平成31年第1回定例会一般質問原稿 公明党 辻 薫  2月19日

公明党の辻薫でございます。私は、公明党豊島区議団を代表しまして、

「誰もが健康で活躍できる豊島を目指して!」と題し、

1.東アジア文化都市2019豊島について、

2.平成31年度予算について、

3.防災・減災対策について、

4.フレイル予防対策について、

5.住宅宿泊事業法施行後の状況について、

6.その他として、児童虐待防止対策と風疹感染拡大防止対策について、一般質問を行います。

1.東アジア文化都市2019豊島について

 最初に、2月1日に開幕した東アジア文化都市2019豊島について質問します。

開幕式典での仁川広域市立舞踊団による扇の舞や中国西安市の尺八演奏と吟詠を鑑賞した感動が未だに収まりません。東アジア域内の相互理解と連帯感の形成を促進するという、東アジア文化都市構想の重要な役割を果たすべく、日本を代表する都市として豊島区が選ばれたことの重みを改めて感じているところです。

式典には、私ども公明党の山口なつお代表も参加しました。当日の午前中の参議院代表質問で、「東京オリンピック・パラリンピックに先立ち、東京豊島区で国も支援する東アジア文化都市イベントが1日から開催される」と取り上げ、「日本の文化芸術を広く世界に発信し、訪日客にも親しんでもらいえる、またとない機会になる」と発言しました。

山口代表は、一昨年には両国を訪問し、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領と、中国習主席の両首脳と会談し、その中で、日中韓サミットの早期開催や首相の相互訪問の重要性を訴え、結果として、昨年5月に中国の李克強首相、韓国の文大統領を日本に迎え、日中韓サミットを実現することができました。山口代表は、日頃より東アジアの安定をめざし幅広い交流が必要であると訴えてきただけに、豊島区での東アジア文化都市の開催を注視し、国会での発言となりました。そこで先ず、待望の開幕式典を大成功裏に終えた高野区長のご感想をお聞かせ下さい。

続いてのレセプションで西安市の徐明非(リュウミンピ)副市長は、挨拶の中で、「はらはら、どきどき、文化がいっぱい。」とのテーマに触れ、「文化がいっぱいとは、多文化共生を表している」と語っておられました。

私も東アジア文化都市の開催を機に、区民の多文化共生の理解が一歩でも進むことを願っております。文化を通して時間・空間・感動を共有する。日常生活についても、例えば、両市におけるゴミ出しはどのように行われているのか、是非知りたいところです。

個人個人とのふれあいの中から、それぞれの国への負のイメージを払拭していけると考えます。東アジア文化都市の開催を通しての区民の多文化共生の理解を促進する取り組みについてお聞かせ下さい。

次に、パートナーシップ事業について伺います。既に各プログラムの年間計画も発表されていますが、パートナーシップ事業の公募状況や結果についてお聞かせ下さい。採用された事業の中には、東アジア全員参加プログラムとして、韓国のPOPカルチャー講演や韓国語会話講座などもあると伺っておりますが、内容についてもいくつかご紹介下さい。

この項目の最後に、としま新時代を迎えた今、東アジア文化都市の開催は、区民にとってどのような意義があり、価値をもたらすのか、区のご所見をお聞かせ下さい。

2.平成31年度予算について

2項目目として、平成31年度予算について質問致します。

最初に、過去最大規模となった一般会計当初予算についてです。1,498億38百万円、前年度に比べ251億89百万円の増、20.2%のプラスとなり、過去最大規模の予算となりました。この点について高野区長は、本定例会初日の招集あいさつ中で、「これは、ひとえに区の将来へ向けて、これまで計画的に進めてきた事業が一斉にピークを迎えるためであり、平成の最後となる一年は、持続発展都市の実現に向けて、大きく飛躍する最大のチャンスとして捉えております。」と語られました。

そこで改めて、最大規模となった要因となる集中投資についてその概要と意義についてお聞かせ下さい。

次に、区財政の貯金と借金のバランスについて伺います。私が初当選した平成19年度の当初予算は、895億円でありました。単純に比較してみても600億円の増となっており、隔世の感があります。この12年間の財政運営を振り返ってみますと、職員数の削減と事業の選択と集中による財政健全化に向けた取り組みや景気拡大の後押しもあって、平成27年以降は4年連続で貯金が借金を上回り、健全な財政となっています。

しかしながら、平成31年度は投資的経費のピークを迎えるため、これまで計画的に積み上げてきた基金を172億円取り崩し、起債を128億円発行した結果、31年度末での全ての実質的な基金は合計で327億円、債務は378億円と、再び借金が貯金を51億円上回る見込みです。平成32年度以降は、当初予算も1,300億円前後で推移すると予測されますが、世界経済の動向などにより歳入への影響も考えられることから、早期に貯金と借金のバランスを改善していく必要があります。その取り組みについてお聞かせ下さい。

次に、区財政に深刻な影響を与えている地方税の不合理な税源偏在是正措置について伺います。先ずは、改めて31年度の豊島区における影響額についてお示し下さい。こうした不合理な税源偏在是正措置については、人口や企業が集中することによって生まれる大都市特有の膨大な行政需要が全く考慮されておらず、また、地方分権の流れに完全に逆行するものです。今後とも、国に対して不合理な税源偏在是正措置を撤回すべく働きかけることを強く要望致しますが、現在の取り組み状況をお聞かせ下さい。

このように様々な状況の中、的確な財源対策を講じ、これまでの待機児童対策等に加えて、日本一高齢者にやさしいまちづくりを目指しての事業費を確保するなど、6年連続で財政調整基金の取り崩しを行わない予算編成を行ったことを高く評価致します。今後とも、事業評価や執行方法の効率化など不断の見直しを図るとともに、引き続き身の丈にあった財政運営に努めるよう強く要望し、この項目の質問を終了します。

