令和7年区議会第三回定例会一般質問
「誰一人取り残さないやさしさあふれる豊島の街づくり」

公明党区議団 北岡あや子

令和7年9月25日登壇

公明党の北岡あや子です。私は公明党豊島区議団を代表して、「誰一人取り残さないやさしさあふれる豊島の街づくり」と題し、1、防災・震災対策について 2、安心して住み続けられる街づくりについて 3、障がい者福祉施策について 4、多彩な文化の街づくりについて、一般質問させて頂きます。

今夏8月9日、議会を代表して「被爆80周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」に参列し、犠牲となられた方々に哀悼の誠を捧げ、被爆者の皆様に心より寄り添う思いを新たにいたしました。長崎平和公園や原爆資料館にも伺い、唯一の被爆国として平和を推進していく意義を改めて痛感するとともに、終戦80年の節目にあたり、命を守る政策をさらに進める決意を申し上げ、質問に入ります。

はじめに、1項目目、防災・震災対策について伺います。

本年5月28日、「災害対策基本法等の一部を改正する法律」が参議院本会議で可決され、「改正災害対策基本法・改正災害救助法」が成立しました。今回の改正は、能登半島地震において高齢者や障がいのある方々への支援体制の不足が大きな課題となったことを教訓としたものです。とりわけ注目すべきは、災害救助の種類として「福祉サービスの提供」が新たに明記され、福祉が災害法制の中に明確に位置付けられたことです。これは、公明党が強く訴え、推進してきたものであります。誰もが守られるという被災者支援の観点から極めて重要な改正であり、本区における災害時の支援体制に、福祉の視点をさらに組み込むことが求められるものであります。

この改正により、3つの重要な内容が示されております。その1つが「被災者支援の充実」であります。具体的には、「被災者に対する福祉的支援等の充実」「広域避難の円滑化」「被災者援護協力団体の登録制度の創設」「防災DX・備蓄の推進」であります。ここで課題となるのは、これらの新しい枠組みを区としてどのように受け止め、推進していくのかという点です。そこで伺います。

まず、災害対策基本法及び災害救助法に「被災者に対する福祉的支援等の充実」が明記されたことについて、本区としてのご見解をお聞かせください。

次に、「広域避難の円滑化」についてです。広域避難に際しては、避難元と避難先の市町村間での情報連携の推進や、市町村が作成する被災者台帳について都道府県の支援が明確化されました。本区として広域避難の円滑化をどのように検討されていくのかお考えをお示しください。

また、「被災者援護協力団体」の登録制度が創設されました。このような民間団体との連携について、本区においてどのようにお考えでしょうか、ご見解を伺います。

そして、「防災DX・備蓄の推進」も明記されましたが、本区としてどのように推進していくのかお聞かせください。

さらに、これらの法改正による被災者支援の充実を、区の地域防災計画にどのように反映させていくのか、区のお考えをお示しください。

昨年元旦に発生した能登半島地震の被災地である石川県珠洲市および穴水町を、本年8月18日・19日の2日間、公明党豊島区議団で視察いたしました。

街の様子は、まだ手付かずな部分も多く、倒壊した状態の家屋や傾いたままの電柱が未だ多くありました。建物被害は全壊・半壊含め15,227棟に及び無被害だった家屋は、わずか306棟であり、家屋の再建ができず、草が生えたままになった空き地も散見されるという状況でした。

海岸近くでは、地盤が沈下した状態にあり、ガードレールが海水に沈んだ場所や、コンクリートが隆起したままの道路もありました。

さらに、仮設住宅や災害廃棄物仮置き場、閉鎖されたままの珠洲焼会館、土砂災害現場も視察致しました。1年たっても未だなお、元の生活とはかけ離れた状況を余儀なくされている街の皆さまの心を思うと、あらためて震災の大きさと脅威を痛感し、想定外の災害対策の重要性を痛感しました。

今回の視察では、発災直後から継続して支援に携わる方々のお話を伺うことができました。

まず初めに、珠洲市では、被災者の見守りや相談支援を行うために設置された「珠洲ささえ愛センター」や「珠洲市健康増進センター」に伺うとともに、発災当時、支援の先頭に立ち指揮を執られた市役所復興推進室の三上豊子さんから、発災当初の深刻な状況について街の様子の説明を受けました。

「珠洲市では、石川県の被害想定に基づき、1,000人×3食×3日分、すなわち9,000食分の水や食料を各指定避難所や防災倉庫に備蓄していたものの、備蓄はすぐに底をついたこと。また、発災時が元旦だったこともあり帰省者含め避難想定数以上の7,000人を超える避難者が避難所に押し寄せたこと。さらに、道路やライフラインの寸断により救援活動は大きく制約を受け、必要な物資が現地に届くまでに半月ほどを要した。」との被災時の話をお聞きしました。まさに想定を超える災害であり、支援が行き届かない事態が現実に起きてしまった、とのご報告でした。

首都直下地震は、いつ発生してもおかしくないとされています。

本区においても、被害想定に基づき防災備蓄や訓練を進めておりますが、能登半島地震の教訓を踏まえれば、首都直下地震の際にも「想定外の事態」に直面する可能性を否定することはできません。災害対応においては、想定外を想定し備える姿勢が不可欠であると考えます。そのうえで重要なことは、まず、東京都が示している「想定内の最悪の状況」すなわち、「冬季の夜間に強風が吹いているという条件」であり、こうした厳しい条件下においても確実に対応できる体制を整えておくことが重要です。そこで伺います。本区において、災害発生時に「冬・夜・強風」という最悪の条件を前提とした場合、どのような備えを進めているのか、お聞かせください。さらに、「真夏の昼間」という、猛暑による熱中症や電力逼迫などの課題を伴う厳しい条件も想定されますが、こうした状況下での備えについても、区のお考えをお示しください。

また、想定内の最悪のケースを見据えたとき、現行の救援センター開設・運営訓練の在り方をどのように評価されているのか、また、最悪の事態を踏まえた救援センター開設・運営訓練の手法や内容の見直しについてどのようにお考えか、お聞かせください。

能登半島地震では道路の寸断が深刻な課題となりました。首都直下地震など大規模災害時においても、道路の寸断や通行困難が発生し、避難経路の確保に大きな支障をきたすことが想定されます。そこで伺います。大規模災害時に道路が寸断される事態に対して、本区は避難経路の確保をどのように検討しているのか、お伺いします。

また、災害時に情報が届かず避難が遅れることも大きな課題であります。特に高齢者、障がい者、外国人など情報弱者への情報伝達について、本区として多様な手段をどのように検討しているのか、お示しください。

そして、避難所への備蓄品や救援物資の輸送においては、道路の寸断による影響を免れることはできません。現行の体制では、特定の事業者に依頼していると伺っておりますが、今後さらなる体制強化の取り組みが必要であると考えます。そこで伺います。避難所への備蓄品や救援物資の輸送について、複数の輸送事業者との協定締結や、多様な輸送手段の確保などを含め、本区はどのように検討しているのか、お聞かせください。

珠洲市の被災地視察終了後には、珠洲ビーチホテル取締役総支配人杉浦稔彦さん、居宅介護支援事業所ケアプランすまいる珠洲の管理者吉原京子さん、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン珠洲事務所事業統括の橋本笙子さんを講師にお迎えして勉強会を開催しました。

