平成17年第3回定例会一般質問

此島 澄子

多くの国民の皆様から改革路線が支持される結果となった先の衆議院選挙で私ども公明党は、不要な国の事業を洗い出す「事業仕分け作戦」をマニフェストに掲げ9兆円の歳出削減を訴えました。今後、改革の大前提として、この歳出削減に全力で取り組み、税金のムダづかいをなくして、これからも様々な改革に挑戦しながら、信頼される政治、安心で活力溢れる社会の構築に向け、真正面から取り組んでいく所存でございます。

本日私は、公明党区議団を代表し、「子どもたちが元気な豊島未来へ」と題し一搬質問いたします。

はじめに、「行財政改革と街づくり」についてであります。

いよいよ、人口減少社会を迎え、将来にわたって持続可能な社会制度の実現にむけて、本格的な改革が求められております。三位一体改革や地方分権の流れを正面から受けとめ、区民自身が自己決定、自己責任でよりよい地域社会をつくっていく時であることをひしひしと感じる毎日です。
一方、都区制度改革の問題については、主要5課題の趣旨に即した解決を悉く否定するかのような東京都の姿勢に対して、今定例会で、区として意見書をあげましたが、さらに総力をあげ、地方分権の視点を踏まえた強力な取り組みを進めていく必要があると考えます。

そこで、このような厳しい都区制度の流れの中で、今後都区協議においてどのように取り組んでいかれるのか、またこの5年間で370億円不足することに対しての、平成17年度を初年度とする、第2次財政健全化への取り組み状況はどうなのか、また今後どのような対応策を考えておられるのかお伺いいたします。

さらに、本区におきましては、初めて事業部制による一部枠配分予算方式を実施いたしましたが、その効果・メリット・デメリットを総括されておられるのか、これを踏まえて今後継続されるのかどうかについて伺います。「各セクションが主体的な取り組みを展開出来るシステムを構築出来る」というメリットが生かされるゆとりがあるのかどうか。心配しておりますので、お伺いいたします。

先の衆議院選挙の争点とされた“改革”は、区政運営においても同様であります。必要な改革はスピードをあげて取り組まなければならず、行政は、区民へのサービスの量や質を確保するために、民間活力の導入や事業・政策に対する評価・改善を図りながら、新しい時代の行政のあるべき姿を追求していくべきだと考えます。

また、これらの構造改革に加え、ソフト面の改革のスピードアップが必要であり、そのためにも、自治基本条例をきちんと定める必要性があると考えます。
区民の方々が、地域と結びつくことによって柔軟で細やかな対応が可能となり、地域での支え合いが広がることを期待するものであります。このような活動が地域の活性化を促し、その活動によって提供されるサービスが区民の豊かさにつながるよう、期待しております。区長のお考えをお聞かせください。

また区民ひろばの展開についてですが、多くの区民は、自分たちの地域に実際どんな施設があるのかが分かっていないのが現状です。すぐ目の前に住んでいながら、「中はこんな造りだったんですか?」と驚く人がいる位、意外と知らないのです。知らなければ、使うこともしません。前回の説明会では、全児童クラブに対する質問が集中し、ひろばが理解出来なかったような気がいたします。もう一度、施設見学会を含めた説明会が必要ではないでしょうか。お伺いいたします。

さらに、区民は夜間の広場利用を希望する人が少なくありません。しかし、これまでも夜間の利用となると、シルバー人材センターの開放係の手が必要となり、経費が高くつくことになります。そこで、一定のルールをもとに、地域区民ひろばの拠点を設け、自分たちで責任をもって鍵の開け閉めをするようにしてはどうでしょうか。お伺いいたします。

ここでの質問の最後に、地元の街づくりについて伺います。

旧千早中学校跡地に来年4月からオープンする新明豊中学校は、今着々と建設が進んでおります。そうなると、旧第十中学校もいよいよ廃校となります。

そこで、将来総合グラウンドとして整備される方向が打ち出されておりますが、それはいつ頃なのか、また現在の校舎はそれまでの暫定期間中の利用についてどのようにお考えなのか伺います。