3.防災・減災対策について

3項目目として、防災・減災対策について質問します。

防災・減災とは、先手を打って災害から国民の命を守る。仮に災害が起きても被害を最小限に抑え、出来るだけ早く立ち直るという、強く、しなやかな社会を築いていく取り組みです。防災・震災対策調査特別委員会は、昨年11月、7年8か月が経過したものの、なお5万6千人が全国に避難し、不自由な生活を余儀無くされていることから、東日本大震災の被災地を訪問し、街の復旧・復興、被災者生活支援の状況を視察してまいりました。

昨年の第4回定例会において報告済ですが、宮城県石巻市では、死者行方不明者合わせて、東日本大震災の被災自治体の2割を占め人的被害が最大規模となっていました。同市の応急仮設住宅は、ピーク時の7,102世帯から158世帯まで減少していましたが、応急仮設住宅はあくまでも仮の住まいであり、再建意向が未決定、又は自立再建が困難な世帯への支援が必要です。そのため同市の被災者自立再建促進プログラムでは、既に再建先の住まいへ移転した方等も含め、仮設住宅に入居している方の状況に合わせ、「住まい」「健康・福祉」「暮らし向き(家計)」「コミュニティ」の4つの視点から支援をしており、生活再建には総合的な支援が必要であると認識致しました。

そこで、先ず、本区における被災者の生活再建支援の取り組み状況についてお聞かせ下さい。また、昨年12月には、区民が参加しての被災者生活再建支援訓練も行われました。その実施状況についてご報告頂くとともに、今後の取り組みについてもお聞かせ下さい。

私は、平成28年第2回定例会の一般質問で、区民が災害後に生活再建につながる制度を事前に知っておくことにより、個人のレジリエンス(強靭性)を高めることになり、災害後に一歩踏み出すための制度や仕組みに対する知識の差が、被災者の災害後の生活の明暗を分けることを訴えさせて頂きました。この点についての取り組み状況をお聞かせ下さい。

次に、救援センターについて伺います。その拠点となる小中学校等の体育館の冷暖房化の導入については、私ども公明党がいち早く議会で取り上げ、高野区長の英断により、本年中に整備されることになりました。改めて、高野区長はじめ、関係者の皆様に敬意を表するものです。救援センターは、災害時の避難所であり、応急救護活動の拠点となることから、以前より同センターの開設運営訓練の重要性を訴えてまいりました。しかしながら、一部を除いて多くが複数の町会による運営となるため課題もあると伺っております。開設運営訓練の現状と課題、さらにその課題克服のための取り組みについてお聞かせ下さい。

次に、災害時の母乳育児について伺います。乳児は災害弱者として位置づけられ、豊島区地域防災計画では、避難先として、区立の保育園、子ども家庭支援センターが指定されています。母乳は、水やガスなどのライフラインが途絶え、また赤ちゃん用のミルクの供給が途絶えても与えることが出来ます。また、母乳は乳児にとって栄養も充分であり、免疫効果という点でも認めることが出来ます。母乳育児が増えれば、その分、粉ミルクなどを使わずに済むため、備蓄品が少なくても足り、さらに粉ミルクなどを真に必要な赤ちゃんに回すことができ、よりたくさんの命を救うことが出来ます。こうした点から、災害時において母乳育児は有用であると考えますが、ご所見を伺います。

東日本大震災の際、石巻日赤病院では、それまでは母子別室の授乳室で授乳をするシステムでしたが、震災後は母子同室でミルク缶をなくし、とにかく母子が一緒にいるように、赤ちゃんを守れるのはお母さんだけということで抱っこをしてもらっていたそうです。この石巻の病院では、震災から4月までの分娩数が81件、100%が母乳だったということで、長期間停電と断水でしたが、赤ちゃんは大丈夫でした。つまり、母乳育児自体、赤ちゃんにとっては充分防災活動であると言えます。

そこで、災害が起こってからではなく、平常時から母乳育児に対する理解を深め、母乳育児をしている母親を支援していくことが防災・減災対策にもつながると考えます。今回災害時の母乳育児の有用性を調べていく中で、母乳で育てたい母親を支援するボランティア団体であるNPO法人ラ・レーチェ・リーグ日本が豊島区でも30年以上にわたり、母乳育児の情報を提供し支援をしていることがわかりました。

同団体によると、一般的に災害時にはストレスで母乳が出なくなると言われていることも誤解であるとして、医学的な観点から災害時の母乳育児支援をしています。本区としても、同団体と連携し、先ずは、日常からの防災・減災対策として、あくまでも希望される母親に対してですが、母乳育児等の支援を行うよう提案致しますが、ご所見をお聞かせ下さい。

この項目の最後に、「地区防災計画」について伺います。自治体の「地域防災計画」に加え町会・自治会やマンションの管理組合などの地域コミュニティーが、災害時の避難方法などを自ら立案する「地区防災計画」が、平成25年の災害対策基本法の改正で創設されました。これは東日本大震災で自治体の行政機能がまひしたのを教訓に、26年4月に導入されました。地域の特性に応じ、地区の範囲や活動について柔軟に規定できる制度となっています。

災害発生時には自治体や消防の「公助」が行われますが、より減災に大きな役割を担うのは、「自助」であり「共助」です。この視点に立てば、市区町村よりも小さな地域コミュニティーで作る地区防災計画の必要性が浮かびあがってきます。そこで先ず、町会等各地域で地区防災計画の策定が進むことが区全体の災害対応力の向上に繫がるとも考えますが、区のご所見をお聞かせ下さい。

他の自治体では、すでに地区防災計画を定めているところもあります。地区防災計画の策定について、加藤孝明・東京大学准教授は、「防災だけではなく、まちづくりの中でも防災もしっかりと考えていく事が重要」、「計画を作るプロセスが非常に重要」として、地域コミュニティーが主体的に課題解決に取り組める組織になることが必要だと言われております。この地区防災計画を本区の地域防災計画に位置付け、公助の仕組みと連動させることで実効性が高まってくると考えますが、区のご見解をお聞かせ下さい。

