18H30年予算委員会 福祉衛生費 西山議員( 3月 6日)

地域共生社会の実現・CSW・相談支援包括化推進員・地域共生社会・福祉のまちづくり

○西山陽介委員  どうぞよろしくお願いいたします。私のほうからは、地域共生社会の実現に向けたという、そういう取り組みについてお伺いをさせていただきたいと思います。

2025年問題というものが言われています。東京都のほうも今後、2025年には高齢者率が23.3%にも上がるだろうと。また、その後は、人口は減少するけども、高齢者は増加していくと。ですので、比率とすればもっと上がっていくと、そういうようなことが言われています。また、認知症を患ってしまわれた、また見守りが必要な方も、現在よりも1.4倍ほどふえるんじゃないかと、そういった推計も聞くところでございます。このように急速に進む高齢化に施設だけで対応していくということについては、これはもはやもう現実的ではないというふうに思います。

私ども公明党も、この在宅で医療、介護、そして生活支援サービスが受けられるとする地域包括ケアシステム、この構築を進めるべく取り組みもさせていただいているところでございます。そして、その具体的な整備ですとか、また充実というものが急がれていることだというふうに思います。加えて、これから地域をどうしていくかという、そういった地域マネジメントということにも直結するかというふうに考えられます。私どもは結党以来、大衆福祉の党としまして、社会福祉の充実に力を入れてまいりました。超高齢化社会を迎えた今、限られた予算の中で、より現場のニーズに即した効果的な施策の実行が求められているというふうに考えられます。

そういう中で、今般、次期地域保健福祉計画も策定を急がれていることというふうに思いますけども、この計画の中にも、この地域共生社会の実現を目指されていくというように計画がされているところでありますけども、この本区のこれまでの取り組み、まず、お伺いしたいと思います。

○直江福祉総務課長  現在4月からに向けて地域保健福祉計画改定の作業を進めているところですけども、その中で柱となっているのは、地域共生社会でございます。

国におきまして、この間、地域共生社会を実現していくということで、全国の自治体に呼びかけがされているところでございますが、本区におきましては、平成17年にこの地域保健福祉計画、初めてつくっていますが、そのときから地域でともに支え合う、そういう社会をつくっていくんだということをうたって、取り組みを始めてきています。21年度よりCSW、コミュニティソーシャルワーカーを配置しまして、その中で地域づくりというものを行ってきているところです。地域の課題を地域の中で考える、そういう仕組みを、一朝一夕にとはいかないんですが、少しずつつくってきまして、地域の中で、さまざまな区民主体の取り組み等も行われるようになってきているところでございます。

○西山陽介委員  そういう中でCSWの充実も図られているところでありますけども、豊島区は豊島区としての強みといいましょうか、この地域の特性というものはあると思うんですけども、その辺についてはどのように考えておられますか。

○直江福祉総務課長  豊島区には本当に強みが幾つかあるかと思っていまして、一つには、区民ひろば、世代を超えたコミュニティの拠点である区民ひろばがあることが非常に大きい、そこが住民の活動の拠点となっているということがございます。

また、その区民ひろばに、先ほどのCSWを配置したということも、本当に豊島区ならではの大きな強みだなというふうに思っています。そういう区民ひろば等を中心に、区民主体の活動が、現在120カ所を超えて行われているといったことは大変誇れることだなというふうに思っているところでございます。

○西山陽介委員  区民ひろばのこの活動も、セーフコミュニティの認証、また、そして再認証の中で、審査員の方からグッドイグザンプルというような評価もいただいているというふうにお聞きしました。

この地域は地域の中で支え合っていくということが求められてくるとしても、現実にその地域の現場の中でその支え合いをしていくということは、現実にはやはり難しい、言うはやすくかもしれないけど、行うはかたしという側面もあるかと思いますけども、その辺については、何か取り組みというのはあるんでしょうか。

