(平成18年11月28日登壇)
「誰もが安心して暮らせる 笑顔あふれる豊島をめざして」
公明党の高橋佳代子でございます。私は、公明党豊島区議団を代表いたしまして、「誰もが安心して暮らせる 笑顔あふれる豊島をめざして」と題し、1、教育について、2、子育て支援について、3、介護保険について、4、障害者雇用について、5、その他について一般質問をさせていただきます。
初めに、1項目目として、教育について6点にわたり質問いたします。
現在、いじめによる子どもの自殺が全国で相次いでおり、文部科学大臣あての自殺予告手紙が本区で投函された可能性が高いことから、大きな騒動となりました。かけがえのない大切な子どもの命です。最悪の事態を防ぐために、昼夜を問わず迅速に対応されました関係部署の方々に感謝を申し上げます。私は、今こそ未来を担う大切な子どもたちのことを真剣に考えていくべきときが来ていると痛感いたします。
まず1点目に、心の教育についてお伺いいたします。
いじめや自殺の報道が多い中、今の緊急課題は子どもたちに命の大切さを様々な機会に徹底して伝えていくことであると考えます。1人の命の大切さ、一人一人がかけがえのない存在であることを繰り返し伝え、いじめに対しては、絶対に許さないとの毅然とした態度で立ち向かっていただきたいと思いますが、人間性を豊かに育む心の教育について、今後、どのように取り組んでいかれるのかを伺います。
また、善悪についてもあいまいにせず、困っている人がいたら助ける勇気を持つ。その人の立場に立って物事を考えるなど、家庭教育と連動し、地域の教育力も生かしながら、心豊かな子どもたちの育成を目指す体制づくりに全力で取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
2点目に、いじめ対策について伺います。
いじめで、将来ある大切な命が奪われる悲劇は、絶対になくさなければなりません。いじめ問題の解決は、早期に発見する支援体制構築が重要であります。うちの学校は関係ないと言われる教師も一部おられるようですが、いじめはどこにでも起こることを教師自身が近いし、意識の変革をしていかなければならないと考えます。いじめを根絶するために、校内委員会の設置を提案いたしますが、いかがでしようか。また、いじめの早発発見・早期対応へ、教育委員会を核とした、福祉・保健などの相談機関とのネットワークを構築し、校長会や保護者も加えた、いじめ対策連絡会議を設置することを提案いたしますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。
3点目に、子どもの相談体制について伺います。
本区は、子どもの悩みを聞く相談電話を教育センターに開設し、はがきやメールでの相談も開始されました。しかし、匿名の相談については、はがきでは、一方通行になってしまい、メールも発信元が特定されることから敬遠される可能性があります。やはり、電話相談が最も有効であり、現行の4時30分までではなく、子どもたちが相談しやすい開設時間の拡充が必要と考えます。同様の事業を行っている他の自治体では、夜9時まで相談に対応しておりますが、今後の取組みを伺います。
4点目に、スクールカウンセラーについて伺います。
本区では、全区立中学校には、1週間に1回、全区立小学校には、2週間に1回、スクールカウンセラーが派遣されております。中学校は、東京都からの派遣でありますが、小学校については、区独自の事業として教育センターから派遣されており、17年度の小学校の相談件数は、5,245件と、前年度より大幅に増加しております。
児童については、自分から相談ができれば、何らかの対応がされていきますが、心配なのは、誰にも言えず苦しんでいる児童であります。お父さん、お母さんに心配をかけたくないと気遣う心優しい子ほど、とかく、より深刻化し、不登校へとつながるケースがあります。今だからこそ、教員と違う専門家の目で子どもたちを見守り、見えない問題に迅速に対応できる体制づくりが急務であります。また、せめて、週1回、カウンセラーが学校を訪問することによって、教師の意識も変わり、適切な助言が速やかに行えるようになります。財政が厳しいことは、十分承知しておりますが、子どもの命は、何物にも代えられません。そのことを財政当局にも強く噛みしめていただき、小学校のスクールカウンセラーを週1回に拡充されることを強く要望いたしますが、いかがでしょうか。
5点目に、教師力の向上について伺います。
現在、18年度新規重点事業として、子どもの笑顔を増やそうキャンペーンが行われております。授業力・学級経営力を高めるため、先駆的な取組みをわかりやすく情報発信し、経験と英知を結集しながら取り組まれていることは高く評価いたします。そこで、このキャンペーンが始まってからの成果と今後の取組みについて伺います。
