令和 4年予算特別委員会( 3月 1日)島村総括質疑 入るを量りていずるを為す

○島村高彦委員  お疲れさまです。

公明区議団は、昨年の決算委員会と同様に、高橋、根岸、ふま、島村、4名フルメンバーで参加をさせていただきます。御迷惑でしょうが、よろしくお願い申し上げます。

それでは、令和4年度の予算ということで、これについては一般質問でも種々お尋ねをいたしましたが、全体を見たときに非常に、基金、貯金ですね、貯金をより強く蓄え、そして起債、借金をできるだけ抑制をしていくと、こういった姿勢が全体の編成の中でよく見られまして、本当に全体としては基金と起債をバランスよく活用しまして堅実な運営予算になっているというふうに見ました。

そういった中で、一般質問におきましては特別区民税、それから財調交付金ですね、この歳入が当初の見込みと異なったということについて、その理由についてお尋ねをさせていただいたわけでございます。で、同じく、見込みが異なっているという点におきまして、1点、今お話ししました区債、借金ですね、それから基金、貯金の見込みなんですが、「としまのお財布」を見ますと、これは昨日配られたものではなくて、それより、ちょうど1年前、前に配られた「としまのお財布」の令和3年度の、3年度末の見込みを見ますと、区債が319億円で基金が264億円と、久しぶりの借金の超過になるというふうな見込みが立てられておりました。長い間、貯金が上回っていたということでよかったというふうに思ってたんですが、またここで借金が上になっちゃうんだなということで、残念だなとか思っておったんですが、今年度の予算案の概要を見ますと319億円と見込んでいた借金が249億円と非常に少なくなった。さらに、264億円という基金が結果として389億円の見込みになったと。これまた大きな1年前の見込み相違となってるわけですが、これの理由について簡単にお聞かせ願えればと思います。

○木村財政課長  令和3年度当初予算におきましては、コロナ禍という未曽有の危機的状況を考慮いたしまして、リーマンショックと同等以上の歳入減を見込んだところでございます。

しかしながら、リーマンショックが個人個人で見ればあらゆる所得階層におきまして収入減となったのに比べて、コロナ禍は比較的高所得層については影響が小さかったと言えます。また、企業で見ますと、リーマンショックの際にはほぼ全ての業種に影響を与えたのに比べ、コロナ禍におきましては飲食や宿泊といった業種は大きな影響となりましたが、その一方で、巣籠もり需要やテレワークなど追い風とした業種もございました。そういった業種ではむしろプラスとなった業界もあったところでございます。

このようなことから、手堅く見込んでいた令和3年度当初予算額に対して、3年度の決算見込額は特別区民税、財調普通交付金、地方消費税交付金の3大基幹歳入の合計では、当初の予定を90億円以上上回る結果となりました。

また、令和2年度の決算剰余金につきましても当初の予想を上回る38億円となったことも加わりまして、令和3年度末の貯金と借金のバランスは大幅な改善となる見込みとなってございます。

 

○島村高彦委員  一般質問でも御答弁ありましたけれども、リーマンショックとは今回のコロナ禍の影響というのは違うんだよという御答弁がございました。まさに今、リーマンショックになぞらえてこうした想定をしたんですが、結果としてはリーマンショックとコロナでは違うんだよということだろうというふうに思います。

区民税につきましても、同じような理由であったと思います。すなわち、291億円という見込みだったんですが308億円ということで、こうした見込みの相違が出たということであると思います。

それと、歳入について、また改めてお聞きするんですが、平成の23年から令和2年までは、非常に歳入が連続して増加をしているわけでございます。一回も前年を下回ったことがないと、だんだんと増加をしてきたということで、この内容については一般質問でもどのような要因であるかということもお尋ねしましたが、再度改めてこれについてお尋ねいたしたいと思います。この間ずっとファミリー世帯向けのマンションが非常にたくさん建設をされたと。それから、私ども公明党区議団も強く要望いたしました待機児童対策に徹底して取り組んでいただいたと。さらには、区長を中心とした文化を中心としたまちづくり、こうした様々な対策ですね。消滅可能性都市の指摘を受けて以来、子どもと女性にやさしいまちづくり、こういった様々な対策が大きな効果を奏したんだろうと。結果といたしまして、池袋の人気も非常に高まっていると。よって、こういった状況の中で課税人口も増えてきたということで、区民税収入が年々増えてきたんだろうというふうに思うんですが、今お話ししたこと以外にもし何かこういったことも原因となっているんだということがあれば、お聞かせ願いたいなと思います。

