令和 2年決特委員会 10月12日区民・福祉・衛生費

【総合高齢社会対策-フレイル・福祉施設の整備・上池袋豊寿園-活用】

○西山陽介委員  おはようございます。今日も一日、よろしくお願いいたします。

それでは、政策の大きな柱2つ目として掲げられております高齢者にやさしいまちづくりについて、主に総合高齢社会対策について取り上げさせていただきたいと思います。

高野区長は、この総合高齢社会対策プロジェクトについて、目指すは、誰も孤立させない、みんなが生き生きと健康で安心に暮らせるまち、このように表明をされております。その中で、社会的孤立ゼロ、100歳健康、一人暮らしでも安心と、こういった3つの柱を対策として推進をされていると、このように認識をしているところでございます。そういう中にありまして、今年度につきましては、多くの新規・拡充事業を含む社会とつながる30のアプローチと、そのように掲げて推進をしていただいていると、このように思っているところでございます。

本年の第1回定例会では、私、西山が一般質問に立たせていただきまして、この総合高齢社会プロジェクトについて質問もさせていただきました。その中で、社会参加を高齢者の方々に積極的にしていただくためにも、どういった方策が必要か、どういった考え方に基づくかということでお尋ねしましたところ、いろいろ豊島区内にたくさんある外出先というものが活用されるためには、情報がなかなか伝わりにくい高齢者の皆様にも各拠点の魅力ですとか、地域活動などの情報発信をこれからも強化していくと、このような答弁もいただいているところでございます。そういう中にあって、いよいよ高齢者の方々への支援を大きくさらに広げていこうと、そういった矢先に、この新型コロナウイルスの影響ということが入ってまいりました。この社会的孤立ゼロを目指していく上で大きな足かせになっているのかもしれない、このように考えているところでございますが、現在の豊島区の高齢者への新型コロナウイルスの影響、この社会的孤立ゼロを目指す上でという意味合いにおいて、どのように影響として考えられているのか、まず、区の認識をお伺いしたいと思います。

○直江総合高齢社会対策推進室長  まさしく委員御指摘のとおり、社会的孤立ゼロ、外出促進と言ってた矢先でありました。本当にこの間、高齢者の皆さん、特に4月、5月、自粛というのは本当に全国的に呼びかけられていたわけですけれども、その4月、5月が終わった後、6月以降につきましても、皆さん、なかなか外出がやはり危険を考えてされていないような状況ございます。例えばこれまで区民ひろばに行かれていた人たちがなかなか出てこなくなってしまったり、あるいは、デイサービスを使われていた方も自粛してしまったりという、そういった状況があることは認識してございます。

○西山陽介委員  そういう影響がある中で、今年度のいろんな事業も掲げておりますけども、この影響を受けたことによってできること、そういったことも幾つかあるんではないかと。また、既にされていること、また、これから、この新型コロナウイルスの影響の中でも高齢者の方々の社会参加、孤立を防ぐ方策、そのために方策を考えられていると思います。現在やっていること、これからされようとしていることについて、どのようなことがあるのかお教えいただきたいと思います。

○直江総合高齢社会対策推進室長  方向性として、2つあろうかなと思います。1つは、やはり何といっても外出していただかなければいけないので、安心して外出していただくことと、外出しない場合でも自宅の中で少しでもフレイル対策をしていただくこと、2つかなというふうに思ってございます。まず、自宅で少しでもフレイル対策ということでは、としまる体操を御自宅でできるような御案内をしたり、各種健康長寿医療センターの御指導も仰いで、いろんな情報を広報としま等で流しているところでございます。一方で、やはり、どうしても自宅でやることには限りございますので、外出してほしいと考えてございます。そのためには、やはり安心していただくことなんで、まずは、区民ひろばをはじめとする施設の感染対策を十分にしまして、この間、してきているわけですけれども、それを安心だということを皆さんに理解していただいて、出てきてもらえるようにする。それが、この間もしてますが、これから冬にかけて、状況が悪くなることも想定されますので、そのときに皆さんが不安にならないような対応をしていきたいというふうに考えてございます。

○西山陽介委員  今フレイル対策のことも触れていただきました。昨年は、東池袋フレイル対策センター、非常に全国からも注目をされているというふうに思いますし、また、運営事業のほうも大変好評であると、このように評価をさせていただいているところでございます。

このフレイル対策事業については、これからも、ますます発展的にされていくと思いますけども、このフレイル対策事業、現在と今後について、その事業等を教えていただきたいと思います。