また、このような時代にあって、これからの教師は、これまでの教え、指導する力の向上はもちろんのこと、カウンセラーの手法を身に付けることが求められております。最大の教育環境は教師自身であり、教師の人間力によるところが大きいといわれますが、特別支援教育の導入もあり、その必要性は高まっております。今後のお考えを伺います。また、いじめの温床となりかねない学級経営困難については早急に察知し、柔軟な補助員の配置を要望いたしますが、いかがでしょうか。
6点目に、不登校対策について伺います。
先日、教育センターを視察させていただきましたが、不登校児童・生徒が自分の居場所を見つけ、毎日生き生きと学習している様子を伺いました。本区の不登校児童・生徒数は、17年度で小学校16名、中学校76名であり、教育センターでは柚子の木教室やマイスクールネットで教育的支援を行っております。しかしながら、問題なのは、どこにも行けず、誰ともつながっていない児童・生徒であります。小中学校でつまづき、学力が追いつかなくなってしまうと、思うような進路に進めず、ひきこもりになってしまうケースがあります。本区として、このような児童・生徒に対し、どのように働きかけをし、対応をとられていくのかを伺います。また、不登校が続くにつれ、学年の持ち上がりや担任の移動など、学校側もいつの間にか、それが当たり前になってしまい、訪問や連絡を取る回数も減少していく傾向にあるようです。今後、どのように指導され、どう対応されていくのか、お聞かせください。
いじめは、暴力です。いじめている側が100%、1,000%悪い。また、子どもを見守る保護者や教師が鈍感であってはなりません。子どもたちの生命に、序列はつけられません。誰もが1番で、誰もが最高なのです。それを教えるための学校です。自分は頑張れば、何でもできるんだという自信を、1人残らず与えるための学校であるはずです。誰の生命にも限りない可能性がある、それを信じ抜くことが教育の根本であると考えますので、今後の積極的な取組みを、重ねてお願いいたします。
次に、2項目目として、子育て支援について、5点にわたり質問いたします。
1点目に、妊産婦検診料の公的助成拡充について質問いたします。
現在、少子化が深刻な社会問題となっております。平成17年度の本区の合計特殊出生率は、全国平均の1.25よりもはるかに低い0.76であり、安心して産み育てられる環境の整備が喫緊の課題であります。出産一時金は、我が党の主導により35万円に拡充されましたが、依然として妊産婦検診については、大きな負担となっております。平均受診回数は、14回で、前期・後期合わせて2回の無料妊産婦検診を利用しても、なお、この検診料は、7万円から10万円程の負担になります。例えば、新宿区では、妊娠後期の検診を受診された方に、2万円の助成を行っております。16年度の第4回定例会でもこの件は質問いたしましたが、今こそ、未来を見据え、子育て支援に本腰を入れるときであります。ぜひ、本区でも妊産婦検診の助成拡充に取り組んでいただくよう、強く要望いたしますが、いかがでしょうか。積極的なご答弁を期待いたします。
2点目に、子育て情報窓口の1本化について伺います。
例えば、現在、区立幼稚園については、教育委員会が所管であり、区立保育園は、子ども家庭部、また私立幼稚園は、総務部が所管しております。このように、子ども施策といっても様々な所管にまたがっており、区民からは情報収集するのに、大変不便であるとの声が多くあります。本区には、子育て支援課が設置されておりますので、子育て中の区民がここに行けば、子どもの情報はすべてわかるといったワンストップサービスが図れるよう、情報窓口の一本化を提案いたしますがいかがでしょうか。
3点目に、子育て支援情報誌発行について伺います。
本区で行っている子ども施策や公園などの遊び場の情報提供、さらに予防接種や医療情報など、本区で初めて子育てされる区民が安心して育児ができるよう、子育て情報のガイドブックを、ぜひ発行されるよう提案いたしますが、いかがでしょうか。
4点目に、育児用具のリサイクルについて伺います。
家庭で使用しているベビーカーやチャイルドシートなどの育児用具については、不要になってしまえば置き場所などに困るものです。この育児用具のリサイクル体制を整備し、子育て支援課で情報発信されてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
5点目に、相談体制について伺います。
子どもプランの中では、(仮称)子どもの権利擁護センターが、いじめや虐待など、子ども自身からの相談に応じるとされています。現在、センターは設置されておりませんが、子どもたちのSOSに様々なアンテナを張ることが必要と考えますので、子ども家庭部としても、相談事業に積極的に取り組まれるよう要望いたしますが、いかがでしょうか。未来を見据え、子育て支援の豊島を構築し、子育てするなら豊島区と、若いファミリー世帯が移り住んでくるような魅力ある施策の充実を強く要望いたします。
3項目目として、介護保険について伺います。