現在豊島区は、旧朝日中学校を中心に芸術振興に取り組む非営利組織(NPO)と連携し、芸術や文化をテーマとした地域活性化に乗り出して成果を上げております。そして旧朝日中学校は、学校本来の機能を失うことなくさまざまなイベントを展開しており、子どもたちに自由に絵を描いてもらう「黒板車らくがき大会」や子どもたちと商店街の店主らによる商店街のPRフラッグの作成など大変好評を博したことを伺っております。

そこで、旧朝日中が東の文化活動拠点であれば、こちらは、西の文化活動拠点

「千早創造舎」として利用させてほしいとの要望があります。もちろん地域開放委員会などの理解を得て、スポーツ拠点として完成するまでの暫定的利用として考えてみてはいかがでしょうか。校舎や体育館などそのままで、手を加えることなく再利用できます。長崎アトリエ村も近しい地域でもあり、「文化創造都市宣言」にふさわしく、人々がよりいっそう元気になれるよう地域再生法に基づく地域再生計画を展開してはどうでしょうか。区長のご見解をお伺いいたします。

 

 

第2の項目として、子ども育成支援施策について質問いたします。

行動する未来学者 へイゼル・ヘンダーソン博士は、子育て・家事・ボランティアを通して「女性の労働は愛の経済である。生産の結果より、過程に価値がある。」と言われました。私も、本当にその通りだと実感しております。多くの方々が、子育てに生きがい・価値感・幸福感を感じられる社会にしていきたいものだと考えます。

公明党が提唱する「チャイルドファースト社会」とは、子育てを社会の中心軸に据えて、女性が安心して子どもを産み、育てることのできる “人にやさしい社会”を目指しています。

そこで本区における“子どもの健全育成支援策”として4点にわたり順次質問して参ります。

 

はじめに「無料保育切符の配布」についてです。

生後4ヶ月から就学前までの子どもを在宅で保育している家庭を対象に、日頃子育てに追われているおかあさんの育児の疲れを解消したり、気分転換をしてもらうために保育園などで利用出来る一時保育切符・子育て応援切符「パパ・ママリフレッシュ切符」を出産時に配布してはどうでしょうか。

在宅で子育てする世帯は孤立しがちです。地域内のコミュニケーションを促したり、親の孤立感や不安感を薄めたりする施策が必要だと考えます。子どもを預かる場所としては、公立保育園の枠は常に余裕がないところから、ファミリーサポーターが近隣の保育園(や児童館)で一緒に保育するというのはいかがでしょうか。在宅における子育て支援がこれまでほとんどなかったわけですから、無料で利用できる券を発行するなど、目に見える形で支援すべきではないでしょうか、お伺いいたします。

 

2点目に「食育のすすめ」について質問いたします。

「子どもたちが缶ジュース1本飲むことは、スプーン15杯も砂糖を入れて飲むのと同じこと」とは14年前の話題であり、小中学生の約半数が“生活習慣病予備軍”という実態を受け、学校検診に糖尿病早期発見の「尿糖検査」が義務付けられました。しかし未だ栄養の偏り・不規則な食事などで、肥満や生活習慣病が増えていることに変わりはありません。

話は変わりますが、厚労省は、国民総医療費が毎年ほぼ1兆円のペースで増え続けているところから、このまま増え続ければ、医療機関での窓口負担を現在の3割から6・7割、高齢者の窓口負担も1割~4・5割に引き上げることになるという試算を3月に示しました。

欧米では、国家的プロジェクトにより、これまで増え続けたガンや心筋梗塞による死亡率をストップさせることに成功しつつあるようですが、日本の食生活に関する問題は、30年前の米国と類似しており、24時間サービスの豊かさと便利さの大衆化が進んだ結果、肥満、高血圧、ガンや糖尿病などが増えて、それが医療費を押し上げ、また荒れる、キレル、引きこもるなどの子どもの問題行動も激増しているとも言われます。このような状況の中、日本でも米国のように生活習慣病を減らせば医療費も減らすことが出来、国民の負担を軽くすることが可能になるということもあり、先月15日、国や自治体、学校などで、食育運動の展開を定めた「食育基本法」が施行されました。