○猪飼高齢者福祉課長  今、委員から、昨年5月から設置されたフレイル対策センターの取組みのことをおっしゃっていただきましたけれども、こちらの取組み、とても好評でございます。特に気軽な感じでフレイルチェックをして、その後の活動につなげられるというところが利点かなと思っております。フレイル対策センター、また、介護予防センターは、区内で合わせて2か所ですので、今年度の取組みとしましては、フレイル測定機器を全区民ひろばに2年間かけて設置して、誰もが気軽にどの地域でも使えるというようなことをしてございます。9月には、11地区で設置が終わっております。既に毎日のように来て測っているという方もいらっしゃるというふうに聞いております。さらに、このフレイル対策をより効果的にするために、全区民ひろばで6月から、まちの相談室を月1回、アウトリーチで実施しております。こちらにつきましては、保健師ですとか、管理栄養士、リハビリテーション職の皆さんが、月1回ではありますけれども、事業を一緒にやりながらも、そういった御相談をお受けするということで、今後もさらにフレイル対策を、充実させてまいりたいと考えております。

○西山陽介委員  フレイル対策の面を展開というものが区民ひろばという拠点を使って広がっていくということ、これは非常にすばらしいことだと思います。

区民ひろばのこともちょっと触れたいと思うんですけども、受け止める側の区民ひろば、高齢者の方もなかなか外出ができないという、そういった世情だけども、高齢者の方々が皆さん、不調子というわけではなくて、皆さん、お元気な高齢者もたくさんいらっしゃるわけです。そういう中で、やはり気軽に行けるような区民ひろばの受け止め、また、フレイル対策としての様々な機器とか、そういったものも導入されてまいりました。区民ひろばとしての受け止め、受入れ、そういった視点ではどのようにお考えでいらっしゃるでしょうか。

○活田地域区民ひろば課長  フレイル対策の区民ひろばの受け止めですが、新型コロナウイルスの関係で、6月7日まで区民ひろばは閉館をしておりました。その後、利用制限をかけながらの開館ということになったんですが、高齢者の方の来場が半分ぐらいになっております。また、事業についても、3分の2ぐらいしか実施ができてない状況でございます。そんな中で、今、猪飼課長も申し上げたように、まちの相談室、それから、フレイルの機器、こちらが今年度は11か所、もう既に設置しておりますので、そういったところでの周知、これは徹底していきたいと思っております。また、区民ひろばそのものの事業についても、利用制限の緩和を来月からどんどんしていく予定でございますので、併せて利用促進もしていきたいというふうに考えております。

○西山陽介委員  昨日はお招きをいただきまして、きんぎょひろば上池袋のオープニングも参加をさせていただきました。もう非常に席からスタッフの皆さんのお顔を見ますと、もう生き生きとされて、もうこれからもう頑張るぞという、そういった意気軒高な、そういった様子に触れさせていただきまして、本当に力強く感じました。

そうはいっても、中には、やはり怖くて出られない、特に豊島区は独居の高齢者が多いところでございます。そういった独居の高齢者の安全確保ということも、一方ではきちっとしていかなければいけない、そういった視点を継続していくわけでございます。見守り支援の中では、様々、豊島区でもメニューございますけども、そういう中で、緊急通報システム、これも制度としては配置が至っているわけですけども、最近では振り込め詐欺、特殊詐欺のことが大きくクローズアップされまして、いわゆる固定電話というものを手放して、だんだんと高齢者の方々も携帯電話ですとか、スマートフォン、そういったものを手にされやすいというか、なじみ出したというか、そういったふうにも聞こえています。そうしますと、私の今の認識では、この緊急通報システムとか、なかなか固定電話しかかなわないのかなというふうに思っていたんですけども、そうでないのかどうか。また、世には携帯端末型の緊急通報システムという、そういった機器もあろうかと思いますけども、この辺の今後の緊急通報システムを使いながら、この独居高齢者等の安全確保をどうしていくか、この辺について、見解をいただきたいと思います。

○猪飼高齢者福祉課長  今御指摘いただきました緊急通報システムですけれども、こちら、電話というよりは、そういった受信機、発信機を設置してまして、そのボタンを押すことによって、委託先につながってお話ができるという仕組みになっておりますので、固定電話だけではないというところでございます。今後については、様々な媒体の活用を検討しながら、どういった形で緊急の連絡が取れるか、また、見守りができるかということも含めて考えていきたいというふうに思っております。

