令和4年度豊島区予算案に対する公明党意見開陳
2020.03.11 ふま ミチ
公明党の夫馬三知でございます。私は、公明党豊島区議団を代表いたしまして、令和4年度豊島区一般会計予算並びに国民健康保険事業会計、後期高齢者医療事業会計、介護保険事業会計の3特別会計予算ならびに一般会計補正予算第一号を認定することに賛成する立場から意見開陳を行います。
はじめに、感染防止対策に万全を期し、円滑、公平な運営に努められました竹下委員長並びに河原副委員長の労に心より感謝を申し上げます。
また、理事者の皆様には、資料要求をはじめ事前調査に快く応じていただき、さらに、私どもの質問に対し、意を酌まれ、丁寧に御答弁をいただきましたことに心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。
さて、令和4年度予算審議に当たり、私ども公明党は、新型コロナウイルス感染症が拡大し、区民の暮らし、命を守るために取り組む課題が多くあった中、1.区民の目線に立った行政運営がなされているか、2.豊島区を取り巻く時代変化に的確に対応した事業展開となっているか、3.安定的、持続可能な行政運営がなされているか、4.SDGsを基調とした取組みがなされているか、を主眼に、慎重かつ厳正に審査に臨みました。
まずは令和4年度予算案につきまして概略を申し述べさせていただきます。
一般会計予算規模は、前年度比4,3%増の1357億9200万円となり令和元年度当初予算に次ぐ、過去2番目の予算規模になっています。
経費別でみると、投資的経費は前年度に比べ0.4%のマイナスの171億5400万円であり、施設建設事業費と大規模改修事業の金額はほぼ前年度と同じ規模となっていますが、内訳をみると市街地再開発が大幅減となる一方、施設建設事業が増加しており、差し引き7600万円減となったことがわかりました。
一方、人件費は2.0%プラスの、250億6600万円であり、主な増要因は、定年退職者等の増加や令和5年に設置される児童相談所に伴う人員増などによることでした。特に児童相談所設置は、豊島区の子どもたちと家庭を地域で支えるための重要な施設の職員の増員によるものであります。
また、事業費は、過去最大規模であった令和3年度当初予算の事業費を超える936億円で、令和3年度より5.8%プラス、この内、新型コロナウイルスワクチン接種関係経費の25億71万円が含まれていますが、国庫支出金のため区の負担ありません。また、子育て関連や福祉事業などの扶助費が過去最大だった令和3年度予算を上回る412億円が計上されています。
歳入については、新型コロナウイルス感染症による影響で歳入の先行き不透明感から、影響を厳しく見込んでおりましたが、結果的に前年度より財政調整交付金は、35億円、特別区民税は11億円、地方消費税交付金12億円が増収されました。
しかしながら区民サービスを安定的に提供するためにまた、持続発展都市の活力を維持・発展するために2年連続で財政調整基金を活用し前年度比で21億円減となる48億円の財政調整基金の繰り入れの計上がされています。また、不合理な税制改正による区財政への影響額が56億円の減収が見込まれ深刻な状況が続いている実態が明らかになりました。
新型コロナウイルス感染症対策を継続的に進め、区民の暮らしと福祉を着実に支えるための予算であることを確認することができ、総じて基金と起債をバランスよく活用した堅実な予算編成であると評価できます。
本区はこれまで長きにわたって行財政改革の末、区財政の健全化を成し遂げてまいりました。今後も事業評価や執行方法の効率化など、不断の見直しを図るとともに、歳入が、当初予算額を大きく上回る見込みですが楽観視することなく、持続可能な財政運営に努めるよう強く要望をいたします。
次に総括質疑について申し上げます。
この間、歳入が堅調であり、待機児童ゼロ達成など魅力ある街として課税人口増による税収入増が見込まれていますが、納税義務者の減少は、本区を含め4区のみとなっていることからすみやかな要因分析に取組んでいただきたい。また、区民の転入・転出の要因については各種データを詳細に分析し、定住率を高める施策につなげるよう要望します。
