令和6年 第4回定例会一般質問
「新たな支え合いを育むまち・豊島」
令和6(2024)年11月19日登壇
公明党 島村高彦
私は公明党豊島区議団を代表して「新たな支え合いを育むまち・豊島」と題し、第1に住宅確保要配慮者支援について、第2に防災対策について、第3に高齢者の活躍を推進する取組みについて、第4に巣鴨警察署庁舎の新たな適地確保について、質問します。
公明党は一昨日、11月17日、結党60年を迎えました。先の衆議院選挙では国会における議席を大きく失ってしまいました。しかし公明党は地方議会から始まった政党であります。私もその地方議会の一員として、結党の指針である大衆とともに現場第一主義を貫き通すことを改めて胸に刻み、前進していく覚悟であります。
それでは、第1に住宅確保要配慮者支援について伺います。この課題は本年1定に続き、一般質問で取り上げるのは4度目となります。特に前回2月の質問の直後、わが党の推進により、生活困窮者自立支援法、続いて住宅セーフティネット法が改正されました。その改正点が、私がこれまでの質問で指摘した課題そのものであったこと、また、持ち家のない単身高齢者への対応として自立相談支援事業と重層的支援体制整備事業における居住支援の強化が明年4月から施行されることから、本区の対策についてお尋ねするものです。
まず、今回の改正の中核的役割を担うのは居住支援法人です。前回質問では区内広域で、より多くの支援法人が活動できる体制整備を求めました。答弁では「居住支援法人が連携して、区内全域で一括借り上げによる受け皿住宅を十分提供する体制整備に取組む」「広域でより多くの支援法人が活動できる体制を整備し、住宅確保要配慮者支援の実効性を高め、家主の不安解消などを更に図って」いくとのことでした。前回質問からさほど時間は経っておりませんが、現状の取組・進捗状況をお聞かせ願います。
居住支援法人が区内全域で効果的な活動が実施できれば、住宅確保要配慮者の課題は解消に向け、大きく前進が期待できます。しかしながら、前回も述べたように、これらの団体は財政赤字を抱えているところも多く、今回の改正で財政支援が行われても、軌道に乗るまでには時間を要することが懸念されます。そこで、これまで指摘してきた課題に対し、本区として、しっかりと対応しておくことが求められていると考えます。
たとえば、要配慮者の入居後の支援を目的とした家主の不安解消のための相談窓口について前回質問では、迷わず、すみやかに相談可能な体制整備と適切な支援ができる人材の育成を提案しました。また同じく入居後の家主の不安解消のための見守り、安否確認については、高齢者総合センターや民生委員だけでは、見過ごされてしまうこともあることから、居住支援法人による継続的な見守りが効果的であると指摘すると同時にそれが実施されるまでの限定的な見守り体制について要望しました。事実、本年8月、体調を崩した単身の高齢者について支援をお願いしたにもかかわらず、結果的にアパート内での孤独死が確認されました。先の答弁では「相談窓口と見守り・安否確認」の双方について高齢者総合相談センターが行うとしております。あの酷暑の中、数多くの支援対象者を抱えながら、継続的、的確な見守り支援を行うのは、かなり困難なことではないでしょうか。やはり、前回提案のように家主が不安に感じた、あるいは家主が見守りを希望した居住者に限って安否確認を行う体制を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、同時に今後も単身高齢者は増え続けることが想定されることから、住居確保、入居中支援、退居・死亡時支援を行う住宅確保要配慮者に特化した相談窓口と今後、複数の居住支援法人連携のための調整役を担う機関が必要と考えますが、お考えをお聞かせください。
また、改正法では相談窓口の設置は前提として、加えて居住支援法人が見守り・安否確認、適切な福祉サービスにつなげる居住サポート住宅の供給を促進するとしておりますが、区内で要配慮者の需要を満たす居住サポート住宅が整備されるのは、どの程度の期間を要するとお見込でしょうか。家主の不安が解消されない限り、住宅確保要配慮者は増加していきます。本区の今後の方針をお示し願います。
次に保証人がいない入居者の対応について改正法では、要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を国土交通大臣が認定するとあります。認定基準は居住サポート住宅の入居者が対象であり、家賃債務保証の引受けと緊急連絡先を親族に限定しないこととしております。現状でも家賃債務保証は受けられたが、親族以外であっても緊急連絡先が見つからず、入居に困難をきたす事例があります。数多くの保証会社がある中、緊急連絡先の確保策も含め、要配慮者にとって効果的な専用の保証会社等を一般の不動産店でも利用できるように定める必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。前回答弁では、「国の動向を注視しながら、保証人がいない高齢者への支援のあり方について引き続き検討を進めて」いくとのことでしたが、検討状況をお示し願います。
次に入居者死亡時の後処理に苦悩する家主の事例は前回質問で詳述しました。
改正法では、相続が発生しない終身建物賃貸借の認可手続を簡素化するとのことです。また、残置物処理については、居住支援法人の業務にこれを追加するとあります。この二つの課題についても、家主の入居拒否の大きな要因となっております。前回答弁では、この両制度について不動産業者にはチラシで、家主には居住支援協議会のセミナーで周知するとのことでしたが、これまでの実施状況と周知度についてお聞かせ願います。そして、この法改正により実際に本区内で両制度が有効・円滑に活用され、家主の負担軽減が実現するのかについて、また、それはいつ頃となる見通しなのか、本区のお考えをお示しください。
次に、私どもが日頃の相談で困っているのは、転居を迫られているが、転居費用が捻出できないという問題です。この点に関し、改正法では住居確保給付金を家賃の低廉な住宅への転居費用に活用できる制度を創設しました。同じく明年4月から施行されます。効果的に実施されるよう望みますが、本区における活用方針についてお聞かせください。
