一般質問 2022年 第3回定例会

「人がつながり、支え合い、ともに暮らす街 としま」

2022R4年9月22日登壇

夫馬三知

私は公明党豊島区議団を代表いたしまして「人がつながり、支え合い、ともに暮らす街 としま」

と題し1.健康施策について 2.女性のデジタル人材の育成について 3.子ども施策について

4.選挙投票及び投票所におけるバリアフリーについて 一般質問をおこないます。

 

1項目目は健康施策についてです。

1点目は、帯状疱疹ワクチンについておたずねします。

帯状疱疹は広く知られるようになって久しいわけでございますが、国立感染症研究所の資料によると、これは体内に潜んでいる帯状疱疹の原因となるウイルスが加齢による免疫力の低下や、過労やストレスが引き金となって再発症するものです。そして、そのウイルスは日本人成人の90%以上の人の体内に潜んでいて、加齢に伴い発症率は急激に上昇し、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると推定されています。
また、発症後神経痛への移行リスクも加齢とともに高くなると考えられています。
ワクチン接種により、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫力を高めて、発症の予防やまた発症したとしても軽症ですむといわれている帯状疱疹ワクチン接種の有効性を本区としてどのように考えておられるかお聞かせください。

平成28年(2016年)3月に、50歳以上の人に対する帯状疱疹の効能・効果が追加され、帯状疱疹の予防目的に任意接種ができるようになりました。そのワクチンに水痘ワクチンと乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンと2種類あると豊島区のホームぺージに記載されておりますが、それぞれの特性をお聞かせください。

高齢化が進む国内は患者が増加しておりますが、「近年は20代~40代で発症する人も珍しくない」と聞きます。背景の一つとして考えられるのが、水ぼうそうをめぐる環境の変化です。2016年に水痘ワクチンが乳幼児の定期接種となったことで子どもの水ぼうそうが減少しています。「結果としてブースター効果を得る機会が減り、帯状疱疹を発症する子育て世代が多くなっていると考えられています。今後、定期接種機会のなかった世代や成人における水痘発生動向を注視し、個人予防としてのみならず集団予防の観点からも、帯状疱疹ワクチンの活用や、帯状疱疹に関する知識の周知など対策を併行して実施していくことが重要と考えます。 本区におきましてもさらに周知をしっかりと行っていただくよう要望しますがいかがでしょうか。。

帯状疱疹ワクチンは、2016年から厚生労働省厚生科学審議会において、定期接種化についての議論が開始され、2018年の審議会においては、帯状疱疹ワクチンの効果の持続期間や帯状疱疹の罹患率などを踏まえた最適な導入年齢とワクチンの種類などについて、さらに検討する必要があるとされています。

そこでおうかがいいたします。その後の国での議論の進捗状況をお示しください。

帯状疱疹で大変な思いをされた方、されている方の声を多く耳にしており、高い発症率とその症状の重さから、予防と治療の進歩に期待をしているものであります。予防と治療、その中でも予防として期待するワクチン接種の促進は最重要課題ではないでしょうか。
また、国の議論が進まないなか独自で助成を実施している自治体があります。東京都内におきましてはお隣の文京区では、令和元年10月より接種を希望する65歳以上の区民の方に費用助成をし、自己負担4000円でワクチン助成が実施されています。区民の皆様から帯状疱疹ワクチン接種の助成制度導入について、早期実現を望む声をたくさん頂いておりますので、本区におきましても、独自の助成を望みますがお考えをお示しください。

帯状疱疹はストレスによる免疫力低下で引き起こされることもあり、「コロナ禍で多くの人が行動制限やステイホームを強いられるなどし、ストレスを抱え込んだことが患者増加につながった可能性がある」とも指摘されています。区民の健康を守るために一層のご支援をよろしくお願いいたします。

次に2点目として、子宮頸がんについておたずねします。子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの感染防止に有効なHPVワクチンですが、その接種を個別に呼び掛ける「積極的勧奨」が、本年4月から約9年ぶりに再開されました。

HPVは主に性交渉によって感染し多くは自然に消えますが、子宮頸部などでがん化することもあります。日本では、20~30歳代の女性が発症し、がんの多くを子宮頸がんが占め、年間約1万1000人がかかり、約2900人が亡くなっています。子宮頸がん対策として、検診による早期発見・治療とともにワクチン接種による予防も重要であります。

本区での子宮頸がんワクチンの積極的勧奨についての取り組みをお聞かせください。

また、ワクチン接種の有効性やリスクについて、当事者と保護者の理解に役立つよう本区でも丁寧な情報発信を求めますが区の見解をおうかがいいたします。

さて、ワクチンと車の両輪として重要なのが子宮頸がん検診ですが、20代前半の女性は積極的勧奨が行われなかったことから、検診受診率が特に低迷している実情があります。

本区での20代の年齢別受診率と見解をお示しください。

令和3年度の東京都の子宮頸がん検診受診率の目標は50%であり、また都基準の20代受診率は15.2%です。豊島区におきましても目標にも、都基準にも程遠い8.6%であります。

そこでうかがいますが、20代の子宮頸がんの検診率向上に対しての本区での取り組みをお聞かせください。

調布市では、昨年度の年齢ごとの検診受診率は20歳が5%、21歳が約10%、22歳~24歳はそれぞれ1%でした。検診受診率向上を目指し、20歳の女性に対する無料検診の個別通知や、23,24歳の対象者に希望を募りHPV感染の有無を検査できる簡易キットの無料配布が決定し、キット配布の希望を募った対象者は3006名でこれに対して申し込みは610件と20%を超えたそうです。スマートフォンからキットを申請し、自宅で検査できる手軽さが良いと分析されています。

