R6年決特委員会 10月21日 全部の補足

重層的支援体制整備事業

○辻薫委員  よろしくお願いいたします。地域共生社会の構築に向けた取組としての重層的支援体制の整備状況について、伺いたいと思います。

豊島区では、区民からの相談が複雑化、複合化していく中、相談を幅広く受け止め、寄り添って解決していくための重層的支援体制整備事業、いわゆる断らない相談窓口の構築へ向けまして、国の事業に先駆けて準備されまして、令和5年度より本格実施されております。これまでの本区の取組に対し、高く評価させていただきたいと思います。

そこで、同事業の実施計画には、計画期間を令和5年度の1年間とし、令和6年からは、豊島区地域保健計画に統合するとこのようにありますけれども、このことにつきまして、まず、御説明いただきたいと思います。

○小林福祉総務課長  本区の重層的支援体制整備事業につきましては、令和3年、4年に、移行準備期間を経てまして、令和5年から本格実施という形になってございます。

この本格実施に伴いまして、この重層的支援体制事業の計画は既に策定しておりますけども、御質問にありました同事業の保健福祉計画の改定の統合につきましては、まず、この事業が高齢者、また障害者、子ども、生活困窮などといった各分野、また属性を問わないということで、分野横断的な事業として実施されるということなので、そういうことを踏まえまして、保健福祉分野の上位計画である地域保健福祉計画に、豊島区の地域保健福祉計画の改定に合わせて、このたびの計画、この計画を統合したという、そういった形になってございます。

○辻薫委員  ありがとうございます。本当に様々、組織体制から、また予算の整備とか、様々、この実施に当たっては準備していただいてるということでございます。

今定例会の一般質問で、高橋議員が豊中市社会福祉協議会の視察を通して、CSWによる取組を取り上げました。その中で紹介された事例として、生きづらさを抱えた子どもへの伴走型支援や定年後の都市型農園への参加支援は、3つの事業体系である相談支援と参加支援、さらに、地域づくりに向けた支援そのものでございます。本区の断らない相談窓口の整備については理解していたものの、私も参加しました、この豊中市の視察においては、参加支援や地域づくりに向けた支援の具体的な取組を目の当たりにすることができたわけでございます。

そこで、この2つの支援、参加支援、また地域づくりに向けた支援につきまして、本区の取組についてお聞かせください。

○小林福祉総務課長  参加支援と地域づくりに向けた支援の取組状況につきましては、代表的な取組について少し御紹介したいと思います。

まず、参加支援につきましては、まず、本人が抱える社会とのつながりなどの課題に対して、相談者の、まず、ニーズを把握いたします。その中で、公共施設、福祉施設などをはじめ、地域の活動拠点など、サロンなどがございますけども、そういった社会資源を活用しながら、地域、社会とつながりやすくなるよう、CSWが本人と寄り添いながら、伴走型の参加支援を行っているといった状況になってございます。

また、くらし・しごと相談センターでは、一人一人の状況や課題に応じた支援を行っておりますけども、中でも就労支援に当たっては、単に企業を探すという取組だけではなくて、受け入れやすいような調整を図るとともに、就労後も本人の定着支援、また企業に向けての継続的な支援も併せて行っているといった状況となってございます。

また、次に、地域づくりに向けた支援についてですけども、こちらにつきましては、CSWと、あと、高齢者のいわゆる生活支援推進員が中心となりまして、居場所づくり、またサロン活動など、地域の活動を支援する社会支援の立ち上げ支援ということで取組を行っているところでございます。

CSWの活動事例につきましては、多文化交流会や、またイベントの開催支援、またDVなどの課題を持つ外国籍のシングルマザーの居場所づくりの支援なども行っております。

あわせて、ひきこもりの状態にある主婦の方の支援につきましては、民生委員、また町会、地域活動団体などとも地域づくりについて考え、その方の特技などを生かして、例えばエコたわし作り教室なども実施しているような事例もございます。