○直江福祉総務課長  本当に決して簡単なことではないと思っています。そのためにCSW配置しているわけですけれども、この間、地域ケア会議ですとか、区民ミーティングといった場で、地域の皆さんで地域の課題をまず考えましょうといった、そういう取り組みを積極的に行ってきています。その中で地域の方々、まずは顔を合わせて話し合うことによって、自分たちで考えようという、そういう動きが出てきているのかな。その中で、実際に何か形になるものは、決してまだまだ多いわけではないんですけれども、少しずつ形ができてきているのかなというふうに思ってございます。

○西山陽介委員  区民ミーティングも、私も何回か参加をさせていただきまして、様子も拝見させていただきました。

そういう中で、この支え合いを活動していく上では、やはりどうしても中心となる、リーダーシップをとってくださるような、そういった人材、また人材を育成していくということも重要な観点かと思いますが、その辺についてはお考えいかがですか。

○直江福祉総務課長  本当にまさしく人が大事だなというふうに思っています。今後そういった地域活動の中心となっていただく担い手を育成していくことが今後の、本当に大きなテーマだと思っていまして、地域福祉サポーターですとか、認知症サポーターといったボランティア活動は支援をもちろんしていきますし、それと同時に、より幅広い方に、まず福祉について知っていただくことが大事かな、そういう風土をつくっていくこと大事だなと思っていまして、そういった、これからの福祉を理解していただくための講演等、さまざまな形で実施していきたいというふうにも思っているところでございます。

○西山陽介委員  地域共生社会には、言われたような支え合い、住民同士の支え合いというものが大事になってくるかと思います。そういうときに、いざというときの相談支援の体制をしておくということが非常に重要だというふうに思っています。

議員活動の中で地域の皆様と対話をさせていただく中でも、例えば医療や介護、それから生活支援などのサービスが、身近なところで相談ができるような体制を言われます。区役所のこういうところへ行けば、相談を受け付けられますよ。だけども、なかなか、豊島区の地域によっては、豊島区役所がやや、ちょっと距離的に遠いと感じる方もいらっしゃるかもしれない。そういう中で身近な相談できる場所というか、そういったところもある。地域包括で、高齢者相談センターなども御案内させていただいたりしますけども、そういった相談支援の体制については、この辺はどういうお考えでしょうか。

○直江福祉総務課長  まさしく地域共生社会、住民同士の支え合いといいますけれども、いざというときのそういった相談支援体制、大変重要になってくるかと思います。

国におきましては、今後、これまで高齢、障害というふうにそれぞれ別々にあった相談支援拠点を1カ所にまとめた、総合相談拠点をつくろうという動きがございますけれども、それは国が考えているのは、地方で住民が減少する中で、それぞれの効率が悪くなっているので、それを1カ所に集約したほうが、効率がいいだろうということで考えられているんですけれども、本区、人口がどんどんふえていまして、それぞれの相談拠点、非常に利用者も多い状況ですので、それを集約してしまうのは、逆に効率が悪い、必ずしも支援にとってよくないだろうというふうにも思っていまして、それよりも、本区として重視すべきなのは、それぞれの拠点の連携、これまでもできてきていますけど、連携を強めると同時に、これは、本当にこれから職員のスキルアップをしていかなきゃいけないんで、難しいと思うんですが、どこの拠点につながっても、どこの拠点に相談に行ってもそこから、そこで全部完結しなくっても正しい、ここに行けば全て解決するというところにつなぐ職員、その相談を受けた職員がつなぐ、そういう体制をつくっていくことが今後、非常に重要だなというふうに思ってございます。

○西山陽介委員  そういう中で、計画の中には、相談支援包括化推進員というんでしょう。まだ仮称という状況だと思いますけど、これはどういうふうに体制、その推進員を配置されていく、ちょっと具体的な内容をお聞かせください。