次に改正法では、生活困窮者には様々な要因により緊急一時的な居所確保が必要との認識から、国の補助金に緊急一時支援の加算が創設され、明年4月から努力義務化されました。シェルター事業では、住居を失った者に対し宿泊場所や食事、日用品を支給し、その後の入居支援も行う地域居住支援事業も策定されました。これまでも急遽住居を失くし、行くあてがないとの相談が土日夜間等に寄せられ、大変に困った経験もあることから曜日、時間を問わず、迅速・的確に対応できる体制が望まれます。本区としてこの一時生活支援事業をどのように実施していくのか、方針をお示し願います。
前回も申し上げましたが、本区は日本一、単身高齢者の比率が高く、同時に日本一、高齢者にやさしいまちを目指しております。よって全国のモデルとなる取組みを期待いたします。
第2に防災対策について質問いたします。
最初に災害時要援護者対策ですが、前回、要援護者の名簿登載と情報共有のあり方、すなわち手上げ方式から、現在の手下げ方式に至る長年の経緯についてお尋ねしました。こうした経緯を得て、これまでの名簿登載、更新については不同意の方だけに届け出していただき、回答のなかった方は登載しておりました。しかし、今回の名簿更新については、本年7月にわざわざ同意を求める意向確認書を送付しております。長年かけて条例化までして、ようやく手下げ方式の採用に至ったのに、何故に同意を求める手上げ方式に戻したのか、理由をお聞かせ願います。
また、地域共有名簿は日ごろの見守り活動や、防災活動などに使用され、一方で災害対策基本法に基づき、災害発生時には名簿登載に不同意の方も含め、要援護者名簿を地域団体・関係機関に提供して、安否確認や避難支援等を行うとしています。不同意者は名簿に登載されていないため地域の人たちは、日ごろ、その不同意の要援護者の情報を持ち合わせておりません。混乱をきたしている災害時に急に名簿を渡され、はたして効果的な支援ができるのか疑問がありますが、名簿登載不同意の要援護者の支援のあり方についてお聞かせ願います。
次に今回、避難行動要支援者にあたる約5,500名の方に、個別避難計画作成意向調査兼作成支援意向調査を実施しております。現在までの回答・作成状況についてお聞かせ願います。単身者で作成が困難な方に対する支援状況についてもお示し願います。
次に前回質問で高田地域におけるモデル事業を生かすために、すでに独自の避難支援活動を手掛けている町会から支援していくよう提案いたしました。答弁でも「先進的町会と手を携えながら取り組んで」いくとのことでした。まだ開始したばかりかと思いますが、現状での取り組み状況をお聞かせ願います。
前回答弁では高田地域の避難行動要支援者だけでも、45%の人が災害時の支援者が決まっていないと回答したとのことです。全区的にも支援者のいない要援護者が多いと想定されます。また以前にも述べましたが、普段健常者でも災害発生時に病気やケガで身動きできない人たちも名簿に登載されていない避難行動要支援者となります。特に日ごろ、地域コミュニティとは関わりを持たない、オートロックのワンルームマンションに一人暮らしで、身体の自由が効かない人たちをどう支援するのか。少なくとも町会や介護事業者の枠を超えた支援体制が求められます。非常に難しい課題であり、一朝一夕に解決できることではないと考えます。そこでまずは、地域コミュニティの枠から外れている人も含め、本区が苦労しながら取組んでいる災害時要援護者対策を何度も強力に訴えていくべきと考えます。この目的は、要援護者対策の理解を求めるのではなく、また自助、共助の取組みの参加を求めるのでもなく、災害時に自分自身を守るには何が必要なのかを考えてもらうことです。災害時要援護者対策は、区の取り組みを何度も訴えて、区民全体の防災や共助の意識を広く、底上げしていくことにより作り上げられていくと考えます。ご見解と取組み方針についてお示しを願います。
次に防災訓練についてお尋ねです。
まず前回質問にて、救援センター開設訓練において災害時を想定し、地域住民がより主体的に開設・運営が可能となるような取組みを求めました。それに対し、武道の見取り稽古の事例を持ち出し、柔道3段の私に対し基本が大事という趣旨の答弁をなされました。基本が重要であることは万人が知るところであります。また、救援センター開設運営に必要な資器材の格納場所があらかじめ、わからない参加者もいるとの問いに「資器材の格納場所が分からないというご意見は今までに一件もいただいたことは」ないと胸を張って答弁されました。私は自分の担当地域で行われる救援センター開設訓練には全て参加しております。こうしたお声を何度もこの耳で聞かされております。訓練の参加者は毎回、町会役員等の限られたメンバーでありながら、その中でもたまに参加する方やはじめて参加をする人もいることをご存知でしょうか。日ごろ、学校施設に立ち入る機会が少ない人もおり、現状では、むしろ「わからない」方が当然であると考えますがいかかでしょうか。
さらに「訓練で修得していただいた基本に基づいて、更に実践的な応用訓練を実施」するとの答弁ですが、先にも述べたように全ての訓練に毎回参加して基本を習得している人たちだけではなく、はじめて参加するのが応用訓練からというケースも当然考えられます。まして、災害発生時には防災訓練に一度も参加したことのない方々が避難をしてきます。こちらの方が人数は多いのであります。こうした人たちの中に、防災訓練に参加したことはなくとも、避難所運営に関する知識やスキルを持った人がいる場合も考えられます。したがって、けして基本を否定するわけではありませんが、こと災害対応訓練については厳格に基本、応用と切り分けるのではなく、臨機応変に対応できる訓練も求められていると考えますが、ご見解をお聞かせください。
次に今後の防災訓練についてお尋ねです。平成30年4定において、災害時に自身の住む地域の危険個所や街頭消火器、消火栓設置場所等を確認・認識し、有効・迅速に救出支援や避難ができるよう町内移動訓練を実施すべきことを提案いたしました。我が町会では、かなり以前に移動訓練の前段階である図上訓練について町内地図を用いて実施しました。わが街をよく知っていると自負する皆さんが生き生きと発言されておりました。しかし移動訓練は未だ実施に至っておらず、一部地域を除き、区内全域で行われている様子はありません。答弁では「防災意識の向上にもつながる」「地域防災訓練において各町会のご意見も踏まえ、実施要領について検討して」いくとのことでした。6年経ちましたが、検討状況をお知らせください。また、当時の地域防災計画には移動訓練すなわち「街区を活用した発災対応型訓練」の記載がありましたが、新たに策定される地域防災計画における位置づけについてもお示し願います。自分の地域を改めてよく見て回ることにより、災害時に必要な新たな気づきを得ることにもつながり、何より一か所で行う防災訓練よりも地域の人たちの目に留まりやすくなり、地域の防災意識の向上にもつながると考えますが、ご見解、今後の方針についてお聞かせ願います。
