H13年2定水間和子質問全文
安心と希望あふれる区政実現のために

○十一番(水間和子君) 私は、公明党区議団を代表いたしまして、「安心と希望あふれる区政実現のために」と題しまして、次の三点について一般質問を申し上げたいと存じます。

第一に、真に豊かな教育立国豊島区のビジョンについて、第二に、文化芸術振興に対する展望と具体策について、第三に、当面する区政の諸課題についてでございます。

まず初めに、当選以来、私が毎回取り上げております真に豊かな教育立国豊島区のビジョンについてでございますが、質問に先立ちまして、去る六月八日、突然の不幸に見舞われました大阪教育大学附属池田小学校の八名の児童の皆様のご冥福とともに、関係職員、教師、保護者の皆様に対しまして、心からお見舞いとお悔やみを申し上げます。

公明党は、直ちに大阪教育大学附属池田小学校殺傷事件対策本部を設置し、冬柴幹事長が現場に急行、このような不幸な事件を未然に防ぐため、国や各自治体でどう対応し、何ができるか真剣に検討し、十三日には遠山文部科学相に児童殺傷事件に関する今後の対応のあり方について要望書を提出いたしました。

本区におきましても、公明党区議団は十四日、高野区長に再発防止などの緊急申し入れを行ったところでございます。

一方、本区の教育委員会でも、直ちに十一日に児童、生徒、保護者、教育関係者、区民の皆さんに対しまして、緊急アピールを発表。また、差し迫った危機管理対策として、十九日には区立幼稚園の全教諭と小学校の受付用に携帯用防犯ブザーを配付するなど、その安全確保に全力で取り組まれておりますことは敬意を表するところであります。

いずれにいたしましても、こうした事件が起きたことで、学校参観週間や開かれた学校づくりの推進が後退することのないよう、万全のご配慮をお願いいたしまして質問に入ります。

まず第一点目に、現行の教育基本法につきましてお伺いいたします。

昨今、教育改革が政治日程にのぼる中、小泉政権下でも教育基本法の見直しが論議されております。ご案内のとおり、教育基本法は日本国憲法の精神にのっとり、教育制度と教育政策の基本的あり方を明示した法律で、一九四七年に制定されました。前文と十一カ条からなる簡潔な内容ですが、かつての教育勅語に代わり、教育を国民みずからのものとする教育権利宣言的な性質を持っていると私は認識いたしております。

本年三月に実施されました一般全国紙の教育に関する全国世論調査によりますと、「教育基本法」を新しい時代にふさわしい内容とするために、生命倫理などの新しい問題や文化・伝統の尊重などの視点から議論するよう教育改革国民会議の最終報告が求めていることについては、「積極的に議論すべきだ」が三八%、「慎重に議論すべきだ」が四九%で、「議論する必要はない」は四%だったと報道されております。

一方、他の経済全国紙の四月三十日付記事によりますと、遠山文部科学相は、「教育基本法見直しは必要か」との問いに対して、「基本法は教育行政にとって根本の重要性を持っている。制定されて半世紀が経過し社会自体がその間、大きく変化した。教育全般に関して色々な問題が生じているのも事実。従って、教育の根本にさかのぼった改革を進めていくという意味で(見直し)を考えてみることは非常に大事だと思う」と述べております。

また、愛国心教育の実施を求める観点から、改正を望む動きも根強いところであります。

私自身は、世論調査にも見られますように、この件に関しては拙速は慎むべきであると考えます。教育基本法に掲げております崇高な理念は、教育の本義にのっとったものであり、新しい世紀にも十分に通用すると考えるからです。

ある著名な教育者は、「教育基本法は見直すより大いに生かすべきである。目指すべきは教育のための社会であり、社会や国家のために教育があるのではない。発想を大きく転換して、二十一世紀こそ子供たちが生きる歓びに輝く世紀としていきたい。未来のために最も重要な上に、世界の平和と文化創造の根本であり、人間が人間として幸福になるための真髄である教育をぜひ忘れないでいただきたい」と提唱しております。

そこで、教育長に教育基本法につきまして、現時代との対応の中での、一、その理念の有用性について、二、その活用のありようについて、三、現実と乖離する問題点はどう認識されておられるのか、四、本区として何を最重要項目とお考えかの四点につきまして、お考えをお聞かせいただきたいのであります。