4.フレイル予防対策について

4項目目として、フレイル予防対策について質問します。

平成29年第三回定例会で私が初めて本区におけるフレイル対策の現状について質問したところ、「『健康プラン』」にフレイルについての明記がないことから、『健康プラン』改定時にはフレイル対策について明記をする」との答弁があり、その後、健康プランにフレイル対策が明記されました。

また、昨年の第三回定例会では、我が会派の西山議員がフレイル予防について取り上げました。その中で特に、フレイル予防の推進には、フレイルチェックを行うことが効果的であることから、フレイル予防サポーターの養成と活動拠点について要望しておりました。区からは「現行の介護予防サポーターやリーダーの皆さんにフレイル予防サポーターとしてもご活躍していただきたいと考えている。」また、「フレイル予防の機能を備える多機能型介護予防センターの整備について準備を進めている」との答弁がありました。

そして、本年5月に、「フレイル対策センター」が旧東池袋豊寿園跡地に開設されることになりました。本区におけるフレイル予防対策に対する着実な取り組みに改めて敬意を表するものです。

そこで先ず、フレイル対策センターの果たす役割と機能についてお聞かせ下さい。また、高田介護予防センターとの違いについてもご説明下さい。

先日、高齢者クラブ・健康百寿会が主催し、区民集会室で行われたとしまる体操に参加しました。そこでは月2回行っていますが、たまには区からのインストラクターが来て体操の指導を行い、また、体力測定を実施してほしいとの要望がありました。としまる体操は現在区内の何カ所で行われていますでしょうか。また、継続支援として体操指導や体力測定のための職員派遣を実施することは可能でしょうか。ご見解をお聞かせ下さい。

東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授は、フレイル対策を進める中で鍵となる高齢者の食事摂取に対する課題を指摘しています。後期高齢者、もしくは70歳以上で、特に根拠のないまま減量しなければならないと考えている高齢者が少なくなく、メタボ概念を中年の頃から意識してきたため、かなり上の年齢になってもダイエット志向を過剰に意識している点です。いつから従来のメタボ概念からフレイル予防へ切り替えてもらうべきなのか。

それこそイメージからすれば、65歳から74歳の前期高齢者の時期は、その考え方の移行期であり、個別対応が大きく求められるとしています。そこで、「フレイル対策センター」における低栄養改善の取り組みにおいては、個別対応をどのように考えておられるのかお聞かせ下さい。

さらに飯島教授は、地域ごとの従来の介護予防事業を今まで以上に底上げし、栄養、口腔、服薬等の専門職の支援活動に加え、国民目線での活動を軸とするまちづくりの中で、「しっかり噛んでしっかり食べる」という原点をいかに各国民が改めて自分の事と捉えて、大きな国民運動まで発展させ、最終的には包括的な介護予防等の施策改善に資する流れにつなげるかがポイントであると述べています。この点についても本区のご見解をお聞かせ下さい。

また、「しっかり噛んでしっかり食べる」ことに関して、やはり西山議員が要望していたオーラルフレイルに係る機器、すなわち舌圧計、咬合力分析計の導入について、その後の検討状況をお聞かせ下さい。

特に男性にとって退職後の人生は、現実的に20年から30年間もあり、如何にこの間の人生を健康かつ生きがいをもって送れるかが重要となります。しかも、この間は最も健康状態が虚弱化していく期間でもあります。80歳、90歳になっても生きがいを持った生活を維持するためには、それを支えてくれるコミュニティが必要です。そのコミュニティがあると結果的に外出回数も増え、人と会い、会話し、消費活動も活発化します。外出は歩数の増加、すなわち身体活動の確保につながり、フレイルや認知症の予防にも貢献することが期待されます。

このまちで過ごすと自然と健康になれるハードとソフトにわたる環境を整備できれば、健康寿命の延伸に貢献し、結果的に医療費や介護費等の抑制にもつながります。「フレイル対策センター」を核としたフレイル予防の取り組みを区内各地域に展開し、地域コミュニティの場となるよう要望してこの項目の質問を終了します。

5.住宅宿泊事業法施行後の状況について

5項目目として、住宅宿泊事業法施行後の状況について質問します。

同法は、昨年6月15日から全国で施行され、豊島区においても住宅を活用しての宿泊サービスがスタートしました。先ず、現在の区内届出件数と区が標識を交付し公表した届出受理件数はそれぞれ何件になりますでしょうか。併せて、他区の届出状況についてはいかがでしょうか。さらに、区内の地域別届出状況もお聞かせ下さい。

次に、事業者による事前説明会について伺います。昨年11月、区内の静かな住宅街に住宅宿泊事業を開始する通知文が周辺に配られました。1軒の戸建て住宅での民泊ですが、通知文がハガキサイズで小さく見にくい上、内容もわからないことから、私に苦情の連絡が入りました。事業者に対して改めて通知文を作り直すとともに、周辺住民を対象とした事業説明会を開催してほしい旨の要望を受け、区を通して事業者に要請し、説明会を実施しました。

説明会で住民からは、夜間大きな声を出さない、セキュリティ対策として防犯カメラの設置、家主不在型のため、ゴミ出しの確認とともに、問題があった際に30分で駆け付ける具体的な対応についても質問が出ました。事業者は丁寧に説明を行い、実際要望のあった防犯カメラも後日設置されたと伺いました。そこで、このような事前説明会を行ったケースはどのぐらいありましたでしょうか。また、家主居住型と家主不在型の件数もお聞かせ下さい。

次に、届出物件に対する苦情の状況について伺います。豊島区の住宅宿泊事業は、住居専用地域などの区域・期間制限をせず、区内全域に法を適用させ、事業者に適切な届出・運用をしてもらうことで、安全・安心・健全で、地域に受け入れられる開かれた住宅宿泊事業を目指すとしています。しかしながら、特に家主不在型については、顔が見えないため不安に思う人が多いようです。現在までに区に寄せられている苦情の状況をお知らせ下さい。併せて、こうした苦情に対する改善策についてお示し下さい。