次に浸水対策についてお尋ねします。すでに本区でもたびたび、集中豪雨による被害が発生していることから、過去の質問で複数回取り上げました。直近の令和5年1定では本区の場合、外水氾濫よりも内水氾濫の危険性が大きいことから、下水に流れこむ雨量の抑制対策について伺いました。この中で、雨水浸透施設設置の助成制度について、助成金額が十分でないとの課題もあるとしながら「取り扱いを検討したい」との答弁でした。気なるのは、隣接区である北区、板橋区、練馬区がこの制度を利用していることです。隣接区域と合わせ広域に雨水浸透施設を拡充していけば、相乗効果が大きいと考えますが、検討状況も合わせ、取組み方針をお示し願います。
次に区道での公共雨水浸透枡事業ですが、質問当時で直近5年間の実績がないとのことでした。そこで「下水道局と連携して事業の普及啓発に努めて」いくとの答弁ですが、推進状況をお聞かせ願います。
次に本区基本計画では「雨水流出抑制施設に関する指導要綱等を策定して、民間施設における対策を図って」いくとあります。ところが東京都総合治水対策協議会では、23区のほとんどが「雨水貯留浸透施設に関する指導要綱」の名称及び指導内容を掲載していますが、本区は掲載されていません。本区の要綱の策定はどうなっているのか、ご説明ください。
次に現に浸水・冠水被害が発生している箇所、発生の恐れがある箇所における対策についてお尋ねです。巣鴨駅周辺では最近の豪雨により複数回被害に遭いました。下水管が大量の雨量を受け入れきれなかったことが原因と判明しております。下水道局としても雨水処理能力向上めざし、工事計画を定めているかと思いますが、あらかじめ被害が確定している箇所については、本区として早急な対策を行うよう下水道局等に強く要望していくべきと考えます。
今後も雨量の増加によりさらに被害が増大すると想定または確定されることから対策は急務と考えますが、ご見解と取組み方針をお示しください。
第3に高齢者の活躍を推進する取組みについてお尋ねです。
超高齢社会において、高齢者の活躍を推進するために、公明党は昨年11月、内閣官房長官に対し「地域共生社会を支える高齢者活躍推進プロジェクトチーム」報告書を提出しました。副題を「地域で輝く、私のセカンドキャリア」とし、自治体における相談・支援体制の整備や、地域共生社会を支える人材育成の仕組み構築、企業の取り組み促進などが柱となっています。定年後の働き方としては主に、有償・無償のボランティア的な活動や一定の報酬を得ることを目的とした就労等がありますが、本質問では広く高齢者の生きがいを増進させる観点から、あらゆる働き方や活動を想定してお尋ねいたします。
まず、定年退職後、地域における社会貢献的な活動を希望はしているが、具体的にどうしたらいいかわからないという声が全国的には多いことから、地域ニーズと希望者のマッチング、橋渡しをする方策が求められております。本区においては、こうした方々にホームページ等で呼びかけを行っているのは承知しておりますが、現状、求める人に必要な情報が十分に届いているかについて、ご認識をお聞かせ願います。
次に、高齢者の健康と生きがい、地域社会の福祉の向上と活性化を目的として設置されている外郭団体・シルバー人材センターについてお尋ねです。定年退職者は増加しているはずですが、全国的には会員数が減少しており、本区においても伸び悩んでいる様子です。要因としては、高年齢者雇用安定法の改正により再雇用が増加したこと、あるいは家計の理由から一定以上の収入が必要な人が増加したこと等が想像されますが、会員数が増加しない理由について、本区のお考えをお聞かせ願います。また今後は、会員や区内求職者の実態とニーズについて正確に掌握すべきとも考えますがいかがでしょうか。さらに、募集業務についても職種や報酬の拡充等、よりニーズに合うよう改善することが必要と考えます。公益法人であることから本区だけで行えないことがあるのは承知しておりますが、高齢者の生きがい増進と地域福祉の向上をめざして、今後のシルバー人材センターの活用・運営方針についてお聞かせください。
次に高齢者の就労支援の現状についてお尋ねします。
本区においては中高年齢者の再就職支援として、ハローワーク池袋・東京しごとセンターと連携した就職面接会・就労支援セミナー、また自立相談支援事業としての就労支援にも取組んでおります。さらに、かつて私は企業同士の情報共有をめざして「企業支援サイト」を提案し、続いて、このサイトで主に現役世代対象ではありますが、人員募集も可能とするよう提案いたしました。長年、区内事業者に活用されてきましが、本年9月、こちらには何の連絡もなく閉鎖されました。これら各種取組みによる高齢者の就労実績があれば、お聞かせ願います。生計を立てるため、一定の報酬が必要な高齢者も多いと考えます。こうした人たちを支援することも、生きがい増進と地域活性化につながると考えますが、本区の高齢者の就労支援について今後の方針をお示し願います。
次に定年退職者、高齢者を地域共生社会と地域福祉の向上に生かす取組みについて質問です。退職者の中には現役時代に培ったスキルや経験の棚卸を行っておらず、自身がどの職種や分野で役立つかを掌握していないことも多いとのことです。そこで必要となるのが、マッチングのためのカウンセリング、適した職種や活動につなげる取組みです。時に本人に最も適合したリスキリングや研修、資格取得のアドバイスも行うなど、退職者の潜在的な要望に応える支援が求められるのではないでしょうか。また、日本社会ではあまり浸透していない認識ですが、定年後を見越した現役世代へのアプローチも重要ではないでしょうか。40・50代から自身の定年後の活動に必要なスキルを認識させること、あるいは地域との繋がりを早期に形成すること、さらには将来不安を抱え孤立する専業主婦に対しても就労の後押しを行い、あるいは地域活動に繋げる等の取組みです。これらの取組みにより、主体的活動に対する意欲と自信に満ち溢れた人が増えることは、人手不足に悩む企業にとっても大きな救いとなると考えますが、いかかでしょうか。