平成12年度にスタートいたしました介護保険制度でありますが、サービス受給者数は、在宅サービスが平成12年度に2,978人であったのに対し、17年度には、5,381人に、また、施設サービスについては、12年度に937人であったのに対し、17年度には、1,309人に増加いたしました。制度の定着とともに、介護保険の総費用も急速に増大し、本区の保険給付費決算額は、平成12年度には、59億9,100万円であったものが、17年度には113億5,500万円となり、約2倍の増加となっております。このまま行けば、保険料の大幅な上昇が見込まれるため、増大する介護保険利用者と保険料の上昇をできるだけ抑え、介護保険制度を安定的に持続するために、今年度大改革が行われ、その見直しにより現場の混乱も見られました。この新介護保険制度は、市区町村に介護予防の取組みを義務付け、その対象者である特定高齢者については、65歳以上の高齢者のうち5%としており、そのうちの20%を予防改善させるとしています。
そこで伺います。厚生労働省が作成した25項目のチェックリストを使って、特定高齢者の把握はどこまで進んでいるのでしょうか。そのうち、どのくらいの方が介護予防に参加されているのでしょうか。半年間の状況を伺います。
次に、介護予防サービスの拠点については、区が責任を持って行う包括支援センターが担っております。保健師・社会福祉士・主任マネジャーが配置され、3職種によるチームアプローチが重要になりますが、この半年間の活動状況をお聞かせください。
また、介護保険本体においても介護予防サービスにおいても、その成否の鍵を握るのはケアマネジャーであります。ケアマネジャーの資質向上に、本区としてどのように取り組んでおられるのか、伺います。
さらに、昨年の10月から施設入所者の居住費・食費は自己負担となりました。中には、世帯分離して自己負担を低所得並みにするというケースもあります。このことは、国や地方の財政面への影響も大きく、家族主義が様変わりしていくことにもなります。この点についての本区のご認識をお聞かせください。
また、国は平成23年度末、すなわち、5年後に、介護療養病床の廃止など、療養病床の半減を打ち出しております。それに伴う地域ケア体制の整備は、喫緊の重要課題であります。本区の対応をお伺いいたします。
さらに、措置から契約になり、サービスを担う事業者はほとんどが民間事業者であります。給付増大については、利用者の増加ばかりではなく、ここ数年は、悪徳事業者の不正請求も要因になっていると言われております。本年5月には、広島県で介護給付費搾取の逮捕者が出ており、先月、有罪判決が出たばかりであります。本区におきまして、これまでどのくらいの不正請求があったのか。また、返還金については、どのようになっているのか、状況をお伺いいたします。
この不正請求については、全国各地で相次いでおり、本区は、18年度から、2名の調査員を配置いたしました。しかしながら、本区のサービス事業者は約280カ所もあり、チェック機能の強化が求められております。豊島区では、不正は許さないということを徹底した調査で示し、不正により保険料が上がることがないよう、しっかり取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、福祉用具につきましては、9割が介護給付金の充当を受けております。購入し、不要になった福祉用具については、給付金が使用されているにもかかわらず、廃棄されているのが現状であります。ぜひ、本区でこのような福祉用具をリサイクルできる体制をつくっていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。
4項目目として、障害者の就労支援の現状と障害者雇用について、お伺いします。
本年4月に施行されました障害者自立支援法は、身体・知的・精神といった障害の種類にかかわらず、地域での生活と就労を進め障害者の自立を支援しようとする法律で、いよいよ、10月から全面施行となりました。この法律は、従来、明確ではなかった国の財政責任を明確化したことや、手続・基準などが全国的に統一されたことについて評価できますが、一方で、食費等の実費負担やサービス費用の1割負担を求める内容となったことで、障害者やその保護者から、負担軽減について多くの要望が寄せられました。この点につきましては、豊島区がいち早く軽減措置をとられたことに対し、ホームヘルプサービスについては、低所得者に対して1割負担を3年間、3%に軽減し、地域支援事業については、原則無料にすると決定されたことは大いに評価いたします。障害のある方々が地域で自立して生活するためには、当然のことながら、障害年金のほかに収入が必要となります。私どもは、先日、様々な障害者団体の方からご意見を伺いました。仕事をして得られる収入というのは、もちろん仕事の内容も個人差もありますが、平均月1万円くらいだとお聞きしました。
そこで伺います。本区におきましても、相談業務、通所業務、地域就労支援ネットワーク事業が行われておりますが、その実状と成果についてお聞かせください。
