令和 7年予特 区民・福祉費  3月 6日島村議員

認知症対策

○島村高彦委員  おはようございます。本日もよろしくお願いを申し上げます。

それでは、まず最初に、認知症対策についてお尋ねをいたします。今回の一般質問で、根岸議員のほうからもございましたが、私のほうは、主に認知症の予防対策というところに重点を置いてお尋ねをいたしたいと思います。

一般質問でやったように、認知症に対する社会の理解や周辺の理解というのは非常に大切なことでございまして、またそういったことに加えて、できるだけこの認知症の人を増やさないという取組を中心にお尋ねをいたします。

厚生労働省やいろんな機関が、今後認知症の人が非常に増えてくるということを指摘しているところでございます。これで、こうした人が増えますと、既に社会問題化しているんですけれども、家族が介護離職ということで、それまで勤めた会社を辞めて、会社にしても、人材不足の中で大きな痛手となってしまうと、大きな経済的損失が発生すると。さらには、医療・介護や福祉の関係者の負担が非常に増してしまうと。さらに医療費、介護給付費が増えて、保険料も増えて、税金も増えるというふうにつながっていってしまって社会が大変なことになるというふうに認識をしているんですけれども、本区も同じ認識だと思うんですが、思うということで、これ以上は聞きませんが、したがって、予防対策が非常に重要で、これにやはり集中的、継続的に力を入れて取り組まないといけないだろうというふうに感じているところでございます。

そういったところから、早期予防を目的とした早期発見を一生懸命やっているところでございますが、私も最近になって知ったんですけれども、認知症になる人というのは、20年ぐらい前からもう脳の変化が始まるそうなんですね。非常に潜伏期間が長いということで、びっくりしました、せいぜい二、三年のうちかなと思ったんですが、20年も前なんですって。だから、80歳で認知症になる人というのは、60歳からもうそれが始まっているというところで、私も非常に危ないんですけれども、そういった中で、なかなかこの認識が区民の中で持てないと。今回のお答えでは、対象者の1.7%しか検診を受診してないというところで、こういったあまり自覚を持てない人に対して検査を受けさせるには、どういうふうに取り組んでいこうと考えているのかお聞かせください。

○今井高齢者福祉課長  認知症検診につきましては、早期発見という、早期受診につなげるということもございますが、一方で、その啓発ということも大きな目的になってございます。直接受診につながらなくても、節目の年齢に御案内を送ることによって、自分事として考えていただくといったこと、こういったことは地道に続けていきたいというふうに考えてございます。

また、認知症予防につきましては、やはり様々要因がございますが、やはり社会活動を続けていくということも重要だと思いますので、介護予防と認知症予防、一体だと思っておりますので、そういったところを念頭に、まずは介護予防とか、参加しやすいところからつなげていきたいというふうに考えてございます。

○島村高彦委員  今ですね、次にお聞きしようとすることもお答えいただいたんですが、外出頻度が少ないほど認知症の機能障害が発症するリスクが高いというところで、外出が減れば歩く機会も減って、筋力が低下するだけではなく、人との会話や刺激が減ってくると。こういったことによって、やはり認知症につながるということで、今課長さんがお答えいただいたような対策ですね、これを引き続き続けていただきたいというところなんですが、最初の質問で、対象者なのに自覚のない人ですね、それによって検査を受けない人、こういう人に呼びかけることを考えないといけないんですね。今も言ったように、もう50、60から始まっているわけですよ、ええ。そういう人は結構、まだ仕事も忙しくて、なかなかそういう検診を受けようという気持ちも起きないですよね。だけど、そういう状態の人がもう始まっているんで、早期に治療しないと、後々、もうあなたも家族も大変なことになるんだよということを知らせなきゃいけないと思うんですね。そうしますと、今現在やっているように、ぜひ御参加くださいみたいなレベルでは、なかなか気がつかないだろうと。もっと強く、刺激的な言葉を使って、なかなか行政なんで、やたらなことは言えないというのは分かるんですが、そういった壁を打ち破って訴えていかないと、大変なことになるんではないかということなんですね。そういうところで、お答えを求めても気の毒なんですけど、何かお考えがあればお聞かせしてもらいたいなというのが最初の質問です。