これらの支援を効果的に行うために党の報告書では、自治体に「高齢者活躍地域相談センター」なる機関を設置するよう提唱しております。退職者・高齢者を新たな役割を担う多様な場につなげるまで、ワンストップで途切れのない支援を実施すべきとしています。本区においても、高齢者・障がい者・介護・子育て・学校教育・事業者等に対し、多様な支援が求められると考えます。今後増え続ける経験豊富で元気な高齢者にこの役割を担っていただくことが、地域共生社会の向上と生きがい増進に資すると考えます。したがって先の報酬を目的とした就労については、主に生活産業部門と福祉部門で対応しておりますが、これも含め、高齢者の活躍・就労を支援する総合的な機関の創設が求められているのではないでしょうか。本区の高齢者の活躍を推進する取組み方針について、ご見解をお示し願います。
第4に巣鴨警察署庁舎の新たな適地確保についてお伺いします。
本来、東京都管轄の課題であり、区が関わることではありませんが区民の安全・安心に大きく影響することから、あえて取り上げるものであります。現在の巣鴨警察庁舎は築54年と警視庁警察署の中では最も古い庁舎とお聞きしております。課題となっているのは老朽化に加え、現状の庁舎では手狭過ぎて、必要な業務を適切に執行する上でかなりの苦労を要していることです。やむなく民間の建物を借り上げて必要な部屋を確保している現状があります。治安を守る上でも、必要な活動に支障が生ずることは、区民にとっても大きな課題となってまいります。これまで警視庁の庁舎担当部としても、移転に向け複数の候補地について交渉を重ねてきましたが、用地確保には至っておりません。この問題にこれまで本区として何らかの支援、情報提供等を行ったことがあれば、お聞かせ願います。
また、候補地の一つであった豊島市場については、現状の計画では移転候補地となり得ませんが、一般的に見る限り、全敷地が完全に有効活用されているとは言い難い状況です。敷地の一部を移転の敷地として活用可能ではないかとも考えます。いずれにせよ、本区としても、この課題に対し、東京都や関係者とともに積極的に取組む必要性があると考えますが、ご見解をお示し願います。
以上で私の一般質問を終了します。ご静聴ありがとうございました。
公明党 島村 高彦 議員一般質問の答弁
- 区長答弁
ただいまの、島村高彦議員のご質問にお答えいたします。
私からは、防災対策における災害時要援護者名簿についてです。
まず、要援護者名簿についてですが、現在の地域共有名簿は、平成26年に作成したもので、作成から10年近く経過しました。この間の名簿更新の際、転入者や要介護度が変更になり、新たに対象となった方のみに意向調査を行っていたため、すでに名簿に掲載されている方、すなわち掲載に「同意された方」、および「不同意との意思を示されなかった方」に関する情報が古いままになっており、その結果、施設入所された方が名簿に残っているなど、実態と合わない状況が見られ、町会等による平時から見守り活動に支障が生じておりました。
そのため、今回から、名簿更新にあたり、災害時要援護者すべての方に対して調査をし、あらためて同意・不同意の意思確認をするとともに、緊急連絡先等の最新情報を登録していただくこととしました。これにより、地域における災害時の避難支援や安否確認が円滑に進むものと考えております。
なお、今回の調査において未回答であった方については、これまでと同様、名簿に掲載するため、従来の手下げ方式からの変更はありません。
次に、名簿掲載に不同意の要援護者への支援についてです。
地域共有名簿に掲載されない「不同意の方」については、平常時、ご本人やご家族の状況等の情報が町会・自治会等に共有されません。そうした方の情報は発災時、救援センターにおいて安否確認作業を行う際に初めて開示されため、名簿登載者と比べ、安否確認や避難支援を行うことが難しい状況となります。
まずは、不同意の方に同意いただけるよう呼びかけていくことが重要であり、引き続き取り組んでまいります。一方残念ながら現在、個人情報の観点から名簿登載を拒否される方が少なくありません。こうした状況を踏まえ、町会・自治会等において、名簿掲載に同意いただけない方についても、安否確認や避難支援がスムーズに実施できるよう、具体的な支援手順を示した「災害時要援護者等避難支援マニュアル」の作成を進めております。いつ発生するかわからない災害に備え、名簿登載のご理解をいただけるよう、様々な機会を捉えて働きかけを行うとともに、同意・不同意に関わらず、要援護者を支援できる取組みを進めてまいります。
次に、個別避難計画の作成意向調査兼作成支援意向調査の回答・作成状況及び単身者で作成が困難な方への支援状況についてです。
本年7月に実施した調査では、対象者4,810人のうち、2,760人から回答があり、このうち、個別避難計画の作成に同意された方は1,108人でした。さらにそのうち、自ら作成された方は745人、今後作成する予定の方が90人、作成支援を希望する方が273人です。なお、作成支援の対象者は単身の方だけでなく、老々介護などの状況から作成支援を希望するご家庭も含んでおります。
作成支援の状況ですが、現在、災害時における地域の危険度や支援希望者の心身の状況、単身世帯など生活実態を考慮し、希望者の優先順位を定め、年明けに作成にご協力いただける福祉・介護事業者との契約を行い、2月から具体的な作成支援を開始いたします。
次に、独自に避難支援活動を手掛ける町会との連携した取組みについてです。
昨年度実施した高田地区のモデル事業では、防災講習会等に参加された町会や地域住民の方々と、自助や共助のあり方などについて率直な意見交換ができました。
こうした取組みを踏まえ、来年2月から順次、区内全域で町会の方々向けに防災研修を実施すべく準備を進めています。その中で、災害時要援護者名簿の活用方法についても、他自治体での具体的な事例や、地域団体や町会等の先進的な活動紹介を交えてご説明いたします。
また、既に避難支援活動を行っている町会の皆様には、個別避難計画が未作成となっている避難行動要支援者の方に対する家庭訪問や声掛け活動にご協力いただくなど、本区の災害時要援護者対策の充実に向けて、今後も連携を図らせていただきたいと考えております。
次に、地域コミュニティと関わりをもたない、マンションに一人でお住まいの身体が不自由な方への支援についてです。
