21R3.03.10 児童虐待ゼロを目指して 令和4年度中の児童相談所開設へ

【としまの子育ての現場から2】児童虐待ゼロを目指して 令和4年度中の児童相談所開設へ

~虐待の早期発見・早期対応の子ども家庭支援センターとハイリスク対応の児童相談所の両輪で児童相談体制を強化します!~

令和3年3月10日

豊島区は、日本一の高密都市であり、単独世帯や外国人の割合も高く、転出入で約3万人が入れ替わるなど地域コミュニティの希薄化に対応する様々な子育て施策に取り組んでいます。

そうした中で、児童虐待対応については、養育困難にある家庭や発達課題を抱えた児童・家庭への継続的支援に加え、コロナ禍での外出自粛による子育ての孤立感や閉塞感ほか、家庭経済の影響による養育への負担感などから、児童虐待の兆候が現れる家庭も増えており、迅速かつ的確な対応が必要になっています

児童相談所と子ども家庭支援センターとの両輪による児童相談体制を構築し、母子保健とのさらなる連携により虐待ゼロを目指します

全国的にも児童虐待等対応件数が増加しており、本区における児童虐待等対応件数も年々増加傾向にあり、令和3年1月末時点で、昨年度の792件を大きく上回る900件となっています。主な要因は、子どものいる前で夫婦喧嘩を行う、面前DVにより子どもへの心理的虐待が増加していることにあります。
子どもへの虐待は生命の危機のみならず、子どもの将来にわたって、深刻な傷を残すことになることから迅速かつ的確な判断のもと、確実な対応が求められています。区虐待対応件数の推移
こうした中で、本区は、子ども家庭支援センターで培ってきた経験と実績のもと、令和4年度中の児童相談所開設に向けて、鋭意準備を進めています。児童相談所設置により、これまで都と区が連携し行ってきた児童相談行政を、区が一元的かつ総合的に担う新たな児童相談支援体制として機能させることで、子育て支援、虐待対応、非行児童対応、障害児支援等の多角的な専門支援を身近な地域で迅速かつ丁寧に行うことが可能になると考えています。
特別区においてすでに開設している児童相談所の中には、子ども家庭支援センターの機能と児童相談所の機能とを併せ持つ、総合相談型の機能を有する施設があります。
本区は、児童相談所設置後も子ども家庭支援センターを地域の身近な子育て支援の拠点として存続させ、児童相談所と役割を明確にすることで、双方の機関が児童相談行政の両輪として、子どもたちの安全・安心を保障するシステムを構築します。これにより、児童虐待の早期発見と適切な在宅支援による予防への取り組みと併せて、専門性の高い困難事例への対応を強力に推し進めていきます。

対応内容

両輪のイメージ

長崎健康相談所との複合施設として整備し、妊娠期からの切れ目ない支援を

児童相談所は、豊島区長崎に長崎健康相談所との複合施設として整備します。

母子保健部局と子育て支援部局は、これまでも、「ゆりかご・としま事業」や個別ケース検討会議等において、情報共有を積極的に行い、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を行ってきました。児童相談所設置後も、これまで以上に、緊密に連携することで、乳幼児健診など、母子保健部局に特化した事業を通じて、子どもや家庭の課題解決に向けた必要な支援と介入をより迅速に進めることが期待できます。

豊島区児童相談所 概要

  • 開設予定時期:令和4年度中
  • 開設予定場所:豊島区長崎
  • 施設:長崎健康相談所、児童相談所等複合施設(仮称)
    外観部局での連携
    子どもたちが安心して健やかに成長できる環境整備に向けて「としまの里親プロジェクト」

    児童虐待ゼロへの取組みにあたっては、地域全体が児童虐待に関心をもち、地域による無数の目で、子どもたちを見守り、子ども一人ひとりが安全・安心に養育される環境が必要です。豊島区には、様々な家庭の事情により、親元を離れ社会的養護の下で生活する児童が100名程度おり、こうした児童には、できる限り家庭環境に近い家庭的養育が成長過程で必要であると言われています。

    平成30年10月に発足した「としまの里親プロジェクト」では、家庭的養育の担い手となる里親家庭の増

    進に向けて、様々な検討を進めていく中で、里親普及啓発の映画上映会や区立図書館での特集展示など、普及啓発活動にも積極的に取り組んできました。

    本区における里親登録数は、昨年度末で15家庭でしたが、本年2月時点で19家庭と増加しており、これまでの普及啓発活動が実を結んだものと考えております。

    里親家庭の登録業務は、現在、東京都の所管となっておりますが、児童相談所開設後は、基礎的自治体の強みでもある地域や関係団体とのつながりを活かし、里親登録家庭の更なる増進を図っていきます。

    「誰一人取り残さない」SDGsの理念のもと、子どもたちが将来にわたって、夢と希望を抱き、安心して健やかに成長できる社会の実現に向けた環境整備を進める中で、児童虐待ゼロへの取り組みを強化していきます。

    この報道発表に関するお問い合わせ

    子育て支援課 電話:03-4566-2488

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