基金の運用等財源確保
○高橋佳代子委員 私は、資金運用についてお伺いをしたいというふうに思います。
頂いた会計白書を読んでいますと、一番最後のほうに、資金運用の取組が出ておりまして、私も初めて取り上げるところなんですが、ぜひお伺いしたいというふうに思います。
決算参考書でいいますと151ページにその利子が掲載をされているかというふうに思います。バブル崩壊後、基金残高が大きく減少してまいりましたけれども、庁舎移転を終えて、平成28年3月に旧庁舎定期借地料191億円の収入があり、そこから基金の積極的な運用に取り組まれたというようなことでございます。
これまでこの基金をどのような方針で運用されてきたのか、そのことについて、まずお聞かせください。
○活田会計管理室長 基金における資金の運用の方針ですが、基本的には安全に、かつ効率的にということで運用しております。安全が第一ということです。効率性の面から見ると、財投債権みたいな堅い債権については積極的に買っていこうというような方針を出しております。ただ、基金のそれぞれの性格がありますので、基金を使うときに現金化できないということはまずいということで、そういった基金の使途、あと、時期ですね、そういったところのバランスを見ながら、慎重に運用している状況でございます。
○高橋佳代子委員 それでは、これまでの運用実績について、お聞かせをいただきたいと思います。
○活田会計管理室長 昨年度、4年度ですね、今決算の運用益でございますが、1億7,800万円。これまでといいますと、3年度、2年度とございますので、2年度が1億8,100万円、3年度が1億8,300万円、今決算の4年度が1億7,800万円の利子収入でございます。
○高橋佳代子委員 そうすると、大体約1億8,000万程度の運用利子が毎年入っているというようなことでございますけれども、これについては、あまり、要は基金残高それほど豊島区も持っていた区ではないので、非常に運用するのも難しかったと思うんですが、23区で比較すると、どのような状況であるのかをお聞かせください。
○活田会計管理室長 比較がなかなか難しいんですが、表に出ている23区での確かな数字としては、3年度の決算ということになるかと思います。基金残高が3年度、豊島区、410億程度でした。運用益は130億円で、運用益としては23区で2番目ということになります。あとは、利回り、基金の残高に対する運用益なんですが、利回りが0.447%ということで、こちらは1位ということでございます。
○高橋佳代子委員 それほど多くない運用の資金の中でも、これだけ実績、利回り的には1位ということなので、非常にそこら辺は努力をされてきたのかなというふうに思っております。また、基金の運用、資金運用についても、SDGsの推進に貢献するためにSDGs債を購入されているというようなことでございますが、これについて、ちょっと御説明いただければと思います。
○活田会計管理室長 本区がSDGsの認証を取ってから、この債権を買うことで、SDGs債という債権があるんですが、資金面でもバックアップをしていこうという意図の下、令和2年度からSDGs債と言われるものを購入しております。現在では10種類で74億円の購入となっております。
なお、SDGs債というのは、この名称は一般化されておりません。グリーンボンドというのは環境問題に資する事業の資金を集めるような債権、それから、ソーシャルボンド、社会問題の解決のための資金を集める債権、それから、それを合わせたサステーナビリティーボンドというのがあるんですが、その3つを総称して一般的にはSDGs債というふうに言っております。
○高橋佳代子委員 そういう意味では、非常にそこまで配慮しながら債権購入もされているということで評価をしたいというふうに思います。
先ほど会計管理室長もおっしゃっていたように、債権も、いろいろ見ると、当初、長期のものが結構多くて、途中で何かお金を急に出さなきゃいけないときになったらどうしようかなというような状況があったのかなというふうに思っております。しかし、いろいろな年数のものを今組み合わせながら、いわゆる流動性の確保に努めてらっしゃるというようなお話でした。私も総括質疑でも行わせていただきましたけど、今後の施設の改修とか、改築とか、大きな資金を必要とするような事業が今後どのように出てくるかというか、今後どんどん出てくることが予想されるわけですけれども、その中で、まちづくりもそうですし、基金、取崩しを行わなければならないようなことがないように、要するに資金の需要に備えてのそういう運用というのが求められるというふうに考えますが、今後の取組についてお伺いをいたします。
○活田会計管理室長 今後の取組ですが、まず、基金を全部債権買うということにはなっておりません。最低でも半分以下にしようということで、まず、債権の比率を抑えているということ。それから、各基金の性格、あるいは、使途を鑑みながら、債権の年数を決めております。当初、債権を買うようになってから、これ、平成27年度以降なんですが、3年ぐらいはずっと20年債だったんですが、なかなか20年債だと、先ほど委員のおっしゃるように流動性が担保されてない。流動性が担保されてないということは、現金化するときに元本割れのリスクがあるということになるんですが、そういったことがないように20年債は極力抑えるような形で、10年債、2年債だとか、基金の使途をある程度想定しながら運営していますし、今後もそういった運用になるかというふうに考えております。
○高橋佳代子委員 ありがとうございます。
そういう意味では本当に、先ほど申し上げましたように、結構な利回りというか、ちゃんと実績は上げられておりまして、そういう意味では、少ないながらと言っちゃあれなんですけど、その中でも非常に実績も上げられていると。ただ、おっしゃるように、全てを運用しているわけではなくて、今後の財政需要に備えてしっかりと管理をされているということでございますが、やはりいつ何が起こるか分からないというようなこと、また、今後の大きなお金が動く、そういう公共施設の再構築とか、まちづくりなどに備えて、しっかりと取組を進めていただければとお願いして、終わります。