平成27年3月16日

公明党 根岸光洋

 

平成27年度予算特別委員会 意見開陳

 

私は、公明党豊島区議団を代表して、平成27年度豊島区一般会計予算並びに、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療事業会計、介護保険事業会計の3特別会計を可決することに賛成する立場から意見開陳をいたします。

最初に、円滑公平な運営に努められました正副委員長の労に感謝を申し上げます。また、理事者の皆様には、資料要求をはじめ、事前調査に快く応じていただき、私どもの質問に対して、その意を酌まれ丁寧にご答弁いただきましたことに心から御礼を申し上げます。

さて予算案審議に当たって、我ども公明党は、現下の厳しい景気経済状況の中での影響を受け止めつつ、1.区民目線に立った行政運営となっているか、2.時代の変化に的確に対応した事業展開となっているか、3.セーフコミュニティの立場から安全・安心のまちづくりへの取り組みがなされているか、4.持続可能な財政運営並びに区民生活向上のため我が党の予算要望に応えられているか、などを主眼に、慎重かつ厳正に審査に臨みました。

総括質疑においては、特別区税が300億円を超えたのは平成4年度以来であり、ほぼ同規模のその当時の予算と比べて、今回の予算は質的に改善していることがわかりました。これまでの財政健全化に向けた取り組みの成果が、今回の予算に着実にあらわれていることもあらためて理解ができました。また、社会保障施策の充実にもしっかりと対応していることもわかりました。今後については、景気の動向、あるいは法人住民税などの税制改正に伴う歳入環境の変化などをしっかり見極めていただき、高野区長が掲げる「持続発展可能都市」の実現のためにも、計画的かつ安定的な財政運営となるよう強く要望をさせて頂きました。

 以下、款別に意見を述べさせていただきます。

 

総務費

帰宅困難者対策としての池袋東西駅前情報提供ステーションについては、災害時にテントなど誰が開設するのか予め決定しておき、開設訓練を実施するよう要望致します。

エリアWi-Fi構築事業については、新庁舎とともに池袋駅周辺にアクセスポイントを整備する際、グループ化するメリットを確認しました。また、今後は、豊島区全体へと広げる組織横断的な取り組みをお願い致します。

 繁華街・暴力団対策事業費については、「客引き行為等の防止に関する条例」の適正な運用を求めるとともに、豊島区繁華街警備隊による効果的なパトロールにより繁華街の体感治安の向上に努めるよう要望致します。

 区民に対する災害・防災情報伝達については、安全確保と危機意識の共有が図れることから、防災意識の向上を目的として、効果的な取組みを要望いたします。

 災害時における救援センターの機能が確保されるよう、開設から運営にいたるまでのシュミレーションを今一度、慎重に検討し、 具体的、実践的な訓練を実施するように要望いたします。

 防犯カメラの設置補助事業は区民の安全・安心な暮らしを守る有効な手立てです。設置による効果や犯罪の予防の点も評価できます。今後は町会、商店街の複数団体が連携する要件に加えて、町会単独での設置も可能になるなど緩和されると伺いました。個人宅なども含めて犯人検挙や犯罪防止につながった事例などには、表彰制度を取り入れるなど顕彰することを要望いたします。

 新庁舎については最高の機能を備え、区民サービスの更なる向上と安全・安心の拠点であることはもちろんですが、環境教育としての学びの場としての活用や様々なイベントによる賑わい創出、6月に開催される「アートオリンピア2015」など国際アートカルチャー都市としての魅力を存分に発揮し多くの区民、来庁者に最高のおもてなしをすることを望みます。