次に、感染症発生時の措置について伺います。ある町会からは、宿泊者が感染症に罹患し地域に感染してしまうのではとの心配の声が寄せられました。こうした事態が発生した場合の対応についてお聞かせ下さい。

最後に、違法民泊について伺います。住宅宿泊事業法の制定については、そもそも違法民泊を排除するねらいがありますが、観光庁が2月1日に、民泊仲介サイトに2018年9月末時点で掲載されている物件のうち、16%が違法もしくは違法の疑いがあったとの調査結果を発表しました。そこで、本区における違法民泊の状況についてお聞かせ下さい。現在、観光庁は健全な民泊サービスの普及について取り組みを開始していると伺っておりますが、その概要についてお聞かせ下さい。

6.その他として

その他として、2つ質問します。一つは、児童虐待防止対策です。

先月、千葉県野田市の小学4年生の女児が自宅で死亡し、両親が傷害容疑で逮捕された事件が発生しました。新たな事実が明らかになるたびに、虐待死を防ぐことが出来たのではないかとの思いにかられてしまいます。虐待リスクを認識しながら充分対応しなかった児童相談所に批判が集まる一方で、児童相談所をめぐっては、急増する虐待相談の対応に追われており、現場の職員の負担も大きくなっていることも指摘されています。

そこで先ず、本区の相談・通告件数の推移についてお聞かせ下さい。2月8日に、国では関係閣僚会議が開催され、現在、把握している全ての虐待が疑われるケースについて1カ月以内に緊急安全確認を行うとしています。スピード感をもって実施することになりますが、本区の状況をお聞かせ下さい。

今国会で児童福祉法改正案などの提出を予定しており、児童相談所の相談支援体制の整備や弁護士の配置などが検討されていると伺いました。昨年の第3回定例会での一般質問で、我が会派の夫馬議員が、弁護士の常勤化について要望しておりましたが、今回の事件を受けて、改めて要望いたしますが、ご見解をお聞かせ下さい。また、目黒区の事件と同様に、引っ越し時の連携不足が指摘されています。また、威圧的な保護者に対する対応にも問題がありました。本区においては現在、児童相談所の開設へ向けて準備をしている段階ですが、家庭の転居によるケース移管や警察との連携についてどのように取り組まれているのか、お聞かせ下さい。

2つ目の質問は、風疹感染拡大防止対策です。風疹の感染拡大に向けた取り組みとして、39歳から56歳の男性の抗体検査と予防接種が、この春から2021年度末までの3年間、原則無料化されることになりました。妊婦が風疹に感染すると、赤ちゃんが難聴や白内障、心臓病などの先天性風疹症候群にかかり、深刻な障害が残って死亡するケースもあることから、公明党は国において強く主張してきました。

抗体検査などの経費を盛り込んだ18年度第2次補正予算が7日に成立し、厚労省は2月1日、予防接種法に基づく定期接種の対象に、この内容を加える政令改正を行いました。そこで、本区において予防接種を受ける場合の現在想定している手順についてお聞かせ下さい。

また、39歳から56歳の男性は、働き盛りの世代でもあり、平日の日中に検査を受けることが難しことから、休日・夜間の医療機関や職場の健診などの活用をめざし、居住する市区町村以外での検査も可能となるよう体制整備が急がれます。この点について、ご所見を伺います。

以上で、私の一般質問、全部を終了致します。ご清聴、ありがとうございました。

 

公明党 辻薫議員 31年第1回定例会 一般質問 答弁

 

ただいまの、辻薫議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。

東アジア文化都市2019豊島についてのご質問のうち、まず、開幕式典を終えた感想についてのご質問にお答えいたします。

2月1日の開幕式典では、十分なご紹介をすることができませんでしたが、文字通り大変多くのご来賓の方々にご列席をいただきました。改めて紹介をさせていただきますが、昨年ハルビンで東アジア文化都市の称号を授与頂いた林芳正前文部科学大臣、「わたしは未来」の生みの親でもある宮田亮平文化庁長官、そしてこれまでタッグを組んできた強力なパートナーである小池百合子東京都知事、また、日頃から親しくご指導をいただいている山口那津男公明党代表、先ほどご紹介をいただきましたように山口代表には安倍総理への代表質問の中に東京豊島区は日本を代表して東アジア文化都市を開催すると発言をしていただきました。さらに、特に東アジア文化都市についてはスタートからご助言をいただいてきた浮島智子議員におかれましては、文部科学副大臣としてご参列いただくことができました。程永華(チョン ヨンホウ)中華人民共和国大使館特命全権大使、西川太一郎特別区長会会長をはじめ錚々(そうそう)たる来賓の皆さん御一人ひとりとのエピソードが脳裏をよぎり感慨が胸に迫りました。来場いただいた区民の皆さんにとっても、東アジア文化都市がこれだけの来賓が集まる国家的事業であるという想いを共有していただけたのではないかと考えております。

今回の東アジア文化都市開催という、100年に一度のチャンスをしっかりと掴み、「国際アート・カルチャー都市」としての存在を国内外に示すことができたのではないかと思っております。

東アジア文化都市2019豊島の開幕は、同時に「としま新時代」の幕開けを告げるものでもあると考えております。

11月24日の閉幕式典までの間、様々な文化プログラムを通じて西安市・仁川広域市との交流を深め、この事業を必ず成功に導き、日本を代表する文化都市となるよう挑戦を続けてまいります。

次に、区民の皆さんの多文化共生の理解を促進する取り組みについてのご質問にお答えいたします。

豊島区の外国籍の区民は、過去最多の3万人となり、区民全体に占めるその割合は10.4%と、都内では新宿区に次いで2番目であります。また、出身国籍も約120か国以上と、多国籍化も進んでおります。昨日もオランダの欧州文化首都レーワルデン市の文化関係の幹部の方もいらっしゃいました。

多様性を尊重する本区としては、国籍等に関わらず、地域住民同士が相互に理解を深めながら、まちに安全と安心、にぎわいと活力を築いていくことが必要であると認識しております。