食育は最善の予防医学であり、健全な社会をつくる土台とも言われ「食育がしつけの基本」であった明治の終わりから約100年、今ようやく“食育維新”が起こりつつあります。

3年前、豊島区生活産業課 消費生活センターの実施した、「区内小学生の食生活と健康」についてのアンケートによりますと、配布数786枚、回収率約7割の中で一番驚かされたのは、外食・コンビ二弁当は、1週間に1回から3回利用すると、答えている人が6割に近く、またメニューを決める時に一番重視する点は嗜好であり、カロリーについては、ほとんど重要視されていない状況でした。

欧米では「食べ物があなたです。」とか「何を食べたかで生活と人生は決まる」などのスローガンを掲げ、幼児の教材やテレビ番組で子どもに直接呼びかけているとのことです。

そこで、21世紀を担う子どもたちの健康・学校での食育を考えるために、私は愛知県の西尾市立寺津小学校を視察してきました。ここでは、児童・生徒が「食べることへの感謝がない、好き嫌いが多い、食事を残す、つくれない」などの実態を踏まえ 総合学習の時間を使って昨年から食育科授業に取り組んでおります。食事を通して自ら健康管理ができることを目標として、担任教諭と栄養職員とのティーム・ティーチングによる食育科の授業です。また、調理活動の実践に親子で取り組むことによって、保護者の意識を高め、家庭における食生活の改善を図っています。

実施してわずか1年で、学校においては給食の食べ残しがなくなった。子どもに落ちつきが出てきた。学校の食育授業で家庭の食事の栄養バランスまで改善されて来ているという成果が出ているとのことでした。

本区におきましては、それぞれの学校に栄養士が配属され、給食現場でのさまざまな努力の中で、子どもたちにも喜ばれる学校給食が実施されておりますが、

学校教育法が改正され、学校における食育の推進を図るため、栄養教諭制度の創設ということで、すべての学校に栄養教諭を置くことができるようになりました。学校教育現場の中で、子どもたちに食事や栄養の必要性を教え、伝えていく上で重要な役目だと考えます。そこで、本区の給食の状況・残菜について、また栄養教諭の今後の授業の取り組み方や対応についてどのように検討されるのかを伺います。

また食育についての絵本を保育園、幼稚園、学校などで子どもたちの目に触れるようにしたり、保育園や小学校などでモデル事業として行ってはどうでしょうか、合わせてお伺いいたします。

また、「食べ物を残さず食べる」ということでは、耕す、育てるという活動により、収穫の喜びや苦労を学び、食べ物を残してはもったいないという精神を学ぶためにも、田植えをしたり、野菜を育て、収穫したものをみんなで喜んで食べるという作業が大変大事になって参ります。そこで、現在全国展開されております都市農村交流、子ども農業体験学習を移動教室などで、実施してはいかがでしょうか?

本区でも一部実施されているようですが、農村などの自然の中で、3~4人づつ農家に泊まりながらお手伝いをすることで、たった1泊でありながら多くのかえ難い体験をつかんでいる話を伺っております。

ぜひ、本区の子どもたちにも体験の場をと考えますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

 

3点目の質問は「竹岡健康学園について」であります。

健康学園は戦前に臨海学校として開校し、終戦直後には疎開学園として、また公害が社会問題化した高度成長期には喘息の児童らが療養する施設として、時代とともに、その形を変えて来ました。

現在は、現代病とも言える肥満、偏食、アレルギーなどに悩む小学3年から6年までの児童が健康回復のためにというケースが多いという実態ですが、これまで

23区のうち3区を除く20区が設けていた健康学園も、財政難に加え、対象となる利用児童数の減少で、多くの区が廃園をしてきております。

本区におきましても「竹岡健康学園の今後のあり方検討会」についての答申が出され、来年度の利用児童数によっては、廃止を含めた結論を出さなければならない状況にあります。

