18H30年決特 福祉・衛生費10月15日 高橋議員

保育政策・発達障害・西部子ども家庭支援センターの相談室

○高橋佳代子委員  おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。

私からは、保育政策について質問させていただきます。

区の重要政策の一つでもあります待機児童対策については、高野区長の強いリーダーシップのもと、私ども区議団も、待機児童対策の申し入れを行わせていただいてまいりました。まさにあらゆる施策を展開して、平成29年4月には待機児童ゼロを達成し、また、本年、平成30年4月にも2年連続で待機児童ゼロを達成してまいりました。まさに子育てしやすいまちナンバーワンということで、全国からも今、注目をされているところでございまして、私どもは、その取り組みを高く評価をさせていただいているところであります。

初めに、平成27年から5年間、待機児童対策である子育て支援事業計画が立てられておりますけれども、その進捗状況について、お伺いをさせていただきます。

○樋口保育政策担当課長  子ども・子育て支援事業計画は、平成27年度から31年度まで、5年間で2,338名分の定員枠を設ける計画としておりましたけれども、積極的な保育所誘致によりまして、30年4月の時点でその計画を上回ります認可保育所46園分、2,751名分の枠を確保することができ、平成29年、30年度と2年連続で待機児童ゼロを達成することができたものでございます。

○高橋佳代子委員  この数字を見ても、非常に区が積極的にこれまで取り組まれていたということがよくわかるかと思います。それで、現在、区内で100以上の保育施設があるということになるんですけれども、多様な保育事業者によりまして、多様な環境の中で保育が実施をされている。その中で、どの施設においても一定水準の保育が担保されていくということが重要になるというふうに思うんですが、豊島区の保育の質ガイドラインの策定を一般質問でも提案をさせていただいているところでございますが、現在の進捗状況についてお伺いをいたします。

○田邉保育課長  昨年度、一般質問で保育の質のガイドラインの作成について御提案をいただきまして、検討をしてきたところでございます。検討の結果、今年度、保育の質のガイドラインの検討会を8月に立ち上げまして、検討を始めたところでございます。検討会のメンバーについては、学識経験者1名、保育、教育施設関係者7名、区民2名、区職員1名の計11名の委員構成としてございます。

○高橋佳代子委員  立ち上げられたというのが現在の状況であるのでしょうか。今現在、ガイドラインについては、会を立ち上げられて中身を検討されている状況であるというふうに思うんですが、これだけ多様な保育事業者が展開をされている状況の中で、区の役割がますます重要になってくるのではないかというふうに思っております。区の指導監督、時には立入検査等も必要になってくるのかなというふうに思いますけれども、今後の区内の保育の質、これをどのように区がリーダーシップをとって担保をされていくのか。このお考えについてお聞かせください。

○樋口保育政策担当課長  委員御指摘のとおり、今後は新規の園を誘致して待機児童をゼロにするのと同時に、既存の保育園の質を担保するために、指導監督する役割が重要だというふうに認識しております。そういった意味では、現在も、区立の保育園長を卒業しましたベテランの保育士が巡回に当たりまして、日々指導に当たっているところでございますが、今後はその体制を強化しなければいけないと、そういう認識でおります。

○田邉保育課長  そのほか追加で申し上げますと、区で行っている区の職員向けの子ども福祉研修に、私立保育施設の職員も受講できるようにしてございます。また、区立保育園では、保育園のOJTの中に地域の保育園の職員もお呼びをさせていただいて研修をしているところで、研修の充実も図っているところでございます。

○高橋佳代子委員  そういう意味では、私立ともども積極的に一緒に研修等をやりながら、同じ水準というか、どこにいても一定の水準以上の保育が受けられる、そういうものの確保に、これからもぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。そして、来年10月からは幼児教育の無償化ということもございまして、保育料の無償化についても予定をされている部分もありますけれども、これによる区の影響についてどのように分析をされているのか、お伺いします。