地域コミュニティとの関わりを持たず、マンション居住者との関係も希薄な要援護者の支援にあたっては、日頃から行政や福祉・介護サービス事業者等が、ご本人といかに積極的に関われるかが重要となります。
特に、オートロックのマンションにおいては、オートロックの開錠等のしくみを把握しておくことで、要援護者の支援をより円滑に行うことができるため、管理組合等の協力も得ながら、個別避難計画を作成する中で、災害時等の対応方法について確認し、明記しておくことが必要と考えております。
次に、災害時要援護者対策への見解と取組方針についてです。
本区は昨年度、大正大学との間で「災害時要配慮者対策の推進に係る共同研究に関する覚書」を締結し、それに基づく取組みの一つとして、水害のリスクが高い高田地域において、防災講習会や防災ワークショップを行いました。実施後のアンケートを通じ、「わが家の避難計画」の作成に参加された方の当事者意識の向上が把握でき、このような日常における取組みを通じて、自助・共助に対する意識の醸成を図っていくことが必要であると再認識しました。
災害が頻発化・激甚化している今日、区全体の防災リテラシーの向上を図ってくことが極めて重要であります。今後、他の地域においても、同様のワークショップ等を実施し、区民の皆様に本区、そして各家庭での取組みについてご説明を重ねることで、自分事として捉えていただき、併せて、避難行動要支援者の個別避難計画作成の拡大を図ってまいります。
私からの答弁は以上でございます。
- 上野副区長答弁
私からは、住宅確保要配慮者支援について、まず、居住支援法人のための体制整備についてお答えいたします。
現状、一括借り上げによる受け皿住宅を十分提供する体制整備に向け、東京都の居住支援法人一覧や登録居住支援法人からの情報など、他地域で一括借り上げをしている居住支援法人の情報収集に努めております。
また、多くの居住支援法人が活動できる体制整備に向け、居住支援協議会の登録団体の募集を行い、今年度新たに2団体が登録されております。
本年、セーフティネット法改正により新たに居住サポート住宅が創設されました。居住サポート住宅とは、居住支援法人等が大家と連携し、日常の安否確認・見守りを行うとともに、生活・心身の状況が不安定化したときに福祉サービスへのつなぎを行う住宅です。複数の居住支援法人が連携協調し物件を一括借り上げて、多くの要配慮者へ支援を行うのに最適な住宅であると考えています。
居住サポート住宅については、令和7年10月施行予定ですが、関連省令等が制定されておらず、国から詳細が示されていないため、詳細が示され次第、一括借り上げを含め、より多くの支援法人が活動できる体制整備に努めてまいります。
次に、住宅確保要配慮者の相談窓口と複数の居住支援法人の連携の調整機関についてです。
住宅確保要配慮者に特化した相談窓口については、令和7年度改正施行される生活困窮者自立支援法では、各自治体の必須事業である自立相談支援事業において、住まいの相談を包括的に受け止めて支援を行う必要があるとされ、入居前だけでなく、入居時、入居中、退去時まで一貫してサポートする体制をつくることが求められています。
これを受け区としては、令和7年度を目途に、居住支援協議会と連携しながら、生涯安心して豊島区に住み続けられるよう、高齢者等の住宅確保要配慮者の方の総合的な住まいの相談支援体制構築に向けた検討を行っております。
また、居住支援協議会では、登録済みの居住支援法人の交流を促進するなど、連携に向けた活動に取り組んでおりますが、連携を調整するまでには至っておりません。要支援者の増加や法改正により居住支援法人の必要性が増す中、複数の居住支援法人での連携を調整する必要がありますが、そのための新たな機関の創設は要さないと考えております。引き続き、居住支援協議会とともに連携調整のあり方などを検討してまいります。
私からの答弁は以上でございます。
- 総務部長答弁
私からは、巣鴨警察署庁舎の新たな適地確保における、区の支援・情報提供についてお答えいたします。
毎年、巣鴨防犯協会から警察署の移転先候補地についてお問い合わせをいただいておりますが、候補地となりうる未利用区有地がございませんので、その旨を回答いたしております。
次に、都や関係者とともに積極的に取組む必要性についてです。
国有地や民有地など未利用区有地以外の土地につきましても、その情報を得た場合は、適宜情報提供させていただきます。
私からの答弁は以上でございます。
- 危機管理監答弁
私からは、防災対策における防災訓練の参加頻度が低い方、初参加の方に関する認識についてお答えいたします。
救援センターの開設運営訓練を実施する中で、訓練に初めて参加する方が相当数いることは承知しております。初めて参加される方は、最初は資機材の収納場所は当然わからないと思われますし、また、訓練に参加したことがある方であっても、格納場所がどこであったか、記憶が薄れていくことは十分考えられます。
したがいまして、資機材の格納場所については以前から、訓練を行う都度毎回、「この資機材は普段はどこに格納してあります。」ということを説明しております。よって、前回申し上げたとおり、訓練終了後のアンケートでは、「資機材の格納場所がわからない」というご意見はいただいていないというのが現状です。
今後も訓練に初めて参加される方や、普段学校に立ち入ることの無い方のために、訓練を行う時にはこれまでどおり、必ず資機材の格納場所を説明いたします。
また、地域防災力向上のため、これまで防災にあまり関心をお持ちでない方にも防災に興味をもっていただき、今まで防災訓練などに参加したことのない方、特に子どもや若い方を含むより多くの方に救援センター開設運営訓練に参加していだける取り組みにも力を入れてまいります。
そして当然ながら、初めて訓練に参加される方には、救援センターにおける資機材の格納場所などを丁寧に説明してまいります。
次に、臨機応変に対応できる訓練についてです。
現在実施している、救援センター運営訓練は、アクションカード形式の救援センター開設運営キットに従って、訓練参加者の方がご自身で開設準備を順次進めていく訓練など、前年度までよりも、より実践的に臨機応変に対応できるための訓練を行っております。
