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平成15年第4回定例会高橋佳代子議員質問と答弁

子ども達の笑顔輝く豊島へ」
2003平成15年11月27日

 公明党の高橋佳代子でございます。私は、公明党豊島区議団を代表いたしまして、「子ども達の笑顔輝く豊島へ」と題して、今回、議員になるまでに区民の皆様からお寄せいただきました声を中心に、一、アレルギー対策について、二、学校図書室について、三、たばこのポイ捨てと環境教育について、四、東池袋の放置自転車対策についての四点について質問させていただきます。
第一点目に、アレルギー対策についてであります。
平成十四年度の学校保健統計調査によりますと、喘息を持つ小学生・中学生・高校生の数は過去最高を記録しております。年間約四千名の喘息死は、減少傾向にあるとはいえ、先進国の中では最高水準にあり、思春期の喘息死に至っては逆に増加傾向にあるのが現状です。また、厚生労働省の調査によりますと、アトピー性皮膚炎にかかっている幼児は一歳半で十人に一人となっており、過去六年間で十六人が食物アレルギーによるアナフィラキシー、つまり全身に起こる急性症状で死亡していることが明らかになりました。花粉症も低年齢化が顕著になり、十五歳までに発症する子は親の世代の倍に上ります。さらに、国立成育医療センター研究所の調査で、二十歳代前半では九割近くが既に発症しているか、アレルギー予備軍であることが発表されました。
私ども公明党は、「アレルギー制圧十カ年戦略」を掲げ、これまで政府に対し対策予算費の大幅拡充を強力に推進してまいりました。その結果、国立相模原病院臨床研究センターや免疫・アレルギー科学総合研究センターが発足し、やっと病態解明・治療法などの研究がスタートしたところであります。また、アレルギー相談員の養成研修会も活発に行われるようになりました。そこで、本区における取組みについてお伺いいたします。
まず初めに、アレルギー疾患患者の最大の悩みは、困ったときあるいは受診していても病状が好転しないときに、どこの病院のどの医師を受診すればよいのかがわからないことであります。私も喘息を持つ子供がおりますので、身に染みて感じております。本区の公式ホームページを見ますと、保健所で行っている相談内容に「アレルギー」という文字はありません。しかし、東京都では、アレルギーを網羅して、相談窓口となる保健師のマニュアルとなるよう、アレルギー性疾患ガイドブックを作成しております。実際は本区におきましても窓口で相談に乗られているということでありますが、区民にわかりやすく利用しやすい相談体制の整備が求められます。また、本区のホームページから東京都アレルギーホームページにリンクしやすく工夫したり、ホームページ上での相談ができるよう、区民の側に立ったサービスが求められると考えますが、いかがでしょうか。
二番目に、本区における小中学生のアレルギー疾患の実態とともに、学校におけるアレルギー対応の体制づくりについてお伺いいたします。これは主に養護教諭の知識と経験によるところが大きいと考えますが、先日、公害健康被害補償予防協会が養護教諭のための「ぜん息をもつ児童生徒の健康管理マニュアル」を作成いたしました。この内容は、喘息児の学校生活を指導する上での注意点や学校でのケアについてまとめたもので、このマニュアルが学校生活で生かされるようにフォーラムも開催されると伺っております。しかし、アレルギー疾患に関しましては、まだそのメカニズムが解明されておらず、日々新たな質のよい情報を確保することが重要でありますが、今後、養護教諭の知識向上のためにどのように取り組んでいかれるのか、本区におきまして、学校でのアレルギー対応についてのお考えをお伺いいたします。また、学校は保健所で掌握し切れないすべての子供たちを把握しています。予防・啓発のためにも、またアレルギー疾患を持つ子に対するいじめをなくすためにも学校での対応が重要であると考えますが、区としてのお考えをお聞かせください。いずれにしましても、地域の病院や医師会・保健所・学校との連携が緊密になってこそ改善が図れると思います。区のご努力でアレルギー疾患の子供たちが減少していくよう、区の取組みに期待いたします。