○田邉保育課長  現在、幼児教育の無償化につきましては、国のほうで一定程度の方針が示されているところで、細かい財源の話とか、そういったところを今、検討しているというところでございます。ただ、その財源がちょっとどうなるのかわかりませんけれども、一定程度、区の負担が生じる可能性もございます。そういったところでは、試算しているところでは、保育園の保育料の部分だけでは、約2億円ぐらいの負担増になるのではないかという試算もしているところでございます。それから、認可外も無償化の対象ということも打ち出されているところでございまして、認可外の管轄は今、東京都になってございますけれども、そこの部分の支給について、どう事務をやっていくのかというところも今後の課題というふうになってございます。

○時田子育て支援課長  今の保育課長からの説明もございましたけれども、同じく私立幼稚園につきましても、幼児教育の無償化の対象となってございます。こちらにつきましても、財源につきまして、まだ報道レベルですので、明らかになってございませんけれども、今、試算中でございますが、区の負担が増となる見込みでございます。

○高橋佳代子委員  そういう意味では、私どもは、この幼児教育の無償化をしっかり進めるべきだという立場でございます。区のほうの負担と、財源の部分で、まだまだ不確定な部分もございますけれども、そこら辺もしっかり御対応いただきたいなというふうに思います。

また、そういうような来年の無償化等々も含めたそういった需要も含めて、来年の4月の待機児童、これをどのように見込まれているのか、ちょっとお伺いをしたいというふうに思います。

○樋口保育政策担当課長  保育の無償化の影響がどれぐらいなのかということは、不確定な要素はございますけれども、来年4月の保育需要数、ゼロ歳から5歳までの人口、あるいは保育需要の伸び率等から、今の保育需要の約10%強の増というふうに想定をしておりまして、約6,300名ぐらいを想定しております。ことし7月の保育需要数が5,685名でしたので、差し引き620名程度の不足が予想されまして、豊島区では60名程度の保育園が標準でございますけれども、それで想定した場合には、新たに10園程度が必要になるというふうに考えているところでございます。

○高橋佳代子委員  もうほぼここのところ10園前後ずっと設置をしているような状況で、これは、これまでの保育制度を考えると、本当に大変なことであるというふうに思います。ただ、これまでは非常にこの誘致が順調にいっていたのではないかなという、本当に大変な中、皆様が御努力されて、一生懸命、待機児童対策を進めてこられたんですけれども、一方で、既存の保育園、例えば新規の大規模な園などは定員に満たないような、そういうようなお話もございますけれども、そのようなことも含めて、今後の待機児童対策についてのお考えをお聞かせください。

○樋口保育政策担当課長  認可保育所の10月1日現在の定員に対する在籍児童の率を見てみますと、約95%でございまして、今後もその率は上がってくる、そういうふうに見込んでいるところでございます。確かに御指摘のとおり、比較的規模の大きな認可保育所においても、初年度は定員が大きく下回る、そういった傾向がございます。しかしながら、翌年度以降は安定した運営ができているものでございます。一方、小規模保育所等の地域型保育事業所については、認可保育所の入園がかなわなかった世帯が入園をされるということでございますので、年度当初は欠員が多く、その後、徐々に欠員が減少するといった傾向がございます。例年、欠員は少なくなっておりますので、現状では運営に大きな影響を及ぼすものではないというふうに認識しておるところでございます。ただ、現在、御指摘のとおり、地域ごとの保育需要の動向を見てみますと、これまでの取り組みによりまして、保育需要を次第に満たしつつある地域というのも出てまいりました。32年度以降の開設からは、単に10園を開設するということではなく、この3月から実施しております保育需要調査等のデータを十分に生かしまして、エリアごとの保育需要の変化に合わせた計画的な誘致計画を立てていきたいというふうに考えております。

○高橋佳代子委員  次に聞こうかなと思った答えも今言われまして、確かに、以前はどこのエリアに待機児童がどのぐらいいるかという、区のデータも割と細かく数字として出ていたんですけれども、しばらく前の子ども文教委員会の資料を見ると、東と西、大ざっぱにどおんとあって、本当に細かいデータがとれていないんではないかなというような不安がございまして、また、国の待機児童需要調査も、本当の意味での待機児童対策に生かそうと思うと、全然意味がないのではないかと。それで、もっと早い段階からこの待機児童のいわゆる保育需要調査ができないであろうかということを一般質問でも提案させていただいて、妊婦さんへの調査を開始していただいたわけですが、3月から開始をされておりますけれども、現在の状況についてはどのような方向性が出ていますか。