その際、初めて訓練に参加される方もおられることや、以前訓練に参加された方にも、前回までの訓練を思い出していただくため、まず、基本的事項を説明した後に応用的な訓練を行っております。これらは厳格に基本と応用とを切り分けているのではなく、初めて参加される方にはまず基本的事項をご理解いただき、また、訓練に参加したことがある方にも、基本的事項を復習してよりご理解いただきながら応用訓練につなげていくために行っているものです。
発災時に救援センターに集まる方には様々な方がおられますので、そうした方々と救援センター配備職員が、より円滑に救援センターを開設するため、臨機応変に対応できる訓練は必要であると考えております。よって今後は、現在行っている訓練をより発展させ、住民の方と配備職員が共に考えながら救援センターの開設運営が行えるような、厳格に基本と応用を切り分けることなく、臨機応変に対応できる訓練を計画してまいります。
次に、町内移動訓練の検討状況、町内移動訓練が地域防災意識の向上につながることへの見解と今後の方針及び新たな地域防災計画における位置づけについてです。
町内移動訓練は、ご自身がお住まいの地域の方々と街歩きを行うことで相互の交流も生まれ、また、危険個所等についての共通認識ができるとともに、災害時の共助が促進され地域の防災意識の向上にもつながるという効果があると認識をしております。
しかし、新型コロナウイルス感染症拡大により地域防災訓練や会合等を行えない時期があったことなどから、各町会のご意見の確認などが十分にできておらず、未だ区内全域で実施するには至っておりません。
こうした中、今年度の「豊島区民による事業提案制度」において「歩いて作る防災マップ」事業が事業化検討対象事業にも選定されたことから、防災危機管理課では現在、ご自宅付近をご自身の目で確認しながら防災マップを作成することを推奨する取組みを検討しております。
具体的には、防災フェスなどのイベントで防災マップの作り方を説明するコーナーを設けたり、防災マップを作成する際の観察の着眼点等に関する動画の作成などを検討しております。
こうした、ご自身による防災マップ作成のノウハウを普及啓発することにより、町会などにおいても地域を見て廻り、消火器や消火栓、危険個所などを確認する移動訓練の実施につなげていけるように努めてまいります。
なお、町内移動訓練の新たな地域防災計画における位置づけについては、これまでの地域防災計画に記載していた「街区を活用した発災対応型訓練」は、地域の危険個所や消火器・消火栓などの位置の把握は地域の防災意識の向上の上で必要であることから、新たな地域防災計画においても、地域防災組織が行う必要な訓練の一つと位置付けております。
そこで、新たな地域防災計画では、「地域による共助の推進」の項目の中の地域防災組織が行う対策内容として、「初期消火、救出援助、応急救護、避難など各種訓練の実施」、「地域内の危険個所の点検・把握及び地域住民への周知」として記載しております。
新たな地域防災計画は、東京都の地域防災計画に合わせた構成にしたため、記載場所と表現方法は変わっておりますが、今後も必要な訓練として位置づけ取り組んでまいります。
私からの答弁は以上でございます。
- 福祉部長答弁
私からは、住宅確保要配慮者支援における、高齢者総合相談センターによる継続的、的確な見守り支援についてお答えいたします。
高齢者の見守りについては、熱中症予防訪問と合わせ、今年度、高齢者実態調査を実施しました。今後、結果を踏まえ、健康や孤立等リスクの高い高齢者について高齢者総合相談センター等による定期的な見守り支援につないでいく予定です。
その他、地域の方からのご相談に対し、センターが窓口となって、必要な支援につないでおり、継続的で的確な見守り支援体制をとっております。しかしながらそのなかでは、居宅内で体調を崩されている方を発見することもあり、残念ながら亡くなられるケースもあります。そうしたことをできる限り防ぐため、地域での見守りネットワークの構築、区内8か所の高齢者総合相談センター見守り支援担当職員の連絡会での情報交換等を通じて、さらに効果的な見守り体制の構築を進めてまいります。
次に、家主が不安を感じている、または見守りを希望した居住者に限って安否確認を行うことについてです。
高齢者総合相談センターでは、高齢者の希望や困り事に沿い、見守りや支援の体制を構築しています。また、居住支援法人の中には、家主、不動産事業者等からの相談に応じて、見守り支援を行っている法人もあります。
高齢者が賃貸住宅において安心して住み続けるために、高齢者、家主ともに不安を解消できるよう、昨年度から、居住支援協議会等を通じ、居住支援法人や不動産事業者等と高齢者福祉部門において、情報共有や意見交換の機会を設けています。家主が見守りを希望した居住者に限って安否確認を行う体制を新たに組むのではなく、今後、高齢者総合相談センター、居住支援法人がそれぞれの役割に応じて家主の方の不安に対応ができるよう、連携を進めてまいります。あわせて、ライトやセンサー等の機器やICTを活用した見守り・安否確認の方法についての調査・研究を行い、家主の方の不安解消を図ってまいります。
次に、保証人がいない高齢者の支援に関する検討状況についてです。
保証人がいない高齢者等の支援については、国が本年6月に「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を策定し、今年度より、適切な契約や履行確認を行うための国のモデル事業が始まりました。
また、豊島区民社会福祉協議会では、7月より身寄りのない低所得者を対象とした「備えてあんしん支援事業はれやか」を開始しました。この事業では、契約に基づき、賃貸住宅の緊急連絡先や入退院時の支援、死亡時の葬儀、納骨、家財処分等を手配します。現在、こうした国のモデル事業の実施状況や社会福祉協議会での相談の状況等を精査しており、それらを踏まえ、今後の支援について引き続き検討してまいります。
次に、住宅確保給付金を家賃の低廉な住宅への転居費用に活用できる制度についてです。
現在、離職等により住居を失う恐れのある方等への家賃補助を行っている住居確保給付金が、令和7年度改正施行される生活困窮者自立支援法により、家賃だけでなく転居費用についても補助が可能となります。なお、転居費用の補助は、再就職を目指す住居確保給付金対象者だけでなく、高齢者等の生活に困窮されている方が、家計改善のために家賃の低廉な住宅へ移る際にも支給できるとしております。