三番目に、学校健診について別の角度から質問いたします。決算特別委員会でも触れましたが、子供たちの体は、小学校高学年から中学校へかけて急速に変化し始めます。この時期は、思春期とも重なり、心も体も非常にデリケートな時期であります。安心して体の成長に伴う悩みを相談しながら健診が受けられるよう、健診時には女性の医師も配置されることを子供たちの声として強く要望いたしますが、いかがでしょうか。教育長のお考えをお聞かせください。

第二点目に、学校図書室についてお伺いいたします。
行動する未来学者、ヘイゼル・ヘンダーソン博士は、幼い頃、よくお母さんの膝の上で本を読んでもらったそうであります。博士は、「そのときの温かみや気持ちのよさは何よりも素晴らしかった。そんな経験があったので、今度は自分が同じようにして娘に読書の楽しみを教えた。やはり自己開発には読書が一番であると思う」と言われております。子どもの読書活動の推進に関する法律が制定されて以来、全国的にこれまでにない勢いで子供の読書環境が整備され始めたことは大変に喜ばしいことであります。本区でも、朝の読書を実施する学校は四分の三を超え、ボランティアグループや保護者、地域の方々による学校での読み聞かせが着実に広がりを見せています。
現在、ほんの些細なことで自分をコントロールできずにキレてしまう子、自己主張だけが強く思いどおりにならないと暴力に訴える子、その結果、他人を傷つけ青少年犯罪につながっていく事件が多発しております。このように深刻化する青少年問題に対し、遠回りのようでも地道に子供の心を耕すこと、生きる力を育てること、そしてそのために、読書の果たす役割の大きさが再認識されたものであると考えます。私も、地域で読み聞かせのボランティアをしている一人として、子供たちに思いやりの心、希望、忍耐、協調性などを少しでも感じ取ってもらえればと、祈るような思いで活動をしております。今後は学校教育の中での調べ学習が、児童・生徒の主体的・意欲的な学習として、重要な位置を占めてくることと思います。そのためにも、学校図書室の充実は、教育改革の成否の鍵を握るものと言っても過言ではないと考えます。
そこで質問ですが、図書室を見れば学校がわかるといわれます。学校図書室は、従来、静粛に本を読む場であるということもあり、校内でも端の方に位置しております。しかし、これからの学校図書室の役割を考えるとき、極力学校の中央に置くべきであると考えます。保護者や地域の方々との接点にもなり、授業中や休み時間など、子供たちの学習をサポートする施設としても活用されるべきであります。調べものには書籍だけでなくインターネットやビデオ、CD、DVDと、視聴覚教材も豊富な時代であります。私が調べた学校図書室が活発に利用されている全国の学校では、静かに本を読むスペースと、友達と一緒に本を開いて調べものやディスカッションができるスペースと、二部屋を有している学校が数多くありました。本区におきましても、これからこのような発想の転換が必要であると思いますが、今後建設される学校に対するお考えをお伺いいたします。また、平成十四年第一回定例会におきまして、我が党の図書室に関する一般質問に対し、教育長は、「学校図書室の充実を目指して、…検討組織を設置し、施設設備、運営のあり方、地域図書館との連携…も含め検討し、改善を図ってまいりたい」とのご答弁をされています。その後の進捗状況をお伺いします。
文部科学省は、子ども読書推進法が制定されたことを受け、昨年度から学校図書館図書整備五カ年計画をスタートさせ、図書の充実を図っているところですが、子供たちの声を聞くと、図書室は古い本ばかりで読みたい本がないとの答えが数多くありました。そこで、本区におきまして、学校図書室の蔵書の整備状況と今後の取組みについてお伺いいたします。また、本の購入に際しましては、事前に調査を行うなどして、生徒の読書傾向にも配慮して購入されるよう提案いたしますが、現在どのような基準で購入図書を決定されているのかお伺いをいたします。