そこで伺いますが、運営上の経費については、来年度の東京都の財調の見込みはどうなっているのでしょうか。

②点目に、竹岡健康学園も今年創立70周年を迎え、学校の様子や子どもたちの生活状況を広く知らせるためのさまざまな努力をされておりますが、来年度の利用児童数の予想状況をお伺いいたします。

③点目に、どんな状況下でも、持続しなければならない事業というのはあると思いますが、健康学園の目的からすると、肥満や喘息など健康上の課題がある児童の対象者数は依然として多いことに変わりありません。それを考えると、竹岡に行ける子どもだけでなく、これらの課題を抱えた全ての児童が参加し易い健康施策が必要であると考えますがいかがでしょうか。

子どもたちの健康上の課題となるものの多くは、喘息以外では主に、肥満であり・偏食・虚弱であります。これは、現在の健康学園でも実施されているように、先ほどとりあげた“食育”にしっかり取り組むことで対応出来るのではないでしょうか?

ただ、現在の健康学園の良さは、その卒業生や関係者が語るように裏に山、表に海、そしてたくさんの木々や草花に囲まれた自然いっぱいの所で、親元を離れての集団生活ときちんとした健康管理の教育があり、しかもその性格上、大人のプランに子どもを合わせるのではなく、“子どもに合わせた”教育指導がされているというところであります。その面では考えさせられるものがあり、本当に求められる教育改革がなされるべきだと考えます。

私たち公明党議員団は、先日、都立 久留米養護学校を視察して参りました。

都立でただ一つ病弱な児童・生徒を受け入れている養護学校で、自然に恵まれた校舎の回りを散策すると、何と1、5キロ、東京ドームの1,5倍の敷地に建てられた校舎はため息の出るほど素晴らしい造りでしたが、練馬・板橋の子どもが多いのに比べ豊島区から来ている子どもが一人もいないということは不思議な気がいたしました。

ここは肥満の児童もおりましたが、病気や身体が弱いため通常の学校生活に制限がある子どもたちばかりでした。

豊島区の対象者に充分情報が行き届いているのでしょうか。お伺いいたします。

④点目は、東京都の健康学園に対する考え方であります。

東京都が財調をなくす方向にあるのであれば、23区で一箇所でも東京都が責任をもって、海のそばなど自然に恵まれた場所を確保することにより、課題を抱えた児童生徒を受け入れられる施設を確保してもらえるよう東京都に要望していってはどうかと考えますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

 

 

子ども育成支援施策、4点目の質問は、「地域合宿について」であります。

第8地区の青少年育成団体が主催で、西部区民事務所を利用して毎年実施される、“わいわいキャンプ”は今年も申込みが殺到して、80人のところに220人が集まり抽選となりました。この催しのそもそもの始まりは、阪神大震災の防災の教訓であります。人間関係の希薄が叫ばれる中、同じ地域の子どもたちがともに、グランドで飯盒炊爨の食事をし、みんなで銭湯に行き、公衆マナーを学び、テントで寝泊りします。

毎年暑くて眠れず、「もう来年はいやだ!」と言うかと思えば、「また来年も絶対来る」と子どもたちは言うのです。みんなとっても楽しんで帰っていきます。

地域合宿は、この連泊パターンとでも言いましょうか、年齢の異なる小学生が地域の施設で数日間、寝食を共にしながら学校に通うこの「地域合宿」への取り組みが全国に広がっております。親元を離れて共同生活をしながら、買い物、炊事、掃除、洗濯などの生活体験を子ども同士で相談しながら行うもので、核家族化、少子化が進む一方、子どもたちの生活体験、“生きる力”などを育むのが大きな狙いで、日頃の親子関係を見直すことでの“家庭の教育力”向上や地域ボランティアの参加による“地域の教育力”向上もめざしております。

