nakaji120222
中島義春一般質問

平成25年 第1回定例会 一般質問

「豊島区を、もっと住みやすいまちに」

平成25年2月19日

中島 義春

私は公明党区議団を代表いたしまして、「豊島区を、もっと住みやすいまちに」と題して、一、25年度予算について
二、健康施策について
三、障害者総合支援策について
四、木密不燃化対策について
五、道路の維持管理について質問をさせていただきます。

質問の前に、全国発となる「虐待と暴力のないまちづくり宣言」について、私ども公明党が提案したことから、ひとこと触れさせていただきます。

「虐待と暴力のないまちづくり宣言」は、セーフコミュニティのまちを目指す豊島区の最重要課題への挑戦の発信であります。

豊島区がこの宣言をしようとしている時に、いじめに続いて今度は「学校教育法」で、体罰は禁止されているにも関わらず、教師による体罰で自殺するという、悲しい出来事も起こりました。

平成23年度における本区の虐待・暴力で掌握されている実態は、児童虐待の相談・通報件数が、443件で、内訳は、未就学児159件、小学生183件、その他101件となっており、全ての公立小学校から、虐待の通報・相談が寄せられています。また、女性のDVによるものは、239件、高齢者の虐待は、1349件、障がい者の虐待は18件となっており、これらは表面化して分かっている範囲の実態です。

これら虐待も暴力も、人の痛みを考えない大人側に原因があり、受けた人の心身の傷は生涯にわたり癒えるものではなく、その後の人生に多大な影響を及ぼしていくことから、何としても防がなければなりません。

セーフコミュニティは、「事故やけがは偶然の結果ではなく、原因を分析することで予防することが出来る」という理念が基本となっており、これら多くの事案の解決に向けて、安全・安心を高めていくためには、あらゆる区民の方々の意識改革しかありません。

今回の宣言を機に、家庭という小さな単位から人権が尊重され、豊島区発でより広範な方々に虐待や暴力は許されない行為であることが周知されますよう、今後もさまざまな取り組みを期待いたします。

初めに、平成25年度予算について質問いたします。

予算の編成方針にも示されているとおり、景気の動向は欧州の債務問題やアメリカの財政緊縮など、復興需要があるものの、いまだ回復すると言い切れないものがあります。そして、社会保障と税の一体改革など先行き推測しきれない要素を抱えながら、25年度予算を組まれたことに、ご苦労があったことと敬意を表します。今後も景気回復は大きく望める状況でないため、歳入の根幹である特別区民税や特別区財政調整交付金が増加することも望めません。

そのような中にあっても平成27年度にむけて新庁舎をはじめとする豊島区の未来を担う基盤となる重要施設の建設が目白押しであり、平成25年度以降の3か年の投資的経費の増加は避けることができません。

私たちも、今までの予算、決算の審議を通して、投資的経費の増加をどのようにして克服するのか、あるいは計画をどうするか質問して参りました。

今回の予算資料では3年間の収支計画が記載されており、初めての試みですが、ある意味では、危機感の現れと、とれるものではないかと思います。私は平成11年に議員に初当選した時、本区の財政状況の厳しさに驚きました。高野区長は区政を預かるトップとして私以上に、より区財政の厳しさを実感されたことと思います。12年以降実施された財政健全化計画がそれを物語っています。二度と繰り返さない。次の世代に付けは回さないというお考えで、今回このように示されたものと考え、大いに評価しているところであります。

そこでお聞きいたします。聖域なき事業の総点検をとおして9億4千万の財源が捻出できたとしていますが、主な成果を具体的に示してください。

その中で、契約内容の積算見積もりをより精緻に見積もったとの説明も受けていますが、工事に関しては、東京都の基準を使用していると思います。それ以外の様々な物品の場合は随意契約が多いのかとも考えますが、相手方が既得権益化して変わらないというのではなく、相見積りを徹底し、競争原理を働かせていただきたいと考えますがいかがでしょうか。また一方では、地元事業者の優先度等もあわせて考えるという基準作りをしなければなりません。

このように、今後、随意契約の取り扱い基準などについて、見直す必要があると考えますがいかがでしょうか。ご見解を伺います。

今後については、平成26年、27年はそれぞれ各年度で7億円の圧縮を図り、新規拡充事業を図るとしています。継続的な事業の総点検を初めとして、行政評価に基づく施策の新陳代謝をすると考えておられます。

行政評価におきましては、昨年初めて行なわれた公開事業評価をふまえて、政策評価委員会から意見が提出されましたが、今回の予算にはどのように反映されたのでしょうか。また、今後、その評価を反映しやすい仕組みづくりも必要ではないかと考えますがお考えをお聞きします。

絞りに絞った雑巾からは水は出てきません。職員の一人ひとりが、事務改善や改革のマインドをもっていなければ、やがて改善・見直しの種も尽きてしまうことだと思います。

今回の成果には「無駄なし検討委員会」での意見なども反映しているものと思いますが、今後は、全職員が一丸となっての取り組みがより一層必要と考えます。そのため、職員の意識改革とあわせ、今まで提案された改革案などを再検討し、改革を進めていかなければと考えますがいかがでしょうか。ご意見をお聞かせください。

今後の投資的経費は極力一般財源を抑え、基金の活用と起債を活用するとしています。起債を136億円、基金繰り入れは224億円です。起債は将来の返済として公債費に反映しますし、基金には、既に底を突いている庁舎建設基金141億円が含まれております。現在までは順調に起債残高が減少してきていますが、将来負担が気がかりになります。

そこで、今後の起債残高の想定や将来の公債費負担の想定をお示しください。 そもそも、長期にわたり区民にサービスを提供するための施設の建設ですから、建設する年次にだけ、大きな一般財源を投入することはいかがなものかとは思います。そのため、起債をして後の年度へ負担を求めるのか、基金の活用により、つまり、それまでの年度に負担を求めるのか、どちらかで負担の平準化を図るわけですが、これまでの苦しかった歴史を考えると、安易に起債での先送りに頼ると、後々大変な結果になるということも、われわれは経験しているわけです。

そこで、伺いますが、今回の投資の山をまかなう、起債136億円、基金224億円というのは、バランスとして適正なものとお考えでしょうか。もちろん、手持ちの基金がなければ、起債に頼るほかないという、厳しい現実もあるとは思いますが、今後の豊島区の財政運営の基本スタンスとして、伺っておきたいと思います。

最後に、先ほども述べましたが、現時点では、今後の景気動向に伴う財政調整交付金などの増減や、社会保障と税の一体改革に伴う様々な影響についての見通しが不透明であるため、この予算の大枠には反映していないということです。しかしながら、その動向によっては、現時点の収支見通しも大いに変えざるを得ない状況となると考えますし、その際は議会にも報告をお願いしたいと思います。