 

○渡邉税務課長  課税人口増につきましては、先ほど委員がおっしゃったとおりでございます。そのほかにも収納率の向上ということで、過去には80%台で推移していた収納率につきましても96.81%ということで、収納率のほうの増加というのも一つの課税収入のほうの増加というのがあります。

先ほどの納税義務者数の増加でございます。令和3年度の納税義務者数の増減の要因別で見ますと様々あるんですけれども、転出入によるもの、それから非課税から課税になった方々、そういった理由というのもこれまでずっとあります。今回につきましては、課税の区分から非課税の区分に移行によるものが転入によるものとちょっと逆転して4対6というふうになっております。年度により増減の理由というのがいろいろありますが、転出入だけではなくて非課税から課税になったという方もずっとこれまでは続いていたというところでございます。

 

○島村高彦委員  それぞれ区民の方がそれまで非課税だったのが課税になったというところで、いろんな税制の関係もあるかもしれませんが、収入を得ようというような形になったと。

それともう一点、収納率の向上ですね。なかなかぱっとは分からないけど、陰でしっかりと努力を積み重ねて収納力を向上させていったということが非常によく分かりました。これからもその努力は、非常に地味な努力ではありますが、続けていっていただきたいと思います。

それと、将来の歳入見込みということで一般質問でもお尋ねしました。結論としては、なかなかこれ見通すのは難しいよということなんでございます。しかし、少しでも見通そうとする努力ですね、これは必要なんではないかというふうに考えております。

質問の中で、こうしたコロナ禍の中で好調な業種がございます。こういったところに勤めている人が区民の中に多ければ多いほど歳入にもいい影響を与えるんだろうということで、一応質問ということで傍線を引っ張っておいたんですが、文章が質問になってなかったのでお答えはなかったんですけれども、区民が従事をしてる、勤める仕事先、こういったものについて、その内容を把握しようと、こうしたことは今まで行われてきたかどうかということなんですね。そういった努力をするようにということは今までも何度かお話ししましたが、なかなか税の情報だけでは職種までは分からないというところがある中で、現在の豊島区民の仕事の内容、状況をつかもうと、こうした努力がこれまでなされていたのかという点からちょっとお尋ねしたいと思います。

 

○山野邊企画課長  個々の事業者に対して、どういう職種であるというようなアンケートをしたというような前例はございませんが、産業の中でどんな業種が多いかということにつきましては、情報を得るような努力をしているということでございます。

また、今回令和2年度に国勢調査出てございますので、その中である程度業種別の人口等は出てくるというふうに思いますので、そういったものをしっかり区としてやるというよりは、しっかりそういったものを分析をしていくという努力は今後したいというふうに考えてございます。

 

○島村高彦委員  そうですね、産業振興調査なんかで区内の産業分類というのは非常によく分かるんですよね。当然こうしたところも歳入に関わってはきますが、直接的には区民税を納付する区民一人一人の状況ですね、これをつかんでいく方向性を持たないといけないのではないかなと思います。

まち・ひと・しごと創生法の創立のときに、私が一般質問で、本区の人口ビジョンを作成するというときにどのような方針を持って作成に当たるかということをお尋ねしました。なかなかその情報は分からないんですけど、この人口ビジョンの中に区内からの主な勤務先、これが情報として分かるようになっているんですね。通学先というのも一緒になっちゃっているんですけども、この中で豊島区の区民さんが勤める勤務先が多い順に千代田区、新宿区、港区、文京区と、これ割といい会社があるんじゃないかなというような地域のところに勤めてる区民が多いんですね。こういったことも実は区民税の収入に大きく関係しているんではないかと、そういった分析を私が勝手にしたわけです。そういったいろんな情報をあらゆる手段を使って得ていくという、こういったことに努めていただきたいというふうに思うわけでございます。

