は関係者のみの財産で、一方で私道舗装は第三者である車両や歩行者の通行も考えられるので80%助成とし、公共性の違いにより助成率に差を設けているとのことでした。すなわち本区としては、私道に公共性があることを認識されているのであります。確かに、私道は個人財産であり、同時にその個人財産を不特定多数の他人が無料で利用し、恩恵に与っているわけであります。しかしながら、その不特定多数の第三者の利用も原因となって破損し、修繕するときには個人財産だから自己負担が発生するということに納得がいかない区民は少なくありません。不特定多数の第三者から費用を徴収することも困難な中、このことをどう認識されておりますでしょうか。

一方で、私道は個人財産、私有地なので第三者、一般の人の通行を禁ずることもできます。しかしながら、これを行うと、これまでそこを通行していた人、もしくは通行せざるを得なかった人の生活は極めて不便なものとなり、状況によっては日常生活に大きな支障をきたします。また、配達等でどうしても車両で通行しなければならない事業者にとっても大きな問題となってしまいます。結果的に、区民の快適な生活や地域活性化にもつながっていた経済活動が阻害されることにもなると考えますが、本区としては私有地だから仕方がないと言い切れるものでしょうか。このように見ていくと、私道といっても、その利用実態は公道となんら変わるものではなく、実際に地域の利便性に供し、かつ安全や美観を形成する街の一部、すなわち公共物となっていると考えますが、ご見解をお尋ねいたします。また、舗装や排水設備の助成についても、一律に8割、5割ではなく、その私道の利用実態に応じた助成率を設けるべきと考えますが、これについてもご見解をお聞かせください。

次に私道舗装の助成を受けるには、所有者全員の承諾が必要です。したがって、これまでにも、全員の承諾が得られずに工事や修理ができずに、困り果てている私道所有者が大勢おります。行政としては、私有地だから、民民の問題だからということで、それ以上、踏み込むことはいたしません。しかし、既にご存じのように、たった一人の私道所有者が一切の修繕に同意しないために、通学路となっているにもかかわらず、長年にわたって極めて危険な状態で陥没したまま放置されている私道もございます。その私道においては、夜間の安全のために皆で街灯を設置しようとしても反対をされ、時に急病人を搬送するための救急車の進入も拒むために、他の多くの私道所有者や周辺住民が困り果て、対策協議会を設置しているような地域もあるのです。私は昨年の予算委員会で私道を適正に管理すべく条例の制定も視野に入れるべきであると発言をいたしました。たとえ私道であっても、公道と同様の利用がなされているものについては、正当な理由なくその利用や修繕を拒むことは、公益性、すなわち地域の利便性や安全と美観を大きく損なうことにつながると言わざるを得ないと考えるものです。したがって、この問題に対しても、行政として何らかの手を打つべきと考えますが、セーフコミュニティ認証都市として、本区のご所見、方針についてお示しを願います。

以上で私の一般質問を終わります。ご清聴まことにありがとうございました。

平成26年第1回定例会(第 2号 2月18日)島村高彦議員の質問答弁

○区長(高野之夫) ただいまの島村高彦議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。

 平成26年度予算についての御質問のうち、まず、保留床購入費の財源手当についての御質問にお答えをいたします。

 昨年9月に再開発組合と締結した組合保留床売買契約締結に関する覚書において、保留床売買代金は引き渡し日前までに全額を支払うことになっております。再開発組合からの、引き渡しは平成27年3月の上旬予定でございますので、御質問のとおり、平成26年度内に保留床購入費等を支出することになるわけであります。

 一方、現庁舎跡地活用による収入は、庁舎移転後、平成27年度の定期借地締結以降となることから、支払いの時期と収入の時期とが年度をまたぎ、ずれが生じてしまうことは当然予定をしておりました。

 この財源対策といたしましては、基金等の区の自主財源を充当し、一時的な対応措置を図ってまいりたいと考えております。

 次に、保留床購入後の財政状況と地代収入計画の見込みについての御質問にお答えをいたします。

 現庁舎跡地活用による貸付料の収入額については、公募前である現時点で何年にどれだけの金額が入るか等の見込みを立てることは困難でございます。貸付料が決定するのは、優先交渉権者との協議、交渉を経て、定期借地契約を締結する平成27年11月になる見込みでございます。

