令和6年第二回定例高橋佳代子一般質問

「誰もが暮らしやすい 人が主役の魅力あるまちに」

2024.6・26登壇

私は公明党豊島区議団を代表いたしまして「誰もが暮らしやすい 人が主役の魅力あるまちに」と題し、1.犯罪被害者等支援について 2.子ども施策について 3.教育施策について 4.まちづくりについて 一般質問を行います。

まず第1として、「犯罪被害者等支援について」伺います。

平成16年に制定された「犯罪被害者基本法」と、それに基づいて翌年国が策定された「犯罪被害者等基本計画」を受け、東京都は平成20年1月に「東京都犯罪被害者等支援推進計画」を策定。相談窓口の機能強化や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援事業など、犯罪被害者等の方々に寄り添う支援が行われてきました。また、令和2年3月に「東京都犯罪被害者等支援条例」が制定され、犯罪被害者等支援に対する東京都の姿勢を明確に示しております。また、2026年に施行される改正総合法律支援法は、殺人や性犯罪などの被害者や遺族を早い段階から一貫してサポートする「犯罪被害者等支援弁護士制度」の創設を盛り込んだものとなっており、公的支援が強化されます。

犯罪に遭うことなく、安全安心に暮らす事は誰もが願っている事ですが、都内における刑法犯の認知件数は、コロナの影響で戦後最少となった令和3年から、再び増加傾向にあります。不幸にして犯罪に巻き込まれた犯罪被害者やそのご家族またはご遺族は、犯罪による直接的な被害に加えて、精神的、経済的な負担、また周囲の理解不足による二次的被害に苦しめられる事も少なくありません。そのため、従前と同じ生活を続ける事は、まず不可能であります。

犯罪被害者等基本法の第5条には地方公共団体の責務が示されており、東京都犯罪被害者等支援条例の第9条には、都は国、区市町村、民間支援団体と連携・協力して犯罪被害者等支援を推進するための総合的な支援体制を整備するよう努めるとしています。そこで伺いますが、現在本区での犯罪被害者等の相談や支援はどのように行われているのでしょうか。お聞かせください。

また、東京都は公益社団法人被害者支援都民センターと協働し、「犯罪被害者等のための東京都総合相談窓口」を設置しており、電話やメールでの相談を行っております。しかし、被害者の実情に寄り添った支援を行うには、生活されている自治体での支援が最も重要となります。被害者の話をしっかりと伺い、2次被害を与えないよう多様な機関と繋ぎ、サービスを活用して支援を行う相談窓口の設置が求められますが、区のお考えをお示しください。

さらに、専門的な訓練を受けた相談員の配置が必要であると考えます。東京都相談窓口は区職員の受け入れも行っており、知識やノウハウの習得の支援も実施されております。これらを活用するなど、本区においても専門的な相談員の育成が必要であると考えますが、いかがでしょうか。

犯罪被害者等の方々が行ったアンケートには「瀕死の家族を抱えていると、ほかの事は考えられない」「事件の後始末をしなくてはならず、子どもたちに食事を食べさせられなかった」「病院へ行く元気も考える力もなかった」など、突然の喪失によって心身の不調をきたし、日常生活が困難となる実情が綴られております。支援のニーズは多岐に渡ると考えられますが、被害者に最も身近な自治体である本区の中には、犯罪被害者の支援にも活用できる、いくつかの制度があります。相談支援をはじめ、住宅の確保、家事支援や育児支援、外出援助、介護支援、配食サービス、カウンセリング、無利子貸付等、既存の制度であっても対象者を拡大し柔軟に運用する事によって、機動的に犯罪被害者の支援を行う事ができるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。区のご見解を伺います。

区民生活に寄り添う本区の現場職員が、自主的かつ熱心に被害者支援に取り組もうとしても、条例の法的根拠がないまま活動するには限界があると考えます。中野区や杉並区は独自の犯罪被害者等支援条例を制定しており、現在検討中の自治体も増えております。本区も「豊島区犯罪被害者等支援条例」を制定し、豊島区として犯罪被害者の支援を積極的に行う姿勢を明確に示されるよう求めますが、本区のお考えを伺います。

また、特に池袋を抱える本区においては、若年女性支援の関係団体からも、他地域から豊島区に来て犯罪に巻き込まれる事案も伺っているところであります。区民をはじめ、このような方も対象とするなど、柔軟なご検討をお願いしたいと考えますが、いかがでしょうか。

このような支援体制が整っている事が、まちの安全安心に繋がると考えます。最後に犯罪被害者等支援について、本区の今後の取り組みをお聞かせください。

次に第2として「子ども施策について」伺います。

1点目は、子育ての傾向について伺います。本区での出生数は年間1800人台で、この5年ぐらいは横ばい状態であります。一方で、0歳児の4月1日付け入園数を見てみると、平成29年の620人を頂点に毎年確実に減少し、令和6年4月では387人となっており、1歳児も微減の状況であります。働き方改革も進み、産休・育休を取られる方が多くなっていると推察致しますが、入園数減少の要因について区のご認識を伺います。

これまでは、待機児童対策に取り組んで参りましたが、特に0歳児については家庭で育てられている方が多くなっている状況を踏まえると、切れ目のない支援として家庭での子育て中に活用できるサービスを充実させていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

2点目は「産後ケア」について伺います。

私ども公明党区議団は、4月30日に「うぶすな助産院」を視察いたしました。区内の通所型施設として、生後4か月未満の乳児とお母さんが利用できる施設です。助産師さんたちから、利用者の様子をヒアリングしました。授乳や育児の相談、食事の提供もあり、育児で寝不足のお母さんがぐっすり眠られる場合もあるとの事でした。育児に不安を抱えるお母さんに、寄り添った支援が行われている様子を伺い、助産師さんたちのお話に大変感動いたしました。現在、産後ケアを受けようとする方の新規申請は面談の上申請書を来所で提出する必要があり、出産後の育児中のご家庭に寄り添った制度にはなっておりません。申請も簡潔にし、オンラインを活用するなど利便性向上を求めますが、今後の取り組みについて伺います。

また、こんなに素晴らしい通所施設ができたわけですが、残念ながら利用回数は1回の出産につき1回のみ。多胎児出産でも3回までとなっております。うぶすな助産院は板橋区の方もご利用可能で、板橋区は令和6年4月から利用回数を増やし1回の出産で7回まで利用できるとの事で、隣接の練馬区は12回に拡充されております。先にも述べましたように、家庭で子育てをしている方が多くなっている中で、母子や子育て家庭を支えるサービスの拡充は自治体が今取り組むべき課題であると考えます。通所型の利用回数拡充を求めますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。

国は母子デイケアについては生後1歳未満までが対象と示しております。一時保育ではなく、母子デイケアとして今後どのように充実させていかれるのか、お考えをお聞かせください。

また、宿泊型産後ケアも、念願の区内施設として大塚病院が利用できるようになり、感謝いたします。全体的にも利用できる施設が増えておりますが、宿泊型の利用状況について伺います。