珠洲ビーチホテルの杉浦支配人からは、能登半島地震において、道路が寸断され車での移動が困難となり、従来のような近隣地域からの通いの支援が成り立たず、宿泊を伴う支援体制が必要であったことが報告されました。支援者の宿泊体制を事前に想定していなかったため、被災地に駆けつけた多くの支援者が宿泊場所の確保に大変苦慮し、ホテルでは物資不足や客室の逼迫により、廊下や大広間を開放して対応せざるを得ず、支援活動にも支障を来したとのことでした。このような課題を踏まえると、本区においても災害時に支援者の宿泊施設を確保するためには、平時からの協定や連携が不可欠であります。そこで伺います。本区において、宿泊施設との防災協定の締結や公共施設の活用も含め、今後どのように検討を進めていかれるのか、お聞かせください。

次に、珠洲市のデイサービスすまいる、ケアマネージャー吉原さんから施設での避難状況についてお話を伺いました。発災時には「津波が来る」との声が広がり、施設が被災する危険にさらされたとのことです。そのため、利用者を連れて小学校や病院など、避難先へ移動したものの、とどまることが出来ず、安全確認が取れたことから、施設へ戻られたとのことです。いかなる状況にあっても、高齢者や障害者、病気を抱える方々にとって、災害時に安心して過ごせる環境と円滑な避難経路を確保することは極めて重要です。そのためには、平時からの十分な準備なくして、災害時の適切な対応は困難であると考えます。本区においては、高齢者、障がい者、乳幼児など特別な配慮を必要とする方々の避難場所として「福祉救援センター」が設置されています。そこで伺います。まず、福祉救援センター自体が被災した場合の体制整備や対応について、どのように検討を進めているのか、本区のお考えをお聞かせください。

さらに、福祉救援センターでの夜間における発災対応について、ガイドラインを作成していると伺っておりますが、実際に災害時に機能する実効性のあるガイドラインとなっているのでしょうか、本区のご見解をお示しください。

また珠洲市の勉強会では、世界を股にかけて支援活動をされている民間団体のピースウィンズ・ジャパンの橋本さんより、発災直後から支援活動を行い感じたことをお聞きしました。

橋本さんが強調されていたのは、「珠洲市の共助の強さ」であります。石川県珠洲市は、高齢化率が人口比で53.2%と非常に高く、独居で暮らす高齢者も多い地域です。それにもかかわらず、地域コミュニティのつながりが強いため、災害時すぐに安否確認が行われ、早期の支援につながり、円滑な初動対応をすることができました。現地の状況を目の当たりにし、地域で支え合う力強さと共助の重要性を改めて実感したとのことです。そして、橋本さんは市役所復興推進室の三上豊子さんと連携し、国からの支援であるD-MATよりも先に、救助の中核となる本部を立ち上げられた、とお聞きしました。このことからも、平時のつながりの重要性が分かります。

本区も多様な人々が共に暮らす街であります。災害時に力となる共助の強さを高めていくために、地域に根差したつながりを育んでいく取り組みが必要であると考えます。そこで、伺います。首都直下地震など大規模災害に備え、「顔の見える街づくり」を平時からつくる取り組みについて、本区のお考えをお聞きします。

さらに、要配慮者や外国人を含めた地域防災訓練が必要だと考えますが、本区の訓練拡充の方針について、ご見解をお示しください。

また、ピースウィンズ・ジャパンは車・船・ヘリコプターを365日いつでも稼働できる体制が整っているそうです。

このような体制を整備するのは公助が基本となるわけですが、ノウハウを持っているNPOやNGO団体との連携の重要性を痛感しました。そこで伺います。災害支援のノウハウを持つ民間団体との防災協定、連携についてどのようにお考えでしょうか。今後の方向性について伺います。

視察の最後に、石川県穴水町では市役所へ伺い、行政の立場からの支援状況を伺いました。発災時に地域の防災士が活発に支援活動を行い、特に外国人への支援にも積極的に取り組まれていたとの報告を受けました。同町では人口約6,700人に対し、防災士資格保有者が300名、実に人口の5%にあたり、令和7年度は資格取得費用補助枠も30名に拡充し、申し込みはすでに定員に達している、とのことです。防災士が地域の防災リーダーとして増加することは、地域における共助の力を大きく高めるものと感じました。本区においても、防災士資格取得助成制度の対象人数を7名から14名へと増員されたとお聞きしました。今後、さらなる防災士資格取得助成制度の対象人数の拡充について、本区のお考えをお示しください。

また、本区では防災士資格保有者への協力の呼びかけや、女性の防災リーダー研修の実施など、その活躍を支援する取り組みを推進していると伺っております。

しかしながら、研修を受けた方々が実際に合同で訓練を行い、連携して動けることが極めて重要であり、全員が参加できる実践的な訓練の場を設けることが必要と考えます。今後、こうした訓練体制の整備を含め、どのような方向性を持って防災士の活躍をさらに強化していくのか、本区のご見解をお聞かせください。

防災・震災対策の最後に伺います。先日見学させていただいた豊島区防災訓練(図上訓練)は、本番さながらの緊張感に包まれた、大変有意義なものでありました。各部署の横のつながりや役割の明確化、訓練内容のブラッシュアップが進められていることは、大いに評価するところであります。今後、首都直下地震をはじめとする大規模災害への備えにあたっては、「想定外を想定すること」が重要であると考えます。改めて本区として、区民の命を守る防災・震災対策の強化にどのような決意をもって取り組まれるのか、お聞かせください。

 次に2項目目として、安心して住み続けられる街づくりについて伺います。

まず1つ目、旅館業法施設における一部屋旅館の適正運営と地域との共生について質問いたします。昨日我が会派の西山議員が民泊について質問致しましたが、民泊に続き、豊島区旅館業法施行条例に基づく一部屋旅館施設においても、開業前の近隣住民とのトラブルが報告されております。「豊島区保健衛生事業概要の令和7年度版3環境衛生」には、旅館・ホテルの数が増加傾向にあると記載があり、さらに、「旅館業法許可施設一覧」には、建物名での登録でなく、一部屋での登録数が散見されます。そこで伺います。いわゆる一部屋旅館の申請増加に対し、一部屋旅館数はどのくらい増えているのでしょうか、お示しください。

そして、一部屋旅館の申請が増加すれば、それに伴い民泊と同じように地域でのトラブルも増えることが懸念され、対策が必要であると考えます。

先日、練馬区保健所生活衛生課環境衛生監視担当係の係長からお話を伺いました。練馬区では「練馬区旅館業法施行条例」に基づき、申請については区独自の手引き書を作成し、初期相談の段階で事業者に配布しているとのことです。その結果、事業者が事前にルールを理解し、住民とのトラブルを未然に防ぐ効果が出ていると伺っております。実際に、豊島区内でトラブルを起こした事業者が、練馬区では問題なく開業できている事例も報告されております。そこで伺います。本区においても、近隣トラブルを防ぐために、旅館業法施行条例の改正や独自の旅館業手引き書を作成し、初期相談や許可段階で活用するよう求めますが、いかがでしょうか、お考えを伺います。

