14.07.01 「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題する閣議決定

政府は1日夕に臨時閣議を開き、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題する閣議決定
【全文】
を行った。
従来の憲法解釈と整合性を保ち、憲法上許される自国防衛のための武力行使の限界を示すとともに、今後、国民の命と平和を守り抜くために切れ目のない国内法整備に取り組む方針を明記した。

同閣議決定は前文で、戦後日本が専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にはならず、平和国家としての歩みをより確固たるものにすると決意。さらに、力強い外交の推進や法の支配の重視、紛争の平和的解決への意思も示した。これらは公明党の訴えにより盛り込まれた。

その上で、日本を取り巻く安全保障環境の根本的な変化を受け、国際社会の平和と安定に貢献するために、切れ目のない対応を可能にする国内法制の整備の必要性を提起している。

与党協議で焦点となった「憲法第9条の下で許容される自衛の措置」については、現在の政府の憲法解釈のベースとなっている1972年の政府見解の基本的な論理は「憲法第9条の下では今後とも維持されなければならない」と明記された。その上で「自衛権発動の新3要件」を定めた。

公明党はこの新3要件について、「他国」に関し、「我が国と密接な関係にある」との文言を追加。また、発動の要件を、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される「明白な危険がある場合」と厳格にして歯止めをかけた。さらに、「我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容される」と、あくまで自国防衛に限った措置であることも明確にした。

閣議決定は、国際貢献への新たな対応にも言及。国連平和維持活動(PKO)に関しては、離れた場所で襲撃された文民要員らを自衛隊が救援するための武器使用を認め、いわゆる「駆け付け警護」を可能にした。多国籍軍への後方支援では、従来の他国の武力行使と一体化しないとする基本原則を維持した上で、他国が現に戦闘行為を行っている現場では支援活動をしないこととした。

閣議決定に先立つ1日午前、自民、公明の与党両党は衆院第2議員会館で、「安全保障法制整備に関する協議会」の第11回会合を開催し、閣議決定案の概要について正式に合意。公明党はその後、衆院第2議員会館で政調全体会議を開き同案を了承、党本部で開いた中央幹事会でも了承した。

自公両党の党内手続きを受け、公明党の山口那津男代表は1日夕、首相官邸で安倍晋三首相と会談。自民党の高村正彦副総裁と石破茂幹事長、公明党の北側一雄副代表と井上義久幹事長、政府から菅義偉官房長官が同席した。

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