○西山陽介委員  もう一つ、今、高齢者の皆さんの社会参加を促すという視点をさせていただきました。一方、100歳健康という意味でも、既に事業がスタートしてるんじゃないか、また、準備をされているんじゃないかと思いますけど、この100歳健康について、現在のトピックなどをお教えいただければと思います。

○直江総合高齢社会対策推進室長  100歳健康、本当にこれから健康で安心に暮らしていただくためには、何よりも健康づくりと思ってございます。今年度、100歳健康の中での柱として、先ほど高齢者福祉課長から御答弁いたしましたフレイル対策拠点、区民ひろばへの展開等もしてきているところですけれども、それ以外に、70、75歳の区民に認知症健診については現在進めているところですけれども、今年度は見送りとはなってしまっていますけれども、準備は進めているところでございます。

○西山陽介委員  ぜひ見送った分を取り戻すことも、よろしくお願いしたいと思います。

ここの質問はちょっとまとめていきたいと思いますけども、今年の一般質問でも取り上げさせていただきましたけども、やはりこの高齢社会対策を総合的に持っていくという、そういった表明がありました。そういう意味では、健康長寿というキーワードが本当に豊島区のモデルとして、これからも全国の各自治体で同じように考えてらっしゃるところもリードするような、そういった期待、意義も込めまして、条例制定化に向けて考えられてはいかがかというような御提案もさせていただきました。御答弁では、スピード感を持ってという表現もいただいているところでございますけども、この総合的な高齢社会対策について、条例制定の視点も含めて、最後に、この項目の御所見をいただきたいと思います。

○直江総合高齢社会対策推進室長  委員から条例制定をというような御質問いただきまして、順次条例制定進めていきたいというふうには考えているところでございます。そうした矢先の新型コロナウイルス等もありまして、なかなか区民の御意見を伺いながら、ワークショップ等をやっていきたかったんですが、そういうことがちょっとままならない状況にはございましたが、今後、やはりウィズコロナということもございます。やり方を変えてやっていかなければいけないなと思ってございますので、先日、7月27日に区民の皆さん100人以上が集まっていただいて豊島区高齢社会対策推進協議会も開かれまして、その中で様々御意見も頂戴しています。そういった御意見を今後もお伺いしながら、区としての方向性をきちんとした形でまとめていきたいというふうに思ってございます。

○西山陽介委員  どうぞよろしくお願いします。

【福祉施設の整備】

○西山陽介委員 質問を変えさせていただきます。福祉施設の整備などについて、関連してお伺いしていきたいと思います。

まず、福祉施設の中の高齢者施設についてお尋ねをさせていただきたいと思います。現在、特別養護老人ホームの待機者、豊島区内はどのような状況になっているか、概算で結構ですので、お伝えいただきたいと思います。

○猪飼高齢者福祉課長  6月末現在でございますけれども、521名というような状況でございます。

○西山陽介委員  Aランクとその他という分け方、それから、区のほうでは、その500名余りの方々のいわゆる複数申込みしていることを考慮しての名寄せ等されていると思います。精査された人数等についてはいかがでしょうか。

○猪飼高齢者福祉課長  521名の待機者がいるということで申し上げましたけれども、そのうち、Aランクの方は253名ということでございます。6月末現在で区外施設も含めて申込みが2,064件、重複のお申込みもあるというところで、平均の申込みの施設数は4.0というような状況でございます。

○西山陽介委員  分かりました。

そういう方々がいらっしゃる中で、最近聞くんですけども、各特別養護老人ホームの法人の方々から、特別養護老人ホームのベッドが空いても、必ずしもすぐに次の方が決まるというわけでもないという、そういった現状もお聞きしました。新たな入所利用者の方を探すために、もう上から順番にばあっと電話して連絡が取れても、まだ結構ですとか、様々な理由ですぐに利用されないということをやっている。そういった、ちょっと無駄に思えるような時間も法人の中であるんだということをお聞きしました。そのことについては、区もお聞きになっていらっしゃるというふうに思います。そのことについて、区は各法人に対してバックアップをどのようにされているのかどうか、その辺についてはいかがでしょうか。

○猪飼高齢者福祉課長  委員御指摘のとおり、空きが出た場合に電話をかけて、次の方の申込みを確認するということなんですが、やはり様々な御家庭の事情ということなんでしょうか、十何件かけてやっとつながったということがあるということでございます。そういったことで、施設のほうもその時間がかかってしまうということもありますので、なるべく真に必要な方が申し込まれるような、そんなところにしたいということで、各施設長会等を含めて、情報交換しながら対応を進めているというようなところでございます。