また、この人口ビジョンの中にも4つの視点を持って目指すべき将来人口、これに向かって頑張るんだみたいなことが書いてありますが、こういった定住率を高める施策ですね、この辺も現状の分析からつかめるものはないのかと。また、定住率が上がっている区は一体何が原因で上がってきているのかと、そういった分析も必要だろうというふうに思います。ちょっと時間があんまりないので、これはいいや、もう。

それで、次にこうした好調で人口が上がってきたんですが、ここへ来て人口が減少していってると、同時に課税人口も減少してると。コロナによる理由だけであるのかというところが気になるんですが、これに関しては、ほかの区の状況はどうであるのか、その辺お聞かせ願えればと思います。

○山野邊企画課長  私のほうから、ちょっと人口面で御説明申し上げますと、やはりコロナによって23区全体的に人口が減少してございます。2年前と比べますと16区が減少に転じてございまして、特別区全体では0.5%人口が減っているというような状況でございます。外国人につきましては、全区で減少しているということでございます。ただ、日本人につきましては区によってばらつきがございますので、その辺をしっかり分析をしていく必要があるというふうに認識しているところでございます。

 

○渡邉税務課長  納税義務者数のほうでございます。こちらについても、23区で毎年7月に実施されている課税状況調べのほうがございます。こちらで令和2年度と3年度の納税義務者数について見たところ、本区を含めて4区が今回納税義務者数が減少したというところでございます。こちらも一過性のものであるのか、これからどこの区もというのは、やはりこれから動向を含めて分析のほうは必要になると考えております。

 

○島村高彦委員  本区を含めて4区のみが減っていると。ほかの区はじゃあ減ってないということですかね。それ、その理由は何なんでしょうかね。

 

○渡邉税務課長  今回の調査のほうが毎年7月にやっているものですので、数値しかちょっと出ておりませんので、これから分析は必要かというふうに思っております。

 

○島村高彦委員  よろしくお願いします。

次に、こうして歳入がこうやって減るようなこともあるということも考えながら、今後歳出についても考えていかなくてはならないと。扶助費については今後いろんな対策が必要ではありますが、全体でどんどん増えていくと。これは少子高齢社会の中でなかなかやりようがない問題なのかなというふうに思います。

そこで、投資的経費というところに目が向くわけですが、この投資的経費ですね、特に公共施設の維持改修経費、これを計画的にやはり見ていかなきゃいけないだろうというところで、平成28年の3月に公共施設総合管理計画、この中で延べ床面積を10年間で10%程度減少させると、こうした目的を立てたわけでございます。初めてこれ聞いたときに、施設が減っていくんだなと、区民が利用率の高いところの施設はなかなか減らすことはできないだろうなと、でも全体としてスリムになっていくんだなと、お金かかんなくていいなという、こんなようなことも思ったわけでございますけれども、区有施設の延べ床面積、これがどういうふうに変わっていったかというのを、前期の基本計画を見たときには、2014年に44.3万平米、2020年が42.1万平方メートルで、2025年が39.9と年々減っていくんで、ちゃんと計画どおりにやるんだなというふうに見ておったわけですが、これがこの間出ました後期基本計画、これを見たときに、2021年が44.3、25年が45.1、2030年が45.1と、減るんじゃなくて逆に増えてきちゃってると。あれあれ、これ計画が変わっちゃったのかなと、こういうふうに考えたわけなんですけども、10%減少させるということは一体どういうふうになったんでしょうか。

 

○宮本施設計画担当課長  平成28年の3月に策定いたしました豊島区公共施設等総合管理計画に基づく前期の基本計画でございますが、当時区が保有する建物施設の延べ床面積の約10%ほどを減らしていくことを目標としてございました。当時、約10%を減らすための施設といたしましては学校跡地や区外宿泊施設などを想定しておりましたけれども、現状では例えば旧高田小学校の校舎ですとか山中湖の秀山荘、猪苗代の四季の里、こちらは民間のほうに譲渡いたしましたけれども、そういった中で約10%削減するはずだったもののうちの約6割の施設については削減をしてきているところでございます。