さらに、学校図書室には専門の司書が配置されることが望ましいと考えますが、昨今の状況から早急には難しいと思われます。そこで、司書教諭に期待をいたしますが、問題は、司書教諭が通常の学級や教科担任をしている上で、どの程度図書室運営のために携われるかということであります。また、その司書教諭が積極的に取り組まなければ、たとえ司書教諭がいても今までと何の変わりもないことが大いに予想されます。司書教諭が図書室運営に本気で取り組めるよう、職員の協力体制の確立や校務の分担、授業の持ち時間の配慮はどうしても必要であります。そこで、専門司書の配置が可能になるまで、地域のボランティアを募ってみてはいかがでしょうか。また、年間の授業計画を基にして、授業に沿って必要な図書類を子供の手に取りやすい位置に並べ替えるなどの整理も必要です。そのためにも全教職員が連携して校内研修や研究会を持ち、図書室を利用した学習活動や読書指導の充実を図っていくべきであると考えますが、教育委員会のお考えをお伺いいたします。
次に、区立図書館と学校図書室の連携についてであります。区立図書館は、来館する児童や生徒の検索の手伝いをしたり、また図書館員が定期的に学校へ訪問し図書の補修や管理をアドバイスしたりと、効率的な学校図書室の運営にも積極的に関わっていくべきであると考えますが、いかがでしょうか。また、子供たちの読書意欲を高めるためにも、杉並区の書評座談会のような区独自の取組みが必要であると考えますが、教育長の積極的なご答弁を期待いたします。

第三点目は、たばこのポイ捨てと環境教育について質問いたします。
先日、小学校の授業参観に伺ったとき、三年生が豊島区や街のことを勉強しており、「私の街の好きなところと嫌いなところ」をそれぞれが書き出しておりました。それを見て驚いたことは、ほとんどの子が嫌いなところに「たばこのポイ捨てが多い」と書いてあったことであります。一人の大人として、非常に恥ずかしく、申し訳ない思いになりました。
現在、ポイ捨てや歩きたばこなどが大きな社会問題となっております。本区におきましては、池袋駅周辺の環境美化が長年の課題であり、平成十一年の消費者意識調査では「汚い」が池袋のイメージの第一位となっております。平成十二年のデータによると一日約百三十五万人を超える乗降客が利用し、特に池袋駅東口は、ポイ捨てや歩きたばこが目に余る状況です。私も子供の頃、人込みの中の歩きたばこにより顔に火傷を負った経験があります。平日の朝は、出勤途中に改札を出るまでたばこを我慢していた人たちが路上に出ると喫煙し、そのまま路上に吸い殻が撒かれてしまいます。土・日も買い物客などで同様の状態であります。現在、区の職員を中心に地元企業・団体等の協力体制の下、駅頭で週三回のキャンペーン活動が行われており、心より敬意を表するものであります。先日、治安回復区民総決起大会が行われましたが、街をクリーンに保つことも治安回復に大きく寄与することであると考えます。そこで、現在、池袋駅東口で行われている環境美化キャンペーンについて、どのような効果があったのかお伺いをいたします。また、先日、議員協議会でも話題となった灰皿ですが、灰皿を撤去する区がある一方で、本区はポイ捨て防止のために灰皿里親制度を推進しておりますが、実施状況と効果はいかがでしょうか。お伺いいたします。
さらに、健康増進法施行以降、受動喫煙対策が大きくクローズアップされ、駅や集客施設の全面禁煙化が進んでおります。これに伴い、屋外での歩きたばこやポイ捨てが増えているように思われます。池袋駅環境美化のために、例えば東口駅前の大地の像付近に指定喫煙コーナーを設置してはいかがでしょうか。新橋や渋谷にも指定喫煙コーナーが設置されており、効果が上がっていると伺っております。区としてのご見解をお伺いいたします。さらに、緊急地域雇用創出特別補助金を利用して、清掃員を配置して美化に努め、ポイ捨てしにくい環境をつくることも考えられます。本区として、今後、池袋駅周辺の環境美化に対してどのように取り組まれていくのか、お考えをお伺いいたします。
このような問題は、突き詰めていくと、ポイ捨てや歩きたばこはモラルの欠如が原因であり、子供の頃からの啓発教育が非常に重要であります。また、街で分別されずに捨てられているごみが大きな問題となっており、これも大切なのは小さい頃からの教育であると考えます。先日、池袋駅東口の駅頭キャンペーンに池袋第三小学校の児童が参加し、子供たちの姿を見た方々が感心しておりました。本区におきましては、子供たちの環境教育のために、区の職員が学校に出向き、ふれあい環境出前講座が行われております。実際に触れながら、資源やごみの分け方など、生きた環境教育に取り組まれていると高く評価いたしますが、残念ながらすべての学校で実施されているわけではありません。これをさらに内容の充実を図るとともに、ぜひ区内の全校で実施し、親子揃って環境についての意識を高める機会となるよう積極的に取り組まれていくことを期待いたしますが、区としてのお考えをお伺いいたします。