また、地域の方からは「事前に説明があれば納得できたのに」「いつの間にか営業が始まっていて不安」という声が数多く寄せられております。現状では、事業者が近隣への説明会を開催することは制度上義務付けられておりませんが、地域の安心を確保するためには、説明会の開催を制度化する必要があると考えます。本区の方針を伺います。

加えて、苦情やトラブルが発生した際に、事業者や管理者が現地に常駐していないため、十分な対応ができず、問題が長期化するケースがあります。住民の安心を守るためには、責任を持って対応できる管理責任者の常駐が不可欠であります。本区において、営業従事者や管理責任者を常駐させる仕組みを導入する考えはあるのか、区のご見解を伺います。

一部屋旅館に限らず、事業者の常駐がないことによるトラブルへの対応強化を求めます。安心・安全な街づくりのために、区におかれましては条例整備について早急に取り組んでいただきたいと強く要望いたします。

 

2つ目に、DX推進について伺います。現在、本区ではDX推進の指針となる「豊島区DX推進計画」を刷新中と伺っております。新たな計画で目指す方向性は「すべての人がつながるスマートでやさしいデジタル社会」とされています。せっかく刷新するのであれば、住民サービスの向上、業務の効率化、そして誰一人取り残さない支援の拡充につながる内容であってほしいと考えます。そこで伺います。本区として、この計画をどのような方向性で進め、特にデジタル弱者へのさらなる支援をどのように位置づけているのか。区政全般におけるDX推進のビジョンについて、ご見解を伺います。

次に、来庁される方への支援もまだまだDX推進の課題があると考えます。取組をさらに発展させるものとして、近隣自治体の事例は参考になります。文京区では、音声を文字に変換して画面に表示する透明ディスプレーを障害福祉課や幼児保育課の窓口に設置し、耳の不自由な方や外国人住民との意思疎通に活用しています。さらに、港区や小金井市、小平市では、多言語音声翻訳に対応した透明ディスプレーを導入し、外国人住民の方々が安心して窓口相談を受けられるよう取り組んでいます。本区においても、このような最新技術の導入をはじめ、AIや多言語翻訳を積極的に活用した区全体のDX化を推進することで、より多様な住民に対応できる環境を整えるとともに、職員の業務負担軽減や行政サービスの質の向上にもつながると考えます。そこで伺います。本区において、音声文字変換や多言語翻訳を含むこのような最新技術を積極的に取り入れ、区全体のDX化を進めていくお考えはないのか、ご見解を伺います。

 次に3項目目として障がい者福祉施策について伺います。

障がいの有無にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らせる街をつくることは、自治体の重要な使命であります。本区としてこのような街づくりについて、どのような理念と姿勢で取り組んでいるのか、ご見解を伺います。

本年9月9日、大森えりこ衆議院議員、谷きみよ都議会議員と共に区議団で、「地域支援活動センター麦の家」、「障がい者支援施設いけぶくろ茜の里」、「重度障がい者向けグループホームniima」の3施設を視察いたしました。

まず、「地域支援活動センター麦の家」は、1984年に「麦の家作業所」として発足し、約40年にわたり、先駆的に地域に根差した障がい者福祉の増進に寄与してこられました。視察の際には、通所されている方々が、いきいきと楽しそうに創作活動に取り組まれており、私も素敵な作品を購入させていただきました。

こうした作品はさまざまなイベントで販売されておりますが、より多くの方に広く知っていただき、購入につながるよう、さらなる取り組みを望みますが、いかがでしょうか。

また、平成18年の障がい者自立支援法施行に伴い、小規模作業所は地域活動支援センターへ移行されました。その際、設立経緯の違いにより、各施設の運営費補助に差が生じている状況にありますが、本区としてどのようにご認識されているのでしょうか。そして、地域活動支援センターとして同じように運営されているのであれば、運営費補助は統一されるべきと考えますが、区のご見解を伺います。

次に、「障がい者支援施設いけぶくろ茜の里」について伺います。茜の里は設立から20年、入所者の自立や発達を支援し、生活の場を提供してこられました。近隣に入所できる施設が整備されたことで、多くの区民から感謝の声が寄せられています。

また、就労支援にも取り組まれており、地下にあるパン工場で焼き上げたパンを1階のカフェで販売しています。私自身も購入させていただき、大変おいしくいただきました。区役所4階でも販売されております。

一方で、設立から20年が経過する中で、入所者も高齢化し、足腰が弱るなど車いすを使用することになり、支援者がより必要になってきていると考えますが、そのような状況について本区はどのように認識していますでしょうか。

最後に、視察で伺った『重度障がい者向けグループホーム niima』についてです。

niimaは、重度障がいのある方が地域で安心して暮らすことを目的に整備された、区内初の施設であり、入居者の生活が丁寧に支えられている様子を拝見いたしました。視察を通じ、障がいのある方が地域で暮らし続けるためには、このようなグループホームの整備と運営が極めて重要であると実感したところです。区民でグループホームに入居されている方は229名、そのうち区内に入居されている方は81名、区外へ入居されている方は148名です。エリアは、北海道から佐賀県にいたる地方施設へ入所されている状況であります。そこで伺います。私ども公明党区議団としても重ねて重度障がい者向けグループホームの必要性を要望し続けてきましたが、今後の検討状況について、ご見解を伺います。

また、ショートステイにおける、緊急時受入れに伴う人員配置について、経費補助を要望しますが、区のご見解を伺います。

今回視察した3つの施設に共通する課題として、施設運営を支える支援員の方々のさらなる処遇改善が求められ、成り手不足が深刻であるとのお話を伺いました。そのような中で、その処遇改善が施設運営の鍵であると実感しました。本区では専門研修の受講費助成や処遇改善加算制度の活用を通じて支援に取り組んでいると承知しておりますが、これらの施策によって課題はどの程度解消されていると評価されているのでしょうか。さらに今後、担い手確保のためにどのような施策を講じていかれるのか、ご見解を伺います。

 

最後に4項目目として、多彩な文化の街づくりについて伺います。

今年度本区においては、街づくりの羅針盤である「基本構想・基本計画」が策定され、7つの街づくりの1つには、多彩な文化の街づくりを掲げています。

本区では障がいの有無に関わらず文化芸術に触れる機会の創出のため、本年3月20日にはバリアフリー上映会、「コーダ愛の歌」や「こころの通訳者たち」が上映されております。さらに、4月には「リラックスパフォーマンス『シンデレラ』ダイジェスト版」が上演されました。

この「リラックスパフォーマンス」は、我が党の浮島とも子衆議院議員が推進してきたものであり、照明や音量を調整し、途中での入退場も可能とするなど、バレエ鑑賞が初めてのお子さまや、長時間の着席が難しい方々も安心して楽しめる公演形態であります。そこで伺います。バリアフリー上映会やリラックスパフォーマンス「シンデレラ」ダイジェスト版の開催について、どのように評価され、また、今後の取り組みについて区のお考えを伺います。

先日、江戸川区において、バリアフリー演劇「星の王子様」を鑑賞する機会を得ました。そこでは、障がいの有無にかかわらず誰もが楽しめる数々の工夫がされていました。劇が始まる前には舞台に上がり、設営に触れて空間を確認できる仕組みがありました。さらに、演者に付き添う手話通訳、字幕や音声ガイドによる実況中継も行われ、子どもたちが自由に舞台に上がることも認められていました。視覚や聴覚に障害のある方を含め、会場全体が一体となって舞台を楽しむ様子に、私は大きな感動を覚えました。そこで伺います。是非、本区においてもバリアフリー演劇の実施を要望しますが、ご見解を伺います。