この検査キットの配布は、受診率向上に繋がる有効な取り組みと考えますが区のご見解をおうかがいいたします。

また、今後も若い世代の子宮頸がん予防への関心を高めるための取り組みを要望いたしますがいかがでしょうか。ご所見をお聞かせください。

2項目目の女性のデジタル人材にについてお伺いいたします。

我が党が昨年の衆院選重点政策で「女性のデジタル人材育成10万人プラン」を掲げ政府に対しプラン策定に向けて実現を求めてきたところ、本年4月26日に開催された内閣府男女共同参画会議において、コロナ禍の状況下における女性の就労支援、女性の経済的自立、デジタル分野におけるジェンダーギャップの解消等を目的として「女性デジタル人材育成プラン」が策定されました。
本プランに基づき、今後3年間集中的に、関係府省が連携して女性デジタル人材の育成に取り組まれます。

経済産業省は、社会のデジタル化に伴って情報システム部門などで働く「IT人材」が30年には最大で約79万人不足すると試算されています。この課題の解決をめざし、男性に比べてデジタル人材が少ない女性に的を絞って取り組みを進める意義は大きいと考えます。

さらに重要なのは、女性の就労環境の改善であります。

コロナは特に女性の就業面に大きな影響を与えています。非正規で働く女性の占める割合が高く、失業などで困窮する女性が増加し、厳しい影響は今なお継続中です。他方では、情報通信業はコロナ禍においても雇用が増加し、その他の業種でもデジタル人材の需要が高まっています。失業などで困窮する女性だけではなく、子育てや介護などでフルタイムでの仕事ができない女性をどう支援し自立に結び付けていくかがカギになっています。

そこで、本区の女性自立支援の実態と課題をお聞かせください

予算委員会で若年世代の女性及びジェンダーマイノリティの中高生に向けてのデジタル人材の育成を要望させていただきました。8月27日にテクノロジー分野の教育などの支援を行っている法人が開催したwafflecampホームタウンが開催されました。開催状況や効果等本区のご見解をお聞かせください。

IT業界の女性の少なさは、中高生時代から始まっているのではないかとの声もあります。このような若年女性のデジタル人材育成に向けた取り組みが継続的に開催できるよう望みますがいかがでしょうか。

 また、ハローワークの求職者などを対象にしたデジタル分野の訓練コースの拡充や、大学などでのリカレント教育によるデジタル分野への就職・転職支援があります。港区では区とハローワークと共同で「女性のための再就職支援セミナー・就職面接会」が開催されました。

特に、セミナーはキャリアプランやマネープラン、自己PRから面接のポイント解説まで、5日間に渡って実施され、女性の再就職支援を図っています。

男女共通のセミナーでは、ITエンジニアによる講座も実施されました。

ハローワークと連携した、このような取り組みもとても有効かと考えますが区の見解をおうかがいします。

宝塚市では、国の地域女性活躍推進交付金を利用し「たからづか女性のためのキャリアアップ応援講座」を開催しました。就職やキャリアアップに有益なパソコンスキルを身につけることができるオンライン講座(資格取得講座)を実施しました。
また、オンライン講座を受講いただいた方を対象に、履歴書添削や面接練習など、就職に向けた個別キャリアカウンセリングも実施し、就職までしっかりサポートしています。

さらに、長野県塩尻市では、2010年から市と市振興公社が、テレワークによる就労支援に取り組んでおり、業務はデータ入力やウェブサイト制作など、パソコンを使った作業が中心です。公社が企業や自治体から業務を受注し、能力や希望に応じて仕事を割り振ります。パソコンを使った作業が不慣れな人でも安心して始められるよう、研修体制も充実させ、業務はチームで取り組んでおり、取りまとめ役のディレクターが操作や仕事の進め方など不慣れな点をサポートします。

2010年に事業を開始し、当初は年間200万円程度だった受注額は2021年度に約2億5000万円に拡大し、約300人の雇用確保につながっています。9割弱が女性で、その半数は子育て中です。区が直接実施することは難しいと思いますが、このような先進事例も研究し希望する女性がデジタルの知識や技能を習得し就労できるような取り組みを要望いたしますがいかがでしょうか。

 

次に、3項目目の子ども施策についておうかがいします。

子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」の設置法が本年6月に成立し2023年4月に300人以上の体制で発足されます。

子ども政策に関わる省庁は多く、これらの縦割り行政を解消することが主な目的であります。

義務教育など教育分野は引き続き文部科学省が担当しますが、司令塔機能の一環として、担当閣僚は「勧告権」を持ち、各省庁の取り組みが不十分な場合に改善を促すことができます。

こども家庭庁は、少子化や虐待、貧困といった子どもに関する課題に総合的に対応する新しい行政組織であり、首相直属の機関として内閣府の外局に設置され、厚生労働省や内閣府が担ってきた子どもや子育てに関わる主な部署を移管し、各省庁より一段高い立場から、子ども政策を一元的に担います。

子ども家庭庁の設置は、本区にどのような影響があり、どのように進めていかれるのかご見解をおうかがいいたします

子ども家庭庁は、「こどもまんなか社会」の実現にむけた子ども政策が、より一層推進されることが期待されています。

本年7月には「就学前のこどもの育ちに係る基本的な指針」に関する有識者懇談会が開催され、就学前の子どもたちの育ちについても注目が集まっています。

また、文部科学省では、幼児教育の質の向上及び小学校教育との円滑な接続について専門的な調査・審議を行うため「幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会が設置されました。目指す方向性として「幼保小の架け橋プログラム」の実施等が示され、「幼保小の架け橋プログラムの実施に向けての手引き」等が策定されました。

就学前の子どもたちの教育保育活動の質の向上が大変に重要と考えます。

本区では、就学前の教育保育の質の向上に新しい取り組みがあればお聞かせください。

 