○西山陽介委員  ぜひ法人の方々のフォローもお願いしたいと思います。

そういう中で待機者もまだまだいらっしゃいます。今後の豊島区の高齢者向けの施設整備について、概略をお伝えいただきたいと思います。

○渡邉福祉総務課長  今後の区の福祉施設の整備ということでございますが、今現在は、特別養護老人ホームの待機者、多くいらっしゃいますが、特別養護老人ホームの整備というのは、なかなかできておりませんが、今、地域密着型サービスということで、例えば高齢者の方で認知症の方が非常に増えてございます。そういうような方に対する認知症のグループホームの整備ですとか、または通所ですとか訪問、そして宿泊もできるような小規模の介護の施設ですとか、今の小規模の多機能にプラスして医療ケアもつけた看護つきの整備ですとか、そういうものを計画として考えているところでございます。

○西山陽介委員  分かりました。

一方、新しい施設もさることながら、やはり老朽化している施設も更新のする必要があると、このように思っています。としまのお財布、今、令和2年、その前のも拝見しておりますけども、今後5年間の投資的経費の見通しの中で特別養護老人ホームの大規模改修がございます。先に言っちゃいますけど、恐らく、これは山吹の里と風かおる里の2施設のことなのかなというふうに思っていますけども、ところで、一方では、この新型コロナウイルスの影響を受けるのか、施設建設事業の見直しということで、その候補に、この2施設の大規模改修が含まれております。この2施設、実は昨年、地元の公明党のふま議員と、高橋議員と一緒に、その老朽度具合について視察もさせていただきました。様々施設の関係者の方々からどういったところが不具合なのか、どういったところが使いにくいのか、どういったところが利用者に不便なのか、どういったところが職員の方々のモチベーションが下がる要因になっているのか、そういったこともつぶさに拝見をさせていただきました。見直しをすることの検討は大事なことだと思いますけども、利用者の方、それから、職員の方々のモチベーション、老朽化が著しいと職員の方もなかなか応募してくれないという実情も聞いてまいりました。この山吹の里と、風かおる里の大規模改修、しっかりと計画的に改修を進めていただきたい。そして、それの補助に至るわけですけど、援助も区もしっかりと果たしていただきたい、このように考えておりますけど、御見解をいただきたいと思います。

○田中保健福祉部長  何せ高齢者の方が日々お暮らしになる重要な施設だと認識しておりますので、速やかに改修をしたいというところでございます。さらに、大規模改修をするに当たっては、当然ながら、設備を新しくするだけではなくて、使い勝手もよくするというのが前提でございますので、そういったことも現場の声をしっかり聞き取りまして、いい施設に転換できるようにしてまいりたいと思っております。

○西山陽介委員  持ち時間が少なくなってきましたので、あと1点ほどにしたいと思います。

【上池袋豊寿園-活用】

○西山陽介委員 一方、施設の中で社会福祉事業団が運営する上池袋豊寿園、こちらが来年の3月末で閉鎖というふうに伺いました。事業団の経営がなかなか芳しくない部分、保育園のほうはよろしいようですけども、高齢者事業のほうがなかなか苦戦していると。そういう中で、少しでも経営改善をしていくということで、経営改善計画も策定されまして、その中で、上池袋豊寿園の閉鎖を決断されたということでございます。ここで取り上げますのは、この豊寿園が閉鎖となりますと、そこのスペースが上池袋のところで空くわけでございます。そのスペースをどのように有効活用していくのかということについては、区のほうもしっかりと計画がされていくんだろうと、このように考えているところでございます。ぜひとも福祉的に使ってきたなじみのある場所でございます。そういう意味では、福祉目的として、何らかの形でそういった方向に合うような、そういった施設整備をこの上池袋豊寿園の跡地の部分についてもぜひ御検討いただきたいと思いますけど、この件について御見解をいただきたいと思います。

○田中保健福祉部長  跡地の施設の活用につきましては、今後は全庁的に行政需要の調査を行いまして、優先順位の高いものを採用するということに全体はなってくると考えております。ただ、保健福祉部といたしましては、委員おっしゃったとおり、これまで福祉サービスを提供してきた重要な施設でありますので、引き続き、そういったサービスを提供する場として活用したいということで案を持ってございますので、何とかそれで使っていきたいと思っております。

○西山陽介委員  ぜひとも、今力強い御答弁いただきましたけども、もう強力に、もう一丸となって御検討を重ねていただいて、本当にすばらしい施設、高齢者の方々のためになる、職員の方々のためになる施設を造っていただきたいと思います。私からは以上です。