25.10.25

平成25年 第3回定例会

議員提出議案第10号 賛成討論

平成25年10月25日登壇 根岸光洋

 

私は公明党豊島区議団を代表しまして只今、議題となっております、議員提出議案第10号「豊島区認証保育所等保護者補助金の交付及び臨時保育所等の保育料の減免に関する条例」を否決することに賛成の立場から討論を致します。

 本区では認可保育所に入所できない待機児童が年々増加し、保育所が決まらないために、働きたくても働けないなど深刻な事態が起きています。その待機児童対策については我が会派として今年の3月13日に高野区長へ緊急の申し入れを行いました。豊島区では、その後、平成22年度の保育計画で当初から予定していたJR大塚南口ビル内認可保育所の開設などの117名の増員計画に加えて、平成25~26年度の2年間で待機児童対策緊急プランが示され、320名を超える増員を行う「豊島区待機児童対策緊急プラン」の実施を決定しその対策に取組んできました。この緊急プランに盛り込まれている認証保育所の保育料負担軽減補助については、私ども会派も、保育料が高くて大変であるとの声を多く聞き、待機児童が増加してきた5~6年前から、保育料の助成制度を設けるべきだと申し上げてまいりました。平成20年の決算特別委員会では高橋議員から保育料が余りにも高く23区の内、助成制度をしていない3区の内に豊島区がはいっていたというようなことや、その後の決算特別委員会、一般質問でも同様に保育料の補助について質問をして参りました。平成22年の第2回定例会では中島議員から認証保育所の保育料について保護者への助成制度を取るべきではないかと質問をしています。そして、ようやく、平成23年度から補助制度が始まり、今年で3年目となりました。この認証保育所は開始、当初はすべての施設で0歳児から保育したり保育時間も13時間としたり、運営事業者によっては教育的な要素、音楽、体操、英会話など新しいニーズに対応するということが主眼に置かれていたと言われています。しかしながら現在では待機児童対策としての受け皿としての機能も担っているのも現状であります。保育料の補助は当然私どもも必要であると考えていますし、その声と共に、こうした認証保育所の現状をくみ取り、区としても負担軽減事業を進めてきたものと認識しています。

 3年前の平成22年第3回定例会においても今回と同様に議員提出議案第15号「豊島区認証保育所等に保護者補助金の交付に関する条例」として提出され、子ども文教委員会での審査を経て本会議にて否決されました。前回提出された条例とは内容について一部違いまがありますが、それは後程、述べるとして、今回の子ども文教委員会の審査で、理事者からは「このような認証保育所の負担軽減補助事業を条例で制定するのは23区では1つもない。一般的にこういった補助金の中身について条例で規定するのはなじまず、大枠の予算の中で審議されていることから補助金等に関するものについては全国のほとんどの自治体で、要綱で定めている」との答弁がありました。また提案者からは対象となる人数については「正式な数については区側がつかんでいると思いますので、そちらのほうでご回答いただきたいと思います」とか、事業費については「あくまでも予想という形になってしまう数にほかなりませんので、ざっくり1億5千万円というのは、現在のところ想定の数という形で示したものであります」とありました。提案者の垣内議員の「もともとの考え方は、認可保育園に入れているならば、このような話はない」というお気持ちは十分に理解できるところではありますが、待機児童数の数や認証保育所等に入所する人数など確定できず、他の自治体でも、要綱で定めていることからも条例で定めることはなじまないと判断するところです。