以上の根幹ともいうべきお考えを踏まえて、第二点目に、具体的な問題として完全学校週五日制についてご質問いたします。

完全学校週五日制の実施まであと一年となりました。月一回の五日制が導入されたのが平成四年、以来明年の完全実施に向け、学校関係者を初めといたしまして、学校のあり方懇談会などを通して、教育委員会も念入りに準備に取り組まれてきたところだと思います。そのご努力に対しまして、心から敬意を表するところです。

この五日制の意義につきましては、さまざまに議論されてきたところですが、私は五日制の実施は我が国の子供たちの学習環境を変え、学校の内外が協力して質的充実を図るよい機会であり、この意義を社会に正しく理解してもらうことは、教育行政の重要な仕事であると考えます。

そこでまず、この完全学校週五日制のメリット・デメリットをどう分析し、例えば他国の例に見るまでもなく、どう生かしていけば教育立国豊島区にふさわしいものになるとお考えでしょうか。明確なお答えをお聞かせください。

第二点目は、五日制実施に伴い生じるゆとり教育に関してお伺いいたします。

明年四月より実施されます新学習指導要領に基づき、小中学校の教科内容が三割削減されますが、この削減に対して反対派が賛成派を上回り、従来、知育偏重、詰め込み主義と学校教育に対し批判的であった方々が、逆にゆとり教育に対して、今度は学力低下などの心配を上げていることも同じく世論調査で報告されております。

学習内容を三割削減することで、子供たちがゆとりを持って繰り返し学べることから、基礎、基本の定着を図り、さらに学力の定着や考える力を養うことが趣旨であるにもかかわらず、このような世論調査の結果が出るということは、必ずしも国が進めてきたゆとり教育に対して正しく理解されてきたとはいえない実態があると考えます。

この解決のためには、私は社会や保護者に対して、子供たちの学習環境や学校教育がどう変わるのか明確に理解していただくことが必要であると考えます。

この点につきまして、どのような指導性と方針をお考えかお伺いいたします。

経済不況が続き、保護者の側に時間的ゆとりが失われていることなどが指摘される今日、わかりやすい情報提供が不可欠と考えます。中央教育審議会の答申によりますと、各区市町村の教育委員会で五日制実施プランを作成…、提供と掲げられております。

そこで三点目に、本区におきます五日制実施プラン、取り組みの実態と成果についてお伺いいたします。

五日制を実りあるものとするために、関係者の皆様のより一層のご努力を心より期待いたしまして、この質問を終わります。

二点目に、文化芸術振興に対する展望を幾つかの提案、要望も踏まえて具体的にお伺いいたします。

我が党は、二十一世紀の日本のあるべき姿が文化芸術立国であるとの考えから、去る五月二日、「文化芸術立国・日本をめざして」との政策提言を発表いたしました。

文化芸術は、一人ひとりの創造性を開き、多様性を尊重する社会をつくります。また、人への尊敬と愛情の心を抱かせ、青少年を健全に育む力を持っております。それは、文化芸術には人々の心を柔らかなきずなで結びつけるすぐれた役割が存在するからだと考えます。

しかし、日本の文化芸術への政治的な取り組みは極めて貧困であると言わざるを得ません。

新聞報道によりますと、我が国の文化芸術関連予算は、国家予算全体のわずか〇・一%、フランスの十分の一程度にすぎず、民間からの寄附金による援助もアメリカの六十分の一以下。また、芸術実演家の平均収入も四百七十七万円でしかないと言われております。

こうした実情を踏まえて、我が党は国が文化芸術振興に力を入れていくべきだとして、国による幅広い支援拡充や「芸術文化振興基本法」の制定などを提唱、六月十四日には保守党との共同提案で、「芸術文化振興基本法」を国に提出したところでございます。

本区におきましては、時を同じく、今定例会の招集あいさつの中で、区長は「二十一世紀に対応する区の文化行政」につきまして言及されたところでございます。その中で区長は、二十一世紀の豊島区を「文化の薫り高い街」、「文化と伝統を守り育てるとともに、新しいライフスタイルの中で多様な文化を生み出し続ける街」にと述べております。

さて、本区には子供たちに文化芸術のすぐれた作品に触れる機会を選抜して与えていこうというボランティア団体などがありますが、こういった方々に対しての区の施策は現段階では何もなく、学校などに働きかけても余り積極的でないという声を聞きます。また、子供たちにボランティアで生の音楽やお芝居を教えたいという区民の方々も大勢おられると伺っております。このような区民の皆様の活力を区は有効に活用すべきであると考えます。