これを受け、区といたしましても、相談者の増加を想定するとともに、一人一人のご事情に沿って効果的な給付金の活用が図れるよう、くらし・しごと相談支援センター等の相談体制を強化する予定です。
次に、一時生活支援事業についてです。
今回の法改正により、一時生活支援事業のうちシェルター事業において、現行では、住居を持たない収入・資産が一定以下の生活困窮者を対象としていたところに加え、緊急一時的な支援が必要な生活困窮者を原則365日受け入れ対応する場合、国からの補助金に、緊急一時支援加算が付与される制度が創設されました。
現在、一時生活支援事業としては、東京都と特別区共同で、板橋寮など自立支援センターの運営を行っており、新しい加算事業につきましては、東京都や特別区へ働きかけ、受け入れ体制の確保等について検討してまいります。
次に、高齢者の活躍を推進する取組みにおける、定年退職後の地域の社会貢献的活動に関する情報提供についてです。
定年を迎えた方々が引き続き地域で活躍していただくために、昨年度、65歳を迎えた方、約2,400名に対し、「地域で活躍ガイド」というリーフレットを送付するとともに、「セカンドライフ応援講座・相談会」を開催し、57人が参加しました。このイベントは、地域で活躍している方の体験談を聞く講座の他、定年後に地域での活動できるシルバー人材センターや社会福祉協議会のボランティアセンター、としまNPO推進協議会、高齢者クラブ等のブースを設け、参加者が個別相談できる内容となっており、今年度は11月28日にとしまセンタースクエアで実施予定です。
定年後、社会貢献的な活動を希望する方々へは、これらイベントや各種支援サイトなどで情報を得られていると推察しますが、来年度より東京都がシニア・プレシニア向けの地域団体と参加者をマッチングする新たなプラットフォームを運用予定であり、こうした最新の動向も注視しながら、広報としま、ホームページ、公式SNS等の様々な媒体、各種講座やイベントを通じて幅広く情報提供を行ってまいります。
次に、シルバー人材センター会員数が増加しない理由及び会員や区内求職者の実態とニーズの把握についてです。
会員数が増加しない主な理由として、企業など従来の職場で働き続ける定年延長の高齢者が増加していることが要因の一つであると考えております。こうした中、昨年度の豊島区シルバー人材センターの入会率は、23区平均1.8%を超える2.2%で、23区中5番目となっており、継続的な会員の維持・確保の取組みを積極的に展開しております。具体的には、今年度より退会者抑制として、就業はせずボランティアなど社会貢献活動への参加を希望する会員に対して、年会費を半額にしたほか、女性会員を増やす対策として、女性による女性のためのミモザ委員会を設立し、女性目線での就業拡大を図っており、令和6年11月時点で、前年度末から女性会員が40人増えている状況にあります。
会員や区内求職者の実態とニーズ把握についてですが、ハローワークでの勤務経験のある就業推進員が定期的にハローワークと連携し、区内求人や求職者のニーズを確認し、企業等に訪問するほか、シルバー人材センターの紹介もしていただいています。
また、センター入会時に行う就業内容の希望調査や、入会後の就業相談を通じて、会員のニーズを把握しており、これまでの知識や経験を活かすなど、本人の希望に沿った職場への就業支援を行っております。
次に、職種や報酬の拡充等ニーズにあった改善及び今後のシルバー人材センターの活用・運営方針についてです。
職種の拡大にあたっては、就業推進員が保育所、スーパーマーケット、寺院等に直接訪問し交渉することで、会員のニーズを踏まえた就業拡大につなげております。
また、会員の賃金にあたる報酬については、民間企業に対し、最低賃金以上を基本に、業務内容により個別交渉を重ね、賃金単価の増額に向けて取り組んでおります。
シルバー人材センターは、高年齢者が働くことを通じて健康と生きがいを得る活動の場であり、地域社会の活性化に貢献する組織であります。高齢社会を迎えている本区において、高年齢者の方々が地域社会の担い手として活躍していただくために、シルバー人材センターの役割は、ますます重要なものになっていくと考えております。センターの取組み方針である、会員、就業先の拡大、安全・適性就業の推進等を区としても支援し、地域社会の福祉の向上に共に取り組んでまいります。
次に、区の各種取組みによる高齢者の就労実績及び就労支援の今後の方針についてです。
高齢者の就労支援は、ハローワーク、東京都しごと財団等と連携し進めております。
平成21年に開設したとしま企業サイトは、区内企業の求人情報も掲載しておりました。しかしながら、開設当初と比べSNSが普及し、地域の企業一覧からマッチング企業を探す需要が小さくなってきていることが課題となっていました。そこで、ビジサポホームページのリニューアルを契機に、ホームページ内に新たに商品やイベントPRも可能なビジサポパブリシティというサイトを設け、企業紹介や求人情報はその中に移行して運用しています。
高齢者の就労実績のうち、高年齢者に特化した就職面接会は、直近では平成30年度にハローワークと連携して2回開催し、合計86名の求職者が参加し、24名が就職しました。また、くらし・しごと相談支援センターにおける60代以上の就労支援実績は令和3年度が52名、令和4年度50名、令和5年度36名となっています。
区といたしましては、高齢者が就労をはじめ、何らかの役割を持った形で社会参加をすることは、経済的な側面だけでなく、豊かな老後を送る上での生きがいづくりや健康維持など、生活の質の向上に寄与するものであり、重要な課題であると認識しております。
今後も、区民の皆様の就労に関するニーズを把握するとともに、シルバー人材センターやハローワーク、東京都しごと財団等の関係機関、民間企業、団体等とも連携し、高齢者の就労支援を進めてまいります。
次に、退職者の潜在的要望に応える支援及び定年後を見越した現役世代へのアプローチについてです。
退職後の方々が自分のスキルや経験を再評価し、どの職種や分野で自分が活躍できるかを把握するカウンセリングやキャリア相談は重要です。ハローワークでは退職者が自分の強みを再認識できる無料のキャリアコンサルティングを実施しております。また、公的なものや有料なものも含め各種団体がリスキリング研修や資格取得の講座を実施しております。区においては、これらの情報提供を行い、退職者が社会で再び活躍できる機会を創出したいと考えております。