宿泊型について、本区は回数が最大3泊4日となっており、出産後の入院日数が減少している現在においては、少ないのではないでしょうか。23区の実施状況を調査しましたが、3泊4日は最も少ない日数です。制度を拡充して日数を増やしている自治体もある中で、本区として今後どのように取り組まれていくのか、お聞かせください。

さらに、現在要支援家庭に派遣されている産後ドゥーラについて伺います。

ドゥーラとは、ギリシャ語で「女性を支える経験豊かな女性」という意味を持ちます。産後ドゥーラとは、産前産後の女性が健康な心身で過ごせるように寄り添い、たくさんのやさしさや愛情で支える子育ての伴走者であります。特にホルモンバランスの急激な変化で心身が不安定になりやすいお母さんに寄り添い、タスクの垣根なく包括的なサポートを柔軟に対応してくれるのが産後ドゥーラです。少子化の進行や出産の高齢化、孤立した子育て、産後うつの増加が、出産の喜びとともに大きなダメージとなり、虐待に繋がってしまうケースもあります。産後ケアとは「ユニバーサルサービス」であり、誰もが等しく利用できる事が重要であると考えます。特に0歳児は家庭で子育てをされている方が増加している事を考えると、産後ドゥーラは誰もが安価で利用できるよう体制整備をする事が必要であると考えますが、いかがでしょうか。本区のお考えをお示しください。

3点目は「児童発達支援センター」について伺います。

私ども区議団は、5月22日に豊島区児童発達支援センターを視察して参りました。

4月1日から新たに設置された医務室、静養室、調理室を見学し、利用状況等について子ども家庭支援センター長から説明を受けました。

集団や個別の通所による療育や相談は増加傾向にあり、区民ひろばにサテライトを設置して対応されています。民間にも発達支援を行う事業所が増えてきていますが、児童発達支援センターの果たすべき役割について、区のご所見を伺います

年齢別障害児通所支援の支給決定者数をみると、就学前の手帳の未所持が多い実態があります。通所支援の通所受給者証があれば利用できるわけですが、計画相談支援を受けずにセルフプランで保護者が立てられる場合もあります。障害福祉サービス担当課長から伺うと、医師も療育の詳細な内容についてまでは、特段言及しないようであります。そうなると、発達に何らかの困難を抱える子どもたちが、適切な療育が受けられているかどうかは誰が判断するのでしょうか。児童発達支援センターは、あくまでも相談があったお子さんに直接支援を行うのであって、民間事業者を利用しているセルフプランのお子さんの状況はどうなのか。また、本来は支援が必要なお子さんが支援を受けられていない状況もあると考えられます。そうした事を総合的に考えると、「豊島区発達障害者支援ネットワーク会議」などで、実態を把握し支援のあり方を検討していく必要があると考えますがいかがでしょうか。

また、就学前の気づきが重要でありますので、私ども区議団が提案しております5歳児健診の実施も、一つの方法であると考えますが、改めて区のお考えを伺います。

さらに、児童発達支援センターは千川中学と複合施設になる予定であり、これまでのサテライトや、増加傾向の集団・個別支援を十分に実施できるスペースが確保されているのか、改めてお聞かせください。 

次4点目として「子どもの権利相談室」について伺います。

子どもの権利相談室についても、改めて5月28日に区議団として視察し、開設当初からの取り組みを伺って参りました。

令和5年9月6日から年度末までで、相談件数は28件。電話から始まり、その後面談になる事も多い事や、本人からの相談が多い事、家庭の問題や学校対応が内容として多い事など、相談員さんが子ども権利擁護委員と連携して、丁寧に取り組まれている様子が理解できました。子ども家庭部は「なやみみ」や「すいとり」などのキャラクターを生み出し、アバターコンシェルジュの活用など、子どもたちが相談しやすい環境づくりに取り組まれ、高く評価するものであります。

令和5年度はこども権利相談室の人員配置の関係で、思うようにアウトリーチができなかったとの事であり、相談件数の数字を見ても、やはり子ども施設に積極的にアウトリーチを行い、効果的に声掛けをする事が必要であります。今後の取り組みについて伺います。

視察の折に、「考えてみよう 子どもの権利」という学習パンフレットを拝見しました。子ども若者課と教育委員会が作成された小学4年生から6年生向けのワークブックで、子どもの権利について学び理解を深める事ができます。自分の考えを書きながら、困った時や悩みがある時の相談先なども書かれておりました。このような取り組みは本区の貴重な特色であり、「豊島区子どもの権利に関する条例」や「こども基本法」に合致した取り組みでもあります。ぜひ、この学習パンフレットの低学年版も作成頂くよう要望いたしますが、いかがでしょうか。

次に5点目として保育について伺います。

6月5日に成立しました改正子育て支援法によりまして「こども誰でも通園制度」が創設され、2026年度から全国実施となります。現在、本区では都の事業を活用して「豊島区こどもつながる定期預かり事業」を実施しておりますが、実施状況について伺います。

また、本格実施となります「こども誰でも通園制度」でありますが、現在の都の事業とは利用できる時間数も違い、東京都の現在の制度がいつまで維持されるのかは不透明であります。しかしながら、育休等を活用して自宅で子育てされる方も増えており、ニーズは高い状況にあります。受け入れ枠や保育士の確保などはどうするのか。また、事業所との直接契約でありますが予約システムを導入し、自治体が利用状況や支援が必要な家庭などを把握することが可能とされております。「こども誰でも通園制度」については今後の移行や運用も含め、本区としても検討していく必要がありますが、今後の取り組みについて伺います。

次に第3.として「教育施策について」質問いたします。

はじめに1点目として教育センターについて伺います。

令和4年9月14日の議員協議会において、適応指導教室である柚子の木教室のみが千登世橋教育センターで継続され、その他の機能は千川中学校複合施設に移転するとの説明を受けました。しかしながら、令和5年6月21日の議員協議会での資料には、教育支援・発達支援機能、事務室、面談室などと記されております。今になって思えば、既にこの時に計画変更していたのかもしれませんが、教育委員会は自ら変更を説明する事もしませんでした。第1回定例会の議員協議会での私の質問に、当時の教育センター長は「センターの子どもの発達面の機能のみを千川中にもっていって、西部子ども家庭支援センターと一緒に子どもの発達面の支援をするという意味では、日本語指導の機能をセンターに残すことは支障はないものと考える」と、答弁されております。議会で説明を受けたのは、あくまでも教育センターの移転についてであり、発達支援の機能移転ではありません。複合施設は新たに設計されるため、スペースの問題ではありません。教育委員会が示された教育センターの一部移転では、どちらに教育センター長がいる事になるのか、教育センターの所在地が何処になるのかさえ、第1回定例会の議員協議会の答弁では明らかになりませんでした。ここで改めて教育センターの移転について、区として本当にこの変更案を通すのか、本区の公式見解をお示しください。

日本語教室については、小学校は豊成小学校と池袋小学校に通級学級が設置され、教育センターも含めて実施されております。今後、学校改築が大きく前進していくので、それに合わせて東西や中央など日本語教室の設置も含めて検討されてはいかがでしょうか。お伺いします。