 保留床購入費の財源といたしましては、基金等の一時的な対応措置を予定をしておりますけど、跡地活用による貸付料収入額、またその収入時期に変動があったとしても、区の財政運営に支障が生じることがないよう、柔軟かつ慎重に対応してまいりたいと思います。

 次に、今後5年間における起債残高の最高値についての御質問にお答えをいたします。

 現時点における平成25年度末の起債残高は230億円にまで縮小する見込みでありますが、今後、池袋第三小学校、池袋本町小・中連携校など複数の学校改築が重なることなどから、新たな起債もふえ、予算の大枠でお示ししている3カ年の財政計画の最終年度である平成28年度末には、起債残高は318億円となる見込みでございまして、再び300億円台を超えることになるわけであります。

 今後5年間の起債残高の最高値でありますが、平成29年度以降は、現時点では中期的な財政計画をいろいろ検討をしてまいりましたが、明確な金額を申し上げることはできません。平成30年度には、新ホールや新区民センターへの起債も予定をしておりますので、起債残高の最高値を300億円台に抑えていきたいと考えております。

 しかしながら、本区の財政構造は、これまでの財政健全化への取り組みの効果が継続をしており、健全化以前と比較して体質改善が図られておりますので、300億円台の起債残高は、本区の財政運営に決して悪影響を及ぼす規模ではございません。したがいまして、これまでと同様、計画的かつ健全な財政運営を行ってまいりたいと考えております。

 次に、今後の財政状況を踏まえた施設総量の削減についての御質問にお答えをいたします。

 御質問にあります今後60年間の施設改築・改修経費及び今後の不足額については、昨年5月に発行いたしました施設白書でお示しをしたものでございます。今年度開催しております公共施設再構築方針案検討委員会で、より実態に即した推計をいたしました。これによると、本区の公共施設の改築・改修経費の推計経費は、平成65年まで40年間で1,664億円、年平均41億5,000万円であり、24年度から過去5年間の改築・改修経費の平均額が34億円と比較をいたしますと、18%の乖離があることになります。

 しかし、施設白書や本委員会で示した不足額は、今後の財政状況は勘案せず、単純に過去5年間の改築・改修経費の平均との比較から算出をしたものでございます。

 施設総量の検討に当たっては、財政負担の軽減や平準化といった視点が必要となります。したがいまして、施設の管理運営の効率化、施設の貸し付けや利用率等の増などによる歳入確保、さらに施設の長寿命化や保守点検の徹底など、さまざまな検討を踏まえた上で、適正な施設総量を判断をしてまいりたいと思います。次年度の委員会の中で、こうした点についてより深い検討を進める予定でございます。

 次に、施設再構築の検討内容を区民に伝達することについての御質問にお答えをいたします。

 来年度、(仮称)豊島区公共施設再構築・有効活用検討委員会の設置を予定をしております。さらに、その後、方針に基づく計画の策定や計画を具体化するプラン等を策定をしてまいります。

 区民の皆様への周知については、委員会の検討経過や計画の策定状況など、随時区のホームページの活用はもとより、住民説明会を開催するなど丁寧な説明をしたいと考えております。

 次に、私立認可保育所の整備園数とスケジュールや事業主体の考え方についての御質問にお答えをいたします。

 私立認可保育所の園数につきましては、定員60名から100名程度の保育所を5カ所ほど誘致する予定でございます。場所につきましては、区内の待機児童のエリアごとの分布状況、既存の認可保育所及び今後整備が決まっている施設との距離、大型マンション建築予定地などを考慮して決定をいたします。

 スケジュールについては、現在、補助の内容を詰めている段階であり、できるだけ早期に運営事業者の募集に取りかかりたいと思います。運営事業者の提案の中から、立地、運営事業者の経験、ノウハウ、財務状況など慎重に審査し、安心して任せられる運営事業者だと判断した場合には、補正予算を組んで誘致を進めていきます。遅くとも平成29年度当初までには、5園の私立認可保育所を誘致をいたします。

