令和 3年決算委員会10月11日 区民福祉衛生費自由質疑

成年後見人制度

○島村高彦委員  先に御指名ありがとうございます。

それでは、私どもは、成年後見、お尋ねします。

介護保険と同時にスタートしながら、介護保険と同様に高齢社会には必要不可欠にもかかわらず、裁判所の審判が必要だとかいって、なかなか利用が進まないということで、平成10年来から幾度となくお尋ねをしてまいりました。そういった中で1点、非常に記憶に残ったのが、東京都が平成25年に社会貢献型後見人の養成事業をやめてしまったんですね。それで、補助金と一緒に区市町村に移行しました。翌年、半数以上の区で養成事業が始まったんですけど、本区におきましては、翌年どころか、翌々年の平成27年度になってもこの養成事業が始まりませんでした。単身高齢者率ナンバー1でいながら、なおかつ、高齢者にやさしいまちと言いながら、この事業がスタートしなかったと。後になってですけども、そういった高齢者にやさしいまちであるならば、こういった停滞する期間があってはならないのではないかということも強く申し上げました。

そういった中で、全国的にこれは利用が進まなかったということで、国のほうで、平成28年、後見制度の利用の促進に関する法律が成立をいたしまして、翌29年3月、成年後見制度利用促進基本計画、これが基本、閣議決定したわけでございます。ということから、同年10月の決算特別委員会で、国がこの利用促進計画を定めて、権利擁護支援の地域連携ネットワークづくりや、あるいはメリットが実感できる制度への運用、こうしたものを求めてるけど、本区としては一体どうするんですかという質問をさせていただきました。特段のこれといった反応はなかったわけでございますが、大分たってから、令和に入ってから、別の議員から条例化の提案がありまして、すぐさま条例化をいたしますというお答えがございました。

先ほどのひきこもり支援もそうですが、事実に基づいた指摘をしておるんですが、なかなか認められず、激しく拒否をされながら、結局のところ、こっちの言っているとおりにやるという、何とも言えない期間がずっと続いてるわけでございます。そういった中で、翌年、決算としては令和2年、保健福祉審議会に諮問をされまして、現在この基本計画の案もできたわけでございます。

そうした中で最初にお尋ねをしたいのは、社会貢献型後見人の育成と、また、受任の状況、そしてその課題について簡単にお話し願います。

○渡邉福祉総務課長  社会型後見人でございますが、区民後見人と簡単に言わせていただきますけども、現在、受任の件数としましては7件受任をしているというところでございます。この、それと、課題というところでは、28年度からたしかスタートしておりますけども、3年置きに実証するということで実証してますけども、なかなかこの受ける方、進んでいかないのはどういうケースに当てはめていくのかというところの少し縛りをきつくしたところもございまして、なかなか、この受任のところが進んでいないのかなという認識を持ってございます。

【専門職の後見人の報酬】

○島村高彦委員  はい、分かりました。今後、課題を抱えたまま、いろいろと取り組んでいかなくてはいけない大きな問題だと思います。

同時に、専門職の後見人の方々、この方々も、まだまだ十分に御協力いただけるような状況になっていないんじゃないかというふうに思うんですね。令和2年の本人との関係別件数を見ますと、弁護士が30、司法書士が65、行政書士は1というような状況で、ほかの専門職の方がないような状況もあります。そういった中で、この専門職の方々が受任してくださりやすい環境をつくり上げるというのも大切なんじゃないかと。今回予算要望で、司法書士会の方々から報酬の件につきまして、御要望いただきました。報酬の全体のことについては基本計画の中でもしっかりと見直すというか、検討していくようなことが書いてありますので、主な先生方の主張といたしまして、生活保護を受けてない方々、こういったボーダー層を対象にした助成要件の緩和、こういった方々を支援、利用できるような制度をお願いしたいと。特に施設入所か、在宅支援であるかによって助成金額を一律としているけども、そういった環境で分けるのでなく、業務の内容における報酬額の設定や報酬額の一部助成の柔軟な運用を希望しますということを要望しておりますが、今後、この要望に対しては何か御検討していただけるようなことはあるんでしょうか。