 私ども区議団は5月28日に教育センターを視察し、ヒアリングを行って参りました。

特に気になったのは、年々増加する就学相談であります。令和元年度の延べ相談回数が5、366件であったものが、令和5年度には7、778件と1.5倍に増加しており、特別支援教室利用判定委員会提案件数も増加しております。丁寧に対応するためにも、就学相談の増員や体制の強化が欠かせないと考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。

 また、柚子の木教室の生徒が懇談している場所が理科室であり、備え付けの丸椅子では長時間座りにくいため、寄せ集めたバラバラの種類の背もたれ付きの椅子に座っていました。私はその光景を見て、申し訳なさに思わず座っていた生徒に謝罪しました。不登校の児童・生徒が勉強や居場所として通ってくる事を考えると、もっと心を落ち着かせて安心して勉強したり、気軽に友人と話せる雰囲気づくりが必要ではないでしょうか。柚子の木教室に通学していない児童・生徒も、行ってみたいと思ってもらえるような魅力ある柚子の木教室の改修を求めますが、お考えを伺います。

次に2点目として幼児教育について伺います。

幼児教育については昨年の第3回定例会の質問で取り上げ、幼児教育ビジョンが示されていない事を指摘いたしました。現在、鋭意検討されているとの事であります。文部科学省は「幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、質の高い幼児教育の提供が大切」であるとし、公私や施設類型の垣根を超えた取組の推進をするために、幼児教育の拠点として「幼児教育センター」の重要性を示しております。発達支援が必要な子どもたちも増加しており、幼稚園・保育園・認定こども園への助言や研修、外国人幼児の受入れに関する助言など、現場での対応が複雑化しており、センター機能が求められているところです。また、幼児教育アドバイザーの配置により、保健や福祉等の専門職との連携や、各園への巡回訪問、幼保小接続の推進も図れるとしています。現在、本区では議論されている最中かと思いますが、このような文部科学省の幼児教育推進体制の強化については、区としてどのようにお考えでしょうか。お伺いします。

次に3点目として、学校改築について伺います。

新たな計画が議員協議会で示されました。これまで地域に仮校舎地がなく、計画が一向に進まなかった学校にとっては千載一遇のチャンスであり、保護者や地域、関係団体等に丁寧にご説明され、ご意見を伺いながら推進されることを望むものです。

学校改築の計画が進む中で、仮校舎が確保できずに改築の見通しがたたない学校はどこなのかお聞かせください。

高南小学校については、一部校舎が昭和34年築で既に64年が経過しており、早急に方策を検討する必要があります。仮校舎の確保や、思い切って千登世橋中学校との小中連携校等も含め、高南小学校の改築については他校の改築が終わってからとは決してならないよう、積極的な検討を求めますが、区のお考えをお示しください。

次に4点目として、子どもスキップについて伺います。

「子どもスキップ・放課後児童クラブ」実施マニュアルの中に、子どもスキップ運営方針が示されております。「自立を促すためのゆるやかな見守り」とある一方で、「他者とのかかわりなどを学び、ともに成長できるよう援助する」とあります。このマニュアルがどこまで浸透しているのかが分かりませんが、スキップ職員の立ち位置が分かりにくいと考えます。また、スクール・スキップサポーターについては、要配慮児を支援することを原則とすると明記されており、私も確認して初めて知りました。もっと現場に沿った分かりやすいマニュアルに改定されてはいかがでしょうか。お考えを伺います。

 また、小学校の児童数増加と普通教室確保が、どこの学校でも課題となっているところであります。児童数が増えればスキップにおいても、コア・セカンドに続きサード・フォース等の活用も求められます。しかしながら、学校によっては利用できる教室が離れており、人員配置上これ以上は分散できない等、各校によって事情が様々あると思います。学校施設を柔軟に活用するために、子どもスキップは子ども家庭部から教育委員会に移管したわけでありますので、現場をしっかり調査され、活用する教室数や人員の配置数等、安全に運営が続けられる方策をしっかり検討されるよう求めますが、お考えをお聞かせください。 

次に第4.として「まちづくりについて」伺います。

はじめに1点目として、VRによるまちづくりについてであります。

現在、区内では様々なまちづくりが進んでおります。これまでの課題としては、以前からまちづくりが区民に分かりにくいという事でありました。全体像が想像しにくく、まちづくりが進めばどうなるのかなど、まちづくりの可視化が求められております。先日、国土交通省都市局 国際・デジタル政策課の企画専門官に、「PLATEAU」についてご説明を受けました。まちづくりは勿論のこと、活用の仕方によっては防災・防犯、地域活性化や観光、環境・エネルギー政策等にも活用することができるとの事です。

VRを活用する事で、まちがどのように変わるかが理解しやすくなり、再開発などは事業者がデータ更新を行い、無電柱化や区の道路整備等は区が地域への説明に活用するなどが考えられます。VRなので、分かりにくい地下道の同線計画や複雑なインフラ計画・施設計画などが同一空間上で可視化でき、都市計画審議会等でも活用できると考えます。まちづくりのVR導入について、本区のお考えを伺います。

また、説明を受けた時に、XRについても話がありました。3D都市モデルとXR技術を組み合わせ、まちづくりの市民参加の促進に活用できるとの事であります。現在検討中の東通りの改修など、区民のワークショップ等の議論に役立てる事ができますが、区のお考えを伺います。

 

次に2点目として、住宅について伺います。

本年3月に策定された「豊島区住宅マスタープラン後期5年」には、初めて「子育て世帯の定住支援」が明記されております。住宅対策審議会においても、ファミリー世帯の家賃の高さが議論となりました。現在、「子育てファミリー世帯家賃助成」も拡充してきましたが、ソシエの入居対象となっていた中間所得層のファミリー世帯への家賃助成や、高齢の親世帯の近くに転居してくる子ども世帯への家賃助成など、これまで様々提案して参りましたが、マスタープランが策定された今、新たなファミリー世帯等への家賃助成などの事業について、現在どのように検討されているのかお示し下さい。

次に3点目として、環状5の1号線地下道路整備について伺います。

区役所前から工事がはじまった環状5の1号線地下道路については、現在出口となる学習院下周辺でも関連工事が連日行われているところであります。計画としては学習院下の都電線路を移動させ、地下道路の出入口の幅員を確保するとの事でありましたが、工事の様子を見ていると東京都は計画を変更するのではないかと感じております。地下道路工事に時間がかかっているところでありますが、地下道路が開通すれば、いよいよ池袋駅東口のクルドサック化が現実味を帯びてきます。現在、東京都や近隣との調整はどのように行われているのか。進捗状況についてお聞かせください。

次に4点目として、環状5の1号線とC地区との間に計画されております横断歩道橋について、その進捗を含め質問いたします。

東京都へこの横断歩道橋の設置に関する要望書を2022年12月に、本区から提出され、2023年12月にはこの整備について東京都第4建設事務所と協議を開始しているとも聞き及んでおります。そこで、区の要望に対し、東京都からはどのような条件の提示があったのか。また、それに対する区の考え方を改めてお聞かせください。

