池袋駅周辺の開発総仕上げ 隈研吾氏監修、駅前車道を歩道へ
平成26年からJR池袋駅周辺の活性化を進める東京都豊島区が、一連の事業の総仕上げに乗り出す。同区の都市政策顧問を務める建築家の隈研吾(くま・けんご)氏(67)の監修の元、駅前の車道を歩道に転用するなどして駅東側と西側の行き来を促し、街全体の回遊性を高めるという構想だ。区制施行100周年となる令和14年の竣工を目標に、地権者との調整などを本格化させる。
構想では、池袋駅の東口と西口の一部車道をそれぞれ歩行者専用道路「歩行者広場」に転用。駅をはさんで東西に分かれた周辺地域を徒歩で移動しやすくすることで、街の魅力の創出を図る。
その上でバス、タクシー乗り場を集約した車道の「交通広場」を設け、東口のグリーン大通り、西口のアゼリア通りの歩道拡幅も検討する。グリーン大通りでは国の戦略特区制度を活用して道路の占用許可基準を緩和し、イベント開催や露店営業を促す。
このほか、利便性向上のため、駅西口中央の出口を整備し、現在は1基しかないエスカレーターを数基に増強。東西をつなぐ高架通路の設置も目指すとしている。
同区はこれまで、子育て世代から人気を集める南池袋公園(同区南池袋)など4つの公園を軸にした池袋地区のまちづくり事業を進めてきた。隈氏は「池袋は東西にそれぞれの文化があり、この多様性を磨くのが大事。池袋らしく、新しい街にふさわしいデザインを考えていきたい」と事業の総仕上げへの意気込みを語った。