【別府市避難行動要支援者事業について視察】
2月6日、豊島区防災・震災対策調査特別委員会で、別府市の避難行動要支援者事業の視察を行いました。
別府市は熊本地震時に震度6を観測し、障がい者等が避難できなかった実態を受け、避難行動要支援者の支援に取り組まれています。
別府市は、平時の生活から災害時の個別避難計画作成事業、避難生活、生活再建、平時の生活に至るまでをインクルーシブ防災として進めています。
特に避難行動要支援者については平成29年から約6,000人いらっしゃったところを、国の指針や他市町村に比べかなり広い範囲で対象者を設定していることから見直しを行い、約3,300人となりました。また、特徴的なのは民生委員・自主防災組織等関係者に要支援者本人の名簿を提供することに対し、要支援者の「同意確認」を要しない「別府市個人情報保護施行条例の改正」が令和5年4月1日に制定されたことです。
個別避難計画の作成は、要支援者の状況に応じて作成支援判断フローが作られており、優先度の高い方から個別避難計画が作成される事になっています。
これまで福祉課が主に取り組まれてきましたが、なかなか事業が進まないという事で、高齢者福祉の職員が防災危機管理課に移り、職員2名・任期付職員3名の5名体制で実施していく予定との事。
個別避難計画の作成については、調査票を本人宛に送付し、基本的にはご本人が作成。その他にサービス提供事業者(福祉専門職)による作成、自主防災会等による地域作成、接触不可や拒否などの方には行政作成などが検討されています。
また、必要に応じて避難者支援等実施者・避難ルート等の検討のために調整会議が設置されているのが、豊島区にはない取り組みで必要性を感じました。
別府市内にある70〜80の福祉サービス提供事業所等に個別避難計画作成を依頼されるとの事でした。
別府市も豊島区同様の課題があり、個別避難計画作成事業も見直しをされています。また、支援が必要な方の防災訓練は、年に1箇所をモデルとして実施されているとの事。このような、災害を想定して計画に実地訓練をする事も、今後の課題であると考えました。