そこで提案ですが、国は国といたしまして、本区におきましてもこれを機に、区として独自の文化芸術振興プランの策定や支援策について検討されてはいかがなものかと考えます。

具体的には、一、芸術文化に携わる団体・人材の育成、二、芸術文化の発表の機会・場の提供、三、学校や公共施設・福祉施設などでの芸術文化公演の実施などが考えられるかと思います。この提案につきまして、区長のご見解をお伺いいたします。

二点目に、豊島区公明党青年局で実施いたしました、街にいやしの音楽を流す取り組みにつきまして、お伺いいたします。

本区の公明党青年局では、アメリカのカリフォルニア州のバレーオ市が街じゅうでクラシック音楽を流したところ、そのいやし効果により犯罪発生率が半減。しかも、このプロジェクトに費やした費用は、バーゲンセールのクラシックCD数枚と百ドルのスピーカーセットで合計二百ドルにも満たない予算であったとの実験結果にヒントを得まして、本区においても同様の試みができないかを模索し、本年四月末から五月にかけて区民意識調査を実施。訪問、聞き取りなどにより、二千九百二十人から回答を得ました。

意識調査では四問の質問を用意、「一、豊島区は暮らしやすい街だと思いますか、二、今後豊島区内では犯罪は増え続けると思いますか、三、音楽に癒やし効果があると思いますか、四、豊島区にも音楽を流した方がよいと思いますか」との問いに対し、いずれも思うと答えた人が思わないと答えた人の約四倍強に達するなど、多くの人がいやし効果としての音楽を流すことに理解を示していることがわかりました。

この区民の皆様の意識調査をもとにまとめました「安心の街づくりに関する要望書」を、去る五月二十二日、区長に代表で手渡ししたところでございます。ご案内のように、近年青少年による痛ましい犯罪が全国で多発しております。豊島区青少年問題協議会資料の少年非行概況によりますと、本区の非行少年の補導数が平成九年の八百二十二人をピークに、ここ一、二年減少しておりましたが、昨年十二年に増加に転じております。

また、大人も含め刑法犯は、池袋署管内だけでも約千五百件増加しております。

連続通り魔殺人事件が発生いたしましたのも記憶に新しいところでございます。駅周辺や繁華街などに音響装置を設置して、クラシック音楽を流すことにより、青少年の犯罪抑制、健全育成の一助となるということは、文化の街、芸術の街豊島のイメージアップにつながると考えます。

仄聞するところによりますと、区長はこの要望を直ちに受けとめ、即実行することを確約されたとのこと。既に西口駅周辺では商店街の力もお借りして、クラシック音楽が流されているようですが、この私たちの提案、要望に対しまして、どのように受けとめられ、また実行されようとしておられるのか。区長のお考えをお示しいただきたいのであります。

この提案、要望が実行に移され、成果を上げ、豊島区のみならず二十三区に発信されますことを期待いたすところであります。

三点目といたしまして、ロビーコンサートにつきまして二点提案いたします。

既に区庁舎のロビーにおきまして、昼休みの時間、ロビーコンサートが定期的に行われております。

私は、出演者は広く「広報としま」などで公募とし、出演料は無料。出演者にボランティアで参加していただけば、区内には東京音大、学習院、立教大学などを有しており、音楽愛好家、未来の芸術家たちの発表の場、育成の場にもなるのではないかと考えます。

既に港区では、クラシック音楽の無料出前演奏会を開いている市民団体「クラシックライブを楽しむ会」のメンバー三人が、六月二十日、区役所でコンサートを開催し、住民票などの手続で役所を訪れた区民の方々に喜ばれたことが報じられておりました。

さらに、日常的にコンサートが開催されない日は、昼休みを中心にせめて三十分でも区の既存の設備を使ってクラシック音楽を流せば、区民や職員の方々に対していやしとなるのではないかと考えます。経費をかけず、ぜひできるところから取り組んでいただければと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

最後の提案について申し上げます。

明年、平成十四年は昭和七年十月に巣鴨町、西巣鴨町、高田町、長崎町の合併により、豊島区制が施行されてから七十周年を迎えることになります。明年には、区制施行六十周年次以降、平成十二年四月一日に都区制度改革の実現及び地方分権一括法の施行などがされたことを踏まえ、また二十一世紀という新しい時代を迎え、区民とともに確固たる地方自治を実現していくことを内外に示すことを目的として、記念行事を実施すると伺っております。