今般の東アジア文化都市では、全ての地域区民ひろばで、全ての世代の皆さんを対象とした文化交流事業を企画しているほか、国籍等に関わらず、地域住民同士の参加と交流をめざしておりますので、この取組みを通じて、区民の皆さんの多文化共生に対する理解を深めてまいります。

次に、パートナーシップ事業の公募状況と結果及び採用された事業の内容についてのご質問にお答えいたします。

パートナーシップ事業は、助成限度額が300万円の「東アジア発信プログラム」と助成限度額が30万円の「東アジア全員参加プログラム」の2つの区分で公募し、昨年の10月末に受付を終了いたしました。

「東アジア発信プログラム」は、26件の申請から12件を採択、「東アジア全員参加プログラム」は66件の申請から55件を採択いたしました。

 内容につきましては、2月1日に開催されました「2019パラアートTOKYO」や「日中韓友好コンサート」など日・中・韓3か国を主軸とした企画を多数いただいております。

 次に、開催における区民の皆さんにとっての意義や価値についてのご質問にお答えいたします。

 豊島区がオリンピックイヤーの前年、世界中の注目が東京に注がれる時期に、東アジア文化都市を開催することで、豊島区の魅力を世界に向けてアピールする千載一遇の機会であると考えております。

また、全国的に東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムが展開される中、2019年に、日本でただ1都市、私たち豊島区が東アジア文化都市という国家的プロジェクトを開催することに意義があり、区民の皆さんが豊島区の文化を再認識し、郷土愛や誇りを喚起する機会になると確信しております。

さらに東アジア文化都市2019豊島では、これまでの開催都市とは異なり、文化イベントなどのソフト面のみならず、ハレザ池袋や4つの公園、真っ赤なバス、ウイロード、(仮称)マンガの聖地としまミュージアムなどハード面も東アジア文化都市記念事業として位置付け、魅力あるまちづくりを進めております。東アジア文化都市がクロージングを迎える頃に、ほぼ竣工(しゅんこう)・完成いたしますので、まさに、東アジア文化都市によるまちづくりの進展をお見せすることができるのではないかと思います。

これこそ、未来への遺産・レガシーになると考えているところであります。

次に、平成31年度予算についてのご質問のうち、まず、最大規模となった要因である集中投資の概要と意義についてのご質問にお答えいたします。

 平成31年度予算案における投資的経費は、403億7百万円と当初予算規模としては、過去最高の水準となっております。これは、国際アート・カルチャー都市の核となる「Hareza池袋」をはじめとする22のまちづくり記念事業など、文化と賑わいを生み出す拠点の整備を「東アジア文化都市」の開催年にあわせて、着実に進めてきたことなどによります。

 まさに平成最後の年、この一年間は持続発展の実現に向けて大きく飛躍する二度とないチャンスと捉えて、準備を重ねて集中投資を行われているわけでありまして、次年度からは従前の水準に戻る予定でございます。

この「東アジア文化都市」のまちづくり記念事業などをとおして、区民の皆さんの豊島区への誇りや満足度もさらに高まるものと確信しています。

 今後も、まちの魅力を向上させることで定住人口を増やし、地域経済を発展させ、そこから得た税収を区民の皆さんに還元する好循環を推進してまいります。

 次に、早期に貯金と借金のバランスを改善する取り組みについてのご質問にお答えいたします。

 ご指摘のとおり、現時点では、平成31年度末は、借金が貯金を51億円上回る状態になるものと見込んでおります。そうした中にあって、財政調整基金は、166億円と、設定した目標額以上の残高が見込まれることから、今後、急激な景気の悪化など、不測の事態への対応は可能であると想定しております。さらに、なるべく早い段階で貯金と借金のバランスを改善する必要があると考えており、遅くとも4年後、平成35年、2023年には、貯金が借金を上回る状況になるよう、今後5年間の「予算の大枠」を改めて定めたところです。

引き続き、事業効果の検証や執行方法の効率化など、不断の見直しを徹底するとともに、将来の行政需要への備えとして各種基金へ計画的に積立を行い、起債の抑制を図ることで、より強固な財政基盤の確立に努めてまいります。

次に、地方税の税源偏在是正措置における平成31年度の豊島区への影響額についてのご質問にお答えいたします。

 平成31年10月の消費税の増税に合わせ、法人住民税の更なる国税化が予定されております。さらに、増税に伴う駆け込み需要や反動減といった不透明な要素があるため、平成31年度の影響額の見込みは、非常に困難でありますが、消費税率10%が平準化した際の本区に及ぶ影響額としては、法人住民税の一部国税化で約31億円、地方消費税の清算基準の見直しで約16億円、ふるさと納税で約10.8億円と、合わせて約57.8億円の減収が見込まれます。

次に、国に対し、税源偏在是正措置撤回を働きかけることについてのご質問にお答えいたします。

 これまで、特別区長会では、国に対し、特別区の貴重な財源を奪うのではなく、国の責任において地方自治体の税財源の 拡充を図るよう要望活動を重ねております。

直近では、平成30年7月に総務大臣に対して不合理な税制改正等に関する要望書を、8月には、各大臣に国の施策及び予算に関する要望を行っております。また、11月には、公明党東京都本部代表に対し、東京都、東京都市長会及び東京都町村会と連携し、地方法人課税の「偏在是正措置」について、共同要請を実施しております。

区としましては、引き続き、特別区長会を通じて、不合理な税制改正の是正を主張してまいります。

 次に、防災対策についてのご質問のうち、まず、被災者の生活再建支援の取り組み状況及び昨年12月の被災者生活再建支援訓練の実施状況と今後の取り組みについてのご質問にお答えいたします。

本区は、平成28年の熊本地震を契機として、円滑で効果的な被災者の生活再建支援を行う体制の充実強化を図ってきました。

この間、震災対策本部の下に設置した部局横断的な「被災者生活再建支援検討部会」で検討を重ねてきました。その結果、罹災証明書の発行は総合窓口課がメイン担当、住家被害認定調査は主に税務課が、高い専門性を有する建築課とともに担当し、幅広い生活再建支援の実施については福祉総務課を中心に住宅課などの関係課が連携する体制を整えました。