 次に横断歩道橋の現在の検討状況について伺います。

具体的には警視庁協議で、横断歩道橋の設置位置が確定されたのではないかと考えますが、その位置についてお聞かせください。また、東京都第4建設事務所の横断歩道橋の設計状況はいかがでしょうか。区の負担がある事を先の副都心委員会でも伺っております。バリアフリーで車いすやベビーカーでも行き来できるそれなりのグレードアップしたスペックを求めているため、その負担もおのずと生じてくるのではないかと考えます。横断歩道橋の幅員やエレベーターの大きさ等、検討されている具体的なスペックと、その根拠となる関連規定あるいは指針等があればお示し下さい。

 

これまで池袋保健所が設置される北街区の竣工に合わせて、横断歩道橋の竣工を目指すようにと申し上げてきましたが、2027年1月の南街区竣工にも間に合わないとの話も伺っております。この横断歩道橋の竣工工事がそのような事になる理由について伺います。また、諸般の事情から北街区の竣工時期には間に合わないとしても、せめて南街区の竣工時に間に合わせる方策の検討はなされているのでしょうか。お聞かせください。

 

次に、大前提となる事項として、横断歩道橋とC地区側との接続については、東京都と本区の協議が整っているとの認識でしょうか。先の副都心委員会では明確な了承事項であるとの判断が不透明に思えましたので、改めて伺います。また、東京都第4建設事務所が設置する横断歩道橋の確定位置にもよりますが、北街区側からはあらかじめ、横断歩道橋と接続できるような対策をとっておく必要があると考えます。この観点からも、C地区側のあらかじめの方策は、具体的にどのようなものかお伺いします。仮にC地区の北街区、南街区の竣工後に横断歩道橋が遅れて竣工することになると、C地区への接続時の費用負担はC地区の再開発組合になると考えますが、C地区側との接続部分の工事費についての考え方は、すでに協議は整っているのかお聞かせください。

 また、横断歩道橋が竣工すると管理は豊島区が区道として管理を行うと伺っております。区の管理の場合、C地区側との接合部分までの間が「区道」となるのか。また、このような横断歩道橋を区道として位置付けることは、付属するエレベーター部分も含むものとなるのでしょうか。お聞かせください。いずれにいたしましても、この横断歩道橋の設置・竣工がもたらすまちづくりへの貢献は多大なものと考えます。

単にC地区の利便性を図るものではないことからも、横断歩道橋設置に関しては、都市計画道路環状5の1号線に架かるものであり、地域区民は当然に、訪れる来街者等への利便性のさらなる向上などを鑑み、東京都並びに豊島区のリーダーシップを発揮され、先に述べましたように横断歩道橋の早期竣工とともに、C地区とのスムーズな接続を実現し、豊かな住環境づくりを目指すべきであると考えますが、いかがでしょうか。最後に本区のご決意を伺います。

以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。

 

公明党 高橋 佳代子 議員一般質問答弁

  • 高際区長答弁

ただいまの高橋佳代子議員のご質問にお答えいたします。

初めに、区の犯罪被害者等の相談や支援についてです。

東京都犯罪被害者等支援計画で規定される「区市町村に設置する総合的対応窓口」は、豊島区では、区民相談課が担っています。区民相談課に相談があった場合には、被害者の心情に配慮しながらお話を伺い、区の制度でご利用いただける支援について、ご案内するとともに、お話の内容やご意向により、警察や東京都の相談窓口等にお繋ぎする体制をとっています。

次に、相談窓口の設置及び相談員の育成についてです。

私は、平成18年から3年間、法テラスで犯罪被害者支援の責任者として支援業務に携わりました。業務開始3か月前の着任時、具体的な支援体制の詳細等が固まっていない中、お話にございました被害者支援都民センターや、DV被害者支援を行う全国女性シェルターネット等の支援団体、また、全国犯罪被害者の会等の被害者及びご遺族の団体など、数多くの団体、数多くの当事者の方々から直接お話を伺い、耐え難い辛さを抱える被害者・ご遺族の方が何を望んでいるか、被害者支援としてやるべきこと、絶対にやってはならないことは何か等を学びながら、支援体制を構築し、全国の法テラス地方事務所で犯罪被害者支援業務を一斉にスタートさせました。

二次被害を与えないよう、お話の伺い方への留意、そのための担当職員の研修の在り方、また、犯罪被害者支援の経験が豊富な民間支援団体の相談員や心理士など、専門的な支援につなぐに当たり、被害者等に何度も同じ話をさせるようなご負担をおかけしないこと、そのためには、窓口で詳細をお伺いし過ぎず、必要なポイントを伺った後、専門部門にスムーズにお繋ぎすること、さらにそのためには、日頃からの関係者間の連携が何よりも肝になることなど、今でも、深く心に刻んでおります。

先程答弁申し上げたとおり、現在、区民相談課において、ご相談をお受けする体制としておりますが、本区においても、今後、被害者やご遺族のお気持ちに寄り添い、安心してご相談いただける「犯罪被害者等の相談窓口」の設置を検討してまいります。

窓口の相談員は、被害者等の心情に寄り添い、お声を傾聴し、支援に繋げていく大変重要な役割を担うことになります。電話、面接による相談や、関係機関とのコーディネート等の対応にあたり、専門的な知識やスキルが求められます。

相談窓口の設置とともに、民間支援団体等との適切な役割分担を踏まえ、行政において、どこまでの専門体制を敷くかを検討するとともに、都や民間支援団体の研修など、相談員の育成策について、検討してまいります。

次に、既存の制度を拡大した犯罪被害者支援についてです。

犯罪被害者支援では、経済的な支援に加え、家事や育児など、日常生活を送る上での困難さを取り除くサポートが求められると考えています。お話のとおり、それこそ、我々、基礎自治体で対応する分野であり、今後、関係部局が連携し、既存事業を活用した支援事業等について、検討を進めてまいります。

次に、条例の制定及び他地域から豊島区に来られ、犯罪に巻き込まれた方も支援対象とすること、そして、区の今後の取組みについてです。

区として、犯罪被害者等の支援を明確にするためには、条例の制定は有効な手段と考えますので、今後の課題とさせていただきます。

今後まずは、東京都の犯罪被害者等支援条例のもと、先ほど申しあげました犯罪被害者等の窓口の設置に向け、検討を進めてまいります。

なお、都の犯罪被害者等支援条例においては、都内に住所を有しない方が、都内で発生した犯罪等により被害を受けた際の支援を規定しております。

すずらんスマイルプロジェクトで連携する支援団体の方からも、「豊島区民の女の子が新宿や渋谷の街に行って犯罪に巻き込まれ、また逆もある」との話を伺います。そうしたことを踏まえ、区が行う犯罪被害者支援においても、都の実例も踏まえ、区民に限らず、区内で犯罪に巻き込まれた方の相談対応について、検討してまいります。

私は、犯罪被害者等への支援について、法テラスでの忘れがたい貴重な経験から、強い思いを持っています。一方、区として「積極的に行う」姿勢を示すことは、大きな責任を伴うことであり、行政として担う範囲と役割、そのための人員と体制など、慎重かつ計画的に検討を進めてまいる考えであります。

 