この地域合宿の場所としては、高齢者ことぶきの家・社会教育会館・児童館など給食調理室のある施設で、20人位づつ6~7人の班に分かれて行っており、ボランティアも地域住民が中心のものや大学生が中心のもの、高校生も加わるなどいろいろなパターンで行われており、次第に地域の人々による自主運営の方向に移行させているところもあり、いろんな成果・効果が見えております。

地域合宿の目的にも通じる青少年育成委員会の活動でキャンプや野外活動はどのように取り組まれているのでしょうか。

親元を離れて異年齢集団で生活体験することにより、自主性・協調性を高め、子どもの生きる力を育み、子どもと離れて暮らすことで、日頃の親子関係も見直されるというものです。

豊島区は自然には恵まれませんが、施設には恵まれております。身近な施設を価値的に使い、子どもたちにどう豊かな体験の場を提供出来るかは、私たち大人の責任です。

地域・保護者・行政が協力し合い、このような体験学習を積極的に取り入れて欲しいと考えますが、いかがでしょうか。区長の前向きな答弁を期待いたします。

 

 

この項目の最後の質問は「一般区民の聴講制度」についてであります。
昨年9月には「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が施行され、コミュニティースクールが制度化されました。

地域に開かれた学校づくりを目指す自治体が増え、様々な取り組みが話題を呼んでおります。今年2月には多くの学校が指定を受け、さらに18年度には、146校以上になると予想されております。こうした公立学校の運営に地域の人たちが参画するしくみが出来つつある中、愛知県扶桑町では、地域住民が希望すれば、自由に授業を受けられるという全国初の「小中学校聴講制度」をスタートさせました。
地元の高齢者などが子どもたちと同じ教室で、授業を受け、希望すれば給食も実費負担で食べられます。この制度が子どもたちにも意外な効果を生んでおります。
聴講生の最高齢者は80歳。生涯学習と学校教育を開かれた学校づくりの中で実現した事により、教職員にとっても授業での緊張感が増し、さらには、学校施設内での防犯効果も期待されています。
予算をかけることなく、生涯学習を推進して、地域の教育力を高め、さらには、開かれた学校へとつなげられる「一般区民の聴講制度」は、大きな効果が期待できるものと考えます。教育長のご見解をお聞かせ下さい。

 

 

次に介護保険について質問いたします。

5年に一度の見直しによる今回の法改正では、介護や支援を必要としない元気な高齢者を増やし、今後も介護保険を円滑に運営し続けていくことを目的としており、特に住み慣れた地域での生活を支援する体系を確立することが求められております。24時間対応可能な訪問介護や宿泊も出来るデイサービスなども地域の特性に応じて介護保険で認められるようになるということで、地域密着型のサービスの創設等が挙げられております。本区においても、3月に出されましたアンケートの調査結果を参考に、介護予防サービスに向けた取り組みと展望についてお伺いいたします。

はじめに、これまであった社会福祉施設整備等補助金を見直す中で設けられた地域介護・福祉空間整備等交付金を活用した今後の取り組みについてですが、介護予防事業をする上で、拠点の拡充は欠かせません。また、この交付金の対象事業として、宿泊ができて、通所ができる、そして利用者への訪問も実施するという小規模多機能型拠点等のいわゆる地域密着型サービス拠点が示されておりますが、この交付金の有効活用をどのようにお考えかお伺いいたします。
2点目に、総合的な相談窓口となる地域包括支援センターの整備、新予防給付の計画・管理・地域支援のため、介護予防マネジメントの実施体制、介護予防サービス提供事業者の指定と準備期間の確保のために、その施行時期については2カ年の延長も可能となっていますが、本区ではどのようにお考えでしょうか。
3点目に、地域支援事業についてはその対象者、いわゆる介護予備群と言われる方々は、高齢者人口の5%と言われております。本区においては約2300人位になると思いますが、サービス量が決定すれば、おのずと介護保険制度内の地域支援事業を利用する人数は限られます。本区の場合はいかがでしょうか。また介護保険の利用料は1割ですが、地域支援事業の利用料負担についても伺います。