そこで、今後、そのような動向を見定めることができる時点はいつ頃になるのか、その時期の想定がありましたら、お示しください。

2番目の大きな項目の健康施策について質問いたします。

2月4日は、世界120カ国の400組織が参加する 国際対がん連合で定められた「世界対がんデ―」で、がん予防や治療への意識向上に取り組む記念日でした。

どんな病も大変ですが、日本人の死因の約3割ががんで、依然として第1位を占めていることは、否めない事実であります。そんな中、今国会で、子宮頸がんの予防ワクチン接種が公的な費用による定期化の方向にあることは、大きな前進施策と言えます。

また、本区におきましては、昨年私ども公明党が提案した、「がんの先進医療ローンの金利補てん」事業を新年度予算から開始していただけることになり、がんと闘う患者・家族にとりましては、心身ともに心強い施策であります。区内信用金庫金融機関の協力をいただき、年度途中から実施されるとのことですが、事業開始に向けた今後の取組みについてお聞かせください。

2点目に胃がん対策について伺います。

胃がんは、毎年約11万人が発症し、年間約5万人が死亡している実態がありますが、その大半はピロリ菌による感染症の原因が多いと言われております。

そこで胃がん検診は、ABC検診血液検査をすることにより、胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染の有無と、胃粘膜萎縮の程度(ペプシノゲン値)を測定し、胃がんになりやすい状態かどうかをA~Dの4段階で判定)することができ、その結果リスクのある人はバリウムを飲んだり胃カメラなどの精密検査を行ったり、ピロリ菌感染者は除菌を行うなど、血液検査で胃の健康状態を知ることにより、毎年ではなく、計画的に検診を受けることで、胃がんの予防ができることになるものです。

そこで、本区におきましても、ABC胃がん検診の一日も早い実施をされたいと考えますがいかがでしょうか。お伺いします。

3点目に子宮頸がん対策について伺います。

子宮頸がんの原因ウイルスに感染しているかを調べる「HPV検査」について厚生労働省は新年度から200程度の市町村に費用を半額助成し、その効果を検証するということであります。

これは細胞を調べる今の検査より異常を見つけやすいとされ、全面導入出来るか最適な方法を探るということであり、厚生労働省検討会では早急な検討を求める提言をまとめ、新年度予算に関連予算として1億5千万円が盛り込まれ、30・35・40歳を対象に実施する方針とのことです。

子宮頸がんは、現在、2年に一度細胞を調べる細胞診で一部の年齢を対象に無料クーポン券が発行されていますが、HPV検査はウイルスのDNAの有無を調べる方法で、細胞診と合わせて実施することで見落しを減らし、次の受診までの間隔を延ばせる効果が期待されております。

そこで、ぜひ豊島区も「HPV検査」の検証に手を挙げていただき、実施すべきと考えますがいかがでしょうか。前向きなご答弁を期待いたします。

次に、3ワクチン定期接種化について伺います。

子宮頸がん予防、ヒブ、小児用肺炎球菌のワクチン接種については、これまで「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金事業」を延長し、暫定的に行ってきました。私ども公明党はより安定した制度の恒久化をめざし、これまで国に対して繰り返し要望して参りました。新年度から新たに子宮頸がん予防・ヒブ・小児用肺炎球菌の3ワクチンが定期接種化される事となりますが、これまで区民にとっては子宮頸がん予防ワクチンについては全額公費助成だったものの、ヒブ・小児用肺炎球菌は一部助成であったため、子育て世帯の経済的負担が軽減され、接種率も伸びる事が予想されます。

厚生労働省の予防接種部会では、既に平成24年11月に3ワクチンが定期接種化された場合の接種対象者や接種方法について、とりまとめがされております。他自治体では、この3ワクチン定期接種化を見越して、既に予算に計上した所もあると伺っております。本区も当初予算にしっかりと盛り込むべきと考えますが、お考えを伺います。

また、国は定期接種化にあたり、これまでの臨時特例交付金制度以上に、地方交付税の措置もされるとの事で、財政調整交付金も同様に増額される事が見込まれます。

現在は、がんに関する教育も小中学校で展開して頂き、子宮頸がんワクチンの接種率も約7割と伺っております。より接種率の向上を図るためにも、20歳で再度対象年齢を定め、品川区や江戸川区等が実施されている「20歳の子宮頸がんワクチン一部助成事業」を導入される事を提案致しますが、お考えを伺います。

次に、ジェネリック医薬品と重症化予防について伺います。

高齢化の進展や医療の高度化によって、医療費は年々増加しており、国民健康保険制度を将来に渡って安定的に運営していくためには、医療費の適正化に対する取り組みを強化していく必要があります。

そこで、まず、これまでも国保運営協議会や区議会の区民厚生委員会、あるいは、個人情報保護審議会などで様々な議論がなされているとは思いますが、あらためて、患者負担の軽減や医療保険財政の健全化に資するジェネリック医薬品について質問します。

ジェネリック医薬品は開発費が掛からない分、先発医薬品と比べ、効能は同じでも安く提供できるために、欧米では6割以上が普及しているにもかかわらず、日本では2割程度しか進んでいません。

このため、厚生労働省においては、平成19年度に「平成24年度までにジェネリック医薬品の数量シェアを30%以上にする」との目標を掲げ、平成21年1月には、使用促進策として、ジェネリック医薬品希望カードを原則すべての保険者において、被保険者に配布するよう通知を出しています。

本区においても、ジェネリック医薬品希望カードが被保険者に行き渡っていると思いますが、どの程度、ジェネリック医薬品が普及しているのかお聞きします。

また、先ほどの平成21年の通知には、ジェネリック医薬品に切り替えた場合の自己負担の差額のお知らせを進めるようにとありました。

例えば、先進自治体の呉市では既に、5年前から差額通知を実施しております。先発医薬品からジェネリック医薬品に切り替えたら医療費の負担はこれだけ減ると、金額を明記して、国保加入者に知らせています。

その際、医師会としては唐突であったため、戸惑いと反発の声もあったそうですが、市長の「やる」という決意が固いことに、医師会は同意したそうです。

医療関係者の協力がなければ実現できません。皆さんのご理解はいかがであったのかお聞きします。

また昨年の7月10日に告示された厚生労働省告示第430号に明記された「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」によると、平成25年度から平成34年度までの「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」の推進において、健康寿命の延伸・生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底等を行いその結果、医療費適正化により社会保障制度が持続可能なものとなるよう目標設定と評価を明確にして推進する方針が明記されています。