次に、教育施策についてお答えいたします。

まず、仮校舎が確保できず、改築の見通しが立たない学校についてです。

今回の新たな学校改築方針によって、東部地域では仮校舎地を確保し、改築計画を進めることができるようになりました。これにより、改築校から概ね1キロ圏内に仮校舎が確保できず、改築の見通しが立たない学校は、高南小学校1校となります。

次に、高南小学校改築の積極的な検討についてです。

高南小学校の改築に必要な仮校舎の確保につきましては、公共施設の再構築や民有地の取得をはじめ、他自治体の先進事例等の情報も収集するなど、これまで以上に発想を広げ、あらゆる観点から全庁をあげて検討してまいります。私からの答弁は以上でございます。

 

  • 上野副区長答弁

私からは、まちづくりについてお答えいたします。

まず、まちづくりのVR導入についてです。

近年のデジタル技術の急速な進歩などを背景として、まちづくり分野においても、その活用が図られています。国においては3D都市モデルの整備活用が推進されており、また、ユーザーサイドにおいても、VR(仮想現実)や、AR(拡張現実)など、いわゆるXR技術の普及が進んでいます。

これらのデジタル技術を活用することで、都市計画に関する複雑な情報を分かりやすく関係者に伝え、合意形成の促進に寄与しているほか、防災シミュレーションへの活用により、これまで想定外とされていた規模の災害への有効な対策が検討できるようになりました。

一方で、多くのデジタルデータをオンラインで扱う場合、通信回線の品質上、待ち時間が度々発生するほか、ARデバイスの認識精度が屋外の照明の状況などの条件に大きく左右されるなど、現行技術上の課題もあります。

区においてはこれまで、3D都市モデルを活用して、池袋駅西口公園や巣鴨地蔵通りなどの住民説明会を開催しています。

今後、区としては、まちづくりを推進するにあたって、必要かつ可能な場合には、3D都市モデルの活用を図ることを基本とします。その上でXR技術の導入については、使用目的や実施場所、具体的用途、対象者、費用対効果など多角的な検討が必要と考えています。

次に、3D都市モデルとXR技術の活用についてです。

XR技術の導入については、先ほど申し上げたとおり課題もあることから、まずは区道などの整備を進めるにあたり、3D都市モデルの活用を図ることを基本といたします。

これまでも、例えば立教通りの再整備のための協議会において、3D都市モデルを活用して環境モデル路線としての植栽の配置や無電柱化、歩道拡幅など、従来の紙資料では伝えづらい多岐に渡る整備内容を住民の方々に分かりやすく説明してきました。

今後、補助80号線の拡幅整備にあたっても3D都市モデルを活用し、歩道の整備イメージを分かりやすく説明する予定です。

引き続き、まちづくりを推進するにあたり、機会を捉えて3D都市モデルを活用して、区民の方々のご理解を得てまいります。

次に、環状5の1号線の横断歩道橋の早期竣工や豊かな住環境づくりを目指すことについてです。

環状5の1号線の区役所東側には、自動車専用のトンネルの出入口が設置されるため、環状5の1号線のうち補助81号線との分岐点から東池袋交差点の区間については、地上レベルでの横断歩道が設置できない区間が生じます。

令和6年3月に策定した東池袋駅周辺まちづくり方針において、環状5の1号線の東西の区役所側の地域と南池袋二丁目C地区側の地域とを結ぶ動線が主な歩行者ネットワークとして位置づけられました。横断歩道橋はこの方針に沿い環状5の1号線による地域の分断を解消するとともに、回遊性の向上にも効果があると考えています。区としては、横断歩道橋の早期竣工及びC地区とのスムーズな接続を実現し、まちの東西の結びつきを強化して、豊かな住環境がつくられるよう鋭意取り組んでまいります。私からの答弁は以上でございます。

 

  • 教育長答弁

私からは、教育施策についてお答えいたします。

まず、教育センター移転の変更案についてです。

令和5年度に改めて検討した際に、幼児期から学齢期の発達を継続的に見ることを重視し、教育相談機能のみを移転することで西部子ども家庭支援センターとの連携に特化するよう変更しておりましたが、今年度、改めて計画の見直しを行いました。教育相談では、発達障害と不登校に関する相談が特に増加しており、より幅広い機能をもたせることが必要となりました。

そのため、センター所長をはじめとして発達障害をもつ児童生徒をフォローする人材配置を行う庶務と不登校や虐待などの課題を抱える子どもの支援を行うスクールソーシャルワーカー(SSW)を含め、適応指導教室と日本語教室を除くすべての教育センター機能を位置条例を変更して千川中学校に移設いたします。これにより、幼児期から小学校への引継ぎをスムーズに行い、学校で子どもたちが必要な支援を受けることができるとともに、不登校の未然防止や早期対応も含めて、幼児期からの途切れのない支援を幅広く行うことが可能になると考えております。今後も、幼児期から学齢期までの切れ目のない支援の実現に向けて、児童発達支援センターとともに準備を進めてまいります。

一方、不登校の子どもが通う適応指導教室は、学校という場所に行くことが困難なため、学校と離れた落ち着ける環境が必要です。また、今後人数が増加していくと考えられる日本語教室は、さまざまな地域から通ってくるため、電車でのアクセスのよい環境が必要です。したがって、適応指導教室と日本語教室は、現在の教育センターの場所に残すことといたします。

次に、東西や中央などへの日本語教室設置についてです。

近年、日本語指導の必要な児童生徒は増加しており、支援体制の充実を図ることが重要と認識しております。今年度より、児童の移動負担軽減のため、小学生への学校訪問指導を開始いたしました。今後、外国籍児童生徒の増加や中学生の移動負担軽減にも対応する必要がありますので、今後改定する教育ビジョンの検討の中で、日本語教室の設置の在り方についても検討してまいります。

次に、就学相談の増員や体制強化についてです。

相談件数の増加に対して、電子申請を導入するなど対応しているところですが、特別支援教育に対する保護者のニーズは高く、相談件数は過去最高を記録しています。就学相談では、心理士が児童生徒の特性を丁寧に見取り、就学相談委員会で慎重に検討した上で就学先を適切に判定しなければなりません。また、保護者が判定とは異なる選択をした場合には、その後も継続的なフォローを丁寧に行っていかなければなりません。そのため、現在の人員では対応が追い付かず、予約が取りにくい状況にあります。

今後、就学相談の予約の取りにくさを解消し、多くの就学前の児童の様子を確認することができるなど、一つひとつの案件に対してより丁寧に対応していくためには、教育相談員の増員だけでなく、資料のデータ化やより効率的な審査会の運営等が必要です。今年度改定する特別支援教育推進計画の中でこれら体制の強化についても検討してまいります。

次に、行ってみたいと思えるような魅力ある柚子の木教室の改修についてです。

適応指導教室では、児童生徒が安心して通うことができ、心を落ち着かせて友達と話したくなるような明るい教室環境を整えることが大変重要だと捉えております。

そこで、児童生徒がソファに座って自然にコミュニケーションをとれるような交流スペースや体を動かせるプレイルーム、勉強に集中できる学習ブースの設置など、魅力ある教室になるよう、令和9年度の教育センター移転を踏まえながら計画的に改修を検討いたします。