豊島区は、アートによる教育保育活動が行われ、芸術文化×教育の土壌が育っています。

昨年の第三回定例会で豊島区が設置する認定子ども園は、公立としては全国初となる芸術家による文化・体験を特色とした園の設置を我が党が要望させていただいたものですが、

その後の検討状況をお聞かせください。

言葉によらない、音や身体・絵で表現する活動により障がいの壁を越えたインクルーシブで魅力的な質の高い教育保育活動が、多様な文化資源を有する国際アートカルチャー都市ならではの取り組みと考えます。

認定子ども園の設置の前に、プレ事業で子どもに寄り添うアーティストを起用し文化体験事業を行うことも有効と考えますが、ご見解を伺います。

 

また、来年4月の発足に併せて、子どもの権利の保障を明記した「こども基本法」(議員立法)も成立しました。

日本は、1989年に国連総会で採択された「子どもの権利条約」を94年に批准したものの、なかなか法整備が進みませんでした。公明党が推進する「こども基本法案」は、法的に子どもの権利を定めて、子ども施策を総合的かつ計画的に推進する画期的な法整備と言えます。おおよそ30年待望していた法律でもあります。

子どもの人権という観点から考える時に、子どもの最善の利益を優先し、子どもの意見を聞き、尊重するという原則が非常に重要であります。子どもの間は決定権が大人にあることの方が多い中で、子どもの権利を守るためには「子どもにとって何が一番良いか」という観点から決めなければならないと思います。そのためには、子ども自身の意見を聞いて決定に反映させるべきと考えます。

たとえば、虐待を受けた子どもを親から引き離す時や、両親の離婚の際に親権をどちらにするかといった時等がそれにあたると思います。大きな意味では、子どもに関わる政策や事柄、学校の校則や少年法の適用年齢などを決める時もそうです。いずれも、子どもたちに意見を聞かなければなりませんが、その通りになる訳ではないことも説明し、結果も伝える必要もあります。また子どもに意見を聞くというのは簡単ではないので、聞く側の大人の訓練も必要になってくると思います。

2020年の第三回定例会一般質問で、子どもたちの意思を尊重し、保障するための仕組みとして、子どもの声を引き出し、子どもの目線に立った対応を行うためのアドボケイトの育成を要望させていただいたところ、

区からは、『代弁者と訳される「アドボケイト」が、子どもの立場に立ち、子どもの意見を表明する役割を果たすことは重要であると受け止めております。子どもの最善の利益の保障に向けた研修体制を充実させます』と答弁をいただきました。

現在までのアドボケイト育成の進捗状況を教えてください。

 

さらに、権利表明が困難な子ども等、本来個々人がもつ権利をさまざまな理由で行使できない状況にある人に代わり、その権利を代弁・擁護し、権利実現を支援する機能をアドボカシーといいますが、

アドボカシーは、本人が解決することをサポートすること。どこの窓口に行けばいいか一緒に考え、子どもが行けるようにする。それでも本人ができないときは、一緒に行くなど、子どもの指示に基づいてアドボケイトが代弁します。一緒に考え、支援しますが、子どもができることまでアドボケイトが奪ってはいけません。

子どもの意見を聞き、尊重する取り組みであるアドボカシー機能を、ぜひとも本区にも設置をしていただきたいと望みますがいかがでしょうか。

政府の「こども政策の推進に係る有識者会議」の宮本みち子・放送大学名誉教授は、『子どもに関して必要な施策は非常に多くあるが、これまでは所管が各府省庁に分散し、統一が取れていない状況だった。

「こども家庭庁」が設置され、「こども基本法」を基にした子どもの権利に対する第一義的な責任を持つ体制ができたことは大きな前進だ。』と言われています。

子どもの幸せを最優先する社会の構築へ重要な子ども家庭庁の設置であります。

本区でも効率的で効果的な子育て施策をより一層推進し、子どもと家庭をオール豊島で支え、魂のこもった取り組みの実行を望みますが、お考えをおうかがいいたします。

 

次に、子どもの発達支援について伺います。

千川中学校の改築計画では、千川中学校に加え、西部子ども家庭支援センターと教育センターの発達支援機能の複合化が示されました。本区の幼児期における発達支援相談を担ってきた西部子ども家庭支援センターは、支援を必要とする幼児も増加しており、手狭で十分な支援が行えない施設環境であり、私ども区議団が何度も議会で取り上げ、支援や施設の拡充を求めてきました。

そこで伺いますが、西部子ども家庭支援センターの単なる転居となるのか。それとも、私ども公明党が求めている児童福祉施設である「児童発達支援センター」の設置を目指されるのか。本区のお考えをお示し下さい。

以前から、西部子ども家庭支援センターと教育センターとの連携の重要性については、公明党としても取り上げて参りました。複合化により、幼少期から一貫した支援が可能となり、区民のワンストップサービスが実現すると考えます。教育センターとの合築のメリットについて、区のお考えを伺います。

また、これまで16歳から18歳までの相談が途切れがちで、情報が少ない傾向にありました。今後、身近に新たな発達支援の中心施設の設置が進むわけですが、相談体制の強化についてどのように取り組まれるのか、お考えをお聞かせください。

 

現在、西部子ども家庭支援センターの相談対応のため、臨時的に区民ひろばが活用されています。相談については待機者を解消する取り組みをされておりますが、個別指導については十分な回数を確保する事が困難になっております。支援の内容や量については、一人ひとりのニーズに合わせた十分な指導が求められますが、新たなセンターでは十分な個別指導が可能になるのか。また、令和8年度の竣工まで、ニーズに合わせた個別指導をどのように確保されていくのか、お考えを伺います。

学校の複合化は区内でも初めての取り組みであり、特に住宅街に7階建ての公共施設という事で、近隣住民のご不安もあるかと思います。地域に対する丁寧な説明とご理解を頂けるよう努めて頂きたいと思いますがいかがでしょうか。