本区はこれを踏まえ今後より一層現状の課題分析や目標の設定、具体的方策

の決定など一連のサイクルを基本に施策の質の向上を図るためのシステムを充

実する必要があると考えます。

本区ではすでに、区民の健康な増進のための施策の進捗管理を行うシステムとして各種の計画を策定していますが、どのように取り組まれているのか具体的にお聞かせください。

重症化予防という観点で、先ほどの呉市では、ジェネリック医薬品の推進で1億数千万の財源を確保して、また国の助成金を予防等の保健事業に取組み、具体的な重症化予防及び医療費削減の効果を出しています。

また、同市は医師会に対して受診勧奨推進状況及び医薬品の併用禁止の情報等を提供することにより良好な関係を構築し、重症化予防等においても一体となった取組みを実施しています。

本区においては、まず、今後ジェネリック医薬品の使用状況の調査・分析を行ったり、重症化予防対策として疾病別の医療費状況、頻回受診者状況、生活習慣病等の放置患者の分析を具体的に実施し、関係者と情報を共用することにより、課題を明確にする必要があると考えます。今後の方針をお聞かせください。

次に大きな項目の障害者総合支援法について質問いたします。「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」、いわゆる「障害者総合支援法」が平成24年6月に成立し、平成25年4月1日から施行されます。この法律では、制度の谷間のない支援を提供する観点から、障害者の定義に難病を追加して、障害福祉サービスの対象とすることにしています。

これからは、難病に苦しむ患者さんは身体障害者手帳の有無にかかわらずに、障害程度区分の認定を経た上で、障害福祉サービスを受けられることになりました。

今まで市区町村に任されてきた難病対策が、法定の支援事業となったことは、難病に苦しむ皆さんが待ち望んできたことであります。この事業を推進し、豊島区らしい心のかよった施策にするために、いくつかの確認をさせていただきます。

まず、心配なことがあります。難病対策は4月1日から始まりますが、対象となる疾病の種類や範囲が、なかなか国から示されなかったと聞いております。難病には、たくさんの種類があります。患者さんにとっては、どのような範囲が対象となるのか、ひじょうに気になるところです。そうした、国の動向についてお聞かせください。

次に、本区の難病施策についてですが、すでに区独自の難病対策事業として、「難病患者福祉手当」を支給しておりますし、「福祉タクシー券」の支給対象に難病患者を含めていることなど、先駆的な取り組みについては高く評価するものであります。また、「難病医療費の助成」や「小児慢性疾患の医療費助成」なども実施していますが、これらの施策について、どのような実績をあげているのか、現状をお聞かせください。

また、この度の「障害者総合支援法」での支援サービスが、これらの助成に加わることとなりますが、目前の4月1日からの施行に遺漏がないよう、万全の準備をお願いいたします。

最後に、「障害者総合支援法」での難病患者への支援サービスの具体的な内容と、今後の拡充の展望をお聞きします。

難病患者の皆さんは、普通に生活ができるような「在宅での療養生活を支えるサービス」の充実を切実に望まれています。「障害者総合支援法」によって、どのようなサービスが提供できるのか、また、今後どのような拡充が計画されているのか、難病に苦しむ患者さんの明日を支えるようなお答えを期待いたします。

次に大きな項目の、木密地域不燃化対策について質問いたします。

東京都では、昨年1月に「木密地域不燃化10年プロジェクト」の実施方針を策定し、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域約7,000haの防災性向上を図るため、区と連携して、特に改善を必要としている地区の不燃化を促進する「不燃化推進特定整備地区(不燃化特区)」制度の創設に向けた発表がありました。

これを受け、先行実施地区に応募すべきであると、昨年の1定で質問させていただきました。そして昨年8月には東池袋4,5丁目地区を含む都内12地区が選定されました。

当該地区は東池袋地区補助81号線の沿道まちづくり協議会が既に活動しており、防災路線B路線前期が後一歩のところまできました。そして防災路線B路線後期の変更が検討されており、東池袋5丁目のA街区の市街地再開発事業もいよいよという段階にきております。不燃化特区の指定を受けることにより、今まで行なってきた事業に変更があるのか、あるいは加速されるのかその見通しをお聞きします。さらに同地区内において新たな整備手法でのコア事業を考えられているのかお聞きします。

これまでの木密対策は、高齢者世帯の増加に伴う建替え意欲等の低下、権利者同士の合意形成の難しさなどを背景に、その事業完了までに長い時間を要してきていました。

1月28日に出されました支援策の骨格などを定めた不燃化特区制度(案)を見ますと、未接道敷地を種地として地域整備をする。専門家を派遣し、住民が抱える個別の課題を解決する。限られた時間で整備をするために区の体制の強化など。大いに期待できる内容と私は思います。

そこでお聞きしたいのですが、初動が大事だと思います。住民の意向の把握や、個々の課題を的確に解決につなげることがポイントだと考えます。そのためには優秀な人材が必要であり、区としてはそのための組織編制を予定しています。また民間のコンサルタントの活用、あるいは非常勤職員、任期付職員の採用など、住民の合意形成や個別の相談にきめ細かく対応することが事業の成否にかかわってくるものと考えます。どのようにお考えかお聞きします。

平成26年度の本格実施の公募が4月以降に行なわれます。整備地域内ということで、本区は東池袋4,5丁目地区を含め5地域存在しますが、その中には特定整備路線候補区間に指定された地域が多く含まれています。今回のチャンスを逃したら、木密の解消が遠のくように感じられます。整備地域全てが本格実施に選定されるよう取り組まれることを望みますがいかがでしょうか。あわせてそのための条件整備等があればお聞きします。

特定整備路線の沿道30メートルの範囲も不燃化特区として指定されることが可能なようですが、特定整備路線沿道のまちづくりと不燃化特区の関係性について、どのような意義があるのかお伺いします。

今月の区政連絡会では、東京都第四建設事務所が出席し、特定整備路線の関係地権者を対象とした事前相談会の開催について説明がありました。この相談会は、特定整備路線にかかる土地所有者と建物所有者を対象として、公共事業の補償などに関する一般的な事項の相談を受けるということで、道路事業にかかる方々の不安を取り除く機会になるよう期待されています。また、特定整備路線の支援策については昨年12月に骨子案が示されましたが、まだ、詳細な内容は東京都から発表されていません。こうした支援策についても相談会で説明していくことが地権者の不安を払しょくすることにつながると考えますが、その内容について区はどのように把握されているのかお聞きします。