また、椅子や机を使いやすく明るい色にするなど、できることから速やかに教室環境を改善いたします。今後も、柚子の木教室を利用する児童生徒が心を開放して友達と触れ合い、安心できる居場所となるよう環境を整えてまいります。

次に、文部科学省の幼児教育推進体制強化についてです。

令和3年に公表された文部科学省の「幼児教育推進体制の強化」では、地域の幼児教育の質の向上には、幼児教育の拠点となる幼児教育センターが重要でありその機能として、研修の充実に加え、幼児教育アドバイザーによる障害のある幼児等への指導に関する助言、外国籍幼児等の受入れに関する助言、小学校への円滑な接続を目指す保幼小連携に関する助言などが挙げられています。

現行の教育ビジョンにおいても、文部科学省の考えと同様に、このような幼児教育センター機能の検討を行うことが示されておりますが、現在、教育ビジョン検討委員会に幼児教育部会を設置し、平成30年に豊島区の幼児教育のあり方検討委員会最終報告書で示された施策から、現在に至るまでの幼児教育を取り巻く状況の変化を捉え、改めて幼児教育のあり方について検討しております。

今後は、この部会における議論もふまえ、幼児教育センター機能を含めた豊島区としての幼児教育推進体制のあり方を検討し、新たな教育ビジョンに位置づけてまいります。

次に、「子どもスキップ・放課後児童クラブ」の実施マニュアルの改定についてです。

現在のマニュアルは、令和2年7月に改定されたものですが、職員の間でも業務に沿って順序立てて構成されておらず、それぞれの職務内容が分かりにくいといった声があったため、すでに現場職員の声を聴きながら改定作業を進めています。改定にあたっては、各スキップ間で運営方法が異なることがないよう運営方針等を明確にするとともに、すべての職員が自らの職務を理解し、働きやすい職場となるよう、構成も含めて「子どもスキップ・放課後児童クラブ」の実施マニュアルを全面的に改定する予定です。

次に、子どもスキップの現場を調査し、安全に運営が続けられる方策を検討することについてです。

すべての学校を訪問し、改めて現場を見てまいりましたが、一部の施設では、コア・セカンドスペースからサードスペースが離れていたり、そもそもフロアが異なっているため、現在の職員体制では十分な子どもの見守りができず、時間帯によっては、サードスペースを有効に活用できていない状況があります。今後は、早急に学校と連携し、タイムシェアリング等により周辺の教室等を確保してまいります。学校の大規模改修の際には、機を逸することなく、子どもスキップの利便性向上に向けて、よりよい環境の改善に努めてまいります。

また、児童の数や特にきめ細かな対応が必要な児童の数、施設の配置状況も踏まえて、適正に人員を配置するとともに、新たな人員の確保が何より必要ですので、区ホームページやSNSでの発信はもとより、ハローワークや転職サイトでの募集のほか、区内及び周辺の大学・専門学校やPTAへも直接出かけて働きかけるなど、日々積極的に採用を進めております。私からの答弁は以上でございます。

 

  • 健康部長答弁

私からは、子ども施策についてお答えいたします。

まず、産後ケア申請の簡潔化、オンライン活用による利便性向上についてです。

産後ケアの利用を希望される場合には、池袋保健所もしくは長崎健康相談所で助産師や保健師が面接をして産後の不安や困りごとを確認し、ご希望に合った施設をご案内して、申請していただいております。切迫早産で安静が必要など来所が難しい方については、保健師等が家庭訪問をして状況を確認し、個別に丁寧な支援を行っています。

一方で、妊娠中も働いていて来所に要する時間が取りにくい、産後間もない時期は来所での申請が大変等、ご負担となっていることは、区としても認識していることから、7月からは、電子申請による手続きを可能とするように準備をすすめています。今後は、来所が困難な方についても申請の利便性が向上するものと考えております。

次に、通所型産後ケアの利用回数拡充についてです。

通所型は、今年度新たに開始した形態であったことから、少ない利用回数から導入に取り組み、受け入れ体制を整備してきたところです。

利用者からは大変好評で回数追加のご希望もあり、施設の人員体制や利用予約状況に余裕もあることから、7月からは、利用回数を3回まで、多胎出産の方は5回までに拡充いたします。

次に、母子デイケアの今後の充実についてです。

通所デイサービス型の産後ケアは、1か所の実施施設で開始しました。実施施設の体制により、安全性が確保できる概ね生後5か月未満を対象としています。7月からは、生後7か月未満が利用可能な施設も含めて、3か所の通所型施設を追加いたします。今後、生後1歳までの母子を対象とした産後ケア事業が実施できるように施設の拡充に取り組んでまいります。

次に、宿泊型産後ケアの利用状況及び今後の日数拡充についてです。

令和5年度の実施施設数は7施設、利用人数は234名、利用延日数は806日でした。今年度は都立大塚病院など2施設を追加して9施設で実施し、昨年度の実績を2割程度上回るペースでの利用状況となっています。

区では、平成30年度から当初4施設で宿泊型産後ケア事業を開始しました。その後、利用者アンケートなどで区民の声を確認しながら、通所型も含めて10施設まで増やし、供給量を確保してまいりました。今後もさらに利用日数の拡充など制度を充実させ、安心して子育てできる環境を整えてまいります。

次に、5歳児健診の実施についてです。

早期に発達障害を発見し、適切な支援や療育につなぐことで、就学への不安を軽減できること等から、5歳児健診は子どもの発達支援につながる重要な取り組みの一つであると区としても認識しています。

健診を実施するにあたっては、実施体制の構築に加え、専門医療機関や療育機関との連携等によるフォローアップ体制の整備、健診結果に不安を持つ保護者への対応が求められます。

福祉・健康・教育といった、発達支援に係る部署で構成される「豊島区発達障害者支援ネットワーク会議」での5歳児健診に関する課題の情報共有や、他自治体の先行事例研究などを通じ、就学前の気づきを促すための効果的な方法を検討し、発達支援体制の確立を目指してまいります。私からの答弁は以上でございます。

 

  • 子ども家庭部長答弁

私からは、子ども施策についてお答えいたします。

まず、0歳児と1歳児の入園数が減少している要因についてです。

本区の0歳児の4月1日付け保育園の入園数は、平成29年は620人でしたが、令和6年には387人と約38%の減少となっています。一方、出生数は平成29年は2,247人でしたが、令和5年には1,854人と約17%の減少となっています。

入園者数の減少率と出生数の減少率の差は、0歳児や1歳児の人口減少とともに、育児休業制度の充実や働き方改革によって育児休業を取得しやすくなったことなどが要因であると認識しております。

また、昨年12月に閣議決定された「こども未来戦略」においても、男性・女性ともに、希望どおり、気兼ねなく育児休業制度を利用できる環境づくりや多様な働き方に対応した育児休業制度の見直し等が示されていることから、引き続き、保育需要の動向を注視してまいります。