最後に4項目目は、選挙投票及び投票所におけるバリアフリーについておうかがいいたします。

高齢の方や障がいのある方が投票するには、特性ごとにさまざまな困難が伴います。ハード面は勿論ソフト面でも整備が必要になります。

2013年に公職選挙法が改正されて成年被後見人の選挙権が回復した結果、現実問題として、身体障がい者、知的障がい者、認知症高齢者などが投票するとき、投票所での支援が必要になったことで投票支援という課題が生まれました。本区でも会話によるやりとりが難しい方のためにコミュニケーションボードや筆談ボードの設置や、代理投票・点字投票・郵便投票等が実施されています。

また、高齢者や歩行困難者には事務専従者の配慮がありますが、知的障がい者に対しては他の障がいに比べて社会の理解や投票の支援が遅れていると考えます。

NHK障害福祉賞最優秀賞を受賞された、知的障がいのある自閉症の兄弟を育てておられる奈良県の山口歩さんから、投票所事務専従者の対応についてのお話しをうかがいました。

知的障がいのある二人の息子さんたちは、自分で投票したい人を選び名前も書けるけれど、慣れない場所ではウロウロしてしまったり、つぎの行程が理解できなかったり、とても不安のおもいをされたそうです。

この夏の参院選では、お母さまが、会場に一緒に入ってサポートしてもらえる付き添いをつけて欲しいと事前に選挙管理委員会に電話で依頼したところ当日、男性スタッフお2人が対応してくださったそうです。

物腰も柔らかく「入れたいかたを覚えているなんて凄いです!」「大丈夫ですよ!一緒に投票にいきましょう」と、あたたかく声をかけてくれたのでお二人の息子さんは安心されたとのことでした。

また、お母さまがスタッフさんに申し伝えとして「この用紙に名前を書いて」というと候補者でなく、自分の名前を書いてしまうのでと伝言をすると「覚えてきた名前を書いてね」と伝えるようにしますね!と、息子さんたちが混乱しないよう、言い方を工夫してくださったそうです。

長男さんは過去2回、期日前投票で残念な対応をされたとのことですが、今回は今までで1番丁寧に、また、こちらの希望に沿ったカタチで対応いただけ、息子さんそれぞれに1人担当者さんが付いてくださりスムーズな投票ができました。との感動のお話をうかがいました。

豊島区では知的障がい者の方たちへどのような対応をされているかお聞かせください。

スタッフさんの価値観や仕事に対する考え方も多様化していると思います。人によって対応が違うのは公平性に欠けると考えます。格差をなくすためにも、投票支援マニュアルを作成し、職員や投票所のスタッフ向けに研修会等の実施を望みますがいかがでしょうか。

また、新座市等では、選挙において投票をする際に何らかの支援が必要な方に向けて、いろいろな投票方法や支援制度などについて分かりやすくまとめたパンフレットが作成されています。

本区としても投票をする際の手助けになるパンフレットの作成を要望しますが、ご見解をおうかがいいたします。

この夏の参議院選挙では、西部区民事務所の投票所が初めて仮設で設置されました。

この仮設投票所は、通路が整備されておらず砂の道に大きな石が転がっていて、車いすの方や歩行困難の方にとっては通りにくい通路でした。また出口の階段や手すりが不安定で怖い思いをしたと、期日前投票の初日から多くの区民の方から苦情の電話が連日かかってきました。そのたびに選挙管理委員会の職員さんに改善のお願いをし、職員さんも即対応してくださりありがたかったのですが、納得の改善にはならず区民の方からの苦情は止みませんでした。期日前投票の終盤でしたが、斉藤副区長にも改善の対応を要求させていただき期日前の最終日ではありましたが、ハード面、ソフト面ともに改善され、利用しやすい投票所になり、区民の方からやっと納得のお声を聞くことができ安心した次第です。

来年春には、統一地方選挙があり、その時も仮設投票所が設置される予定です。今回の反省を踏まえ、区内の有権者に寄り添った、心あたたまる安心で安全な投票所の設置と運営を切に願います。

最後に投票及び投票所におけるバリアフリーについて本区のご見解をおうかがいいたします。

以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

公明党 ふまミチ議員 令和4年第3回定例会 一般質問答弁

高野区長

ただいまの、ふまミチ議員のご質問に対しまして、私からは、第3の項目であります、子ども施策について、その中でも西部子ども家庭支援センターの移転に関する区の考えについてのご質問にお答えいたします。

 

ご指摘の通り、児童の発育や発達に関する相談は年々増加し、特に2年前から、相談が約3か月待ちの状況となっており、区といたしましても大きな課題と認識しております。

こうした中、千川中学校の改築、複合化に伴い、西部子ども家庭支援センターのすべての機能を移転させることを決定いたしました。

移転を機に、施設面積を拡張できることから西部子ども家庭支援センターが持つ「児童発達支援事業所」の機能を「児童発達支援センター」として発展させることも可能になります。

「児童発達支援センター」に位置付けるには、通所児童以外の障害児への支援など、新たに地域支援の機能を加える必要があるため、さらに検討を進めてまいります。

 

次に、西部子ども家庭支援センターと教育センター合築のメリットについてのご質問にお答えいたします。

現状では、乳幼児期の相談は子ども家庭支援センター、義務教育の間は教育センターで対応しており、乳幼児期から通い慣れた施設で相談の継続ができず、ご不便をおかけしております。

複合化による最大のメリットは、何といっても、乳幼児期から小学校入学以降の継続した支援が可能になることであります。

すでに、西部子ども家庭支援センターと教育センターの施設の共有化や連携強化をはかるため、子ども家庭部と教育部によるプロジェクトチームを、本年8月に立ち上げました。利用者の利便性を高め、切れ目のない支援を実現するために、鋭意検討を進めてまいります。

この西部子ども家庭支援センターの移転については、以前から、公明党区議団、特に地元であるふま議員から強い移転希望を受けていることを思い浮かべ、私も以前何回か現地を視察しておりますが、自転車も満足に置けない、袋小路の保育園の跡地の活用だけに手狭な建物となっています。