次に大きな項目の道路の維持管理について質問いたします。

初めに公道部分の予防保全の視点に立った道路の維持管理について伺います。

橋梁などのインフラや公共施設の老朽化が懸念される中、豊島区においては橋梁の長寿命化修繕事業が行われており、また公共施設については、25年度の新規事業として検討会議で、(仮称)公共施設再配置方針案がまとめられるとの発表がありました。しかし、道路の維持管理については、対処療法的な修繕がほとんどで、予防保全を目的とした中長期的な観点からの整備には至っていないと思いますが、本区の道路整備の現状についてお聞かせ下さい。

道路下では、下水管上部の腐蝕とゲリラ豪雨による土砂の流出、地質による埋戻し材の沈下などが原因で空洞が発生すると伺っております。また、東日本大震災では、大きな揺れによってこのような道路下の空洞が原因となり、道路が陥没するケースが数多く報告されています。

そこで、いざという時に道路の陥没などで消火・医療・物資輸送などの大切な任務に支障をきたすことがないよう、先ずは、未然防止のための空洞調査を早急に実施することを提案致します。その調査にあたっては、老朽化した下水管敷設区間、地下鉄や地下街などの大型構造物周辺、災害時の救助や復旧に最重要拠点となる病院や消防署、警察署周辺や緊急輸送・避難に用いられる道路等を優先して行うようにし、その結果を基に危険度マップを作成し、重要で危険なところから優先順位を決めて計画的に整備をしていきます。

いうまでもなく、本区には区道に限らず、国道も都道も多くあり、国道と都道の空洞調査とともに、調査後に必要となる補修・整備に関する財源措置を国と都に対して要望する必要もあります。首都直下型地震が予想される今、本区においても、こうした空洞調査を基にした計画的な道路整備が必要であると考えますが区のご見解をお聞かせ下さい。

次に私道部分の道路舗装工事並びに下水道改修助成について伺います。

以前は、公道、私道に関わらず道路舗装、下水道改修助成は同じ割合10割でありましたが、平成12年より財政状況の厳しさから助成割合が減らされてきました。私たちも財政の健全化のために、また再建団体に陥らないためにも、行財政改革の取り組みを強く推進してきたところであり、そのことに関しては評価いたしているところであります。

しかし本区は木密地域を4割も抱えており、市道の割合も高いものがあります。その中で、狭隘道路事業を昭和63年以来25年間行なってきて、狭隘道路から幅員4メートル道路が徐々にではありますが増えてきており、それによって、車の通行が可能な私道も増えてきているところであります。そこで狭隘道路事業の進捗率と今後の見通しをお聞かせください。

一昨年、私道舗装の助成を7割から8割に増やしました。では下水道改修の助成割合はどうでしょうか。道路の傷み具合は車の通行が一番の原因です。下水道も業者の方にお聞きしましたらところ、車が原因で破損することが多いと伺いました。

下水道工事助成割合が何故、5割のまま据え置かれているのでしょうか。

よく言われることは、接道敷地の坪単価は私道か公道かによって大きく左右されます。私道は所有者が管理しなければならず、その分、公道に接する敷地より坪単価は安くなり、所有者はそれを理解して安く土地購入をしています。この理解があるから、10割負担はありえないという理屈です。では、果たして私道に接する敷地は5割も安くなっているでしょうか。

もう一つの疑問があります。道路舗装工事だけであれば8割の助成ですが、下水道工事が伴うと何故、舗装も含めてすべて下水道工事の助成割合である5割なのでしょうか。道路舗装工事の8割と下水道工事の5割にわけて積算ができないかということです。業者にお聞きしましたら分けて計算することは可能ですとの回答ですが、何故分けられないのかお聞きします。

23区の状況は、かなりの区で、10割助成をしております。そこで各区の状況もお示しください。現場職員の声を聞きますと、財政が厳しいからという説明だけでは、区民の皆様に、ご理解していただけず、現場で苦慮していることも聞いております。区民が納得できる合理的な説明が望まれます。

私道でも一般車両が通行している箇所は多くあり、この割合を継続するようであれば、区民に私道の管理を周知徹底されるべきと考えます。例えば、管理行為として一般車両の通過を制限することが可能な旨を区民に知らしめるべきです。

これが5割の助成しかできない区として必要ではないかと考えます。いかがでしょうか、お伺いいたします。

以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

開催日:平成25年 2月19日

会議名:平成25年第1回定例会(第 2号 2月19日)

高野区長及び理事者答弁 

 〔高野之夫区長登壇〕

○区長(高野之夫) ただいまの中島義春議員の御質問に対しましてお答えをいたします。

 平成25年度予算についての御質問のうち、まず総点検の主な成果についての御質問にお答えをいたします。

 必要性が薄れると判断し休廃止した事業は、6件で2,000万円の効果額となりました。また、歳入確保としては、自動販売機の設置など、新たな歳入確保で12件1,200万円の効果を出したほか、保育料の改定など受益者負担の適正化で3件3,900万円の効果額がございました。

 そして、残る多くの改善、見直しの内容は、さまざまな契約の見直しによる節約や実施を踏まえ、予算積算単価の見直し、決算状況に勘案した予算額の圧縮など、無駄や非効率の改善であります。事業量の切り下げよりも執行方法や事務の見直しに力点を置いており、604事業、効果額は8億6,700万円となりました。

 そもそも、すべての計画や事業予算は、無駄や重複などないものとして策定をしておりますが、実際に実施してみるとさまざまなことが判明し、見込みや計画のずれを修正する必要が生じます。また、その後の事情や時代の変化等によりまして、より効率的な方法へと見直す必要が生じるのが常でございます。これを放置することは、無駄や非効率と言わざるを得ません。

 これまでも各部局が枠配分予算の編成過程でさまざまな改善を行っておりましたが、今回の総点検では、この改善、見直しを全庁を挙げて意識的にかつ全面的に時間もかけて検討し、その結果も金額として把握するという初めての取り組みでありました。その結果といたしまして、まさにちりも積もれば山となるの精神で、全庁挙げて行った地道な極めて細かい努力を集めて大きな成果を上げることができたと思っております。

 次に、政策評価委員会の意見、予算の反映と評価結果を反映する仕組みづくりについての御質問にお答えをいたします。

 本区の公開事業評価の最大の特徴は、評価をその場限りのものとせず、事業にかかわるさまざまな経緯等も踏まえた上で改めて丁寧に検討し、最終的な評価とする点にあり、これにより評価の実効性が高まると考えております。

 そこで、当日の評価委員に副区長、政策経営部長を加えた政策評価委員会において、公開事業評価の結果について審議を行い、委員会としての報告書が取りまとめられたところであります。