 事業主体については、区立保育所民営化の場合と同様、制限はいたしません。国も、認可保育所の設置に当たり、設置主体を制限すべきではない、公平公正な認可制度の運用をお願いする旨の通知を昨年出しております。区といたしましては、株式会社やNPO法人など多様な主体の中から、保育事業に熱心であり、保護者満足度の高い保育サービスを提供できる法人を選定し、私立認可保育所の誘致を進めてまいります。

 次に、空き区有地や国有地、都有地への私立認可保育所誘致についての御質問にお答えをいたします。

 空き区有地については、これまでも継続的に調査をしておりますが、現在のところ、私立認可保育所を誘致できるような大きさの土地は見つかっておりません。また、国有地、都有地等についても、昨年、国及び都に照会したところ、やはり私立認可保育所を誘致できるような大きさの土地は見つかりませんでした。

 豊島区は日本一の高密都市でございますし、山もなく川もなし、空き地も、あるいは畑もございません。けれど、この状況の中でも、今後、保育所として活用できる土地が出てくる可能性がありますので、その場合には積極的に知恵を出し、工夫をして、このチャンスを逃さないよう、これまで同様、区有財産を所轄する他部署との連携を密にするとともに、国や都の動きを把握してまいりたいと思います。

 次に、福祉総合フロアにおける職員体制についての御質問にお答えをいたします。

 4階の福祉総合フロアにつきましては、御質問にありますように3つのゾーンに分け、そのゾーンごとにこれまでの細分化された担当制ではなく、件数の多い申請については、御理解をいただきやすい説明を含めて、各職員の担当業務にかかわらず行える体制を構築すべく努めてまいります。

 土日の人数を3名と想定いたしましたのは、平成23年度に実施をいたしました福祉相談業務の実態調査結果から推計したものであります。この調査結果によれば、福祉部局では1週間で267件の相談があり、このうち他の課を案内したというものが1割ほどでありますが、申請等で完了したものが138件と52%、約半分を占め、相談を含むのが98件、37%となっております。

 対応に要する時間を見ますと、申請者のみの場合でも23%が5分以内の対応、17%が5分から10分の対応です。全体の4割ほどは10分以内で終了しております。また、30分以上の対応を必要とするものが全体の3割程度となっております。

 このように詳細に分析した調査結果から、1日平均の福祉関係の来庁者数が1日当たり約60名、時間当たり7人と想定して、各ゾーン3名の体制を想定したものでございます。仮に一時的にあるゾーンに来庁者が集中し、30分以上時間を要する方がある程度いたといたしましても、3名体制であればお待ちいただく時間も許容範囲となると考えたところでございます。

 一方、福祉の業務には、他自治体等に確認しないと、権利関係が混乱するなど、申請者に不利益の生じる懸念のあるものもありますので、やむを得ず土日に対応できかねる業務については処理できないことをしっかりと周知して御理解をいただく必要がございます。

 次に、休日開庁による職員の増員についての御質問にお答えをいたします。

 新庁舎における休日開庁は、区民の皆さんに最高レベルのサービスを提供するものであり、その目的を達成するためには、区として万全の体制で臨む決意でございます。

 休日開庁によって平日の体制が手薄になってしまうようでは本末転倒でありますし、担当職員に過度な負担がかかることも避けなければなりません。

 まず、新庁舎3階の総合窓口につきましては、本年11月より区民課において、新庁舎での業務運営を想定した組織、窓口の再編、業務委託の整理、拡大、さらには休日窓口を月2回から4回へと増設して実施することを予定をしております。これらの実施状況も踏まえて、必要な職員数を精査したいと考えております。

 また、4階の福祉総合フロアにおいては、専門性の高い業務を多数取り扱うことから、ローテーションの確保はもちろんのこと、組織の再編も視野に入れた検討を行っているところでございまして、この中で必要な執行体制を決めていきたいと考えております。したがいまして、現在、具体的な人数を申し上げる段階にはございませんが、検討の結果、必要となる人員についても増員も含めて十分な対応を図ってまいりたいと思います。

 次に、来庁者の御要望へ的確に対応する体制の構築についての御質問にお答えを申し上げます。

 先ほどの調査結果から、申請のみで終わる方が半数程度を占めております。こうした件数の多い申請などに関するよくある御質問とその回答を考え得るだけ作成し、キーワード検索できるシステムを導入すべく努めてまいります。