区長も招集あいさつの中で、「迎える区制七十周年を私は、新世紀にふさわしい、夢と希望に輝く豊島区を、二十五万区民とともに築くための船出の年としたい」。「既に七十周年事業を区民と取り組む準備に入っており」、「今後区民参加の実施委員会をつくる予定」で、「区民の皆様には、創意工夫あふれる企画をお願いしたい」と述べられました。

そこで提案ですが、この七十周年記念事業の一環として、豊島区愛唱歌とも言うべき歌を広く公募してはいかがでしょうか。

現在、区におきましては、月に一、二回、朝、区歌が流れているようですが、これはこれとして、新しく二十一世紀を迎え、広く区民に親しまれ、長く歌い引き継がれていかれる歌を公募することは、七十周年記念事業にふさわしいものと考えます。

具体的には、一、公募については「広報としま」や区のホームページ、また宣伝媒体のマスコミなどうまく利用して広く日本じゅうに発信、二、作曲は区在住の作曲家などにボランティアで依頼、三、歌手は曲のジャンル別に、やはりボランティアで依頼とし、数曲をノミネートしてグランプリ作品を新区歌(愛唱歌)として発表、四、十月一日の区の功労者記念式典を発表の場として、東京芸術劇場などで盛大に行う、五、発表時のオーケストラは区のオーケストラ、または東京音大などに依頼するなどが考えられるかと思います。

広く日本じゅうに公募を呼びかけることによりまして、文化の薫りのする豊島区のイメージが広く知れ渡るものと考えます。この提案につきまして、区長のご見解をお聞かせください。

最後に、区政の諸課題について、区民相談に寄せられました区民の皆様の声の中からご質問させていただきます。

まず初めに、障害を持つ子供たちの放課後の過ごし方につきまして、お伺いいたします。

本区におきましては、他区に先駆けて平成三年から障害を持つ小学生を、学童クラブに六年生まで受け入れております。その数は、現在三十五人と伺っております。この間、平成三年三月に「東京都豊島区学童クラブ障害児等保育実施要綱」を施行して以来、関係職員の皆様の大変なご尽力で今日の体制が整い、他区には余り事例がないために、中には他区から引っ越してでも、この学童クラブを利用したい方々もいるやに伺っております。

このように、関係者の皆様のご尽力により、障害を持つ子供のいる家庭でも、両親ともに働くことができるようになりました。また、放課後はともすると地域に友達がおらず、家庭に閉じこもりがちになるところ、児童館という場で地域との触れ合いの機会ができております。

ところが、中学や養護学校高等部の年齢になりますと、彼らが放課後安心して過ごせる場がないのが現状です。両親とも働いていたり、ひとり親家庭の場合は、特に子供たちが受け入れてもらえる場が必要です。また、そうでない場合でも放課後は家庭に閉じこもりがちとなり、精神的にも不安定になりがちなこのような子供たちにとりましては、家庭以外に気軽に通える場が必要であると考えます。

このような方々の要望におこたえするには、適切な予算措置、一定の職員体制の確保、児童館の持つ機能のあり方などなど、検討する課題も多いこととは存じますが、このような要望に対してどのように認識され、今後どのように対応されていかれるのか、ご所見をお伺いいたします。

私は、縦割り行政上、青少年課、子育て支援課、障害者福祉課、また保健所などがそれぞれ関係性をもって運営している現体制を精査され、プロジェクトチームとして立ち上げ、行政としてできるところから早急に取り組まれたらいかがなものかと提案いたしたいと存じます。

少数は多数に通じます。小さな声こそ実は大きな声なのです。要望の多いこの問題に対しまして、何とぞ特段のご配慮をお願い申し上げます。区長のご見解をお伺いいたします。

二点目に、我が党の代表質問と関連いたしますが、区民の皆様の関心の高い統廃合の学校の跡地の活用法についてお伺いいたします。

区立小中学校の学校統廃合では、平成十一年度末に閉校となりました平和小学校に引き続き、十二年度末から十八年度末にかけてさらに七校の学校跡地が発生し、これら学校跡地を区民共通の財産として、今後いかに活用するかが区政の重要課題となっております。

本年三月末、青少年問題協議会が「青少年の社会参画の推進方策について」と題しまして、区長に答申いたしました。この中で、青少年の参加・参画を推進する最重要課題として掲げられた第一の課題が、「青少年のための大型センターの設置と運営参加・参画―統合後の学校施設の活用―」でした。