 このたびの評価は、事業の廃止、縮小を主眼としたものではなくて、あらかじめ定めた公共施設の運営のテーマに基づき、施設運営そのもののあり方を中心に議論をしたものでございます。したがいまして、御意見そのものが25年度予算に直ちに反映されたということはございません。

 しかし、利用される方はもちろん、利用者以外の区民の皆さんにも御理解をいただける効果的な、効率的な施設運営であるべきという最も多く寄せられた御意見の趣旨は、事業総点検や内部評価の結果とともに、25年度予算編成にも十分生かされているものと考えております。

 また、評価が反映しやすい仕組みづくりにつきましては、公開事業評価や政策評価委員会の御意見を重く受けとめる意識を全庁に浸透させることはもちろん、いただいた御意見をもとにして、区としていかなる検討を行い、どう対応したか、仮に対応が困難な場合、その要因は一体何かを継続的に検証していく予定でございます。このほか考えられる仕組みにつきましても、政策評価委員会の中で検討をしてまいりたいと考えております。

 次に、職員の意識改革とともに改革を進めることについての御質問にお答えをいたします。

 御指摘のとおり、事業の総点検に限らず、今後の改革には全職員の参加による取り組みが欠かせないと私も考えております。

 これまでも無駄なし検討委員会において職員アンケートを実施いたしまして、身の回りに無駄や非効率がないかを尋ね、さまざま提案も受けました。提案には既に効果額に入っている成果もございますが、すぐには実施に至らず、懸案となっているものもございます。懸案については、今後御指摘のように十分な再検討をしていきたいと思っております。

 今回、総点検は全事業を対象にしたことから、かなり多くの職員に改善、見直しの提案を求めた形になりました。このことで、結果的に多くの職員の改革マインドに火をつけたのではないかと思っております。

 職員の意識改革については、人材育成の観点から、これまでもさまざまな取り組みを行ってまいりましたが、特に最近、可能な限り全職員を対象といたしまして、私が直接語りかける機会を持つようにしております。これに対して、多くの職員から率直な意見、感想が返ってくるため、それをすべてしっかりと読み、職員のさまざまな意識の把握に役立てております。

 今後もそのようなアプローチを含め、新たな改善、見直しの提案、そして新たな新規拡充の提案も同じように活発にしてくれるような改革意識を持った職員を育成するとともに、職員参加のもとで行政改革を今後も重視をしてまいりたいと思います。

 次に、今後の起債残高や公債費負担の想定についての御質問にお答えをいたします。

 まず、公債費は、平成24年度は51億円の見込みであり、平成25年度予算では43億円となりました。今後の新規発行額によって若干変わりますけど、平成26年度には32億円、平成27年には41億円と見込んでおります。

 一方、起債残高は、平成24年度末、267億円が平成25年度末には256億円まで下がる見込みでございますが、今後、起債発行額の増加が見込まれ、平成26年度末には、久しぶりに残高が増加に転じまして、平成27年度末では300億円台になる可能性もございます。

 この数年間、重要施策の建設が集中していることから、起債の発行額と残高が増加する傾向はある程度予定をしており、やむを得ないものと考えております。しかしながら、今後の起債発行額は、その時点の歳入状況や活用可能な基金額などにより変わってまいりますし、それに伴い起債残高も変わってくるわけでございますので、今後は将来の後年度負担も考慮に入れて、可能な限り残高が300億円を超えないよう、各年度の予算編成や執行段階で抑制の努力をしてまいりたいと思います。

 次に、起債と基金のバランスについての御質問にお答えをいたします。

 御指摘の基金224億円には、庁舎建設基金の141億円が含まれております。これを除くと83億円にすぎませんので、一見起債より基金により賄う額のほうが多いように見えますが、新庁舎分を除けば起債が基金の1.6倍となります。

 御指摘のように、安易に将来への負担の先送りに頼ることは、これまでの経験上あってはならないことだと思っておりますが、常に1対1のバランスが正しいという決まりがあるわけではございません。

 要は、かつてのような危機的事態に陥らないよう、可能な限り基金による事前の平準化が望ましいということでございますが、23年度末現在、本区の財政調整基金の残高の大きさは23区中21位、庁舎建設基金の運用分を除く全基金の残高もやはり21位であります。また、25年度の基金と起債の残高は、いまだ100億円債務超過の状況でございます。

 歳入の大幅な増加がない中では、基金を大幅に増加させることも容易ではございません。したがいまして、最適とは言えないまでも、現状においては最善なバランスと考えておりますが、基本姿勢ということでは、当然のことながら起債を減らして基金をふやすという姿勢で、各年度の予算編成や執行段階での努力を地道に積み重ねてまいりたいと考えております。

 次に、今後の動向を見きわめた時点についての御質問にお答えをいたします。

 各年度の予算編成にかかわる収入見込みの前提となります景気動向の把握について、例年、2大財源の1つである財政調整交付金の原資である調整3税の当該年度と次年度の見込みが年末に近づいてから示されることもあり、予算編成のかなり後半での時期となっております。

 また、社会保障と税の一体改革につきましては、去る2月5日の経済財政諮問会議において、秋には消費税率の引き上げに際して、経済状況等の総合的な勘案に向けた必要な検討を行うとされたところでございます。

 したがいまして、どの程度地方消費税交付金の収入が見込まれるのか、これに伴う他の税制改正の影響はどうなるのか、一体とされる社会保障の施策や本区の支出にかかわる消費税分はどの程度に歳出増となるのか、これらのことが明らかにならないと、予算の大枠の変更もままならないわけでございます。

 したがいまして、結局のところ、おおよそ秋以降、平成26年度予算編成時期に現時点でのさまざまな変動要素の見きわめが可能になってまいりますし、また、見きわめなければならないと考えております。それまでの間につきましても、変動要素に関する情報を怠りなく把握するとともに、議会の皆様にもさまざまな機会をとらえて御報告をしてまいりたいと思います。

 次に、健康政策についての御質問のうち、まずがんの先進医療ローンの金利補てん事業の今後の取り組みについての御質問にお答えをいたします。

 平成25年度に新たに開始するがん先進医療費利子補給事業は、がんの先進医療を受ける区民や家族の経済的な負担を軽減することにより、区民が先進医療を受けやすい環境を整備することを目的とした事業でございます。

 具体的には、豊島区に本店を置く巣鴨信用金庫と東京信用金庫に融資額300万円、融資利率6%それぞれ限度としたがんの先進医療を受けるためのローンを商品化していただき、そのローンを利用した区民に利子相当額を補助するものでございます。

 現在は事業の基本的な概要が決定している状況でありますが、今後、利用対象者が死亡した場合、ローンを返済できなくなった場合など、想定されるあらゆる事態への対応方法や具体的な手続の流れを中心に、両信用金庫と協議を重ね、この4月には協定を締結をしたいと考えております。