また、今後の公共施設の維持改修経費の正確な算出を行うべく、新たな公共施設総合管理計画の策定に取組むべきことを申し述べました。
以下、款別に主な意見を述べさせていただきます。
●政策経営費・総務費について申し上げます。
本区は、SDGs未来都市、自治体SDGsモデル事業選定されています。全ての施策の柱となるSDGs推進のための条例制定を望みます。
「豊島区こども未来国連」については、中学生を対象としたものも検討され、グローバルな視点で平和で豊かな世界に向けて、毎年実施されますよう要望致します。
防犯カメラ設置事業は、警察捜査に用いられているのが実態であることから、区民の安全・安心向上のため、区の担当者自ら現場に入り、支援されるよう望みます。
女性のデジタル人材育成の推進ついては、スキルアップ講座の開催や若年層にむけたイベントの実施と区民への情報提供を要望いたします。
職員の採用については、本区の新規採用者が百人超え、優秀な方が採用されている中で、職員の福利厚生・メンタルヘルス、人材育成の充実を望みます。
消滅可能性都市と報道されてから若年女性が342名増加していることは、女性施策が確実な成果がでているためと考えます。今後住み続けられ、魅力ある豊島作りを要望します。
●区民費・福祉費・衛生費です。
集合住宅建築の際の町会加入協議については、改めて建築主の意識啓発と町会に対する支援に取組まれたい。
ひきこもり支援は引き続きの実態調査に努め、専門家や支援活動家の活用と共に幅広い観点から支援にあたるよう要望します。
区民生活に直結し、すでに長年にわたり実施している福祉事業については、およその事業内容や開始時期を改めて認識するよう、お願い申し上げます。
障がい者の移動支援は、短期入所施設から通所施設への移動で利用できる区が既に9区あるため、本区でも活用できるよう求めます。
終活支援についてはエンディングノートを活用し、情報登録や死後事務委任、見守り等、生涯地域で安心して暮らし続けられる取り組みを要望致します。
高齢者のコロナフレイルの進行が懸念されています。人生100歳へ向けた健康寿命をいかに延ばすかが重要である。高齢者の健康向上の施策の充実を望みます。
新型コロナワクチン接種については、3回目の加速と5歳からの小児接種は保護者に正確な情報提供してスムーズな接種を要望します。
子宮頸がんワクチン接種勧奨復活については、空白の世代の方へのキャッチアップ接種の適切な広報と後遺症に苦しむ方々への情報提供と丁寧な対応を求めます。さらに、子宮頸がんは「撲滅できる癌である」救える生命をこの子宮頸がんワクチン接種により守っていく。打ちたいと思った人が打てるように正しい情報の提供を要望します。
人と動物の共生事業については、これまで対象外だった飼い主の飼養困難による支援の取り組みが、使い勝手のよい施策になるようボランティアさんの意見を参考にしながら進めるよう要望します。
不妊治療保険適用については、公明党が一貫して不妊治療への支援拡大してきたうえで、令和4年度4月から保険適用の拡大が行われます。精神的なダメージを負ったかたへのきめ細やかなケアや区民への適切な情報提供をお願いいたします。区内企業や事業者にたいしての理解促進の取り組みや丁寧な広報を要望します。
●環境清掃費・都市整備費について述べます
食品ロス削減については、フードドライブ、フードシエアリングの取り組みが進んでいますが、食品ロス削減無人販売機等の設置検討をお願いいたします。
また、区民への更なる意識啓発のために講座等の開催やごみ減量につながる生ゴミの乾燥処理機器の補助に加え、新聞紙を利用した水分除去用ゴミ袋等身近な取り組みをHP等での広報を要望します。
循環型社会の取り組みについては、区における公共施設管理に伴う洗剤や消毒剤、リネンに係る商品のリユース化することを標準仕様にすることや行政事務に係る事務用品に関してもワンウェイプラスチック製品からの転換を求めます。また、衣服のリサイクルであるふくのわプロジェクトの周知徹底と回収BOX設置場所の追加をお願いいたします。
さらに、陶磁器類を拠点回収し利用できるものは、リサイクルセンターで安価に販売し、利用できないものは資材リサイクルできるような取り組みを要望します。