この度、隣接する第十中学校野外スポーツ施設の管理棟設置のために私も再三にわたり現地に赴き、今計画中の千川中学校の施設に西部子ども家庭支援センターを加え、更に、教育委員会との話し合いのうえ、教育センターも併せて計画に加えました。これにより、児童の発育、発達対策が大きく前進いたします。

私は、常に豊島区全体を見ながらまちづくりを考えているわけでありますが、これこそ豊島区の価値を上げるまちづくりにつながるものではないかと思っております。

 

次に、新たな施設における発達支援の相談体制の強化についてのご質問にお答えいたします。

本区では、現在、義務教育終了後の16歳から18歳の相談は、西部子ども家庭支援センター、教育センターのほか、障害福祉課やアシスとしまでお受けしています。

一方で、相談件数など、対応の状況を鑑みますと、支援を必要としながら、支援につながっていない方が一定数おられるのではないかと、とらえております。

適切な支援を受けないまま社会に出ることで、傷つき体験や心身の不調、意図せず犯罪に巻き込まれる場合もあり、このような状況に陥ることは、防がなければなりません。

こうしたことから、今後、義務教育終了後の相談先を明確にし、年齢に適した相談環境を整えることが必要であると認識しており、新たな施設の設置に向けては、子どもの年齢や特性に合わせた、きめ細かな支援体制が構築できるよう、しっかりと検討してまいります。

 

次に、新たな施設の竣工までの間及び新たな施設においてのニーズに合わせた個別指導をどのように確保するのかについてのご質問にお答えいたします。

この9月より、2か所の区民ひろばをサテライト会場として活用し、ひと月40人分の相談枠を拡充いたしました。

これにより、初回相談の待機は解消する見込みですが、個別指導の全ての待機を解消させるには至っておりません。

新たな施設においては、施設面積が拡充できること、教育センターとの施設の共有化が図れることなどから、現在の待機者数に加え、今後の相談数の増加も見込み、対応できると考えております。

また、令和8年度の竣工までは、相談室となる場所の確保が最大の課題でありますが、サテライト会場を増やすなど、場所の確保に努め、児童が適切な時期に、適切な支援を受けられる環境の整備に努めてまいります。

なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては、両副区長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から、選挙管理委員会の所管に属する事項につきましては、選挙管理委員会事務局長から答弁申し上げます。

齋藤副区長

女性のデジタル人材についてのご質問のうち、まず、区の女性自立支援の実態と課題についてのご質問にお答えいたします。

区では、女性の雇用機会の拡大にむけ、ハローワークや東京都等と連携し、就職に関する情報提供や就職、再就職に必要なスキルを身につける講座等を開催しています。

また、起業を志す方や起業して間もない方を対象といたしまして、「サクラーヌbiz 女性のための起業塾」を平成27年度から実施しています。飲食や美容サービス、学習支援など、趣味や特技を活かして起業する方等、令和3年度には32名、今年度は30名の方のご参加をいただきました。

さらに、高卒認定試験講座や国家資格取得を支援する給付金、ハローワークと連携した「ひとり親家庭自立支援プログラム策定事業」等を実施しております。

しかしながら、女性の自立を支援する講座等については、参加の機会や人数がまだまだ限られておりまして、さらには給付金の支給等は、ひとり親の方に限られたものとなっており、今後、さらなる改善が必要になると考えております。

これからも、様々な困難を抱える女性の相談に応じつつ、実効性のある女性の自立支援策の充実に努めてまいります。

 

次に、ワッフルキャンプホームタウンの開催状況及び効果等に関する区の見解についてのご質問にお答えいたします。

女子中高生を対象としたワッフルキャンプホームタウンは、ウェブサイトの制作を学ぶ講座であり、区がNPО法人ワッフルと共同で8月に開催いたしました。

当日は、中学生9名、高校生4名計13名の方に参加をいただきました。この講座は、1対1で指導や助言をするメンターを付けることにより、初心者でもオリジナルのウェブサイトを実践的に学習でき、IT企業に勤務されている方のキャリアトークの時間も設けた内容でした。

これまでITに関心のなかった方も、興味を高め、デジタル分野を将来の就職先としての一つとして考えるきっかけを作ることができ、大変有意義な講座であったと考えておりますので、今後とも継続してまいりたいと思います。

 

次に、若年女性のデジタル人材育成に向けた継続的な取組についてのご質問にお答えいたします。

国の統計によれば、大学の学部に占める女性の割合は、理学系が27.8%、工学系が15.7%となっています。大学等への進学の際に理系を選択する女性は、依然として限られた状況が続いており、デジタル分野におけるジェンダーギャップは、教育段階から始まっているものと考えられます。

こうしたジェンダーギャップ解消のためには、中高生のころからIT分野を将来の選択肢の一つとして考える機会を設けることが、大変重要であり、今後も、女性のデジタル人材育成に向けまして、事業者と連携して若年女性が参加しやすい講座を工夫するなど、事業の継続と拡充に努めてまいります。

 

次に、ハローワークと連携した女性のデジタル人材育成に関する取組の有効性についてのご質問にお答えいたします。

本区では、ハローワークとの共催で「再就職応援セミナー」を実施してまいりました。しかし、現在のセミナーは、就職活動の進め方や希望の求人の探し方などが中心でございまして、ITエンジニア関連の内容は含まれていませんでした。また、20名の定員に17名の参加という状況で、定員のさらなる増加も課題であると考えております。

デジタルスキルの習得から就職支援までをつなげる取組は、重要かつ有効であると考えておりますので、今後は、ハローワークと連携を深め、人材育成と就職支援の両面から、より効果的な事業の展開に取り組んでまいります。

 