 その後、区民の皆様を初め医療機関や介護事業所、地域包括支援センター、在宅医療相談窓口など、先進医療を受ける区民がかかわる可能性のある場所にリーフレットを配布するなど、各方面の事業のPRを行い、6月から事業を開始したいと考えております。

 次に、ABC胃がんの検診の実施についての御質問にお答えをいたします。

 御指摘にもありますとおり、ABC検診は胃がんの原因となるピロリ菌の感染と胃の粘膜の萎縮を血液検査で調べる検査方法であり、現在、厚生労働省が自治体における胃がん検診の実施方法として認定をしている胃バリウム検査などに比べ、胃がんの発見率が高いとされております。

 23区においては現在、目黒区、足立区の2区が導入をしております。豊島区においては、平成23年、がんで亡くなった669人のうち、約14%に当たる91人の人が胃がんで亡くなっております。このため、区といたしましても、区民のがんによる死亡者の数を抑制するため、がん発見率の向上に向け、より効果的な検査方法を追求することは大変重要であると考えております。

 こうした状況を踏まえまして、胃がん検診については、国の動向等を注視しつつ、よりがんの発見率が高く、かつ精度の高い検査方法への改善に向けて検討を行うべく、ABC検診の導入を含め医師会と協議を開始してまいります。

 次に、HPV検査の実施についての御質問にお答えをいたします。

 御質問にもありますとおり、厚生労働省は今月5日、子宮頸がんの原因となるHPV、いわゆるヒトパピローマウイルスのDNAが子宮頸部にあるかどうかで感染の有無を調べるHPV検査を25年度から200程度の区市町村で試験的に実施をし、効果を検証すると発表いたしました。

 検査の対象は、発症率の高い年齢層、30、35、40歳として、自治体には2分の1助成する方針と聞いております。

 HPV検査を実施する自治体の選定方法や条件についてはまだ明らかにされておりませんが、手挙げにより希望する自治体を募集することとなった場合には、対象要件を満たすことができ、かつ医師会と実施体制や経費負担などについて調整がつけば、その時点で参加表明の可否を判断をしたいと考えております。

 次に、3ワクチン定期接種化を見越した予算措置についての御質問にお答えをいたします。

 御指摘のとおり、3種のワクチンについては、定期接種化が求められている中で、現在、予防接種法の改正案が国会に提出されるところでございまして、政府としては定期接種化を4月より開始したいとの意向であります。

 この動きを受けて、この間、特別区長会としても、定期接種化に伴う23区での相互乗り入れや新たな単価の査定などの課題を検討してまいりました。

 確かに、本区25年度当初予算にはこの部分を盛り込んでおりませんが、新規拡充事業の御説明の際にも申し上げましたように、予算編成の時点においては、定期接種化が新年度の当初からの実施について定かでなかったこと、また、仮にそのようになっても、予算の面では事後の補正予算対応でカバーできることがわかっていたことから、そのように対応をしたものでございます。

 しかしながら、現時点では既にこれまでの臨時的措置が廃止されることが明らかであり、また法の改正も間近と見られますので、むしろ4月まで準備期間において、区民の方々に混乱や御迷惑をおかけしないことが重要であると考えております。

 したがいまして、本区では、新年度当初から3種のワクチンにつきましても接種無料を実施するということを前提に、遺漏のないように準備に臨んでおります。予算につきましては、適切な時期に補正をしてまいりたいと考えております。

 次に、20歳の子宮頸がん予防ワクチン一部助成事業の実施についての御質問にお答えをいたします。

 子宮頸がん予防ワクチンについては、定期接種化の方向性が示されており、その場合には対象者について小学校6年生から高校1年生までに拡大されることになります。また、あわせてヒブと小児用肺炎球菌ワクチンについても定期接種化されると、一般財源として1億7,000万円を超える歳出増となると考えられます。

 子宮頸がん予防ワクチンについては、子宮頸がんの原因となるウイルスが主に性交渉で感染することから、初回性交渉前に接種することが推奨されていることも踏まえまして、定期接種の対象年齢を超えた助成を行うよりも、まずは定期接種化された際の対象者の接種率の向上にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

 次に、木密地域不燃化対策についての御質問のうち、まず不燃化特区の活用と東池袋地区でのコア事業についての御質問にお答えをいたします。

 不燃化特区制度につきましては、既存の事業をベースに、期間限定の支援策を講じて、木密地域の不燃化を加速させるものでございます。東池袋四・五丁目地区は、先行実施地区として都から選定を受け、東京都と協働して制度の構築に携わってまいりました。

 その中で、補助81号線沿道のA街区の市街地再開発事業をコア事業として位置づけておりますが、今後、そのほかの街区においても、懇談会などを積極的に開催し、地域の合意形成を図り、新たなコア事業を生み出してまいりたいと思います。

 また、地域の実情に即した特別な支援策も検討していきますので、防災まちづくりが大きく前進するよう、住民の立場に立って丁寧な対応を心がけて取り組んでまいりたいと思います。

 次に、不燃化特区の実施に向けた組織体制についての御質問にお答えをいたします。

 議員御指摘のとおり、まちづくりを進めるに当たっては、初動期のコーディネート機能を強化し、速やかに課題解決を図り、円滑に合意形成を図っていくことは重要でございます。

 また、10年プロジェクトは、平成32年度までの期間を限定した事業でありますので、計画的な事業の進行管理も求められております。

 そうしたことから、都市整備部の体制を見直し、地域まちづくり担当部長の新設と地域まちづくり課と都市再生担当課の統合を図り、体制の強化を図ってまいります。

 さらに、事業の執行状況を勘案しながら、平成25年度内にまちづくりに精通した非常勤職員等を4名程度増員する予定で、合意形成や個別相談に盤石の体制で臨んでまいりたいと思います。

 次に、特定整備路線沿道の不燃化特区活用とその条件整備等についての御質問にお答えをいたします。

 不燃化特区の本格実施につきましては、都が示した整備地域であること、または特定整備路線の沿道30メートルの範囲が区域要件となっております。その中でも地域危険度が高く、不燃領域率が60%未満であることなど、幾つかの条件が定められておりますので、これらに合致した地域から応募することになると考えております。

 また、まちづくりを進める上では、地域の皆さんの御協力がなければ、合意形成を図っていくことはできませんので、これまで以上に地域に密着した取り組みが重要な条件となってくると考えております。今後、こうした条件を整備すべく、地域と行政が一体となった防災まちづくりに積極的に取り組んでまいります。