○樋口保育政策担当課長  9月11日現在の妊娠届を出された方のうち、984名の方、約7割の方からの回答をいただいておりまして、現段階では737名の方に入園の希望があるということがわかりました。つまり、回答いただいた妊婦さんの何と75%の方が入園を希望されているということでございます。こういった意味では、保育需要の高さを裏づける調査結果というふうになっております。しかしながら、この75%の方が、実際に全ての方が保育園に入園を希望されるとは限らないわけでございます。御家庭の事情等がございまして、お子様が生まれた後に、いろんな事情があって変わるということは当然考えられるわけでございます。したがいまして、今月から、これから実施するんですけれども、生後3、4カ月健診の際に、アンケートに御協力いただいた方の中から追跡調査をしてもよいといって御回答されている方について、改めて調査をいたしまして、そのデータの精度を上げていきたいというふうに考えているところでございます。

○高橋佳代子委員  やはり、せっかくやる調査でございますので、妊娠をしたばかりのときと、また、実際にお子さんが生まれたときの生活状況も違うでしょうし、そういう意味では、保育需要の考え方が少し変化しているようなこともあるかもしれませんので、そこら辺を、やはりしっかり追跡調査をして、実数を出すというか、それが重要であるというふうに思いますので、しっかり妊婦さん御自身にも、また、3、4カ月健診のときにも、待機児童を出さないための調査であるということで、多くの方に御協力をいただいて、なるべく実数に近い数がしっかりと出るように、今後も引き続き取り組んでいただきたいというふうに思います。

それで、今後、待機児童ゼロを維持すること、これは非常に簡単なことではないというふうに思いますけれども、最後に、今後の保育事業に対する区のお考えをお伺いいたします。

○高田子ども家庭部長  今の待機児童対策について、さまざまな御質問をいただきましたけれども、私どもが、待機児童ゼロを考えるときに、指標として、今、二つのことを考えておりまして、ゼロから5歳までの乳幼児数の伸び、それから保育需要率というものを考えておりまして、ここ5年でゼロから5歳までの乳幼児数が1,000人も伸びている。それから、一番注目すべきは、保育需要率が5年前は38.5%だったものが、今はもう50%になろうとしているわけです。今、担当課長から御説明をさせていただきましたとおり、妊婦さんの調査をすると、75%と。そこまではいかないとは思いますけれども、中をとって、6割ぐらいまでは、やはり今、女性活躍ということで働くお母さんがふえておりますので、6割ぐらいは保育園を希望されるだろうというふうに見込んでおりますので、そういう乳幼児数、それから、保育需要率の高まりを見据えますと、まだしばらくは、やはり保育園を誘致していく必要があるんだろうと。その中で、やはり御指摘をいただいたように、保育の質を高める。保育の質というのは、保育のハード面、ソフト面、人材育成があると思いますけれども、日本一人口密度の高い豊島区としては、全て園庭をつくるわけにはいかないですけれども、ソフト面、そして、人材育成面で質の高い保育を、保育園を誘致し、公立保育園を中心として保育の質を高めていきたいというふうに思っております。

○高橋佳代子委員  ぜひ、非常に重要な政策でございますので、取り組んで、引き続きよろしくお願いをいたします。

次に、子どもの発達支援についてお伺いをさせていただきたいと思います。

子どもの発達支援を行っていらっしゃる西部子ども家庭支援センターを区議団で5月に視察をさせていただいております。その際、親子通所が増加傾向にあることとか、また、支援が必要な保護者も増加をしている等々の現状をお伺いをしてきましたけれども、現在の状況について、まずお聞かせください。

○時田子育て支援課長  25年から29年度までに、視察のときにもお話ししましたけれども、相談件数が2倍に増加してございます。30年度の状況につきましても、まだ8月末現在の状況ですけれども、29年度から30年度にかけて約15%程度増加してございます。

○高橋佳代子委員  そういう状況の中で、今後も増加していく傾向にあるのかなというようなことを思っております。特に視察をさせていただいた際に思ったことは、一番頭に残ったことは、個別指導の不足でございます。昨年度の、29年度の資料を、そのときにいただきましたけれども、月平均の実績を見ても、言語については契約者が111人に対して、指導実績33人、作業については、月平均実績、契約者数81人に対して指導実績31人ということで、その状況を伺って、私はちょっと愕然としてしまったんです。これだけこのニーズがありながらも、それに対応できていないというような状況にあるのかなというふうに思いますけれども、現在の状況についてはいかがでしょうか。