1点目に、今回の法律の大きな柱に、就労支援がありますが、豊島区では障害者の就労を支援するためにどういうご努力をされているのでしょうか。お聞かせください。
2点目に、障害者はその障害の種類や程度が様々であり、一般企業への就労は、事実上、困難な方が多いのではないのでしょうか。しかし、公園の清掃や区有施設の清掃等に従事していただくことが可能な方は、多いかと思います。いわゆる、福祉的就労といわれるものです。お隣の練馬区では、年間1億円以上の予算を、この福祉的就労に充てております。今回の法律の大きな柱に、就労支援があります。豊島区では障害者の就労を支援するために、どのように取り組まれているのでしょうか。
3点目の質問でありますが、一般就労も福祉的就労も難しい方が多くいらっしゃいます。国の流れとして、施設就労から一般就労へと移行する方針となっておりますが、むしろ、障害者を理解し、受け入れられる環境の整った場所での就労を考えると、小規模作業所を充実させるのも、障害者の就労と社会参加を促すことになるのではないかと考えます。区内の福祉作業所や共同作業所、通所授産施設などで、パンやクッキーをつくったり、木工細工や皮工芸品などを製造し、販売しております。また、箱折りや袋詰め等の軽作業をして工賃を得ている方もいらっしゃいます。そういった方々の工賃をできるだけアップする仕掛けつくりが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
就労が困難な障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るためには、障害に対応した就労の機会を提供するとともに、地域社会と連携を保ちながら、就職、職場定着に至るまでの相談・援助を一貫して行い、それによって、職業を通じて障害者が社会参加する事により、ノーマライゼーションの実現に寄与することとされております。これを実現するには、まず区役所が区民との協働という理念の下に、先頭に立って仕事を提供する必要があると思います。区役所には様々な仕事がありますが、障害を持つ方々が生きがいと誇りを持って暮らせる環境を率先して提供する必要があるのではないでしょうか。新時代の就労支援戦略を考え、本区の今後の取組みについて伺います。
最後に、その他として、本区の防災対策について伺います。
救援センターについて、2点、質問させていただきます。まず、全体的な考え方についてお伺いいたします。
本区の地域防災計画によれば、大地震が発生し、自宅から避難しなければならないような場合、区民は区立の小中学校を中心とした救援センターに非難することとされております。一方で、区立の小中学校は、平成11年度から統廃合が実施され、合計すると、11校に上る学校が廃止されました。この統廃合に伴って、救援センターは、統廃合前の42カ所から38カ所に減少しております。さらに、今後、施設の再構築の中では、今、救援センターになっている旧学校についても、公園やスポーツセンターなどに活用していくことが検討されている状況です。区の財政規模に応じて、施設の数を見直すことや、区内全体でバランスが取れるように、各種の施設を再配置する必要性は、十分に理解しておりますが、防災対策の視点から考えると、いざというときの避難所である救援センターが減っていくことに、危機感を覚えます。私は、今後、再構築を進めていく中でも、区民の安全・安心を守るため、避難者を十分収容できるだけの救援センターの確保が必要であると考えます。
そこで伺います。被害想定で示されている避難者数を踏まえた上で、将来にわたって救援センターの必要数を確保していくに当たって、区はどのような考え方で臨むのか、お聞かせください。
また、救援センターは区立の小中学校や、元は、区立の学校であった施設を利用しておりますが、その密度には地域差があります。例えば、第4地区では、南池袋小学校の1校しか存在しないのが現状です。もともと、高田小学校、雑司が谷小学校、日出小学校、雑司が谷中学校と、小中学校合わせて4校あったものが、小学校3校が統合して南池袋小学校になり、雑司が谷中学校は高田中学校と統合して、第5地域内の千登世橋中学校になりました。その結果、現在、第4地区内の救援センターは、南池袋小学校と旧高田小学校の2カ所に半減しております。このうち、旧高田小学校については公園として整備することが検討されておりますが、この救援センターがなくなれば、将来、環状5の1号線が整備されたときに、目白通りと環状5の1号線に挟まれた雑司が谷一、二丁目や、南池袋四丁目といった地域には、身近に救援センターがなくなるという事態になってしまいます。南池袋小学校や高南小学校、千登世橋中学校といった周辺の救援センターに避難する方法も考えられますが、そのためには大きな通りを横切る必要があり、災害要援護者の方々のことなどを考えると、災害時には混乱が予想されます。私は、旧高田小学校については、救援センターとして今後も使い続けることが必要であると考えますが、区としてのお考えをお聞かせください。