また、8圏域、高齢者総合相談センターに配置されております生活支援委員につきましては、誰でも食堂の立ち上げ支援、また介護予防を目的とした地域サロンの立ち上げ支援など、地域の、地域住民が主体となって様々な地域課題を解決し、安心して暮らせる住みよい地域づくり、地域の、地域社会の構築の一助となるような取組として行っているところでございます。

○辻薫委員  今、細かく説明していただきましたけど、また、この実施計画では、この3つの支援を一層、効果的、円滑に実施するために、アウトリーチ等を通じた継続的支援、多機関協働による支援を新たに機能として強化して、一体的に実施するとしています。アウトリーチ等を通じた継続的支援については、本区では、特にCSWと連携しての取組となっています。複雑化した課題を抱えている人を適切な窓口につなげるまで、支援を継続していくためには、CSWへのフォローが大事であることが、豊中市の視察で感じました。CSW事業は、豊島区民社会福祉協議会への委託事業です。それだけに、区としては、豊島区民社会福祉協議会へのより一層の支援が必要であることは、一般質問でも答弁をいただいておりますけども、具体的な支援の取組について、簡潔にお答えいただきたいと思います。

○小林福祉総務課長  社会福祉協議会につきましては、お話しいただいたとおり、地域の担い手として、またCSWあるいは生活支援員が配置する中で、この重層的支援体制事業を行っているところでございます。

まずは、令和4年度につきましては、福祉部の関係課長と社会福祉協議会の事務局長、また課長との意見交換を通じまして、それぞれの受託事業の進捗状況と、あるいは課題などについて情報共有を行っているところとなってございます。

また、今年度につきましては、庁内で実施しております新人研修とか福祉部研修というものがございますが、そちらのほうの情報提供を行っておりまして、社会福祉協議会の人材育成の一環として、そういった支援に努めているようなところとなってございます。

特に、個別支援を行っているような状況もございますけども、今後は、CSWのスーパーバイズが必要だというところも課題としてなってございますので、そういったところを取組の一つとして、今後、そのスーパーバイズが可能となるような体制づくりについても、取組として進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○辻薫委員  様々説明していただくこと、多いと思いますけども、もう一つの多機関協働による支援については、福祉包括化推進会議が設置されていますけども、これまでに解決に向けた事例がありましたら御紹介いただきたいと思います。

○小林福祉総務課長  まず初めに、5年度の地域包括推進部会の開催実績につきましては、年間9回、9回開催されまして、事例検討は11件となってございます。その中の事例といたしましては、例えば高齢の母親を介護しているために退職された弟さんがいらっしゃいました。そこに、ひきこもりのお兄さんがいたといった事例がございます。これにつきましては、まず、弟さんの状況を確認しながら、母親のほうの介護については、高齢者福祉課と連携しながら、母親の介護についての介護プランの見直しを行って、弟さんが仕事に就いたといった事例もございます。あわせて、ひきこもりであったお兄さんに対しましては、保健所等の訪問を通じまして、精神科病院につながったということで、この事例については、5年度の事例の中でも比較的好事例として各課の中で共有されたものとして認識しているところでございます。

○辻薫委員  ありがとうございます。様々な皆さん、共有を行って、1人のために頑張っていただいていると思います。

最後に、田中福祉部長に、今後の取組について伺いたいと思います。

○田中福祉部長  重層的支援体制整備事業ですけれども、本区が目指す断らない相談窓口、それにつないで、様々な支援を行っていくということで、本格実施はしておるところではございますけれども、まだまだ庁内で、福祉部中心ではございますが、その体制が万全に取られているという状況ではございません。さらなる人材、職員の人材育成あるいは関係団体等の支援者の育成ということも図っていかなければ、この体制は盤石にはなっていかないのかなというふうに思っておりますので、今後もそうした関係団体との連携を深めながら、人材育成あるいは体制の整備、強化に向けて努力してまいりたいと考えております。