「基本構想・基本計画」の中に、障がい者や子どもをはじめ、あらゆる区民が文化に触れ、参加・体験・鑑賞できる機会を拡大することで、文化を通じた区民の交流を促進する、とありますが、今後、どのように運営について展開されていくのか、本区のご見解をお示しください。以上で私からの一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

公明党 北岡 あや子 議員一般質問答弁(未定稿)9/25

●区長答弁

 ただいまの、北岡あや子議員のご質問にお答えいたします。

私からは、防災・震災対策に対するご質問のうち、まず、災害対策基本法及び災害救助法に「福祉サービスの提供」が明記されたことに関する区の見解についてです。

能登半島地震では、避難所におけるプライバシー確保の困難さや環境の悪化、また、在宅避難者の中でも高齢者、障害者、乳幼児などの要配慮者が十分な福祉的支援を受けられなかった状況などが指摘され、「物的・医療的な支援」のみならず、個々の被災者に対する途切れの無い「福祉的支援の重要性」が改めて浮きぼりとなりました。

こうしたことを背景に、今回の法改正では、高齢者等の要配慮者、在宅避難者などの多様なニーズに対応するため、災害救助法第4条の「救助の種類等」に、「福祉サービスの提供」が追加され、また、災害対策基本法においても自治体等が行うべき「避難所における生活環境の整備等」の中に、「福祉サービスの提供」が明記されました。

今回の法改正の意義は、「物的・医療的な支援」にとどまらず、被災者一人ひとりに寄り添う「福祉的支援」を恒常的、かつ、計画的に実施する責務を自治体に与えることで、災害救助活動の初動から、様々な支援をきめ細やかに進めることにあると認識しております。

「被災者に対する福祉的支援等の充実」に関しましては、本区では、これまで、災害時要援護者名簿の整備をはじめ、個別避難計画の作成や、地域の見守り体制の強化、福祉救援センターを円滑に開設・運営するための訓練などに取り組んでまいりました。

今後も、法改正の趣旨を踏まえ、救援センターにおいて、避難者数や、トイレ、テント、食事、空調等の運営状況と、避難者のニーズを正確に把握するとともに、避難者に対して必要な情報を迅速に提供することを通じ、良好な生活環境の確保と、一人ひとりに寄り添った見守り・相談支援が実施できるよう、検討と訓練を重ねてまいります。

また、在宅避難をしている災害時要配慮者に対しては、CSW(コミュニティソーシャルワーカー)やMSW(メディカルソーシャルワーカー)などによる相談対応や避難生活上の支援など、災害発生時だけでなく、その後も、必要な福祉的支援を適切に行えるよう、関係団体と連携した体制強化に努めてまいります。

 

次に、区民の命を守る防災・震災対策の強化への決意についてです。

本区では、区自らの防災・震災対応の強化に向け、半年以上前から、災対各部それぞれにおいて、「自分の部では何ができていないか、何が心配か、何を優先事項とすべきか」といった課題を抽出し、具体的な検討を重ねてきました。今月2日に実施した豊島区総合防災訓練では、各部が検討してきた課題解決の方策を念頭に持った上で、発災直後からの初動対応と、全庁的な動きを確認する実践的な訓練を、区として初めて実施しました。

大規模災害の発生時には、正しい情報を速やかに集約し、その情報に基づき、全庁一丸となった組織的対応をとることが極めて重要です。

また、実際の災害では、想定外の事態が起きることを想定しておく必要があり、行政として、そうした事態に混乱することなく、的確に対応し得る「総力」を高めるため、今回の訓練の結果を各部及び全庁で検証し、不足な部分を強化するとともに、新たな課題を抽出し、改善を続けてまいります。

今回、全ての部局を挙げて、同時並行で実践的訓練を実施したことにより、参加した各自が、「こういう場合にはどうすべきだろうか」といった、現実的な想定に基づくイメージトレーニングができました。このイメージトレーニングこそが、まさに、「想定外を想定する」、そして、「想定外をなくす」ことに有益であると考えております。

加えて、大規模災害においては、発災直後から、職員一人ひとりが、区民の皆様を守るための行動を瞬時に開始できるかどうかが、極めて重要であり、今回の総合防災訓練は、職員がそうした意識を持つ上でも、有意義であったと考えております。

今後も、私自身が先頭に立ち、本区職員が一丸となって、区民の皆様の命と生活を守るための災害対応力の強化に、全力を尽くしてまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 政策経営部長答弁

私からは、安心して住み続けられる街づくりに対するご質問のうち、まず、DX推進計画の方向性とデジタル弱者支援の位置付け及び区政全般のDX推進のビジョンの見解についてです。

新たな「基本構想・基本計画」では、「デジタル技術を活用した効率的かつ質の高い行政サービス」をあるべき姿としています。これに基づき、来年度から始まる新たな「DX推進計画」は、「すべての人がつながるスマートでやさしいデジタル社会」を目指すべく、若手職員とCIO補佐官との意見交換の場を設定するなど、これまでにない新たな視点や要素を取り入れながら改定作業を進めております。

「DX推進計画」の策定に当たっては、基本計画でも定めている通り、デジタルデバイドへの配慮が重要であると考えております。

従来から取り組んでいる高齢者向けのスマホ教室や町会向けのDX支援など、ツールのあり方を習得するための支援に加え、昨日、区LINEをリニューアルしたように、今後もさらにSNSを活用した簡単で使いやすいオンラインサービスの構築や、プッシュ型情報配信の強化にも努めてまいります。

本区は、世代やデジタルリテラシーの有無にかかわらず全ての区民の皆様がデジタル化の恩恵を享受できるよう、区民サービスの向上と業務の効率化を両輪として事業を見直すことにより、「誰一人取り残さない」DXの取組みを推進してまいります。

次に、音声文字変換や多言語翻訳の導入による区全体の「DX化推進」についてです。

オンライン申請の拡充による「来庁不要区役所」の実現に併せて、「窓口DX」を推進することは、持続的に質の高い窓口サービスを提供するばかりでなく、誰でも安心して窓口を利用できるユニバーサルデザインの視点として大変重要です。

ご提案のディスプレイを活用した文字投影や翻訳を行うサービスは、日本語を苦手とする外国人の方々をはじめ、高齢者や障害をお持ちの方などの円滑なコミュニケーションツールとしての効果が期待されます。本区でも、既に導入に向けた検討に着手したところではありますが、生成AIの急速な進化など、日々状況も変化しており、先行自治体での運用状況を十分に検証しつつ、積極的に検討を進めてまいります。

区としましては、「DX推進計画」の改定を契機に、10年先の区政の在り方を見据え、AIをはじめとする新しい技術を積極的に取り入れていくことにより、多様化する区民ニーズへ、スピード感を持って対応することはもとより、アナログ規制の見直しなど、これまでの価値観にとらわれない抜本的な業務改善による効率化を目指してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 危機管理監答弁

私からは、防災・震災対策に対するご質問のうち、まず、広域避難の円滑化に関する区の検討方針についてです。

今回の法改正において、広域避難が必要となる大規模災害時には、避難元・避難先自治体間の連携と、都道府県による被災者台帳作成の支援が法的に明確化されることとなりました。