以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
区長(高野之夫)
ただいまの高橋佳代子議員のご質問に対しまして、順次お答え申し上げます。
区政の広範な分野にわたってご質問をいただき、いずれも大変重要な事項ではありますが、私からは、障害者の就労と防災対策について答弁をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
初めに、障害者就労支援の現状と障害者雇用についてのご質問にお答えいたします。
まず、相談業務・通所業務・地域就労支援ネットワークのご質問にお答えいたします。区では、今年度の新規事業として、障害者の一般企業への就職を促進するために開始したジョブ・コーチを障害者就労支援センターに、配置をいたしました。その結果、17年度では11名の障害者の方々が一般企業への就職をいたしましたが、今年度は、8月末までに、既に9名の方々が就職をいたしております。一定の成果があったと思っておりますが、さらに、公共職業安定所等と協力をして、一般就労の促進を図ってまいりたいと思います。
次に、就労支援のための努力についてのご質問にお答えを申し上げます。福祉的就労として、現在4つの共同作業所と就労支援センターに、4カ所の区立公園の清掃をお願いしております。平成19年度には、これを20カ所に拡大いたしまして、合計で24カ所の公園にする予定でございます。経費も18年度の約3倍以上に増額をする予定でもあります。
次に、工賃アップの仕掛けづくりについてのご質問にお答えいたします。ただいま申し上げました公園の清掃のほか、平成18年度は、豊島区統一ブランドの自主生産品や販売方法等の検討に入り、ほぼ、検討結果がまとまりましたので、新規事業を立ち上げたいと考えており、商店街の空き店舗を利用して、今年度中には、実施したいと考えております。
次に、新時代の就労支援戦略と今後の取組みについてのご質問にお答えいたします。障害者自立支援法でも、障害者の就労の場の確保について対策を強化をしているところでございます。区といたしましては、そのために、単に仕事の提供をするだけでなくて、障害者就労支援センターや作業所等が協力して、就労や生活の相談をお受けし、社会的自立に向けて支援する体制を強化する必要があると考えております。今後、障害者就労支援センターを中心とする障害者就労支援ネットワークの役割を一層強化してまいりたいと考えております。具体的には、今年度作成いたします障害福祉計画の中で、明らかにしていきたいと考えております。
次に、今後の救援センターの確保についてのご質問にお答えいたします。
平成18年4月1日現在、区内には、38カ所の救援センターがあり、全体で7万8,800人の避難者を収容する計画になっております。これは、今年3月に、東京都が公表したマグニチュード7.3の首都直下型地震が起きた場合に想定される、避難所生活者数5万5,632人を大きく上回っております。また、平成3年の被害想定による6万8,777人に対しても余裕がある計画でもあります。ご案内のとおり、救援センターは、区内を12の地区に分け、地区内の町会ごとに、最寄りの区立小中学校等を割り振りさせていただいております。ご指摘のとおり、施設の再構築によりまして、今後、元は小中学校だった施設が別の形に生まれ変わり、救援センターとして使うことができなくなるケースが生じてきております。こうした場合には、同じ地区内の救援センター全体の収容能力を考慮しながら、地区内で想定される避難者を収容できるように、施設のあり方を慎重に検討してまいりたいと存じます。例えば、これまで救援センターは、区立の学校を指定しておりましたが、今後は、別の用途に再構築する施設についても、必要に応じまして新しい建物等を活用して、引き続き救援センター機能を維持できるようにするなど、柔軟な対応を心がけてまいりたいと存じます。
次に、旧高田小学校を再構築後も救援センターとして活用することについてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、旧高田小学校を救援センターから外した場合には、第4地区における救援センターは、南池袋小学校の1カ所だけになってしまいます。この場合、南池袋小学校は、14町会の避難所となり、ここ1カ所だけでは、地区内の避難者を収容しきれない恐れが高くなる訳であります。また、将来、環状5の1号線が開通した暁には、目白通りと環状5の1号線に挟まれた雑司が谷、南池袋の一部は、身近に救援センターがない孤立した地域になることも想定される訳であります。したがいまして、旧高田小学校につきましては、救援センターとしての機能の確保について、積極的に検討していきたいと思っております。
その他の質問につきましては関係部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げます。