答申に盛られました趣旨は、「中学生や高校生を中心とした青少年の自主的な活動の場、居場所、交流の場の重要性が叫ばれて」おり、「こうした活動の場として統廃合の学校施設の積極活用が考えられる」。「区の特性と利便性を考えると、区内に二カ所程度設置することが望まし」く、「また、区内児童館のセンター的機能を持たせることで、地域館の活動の活性化も期待できる」としております。

私は、現在の本区の青少年を取り巻く環境を考えたとき、同年代で集える安心で安全な広い施設がぜひ必要であると考える一人として、委員会の中でもぜひ早期実現を要望させていただきました。区長も積極的に取り組まれる主旨のご答弁をいただいたと記憶いたしております。

区の財産である学校跡地の活用法につきましては、福祉施設や住宅、公園などなど、さまざまな角度から具体的に検討されておられることと思います。

私は、教育先進国イギリスにその典型を見るように、建物のみならず、自然環境の豊かな緑と大地の土のにおいと感触の中に青少年の憩いの場、心の交流の場を提供できたとき、二十一世紀に豊島区として誇れる財産を残すことができるのではないかと考えます。

ぜひ区長に、学校跡地につきまして、青少年のための大型センターとしての活用が可能かどうか、明確にお示しいただきたいと存じます。

区政の諸課題の最後に、高野区長の目指しております「リサイクル都市としま」につきまして要望とご質問を申し上げます。

私たち公明党は、これまで一貫して、資源、環境に積極的な取り組みを国や地方自治体において進めてまいりました。こうした中で、循環型社会形成推進法、また、家電リサイクル法などが成立しております。区長はご就任以来、「リサイクル都市としま」を政策に掲げ、ごみ減量、リサイクルを目指しており、私どももその推進を大いに期待いたすところでございます。

その一環といたしまして、私が平成十一年九月の第三回定例会におきまして提案いたしました廃食油の回収が、このたび千川中学校でモデル事業として実現いたしました。

仄聞するところによりますと、担当課、教育委員会、学校が連携して実施されたとのことで、皆様のご努力に対しまして、心より敬意を表するものでございます。今後とも、こうした連携、協力が迅速に行われることを願っております。

既に新聞報道もされましたが、千川中学校の廃食油の回収は、六月十九日に第一回目が行われました。重複する点は省略して、その実施状況や学校、生徒の皆様の反応についてお聞かせください。

次に、十三年度予算特別委員会の場でご質問いたしました件につきましてお伺いいたします。

私は、都バスの広告の例を出しまして、清掃車でのごみ減量やリサイクル啓発普及やごみ出しルールの徹底のPRなどについてお考えをお聞きいたしました。その際、ご答弁として、直営車について対応を検討するとのことでしたが、現在の検討状況などにつきましてお聞かせいただきたいのであります。

新聞報道によりますと、世田谷区では区内のごみ清掃車四十七台に区のお知らせなどを書いたマグネットシートを張り、今後も一週間から一カ月ごとに新しいものを張る予定と報じられております。

他区でも既に実施となっておりますこの提案につきましても、清掃車は毎日各地で走っており、その効果も大きいと考えますので、ぜひ実現していただきたいと要望いたします。

関連いたしまして、これも日々のごみ出しのマナーについてですが、清掃協力会のごみ問題アンケートの報告書の中に次のような区民の方からの声があります。

「ごみ出しでいつも問題となるのはアパートに住んでいる単身世帯であるため、入居する際に大家さんや不動産会社を通じて徹底する必要がある」というものです。もちろん、ごみの出し方やマナーについては集合住宅にお住まいの方だけではないことは承知しておりますが、とりわけ集合住宅の単身生活者などの分別はもちろん、時間無視など、マナーの悪さをお聞きいたします。この解決のためには、お一人おひとりが社会の一員であることを認識、自覚して行動することが必要でありますが、それだけではなかなか改善されない現状です。

そこで、区ではアンケートに代表されるような声に対して、どのように認識され、また現在どのように対処されておられるのか。さらに今後、具体的にどのように対応されていかれるのかご所見をお伺いいたします。

国におきましては、小泉首相が、「恐れず、ひるまず、とらわれず」のスローガンを掲げ、強いリーダーシップを発揮されております。地方分権がスタートして二年目、本区におきましては、「元気、やる気、勇気」で区長の強いリーダーシップを発揮されますよう、前向きなご答弁を期待いたしまして、私の一般質問とさせていただきます。長い間のご清聴、ありがとうございました。(拍手)