広域避難には、避難所の過密緩和や、追加的な医療・福祉サービスの活用、早期の生活再建が図れるといったメリットがある一方、長距離移動や生活環境の変化によるストレス、家族や地域コミュニティの分断、情報連携の課題、避難者台帳管理の煩雑さといったデメリットも存在します。

本区の対応としましては、まず防災協定締結先自治体への広域避難を念頭に、国や都の広域避難に対する検討や過去の災害の事例等を参考にしながら、有事には迅速かつ適切な広域避難対応ができるよう検討してまいります。

次に、被災者援護協力団体の登録制度創設に伴う民間団体との連携についてです。

能登半島地震においては、ボランティア団体やNPO、外食産業など民間事業者が活動し、被災者援護に大きな役割を果たした一方で、発災直後から駆け付けた団体は被災地の地方公共団体にとって事前情報がほとんどない中、全国から多くの団体が自主的に次々と被災地入りしたため、団体と地方公共団体との間で、被災者ニーズと団体の有する専門性のミスマッチが生じたり、連携体制構築に時間を要したりするなどの課題もみられました。

そこで、能登半島地震における災害対応の教訓を踏まえ、災害時に行政機関が行う被災者援護に協力する意向がある団体で、一定の要件を満たしている団体は、申請により「被災者援護協力団体」として、内閣総理大臣の登録を受けることができる、「被災者援護協力団体の登録制度」が創設されました。

この制度により、各自治体は平時から災害時に被災者の援護に協力する意向がある内閣総理大臣の登録を受けている団体及び当該団体の「協力業務を行おうとする地域」や「協力できる業務の種類」、「過去の活動実績」を知ることができます。

そこで本区においては、発災時に豊島区として協力を依頼できる登録団体をあらかじめ把握した上で、当該団体に対して、救援センター開設運営訓練への参加や区で行う研修での講師派遣を依頼するなど、平時から当該登録団体との情報共有や連携体制を構築できる方策を考えてまいります。

次に、防災DX・備蓄の推進方法についてです。

防災DXに関する今回の法改正がなされた背景として、能登半島地震においては、内閣府の物資調達輸送調整支援システム等の防災情報システムが活用された一方、これらのシステムを認識・習熟している者がおらず、混乱する局面が生じたことから、災害対策基本法第51条第2項に、「情報通信技術等の先端的な技術の活用に努めなければいけない」という一文が明記され、関係者間での迅速かつ円滑な災害情報の収集・共有を図るものとする改正がなされたものと認識しております。

よって今後はさらに、地震や豪雨等の大規模災害への備えとして、災害発生時の区民の皆様一人ひとりへの確実かつ迅速な情報伝達や救援センターでの受付・安否確認の効率化、多言語での情報案内などに資する、DXを活用した防災体制の構築が急務と考えております。また、備蓄についてもデジタル管理により物資の最適配置や流通が可能となります。

こうした観点から、本区では今年10月から区公式LINEを活用した救援センター入場の事前登録制度を導入することにより、避難の際の混雑や手続きの負担を軽減し、円滑な救援センターの運営を推進します。

さらに、10月からは総合防災システムが更新され、発災時の状況などが庁内で共有できるようになるほか、来年4月には、防災ポータルや専用アプリによる情報発信を開始いたします。

これにより、多言語化や情報へのアクセスが強化されるほか、救援センターの案内、被災状況など、より幅広く、迅速な情報発信が可能となります。さらに、今年度末には各救援センターの備蓄品も、システムによりデジタル管理できる体制を構築いたします。

今後も防災DXを推進し、すべての区民の皆様が安心できる災害対応力の強化に努めてまいります。

また、備蓄の推進に関する今回の法改正では、平時から必要な物資を備蓄しておくことの重要性から、災害対策基本法第49条に「地方公共団体の長は、毎年一回、物資の備蓄の状況を公表しなければならない」という第2項が新設されたもので、本区においても法の趣旨に則り、毎年その年の備蓄状況に関して公表をしてまいります。

次に、法改正による被災者支援の充実をどのように地域防災計画へ反映させていくのかについてです。

今回の法改正により、福祉的支援の充実、広域避難の円滑化、情報連携の強化、避難所運営支援団体の制度化など、実効性ある対策が明文化され、より迅速かつ的確な支援の確立と命を守るうえで重要な改正といえます。

本区では、今回の改正に関わるところでは、要援護者対策、救援センター管理システムのDX化、総合防災システムによる情報管理など既に取り組みを進めております。被災者の命と暮らしを守り、地域防災力の向上にむけて、今後も引き続き、法改正の趣旨を十分に踏まえ、また、法改正に基づいて整備されていく国や都のガイドラインに沿った実行可能な施策から取組みを拡げ、速やかに地域防災計画に反映してまいります。

 

次に、首都直下地震発生時、「冬・夜・強風」「真夏の昼間・猛暑・電力逼迫」などの状況下での区の備えについてです。

豊島区では、首都直下地震等の災害発生時に備え、都の被害想定を踏まえ、厳しい気象・時間帯条件も想定した対策を強化しています。特に冬季・夜間・強風下では火災の発生リスクが高いことから、不燃化特区における老朽建築物除却助成、戸建建替え促進助成や、感震ブレーカーの普及、家具転倒防止の助成などを進めています。また寒さをしのぐための物資の備蓄として、救援センターごとに蓄電池、毛布、長期保存カイロ等の備蓄も行っています。

一方、真夏の昼間においては、都の被害想定では、本区の停電率は、最も被害想定が大きい「都心南部直下地震」でも6.5パーセントであることから、一部の救援センターで、停電により空調が停止した場合は、空調設備が確保できている近隣の救援センターへの移動や補助救援センターの早期開設など含めて対応を考えております。今後も最悪の想定の下、多様な被害想定に対応できるよう、備蓄品や支援体制の強化、施設の環境改善等を継続的に進めてまいります。

次に、最悪の事態を踏まえた現行の救援センターの開設・運営訓練の評価と手法や内容の見直しについてです。

本区で現在実施している救援センター開設・運営訓練は、町会連合会からのご要望を踏まえ、今年度から34か所全ての救援センターで実施するとともに、訓練の内容を、区職員が到着しなくても、地域の皆様がご自身で、救援センターを開設し、その後の運営もできるための、より実践的な訓練内容に移行しているところです。

具体的には、これまでは防災危機管理課員や救援センター配備職員が、訓練参加者に開設手順などを説明しながら、可能な限りご自身でも、避難者の受付、段ボールベッドや簡易トイレの組み立てなどを行っていただいておりましたが、今後は、地域の皆様ご自身が、備え付けの「救援センター開設運営キット」を活用しながら、施設の点検、避難者の受付・受入れ、倉庫に備蓄してある必要な資機材を活用してマンホールトイレや簡易ベッドの設置などを行っていただきます。

このように、参加者自らが、開設や運営を試みることによって、例えば夜間の極寒期には、照明器具や防寒に必要な資機材がどこにあり、どのように活用していくかを考える機会になるなど、想定される最悪の状況下における対処能力を高めるための訓練として一定の評価ができると考えております。