 そして、業務知識やシステム操作を熟知した職員を育成するために、区独自の研修や訓練を毎年実施してきました。

これらの取り組みは、東京都が主導する都内全体の取り組みとも連動しており、今や豊島区は都内の自治体をリードする先駆的事例に位置づけられています。

昨年12月に実施した訓練は、この2年間の成果を生かして区民の皆さんの参加を得て実施した点が大きな特徴です。当日は、一般公募した区民24人を含む68人の体験希望者に、罹災証明書の発行から生活再建支援に関する相談や手続きを模擬体験していただきました。ベビーカーを押しながら親子で参加した方や、聴覚障がい者の方の参加も得ることができ、臨場感あふれる訓練ができたと考えています。

今後も、引き続き区民の皆さんに参加していただいて実践的な訓練を行っていきたいと考えています。昨年12月の訓練は平日の開催となりましたが、次回以降は、日曜日に開催するなど工夫して、区民の皆さん大勢の参加を増やしていきたいと思います。

次に、区民の皆さんが生活再建につながる制度を災害前に知っておくための取り組みについてのご質問にお答えいたします。

昨年10月に行った豊島区総合防災訓練では、会場となった朋有小学校と池袋本町小中連携校に「罹災証明書説明ブース」を出展し、職員が手作りしたパネルを用いて訓練に参加した区民の皆さんへの説明を行ったほか、区公式ホームページに専用ページを開設しています。

また、今年7月には全町会向けに被災者生活再建支援制度についての研修会を実施する予定です。

ご指摘の通り、区民の皆さんが制度を理解していただくことが災害後に早く通常の生活に戻ることにつながると考えておりますので、今後も様々な機会を捉えて広く区民の皆さんに制度の普及を図ってまいります。

 次に、その他についてのご質問のうち、まず、児童虐待の相談・通告件数の推移についてのご質問にお答えいたします。         

 本区の児童虐待等の相談対応件数の推移は、26年度464件、27年度642件、28年度763件、29年度733件となっております。

 29年度は虐待対応職員の強化や関係機関の連携により、前年度からの継続件数が減少したため、若干減少いたしましたが、昨年3月の目黒区の虐待死事案以降、地域の関心が高くなっていることもあり、今年度の相談対応件数は12月末現在ですでに717件にのぼり、昨年同時期と比べ、80件増加している状況です。  

次に、全ての虐待が疑われるケースの状況についてのご質問にお答えいたします。

先日、2月8日の関係閣僚会議において、把握しているすべての虐待が疑われるケースについて、1か月以内に緊急安全確認を行うことが決定され、本区でも2月14日現在、東部子ども家庭支援センターが対応している372件の虐待等事案の状況確認を行っております。

本区では、従来から虐待等事案の状況確認を徹底しており、毎月1回、担当者と係長、児童相談所OBによるケース進行管理会議や必要に応じて職員や関係機関、弁護士、警察OBによる個別ケース検討会議を行っております。これらの会議で児童相談所の介入が必要と判断した場合、速やかに都の児童相談センターに連絡し、迅速に対応しております。

 次に、児童相談所への常勤の弁護士の配置についてのご質問にお答えいたします。

 本区では2022年末の児童相談所の開設に向け、非常勤職員として、弁護士を2名採用しております。        

 弁護士を採用したことで、保護者が脅迫的な態度に出ている場合などには、随時、法的措置を見据えた助言を受ける態勢を整備しております。また、非常勤弁護士は、必要に応じて子ども家庭支援センターでの虐待対応会議に参加し、援助方針決定にも参画しておりますので、現時点では、弁護士の知見を取り入れつつ、課題の解決を図っております。

 また、先日の野田市の事件を受けて、国は、児童相談所の介入機能を強化する方針を固めておりますので、2022年末の本区児童相談所開設までに、児童福祉司など専門職員の体制強化と併せ、常勤弁護士の配置についても検討してまいります。

 次に、家庭の転居によるケース移管や警察との連携における取り組みについてのご質問にお答えいたします。

 本区では、虐待リスクのある家庭が転出した場合には、転出先の自治体に電話連絡のうえ、文書で情報提供をし、ケース移管を行っています。ケースによっては、転出先の自治体の担当者と一緒に家庭訪問を行い、保護者や児童、担当者との顔つなぎを行い、確実に引継ぎを行っています。

 区内3警察署とは、毎月1回開催している要保護児童対策地域協議会において、本区の新規虐待ケースの情報を全件共有しているほか、緊急性やリスクが高い場合には所轄の警察署に対し、即時に応援要請をして対応しています。

昨年3月及び本年1月に発生した他自治体での虐待死事案は、関係機関との連携強化により防げた事案であると思っています。関係機関との連携を密にするとともに、本区が把握していない警察から児童相談所へ通告したケースについての情報共有を確実に行うため、できる限り早期に区内3警察署と情報共有に関する協定の締結を行いたいと考えております。

 

 なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては、齊藤副区長並びに危機管理監から答弁申し上げます。

フレイル予防対策についてのご質問のうち、まず、フレイル対策センターの役割と機能及び高田介護予防センターとの違いについてのご質問にお答えいたします。

フレイル対策センターは、介護予防を基本としつつ、身体、心理、社会にわたる多面的なフレイル予防への実践と情報発信の拠点としての役割を担う施設であります。

「高田介護予防センター」で得られた体力・運動機能などの知見に加え、栄養面、社会参加をはじめ、特に、食事や口腔機能の維持に着目した事業を展開いたします。

次に、としまる体操は区内の何か所で行われているか及び体操指導や体力測定のための職員派遣についてのご質問にお答えいたします。

としまる体操の活動団体は、現在、68団体、人数では約1000名であります。区民ひろばや集会施設など、区内30か所を超える会場が活動場所となっています。

体操指導などのための職員の派遣については、活動を始めたいと考えている団体に対して、区の職員やリハビリテーション専門職を派遣し、活動の立ち上げ支援を行ってまいりました。