 さらには、福祉総合システムで申請者の入力等の業務を共通化し、そのためのマニュアルは対応の中で迷ったことや想定していなかった御質問等など、担当者にフィードバックして更新を重ね、常にフレッシュなものとしてまいりたいと思います。

 こうしたプロセスを定着させ、幅広い業務について職員が相互に理解し対応することで、区民ニーズや生活課題に即した行政運営を向上することができるものと期待をしております。

 次に、高齢者総合相談センターの日曜対応についての御質問にお答えいたします。

 確かに、今後の高齢化の中で高齢者総合相談センターの役割はますます重要になってまいります。

 土日開庁とあわせて、日曜日の対応をどうするかは重要な課題でございます。しかしながら、8カ所すべての日曜開設には多額の経費も要することから、慎重な検討が必要と考えております。業務の一部を切り離して集約化できるものはないかなど、新庁舎移行までに鋭意検討してまいります。

 次に、子ども・子育て関係ゾーンの休日開庁についての御質問にお答えをいたします。

 休日開庁の基本方針では、子育て支援関係業務の手続の業務のうち、ニーズが高く対象者が多い児童手当や子どもの医療証の手続につきましては、子ども・子育て関係ゾーンと称しておりませんが、総合窓口で対応することとしております。

 また、保育園の入園手続や児童扶養手当の現況届など、窓口での手続の時期が限定されている業務につきましては、通年ではありませんが、その時期に合わせて臨時的に休日開庁をいたしたいと思います。

 次に、相談業務については、従来から休日も開設をしている東西子ども家庭支援センターを中心に対応しておりますので、引き続き同様の体制をとってまいります。

 現段階での検討状況は以上でございますけど、保育施設の情報提供や相談を行う保育アドバイザーを東西子ども家庭支援センターに配置するなど、子育て世帯のニーズも踏まえて、今後も検討を続けてまいりたいと思います。

 私からの答弁は以上でございますが、そのほかの質問につきましては関係部長から答弁をいたさせます。

   〔東澤 昭保健福祉部長〕

○保健福祉部長(東澤 昭) 見守り体制の強化についての御質問のうち、まず、見守りと支えあいネットワーク事業の登録世帯及び協力員数の減少についての御質問にお答えいたします。

 御指摘のとおり、本事業につきましては、見守りを希望する方及び活動協力員ともに伸び悩んでいる状況にあります。その理由として、本事業は人と人とのかかわり合いがベースとなっており、見守られる方がどこまで求めているのか、またどこまで立ち入ってよいのかなど、ケースごとに対応が難しい場合があることや見守り活動に対する負担感や義務感のあることが考えられます。

 こうしたことから、今後は見守り活動協力員や見守りを希望する方のニーズを的確に把握するとともに、その他の支援事業との連携等を踏まえ、より重層的な見守り体制が構築できるよう取り組んでまいります。

 次に、見守り担い手以外からの情報の適切な伝達についての御質問にお答えいたします。

 現在、高齢者の見守りにつきましては、高齢者総合相談センターの見守り支援事業担当が中心となって、民生委員を初めとしたさまざまな主体と連携しながら本事業を展開しております。

 見守りの担い手以外からの情報伝達は、そうした取り組みを強化する観点からも極めて重要なことと考えております。そのため、高齢者総合相談センターの担当者が町会の会合等に積極的に出向き、近隣の状況を把握するとともに、御近所で気になることがあった場合には気軽に連絡してくださるよう、事業の説明と協力を呼びかけております。

 今後とも、より効果的な支援体制の構築を目指して、鋭意検討してまいります。

 次に、町会等による見守りの規模と頻度及び統一された連絡先の周知と過去の適切な支援事例についての御質問にお答えいたします。

 見守りの規模や頻度につきましては、町会や高齢者クラブなど各主体や地域によってさまざまですが、町会単位での先駆的な取り組みとして、池袋本町一丁目町会が2カ月おきに開催している地域見守り検討会があります。この検討会には、社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーや高齢者総合相談センターの担当者などが参加し、地域における見守り対象者の把握や引きこもりを防止するためのサロンを開催しております。