現在実施している訓練は、参加者の皆様にまずは、救援センター開設運営をご自身で行えるための基本の修得を重点として実施しておりますが、訓練を繰り返していく中で、さらに、「想定される、より悪い環境」に対する事態対処能力を高めるために効果的な訓練を検討してまいります。

次に、大規模災害時における道路寸断時の避難経路確保策の検討状況についてです。

避難経路の確保は、区民の皆様の生命と安全を守るうえで極めて重要で、国道や都道、区道などの各所管が、平時から定期的に道路状況の点検などに努めており、災害時には道路管理者が連携して情報共有、早期復旧にあたります。

しかし、主要道路が寸断された場合には、あらかじめ区民の皆様が道路を知っておくことが重要です。幸い本区においては、1つの道路が寸断しても多くの場合、迂回できる道路があることから、今年度実施するドキドキ防災フェスでは、ご自身の防災マップを作るため、公園周辺を歩き危険個所などの確認の模擬体験ができるブースを設置し、日頃から区民の皆様が避難ルートを複数確認する意識を持っていただけるように努めてまいります。

また9月2日に実施した豊島区総合防災訓練では、災対土木部を中心に、緊急輸送道路をはじめとする避難経路を早急に確保するための道路啓開訓練を実施したほか、発災時には、区内の民間事業者との協定に基づく道路啓開活動を行うことがあることから、土木防災協会など民間事業者にも参加いただき、図上訓練を実施いたしました。

今後も、道路寸断時においても避難経路が早急に確保できるよう対応してまいります。

次に、高齢者、障がい者、外国人等の情報弱者への災害時の多様な情報伝達手段の検討状況についてです。

災害時の正しい情報伝達は、地域防災に重要であり、特に高齢者や障がい者、外国人など、いわゆる「情報弱者」への迅速かつ的確な情報提供が課題となっております。

とりわけ高齢者や障害者の中で、インターネットやスマートフォンを利用できない方は、従来型の媒体や区域一斉の情報伝達手段も必要です。また、外国人については多言語による発信だけでなく、日常的な防災意識向上や、分かりやすい日本語表現も必要です。

本区では、災害発生時には区ホームページ、LINE、X等のSNSを通じて災害情報を発信するとともに、デジタル機器が利用できない方のために防災行政無線及び防災行政無線を聞き逃した方のために、防災無線の内容を電話で確認できるサービスもあり、その電話番号は、ホームページや防災マップなどに掲載しております。

また、外国人のために、ホームページは多言語化に対応しており、さらに来年度からは新たに130言語に対応する防災ポータルを導入予定です。

今後も、いわゆる「情報弱者」への情報伝達体制の更なる充実を検討してまいります。

次に、輸送事業者との協定締結や多様な輸送手段の確保を含む、避難所への備蓄品や救援物資の輸送に関する検討状況についてです。

大規模災害発生時には、救援センターの円滑な運営と被災者支援のため、備蓄品や救援物資をいかに迅速・確実に輸送できるかが非常に重要となります。

近年、発災時には、自治体間のみならず民間事業者との連携強化の必要性が高まっております。複数の輸送事業者と協定を締結することで、災害時の輸送手段の多様化・リスク分散が進み、円滑な物資供給体制の構築が期待できます。

本区では、これまで、東京都トラック協会や赤帽(小規模運送事業者)と協定を結んでおりましたが、さらに昨年度よりJPロジスティクスと協定を締結し、今年度からは同社との間で、備蓄物資の管理委託を行うことで、本区備蓄物資の把握と発災時の救援センターなどの拠点への移送を依頼します。また、それを補完するため、今年度は新たに「AZ-comネットワーク」とも協定を結ぶことで、輸送体制の一層の強化を図っております。

今後も各協定事業者と連携を深めつつ、訓練や輸送ルートの検証を通じて、更なる輸送体制強化に積極的に取り組んでまいります。

次に、宿泊施設との防災協定や公共施設の活用を含めた、災害時における支援者の宿泊施設確保策についてです。

災害時には、区内外から集まる災害ボランティア、医療チーム、行政職員など支援者の宿泊施設を迅速に確保することが必要になってまいります。

そこで、あらかじめ宿泊施設との協定を締結し災害時に迅速に利用できるよう、現在、池袋ホテル旅館組合、巣鴨ホテル旅館組合との間で協定締結に向けた準備を進めております。

また、こうした支援者などの宿泊需要を充足できない場合に備え、救援センターとして活用しない体育館等の公共施設についても、必要に応じて一時的な宿泊場所として活用できる体制整備を検討してまいります。

これらの仕組みを事前に整えておくことで、発災直後から支援活動がスムーズに展開でき、早期復旧に大きく貢献できるよう努めてまいります。

次に、「顔の見える街づくり」を平時からつくる取り組み及び要配慮者や外国人を含めた地域防災訓練の拡充についてです。

大規模災害が頻発する中、実際に命を守るための最初の行動は住民同士の助けあいによって大きく左右されます。

本区においては、都心区特有の課題として、コミュニティの希薄化が進む中で、地域住民同士のつながりを強化するコミュニティづくりが重要であり、町会等が主催する防災訓練や祭などの行事は、地域住民の顔の見える関係の構築に資するものと考えております。

また、高齢者や障害者など要配慮者については、介護や障害サービス活用によりサービス提供する事業者とのつながりや民生委員・児童委員、高齢者総合相談センターなどの日頃の見守り活動等を通じて日常的な関係構築が進んでおります。

これらの日頃からの顔の見える関係づくりに加え、発災時に備え、要配慮者や外国人の方々が地域の防災訓練に参画することは、災害時の情報伝達の円滑化、実際の避難行動のシミュレーション、多様な視点での課題把握等、地域全体の防災力向上に寄与すると考えております。

本年7月に実施した避難生活支援リーダー・サポーター研修でも、車椅子利用者や視覚に障害のある方、区内在住の外国人も参加され、さまざまな課題と課題解決のヒントなど有意義な成果を得ました。

今年度の救援センター開設運営訓練は、町会員や救援センター配備職員だけでなく、救援センターとなる学校の児童・生徒や保護者、防災士、女性防災リーダーなどへの呼びかけや、広報での開催の周知など、年齢や国籍を問わず、幅広い方々への参加を促しております。今後はさらに、外国人コミュニティ、区内の大学生、地元企業の皆様に訓練参加を呼びかけ、多くの分野の皆様が参加していただけいる地域防災訓練の実施に努めてまいります。

次に、災害支援ノウハウを持つ民間団体との防災協定締結と連携に関する見解及び方向性についてです。

能登半島地震においては、自治体と多くのNPO・NGOなどの民間団体が連携し、発災後の避難生活や生活再建が迅速かつ円滑に進んだ例があったと認識しております。

災害支援のノウハウやネットワークを持つNPOなどの民間団体との関係づくりを進めていくことは重要であることから、本区でも、各種団体や学校、民間事業者を含め、多数の団体と協定の締結に努めております。

こうした締結先の中には、様々な発災の現場で災害支援の実績のある事業者も多くあります。

先般、内閣府主催で本区で実施した、避難生活支援リーダー・サポーター養成研修において、過去の被災地支援を担ったNPO団体のコーディネーターやスタッフなど4名が講師として指導にあたり、実際の体験談や実践的なアドバイスなど大変参考になる研修でした。