先日、墨田区が小学生から高校生までを対象とした環境学習プログラムを策定いたしました。私も読ませていただきましたが、身近な生物や植物のことから始まる自然生態系や、川や水、ごみの問題、資源・エネルギー、地球温暖化に至るまで、学習のポイントやアドバイス、区内小学校での実践事例を挙げて詳しく書かれております。以前、私どもの会派から、環境教育の副教材として身近なごみ問題などの映像を使用し、理解を深めていくよう提案いたしました。その後、CD―ROMが作成されたと伺っております。現在、どのように使用されているのか、またその成果をお伺いいたします。先程も述べましたが、環境問題に関しましては、やはり小さい頃からの教育が最も重要であります。本区といたしまして、環境教育に対し、今後どのように取り組んでいかれるのか、積極的なご答弁を期待いたします。

最後は、地元東池袋の放置自転車対策についてであります。現在、サンシャインシティの周辺は、数多くの自転車・バイクが放置されております。区の調査によりますと、平日で毎日平均六百台以上の自転車と百五十台以上のバイクがサンシャインの周りに放置されていることが明らかになりました。土・日になるとその数はさらに膨れ上がります。現在、サンシャインには二カ所の駐輪場が設置されておりますが、あの建物に対し二カ所とも非常に小さく、毎日満車状態であり、とても収容し切れる数ではありません。サンシャインが建設された当時は附置義務がありませんでしたが、年間約三千万人もの人が訪れる場所であります。その意味からも、区がサンシャインシティに対しバスターミナルの一部を駐輪場として提供していただけるよう強く要望していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。今後、本区としてサンシャイン周辺の放置自転車に対しどのように取り組まれていくのか、合わせてお伺いいたします。
以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。ご清聴誠にありがとうございました。(拍手)
〔高野之夫区長登壇〕

区長(高野之夫)
ただいまの高橋佳代子議員のご質問に対しましてお答えを申し上げます。
まず、アレルギー対策についてのご質問にお答えいたします。
アレルギー性疾患は、本来、体に入ってくるダニや花粉などの異物を排除する免疫反応が正常に機能せず、過剰に反応することによって引き起こされますが、そのメカニズムについては未解明の点が数多く残されております。このような状況の中、アレルギー症状を引き起こす頻度の高い食品原料の表示の義務付けや、免疫・アレルギー科学総合研究センターや国立相模原病院のアレルギー臨床研究センターが設置されるなど、国がアレルギー対策に本腰を入れて取り組み始めました。また、アレルギー対策につきましては、原因の解明、医療体制の整備、正しい知識の普及啓発活動を初め、住宅の気密化など住環境、スギ・ヒノキの植林面積、大気汚染等の環境問題の改善が不可欠でございます。国や都の関係機関との役割分担と連携が必要になってまいります。
本区におけるアレルギー対策への取組みでございますが、まず保健所窓口での相談が第一でありまして、乳児健診時における健康教育や個別相談、健康被害予防事業等において、アレルギー疾患の予防と患者の健康回復を支援しており、専門医療機関への紹介も同時に行っております。さらに、本区としては、アレルギーの環境因子を改善する視点から、保健師による健康相談と環境監視員が室内のダニ抗原量やホルムアルデヒド等の化学物質を測定する室内環境調査を組み合わせた相談事業を先駆的に行っております。
次に、アレルギーに関するホームページの活用についてでございますが、ホームページ上での相談は、アレルギー専門職員の配置等の問題もあり、直ちに実現するのは困難でございますが、東京都健康局のホームページへのリンク等、区民が利用しやすいホームページの作成について努力をしていきたいと考えております。今後も、ご提言にもあります区民のニーズを踏まえた利用しやすい相談体制に留意しつつ、最新の情報や国、都の施策を取り入れながら、アレルギー対策を推進してまいる所存でございます。
次に、私のたばこのポイ捨てと環境教育に対する基本姿勢について申し上げます。