○直江福祉総務課長  相談支援包括化推進員、ちょっと言葉は今後、考えなければいけないなと思っているんですけれども、現状、高齢、障害それぞれの専門機関がきちんと対応はしているんですけれども、なかなか制度のはざまの問題だったり、複合的な課題、なかなか対応しきれない課題がございます。そういったところで、当然、職員がもっとレベルアップして、そこできちんと対応できるようにしなければいけないんですけれども、どうしても対応しきれてない、連携がうまくしきれてなくって一部の機関でかぶってしまっているようなところがございます。そこはもう行政として、しっかりと責任を持って対応していかなければいけないということで、行政の中にそういった連携を最終的にきちんとコーディネートするための、そういった専門家を置きたいと思うんですが、人の問題ではなくて、行政として、組織としてそれを対応できる体制を整えていきたいということでございます。

○西山陽介委員  もう少し深掘りをしたいところでございますけども、ちょっと時間も関係しますので、そういった体制整備のためにも、いろいろ会議体もつくって、関係者と情報共有、そういうことも大事かと思いますので、さらに御推進していただくものと思います。

そういう中で、私も地域の中でいろいろ御相談を受ける中で、あっ、これはちょっとCSWさん、コミュニティソーシャルワーカーさんにちょっと駆けつけていただくような案件があるなという例も、何度か社協さん通じてお願いをさせていただいております。そういう中で、区の体制とすれば、先ほど出ましたこの区民ひろば、ここに、現在では8カ所ですか、配置をされて、機動的に運用されているふうに思います。高齢者総合相談センターですと、どっちかというと、高齢者だけが向かうところかなという地域の印象があります。一方、区民ひろばであれば、どういう世代でも相談に向かうことができると。

そういった区民ひろばを今後活用していくということも必要だというふうに考えられておりますけども、今後この8圏域をもう少し細分化して、そういった取り組みが求められているというふうに思いますけども、この区民ひろばとCSWさん、このまずちょっと拡充の考え方について、ちょっとお伺いさせていただければと思います。

○直江福祉総務課長  先ほどの御質問の中でも、身近な拠点で相談を受けられたということがございました。そういう意味で、区民ひろばに相談に行けば、きちんとつながるという、そういう体制をつくっていくこと、大変重要だなと思ってございます。現状でもCSWは出張して、配属されているところ以外のひろばに行って、相談を受けたりと、そういうこともやってございますけれども、やはりCSWの体制が拡充されれば、そういったこともよりやりやすいですし、またその地域づくりという意味でも、やはり密に体制が整っているほうがいいと考えてございまして、現在8カ所にCSW配置していますが、これを段階的に12カ所までふやしたい。最終的に、町会の区域が12に分かれていますので、それに合わせていくのが望ましいだろうと考えているとこでございます。

○西山陽介委員  12カ所ということで、それは拡充していくことは求められていいと思うんですけども、ただ区民ひろばは、区民ひろばのそもそもの活動というのがあって、しかも、正規の職員さんではなく、地域の皆さんの手によって、自主運営をされているわけで、そこで、非常に困った問題を抱えて区民ひろばに駆けつけたときに、しっかりとそういった受けとめがちゃんとできるのかどうか、場の確保ですとか、あっ、じゃあ、こちらにどうぞと、ここにいらっしゃいますからねというふうになるのかどうか、そういう場についても、きちんと、ハード面も含めて体制を整備する必要があると思うんですけど、その辺についてはいかがでしょうか。

○直江福祉総務課長  まさしくそのとおりでして、スペースがなければいけません。ひろばは現状で十分に面積があるところもあれば、なかなかそういった場所を確保できないところもございますので、そういう意味で、CSW自体拡充したいですし、また配置されてないところでもさまざまな対応ができるようにしていきたいですけれども、そういったハード面の整備とあわせて進めていく、いかなければいけないと思ってございます。

地域共生社会・福祉のまちづくり

○西山陽介委員  地域共生社会の実現、いろいろ相談支援体制のことを中心にお伺いしましたけども、この地域共生社会を目指す上では、福祉のまちづくりという視点も重要かというふうに考えられます。