○猪飼高齢者福祉課長  報酬助成の件なんですけれども、家庭裁判所のほうで後見人の方の年額が出まして、それに対して、どこまで公費で負担するかというところでございます。在宅と施設によっては家庭裁判所で決まってくる金額も異なるということから、現在、在宅が2万8,000円、施設が1万8,000円というような状況になっておりまして、他区もこういったところが多いという状況でございます。今後は、条例を制定して、また、計画を推進していく中で、そういった専門家の方々の声も聞きながら、ここについては検討していきたいというふうに考えてございます。

○島村高彦委員  ますます、そういった専門家の方々のお力が必要になってくるだろうというのは明白な状況になっておりますんで、ぜひともよろしくお願いをいたします。

【家族信託・中核機関のついて】

○島村高彦委員それと、あわせて、この成年後見制度の補助するような制度といたしまして、この基本計画の案の中には載ってないんですが、家族信託という制度があるかと思います。これは、裁判所の審査は不要でございます。しっかりした家族のいる方に関しては、成年後見制度よりも、むしろ、この制度のほうが利用がしやすいんではないかと思うんですが、そういった検討がなされた様子はないんですけど、いかがでしょうかね。

○渡邉福祉総務課長  今、委員御指摘のところにつきましては、議論を深めたことはございません。

○島村高彦委員  だから、いかがでしょうか。

○渡邉福祉総務課長  失礼いたしました。今回の計画の中では、こちらの議論は行ってはきませんでしたけども、今、委員御指摘の件も踏まえまして、今後、この計画をスタートさせた関係の中で、また、サポートとしまは今回この中核機関になっていくということもございますので、その中でも議論を深めていきたいと考えてございます。

○島村高彦委員  裁判所の許可は不要ということで、非常に利用しやすい制度だろうと。ただ、ほとんど全く人々に知られてないということでございますので、ぜひこういった制度が存在するということも併せて検討を続けていただきたいと思います。

そして、今、課長からございました中核機関、これを社会福祉協議会に委託するということなんですが、これについても司法書士会のほうからありまして、かなり新たな業務が社会福祉協議会に期待されていると、予算及びマンパワーについては、やはり基本計画の中で言及はされていないと、そういった中で本計画を実効性のあるものとするには十分なマンパワーと予算の配分が必要となるというふうな意見がございます。

実は私もそう思っておりまして、先ほど来のほかの委員の審議でも、もう社会福祉協議会に委託と、それからサポートとしまに委託、さらにはCSWに委託ということで、社会福祉協議会に対する負担がはたから見ると異様に増えているように見えるんですね、天貝局長のお姿を見る限りは非常に安心はするんですが。実際、社会福祉協議会でこれだけの業務を受けて、本当にこなしていけるのか。無尽蔵に人がいるわけでもないし、無尽蔵にお金があるわけでもないと。そういった中で、今後、社会福祉協議会の体制について改めて考えないと、どんどんどんどんやることが増えてきてるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○渡邉福祉総務課長  今回、中核機関として社会福祉協議会に委託を、中核機関として委託をしてまいりますけども、計画を策定する中で、委員の皆様方からも社会福祉協議会への委託というのは強い御希望がございました。これは、サポートとしまがこれまで培ってきた実績、経験を最大限に使うということもございます。その中で、マンパワーですとか、人的な件につきましては、今現在、社会福祉協議会と一緒に調整をしているというところでございますので、全ていろんなことは社会福祉協議会のほうでお願いしているということもございますが、そういうところも含めまして、今後検討を深めてまいりたいと思います。

○天貝豊島区民社会福祉協議会事務局長  社会福祉協議会も様々な事業を受託という形で近年受けております。御指摘のとおり、やはり限られた人材でございますので、今までやってきた事業をスクラップするという部分も、改めて、今回いい機会でございますので、終活サポート事業の中で、リボンサービスもいろいろ問題のある事業というふうに考えてございますので、いろんな事業をこの際、全部スクラップしまして、新たな社会福祉協議会としての、中核機関としてもサポートとしま、成年後見制度に結びつけるような形の中で受ける以上は社会福祉協議会しかいないんじゃないかと、ないんじゃないかというふうに私も考えております。終活もしかりでございますので、できることはやります。ただ、今までやってきた部分はかなり精査をして、無駄とは言えない部分もありますけども、そういった部分は精査して、できるだけ限られた人材の中でやっていきたいなというふうに考えてございます。