私は、この豊島区で生まれ育ち、これからもこの地を離れることはございません。私にとってふるさとといえるこの豊島区が、たばこのポイ捨てや街が汚れていくことに加えて、治安が悪化していき、汚い、怖いと思われることは、恥ずかしいと同時に、私自身の心や体が傷つく思いであります。高橋佳代子議員を初め多くの区民の方々も同様な思いではないかと認識をしております。このまま放置すれば、かつてのニューヨークのような街になっていくのではないかと危惧をしております。こうしたことから、高い評価をいただき、他区でも導入が予定されている灰皿里親制度等を初め、街の美観を損なっている落書きにつきましても、さらに対策を進めるとともに、街の美化と表裏一体であります治安対策を強力に推進してまいりたいと考えております。こうした視点に立ちまして、治安対策と環境美化の推進を図るための財源として、緊急地域雇用創出特別補助金の活用を強く指示し、二十三特別区の中で最大の予算を確保したところでございます。また、ご質問にありますように、ポイ捨てや歩きたばこ等に見られるモラルの欠如が顕著であり、その延長上に治安の悪化があるのではないかと考えております。したがいまして、人が人として良識ある行動をする足元からの環境教育をさらに積極的に推進していかなければならないと考えております。こうした基本的な考え方に基づき、今後も引き続きポイ捨て、環境教育、さらには治安対策の施策の充実・強化を最重要課題として推進してまいりたいと考えております。
なお、ご質問のたばこのポイ捨てと環境教育についての具体的な事項につきましては、清掃環境部長から答弁させます。また、その他の質問に対しましては土木部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁を申し上げます。
〔河原勝広清掃環境部長登壇〕
清掃環境部長(河原勝広)
次に、たばこのポイ捨てと環境教育についてのご質問にお答えいたします。
まず、九月から実施してきました二カ月間にわたります地元企業等との合同キャンペーンの効果についてでございますが、実施後の調査の結果、ポイ捨て吸い殻の本数は実施前の約三〇%、歩きたばこの数は約六〇%減少しており、実施の効果が得られていると考えております。
次に、平成十三年七月に開始しました灰皿里親制度につきましては、現在、二十九の商店街などにおいて四百十三台が設置されております。今年のアンケート調査におきましては、すべての実施団体で、ポイ捨て、歩きたばこが減少したという回答を得ており、確実な成果が上がっていると認識しているところでございます。
次に、ご提案の池袋駅東口への喫煙所の設置についてでございますが、池袋駅東口は区内で最もポイ捨て、歩きたばこが多い地域であり、ポイ捨て、歩きたばこへの重要な対策の一つといたしまして、喫煙所の設置につきまして、現在、関係機関と協議するなど、鋭意検討を進めているところでございます。また、来年一月から、緊急地域雇用創出特別補助金制度を活用いたしまして、池袋駅周辺における路上清掃、啓発PRを毎日実施したいと考えております。
次に、池袋駅周辺の環境美化への今後の取組みについてでございますが、先程申し上げました地域との合同キャンペーンなどをさらに進めるとともに、治安対策とも連携を図りながら、池袋の実態に合わせた総合的な環境美化対策をさらに推進してまいりたいと考えております。
次に、学校への出前講座につきましては、ご指摘にありますように、環境問題全体への広がりを工夫するなど、教育委員会ともさらに連携を図りまして、小中学校全校での実施に向け、働きかけを行ってまいりたいと考えております。
次に、CD―ROMにつきましては、平成十三年度に区立の小中学校に配付をいたしまして、現在、教材などに有効活用されております。しかしながら、データが古くなりましたことから、本年度中には新たなCD―ROMを作成し、より一層効果的に活用されるよう努めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、ご質問にありますように、環境問題は、子供の頃からの取組みが何よりも重要であると認識しております。区といたしましては、あらゆる機会を捉えまして、環境教育の拡大・普及に向けた取組みを今後とも積極的に進めてまいりたいと考えております。
〔増田良勝土木部長登壇〕