次に、先進事例を研究し、希望する女性がデジタルの知識や技能を習得し就労できるような取組を行うことについてのご質問にお答えいたします。

宝塚市や塩尻市のような先進事例をみますと、アウトリーチ型の相談事業やマッチングの方法、また、民間企業や他自治体との連携や事業主体のあり方など様々な課題があることがわかってきました。今後、ご紹介いただきました先進事例を含め、さらに調査・研究を進め、デジタル技術を活用しながら女性のデジタル人材の育成に関する事業や講座に活かしてまいりたいと思います。

 

次に、子ども施策についてのご質問のうち、住宅街に学校を含めた7階建ての複合施設を建設することの地域への丁寧な説明についてのご質問にお答えいたします。

千川中学校の改築については、山手通りに面した好立地にある敷地条件を踏まえ、建て替え等を考える会をはじめ、地元の皆さまや子ども達から広くご意見を伺うとともに、考える会ニュースを発行して検討状況を適宜お知らせするなど、丁寧に合意形成を進めてまいりました。その中において、児童施設など学校以外の機能導入についてのご意見をいただいているところでございます。

児童発達支援機能の複合化や地域交流機能のあり方を含めまして、7階建ての整備計画について、考える会をはじめ、地元の皆さまに丁寧にご説明し、今後も、しっかりとご理解をいただくように努力してまいります。

なお、特にご近隣の皆さまに対しましては、本日、ご意見を伺う会を開催いたしますので、ご理解が得られるよう誠意をもって対応してまいります。

らの答弁は以上でございます。

高際副区長

健康施策についてのご質問のうち、まず、帯状疱疹ワクチン接種の有効性についてのご質問にお答えいたします。

現在、2種類の帯状疱疹ワクチンが使用可能であり、そのうち水痘ワクチンは平成28年に、乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンは平成30年に薬事承認されています。国により帯状疱疹の予防に対する効果が認められていることから、区としても、これらのワクチンは帯状疱疹の予防に対し、一定の有効性があると認識しています。

 

次に、水痘ワクチン及び乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンの特性についてのご質問にお答えいたします。

先ほどご答弁申し上げたとおり、帯状疱疹ワクチンには、水痘ワクチンと乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンの2種類があります。水痘ワクチンは、生ワクチンであり、免疫が低下した方は接種できません。乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンは、不活化ワクチンですので、免疫が弱った方へも接種が可能であり、有効性も優れていますが、接種費用が高額となっています。

 

次に、帯状疱疹に関する知識の周知についてのご質問にお答えいたします。

帯状疱疹の発症には、免疫能の低下が大きく影響することから、高齢者の増加に伴い、帯状疱疹にかかる方が増えていること、また、ストレスなどによる免疫の低下により、若い方でも発症するケースがあり、20代から40代の方の発症率が増えているという報告があることについては、区としても認識しています。

現在、ホームページに帯状疱疹の症状や、帯状疱疹ワクチンの種類、接種スケジュールについて掲載しておりますが、今後、ホームページの内容をより充実させるとともに、区民ひろばや子育てサロン等で行う「出前講座」等を通じ、帯状疱疹とそのワクチンについての周知に努めてまいります。

 

次に、帯状疱疹ワクチン定期接種化に関する国での議論の進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

国は、平成28年3月に、水痘ワクチンに「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」についての効果が追加承認されたことから、同年6月の厚生労働省科学審議会において、水痘ワクチンを定期予防接種に使用することについて、検討を開始しました。平成30年に開催された同審議会では、「期待される効果や導入年齢に関して検討が必要」という意見が出されておりますが、それ以降は、この件を議題に取り上げた審議会の開催などはありません。

 

次に、帯状疱疹ワクチン接種に関する区独自の助成についてのご質問にお答えいたします。

任意接種の費用助成については、その効果や集団感染予防への有効性、安全性などを総合的に検討する必要があります。

帯状疱疹ワクチンについては、先程ご答弁申し上げたとおり、国の審議会において、定期接種化の導入に関して検討が必要とされており、区としては、まずはこうした国の動向を注視してまいります。

 

次に、子宮頸がんワクチン接種の積極的勧奨に関する取り組みについてのご質問にお答えいたします。

子宮頸がんワクチン定期接種については、国の方針に基づき平成25年6月より積極的勧奨を差し控えてきましたが、この取り扱いを終了するとの国からの通知を受けまして、区は今年4月に定期接種の対象である中学校1年生から高校1年生相当の年齢の女子全員に予診票を発送し、積極的勧奨を再開いたしました。

また、積極的勧奨の差し控えとなっていた期間に接種の機会を逃した方、いわゆる「キャッチアップ接種の対象者」に対しても、6月に予診票を発送し、個別に接種勧奨を行っております。

 

次に、子宮頸がんワクチン接種の有効性やリスクに関する丁寧な情報発信についてのご質問にお答えいたします。

区としては、ワクチン接種の有効性やリスクについて、正しく、わかりやすい情報提供をすることは、接種対象者や保護者が接種を判断する上で、最も重要と考えております。

こうしたことから、定期接種やキャッチアップ接種の対象者に予診票を送付する際に、 HPVワクチンの効果やリスクをわかりやすく記載した厚生労働省作成のリーフレットを同封しています。また、区では、寄せられたお問い合わせに丁寧に対応するとともに、医療機関に対し、接種時等における適切な説明を依頼するなど、接種を考える方への寄り添った対応に努めております。

 

次に、子宮頸がん検診に関する20代の年齢別受診率及び区の見解についてのご質問にお答えいたします。

区は、国の指針に基づき、20歳以上の偶数年齢の女性を対象に子宮頸がん検診を行っています。令和3年度の20代の受診率は、20歳が3.5%、22歳が5.3%、24歳が7.6%、26歳が8.9%、28歳が13.0%と、年齢が若い方ほど受診率が低い傾向にあります。