そういう中で、今回新規予算の中、ちょっと横道にそれるわけではないと思いますけども、委員長の地元でもございます池袋本町、下板橋駅、ここに待望のエレベーターを設置されるという、そういったことも拝見させていただきました。非常に地域の要望が強い、もう下板橋駅が、全くもってバリアフリーが全然なかった状態が、エレベーター設置されるという、ちょっとその辺について、概要ですとか費用負担について、簡単にお願いします。

○直江福祉総務課長  下板橋駅、なかなかバリアフリー設備がおくれていたところですけれども、東武鉄道さんとして、このたび整備を進めたいということになったものでございます。

具体的には、エレベーターを設置して、上りと下りの間を行き来できるようにするということなんですけれども、駅の上空に橋を通して、両方をエレベーターでつなぐ、それによって行き来できるということです。それ以外に身障用のトイレを新たにふやすということも入ってございます。

費用負担なんですけれども、基本的に、最終的な負担としては、事業者が3分の1、国が3分の1、あと都と区が6分の1ずつといった負担となってございます。

○西山陽介委員  本当に望まれるところです。

ちょっとこの費用が、例えばバリアフリーのまちづくりということで見た場合に、鉄道駅のホームドアですか、今回も、これは都市整備費のほうで計上されています。そうすると、私たち考えるのは、こういったエレベーター設置するのも、都市整備さんのほうに相談しに行かなきゃ、要望しなきゃと思うけども、これが福祉のほうに入っている。この辺はちょっと何かわかりづらい気がするんですけども、そういうのはどうしてそうなっちゃったのかなと思うんですけど。

○直江福祉総務課長  そこら辺は、もうちょっとわかりやすいほうがいいのかなというふうにも思ってございますけれども、一つ、国のほうの所管が分かれているということで、それに合わせているといったところもございます。

ただ、そこは言いわけになってしまいますので、もうちょっと本当に、うまく、わかりやすいほうがいいかなと思いますが、ただ、このエレベーターに関しましては、この下板橋駅で全て完了ということにもなりますので、今後新たなものについては、その辺はちょっと考えていきたいなと思ってございます。

○西山陽介委員  最後まとめていきたいと思いますけども、この地域共生社会を目指す上で、主に相談支援のことを取り上げさせていただきましたけども、広く住民の皆様、区民の皆様に知っていただくためには、今後啓発ということも必要だと思います。例えば大きな会場でやるだけでは、来る方も固定化されてしまいますので、その地域ごとですとか、小さな単位で、また世代を超えた方々に来ていただくなどして、例えば中学生ですとか高校生も来ていただいてもいいんじゃないかというふうに思います。そういう中で、世代を超えた形で地域のことを話し合えば、また新しい発見があるかもしれない、解決の糸口があるかもしれない、そういったこともぜひ視野の中に入れていただきたいというふうに思います。そうすることによって、例えば中学生の方々が、例えば徘回をしてしまっている認知症の方を見つけ出して、関係機関に連絡をとってくださったりとか、そういったことができることが、僕は本来の地域共生社会の理想の姿に近づくんじゃないかと、そんなふうに思いも寄せたいというふうに思います。今後も、この高齢者が高齢になったとしても元気にまた生き生きと過ごしていただけるような、そういった本区の福祉の姿を目指していただきたいと思います。

最後に、この地域共生社会の理想像などについて、御所見がございましたらいただいて、終わりたいと思います。

○石橋保健福祉部長  まさに委員おっしゃったとおりだと私は思っています。本来、福祉は肩肘張ってということではなくて、例えば道歩いていて、重い荷物持っているお年寄りがいたら手助けしてあげるとかそういうところの気持ちが大事だと思っています。そういう点が実現できたとき初めて地域共生社会が実現すると思っています。それは高齢者に限りません、障害者ももちろんそうですし、子どもに対してもそうだと思います。そういうことを今回の地域保健福祉計画の中では、高齢者だから、障害者だからということではなくて、全て地域として皆さんで支え合っていこうという計画になっておりまして、まさにこれを実現していくことが豊島区の福祉を大いに発展させるんだと考えてございます。