 福祉費及び特別会計について

保育園待機児童対策については、今年度、私立認可保育所2園の新設などで407名の受け入れ枠を設けたことを先ず高く評価致します。しかしながら、歳児とエリアのミスマッチで400名の受入枠を作ったからといっても、400名待機児童が減るわけではないという答弁がありました。実際、本年4月入園内定者が発表された際、区の西部地区の子育て世帯が、認可保育施設に入園できないケースがかなり多いことがわかりました。区では、平成29年度当初までに待機児童ゼロを目標にし、認可保育所や小規模保育所の設置を可能な限り前倒しして取り組むと伺いましたが、是非、歳時とエリアのミスマッチという課題にも取り組み待機児童の解消につなげていくよう強く要望いたします。

 消費税率の引上げに伴い、平成26年度の時限的な対応として、公明党が提案した子育て世帯臨時特例給付金が支給されました。平成27年度も引き続き実施することが決定しています。非課税世帯には総務費である臨時福祉給付金と合わせて両方の給付金が支給されます。来年度も引き続き丁寧な対応と支給漏れなどが無いように周知を徹底することを要望いたします。

 がん対策においては受診率の向上に取組むことや、今年度導入された胃がんリスク検診の対象年齢の拡充を望みます。

 B型肝炎ワクチン接種、妊婦歯科健診、糖尿病重症化予防などの事業推進を望むと共に健康チャレンジ事業による健康への意識啓発などのイベントにも参加意欲が向上するような取組みを要望します。

 慢性化している看護師不足は区内の中小病院の経営を圧迫し、ひいては区民が身近で安心して医療を受けられる拠点の存続が危ぶまれることとなる。災害時の救急医療の確立に向けても区内の潜在看護師の就労支援など積極的な相談体制を望みます。

 政府の介護報酬引き下げにより、介護職員については、月額12,000円相当の給与改善が行われ、中重度の要介護者や認知症高齢者等に対する介護サービスの充実が図られることを確認しました。次期介護保険料については、介護報酬の引き下げと区の軽減措置により保険料基準額が600円増に抑制出来たことも確認しました。今後とも区民に対しては、保険料やサービス利用の負担をきちんとご理解頂けるように丁寧な対応をお願い致します。

 要介護者の増加率は、高齢化率を上回っていることから、より身近に利用、参加できる介護予防の仕組みを構築するように、全力を挙げていただくよう、お願いいたします。

 土木費

道路維持修繕経費については、区道路面下調査結果により、区道の約100箇所に異常が発見されたとの報告がありました。予防保全の観点から来年度も未実施の区道への調査を行うことを要望致します。

 公園整備については、砂場の金網囲い設置、キャッチボールが出来る公園整備、さらに、安全・安心して遊べるよう不審者対策の取り組みを要望致します。

 利用度の低い、公園、児童遊園が区内に多く散見されることから、地域の活性化のため、有効活用できるよう研究・努力を重ねるよう要望いたします。また、ソメイヨシノプロジェクトの一環として、染井吉野桜記念公園等、駒込地域の桜の樹木にイルミネーションの装着を行うなど、桜による区内の魅力発信のために、創意工夫を望みます。

 少子高齢社会において、リノベーションまちづくり、すなわち、空き家の有効活用は今後、多くの自治体が積極的に取り組んでいくと考えられることから、他自治体の手法も参考にしながら、効果のある取組みを要望いたします。また、国の「空き家対策推進特別措置法」により、固定資産の納税情報活用が可能になることから、長年の課題である空き地等の整備にも有効な対策となることを強く要望いたします。

 文化商工費

国の補正予算で創設された「地域住民生活等緊急支援のための交付金」の活用となるプレミアム付き商品券については、販売総額6憶円、プレミアム率が20%で、区内共通商品券としては、過去最大規模のものとなります。それだけに、これまで以上に商品券の購入窓口を増やし、また、早期に換金出来るよう店舗側にも配慮するなど要望致します。さらに、商品券の発行を新庁舎開設の5月に予定していることから、各種イベント等を積極的に開催し、消費喚起と地域の活性化にも取り組むよう要望致します。

 創業・起業相談についは、安定した経営状態にいたるまで、支援を行い、特に増加している女性の起業については、専門的な見地からアドバイスできるよう、区内企業の継続的な活性化を促進するよう、お願いいたします。また、既存の事業者の経営改善や事業再生についても、さらに効果的に取組めるよう、対策を講じることも合わせて要望いたします。