 高齢者クラブの見守り活動につきましては、83ある団体のうち61団体が見守り友愛活動を実施しており、年間延べ1万2,000回以上の訪問を行ったと報告されております。

 また、新聞事業者などからの情報提供を受ける統一された連絡先の周知につきましては、それぞれの事業者に対し高齢者総合相談センターの支援事業担当が直接出向いて連絡先を周知し、協力依頼をしております。

 そうした地道な取り組みの成果としまして、新聞事業者から本人宅の郵便受けに新聞がたまっているので心配との情報提供があり、高齢者総合相談センターの担当者が自宅へ訪問し、倒れている御本人を発見し、直ちに救急車を呼んで一命を取りとめた事例がありました。こうした事例のほか、発見することはできたものの、残念ながら既に亡くなっていたというケースがあるのも事実です。

 このような悲しい事例を少しでも減らすためには、地域の多様な主体が連携し、顔の見える関係を築きながら、ネットワーク化を図っていくことが極めて重要であると考えておりますので、さらなる見守り体制の強化に向けて積極的に取り組んでまいります。

 次に、災害時に援護すべき人を見守り対象者として、世代を超えて課題を抱える人を対象に含めることについての御質問にお答えいたします。

 御指摘のとおり、日ごろの見守りの重要性につきましては、現在進めております災害時要援護者名簿の活用について、町会や民生委員の皆様に経過の御報告をする中でも最重要の課題として御意見をいただいているところです。

 まず、これまで個人情報保護の壁のため、民生委員さんにお伝えできていなかった障害者について、そのお住まいを訪問の上、本人の同意確認に遺漏のないよう再確認するとともに、顔つなぎをしていただくようお願いをしております。いざというときにより効果的に安否確認などに取り組むためにも、こうした積み重ねが何よりも重要であると考えております。

 また、日常の見守りに活用できるよう、世代を超えて課題を抱えている人たちを対象者に含めるべきとの御質問につきましては、まず来年度においては、要介護3から4、身障手帳の1から4級、愛の手帳の合計約9,000人の名簿を各地域で共有し、その上で区長が特に認める者の余地も明記しておりますので、地域の実情を見きわめながら、その範囲を順次拡大してまいります。

 次に、気軽に連絡ができ、かつすべてを集約する機関が必要との御質問にお答えいたします。

 確かに、この問題をどこの機関に相談すればいいのかとの判断に当たって、区民の皆様が迷ったり、ちゅうちょしたりすることがあってはなりません。しかしながら、区民のさまざまな生活課題の情報をすべて集約する機関というのも、問題が深刻であればあるほど慎重に検討する必要があるものと考えます。

 これまでもそうした複数部局の力が必要な場合には、相互に連携し、情報を共有しながら対処するよう取り組んでおります。今後は、さらに新庁舎整備にあわせて、保健福祉システムの一元化を図る中で、相談経過等を共有しつつ、御指摘の中野区のすこやか福祉センターの取り組みなども踏まえながら、区民にわかりやすく、より効果的な相談体制のあり方を検討してまいりたいと考えております。

 次に、自殺の危機にさらされている人たちの情報をどのように地域から吸い上げていくのかとの御質問にお答えいたします。

 区では、これまでもゲートキーパーの養成が重要と考え、取り組んでまいりました。これまでは、保健師等の区職員のほか、薬剤師や理美容店等、関係機関の中から受講していただきましたが、区民の身近な相談役という観点から、コミュニティソーシャルワーカー、民生・児童委員へも拡大しており、さらに今後は、高齢者総合相談センターはもちろん、民間の社会福祉施設の職員、青少年育成委員などにも実施していきたいと考えております。その上で、そうしたゲートキーパーの皆さんからの情報を集約し、保健師やコミュニティソーシャルワーカーなどの専門スタッフが連携し対応してまいります。

 いずれにいたしましても、さまざまな形で地域に根差して活動している方々との信頼関係、ネットワークの構築が最重要の課題と認識しております。

 次に、一見しただけではわからない障害を持つ方や刑務所出所者の情報取得についての御質問にお答えいたします。

 御指摘のとおり、このような情報は個人情報としての機密性が高く、御本人が積極的に公にしようとする内容ではないことから、情報を得ることが大変困難であります。こうした方々の中には、就労先などが見つからず、社会的に孤立し、生活に困窮してしまう方が少なくありません。