○時田子育て支援課長  委員御指摘のとおり、西部子ども家庭支援センターでは、人的、物理的なことから十分に相談に対応できていないような状況でございます。ことしの夏ぐらいから、言語と作業療法につきましても、本来、重度の方につきましては、定期的にやはり相談を受けなければならない状況を踏まえまして、例えば集団指導と個別指導を並行するなどして工夫をしながら、重度のケースの相談を毎月受けられるような形で整えてございます。

○高橋佳代子委員  そういう意味では、課長がおっしゃるように、その子その子で状況が全然違いますけれども、小さいときの療育をどういうふうにしっかり手だてしていくかによって、その子の人生も大きく変わっていくような部分もありますので、そういう意味では、本当に必要なニーズに応じた環境整備というんですか、集団であったり、個別であったり、それを組み合わせたりしながらやっていくことが重要ではないかなというふうに思います。民間でもやっているところもあるというふうに、そのときも伺いましたけれども、数はそんなにない。そういう意味では、区内のそういった個別指導については、常に不足状況にあるというふうに言っても過言ではないかなというふうに思います。

施設の改修についても、私がこの問題を一般質問で取り上げたときにおっしゃっていたんですけれども、現在の状況についてはいかがでしょうか。

○時田子育て支援課長  西部子ども家庭支援センターの相談室の増設につきましては、現在検討しているところでございまして、今、2階の倉庫がございまして、そちらに可動式のパーティションをつくって、簡易的な相談室ということで、今、検討を進めているところでございます。予算の状況にも、執行状況にもよりますけれども、今年度中には何らかの相談室を増設して、やる予定でおります。

○高橋佳代子委員  すごく一生懸命やっていらっしゃることは、よく理解をしているところでございます。本当にもともと保育園の建物ですから、そういった個別の部屋というのは本当に少ないわけですね。伺ったときも、給食室を利用して相談室をつくられていたり、本当に工夫をされながら、何とかスペースを確保しようと努力をされているという状況は、伺って非常によくわかりました。しかしながら、あそこの西部子ども家庭支援センターの役割というのは、それだけではなくて、親子通所、また、一時保育もやっていますし、親子で遊びにこられているような親子連れの方々もいらっしゃる。そういう意味では、役割とスペースを考えると、圧倒的に今の状況では足りないのではないかなと。この西部子ども家庭支援センターの中をいじくっても、もうスペース的には限界かなと私は見ていて思いました。そういう意味では、新たな拠点整備、これが必要になってくるかなというふうに思います。例えば、一般質問でも提案をしましたけれども、新たな池袋保健所の整備に伴ってとか、あと、本当は区内に別の施設があればいいんですが、子どもの発達支援をしっかりと支えていくセンターを、新たに整備をしていく必要があるのかなというふうに公明党としては考えますが、いかがでしょうか。

○時田子育て支援課長  確かに西部子ども家庭支援センターは、給食室であったり、今の倉庫であったり、もう相談室に変えられる部分は限界に来ております。また、発達の気になるお子さん、また、障害の課題のあるお子さんも増加している状況を鑑みて、やはり西部子ども家庭支援センターでは未就学児だけですけれども、そのさらに上の切れ目のない障害児の支援を行うためにも、やはり別の場所で、もう少し機能を拡大しての発達支援にかかわる事業を展開したいと考えてございますので、そちらにつきましても、練馬区の子ども発達支援センターを視察いたしまして、そのときは福祉部門と保健所と教育部門と子育てと4部門で視察に行きまして、これから場所も含めて検討していくところでございます。

○樫原健康担当部長  保健所の移転に絡みまして、保健所につきましても、子ども家庭部と連携をとりながら、今、進めているところでございまして、今後、その保健所の機能の見直しプラス、保健所が移転をするということで、他の施設、その他も含めて、ある程度の影響は出てくるということになりますので、その中で今のような課題も含めて検討していきたいというふうに考えてございます。