土木部長(増田良勝)
次に、東池袋の放置自転車対策についてのご質問にお答え申し上げます。
今あるサンシャインシティの駐輪場が狭く、その結果、駐輪できない人がその周辺に放置することとなっている事情もあると聞いておりますので、ご提案のありましたバスターミナルの一部を駐輪場として活用できないか、関係者と協議してまいります。現在、サンシャインシティ周辺には、三カ所程に集中して約六百台程度の放置自転車が存在します。今後のこれら放置自転車への対策でございますが、まず放置者の自転車利用目的、目的地の調査を行った上で、具体的な対策を検討してまいります。
〔二ノ宮富枝教育長登壇〕
教育長(二ノ宮富枝)
引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しましてお答え申し上げます。
まず、アレルギー対策に関する養護教諭の知識向上のための取組みについてのご質問にお答えいたします。養護教諭は、専門的立場から児童・生徒の健康を保持増進する役割を担っており、自主研究及び東京都の研究部会や区の学校保健会等による専門研修などを通じて、アレルギー疾患のある児童・生徒への対処方法を学んでおります。アレルギー疾患の増加傾向を踏まえ、最新の情報をいち早く取り入れ、適切な対応ができますよう、今後ともこれらの研修会等の充実を図ってまいります。
次に、アレルギー疾患を持つ児童・生徒に対する学校の対応についてお答えいたします。学校におきましては、児童・生徒のアレルギーの状況について、定期健康診断や保護者からの問診票を基に把握しております。年度当初には児童・生徒の個々の状況について校内の全教職員の共通理解を図り、給食における除去食や代替食による対応、埃が舞いやすい場所での清掃当番の免除等、原因物質に可能な限り触れさせないなどの配慮をしています。発作等の発症時や発症が疑われる場合には、担任、養護教諭より救急処置を施すとともに、直ちに医師の診断を受けさせるなどの適切な対応をとっております。また、ご指摘のように、アレルギー疾患を持つことを理由にいじめを受けることがないよう指導することも大切でございます。病気や障害に基づく偏見や差別がそれらの病気や障害に対する誤った認識や理解の不足によって生じるものでございますから、養護教諭の専門性を生かし、アレルギー疾患を初めとする病気や障害に関する正しい理解や知識を深められますよう、保健の授業等を中心に指導しているところでございます。
次に、学校健診についてのご質問にお答え申し上げます。高橋議員ご指摘のとおり、思春期における児童・生徒の心身の状況を踏まえますと、同性の医師による健診が望ましいものと考えます。しかし、女性医師の絶対数が少ない状況を勘案いたしますと、学校医の行う定期健康診断において女性医師を配置することは、非常に困難な状況でございます。今後も、ご提案の趣旨に沿えますよう、健診時における工夫も含め、区医師会とも協議し、検討してまいりたいと考えております。
次に、学校図書室についてのお尋ねでございます。
今後建設される学校の図書室についてのご質問にお答えいたします。学校図書室は、豊かな人間性を育む読書と調べ学習等の主体的な学習を支援するという役割を担っておりますので、ご指摘の位置や仕様についても、その役割に相応しいものにする必要があると考えております。現在建設中の南池袋小学校においても、情報媒体の多様化に対応して、図書室とコンピュータ室を隣接させ、一体的に利用できる構造にしております。また、学習・読書スペースを椅子の部分と畳敷きの部分に分けて様々な活動に対応できるようにしているほか、テラスを設け、リラックスした雰囲気の中で自由に読書を楽しむことができるようにしております。今後建設される学校におきましては、ご提示いただいた学校の中心に置いたらどうかというご提案も含めまして、位置や仕様の事例も研究をし、さらに利用しやすい図書室、子供たちにとって魅力ある図書室を目指してまいりたいと考えております。
次に、学校図書室の充実に向けた取組みの進捗状況についてお答え申し上げます。教育委員会の中に「学校施設のあり方検討委員会」を設置し、その中に図書室活用部会を設けて検討を行っております。各学校図書室の施設規模、蔵書、利用の状況などにつきまして現状調査を実施いたしました。改めて全体の蔵書冊数が少ない、調べもの学習用の蔵書が不足している、蔵書の保護分類整理が不十分である、昼休みや放課後の図書室の利用が進んでいないことなどの問題点が明らかになっております。現在、これらの課題についての対応策について検討を進めておりますが、本年度末までには充実に向けた取組策の具体案をまとめる予定でございます。