〔永井 惠池袋保健所長登壇〕
池袋保健所長(永井惠)
子育て支援としての妊産婦健診料の公的助成拡充についてのご質問にお答えいたします。
区の少子化が、国や東京都と比べて進行しており、安心して産み育てられる環境整備は大変重要な課題の1つであると考えております。母子ともに安心して健康な状態で出産を迎えるためには、妊婦健診を受けることが大切なことですが、そのためには、複数の受診回数が必要なことから、高額な費用がかかり、家族にとって大きな負担となっていることについては、認識しているところでございます。このようなことから、安心して産み育てられる環境整備対策としては、他方面に渡ってあると考えられますが、その1つとして妊産婦健診料の公的助成を拡充して、経済的負担を軽減することにつきましては、今後、前向きに検討してまいりたいと考えます。
私からの答弁は以上でございます。
〔横田 勇子ども家庭部長登壇〕
子ども家庭部長(横田勇)
まず、子育て情報窓口の1本化についてのご質問にお答えいたします。子育て中の区民の皆様にとりましては、関係する施策が多いことから、総合的にご案内できる窓口が必要であると認識しております。現在、庁内の子育て支援課と東西子ども家庭支援センターでは、小児医療から育児・保育・教育などに至る子育てに関する施策のご案内をしております。しかしながら、子育て情報の提供につきましては幅広い情報が重要となりますので、特に子育て支援課を中心に、一層、有用かつ的確な情報提供ができるよう、今後、関係各課との連携をさらに密にしてまいります。また、昨今は、インターネットでの情報収集が盛んなことから、区ホームページ上の子育て情報につきましても、求めている情報がすぐに見つかるような、わかりやすい画面構成に、近々、リニューアルをいたします。また、子育て支援に関する窓口の集約化を目指し、平成19年4月から、私立幼稚園関連事務については、総務課から子育て支援課に移管いたします。
次に、子育て支援情報誌発行についてのご質問にお答えいたします。育児に必要な情報は、新鮮で幅広いことが重要であります。本区におきましては、平成18年2月に、父親向けの育児家事マニュアルであるパパマニュアル・イン・トシマを発行し、マスコミにも取り上げられるなど、好評を博したところでございます。しかしながら、初めて子育てされる区民の皆様にとりましては、予防接種を初めとする医療情報から、育児・保育・教育などに関する情報が大変重要でありますので、これらの情報を的確にご紹介する情報誌につきましては、保健所や教育委員会等関係各課と協議し、発行してまいります。
次に、育児用具のリサイクルについてのご質問にお答えいたします。ベビーカーやチャイルドシートなどの育児用具は、必要な年齢を経過すれば不要となり、一方では、必要な家庭にお譲りすることが、ご提案のとおり、リサイクルの理念にかなっております。子ども家庭支援センターでは、既に小規模な仲介を行っておりますので、平成19年4月から本格的な制度として実施をいたします。
次に、相談事業の充実についてのご質問にお答えいたします。今回のいじめ自殺予告の問題への対応として、教育委員会では、早速、教育センターでの電話相談やはがき・メールでの相談を開始いたしましたが、子どもからの相談窓口としては、教育部門だけではなく、一般的な窓口も必要であると認識しております。東部子ども家庭支援センターの虐待対応部門は、児童虐待の防止等に関する法律に基づき、東京都児童相談所等関係機関とのネットワークも構築され、子どもの虐待について、相談や救済措置等に豊富な経験を積み重ねてきております。現在、詳細を調整しているところでありますが、この虐待対応部門について、職員を増員し、相談室を増設するなど、態勢を強化して、来年4月からはいじめなど、子どもの身近な問題に対する相談や調整も行えるようにしてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございます。
〔川向良和保健福祉部長登壇〕
保健福祉部長(川向良和)
介護保険についてのご質問にお答えします。
まず、特定高齢者の把握と介護予防への参加についてのご質問にお答えします。
本区においては、国の方針である25項目による把握事業を、年度前半は、おたっしゃ相談として、9月以降は、高齢者健診の中、で進めてまいりました。おたっしゃ相談では、122人中13人と10.7%の特定高齢者候補者が把握されました。また、9月以降の健診においては、途中集計でございますが、約2万8,000人の受診者中、1,070人と3.6%でございました。また、具体的な事業への参加状況については、10月末現在、筋力アップ教室や認知症予防事業など、一般高齢者向け事業の中に約50人程度の特定高齢者の方が参加されております。