今後も、研修や訓練などでこうした民間団体等に対して講演や講師派遣を依頼するなど、平素からの関係づくりを進めるとともに支援団体との協定の締結についても検討してまいります。

次に、防災士資格取得助成制度の対象人数拡充についてです。

本区では令和4年度から、毎年7名の助成を開始しましたが、発災時の災害対応の充実を図るため、今年度から助成枠を倍の14名に拡充したところです。よって、今年度拡充した14名の助成枠を当面維持しつつ、今後の助成制度の成果や区民ニーズ等の状況を注視し、必要に応じ、拡充を検討してまいります。

次に、訓練体制整備を含めた防災士の活躍強化の方向性についてです。

本区は、令和元年から「女性の視点からの防災講座」を開催しており、本講座の受講者を中心に、「女性防災リーダー」となっていただける希望者を募っているところです。

そして今年度は、この「女性防災リーダー」及び区の助成により防災士資格を取得した方、また、ご自身で防災士資格を取得した方々による、「としま防災チーム」を結成する計画を立てています。

今後は、「としま防災チーム」が救援センター開設・運営時のリーダーとして活躍していただけるよう、研修会や勉強会の開催を計画してまいります。

また、救援センター開設・運営訓練などの各種訓練にも参加していただき、防災士資格取得者や女性防災リーダーが連携して動けるための「合同訓練」となる場を持ち、発災時には防災士資格取得者としての知見を十分に発揮し、活躍できる体制を強化してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 文化スポーツ部長答弁

私からは、多彩な文化の街づくりに対するご質問のうち、まず、バリアフリー上映会やリラックスパフォーマンス「シンデレラ」ダイジェスト版の開催の評価と今後の取り組みについてです。

新たに策定した基本構想・基本計画では、障害者や子どもをはじめ、あらゆる区民の皆様が文化に触れ、参加・体験・鑑賞できる機会を拡大し、文化の裾野を広げることとしています。

バリアフリー上映会とリラックスパフォーマンスは、としま未来文化財団が、この新しい基本構想・基本計画に基づき、自ら企画・実施した事業です。

リラックスパフォーマンスをご覧いただいた区民の皆様からは「子どもと一緒に手拍子をとりながら楽しめた」「小さな子を連れてバレエを観られるなんて嬉しかった」「娘が目を輝かせていた」等の多くの好意的なお声をいただいています。

区は、豊かな心と彩りのある文化を育むために、文化政策のパートナーであるとしま未来文化財団と「両輪」となって推進してまいります。

次に、バリアフリー演劇の実施についてです。

バリアフリー演劇についても、基本計画の方向性と合致した取組みです。字幕・手話通訳・音声ガイド等の鑑賞サポートについて、先進事例を参考にしながら、としま未来文化財団や、障害者団体等とも連携をはかり、実施について検討してまいります。

 

次に、「基本構想・基本計画」におけるあらゆる区民や文化に触れ、参加・体験・鑑賞できる機会の拡大による文化を通じた交流の促進に向けた今後の運営についてです。

障害や経済的な事情等の理由によって、文化に触れる機会の少ない区民の方々に、その機会を提供していくためには、地域の方の協力が欠かせません。

としま未来文化財団の「としま文化応援団事業」と連携し、地域で文化活動を行う区民や団体の皆様を積極的に支援するとともに、学校や民生委員・児童委員、若者の支援を目的とするNPO等が持つ地域の情報や、企業のノウハウも活用し、アウトリーチ的な手法も交えながら、日ごろ文化に触れる機会の少ない区民の皆様に、文化に触れる機会を提供し、文化の裾野を広げてまいります。

また、まちのなかで音楽やアートに出会い、感じ、体験できる環境づくりによって、劇場や美術館等に出かけなくても、誰もが文化に触れることができる機会を創出することも重要です。区では現在、そのような体験を提供するため、「としまミュージックサークル」等の事業の実施や「モンパルナス回遊美術館」等への支援を行っています。

今後も、区民の皆様がまちの中で音楽やアートに出会い、生活を豊かにする後押しができるような事業を積極的に展開してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 福祉部長答弁

私からは、防災・震災対策に対するご質問のうち、まず、福祉救援センター被災時の体制整備と対応に関する検討についてです。

本区では福祉救援センターとして、介護型として区内特別養護老人ホーム10か所、障害型として区内障害者福祉施設等9か所、子育て支援・乳幼児対応型として区立保育園等18か所を指定しています。

これまで福祉救援センターでは、ガイドラインを作成し、開設訓練を実施してきました。今年度は、事業者等と協議をしながら、備蓄物品の整備を進めているところです。

近年の大規模災害においては、福祉救援センター自体が被災もしくは機能不全に陥る事例が報告されています。

そのため、今後は、福祉救援センターが被災した場合に、状況に応じて相互に補完できる体制の構築や、補助救援センターの活用、福祉救援センターの指定の追加など、その代替機能の確保について、民間福祉事業者の意見を踏まえ、検討を進めてまいります。

次に福祉救援センターの発災時ガイドラインの実効性についてです。

現在、介護型、障害型の福祉救援センター指定施設向けに、福祉救援センターの平常時の準備から、発災時の開設、運営、閉鎖まで、必要な対応についてまとめた設置・運営ガイドラインを作成しています。また、発災時に参集した誰もが行動できるよう、開設までの具体的な行動を示したアクションカードを作成し、訓練に活用しています。

9月2日に実施した総合防災訓練でも、アクションカードに沿った訓練を行い、概ね問題なく、開設までの動きを確認することができましたが、収容想定人数の見直しなど新たな課題も明らかになりました。

今後も、夜間の発災など様々な状況に対応できるよう、訓練を繰り返し実施することで課題を洗い出し、より実効性の高いガイドライン、アクションカードとなるよう見直しを図り、災害対応能力の向上に努めてまいります。

次に、障がい者福祉施策に対するご質問のうち、まず、障害の有無にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らせる街づくりに関する区の理念と姿勢についてです。

新たな基本構想・基本計画では、全体を貫く考え方として3つの理念を掲げています。そのひとつ、「誰もがいつでも主役」では、障害の有無を含めた心身の状況や、ジェンダー、年齢、国籍など、さまざまな違いを認め尊重し合い、区民の皆様一人ひとりが幸せを感じ、あらゆるライフステージにおいて健康で自分らしく過ごせるまちの実現を目指すものとしています。

さらに、新たな基本構想・基本計画では、「区民の声を丁寧に受け止めること」を区政運営の基本姿勢としています。

こうした理念と基本姿勢のもと、障害のある方やそのご家族、障害福祉サービス事業者などの声をきめ細かに汲み取りつつ、障害のある方への理解を広げ、住み慣れた地域で、誰もがいきいきと暮らし続けられるよう、本人が望む社会とのつながりや自立した生活を地域全体で支えあうまちづくりを進めてまいります。

次に、障がい者の創作活動作品の更なる周知についてです。

麦の家を始めとする地域活動支援センターや、駒込・目白福祉作業所などの施設では、個性豊かな障がい者アートによる布製品やビーズアクセサリーなどの創作を行っています。これらの作品については、施設のみならず、区役所4階カフェふれあい前での展示販売や、はあとの木マルシェ、ふくし健康まつりなど、様々な場面を活用して販売を促進し、ホームページやSNSでの周知も展開しています。