 このため、国では第2のセーフティネットとして、平成25年12月に生活困窮者自立支援法を制定いたしました。この法律は、生活困窮に至るリスクの高い層の方々に対して、自立や就労などの支援を行うことにより、生活困窮の状態からの早期脱却を図り、国民が安心して生活することのできる社会の実現に寄与することを目的としております。御質問にあるような方々もこの法律の対象となると考えております。

 本区におきましては、平成27年4月の法施行に先んじ、本年4月に新法を所管する自立促進担当課長を設置し、6月より生活困窮者自立促進支援モデル事業を開始いたします。モデル事業では、相談支援員として新たに社会福祉協議会にコミュニティソーシャルワーカーを配置し、区民の方々からの相談を待つだけではなく、アウトリーチによる積極的な訪問を行ってまいります。また、地域や他部署、さまざまな機関等から寄せられた情報を集約することにより、社会的に孤立する方など、生活困窮者の早期把握に努めてまいります。

 新庁舎開設後の福祉総合フロアにおきましては、生活困窮者の自立相談支援窓口を設置することにより、困難な課題を抱えた方々への切れ目のない支援をしてまいりたいと考えております。

 次に、労働市場に不利な立場にある方々に対しての支援についての御質問にお答えいたします。

 これまでも本区の生活保護行政においては、被保護者自立支援プログラムを充実してまいりました。とりわけ就労意欲喚起事業は、農業体験やボランティア体験等を通して社会とのつながりを再生し、自己肯定感を回復するための先駆的事業として実績を上げております。

 生活困窮者自立促進支援モデル事業においては、生活保護事業との連携を初め、庁内や地域、ハローワークなど関連団体等と横断的連携をとりながら、包括的、継続的な支援体制を構築してまいります。

 こうした取り組みにより、労働市場に不利な立場にある方々に対しても、個々の能力、職歴、生活状況などに応じた寄り添いによる支援を実現できるよう今後も努めてまいります。

 次に、現在の休日における対応実態と24時間365日対応する機関についての御質問にお答えいたします。

 土曜日の午後4時過ぎに高齢者総合相談センターに電話したところ対応はなかったとのことで、申しわけなく思っております。高齢者総合相談センターは、土曜日は午後4時30分までが受け付けですので、その時間内で対応できなかったとすれば大きな問題であります。該当の法人には厳重に申し入れを行いました。

 一方で、御質問にあります24時間365日の体制を構築することは決して簡単なことではありませんので、さまざまな諸条件を勘案し、慎重に検討させていただきたいと考えております。

 御指摘の事例で、緊急時にお知り合いの方が尽力していただいたことは、実に得がたい不幸中の幸いだったと受けとめておりますが、例えばそうした方からのお電話での問い合わせにコールセンターから情報提供するなど、実現可能な方策をあらゆる観点から検討してまいります。

 次に、行政当局内や見守り担い手同士及び行政と見守り担い手との3つの情報共有の方策の見解と取り組み方針についての御質問にお答えいたします。

 中野区の情報の集約の状況を確認いたしましたところ、情報システムを活用しているとのことでありますが、実際には中野区においても、最終的にはフェース・トゥ・フェースの担当者相互の連携が重要であり、情報のアクセス権限には一定の制限を課しているとのことであります。

 本区においても、新庁舎移行に向け、情報システム、中でも福祉相談システムの整備を進めております。しかしながら、専門職員の対応に当たり、そうした情報へのアクセス権限をどこまで認めるかといった検討にはより慎重な議論が必要ですので、導入の当初は運用をやや厳格なラインから始め、共有の拡大可能性を見きわめてまいります。

 御質問にある地域支えあい部会に対応するものとして、既に本区では各高齢者総合相談センターの圏域に着目しての地区懇談会がございますので、その活用が可能であると考えております。