子宮頸がんは、20代で発症するケースが増えていることから、早期発見のため、検診受診率を向上させることが必要であると考えています。

 

次に、子宮頸がん検診に関する20代の受診率向上に向けた区の取組についてのご質問にお答えいたします。

区は、20歳から80歳未満の子宮頸がん検診対象者全員に対し、毎年5月に無料の検診チケットを送付し、受診を促しています。また、同封したチラシの中で、早期に発見されたがんは、治る可能性が高く、軽い治療ですむこと、また区内23か所の医療機関で受診可能なことなどをご案内しています。

若年層の受診率向上に向けては、小児・AYA世代へのがん啓発を目的としたチャリティライブをがん情報サイト「オンコロ」と共催しています。今年は9月3日と4日に池袋西口公園野外劇場グローバルリングシアター、9月9日と10日にサンシャインシティ噴水広場で開催し、区の職員が区のがん検診及び、検診の大切さをお伝えしました。

 

次に、HPV簡易検査キットの配布による子宮頸がん検診受診率の向上に関する区の見解及び若い世代の子宮頸がん予防への関心を高めるための取組についてのご質問にお答えいたします。

検査キットの無料配布により、検診受診率の向上につなげようとするお話の調布市の取り組みについては、子宮頸がん検診を知るきっかけ作りとして、効果が期待できると考えています。

一方、検査キットで陰性の場合、検診を受けなくなる可能性もあることから、この取り組みを通じた子宮頸がん検診の受診率向上への効果について、区としても注視してまいります。

子宮頸がんから体を守るには、ワクチン接種に加え、検診を定期的に受けることが大切であり、区としては、今後も、他の自治体の取組事例なども参考にしながら、若い世代の意識啓発に取り組んでまいります。

 

次に、子ども施策についてのご質問のうち、まず、こども家庭庁の設置に関する区への影響及び今後の進め方についてのご質問にお答えいたします。

国は、こども家庭庁の設置により、常に子どもの視点に立ち、子どもの最善の利益を第一に考える、こどもまんなか社会の実現を目指しております。

本区では、「子ども・若者総合計画」において、「子ども・若者が、権利を保障されながら成長していけるまち」のイメージ図の中で、子どもを真ん中に位置づけ、その実現を目指し、子ども施策を展開してまいりました。

本年8月には、内閣官房子ども家庭庁設立準備室が選定した先進事例として、「としま子ども会議」や「豊島こども大学」など、子どもたちが意見を表明する本区の事業が取り上げられており、こうしたことからも、こども家庭庁が目指す「こどもまんなか社会」と、本区が進めてきた施策の方向性は軌を一にするものと考えております。

区といたしましては、今後、国において子ども施策の司令塔となる「こども家庭庁」の動きをしっかり捉えながら、更なる支援の充実に取り組んでまいります。

次に、現在までのアドボケイト育成の進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

社会的養護の必要な子どもや、様々な困難を抱える子どもの思いを受け止め、その声を代弁するアドボケイトは、子どもの権利擁護の観点から、極めて重要であると認識しております。

区ではこれまで、都の児童相談所や児童養護施設に派遣している職員を月に一度集め、子どもへの向き合い方や、子どもの声にいかに耳を傾けるかなど、日々の業務を通じての課題を学び合い、その後のケースワークに活かしていく取組みを重ねてまいりました。

また、全ての児童福祉司と児童心理司は、児童福祉司任用前研修ならびに児童心理司基礎研修の中で、子どもは守られる存在であり、自由に意見を言い、安心して自分らしく暮らせる権利を有することについて記載した「子どもの権利ノート」の内容を全員が学ぶとともに、さらに児童心理司は、子どもの気持ちを引き出す心理技術の向上に努めております。

子どもの生活の場となる一時保護所職員の研修では、「子どもの安心と安全を守る」、「集団生活であっても一人ひとりが大切にされる」という基本理念のもと、心配事があるときや、食事や入浴、睡眠時などで不便があるときは、いつでも職員に相談できること、それをいかに子どもたちに伝えていくかなどについて学び、その重要性を繰り返し確認してまいりました。

子供の権利の保障については、こども基本法の制定に加え、令和6年4月施行の改正児童福祉法においても、「児童相談所は、施設入所や一時保護の際に、子どもの意向を勘案して措置を行う」ということが明記され、今後一層、アドボケイトの役割が重要となってまいります。

区においては、子どもに関わる全職員が、的確な支援を行えるよう、児童相談所開設後も、研修等の充実に取り組んでまいります。

次に、子どもの意見を聞き、尊重する取組であるアドボカシー機能を区に設置することについてのご質問にお答えいたします。

平成2年7月、「子どもの権利委員会」に子どもの権利擁護に関する施策について諮問したところ、「権利侵害を受けた子どもを、子どもの権利擁護委員につなぐために、専門の相談員を配置すること」など、アドボカシー機能の充実について答申をいただいております。

現在、「子どもの権利に関する条例」に基づく「子どもの権利擁護委員」として、弁護士2名、臨床心理士1名を委嘱しておりますが、児童相談所を開設する本区において、子どもの権利の実現を支援していく機能は、きわめて重要な役割を持つことから、今後、答申に示された専門相談員の配置など、アドボカシー機能の設置に向けて、検討を進めてまいります。

次に、効率的で効果的な子育て支援をより一層推進し、子どもと家庭をオール豊島で支え魂のこもった取組を実行することについてのご質問にお答えいたします。

本区では、平成12年に、子ども家庭部、教育部、保健福祉部、文化商工部などの部課長で構成する「子どもの施策調整会議」を設置し、子どもに係る施策のあり方や、施策の整合性等の検討・調整を行い、より効果的かつ効率的な事業執行に取り組んでおります。