○今井高齢者福祉課長  やはり認知症検診受けないという理由の一つは、今認知症がなったら怖いものだというような認識があるといったところも、逆にあるのかなというふうに感じております。認知症になっても安心して暮らせるんだというような、今、国の認知症基本計画でもありますような、新しい認知症観というところを進めていくことが、やはり認知症に対しての抵抗感といいますか、そういったものを減らしていくということが、危機感をあおるということも重要かとは思いますが、逆に、そういった認知症になっても安心だといったところを啓発していくことのほうが認知症検診に対してのハードルを下げることにつながるのではないかというふうに考えてございます。

○島村高彦委員  その辺は私の考えと真逆なんですよね。認知症になっても安心して暮らせるというようなことは大切なことなんですけれども、やはりそういったことが前面に出て、検診を受けないということにつながってくんじゃないかというふうに思うんですね。その辺、区は区のお考えがありますからあれですけど、私の考えとして、一つ強くお話をさせていただきます。

それで、実際にいろんな治療法、予防法が発達してきておりまして、最も多いのがアルツハイマー型の認知症だと。このアルツハイマー認知症というのは、脳内でのアミロイドベータの異常蓄積が原因で発病してくんだということがもう分かっているんですね。このアミロイドベータが蓄積が始まってから十数年、20年近い期間をかけて認知症が発症するというところで、まずはこの検査を、どうやってやるんだか分かりませんが、このアミロイドベータがたまっているかたまってないかの検査を積極的にやることによって、逆に、まだ何の自覚症状もない人もちょっと検査を受けてみようかなというふうに思ったりするんではないかと思うんですね。その蓄積が始まった段階では、軽度の認知障害ということらしくて、このときに治療すれば、完全に治るというふうなことが言われております。

この問題の、このアミロイドベータの蓄積を防ぐための薬というのがもう発見されておりまして、本区のほうでも、来週ですか、3月14日に「認知症最新情報!新薬『レカネマブ』ってどんな薬」というような認知症支援講座を開催するようになっているようでございます。これはどのような目的を持って、どういう効果が期待できると、目指して開催される講座なんでしょうか。

○今井高齢者福祉課長  その講座は、毎年、地域包括支援センターですね、高齢者総合相談センターが地域の方に向けて、認知症についての理解を深めていただくということを目的にしている講座でございます。今年度は、医師会の先生の御協力を得まして、委員がおっしゃったようなテーマで開催をするものでございます。新しく承認されたばかりということで、区民の方の関心も高いというのではないかということで、今回企画したものでございます。

○島村高彦委員  それで、具体的にこの薬をどういうふうにしていくのかというような内容についてはやらないんでしょうか。

○今井高齢者福祉課長  そちらの新薬については、今使える病院がかなり限られてございます。近隣でいきますと、健康長寿医療センター、都立大塚病院といった大きな、副作用で脳出血などのリスクもあるというふうに言われておりますので、そういったことがフォローできる病院というふうに限定されて、指定を受けているところでございますので‥‥。早期に発見された場合は、そういった病院におつなぎして、治療の対象かどうかというところをまず検査していただくところから始まっているというふうに聞いております。

○島村高彦委員  副作用があるということで、なかなか簡単に誰でもぱっぱとできるというものでないということは分かりました。

これ、ちなみに、金額はどのぐらいかかるんですかね。

○今井高齢者福祉課長  かなり、1回当たりそれなりに、すみません、具体的な金額を、ちょっと把握してございませんが、高額医療の対象になるぐらいの金額になるというふうには把握しております。

○島村高彦委員  ということは、副作用や金額ということがネックになって、なかなかこれも進んでいかないということが考えられるんではないかと思うんですね。そういったときに、ある程度の補助を出したり等々の対策が、もし効果が高いということが判明してくれば、そういったことも考えられると思うんですが、まだそこまでは考えてないというね。