今後は、現在活動中の団体に対しても、その活動を継続的に支援する目的で、職員等を派遣してまいりたいと考えております。

次に、フレイル対策センターにおける低栄養改善の取り組みの個別対応についてのご質問にお答えいたします。

栄養は、フレイル予防3つの柱のうちの一つであり、特に、食事と口腔機能の維持が重要と考えております。

フレイル対策センターでは、栄養士など専門職と連携しながら栄養講座を開催し、食についての重要性に関する指導や、個別の栄養指導についても行うことを予定しています。

次に、「しっかり噛んでしっかり食べる」という原点を国民運動まで発展させ、包括的な介護予防等の施策改善につなげることについてのご質問にお答えいたします。

低栄養予防のためには、主食、主菜、副菜、乳製品、果物の5つのグループの食品をうまく組み合わせた、栄養バランスが大切です。

また、食事をしっかりとるためには、口腔機能の維持や、  口腔ケアの重要性を認識する必要があることから、歯科医師会や栄養士会など、多職種による連携にも取り組んでまいります。

さらには、口腔機能維持の大切さを、高齢者一人ひとりに正しくご理解いただくことが何よりも重要です。

今後、フレイル状態にあるかどうかなどを測定する「フレイルチェック」などの際に、測定を行う「フレイルサポーター」を区民の皆様の中から養成することができればと考えております。

区民の皆様が、サポーターとなっていただくことにより、フレイル予防に関する取り組みを効果的に拡げることができると考えております。

次に、オーラルフレイルに係る機器導入の検討状況についてのご質問にお答えいたします。

フレイル予防では、口腔機能の維持が重要であることから、「フレイル対策センター」では、舌圧計、咬合力分析計を導入し、歯科医師会等と協議しながら、活用方法を検討しているところでございます。

次に、フレイル対策センターを核としたフレイル予防の取り組みを区内各地域に展開し、地域コミュニティの場とすることについてのご質問にお答えいたします。

「社会参加」の機会が少なくなることは、そのまま筋力や食欲、噛む力の低下、気持ちがふさぎ込むなど、フレイルの最初の入り口と言われており、「社会参加」は、フレイル予防の重要な柱となっています。

また、「フレイル対策センター」や「介護予防センター」で得たノウハウを、各地域の「区民ひろば」などにアウトリーチすることで、豊島区全体の介護予防の取り組みを底上げするとともに、高齢期における外出、そして社会参加の機会づくりにもつなげてまいりたいと考えております。

 次に、住宅宿泊事業法施行後の状況についてのご質問のうち、まず、区内届出件数と届出受理件数及び他区の届出状況と区内の地域別届出状況についてのご質問にお答えいたします。

平成31年1月末現在の住宅宿泊事業の届出件数は620件であり、そのうち書類等を確認し届出を受理したものは577件となっています。

 他区の届出状況は、1月11日現在、上位から、新宿区938件、豊島区が2番でございまして、586件、3番が渋谷区568件、これに続いて、台東区463件、墨田区383件となっています。

区内地域別で見ますと、池袋129件、南大塚116件、西池袋54件、駒込35件、さらに、南池袋と北大塚がそれぞれ34件、東池袋32件であり、池袋・大塚・駒込の駅周辺で区全体の7割を占めています。

次に、事業者による事前説明会を行った件数及び家主居住型と家主不在型の件数についてのご質問にお答えいたします。

区内で住宅宿泊事業を行う場合は、届出の7日前までに概ね20mの範囲で、書面等による事前周知を行うことを義務づけています。

また、住民から寄せられた意見に対する事業者の対応策は、すべてそれを区に報告させるとともに、住民から区にいただきましたご意見や説明会等の要望についても、区から逆に事業者に伝えております。

今回は、辻議員におかれましては、区民の皆様からの苦情にご対応いただきまして誠にありがとうございます。今後とも事業者への指導強化に努めてまいりたいと思います。

ご質問の事前説明会に至った件数ですが、複数の方から不安が寄せられるなどして説明会に至ったケースは、区としては4件把握しています。

また、家主居住型と家主不在型の件数については、全体の届出件数620件のうち、居住型が70件で11.3%、不在型は550件で88.7%となっています。

次に、区に寄せられている苦情の状況及び苦情に対する改善策についてのご質問にお答えいたします。

昨年6月の法施行後の届出施設に対する苦情は、現在までに40件寄せられております。

内訳としては、施設に対する漠然とした不安が15件、標識の不掲示が7件、ごみの回収について6件、夜間入室時の声が大きい等が6件、キーボックスが掛かったままとなっているのが4件、事業者に連絡したが繋がらないが2件でした。

これらの苦情に対しては、個別に事業者を指導し、改善を確認しております。特に、緊急連絡先に繋がらなかった2件については、いつでも確実に連絡が着き30分以内に対応できる体制の整備を強く指導いたしました。

次に、宿泊者が感染症に罹患した場合の対応についてのご質問にお答えいたします。

宿泊者の急な発熱や下痢などの体調不良に関しては、まずは医療機関の受診が必要であるため、区は東京都が発行している外国語対応の医療機関パンフレットや、医療機関案内サービスのリーフレットを事業者に配布し、宿泊者に周知させています。

受診の結果、感染症法に規定される疾患の疑いがある場合には、必要に応じて東京都や国とも連携し、蔓延防止策に協力する一方、寝具や居室の消毒や汚染物の廃棄といった必要な措置を講じるよう指導いたします。

次に、区内の違法民泊の状況及び健全な民泊サービスの普及のための観光庁の取り組みの概要についてのご質問にお答えいたします。

観光庁が公表した「9月末時点における民泊物件の適法性の確認結果」によると、全体の16%が適法と確認できなかったと発表されています。

この調査において、豊島区では、883件の確認作業を行い、適法と確認出来なかった98件について、観光庁に仲介サイト掲載の削除要請を行いました。

観光庁は、来月、3月末日時点の仲介サイト掲載物件について、再度の調査を行うとともに、今後は、海外の無登録仲介サイトについても情報を収集し、違法民泊の排除を促進させるためのシステムの構築を図るとのことです。