 区立体育館のプール、トレーニングルームの使用料が減額されることになり、利用者からは喜びの声があがっています。同様に競技場についても夜間使用時間の拡充と共に使用料の減額を望みます。

 大塚駅前整備については駅を中心とした広がりのある街づくりを推進する上で地域の期待が大きい。憩いの空間の創設と地域行事である「東京大塚阿波おどり」「東京よさこいin大塚」「大塚商人祭り」「おおつか音楽祭」「都電沿線緑化によるバラ祭り」「短編映画による大塚ショートフイルムフェステバル」などに対して充実、発展していくよう継続した支援を望みます。

 来年度に閉館となる豊島公会堂は、本区のみならず「城北文化の殿堂」とも言われ、東京の一大文化拠点として親しまれてきました。これまでの歴史を新ホール建設にも引き継ぐと共に、形として後世に残すためにも建設寄付金に協力された区民の氏名を刻んだ銅版の保存や豊島公会堂の壁や床材などの一部を記念品として配布することなどを検討するよう望みます。

 教育費

池袋第三小学校の通学路の安全対策については、旧真和中学校跡地の仮校舎に通う全校生徒のうち9割強にあたる児童が、西武池袋線の踏切を通っての登下校となっています。保護者からの要望である警備員の設置とともに、今後とも学校、保護者、地域が一体となった取り組みを要望致します。

 通学路における防犯カメラの設置については、何よりも期待されるのは、児童生徒たちを犯罪から守る抑止力です。そのため、防犯カメラの設置を機に、インターナショナルセーフスクールで築いている学校、保護者、地域の見守りネットワークの取り組みを全校で展開するよう要望致します。

 いじめ防止対策について、公明党はこれまで特段力を入れて取組んで参りました。平成24年には三田教育長に対して「いじめ防止対策強化を求める要望書」を提出し、早期発見・早期対応の体制づくりと子ども達の心を育てる重要性を訴えて参りました。昨年、施行された「豊島区いじめ防止対策推進条例」による総合的、効果的な取組みの推進を望みます。合わせて私どもが要望した「ハイパーQU」も学校現場では取組みに温度差があるようですが、これまで以上の効果的な活用ができるよう望みます。また、いじめと切り離せない不登校の児童・生徒への支援については、新年度予算の執行にあたり十分な取組みがなされるよう強く望みます。

 携帯電話のメール機能などの誤った使い方は、いじめや犯罪へ巻き込まれるなど深刻な事態を引き起す要因となっていることが報道されています。児童・生徒の使用実態などの調査を行い適正な使用方法などの指導を望みます。

 新教育委員会制度については、区長と教育委員会の連携の透明性を確保するために、総合教育会議や大綱の策定等の内容の公開を明確に行うよう要望いたします。

 さて、東日本大震災から4年の月日が経ちましたが、いまだに故郷へ帰れずに避難生活を余儀なくされている方が多くいらっしゃいます。豊島区にも、将来に不安を抱きながら生活をされている方々がいらっしゃいます。一日も早い復興を強く願うものです。私ども公明党は生活者の目線にたち、現場の声の届く、安全安心への一層の取り組みを推進していくことが最も大事な視点であると考えております。その上で、安定的な区財政運営に十分配慮しつつ、住んで良かった、住み続けたい街豊島区を構築すべく、不断の努力を重ねていくことを肝に銘じて、平成27年度豊島区予算に対し、可決すべきものと意見開陳いたします。最後に今月、定年を迎え、つつがなく退職される理事者の方々へこれまでの区政への貢献に深く感謝申し上げます。また、皆様に教えて頂いた事を忘れずに区民のための区政を創っていくことをお誓い申し上げ御礼に代えます。ありがとうございました。

以上で意見開陳を終わります。

ご清聴、ありがとうございました。