次に、地域包括支援センターの活動状況についてのご質問にお答えいたします。お尋ねの地域包括支援センターは、介護予防サービスの拠点として位置付けられておりますが、センターのサービスの1つである虚弱状況にある高齢者のための介護予防プランの作成件数は、この半年間で、148件となっております。もう1つのサービスである要支援1、または要支援2に該当した高齢者に対する予防給付プランの作成では、その件数は、半年間で、686件となっております。いずれのプランにおきましても、本年度から始まったものでありますので、当初の見込みを下回る結果となっております。なお、これらの予防プランにつきましては、保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士の3職種が、その専門性を活かしてチームを組み積極的に対応しております。課題としては、特に予防給付プランの作成におきましては、介護報酬額が当初の見込みの半額程度に抑えられたため、人件費の不足が心配される事態となっております。
次に、ケアマネジャー資質向上への取組みについてのご質問にお答えいたします。サービスの質の確保を図るためには、ケアマネジャーの資質が最も重要な課題だと認識しております。区では、ケアマネジャー研修会、ケアプラン指導チーム事業、介護サービス向上推進委員会の事業を展開し、ケアプランの評価、認知症の方への対応の仕方等について助言や指導を行い、在宅介護サービスの質の向上を目指しております。
次に、施設入所者の居住費・食費の自己負担に対する区の認識についてのご質問にお答えいたします。昨年10月より、介護保険3施設の居住費・食費が保険給付対象外になり、施設利用の負担軽減を図る観点から、お尋ねのように世帯分離をなさっているケースも多々ございます。世帯分離をすることで、家族制度が様変わりするようなことはないと考えておりますが、財政負担も大きいことから、今後、検討されるべき課題だと思っております。
次に、地域ケア体制の整備についてのご質問にお答えいたします。今回の医療制度改革に伴い、平成23年度末までに病状が安定期にある要介護高齢者が入所している介護保険適用の療養病床の廃止、及び、病状が安定し、リハビリや医学的管理が必要な患者が入院している医療保険適用の療養病床の半減が実施されることになりました。これに伴い、医療の必要性が低い患者を受け入れている療養病床は、老人保健施設やケアハウス等の施設に転換、再編成する必要があります。本区においても、17年9月現在、区内に介護療養病床が1病院107床、医療療養病床が4病院357床あり、今後本格化する療養病床の再編成を踏まえて、入院患者の状態に応じた円滑な地域への移行のため、受け皿づくりを含めた地域ケア体制の整備が求められてきます。地域ケア体制の整備に向けては、国が整備の基本方針等を定める整備指針を本年度中に定め、これに基づき、東京都が今後、必要となる介護等の需要見込みや整備方針、療養病床の転換プラン等を定める整備構想を来年度に策定する予定であります。本区としては、こうした国や東京都の動向を十分に踏まえながら、療養病床に入院されている区民の方々が、安心して地域の介護保険施設や在宅で生活ができるよう、受け皿となる介護基盤の整備や在宅医療、地域医療の提供体制の確保を計画的に行う必要があります。そのため、来年度からの地域保健福祉計画の改定作業に合わせて、関係部局による検討体制を設けるとともに、区内の医療機関や関係団体との十分な連絡調整を図りながら、鋭意、取り組んでまいる所存であります。
次に、悪徳事業者による不正請求の状況についてのご質問にお答えいたします。平成14年度以降の東京都が行った取消し処分関連のこれまでの不正請求額は、7事業者分で4,320万円でございます。このうちの返還額は、3事業者分の33万5,000円となっています。残り4事業者分の4,287万円は収入未済額でございますが、このうちの1事業者分が4,220万円となっております。
次に、不正により保険料コストが上がらないための取組みについてのご質問にお答えいたします。介護保険制度が創設されてから6年が経過し、区市町村が実施している保険者事務は、概ね順調に実施されてきておりますが、介護サービス事業者による不正受給は毎年報告され、低下の兆しがなく、保険料引上げの原因の1つに挙げられております。そこで、今回の制度改正では、事業者への指導監督体制の大幅な見直しが行われました。主な改正内容は、認知症のデイサービスやグループホーム等の地域密着型サービスの指定、監督事務のすべてを区が担当し、その他の事業者の指導についても東京都とともに区が関与することになり、区の指導権限が強化されたことでございます。現在、悪質な事業者に対し、給付の不支給決定や訪間調査を実施し、不正請求の防止に努めておりますが、区の指導権限も強化されましたので、今後、区全体で危機管理も含めた機動力のある組織をつくり、総合的な指導、監査体制の強化に努める所存でございます。