4点目に、地域包括支援センターの運営については、公正・中立を確保する観点から市町村の責任を明確化するとともに、地域に根ざした活動を行っている在宅介護支援センターの活用を含め、地域の実情に応じた弾力的な設置形態を認めることという1項目が入りましたが、地域包括支援センターのありようは介護予防事業における大きなポイントとなります。介護予防コーディネーターの役割は、介護予防という考え方を地域の中へより浸透させるとともに、行政と高齢者へのパイプ役となり、きめ細かく情報を伝え、さまざまな事業への参加を促し、高齢者のもてる力をいかに引き出せるか。また対象者にとって、いかに魅力ある事業にしていくかが重要だと考えております。何より取り組む人容と意気込みが求められますがいかがでしょうか。お伺いいたします。
介護保険制度発足後初めての制度改革の年に当たり、制度導入時同様、スタートまでには多くの御苦労が想定されます。しかし、事業の成否のかぎを握るのは運用に当たる自治体であります。高齢者等の皆様が住みなれた地域で、希望を持って安心して暮らせるよう、また若い時とは違う第2・第3の人生を少しでも生き生きとした高齢期が送れるよう御尽力をお願いいたします。

最後に、その他の質問として、「ホタルの里」構想についてお伺いいたします。

「自然の叡智」をメーンテーマにした愛地球博は、大成功のうちに幕を閉じましたが、自然との共生にむけて、具体的な活動の展開が期待されます。

先日私は、板橋区の蛍飼育施設を訪ねました。そこには、ホタルの光や飛び方がどのように人に癒しを与えるかについて、脳波を測定しながら科学的に検証し、博士号を取得したホタル博士 阿部宣男さん(板橋区役所、職員)がおられ、そのお話を伺って非常に感動いたしました。それは、この施設の基本姿勢は単にホタルの数を増やすことではなく、ホタル意外のさまざまな動植物が育つために必要なものは何かを実践的に研究し、特に水質・土質を悪くする有機物を分解、浄化するバクテリアを増繁殖させることにより動植物すべての世代交代を目的にしているということでした。

阿部さんは、「蛍生息の条件づくりは決して難しくない。これまで全国67か所の自治体から要請を受け、現地に出向き、みずから土壌づくりなど、蛍生息の環境づくりを支援してきて、今まで1か所の失敗もありません。要請があれば、豊島区でも蛍の生息する環境づくりの支援をします。必ず成功させ、私が生きている限り責任をもちます。」と力強いエールをいただいてきました。さらに阿部さんは、蛍は愛と希望でもあるとおっしゃっています。まさしく蛍は平和の心であり、平和の象徴であると思います。築30年の廃屋から始めたというこの施設も、6・7月には毎日2~3千人という長蛇の列ができるそうです。平和の象徴である蛍を愛し、蛍を求めている区民がいかに多いかであります。

また、私は先日、愛知県西尾市の「平原ゲンジボタルの里」を見てまいりました。西尾市は人口10万人ですが、蛍が飛び交う時期には毎日7~8千人が訪れるそうです。蛍の生息する環境整備は、小学校からお年寄りまで地域全体で行っています。
私も長野で育ちましたが、小・中学生のころは、ホタルをたくさん見て育ち、そこここに舞うホタルを追いかけて歩きました。ひと昔前までは、あちらこちらに自生し、人々にうるおいを与えてきましたが、都市化や工業化に伴う川の汚染や改修・農薬散布などが進むにつれ、いつの間にか生息地が減って、今では、全く見ることが出来なくなりました。

究極のビオトープと言われるこの蛍の里。この蛍の生息を環境保全のテーマとして、また夢の持てる構想の1つとして板橋区のケースのノウハウを参考にしたり、民間の協力を得て取り組んでみてはいかがでしょうか。目白庭園などを使って行えば、きっと施設の活性化にもつながると考えます。子どもたちにもぜひ、平和のシンボルのホタルを見せてあげたいと思います。区長のご所見を伺います。

 

以上をもちまして、私の質問を全部終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

2005・9・27    このしますみ子