次に、本区における予防接種を受ける場合の手順及び休日・夜間の医療機関や職場の健診などの活用により、居住地以外での検査も可能となるような体制整備についてのご質問にお答えいたします。

今回の風しん第五期定期予防接種では、全国の市区町村と実施医療機関等の集合契約に基づき、全国統一様式のクーポン券と受診票・予診票を用いて、居住地以外の市区町村でも対応可能な体制を構築することになっております。

区が発行するクーポン券を受け取った対象者が、全国の契約医療機関や健診機関において抗体検査を無料で受けることができ、抗体価が低いと判断された場合には、予防接種も無料で受けることができます。

区としても、対象となる働き盛り世代の利便性向上のため、土日や集団検診時に検査ができるよう、現在医師会に情報提供するとともに体制整備を進めております。

詳細が決まり次第、区民の皆様に周知し、速やかにクーポン券の個別発送を開始する予定です。

私からの答弁は以上でございます。

 防災・減災対策についてのご質問のうち、まず、救援センター開設運営訓練の現状と課題、課題克服のための取り組みについてのご質問にお答えいたします。

 区は、救援センターの開設・運営訓練を、「合同防災訓練」として位置付けており、各救援センターに指定されている町会の皆さまの参加のもと、年間12か所を基準に実施してまいりました。訓練内容は、物資調達部、救護衛生部等の各部の役割の確認、マンホールトイレ等の設置、炊事資器材を使用した炊き出し等の実動的な訓練の他、平成28年度からは災害時を想定した各種の課題を、町会単位のグループごとに協力して解決する図上訓練を取り入れ、より実践的な訓練となるよう工夫してまいりました。

 しかし、訓練参加者の高齢化や参加者の固定化、若い世代の関心が低く自発的に参加いただけない、図上訓練の成果が救援センターの開設標準マニュアルに現在のところ反映されていない等の課題があります。

 2019年度は、災害時に円滑に救援センターを開設し運営できますよう、図上訓練の成果を順次、当該救援センターの開設・運営マニュアルとして整備してまいりますとともに、合同防災訓練を通じて、各町会の連携と協力体制を深めてまいります。

また、従来の総合防災訓練の「実動訓練」を「総合防災フェスティバル」とし、児童、生徒やその保護者をはじめとした若い世代が「楽しみながら防災知識を学べる場」にあたらめ、地域防災力の裾野の向上に努めてまいります。

 次に、災害時において母乳育児は有用であることについてのご質問にお答えいたします。

 母子健康手帳等にも記載のとおり、母乳は免疫物質を多く含み、授乳によって母と子のきずなを強くする効果も期待されます。また、母乳育児は簡易で器具を要しないことから、災害時に飲料水が不足した場合や、哺乳瓶等の滅菌が難しい状況において、有用であると考えられます。

 区といたしましても、母乳育児をしている母親が、災害時に安心できる環境で、継続して乳児に母乳を与えることができるよう、救援センターに授乳室を設置する等、環境の整備に努めてまいります。

一方、母乳が出るかどうかは個人差も大きく、母乳育児をしている都立大塚病院においても、完全な母乳育児で退院される方は6割程度と報告されております。このような母乳育児が叶わない方に配慮し、救援センター等に必要最小限の粉ミルク、使い捨ての清潔な哺乳瓶、清潔な軟水の飲料水と70℃以上に加温できる機材の備蓄を引き続き行ってまいります。

 次に、防災・減災対策としての母乳育児等の支援についてのご質問にお答えいたします。

 区は、防災の重点施策として、「減災と男女共同参画研修推進センター」の浅野幸子(さちこ)代表と共同で、2019年度から女性の防災リーダー育成講座を開催し、区内の女性を対象に、災害時の母乳育児、女性の視点からの救援センターの運営等を題材にして学習してまいります。すでに浅野代表は、ご指摘のNPO法人ラ・レーチェ・リーグ日本や、母と子の育児支援ネットワーク等と連携して活動しており、当区といたしましても女性の防災リーダー育成講座等の活動を通じてこれらの団体との連携を深め、平時・災害時を問わず、母乳育児の有用性を周知してまいります。

 次に、地区防災計画の策定が進むことが区全体の災害対応力の向上に繋がることについてのご質問にお答えいたします。

防災・減災対策は、「自らの命は自ら守る」という「自助」を基本とし、お互いに助け合う「共助」の取組が不可欠です。

地区防災計画は、災害時の安否確認や避難所の運営ルール、役割分担など、区民や事業者の皆様が自主的に考え、合意して作成する計画です。この作成過程を通じて、「共助」の意識が高まり、実効性のある取組が確保されることで、地域防災力の向上につながります。

こうした「共助」による取組が各地域に広がることは、区全体の災害対応力の向上に大きく寄与するものと考えております。

次に、地区防災計画を区の地域防災計画に位置付け、公助の仕組みと連動させることについてのご質問にお答えいたします。

特別区において、地域防災計画に地区防災計画が位置づけられているのは、現在、中央区や江東区、世田谷区など5区となっております。

これまでに、区内では、地区防災計画の提案はなく、地域防災計画での具体的な計画の位置づけはありませんでした。 

今回の地域防災計画の修正にあわせて、地区防災計画制度の項目を追加するとともに、総合防災訓練や地域の防災訓練などを通じて、制度の周知を図り、町会や事業者等の皆様による計画の作成を支援してまいります。

また、防災会議に地区防災計画が提案された場合に、速やかに地域防災計画へ位置づけられるよう区の体制を整備するとともに、

地区防災計画と「公助」の取組を連動させながら、地域防災力の向上に取り組んでまいります。

 

以上をもちまして、辻薫議員のご質問に対する答弁を終わります。