しかしながら、現在の延べ床面積につきましては、計画策定当時と比較しますと延べ床面積的には横ばいとなってございます。これは、先ほど申し上げました削減が図れている一方、この間の施設更新ですとか、例えば人口増加による新たな行政需要、例えば豊成小学校のスキップ棟ですとか学校改築における面積増、そういったところに対応して整備を図ってきたことについて、その結果として現在横ばいとなっているものでございます。

また、2025年の延べ床面積でございますけれども、現時点において、この先3年間の施設の解体ですとか施設の建設予定、こういったものを踏まえた結果、増えたという数字になってございますけれども、区といたしましては、今後も区の保有する延べ床面積については削減が可能なものについては削減を当然進めてまいりますし、また新たな行政需要が出てきたものについては、その必要性などを十分踏まえた上で対応していく必要があると、そういうふうに考えているところでございます。

 

○島村高彦委員  減らすものは減らしたけど新たに増えるものは増えたということで、結局全体として10%程度減少という、これがなかなか予定どおりになっていないんだなというふうに受け止めました。

必要な施設、必要な行政需要に対しては、本当対応していかなきゃいけないのは当然でありますけれども、やはり先々、今は人口が好調ですけれども、やがて減ってくる時代が来るかと思うんですね。そういったときのために、やはり施設計画というのは非常にシビアに見ていかなきゃいけないんだろうというふうに考えるところでございます。

だんだん時間が来てしまいました。この基本計画につきましても、当初では想定していない新型コロナ感染も含め、いろんなことがあります。行政需要というのもその時々で変わってきてしまうというところの中で、こうした計画も変更せざるを得ないんだろうというふうに思いますが、この直近の後期基本計画ですね、これが今後どのように行政に反映されていくのか、結果、令和4年度の区政運営、これをどのような方針で行っていくのかという全体的な観点についてお尋ねして、終わりにしたいと思います。

 

○高野区長  いろいろな御質問の中で最後の御質問、まさに後期基本計画、これらについて、想定していなかった新型コロナウイルス感染症拡大とかって思わぬ様々な状況が変わっていく中で、基本計画策定からもう6年たったわけであります。この6年間の間にも区政を取り巻く環境は本当に一変をしたのではないかな。コロナ禍、区の財政状況、あるいは人口動向、コミュニティー、生活様式など、特に生活様式の様々な分野で今回は影響を受けているわけでありますけど、基本計画、これからしっかりとした目標を立てていくという形を明確に進めていかなければならないわけであります。こういう状況でありましても、SDGsの未来都市モデル事業にも選定されたり、ピンチのときこそ様々な形に挑戦をしながら、次なるまさに豊島区をしっかりと見据えていかなきゃいけないわけでありますので、今までの基本的な国際アート・カルチャー都市、あるいはSDGsの未来都市というような形の中でしっかりした目標を持って、そしてその状況状況に、変化にやはり対応していかなきゃいけない。

先ほどの施設計画もそうでありますけど、人口増への対応とか、あるいは新たな行政需要ができれば、これに対応していかなきゃいけない。けれど、やはり基本計画というものはしっかりと目標を持って進めていかなきゃいけないということでありますので、今期の令和4年度のまさに予算審議をこれから御審議をいただくわけであります。今90周年という豊島区の節目をさらに次なる100周年へ向けてというような、これらについて本当に基本計画、後期基本計画としっかり同じ方向でなければいけないわけであります。先日も委員長であります原田久委員長さんと長い時間いろいろお話をいたしました。そういう中で、委員の大変活発な審議、これらをしっかり踏まえて、今言ったような形の中で、この令和4年度はまさに一番大事なときであるし、これを後期基本計画にどうやって生かしていくかというようなことを、財政需要も含めて検証しながらやっていくべきだという御意見十分承りました。これらについても、しっかりと前へ、令和4年度は本当にさらなる形へ、区政の進展にするように最善の努力をしてまいりたいと思います。