次に、育休中等に家庭で活用できる子育てサービスの充実についてです。

0歳児は、授乳間隔や睡眠のリズムが不規則かつ成長の変化が大きく、親が睡眠不足に陥ったり食事もままならないなど、子育てが特に大変な時期であると認識しております。また、出産費用や、おむつやミルクなど育児に必要なものの購入やサービスの利用など、経済的にも負担が大きい時期であり、育児サービスと経済的支援の両輪による支援が必要であると考えています。

そのような時期の育休中等の子育て家庭を支援するサービスとして、これまでも一時預かりや、ベビーシッター利用支援事業、育児支援ヘルパーなどの預かり支援をはじめ、マイほいくえん、男性の育児支援プロジェクトなど様々な子育てサービスを実施してまいりました。

本年2月からは、月齢4か月から11か月の間、毎月見守り支援員がご自宅に訪問し、必要に応じ適切な支援へつなげる子育て世帯見守り訪問事業を開始いたしました。

さらに、7月からは出産費用をはじめとする経済的負担軽減を目的に、「としま出産サポートクーポン」の配付を開始いたします。

また、こういった子育て支援に関する事業や子育てに関するイベントが、対象となる子育て世帯にしっかりと届くよう、対象世帯への通知とともに、子育て応援アプリ「母子モ」による情報発信を行っております。

今後とも、安心して子育てができる環境づくりを目指し、子育てサービスの充実を図り、支援情報が子育て世帯にしっかりと届くよう力を入れてまいります。

次に、産後ドゥーラを誰もが安価で利用できる体制の整備についてです。

産後ドゥーラは、産前産後の女性特有のニーズに応え、母親の心身の安定と産後の体の回復、母親の気持ちに寄り添った母親のための育児支援サービスです。

本区は、これまで産後うつや強い育児不安のある方など、特に支援を要する家庭に対し、1時間あたり900円の利用料で産後ドゥーラを派遣してまいりました。今年4月より、ひとり親家庭と多胎児を育てる家庭も対象に加え、利用者を拡大しました。

また現在は、本区で活動できる産後ドゥーラが少ない状況にありますので、産後ドゥーラの育成を図るため、区の事業で3年間活動する目的を持った区民を対象に、産後ドゥーラの認定にかかる費用の一部を助成する事業も開始いたしました。

今後、安定的に産後ドゥーラを派遣し、将来的には産前産後の不安を抱える家庭に産後ドゥーラによる支援が行き届くように、取り組んでまいります。

次に、児童発達支援センターの果たすべき役割についてです。

本年4月施行の改正児童福祉法において、児童発達支援センターが、地域の中核的機関として担うべき機能が明確化されました。

本区では、本年4月に西部子ども家庭センタ―に児童発達支援センターを併設し、これまでの専門相談に栄養指導を加え、専門的な支援の強化をいたしました。また、保育所や子どもスキップへの心理職の巡回に加え、事業所など巡回対象施設の拡大を検討しています。

今後、児童発達支援センターが区内の児童発達支援事業所へ専門的なアドバイスを行うなど、地域全体の障害児支援の質の向上を図り、地域の中核的機関としてのその役割を果たしてまいります。

次に、発達に困難を抱える子どもたちの療育の実態把握等についてです。

障害児通所支援を利用する場合の「障害児支援利用計画」を、相談支援事業所が作成する場合と、保護者がセルフプランで作成する場合があります。

セルフプランを選択する理由は、相談支援事業所が見つからないことや、相談支援事業所と関わることで手続きが煩雑になったり、時間を要してしまうことなどがあります。

一方で、セルフプランでは、利用する発達支援のコーディネートが十分にされないことから、必要な支援を客観的に判断することが難しい場合もあることが課題となっています。

障害児相談支援事業者の不足につきましては、今年度から、東西の障害支援センターでも相談支援を行うこととしたところですが、セルフプランの解消までには至っておりません。

こうしたセルフプランの課題を改善するため、庁内の会議体の「発達障害者支援ネットワーク会議」等において課題を共有しながら、児童発達支援センターと障害福祉課で連携し、支援のあり方を検討してまいりたいと考えております。

具体的には、障害福祉課でアセスメントした内容を必要に応じ、通所支援事業所と共有する仕組みの構築や、医師の診断書等に療育の必要性と共に個別の支援内容を記載してもらうことなどが考えられます。また、保護者が通所支援事業所を選びやすくするため、各事業所の支援内容や機能訓練担当職員の配置状況などの情報を提供できる仕組みについても検討してまいります。

次に、複合施設になる児童発達支援センターのサテライトや集団、個別支援のスペースについてです。

現在計画中の千川中複合施設では、通所指導室、プレイルームのほか、相談室も3室から6室に拡充しています。

児童発達支援センターにおける専門相談の実績は、令和2年度3,672件から、令和4年9月から実施しているサテライト相談を含め、令和5年度には5,148件に増加しています。同様に増加した場合、複合施設に移転する令和9年度には8,097件と想定されますが、現在計画の相談枠で充分に実施できると見込んでいます。

さらに相談が増加した場合には、プレイルームや通所指導室の空き時間の有効活用も可能であり、今後の相談需要増加に対応し、必要な相談スペースの確保ができていると考えています。

次に、子どもの権利相談室の子ども施設へのアウトリーチと効果的な声掛けについてです。

現在、中高生センタージャンプ2か所に月1回ずつ、子どもの権利擁護委員と子どもの権利相談員がアウトリーチ活動を行っています。これまで、実際に中高生と顔を合わせ、関係を築くなかで相談につながるケースもあり、今年度は、5月末までの2か月で10件の相談を受けています。アウトリーチ活動により、相談室に行かなくても気軽に相談できる環境が相談のハードルを下げ、子どもたちの隠れた声を拾うことができたものと考えております。

昨年9月に子どもの権利相談室を開設して以来、相談員が1名から2名でしたので、権利相談員のアウトリーチ活動が十分にできていない状況でした。今月より3名体制となりましたので、中高生センタージャンプだけでなく、子どもスキップや児童相談所等子どもに関わる施設においても、定期的な巡回やアウトリーチ活動を強化してまいります。

次に、学習パンフレットの低学年版作成についてです。

権利の主体である子どもたちが子どもの権利について正しく理解するためには、低学年のうちから知ってもらうことが重要と考えます。子どもの発達の段階に合わせ、より身近な課題から子どもの権利について考えられるよう、低学年に対する効果的なプログラムを検討するとともに、低学年向けパンフレットの作成を検討してまいります。

次に、「豊島区こどもつながる定期預かり事業」の実施状況についてです。

国は、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルに関わらない形での支援を強化するため「こども誰でも通園制度」を創設し、今年度から、未就園児を定期的に保育所等で預かる試行的な預かり保育事業を実施しております。

東京都も、令和5年度から、国と同じ目的の事業を開始しました。豊島区は、利用者一人当たりの月の利用上限時間が長い都の事業を活用し、「豊島区こどもつながる定期預かり事業」を実施しています。

実施状況は、令和5年度は、11月から開始し、私立認可保育所と地域型保育事業所4か所で行われ、25名が利用しました。

令和6年5月末現在、公立・私立の認可保育所等20施設で、140名が利用しており、利用者からは、「子どもが他の子どもと交流できた」「保護者が自分の時間を確保できた」などの肯定的な意見が多く寄せられており、事業への満足の高さが伺えます。