 現在は、地域ケア会議として再編成するためのモデル実施の段階ですが、その会議における検討や機関連携を深める中で、広く地域課題を共有してまいりたいと考えております。

 私からの答弁は以上でございます。

   〔永田謙介総務部長〕

○総務部長(永田謙介) 災害時における隣接区連携についての御質問のうち、まず、発災後即座に支援区と被災区に分けることについての御質問にお答えいたします。

 東京が首都直下の大地震に見舞われた場合に、特別区間において即座に他区を支援可能な区と他区に支援を求める区に判別することは不可能と考えております。しかし、時間の経過とともに変化する状況の中で、各区の被害状況や必要な支援も変化してまいりますので、その変化に応じて、あるときは支援する側となり、あるときは支援を受ける側となることが予想されると考えております。したがって、そのときの状況や必要な支援に応じて、各区が判断をしていくことが必要であると考えております。

 次に、隣接区域の住民に的を絞った協定への改善と、区をまたがった隣接区同士の防災・避難訓練の実施についての御質問にお答えいたします。

 特別区災害時相互協力及び相互支援に関する協定は、首都機能を担う我が国の心臓とも言える特別区全体が、直面する首都直下地震を初めとした大規模災害に一丸となって臨んでいくことを約したものであります。大変重要な協定であり、今後とも実効性を担保するため、不断の見直しを行っていかなければならないと考えております。

 一方で、隣接区との連携の必要性についても非常に重要な視点であり、御提案のありました隣接区域の住民に的を絞った協定につきましては、特別区災害時相互協力及び相互支援に関する協定とは別に、各隣接区と協議を進めてまいりたいと考えております。

 あわせて、区をまたがった隣接区同士の防災・避難訓練については、大変貴重な提案であり、区といたしましても積極的に考え、隣接区との協議の中で検討してまいります。

 私からの答弁は以上でございます。

   〔西澤茂樹土木担当部長〕

 ○土木担当部長(西澤茂樹) 私道の管理についての御質問のうち、まず私道の修繕に自己負担が発生することについての認識についての御質問にお答えいたします。

 御指摘のように、私道の実態として第三者の利用が破損の原因となることも十分に考えられると認識しております。その公共性を認め、不特定多数の利用者から整備に係る費用を徴収できないことを勘案し、費用の一部を助成しております。

 実際に、住民の方個人の費用負担が発生することに納得がいかないという御意見をいただくこともありますが、個人や企業等が所有している道路であることを説明し、一定の負担をお願いをしております。

 今後も御理解、御協力をいただけるよう、より丁寧な説明を心がけてまいります。

 次に、私道が公共物になっていることの見解についての御質問にお答えいたします。

 地域によっては、市街地の形成過程において公道が整備されなかったため、実態として私道が地域の重要な交通機能を担っていることは御指摘のとおりです。

 公道と私道の大きな違いは法律上の位置づけです。公道は、その設置基準や必要とされる安全性が道路法によって定められており、道路管理者がその管理責任を負っているということが私道との相違点です。

 私道は公共物という解釈はできませんが、地域の重要な財産としてその機能を維持できるように、私道にかかわる相談等には今後も丁寧に対応してまいります。

 次に、私道の利用実態に応じた助成率についての御質問にお答えいたします。

 現在の助成制度は、幅員や周辺状況等の要件が整えば、一律に助成をしております。この要件が整っているか否かを御判断するため現地調査をし、利用実態を勘案した上で、一般交通の用に供されていると認められるものについて助成を行っています。

 私道の状況、利用実態はまさに千差万別で、これをさらに細分化することは、助成制度が複雑化し、わかりにくいものとなってしまうおそれがあるほか、現場の状況を客観的に評価する難しさが伴いますので、慎重に検討させていただきます。

 なお、助成率につきましては、社会経済情勢の変化を勘案し、今後拡充を検討させていただきたいと考えております。

 次に、正当な理由なくその利用や修繕を拒むことへの対応についての御質問にお答えいたします。

 公道と私道の違いにつきましては、先ほど述べたとおりです。私道には道路法の適用がないため、道路管理者の立場としての権限は持っておりませんが、地域コミュニティの形成、発展を推進するという行政の立場から適切なアドバイスを行うなど、可能な範囲の中で対処してまいります。

 以上をもちまして、島村高彦議員の御質問に対する答弁を終わります。