次に、蔵書の整備状況と今後の取組みについてお答え申し上げます。学校図書室の整備状況ですが、各学校とも概ね各分野バランスよく整備されておりますが、冊数においては、国の標準を下回る学校が多く見られます。また、調べもの学習のための辞典類が十分な冊数揃っていない状況が見られます。厳しい財政状況ではありますが、今後とも、確実に蔵書の冊数を増やす、傷んで古いものはできるだけ新しい本とするよう、工夫を行って、蔵書の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、購入図書の選定基準でございますが、学校図書室においては、辞典類と児童・生徒の心を育てる読み物等について、各分野バランスよく備えることを基準としております。多くの学校で、司書教諭が図書主任を務め、児童・生徒による図書委員と共に図書選定に当たっております。また、教職員及び児童・生徒へのアンケートを実施して、その結果を参考に選定を行っている学校も多く見られます。児童・生徒の読みたい図書を基準に沿って取り揃えられるよう、選定方法を一層工夫してまいりたいと考えております。
学校図書室への地域のボランティアについてのご質問にお答えいたします。現在、既に多くの学校で本の読み聞かせなどに保護者等のご協力を得ておりますが、図書室に専任の司書教諭が配置できない中では、ご提案のように、地域のボランティアを募って図書の整理や活用についても協力をいただくことは、図書室を利用した図書活動を充実する上で非常に有効な手立てといえます。地域ボランティアの活用方法につきましては、先程申し上げました図書室活用部会におきまして、現在、具体的な策を検討しておりますので、対応してまいりたいと思っております。
次に、校内体制の充実についてのご質問にお答えいたします。図書室を活用した学習活動や読書指導の充実を図るために、司書教諭だけでなく全教職員が連携・協力していくことは、大変重要であると考えております。教育委員会では、読書指導に関わる校内研究会等に指導主事を派遣したり、夏季休業中に「学校図書館の活用と読書教育の推進」をテーマに教員研修を行っております。図書室運営を全校体制で取り組める支援に今後ともさらに一層努めてまいりたいと考えております。教職員の資質・能力の向上を図りまして、図書室が有効に活用され、児童・生徒の読書に関する活動が充実するよう努めてまいりたいと思います。
次に、区立図書館との連携についてのご質問にお答え申し上げます。図書館では、子ども読書活動推進のため、図書館ごとに担当小学校を決め、全図書館に配置している児童担当の職員が学校を訪問して読み聞かせを行ったり、学級単位で図書館に招待して読み聞かせや図書館利用案内等を実施しております。また、児童・生徒による図書館カウンターの業務体験や、調べもの学習等に対するレファレンスにも対応しております。今後は、図書館職員の専門知識を活用した学校図書室との連携強化をさらに積極的に推進してまいりたいと考えております。
次に、区独自の取組みをしてはどうかとのご質問にお答え申し上げます。子供たちの読書意欲を高めるためには、日常的に本に親しむ環境づくりを進めるとともに、学校と家庭が協力して、子供に読書の習慣を身に付けさせることが重要であります。現在、区立小学校におきましては、ご案内のとおり、朝の読書活動など様々な読書指導を積極的に推進しております。また、小中学校教育研究会では、毎年、児童・生徒の読書作文募集を行い、作品文集を発行しておりますが、子供たちにさらにアピールするよう工夫し、充実を図ってまいりたいと考えております。区制施行70周年を機に始まった池袋西ロータリークラブ主催の江戸川乱歩作文コンクールの参加呼びかけも、さらに積極的に進めてまいりたいと存じます。教育委員会といたしましては、今後、新しい取組みにも知恵を出し合って、子供たちの読書意欲向上に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
以上をもちまして、高橋佳代子議員のご質問に対する答弁を終わります。