議員提出議案第13号、「豊島区学校給食費補助金条例」に対する ふま議員否決に賛成する討論

 

令和元年10月29日登壇

私は、公明党豊島区議団を代表いたしまして、ただいま議題とされております議員提出議案第13号、「豊島区学校給食費補助金条例」について、否決に賛成の立場から討論をいたします。

第13号議案は、豊島区立の小学校、中学校等に在籍している児童生徒の保護者に対し、第3子以降の子に係る学校給食費について補助金を交付するものであります。

委員会の審議において、提案者からは条例の概要について説明を受け、多子世帯の保護者の経済的負担の軽減を図ること、また、給食費完全無償化へ向けての第一段階であることの説明がありました。

理事者からは、学校給食費の無償化については、学校給食法第11条に基づき、食材費は保護者負担であり、多子世帯の補助については、所得の多い世帯にも補助をすることとなり、公平性の観点から導入は難しいとの答弁がありました。

保護者の声では、学校給食がおいしいといった高い評価や、また、これまで豊島区の学校では食育に力を入れてきて文部科学大臣表彰や東京都教育委員会表彰を受賞するなど、豊島区の給食が充実していることを確認しましたが、一方、増税の影響もあり、学校現場の工夫や教育委員会でも地産地消事業を取り入れるなどの工夫をし、給食費を上げない努力をしていることも伺いました。

23区の状況では、14区が学校給食の助成を行っていること、食育目的でお米などの食材を補助している状況であります。

公明党豊島区議団は、子ども文教委員会の審議に先立ち、

10月1日に、自由民主党豊島区議団、都民ファーストの会豊島区議団・民主の会とともに、「学校給食の充実と食育の推進についての要望書」を高野区長に提出しました。

要望書は、本区の米飯給食に関しては平成30年度の実施回数は平均週3.5回となっていますが、これを更に充実させて伝統的な食文化の理解を深める事、加えて、各地域での郷士料理などを伝える食育を充実させることを求めるものです。

学校給食法2条によれば、学校給食の目標の一つに「我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。」が挙げられております。

そこで、引き続き豊島区が誇る安全で質の高いおいしい給食を提供しつつ、食育の観点から各校に豊島区と交流のある都市から購入した食材やメニューなどの提供を公費で行うよう検討することを要望させて頂きました。

理事者からは、食育という目的で食材を補助することは公平性、費用対効果の面から有効であると、要望書に対しての前向きな答弁もありました。

学校給食はこれまで、児童・生徒に栄養バランスのとれた食事を提供することにより、心身の健全な発達に大きな役割を果たしてきました。

第13号議案の提案目的は、経済的負担の軽減とされておりますが、既に生活保護や就学援助でも、経済的に困窮している世帯については対応されていると認識しております。また、子どもが3人以上いるというだけで、経済的に困窮していない世帯に補助をするという事にもなり、一方で3人未満の子がいる世帯でも困窮している家庭は存在している中、第13号議案は結果として経済的な格差を助長し、税の不公平化をもたらす恐れがあると言わざるを得ません。

給食費の無償化は国がイニシアチブをとって実施すべきとの認識であり、議案第13号については、1.条例の趣旨がわかりづらい、公平性が担保されないということ、2.毎年約5,000万円と多額の経費と職員の事務負担がかかること、3.食育を充実させていくべきであることから、ただいま議題となっております豊島区立学校給食費補助金条例(案)について、否決すべきものと判断いたします。

以上で賛成討論を終わります。御清聴ありがとうございました。