次に、福祉用具のリサイクルについてのご質問にお答えいたします。介護保険の福祉用具は、貸与と購入とがございます。貸与は利用限度額の範囲内で日常生活の自立を助けるために、1割負担で貸与されます。主な貸与品目は、車椅子・特殊寝台・歩行器等がございます。購入は1割負担で、年間上限で10万円までの購入が可能です。主な品目は、腰掛け便座・入浴補助用具・特殊尿器等でございます。このように、貸与品目は、現在、リサイクルが行われておりますが、購入品目は身体に直接触れる物でありますだけに、民間事業者もリサイクルは行っておりません。したがいまして、リサイクルをするには、一工夫する必要あるのではないかと考えております。
私からの答弁は以上でございます。
〔日高芳一教育長登壇〕
教育長(日高芳一)
引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しましてお答え申し上げます。
まず、心の教育についてのご質問ですが、議員ご指摘のとおり、いじめの問題を初めとする児童・生徒の問題行動の解決を図るためには、心の教育の充実が不可欠であります。これまでも、各学校においては、道徳の授業や様々な体験活動を通して、命の尊さや善悪の判断、正義感といった人間性を豊かにする指導に取り組んでいます。義を見てせざるは勇なきなりという言葉がありますように、いじめを断固として認めない学級・学年・学校の風土を築くため、家庭や地域と連携した教育を推進するよう、各学校に指導してまいります。
次に、いじめ対策についてのご質問ですが、今回のいじめ自殺予告文書におきましては、全ての学校が当事者意識を持ち、子どもたちの命を絶対に守るという決意の下に対応をしてまいりました。今後も、いじめはどこにでも起こり得るものという意識を高く持ち、組織的な対応が必要であると考えております。各学校におきましては、生活指導部や教育相談部が中心となり、いじめを初めとする問題行動の対応に取り組んでおりますが、今後はこれら既存の組織を活用し、校内委員会としていじめの対策を進めていくよう指導してまいります。また、教育委員会といたしましても、ご提案にありますように、関係諸機関との連携を図り、いじめ対策の推進を図る連絡会等の設置について検討してまいります。
次に、子どもの相談体制についてのご質問ですが、今回、教育センターにいじめ相談電話を開設いたしましたが、ご指摘のとおり、部活動等を終えた生徒が帰宅後に電話相談できるよう、12月中旬には、現在の午後4時30分から午後7時へと、開設時間の延長をいたします。
次に、スクールカウンセラーの拡充についてのご質問ですが、各小中学校に派遣されたスクールカウンセラーが、児童・生徒の心の問題への対応や教師への助言など、極めて重要な役割を果たしております。小学校のスクールカウンセラーについては、先日、文部科学省がいじめ対策として、小学校スクールカウンセラーの配置率を引き上げるための予算措置を検討しているとの新聞報道がありましたが、今後の動向を踏まえ、取組みに向けて検討してまいります。なお、学校で問題が発生した場合には、その解決に当たるため、集中的にカウンセラーを学校に派遣するなどの対応をしてまいります。
次に、教師力の向上についてのご質問ですが、ご指摘いただいた、子どもの笑顔を増やそうキャンペーンは、教育センター学校支援室が中心となり、教師の授業力や学級経営力を高めるリーフレットの作成や、若手教師の授業づくりの相談に取り組んでおります。各学校においては、シリーズで発行されているリーフレットを用いて研修会を実施したり、教師自身が自己の授業評価に活用したりするなど、学校現場での活用が図られております。今後は、取組みの成果による検証とともに、授業力の向上を図る研修会の実施や、よりよい学級経営を築くプログラムの作成等について検討してまいります。また、教師がカウンセリングの手法を身に付ける必要性ですが、ご指摘のとおり、多様な児童・生徒の対応を適切に行うため、大切な能力であると考えます。教育委員会では、夏季休業中に教育相談研修を集中的、連続的に位置付けておりますが、今後も、内容と方法の充実を図り、教師力の向上に努めてまいります。さらに、学級経営困難に陥った学級への対処につきましては、補助員を派遣するなどの対応を図ってまいります。
最後に、不登校対策についてのご質問ですが、ご指摘のとおり、不登校の期間が長期化することにより問題が深刻化し、その解決についても困難を極めることが考えられます。不登校児童・生徒への早期対応と問題の解決を図るため、教育センターでは、不登校児童・生徒が在籍する学校を巡回し、不登校児童・生徒一人一人の実態把握と、校長、担任等への助言に努めております。引きこもりのケースにつきましては、当該の学校が定期的に家庭訪問を行ったり、心理士等と連携し、保護者との面談を行ったりするなどの対応が必要であると考えております。また、不登校児童・生徒の対応につきましては、校長会・副校長会・生活指導主任会において指導をしておりますが、今後も指導主事や教育センター学習指導専門員による学校訪問等の機会を捉えて、不登校児童・生徒への関わりを積極的に進めるよう指導してまいります。
以上をもちまして、高橋佳代子議員のご質問に対する答弁を終わります。