 また、特定整備路線沿道での不燃化特区活用については、延焼遮断体を形成する特定整備路線と相乗効果を高め、沿道一体型の道路整備をスピードアップさせるのみならず、地域の面的な不燃化を促進することができるものと考えております。

 今後は、道路事業を所管する東京都第四建設事務所と連携を図り、事業の進捗状況を見きわめながら、新たな不燃化特区の導入について積極的に検討してまいります。

 次に、特定整備路線に関する支援策についての御質問にお答えをいたします。

 東京都では、平成32年までの期間を定めた特定整備路線の整備を加速するため、特別な支援策を講じることとしております。昨年12月には支援策の骨子案が発表され、事業に協力していただく関係権利者の不安解消や移転先確保など、生活再建に向けたサポートを充実させる基本的な考え方が示されたところであります。

 支援策の詳細な内容については、当初予定どおり、ことしの3月までに定めることになっておりますが、骨子案に示されている全関係権利者への意向調査や民間の専門事業者による相談窓口の設置など、これまでの道路事業にはなかった新たな取り組みが盛り込まれております。特に民間の専門事業者による相談窓口については、道路延長など地域の状況にもよりますけど、道路単位で設置し、きめ細かく対応していくと聞いております。

 2月から始まる事前相談会は、こうした支援策の説明を含めて東京都が主催をいたすわけでございますが、沿道まちづくりを進める私たち区も参加し、精力的に相談にお答えをしていきたいと思っております。

 私からの答弁は以上でございますが、そのほかの質問につきましては関係部長から答弁をいたさせます。

  〔齋藤賢司総務部長登壇〕

○総務部長(齋藤賢司) 平成25年度予算についての御質問のうち、まず、随意契約の取扱基準についての御質問にお答えをいたします。

 随意契約は例外的な契約方法でありますことから、適用、運用の指針として、平成21年度に随意契約ガイドラインを策定をいたしました。このような中、物品契約における随意契約は、平成23年度に契約課で締結をいたしました契約件数1,243件のうち、約60%に当たる756件となっている状況などを踏まえ、総点検の一環として、昨年10月、随意契約の見直しの方針を策定をいたしました。

 この見直しの方針は、平成23年度の随意契約のうち、対象といたしました681件のすべてについて、ガイドラインに基づき個別に検討を加えまして、競争入札に移行するもの、競争入札等への移行を検討するものは159件とし、引き続き随意契約を認めるものは343件とするよう分類をし、決定をいたしたものでございます。

 また、随意契約する場合であっても、減価交渉を徹底し、より低廉な価格での契約に努めることなどを定めたものでございます。

 25年度に向けた契約におきましては、この見直しの方針に基づきまして、競争入札への移行などを具体的に進め、事後のチェックを厳密に行いますとともに、ガイドラインの厳正な運用を行いまして、全庁挙げて随意契約のより一層の適正化に取り組んでまいります。

 また、あわせて、主管課での契約におけます複数業者からの見積書の徴収につきましても徹底をしてまいります。

 なお、地元業者への優先発注につきましては、制度改正の結果、平成23年度の工事契約におきまして地元業者が落札した割合は90%を超えております。物品契約の場合、区内業者だけでは競争性を確保できないなどの課題がございますが、発注拡大のため、さらに工夫を講じてまいります。

 私からの答弁は以上でございます。

  〔永田謙介区民部長登壇〕

○区民部長(永田謙介) ジェネリック医薬品と重症化予防についての御質問のうち、まずジェネリック医薬品の普及状況に関する御質問にお答えいたします。

 御指摘のとおり、平成21年1月、厚生労働省より、原則すべての保険者においてジェネリック医薬品希望カードを被保険者に配布するよう通知がありました。これを受け、本区においても21年度に希望カードを2万部作成し、希望者に配布、また22年度には、保険料の当初納入通知にカードを同封し、国保に加入する全世帯に配布しました。さらに、23年度も2年に1回の保険証更新時にカードを同封するなど、普及促進に取り組んでいます。

 本区の国保における普及状況ですが、現時点で把握している最新の数値である昨年11月調剤分の普及率を申し上げると、医薬品全体のうち、ジェネリック医薬品は数量シェアで約22%となっています。

 今後も引き続き普及促進に努めることで数量シェアを引き上げ、国の掲げる目標に近づけていきたいと考えております。

 次に、医療関係者の協力についての御質問にお答えいたします。

 差額通知につきましても、ジェネリック医薬品の普及促進を図るための有効な手段と考え、準備を進めてきました。昨年の5月から6月にかけて、豊島区医師会、歯科医師会、薬剤師会の各会長に差額通知の必要性を訴え、協力をお願いした結果、3師会それぞれから快く御了解をいただくことができましたので、今月下旬には本区で最初の差額通知を発送し、普及率を高めていきたいと考えています。

 次に、健康増進のための各種計画の取り組みについての御質問にお答えいたします。

 御指摘にもありますとおり、区民の健康づくりを総合的、計画的に推進するためには、国の方針を踏まえつつ、現状の課題を十分に把握、分析し、目標とそれを達成するための具体的方策を定めることが大変重要であると考えています。

 本区では、こうした考え方に基づき、区民の健康寿命の延伸を目的とした健康プランや医療費の適正化を予防の観点から推進するための特定健診・特定保健指導実施計画を策定しています。

 これらの計画の策定に当たっては、まず意識調査を実施し、区民の健康状態や健康に関する意識等の実態を十分把握した上で、課題や傾向を分析、検証し、数値目標と目標達成に向けた取り組みを決定しています。

 次に、重症化予防対策の今後の方針についての御質問にお答えします。

 御質問にもありますとおり、生活習慣病の発症や重症化を予防することは、医療費の適正化に大きく寄与します。高齢化の進展などにより、年々増加する医療費を抑制することは、国民皆保険制度の最後のとりでである国民健康保険制度を安定的に運営していくための非常に大きな課題であると認識しております。

 したがいまして、今後、御指摘のジェネリック医薬品の使用状況の調査、分析を初め、重症化予防対策として、呉市で行われているさまざまな取り組みについて調査、研究を進めることで、関係機関との連携のもと、効果的で効率的な医療費適正化対策を検討していきたいと考えております。

 私からの答弁は以上でございます。

  〔東澤 昭保健福祉部長登壇〕

○保健福祉部長(東澤 昭) 障害者総合支援法の施行と難病対策についての御質問のうち、まず難病対策の対象となる範囲についての御質問にお答えいたします。

 難病対策の対象となる疾病の種類や範囲は、難病患者の皆さんにとって気になることの1つです。障害者総合支援法では、障害者の定義に治療方法が確立していない疾病、その他の特殊な疾病であって、政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者を追加しています。