また、地域では、子どもを支援する地域団体、NPO法人、子育て支援グループ、企業等による主体的な活動が活発に展開されており、区制90周年を機に、地域一体で子どもを支えるための新たなエリアプラットフォームも立ち上がっております。

今後、こうした機運も活かし、職員が積極的に地域に出向くなど、子どもを支える地域の皆さまと、これまで以上に連携しながら、子ども若者、子育て家庭支援を進めてまいります。

私からの答弁は以上でございます。

金子教育長

引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しまして、お答え申し上げます。

子ども施策についてのご質問のうち、まず、就学前教育保育の質の向上に関する新しい取組についてのご質問にお答えいたします。

この質の向上のためには、様々な施策が求められますが、ご指摘の、国の動向等も踏まえまして、まず教育委員会におきましては、保幼小の連携の強化が重要と考えております。そのため、令和4年4月に幼児教育推進係長を設置いたしました。池袋幼稚園を中心とした保幼小連携の取組を具体的には実施しています。新型コロナウイルスの影響により、一時期、施設間の交流は下火となっておりましたが、本年6月の池袋小学校、池袋第五保育園、池袋幼稚園の3者で開催した「保幼小連絡会」を契機として、活発な交流を再開しております。11月に開催予定の第二回保幼小連絡会では、同じ小学校ブロックにある私立の幼稚園・保育園にもお声がけをして、参加施設の幅を広げることで、保幼小連携を一層推進し、就学前の教育保育の質の向上と小学校への円滑な接続の実現を目指してまいります。

 

次に、芸術家による文化・体験を特色とした認定こども園設置の検討状況についてのご質問にお答えいたします。

昨年ご提案いただいた芸術家による文化・芸術体験につきましては、海外や他自治体の事例調査、区内NPO法人とのヒアリングを実施するなど具体化に向けまして検討を進めております。

プロの芸術家とともに身体表現や造形あそびなどを体験することは、創造性や個性を伸ばし、豊かな感受性を育むとともに、障がいの有無を超えて、みんないっしょに学びあうことができる体験学習だと考えております。

本区初となる区立認定こども園は、芸術家による文化・芸術体験や「SDGs未来都市」にふさわしい環境教育などを特色とした、豊島区らしい先進的な教育施設となることを目指してまいります。そのためにも、その教育効果を適切に評価し、継続的に続けられるような「仕組み」の構築も同時に必要であると考えております。

次に、認定こども園設置のプレ事業として子どもに寄り添うアーティストを起用した文化体験事業を行うことについてのご質問にお答えいたします。

現在実施しております「次世代文化の担い手育成事業」は、希望する施設ごとに年に一度、と限られた機会となっておりますが、認定こども園のプレ事業として、本事業の実施回数を増やす、あるいは教育効果を評価する体制を構築するなど、認定こども園における先進的な教育実践につながるよう、実施方法を検討してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

選管事務局長

引き続きまして、選挙管理委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しまして、お答え申し上げます。

選挙投票及び投票所におけるバリアフリーについてのご質問のうち、まず、区における知的障がい者の方たちへの対応についてのご質問にお答えいたします。

本区では、すべての選挙人が正当な権利を行使できるように、選挙人から必要な助けを求めやすい環境整備及び接遇を行うとともに、高齢の方や障がいのある方については、投票の際に必ず投票の方法や補助の必要性について確認をしています。

お尋ねの知的障がい者の方への従事職員の対応については、投票事務提要に記載されている対応の要点に従って支援を行っています。具体的には、知的障がい者本人に対してわかりやすい言葉でゆっくりと話し、焦らせて相手を混乱させないように気を付ける、口頭での説明の理解が難しい場合には、メモなどを用いて相手がどのように理解しているかを確かめながら話すなど、ケースバイケースで柔軟に対応しています。

 

次に、投票支援マニュアルを作成し、職員や投票所のスタッフ向けに研修会等を実施することについてのご質問にお答えいたします。

投票所の運営は、区職員及びシルバー人材センター等の派遣職員によって行われており、区は、それらの従事者に対して投票事務提要を用いて障がい者の方等への対応の要点を示しています。しかし、それだけでは投票所できめ細かいサポートをするには限界があると感じており、障害がある方等が不安なく投票できる環境を作るためには、従事職員がそれぞれの障がい等について理解を深め、支援方法を知ることが不可欠であると考えています。

区としましては、投票従事者がすべての投票人に対して公平な対応ができるようになるため、福祉部局と連携しながら、今年度中に障がいがある方や高齢の方のための支援マニュアルを作成し、まず、区職員に対する研修会等の機会を設けて、支援のスキル向上に努めてまいります。その後、派遣職員にも範囲を広げていきたいと思います。

次に、投票をする際の手助けになるパンフレットの作成についてのご質問にお答えいたします。

選挙には様々な投票方法と支援制度が定められていますが、それぞれの要件がわかりにくく、投票人に十分理解されていないと感じています。これらを一つのパンフレットにまとめて記載して周知することは、区民の皆さまの選挙に関する理解を助け、積極的な投票につながっていく効果があると考えていますので、さっそくパンフレットの検討に着手し、他の自治体の事例なども参考にしながら、来春予定されている統一地方選挙に向けて作成を進めてまいります。

 

次に、投票及び投票所におけるバリアフリーについてのご質問にお答えいたします。

先の参議院議員選挙における西部区民事務所の併設仮設投票所の設置及び運営については、特に施設整備について十分な対応ができずに、ご不便、ご迷惑をおかけいたしました。ご指摘のとおり、投票所の運営につきましては、支援が必要な方へ確実に支援が届くことが必要であると考えていますので、次回選挙では改善いたします。

区といたしましては、今後も区民の皆さまが安心して投票できるように、ソフト・ハード両面において、だれもが利用しやすい環境を整備するとともに、個別・具体的に各施設を点検してまいります。

 

以上をもちまして、ふまミチ議員のご質問に対する答弁を終わります。