また、定年後の生活に向けて、40代・50代のうちに必要なスキルを身につけ、地域との繋がりを早期に形成することは、将来の不安を軽減し、退職後の充実した生活を送るために非常に重要です。現役世代が早期にこれらを意識し、準備を始めることは、将来の地域社会全体の活力にも繋がります。
そのため、区としては、現役世代から地域活動につながるよう、生涯学習や地域のボランティア活動、NPO法人等の地域団体の周知、町会活動への参加勧奨などを進めてまいります。
次に、退職者や現役世代に対する取組みが人手不足の企業へ与える効果についてです。
国は今年9月に改訂した高齢社会対策大綱において、少子高齢化が進む中、高齢者雇用安定法の改正による定年延長をはじめ、年齢に関わりなく、希望に応じて働くことができる環境整備を促進することとしています。
一方で高齢期は個々の健康、意欲、体力等の個人差があり、雇用、就業形態等についてニーズが多様化します。退職後のリスキリング研修や資格取得を行うこと、また現役世代から準備を行うことで高齢者と企業とのマッチングの幅が広がり、働きたい高齢者と人材を補いたい企業両者にとってメリットが大きいものと考えます。
次に、高齢者の活躍・就労を支援する総合的な機関の創設及び高齢者の活躍推進に関する方針についてです。
高齢者が社会において活躍する場面は、就労、町会等の地域活動、ボランティア等の社会貢献活動、趣味や健康づくり等の活動等、多種多様であります。
高齢者がそれぞれの希望や状況に応じて活動することは高齢者の生きがいや健康寿命の延伸につながるだけでなく、地域社会にとっても担い手の確保など活動の活性化を図る上で大変重要です。総合的支援機関の創設については現時点で考えておりませんが、今後は、区民ニーズを踏まえながら、国、都との十分な施策連携を図り、地域の企業・団体、関係機関等とともに地域の特性を活かしたきめ細やかな支援をしてまいります。私からの答弁は以上でございます。
- 都市整備部長答弁
私からは、住宅確保要配慮者支援における、居住サポート住宅の整備に要する期間及び今後の方針についてお答えいたします。
居住サポート住宅については、関連省令等が制定されておらず、国から詳細が示されていないため、現段階で供給に要する期間をお示しすることはできません。
今後の方針につきましては、国から詳細が示され次第、居住支援協議会や居住支援法人、区の住宅部局、福祉部局等で制度の共通理解を図り、連携して供給を進めてまいります。
次に、緊急連絡先確保策を含めた専用の保証会社等の利用についてです。
国は、「令和7年創設予定の認定家賃債務保証業者制度に基づき認定を受けた家賃債務保証業者は、すべての民間賃貸住宅について緊急連絡先を個人に限定しないことが求められる。また、認定家賃債務保証業者が、居住サポート住宅以外の民間賃貸住宅の入居者に家賃債務保証を提供することは問題ない。」という見解を示しており、この制度に基づき、一般の不動産店においても認定家賃債務保証業者を利用できるものと考えております。
次に、終身建物賃貸借認可手続き簡素化、残置物処理の居住支援法人業務への追加に関する周知の実施状況と周知度及び家主の負担軽減の実現と時期の見通しについてです。
セーフティネット法改正については、令和6年9月に国から概要について説明があり、これを踏まえ、区は不動産団体研修会や居住支援協議会での概要周知を行っております。
国は、詳細な説明会は令和7年4月以降、詳細版パンフレット公開が7月頃を予定しており、それらを踏まえ、区は、令和7年10月施行に向け周知を徹底してまいります。
この法改正による終身建物賃貸借認可手続き簡素化及び残置物処理の活用、家主の負担軽減については、国からの詳細な制度説明の後に検証してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございます。
- 土木担当部長答弁
私からは、防災対策における、隣接区域と合わせた雨水浸透施設拡充についてお答えいたします。
豊島区は、石神井川流域と神田川流域に位置しており、それぞれの流域毎に目標値を掲げ、隣接区と連携して流出抑制に取り組んでいます。豊島区は、民有地の浸透桝設置に対する助成制度は実施していませんが、道路や学校用地での透水性舗装、浸透桝の整備などにより流出抑制を図っています。
民有地での浸透桝の設置に関する助成制度については、現在、他区の取組み状況等の情報収集を行っています。
北区、板橋区、練馬区に確認したところ、直近の3年間では、練馬区が9件、他の2区は実績がないとのことでした。また、文京区や新宿区では本制度は実施していないとのことです。
雨水浸透施設の助成制度に関しては、流域抑制の対策メニューの追加になるとは考えておりますが、その導入については、周辺区の状況も踏まえ、引き続き取扱いを検討してまいります。
次に、公共雨水浸透桝事業の推進状況についてですが、現在のところ、普及啓発に関して他区の事例等の情報を収集しているところです。
今後、それらを参考にしながら、区民の皆様への普及啓発に努めてまいります。
次に、雨水の流出抑制に関する要綱の策定状況についてです。
これまでのところ、年間の実績件数が少数であり、東京都の指導に委ねることで、ニーズに一定程度対応できていることから、区、独自の要綱策定には至っていません。
しかしながら、流出抑制効果をより発揮させるには、区が自ら民間に指導することが重要であるため、区の指導要綱を出来る限り早期に策定してまいります。
次に、浸水・冠水被害に対する下水道局への要望及び対策等についてです。
巣鴨駅周辺については、昨年6月の浸水被害を契機として、区は、既に下水道局に、対策に向け要望しています。
下水道局では、要望を受けて、令和7年5月頃までに調査検討をした上で、その後、対策を進めることにしています。それまでの短期的な対策として、区では雨ますの増設、下水道局では下水道管の点検や洗浄作業を実施いたしました。
また、近年のゲリラ豪雨により浸水被害が発生している地区については、区が下水道局に対策を要請しております。既に調査や工事に着手している地区がありますが、個別の状況も勘案しながら、必要に応じて、さらに下水道局に対策を要請してまいります。
今後も、下水道局と連携を図りながら、安全安心なまちづくりに取り組んでまいります。
以上をもちまして、島村高彦議員のご質問に対する答弁を終わります。