次に、「こども誰でも通園制度」の今後の取り組みについてです。

子ども・子育て支援法に基づく本制度は、令和8年度から全国の自治体で実施されることから、区の現在の事業も本制度に基づく事業への移行を予定しております。

本制度は、新たな給付の制度として位置付けられるため、原則、認可保育所での実施が義務付けられることとなりますので、今後のニーズの高まりに対応する各施設の安定した受け入れ枠の確保が課題となります。

保育事業者の中には、預かる子どもが日ごとに入れ替わることによる保育士の負担等を懸念し、受け入れに慎重な事業者もおります。

国からは本制度の詳細が明らかにされておりませんが、区としましては、今後も引き続き、保育事業者と意見交換や協議を行い、円滑な事業の移行に向け、保育士の業務負担軽減や施設設備の改修などを検討するとともに、国と東京都には保育士の人件費補助など制度運営に必要な支援を求めてまいります。私からの答弁は以上でございます。

 

  • 都市整備部長答弁

私からは、まちづくりについてお答えいたします。

まず、住宅マスタープラン策定後の新たなファミリー世帯等への家賃助成等の検討についてです。

これまでもその時々の社会情勢に応じ、低所得者を対象とした子育てファミリー世帯へ家賃助成のほか、中所得者を対象とした住み替え家賃の助成や区民住宅の供給、自ら居住する住宅の建設等に対し融資あっせんや利子補給を行ってまいりました。

本年策定した豊島区住宅マスタープラン後期5年では、バランスの取れた世代構成による活発な地域コミュニティの形成を促進するため、子育て世帯定住のための支援制度を検討することとしています。

その具体策については、既に住宅施策担当と入居相談担当による定例会議を設け、各種統計に基づく区内の子育て世帯の実態と住宅市場動向の把握、他自治体での家賃や転居費用への助成をはじめとした支援内容と実施状況等の最新情報の収集を進めております。

今後それらを踏まえ、効果的に定住が進み、近居・多世代同居の推進にも繋がる様々な支援制度について、国や東京都、区の他施策とのバランスにも配慮した総合的な検討を行い、年度内に一定の方針を示していきたいと考えております。

次に、池袋駅東口クルドサック化についてです。

平成10年度に環状5の1号線が事業認可された後、東京都や商店街連合会など地元関係者を交えて検討し、平成23年に策定した池袋副都心交通戦略において、東口駅前の自動車通過交通を遮断し、北側と南側にそれぞれ交通広場を設け、駅前の歩行者空間を拡充する、いわゆる「クルドサック化」を掲げました。

明治通りについて、環状5の1号線開通後、池袋六ツ又交差点から千登世橋中学校付近までの区間について、東京都から区へ移管を受ける方向で協議を進めることとしております。

また、環状5の1号線の進捗状況から、完了時期が見えてきたので具体的な検討に入る予定です。検討にあたっては、東京都などからなる専門的な会議を開催するとともに、地元関係者の皆様からも丁寧に意見を伺うなど、調整を図ってまいります。

次に、環状5の1号線とC地区の間の横断歩道橋設置に係る区の要望に対する東京都の条件提示及びそれに対する考えについてです。

東京都の条件としては、横断歩道橋を豊島区道として認定し管理すること、横断歩道橋の設置により都道の歩道幅員が縮小される箇所は、隣接する公開空地の歩道空間としての確保・管理を区が責任をもって行うこと等の条件が出されました。区は、要望を実現するため、設置される横断歩道橋について区道として認定し、維持管理を行ってまいります。また、設置される横断歩道橋に隣接する民地内の歩道状空地のうち、としまエコミューゼタウンは、その管理者と調整し、空間確保および管理を民間で行います。また、南池袋二丁目C地区は、現在、都市計画法上の歩道状空地として位置づけがされており、管理については再開発組合と協議してまいります。

次に、横断歩道橋設置位置及び設計状況についてです。

横断歩道橋の位置は、交通管理者との協議により、としまエコミューゼタウンの敷地南側区道から北に約15mの場所と南池袋二丁目C地区の中央付近を結ぶ場所に設置される予定です。

横断歩道橋の設計状況は、東京都第四建設事務所にて、区も含めた関係機関と協議、調整しつつ、高さ・構造・意匠などの予備設計の検討に入っております。7月には区役所側、C地区側の歩道部の橋脚設置予定位置にボーリング調査を行うと第四建設事務所から聞いております。

次に、横断歩道橋の具体的なスペックについてです。

横断部分については、道路構造令等に照らし、車いす利用者2人と大人2人が通行できる幅員として約3.5mを確保し、エレベーターのかご寸法は、自転車も利用できる1.5m×2.15m程度で検討しております。バリアフリーなどの基準を十分満たす規格としております。

次に、横断歩道橋の工期がかかる理由とC地区の事業にあわせて竣工する方策についてです。

道路には下水道など様々な地下埋設物があり、横断歩道橋に支障する地下埋設物の移設が完了してから、横断歩道橋の工事着手となります。竣工までの工事期間については、各埋設企業者の現時点での検討の結果、当初想定しておりました移設期間よりも、長くなることを見込でおります。今後、横断歩道橋工事においても再開発事業に係る工事調整など、様々な工期が長くなるリスクがある中でも、都、区、再開発組合等にて設計、工事等の協議、調整を引き続き行い、南街区の竣工時期に近づけるよう鋭意取り組んでまいります。

次に、横断歩道橋とC地区側との接続に関する東京都との協議についてです。

C地区と横断歩道橋を接続し、歩行者ネットワーク強化を図るため、都の確認を得た上で、現在、南池袋二丁目C地区地区計画の都市計画変更手続きを行っております。引き続き、

都、区、再開発組合にて、高さ、構造、意匠などの協議を進めてまいります。

次に、C地区側から横断歩道橋に接続する方策についてです。

南池袋二丁目C地区では、南北2つの街区があり、環状5の1号線側の敷地内2階部分を南北に繋ぐ、南北方向のデッキが整備される計画となっております。この南北方向のデッキから環状5の1号線側へ東西方向の跳ねだしの床等を整備しておくことにより、南北方向のデッキと東西方向の横断歩道橋が接続できるよう、再開発組合と十分協議・調整をしてまいります。

次に、C地区側との接続部分の工事費に関する協議についてです。

再開発建物の南北方向のデッキから、環状5の1号線側への東西方向の跳ねだしの床などと横断歩道橋との接続する部分の工事費については、今後、南池袋二丁目C地区市街地再開発組合と協議してまいります。

次に、横断歩道橋とC地区接合部が区道となるのか及び区道として管理を行う場合にエレベーター部分も含むのかについてです。

エレベーターを含む横断歩道橋や環状5の1号線内のC地区側との接合部は区道とする予定です。環状5の1号線外の民地側の接続部の管理については、再開発組合と協議・調整してまいります。

以上をもちまして、高橋佳代子議員のご質問に対する答弁を終わります。