障害のある方の創作活動は、体験の場や自己表現に留まらず、広く社会に発信し、多くの方々にその作品が鑑賞されることで経済的対価を得る機会を生み出すものです。こうした活動を通じて、一人ひとりが社会に参画する喜びを感じ、輝く未来を切り拓いていく一つの糧となります。

今後は、福祉分野の事業における紹介にとどまらず、イケ・サンパーク ファーマーズマーケットをはじめ、より多くの方の目に触れる展示機会を拡充するなど、各事業所の販売促進につながる支援に取り組んでまいります。

次に、地域活動支援センターの運営費補助についてです。

地域活動支援センターは、障害者の創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流を促進する福祉施設です。

平成18年の障害者自立支援法施行により、小規模作業所から地域活動支援センターへと移行する前は、「麦の家」を含めた知的障害者を対象とした施設については、区による補助が、精神障害者を対象とした施設については、都による補助が行われていました。

地域活動支援センターへの移行後も、当時の補助額を基本としているため、施設による補助額の差が生じています。

地域活動支援センターの補助額については、設立の経緯のみならず、事業の目的と効果、事業運営に必要な人員や設備等から総合的に検討し、判断すべきものと考えています。

したがって、各施設の現在の利用状況や運営実態を詳細に把握し、分析するとともに、他区の状況も踏まえ、本事業のあるべき姿に沿った補助金の再構築を進めてまいります。

次に、障害者支援施設「いけぶくろ茜の里」における入所者の高齢化に対する認識についてです。

障害者の高齢化は、日本全体での傾向であり、厚生労働省の統計によれば、障害者全体における65歳以上の高齢者割合は、平成20年から平成30年と比較すると、46パーセントから52パーセントへと6ポイント増加しています。

こうした入所者の高齢化への対応によって、施設での支援に一定の負担が生じていることは認識しておりますが、全国的な課題であることから、施設の人員配置基準や報酬額を含めて、国が主導的に解決すべきものと考えております。

国による令和6年度の報酬改定では、入所者の高齢化を踏まえた加算の見直しが行われています。これまでも、障害福祉サービス事業所が安定的に事業を運営し、ニーズに即したサービスを提供できるよう、報酬を引き上げることを、特別区長会を通じて、国に要望しているところですが、今後も引き続き、国の政策動向を注視し、要望を続けてまいります。

また、区における高齢化への対応として、介護・医療機関との連携を強化するとともに、地域生活支援拠点の整備など障害のある方の生活を地域全体で支える仕組みづくりを進めてまいります。

次に、重度障がい者向けグループホーム整備の今後の検討状況についてです。

区外のグループホームへの入居者も多くいる中、とりわけ、重度障害の方にとっては、利用できるグループホームが区内ではniima(ニーマ)のみとなっており、喫緊の課題と認識しています。

新たな重度障害者向けグループホームの設置に向け、本年度、障害福祉課内にプロジェクトチームを設置し、検討を進めています。

整備地については、車での送迎が可能な適地をあらためて選定するものとしており、現在、未利用地を含めて、具体的な候補地の選定に着手しています。

さらに、区民ニーズや他自治体の事例を踏まえつつ、ショートステイや相談支援をはじめとする併設する機能の可能性や、事業者に対する補助のあり方など、効果的な整備運営手法の検討を進めています。

今後は、年内に整備方針を取りまとめ、来年度での公募を目指すべく、積極的に検討を進めてまいります。

次に、ショートステイにおける緊急時の受け入れ体制や人の配置に対する経費補助についてです。

本区では、障害のある人の重度化・高齢化や親亡き後を見据え、緊急時においても切れ目ない支援体制を構築するため、障害者の生活を地域全体で支える「地域生活支援拠点等事業」を推進しています。

障害の種別ごとに拠点となる事業所を指定して、コーディネーターを配置し、緊急時に備えた事前の準備や緊急対応にあたっており、その人件費等を補助しているものです。

緊急時の受け入れに伴うショートステイ事業所の人員配置に対する経費補助については、利用実態を踏まえ、必要な支援を検討してまいります。

次に、支援員の成り手不足と処遇改善についてです。

障害福祉の現場で働く方々の成り手不足については、全国的な課題と認識しています。国においては、障害福祉現場で働く方々の成り手不足について、令和4年10月以降、職員の給与のベースアップへ確実に繋がるよう加算率の引き上げを行う措置を講じています。

このような中、区では、より高度な専門性を有する職員を配置するため、強度行動障害支援者養成研修や同行援護従事者養成研修などの受講に際し、費用の一部を助成しています。

また、法内給付事業ではない地域活動支援センターについては、令和5年度より、区独自に処遇改善加算として、運営費を増額しています。

これらの区の取組みによって、サービスの質の向上や職員の定着について、一定の効果はあると考えられるものの、福祉に関わる職員全体の処遇を高めることは、本来、国が主導的に解決すべき性質のものと考えています。

これまでも、処遇改善に資する基本報酬の引上げなど、福祉人材の確保、育成のための財源の確保について特別区長会を通じて、国に要望しているところですが、今後も引き続き、国の政策動向を注視し、要望を続けてまいります。

また、区においては、専門研修の受講費用助成や、独自の処遇改善加算のみならず、専門人材確保のための大学生の実習支援、福祉のしごと相談・面接会の実施など、現場レベルでの人材確保に向け、引き続き取り組んでまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 池袋保険所長答弁

私からは、安心して住み続けられる街づくりに対するご質問のうち、まず、一部屋旅館の増加数についてです。

平成30年の旅館業法の改正により、ホテルでは10室以上、旅館では5室以上必要であった客室の最低数が撤廃され、一室での営業、いわゆる一部屋旅館での営業が可能となりました。一室での営業、いわゆる一部屋旅館は、マンションの一室や戸建てにおける1グループを宿泊させる形態の旅館で、インバウンド需要の高まりや宿泊ニーズの多様化を背景に大幅に増加しており、8月末時点では、旅館業の許可をしている全632施設の内、356施設が営業しております。

次に、地域でのトラブル防止策として、旅館業法施行条例の改正や旅館業手引き書の作成、一部屋旅館開業前の近隣説明会の制度化及び営業従事者や管理責任者を常駐させる仕組みの導入についてです。

まず、旅館業法施行条例改正については、苦情・トラブルの発生状況や区内のホテル旅館業界団体などの意向、他区の条例改正の動向を確認するなど検討を進めてまいります。

また、許可申請における必要な手続きを示す旅館業の手引書の作成については、許可申請が増加傾向にあることから、その必要性を認識しており、年度内に作成し、事前相談や許可申請時に活用してまいります。

さらに、旅館業開業前に近隣説明会を実施することについては、実際に事業者が自主的に開催し、地域での不安の解消につながった事例もあることから、その制度化について検討してまいります。

営業従事者や管理責任者の常駐は、苦情や緊急対応など近隣トラブル防止の観点から有効な手立ての一つと考えられます。現在、本区では、玄関帳場の設置に替え、緊急対応のため、10分以内の駆け付け体制の要件を設けておりますが、更に常駐させる仕組みの導入について、検討してまいります。

以上をもちまして、北岡あや子議員のご質問に対する答弁を終わります。