 疾病の範囲については、直ちに成案を得ることが困難であると厚生労働省から伝えられていましたが、当面の措置として、難病患者等居宅生活支援事業の対象疾病と同じ範囲である130疾患及び関節リウマチが政令で定める疾病として示されました。なお、新たな医療費助成の対象疾患の範囲等にかかわる検討を踏まえて、今後見直しをすることにしています。

 次に、難病対策の現状についての御質問にお答えいたします。

 豊島区では、御評価いただきましたとおり、既に独自の実績を上げていますが、障害者が安全に外出できるよう、移動の支援や自立の支援に力を入れています。

 平成23年度の実績で申し上げますと、障害福祉の分野では、福祉タクシー券の支給範囲に難病患者を入れているのは23区の中で本区を含め5区のみであり、448人に支給して生活圏の拡大を支援しています。

 また、難病患者福祉手当を686人の難病患者に支給して、心身の安定に寄与しました。ほかに、はり、きゅう、マッサージによる機能回復助成、寝具の洗濯、乾燥事業等も難病患者の皆さんに御利用いただいています。

 また、医療助成の分野での取扱実績は、内分泌疾患等の小児に対する小児慢性疾患医療費助成が88件、また難病医療費の助成が1,360件でした。これらの医療助成事業によって、患者の負担を軽減するとともに、得られた知見によって難病医療の確立と普及を図っています。

 次に、難病患者への支援サービス内容と今後の拡充の計画についての御質問にお答えいたします。

 障害者総合支援法の施行後は、症状が定まらないために身体障害者手帳を取得できないものの、一定の障害のある難病患者が障害程度区分の認定などの手続を経た上で、障害福祉サービスを利用できるようになります。利用できる支援事業も、自立のための訓練や就労の支援、自立支援のための医療など、総合支援法に定める幅広いサービスに広がります。

 豊島区では、今までも移動の支援や自立の支援に力を入れていましたが、このたびの総合支援法施行によって広がる障害福祉サービスとあわせて、この分野で新たにできる支援の検討を進め、難病になっても尊厳を持って生きられる共生の社会を実現するために努めてまいります。

 私からの答弁は以上でございます。

  〔西澤茂樹土木部長登壇〕

○土木部長(西澤茂樹) 道路の維持管理についての御質問のうち、まず道路整備の状況についてお答えいたします。

 現状での道路の維持管理の考え方といたしましては、道路の位置づけを大きく2つに分類しております。1つは、幹線道路、あるいは準幹線道路と呼ぶことができる、比較的幅員が広く、歩車道が分離できる道路です。もう1つは、一般的に生活道路と呼んでいるような住宅地内の道路です。

 歩道設置済みの道路においては、ガスや水道などのインフラが通常、歩道内に占用されているため、車道の掘り返しもほとんどなく、経過年数をもとに、ある程度長期的な修繕計画を立てて維持管理を行っております。これに対して住宅地内の生活道路は、建築工事に伴うインフラの引き込みや占用物件の更新のための掘削などにより、路線ごと、あるいは区間ごとに損傷の度合いが千差万別です。

 企業者による占用工事は、年2回開催している道路上工事調整会議によってある程度の把握は可能ですが、民間の建築については事前の把握が事実上不可能な状況です。

 生活道路については、パトロールによる状況把握に力を入れ、おおむね20年から30年に1度補修工事を行っている現状です。一方、幹線道路については、道路整備基金を積み立て、中長期的に計画を立て補修工事を行い、適切な維持管理に努めているところです。

 次に、空洞調査をもとにした道路整備についての御質問にお答えいたします。

 レーダーによる道路下の空洞調査は、国道、都道の車道部では定期的に行っていると聞いています。これは、御指摘にもあるように、災害時に緊急輸送道路として機能を果たすとともに、万が一、突然陥没した場合の第三者被害を防止するために行っているものです。

 レーダーによる空洞調査は、4トン車程度の車両に機材を搭載し、走行させて1次調査を実施し、反応があった箇所をコンパクトな機械を用いて、人力で詳細な2次調査を行うものです。最近では、2次調査の不要なさらに精度の高い測定車両も開発をされております。

 いずれの車両もかなりの大きさとなるため、少なくとも5.5メートル以上の幅員の道路でなければ測定はできません。一般的な生活道路は難しいとしても、災害時に緊急輸送道路となる幅員の広い区道については、御指摘もありように予防保全という観点からも、今後、空洞調査の導入も検討してみたいと思います。

 次に、私道部分の道路舗装工事並びに下水道工事助成についての御質問のうち、狭隘道路進捗状況についての御質問にお答えいたします。

 狭隘道路拡幅整備事業の現時点においての整備率ですが、狭隘道路の総延長44万3,430メートルに対し、整備完了距離は13万3,867メートルで、30.2%の整備完了達成率となっております。

 また、今後の見通しでありますが、本事業は沿道建築物の建てかえごとに後退工事を行いますので、景気の動向等に左右されやすく、予測については困難ですが、事業完了までおおむね60年を要するのではないかと考えております。

 次に、なぜ舗装と下水道工事を分割して申請できないかについての御質問にお答えいたします。

 排水設備を改修する際には、必要最小限の幅で路面を掘削いたします。舗装の復旧も舗装全体を工事するものでないため、排水設備の改修工事の一部という位置づけと考えていることから、舗装の復旧についても50%の助成率とさせていただいているところです。

 したがいまして、排水設備の工事に伴う部分的な舗装の復旧については、排水設備助成制度を適用いたしますが、排水設備工事と同時に、私道全体の舗装を改修する際には、その舗装部分については私道舗装助成制度の適用が可能となります。

 次に、各区の状況についての御質問にお答えいたします。

 各区の排水設備助成制度の状況につきましては、平成24年度の調査によりますと、本区におきましては、先ほど申し上げましたように50%助成となっており、100%助成が5区、おおむね80%から95%の助成率が14区、75%の助成率が3区という状況となっております。

 次に、5割の助成しかできない区の説明についての御質問にお答えいたします。

 御指摘にございますように、助成制度につきましては、財政状況を勘案しながら助成率を設定してきた経緯があります。

 舗装と排水設備の助成率の違いについては、第三者である車両や歩行者の通行も考えられることから、舗装は80%の助成率にしております。一方で、排水設備については、関係者のみの財産と考えられることから、公共性の違いにより助成率に差を設けているところであります。

 私道に関しまして区民の方から相談があった際には、私有地であることを明示する方法も考えられるということをお伝えするようにしておりますが、今後さらに丁寧な説明を行うように努めてまいります。

 以上をもちまして、中島義春議員に御質問に対する答弁を終わります。