災害医療体制については、体制整備をすすめ、コロナ禍等の状況にも対応できるよう日頃の訓練を充実し、実施を望みます。災害時に迅速な医療救援活動に必要な態勢整備が必要となる医療資機材、備蓄医薬品の充実を要望します。
建物・敷地等の適正な管理は良好なまちづくりの基礎をなすものであることから条例や法律を適切に運用するよう要望します。
大塚駅周辺の駐輪場整備と自転車及び歩行者の安全対策の推進を望みます
無電柱化事業の推進については、地下埋蔵物を3次元で正確に探査する
新技術等の有効活用を望みます。
池袋駅周辺のまちづくりは、グリーン大通りをはじめとするウォーカブルなまちづくりと街区再編、東西デッキの設置等、未来を見据えながら確実な推進をお願い致します。
住宅については、ファミリー世帯の定住化を図るための家賃補助の拡充と、親世代との近居等への新たな家賃補助の検討を望みます。
●文化商工費・子ども家庭費・教育費です。
マンガ・アニメ事業については、東京リベンジャーズ原画展でこれまでにない区内関係者の協力を得て大好評に終了しました。トキワ荘マンガミュージアムの区政施行90周年の企画展をはじめ、マンガの聖地と現代のマンガ・アニメの相乗効果が期待できる取り組みを望みます。
令和5年4月から、子ども医療費助成を高校生までに引き上げる事が都から公表されています。所得制限で除外される子どもたちへの助成を本区として検討されますよう要望します。
保育の質の向上については、好評のレミダワークショップとCAPの更なる拡充を要望します。
臨時保育園のさくらそう保育園移設後の活用については、
南長崎第一保育園の仮園舎で使用するまでの間、施設を地域に解放することを望みます。
高南保育園の改築については、保育ニーズに合わせた新たなサービスも検討を望みます。また、高南小別棟については、地域や保護者からも賛成する声が圧倒的に多く、この機を逃す事なく自信をもって推進されるよう要望致します。
学校のICT環境整備については、授業で使用する大型ビジョンが古くて部品もなく修理できない状況にあります。既に、接触が悪い物や画面が欠けている物が多く見受けられますが、10台分しか予算計上されていないため、授業に支障をきたす恐れが大いにあります。早期に実態を再調査し、更新を図るよう要望いたします。
生理用品の無償提供については、引き続き小中学校の個室トイレで実施し、公共施設のオイテル設置につては拡充する事も検討するよう望みます。また、窓口での必要な方への配布については、区民に分かりやすく広報されるよう工夫をお願い致します。
児童・生徒の生きる力の基礎を養うため、教員の向き合い方の改善と社会経験を生かした教育を推進すべく、教員資格認定試験制度を積極的に活用するよう要望します。
小中学生の体力向上のため中学校部活動指導員の活用と子どもスキップ放課後子ども教室のスポーツの拡充を要望します。また、中学校の個人開放への再開と支援を望みます。学校開放事業では高齢者が多く参加する個人開放の再開を求めます。
●歳入について述べます
狭小住戸集合住宅税は、建築抑制効果が極めて限定的であることは統計数値が明確に示しております。課税方法の見直しや効果的な対策についてすみやかに検討するよう望みます。
●3特別会計です。
国民健康保険事業会計については、引き続きレセプト点検やジェネリック医薬品の活用等と推進し、医療費の適正化に取り組まれるよう望みます。
介護保険事業会計については、高齢者にやさしい街の実現のため、現場の介護従事者に対する徹底した支援を要望します。
以上、持続可能な財政基盤を堅持しつつ、希望と安心を届けられる取り組みをさらに推進をしていただけますようお願い申し上げまして、令和4年度豊島区一般会計予算並びに国民健康保険事業会計、後期高齢者事業会計、介護保険事業会計の3特別会計ならびに一般会計補正予算第一号の原案を可決すべきものと判断をいたします。
最後に、定年を迎えられます管理職の皆様におかれましては、様々大変お世話になりました。これまでの区政へのご貢献に深く感謝を申し上げますとともに、引き続き豊島区政に対するお力添えをお願い申し上げます。
また、ほかにも今年度で定年を迎えられます係長を初め職員の皆様に心から感謝を申し上げます。長い間ありがとうございました。
以上をもちまして、意見開陳を終わります。ご清聴ありがとうございました。