 次に条例の補助対象施設として事業所内保育所については待機児童対策緊急プランで示され、民間の事業者が従業員の為に設置した施設に空きがあるのを受け入れて頂けることとなりこの8月から始まりました。保育料は52000円で設定されています。これはこの事業者の従業員の方より安くならないようにとの区との話し合いの結果決められました。この事業所内保育所は今回の議案での補助対象施設を増やすことに位置付けられています。委員会審査ではこの事業所内保育所には5名が入所しており今回の議案通りの補助を受けると事業者からの要望を破り従業員の方の保育料の方が高くなることがわかりました。区の待機児童の状況を理解して協力をしてくれている企業を裏切る結果になることを危惧しました。そのことが従業員にわかれば当然会社に対して保育料を下げるように要望することは目に見てあきらかであります。このことについてどういう見解であるのか提案者であるみんな・無所属・刷新の会の関谷議員にお聞きしたところ「保護者同士のお話はどのような形で出るのかは私の方ではわかりません」とのことですが、子育てをされた保護者の一人としてはいかがなものかと思います。保護者同士の間ではこうした情報は敏感に感じ取るのが通常であります。機械的にただ預ければいいというものではありません。子どもはもちろん保護者同士の健全な交流が重要なのであります。理事者からは「区の方からお願いしてこうした事業を受けてもらっていますので、従業員の方より保育料が安くなってしまうとこの事業がひょっとしたら続けられなくなるという可能性も感じています」「保育料設定の絶対条件でした」とありました。明らかに慎重な対応が求められます。また1億5000万円の財源について木下委員から提案者の古堺議員に確認したところ「まだまだ無駄だと思われること、たくさんあります。そういった中でこの1億5000万なにがしはうまれてくると思いますので、そういつた財源を見つけ出してくるのも議員と行政の両方の仕事ではないか」と述べさらに木下委員から「例えばどういう無駄があると考えますか」との質問には一つの事業の廃止例を挙げて、計画を止めればおつりがくるぐらいと言ったのちに、こともあろうか「木下委員はどのように考えているのかそれをお聞かせください」と、これに対しては審議する側に対して質問するなど前代未聞のやりとりでありました。最終的には発言は削除されましたが審査する以前の問題があることもはっきりと示された瞬間でした。また、古堺議員からは先ほどの事業所内保育の審議の中で、議員提出議案の在り方について「自分たちがやはり区民の方々の信託を受けてこの場にきているわけですから、正しいと思うことに対してはそういう対処をしていくというところで今回のこの議員提出議案に対しては、我々も正しいと思っておりますので、この場におります。そういう考えです」とありましたが、正しくてもそれを押し通すことによって迷惑を被り苦労してできあがったものを無にしてしまうことも、よくよく考えなくてはならないのではないでしょうか。提案者の会派の一員でもある小林弘明委員は「やはり、今回の議員提出議案というのは議員が出せる一つの権利であるということも、我々も考えていて、今回のこの内容に、是非とも、本当はやはり全会派が一致でもう少しもんで、しっかりとした形で出して、可決していただきたいなというのが今回この話を途中聞いていて思いました」と、いままで時間をかけてきた、理事者の説明や各委員はもとより議案提案者の説明さえも無駄にしてしまうような発言に驚きを隠せないものでした。

 議案提出者としてのしっかりとした裏付けのある説明ができないならば提案する資格はないものと断ずるものです。改めて指摘しておきたいと思います。

 私どもはさる9月19日、自由民主党豊島区議団、自治みらい豊島区議団の3会派で高野区長へ「認可保育所以外の保育施設利用者に対する補助拡充について」の要望書を提出しました。そこには認証保育所利用者に対する保育料負担軽減の拡充をはじめ、認可保育所以外の保育施設利用者に対する補助対象者を可能な限り拡大するように要望させて頂き、区からは、対象者の拡充と補助額の増額を検討する旨の答弁がありました。これまでの豊島区の保育は全園でゼロ歳児保育を行ったり、23区では面積比では認可保育所設置数が4番目に高いなどや、障がい児保育の実施、夜間10時15分までの延長保育の実施など区民要望にできる限り取組んできていると評価いたしますが、人口増や毛材的理由など様々な要因に対して、子育て世帯への支援は急務であります。さらなる支援を、財源をみながらも着実に推進していくことを重ねてお願いし、議員提出議案第10号「豊島区認証保育所等保護者補助金の交付及び臨時保育所等の保育料の減免に関する条例」を否決することに賛成の立場からの討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。