○今井高齢者福祉課長  この辺りの認知症施策に関しては、東京都などですとか、医師会のお考えと情報ですとか、まだあまり情報が集まっていない状況ですので、そういったところの情報収集をまずはしていきたいというふうに考えてございます。

○島村高彦委員  分かりました。

それで、このパンフレットを見たんですけどね、またさっきの話に戻るんですけど、お気軽に御参加くださいって書いてあるんですね。私はこれがよくないと思ってんですね。ええ。もうちょっと緊迫性を持たせるような表現にしていただきたいと思うんです。いや、そうしなければ、区民なんていうのは、やはりなかなか自分事として捉え切れないんですよね。認知症の怖さというのをもっともっと伝えていかなければ、やはりなかなか、何か区役所がお決まりの何かイベントやっているみたいに捉えられてしまうというふうに思っておりますんで、ぜひその辺もよろしくお願いいたします。

それから、さっき検診で飛ばしてしまったんですけど、豊島区の場合、現状ホームページで見ますと、検診として、ヒアリングフレイルチェック、あと補聴器に関する講演会や相談会、さらに物忘れチェックというのをやっているんですが、それ以外の検診ということは特にやってないんですよね。

○今井高齢者福祉課長  認知症に関してということになりますと、主にそのヒアリングフレイルのチェックと、認知症検診、物忘れチェックということになってございます。フレイル対策については、そのほかフレイルチェックなども実施してございます。

○島村高彦委員  そういったところから入っていくということで、それはそれでいいかと思います。

今いろいろな認知症の測定技術がどんどん発達してきておりまして、せんだっての研究発表では、認知症との関連性が高い、血液に含まれるたんぱく質が特定できるというような論文がありました。20年先までの認知症の発症リスクを予測したところ、遺伝子検査と同等異常の精度であることが確認をされたということで、これはどのようなものかって御存じではないですか。ないね。分かりました。

このように、どんどんこの検査手法も発達しておりますんで、ぜひこういった情報を集めて、そういった検診方法も工夫をしながらやっていっていただきたいと思います。こういった検査も、一定の年齢以上、今回答弁では、検診受診率を、60から50歳に下げたということで、大変にいいことだと思うんですね。それ以外のいろんな検診法も、ぜひ若い世代がこの認知症というものに自覚を持っていただいて、検査を受けることができるようにしていただきたいと思います。また、こういった薬以外にも効果的な運動が、運動療法なんかもいろいろと発達しております。さっき言ったように、感覚神経を刺激することによって認知機能が向上するということは分かってきていることだそうでございます。こういった認知症専門の運動療法士さんというのがかなりいらっしゃるようで、こういった方々の知見を集めて、徹底した予防対策を行っていただきたいというふうに思っております。いずれにせよ、区民の認知症に対する意識改革に取り組んでいただきたいというのが私の希望でございますが、それに対して何かあれば、よろしくお願いします。

○高際区長  高齢化が進んでいますし、独り暮らし高齢者が多い豊島区においては、本当に認知症の対策というのは極めて重要だと思っております。今、誰でも、自分自身が認知症にもなるし、家族もなる、もう当然のことだと思って対策取ってかなきゃいけないと思っています。

委員からお話ありました物忘れチェック、70歳、75歳、80歳の区民と、それから50歳から79歳の希望者が受けられます。私も一般質問の答弁調整のときに、あ、そうなんだということを改めて認識して、早速問診票を取り寄せました。区内37か所の医療機関でできますので、受けようと思っています。結果は、多分ですね、どっちにしても明らかにしないと思いますけれども、私自らも自分事と思っているんで、受けようと思っていますし、受けます受けましたということも発信をしてきたい。とにかく自分事として捉えてもらうような取組は力を入れたい。

課長が答弁申し上げましたように、もう認知症、当たり前の社会になっていくんで、安心できるような環境を整えるというのが行政の大きな役割ですけれども、それとともに、委員がおっしゃるように、私もだという、すぐ検査もしてやるべきことはやるようにという、自分事として捉えることは極めて重要だと思いますんで、まずは私が受けて、受けたことを発信してまいりたいと、このように思います。