「豊島未来へ 子ども達を安心して育める街に」

2004平成16年11月30日

私は公明党豊島区議団を代表して、「豊島未来へ 子ども達を安心して育める街に」と題しまして、一般質問をさせていただきます。

質問の前に、新潟県中越地震で亡くなられた方々,被災されて、いまだ避難生活を余儀なくされている方々に、心からお見舞いを申し上げます。豊島区も防災協定を締結した堀の内町に対し、いち早く支援物資の配送や職員を派遣されましたが、私ども公明党豊島区議団も10月28日に代表3名が被災地に向かい、現状を視察して参りました。さらに救援の会の皆様とともに10月30日、募金活動をさせていただいたところ、雨にも関わらず多くの方々から真心の募金をいただき、日本赤十字社にお届けいたしました。これから冬本番となり、さらに厳しい環境になることが予想されますが、どうか、一日も早く元気にもとの生活にもどれますように、心からお祈り申し上げます。

本年11月17日公明党は結党40周年、さらに連立政権に参加して5年目を迎え、過日行われた党大会で、地方主権の確立、社会保障の再構築をはじめ多くの課題解決と国民生活の安定に向けて地方議会,国会の連携をさらに密にして取り組むことを誓い、新たな出発をいたしました。

さて豊島区は、区長を先頭に財政健全化計画にもとづき、歳出抑制、歳入確保、職員の定数削減等々、目標以上の成果をあげてまいりましたが区の財政状況はさらに厳しさを増し、区長公約の「平成16年度には財源対策に頼ることなく黒字に」との思いとは大きく異なり、向こう5年間で370億円の財源不足という結果になりました。

そして、この厳しい現実の中で,大幅な施策の見直し、廃止等が盛り込まれた新たな「行財政改革プラン2004」(素案)が策定されました。このプランは本区の現状と今後の方向性について、さまざまな角度から分析されておりますことは評価するものの、区民の納得を得るには大変厳しいものがあると思われます。区長は召集あいさつの中で、「改革により新たな課題やニーズにチャレンジする体力を回復し、将来に向け豊島区の魅力と活力を創造する政策を推進していく」と言われました。しかし多くの区民は、活力と体力を減少しつつ、希望と勇気を見出せないまま、新たな改革プランを示されたことに驚きと戸惑いを隠せないのが現状であります。このような状況のなか再び新たな挑戦と理解を求めるには、相当な覚悟と説明を果たさねばならないと思われますが、区長のお考えを伺います。

また今回のプランはどうしても予算の削減のみが強調されているように受け止められてしまいますが、実現に対する具体的取り組みと、これによりどのような相乗効果を生み出すのかを、もう少し分かり易くお示しいただけますようお願いいたします。

また区長は荒井白石の言葉をひかれ「私をはじめとして、職員ひとり一人が区民の皆様と謙虚に向き合う心を片時も忘れてはならない。」と言われておりますが、職員に区長の思いが伝わるかどうか、まず職員から徹底しなければならないと思いますが、区長のご決意を伺います。

その他、新東京タワーの誘致については、実現すれば民間団体の試算で約770億円の経済効果があると発表されております。都市再生など示された施策との関連も合わせて「としま未来」の姿をお示しください。

私ども公明党は安心と安全、希望と活力、魅力あふれるふるさと・人に誇れるまち豊島区をめざしてこれからも区民の目線で厳しい財政状況を打開するために万全の努力をして参ります。

第二点目の質問は、先日報告を受けました次世代育成支援行動計画「豊島区子どもプラン」素案を踏まえて、具体的施策も合わせてお伺いいたします。

現在、少子化が社会全体として深刻な問題となっており、私ども公明党と致しましても、子どもを生み育てやすい環境づくりと、子育て支援策に全力で取り組み、その中で児童手当の拡充や、乳幼児医療費の無料化、奨学金制度の拡充や不妊治療の公的助成等、様々な政策を実現して参りました。

国としても関係省庁をあげて総合的な子育て支援に取り組み、「エンゼルプラン」「緊急保育対策5ヵ年計画」「新エンゼルプラン」等が策定されてきましたが、少子化の流れはとどまるところを知りません。

厚生労働省は、このような少子化の流れを変える為、仕事と家庭の両立支援に加え、男性を含めた働き方の見直しや、地域における子育てに重点をおき、「次世代育成支援に関する当面の取り組み方針(少子化対策プラスワン)」を取りまとめ、平成15年には、この「少子化対策プラスワン」を推進するため、「次世代育成支援対策推進法」を成立させました。

この法律では、企業、自治体、国及び地方公共団体の機関はそれぞれ、今年度中に次世代育成のための行動計画策定を義務づけられております。次世代育成支援のタイミングが遅れ、人口減少が加速しはじめると、いかなる対策を講じても歯止めがかからなくなってしまいます。深刻な少子化を背景として、社会全体で次世代の育成に取り組む、実効性の高い行動計画の策定が期待されるところであります。

本区におきましては、これまで「豊島区基本計画」や「子ども・家庭支援豊島プラン」を策定し、施策の充実に努めてきたところでありますが、まだ未着手の事業も残っているのが現状です。時代や区民ニーズの変化から「豊島区子どもプラン」として再度見直しをし、策定していくわけですが、財政困難な現在、新たにプランが策定されても財源の裏付けがなければ単なる計画で終わってしまうと考えますが、まずその点についてどのようにお考えなのかお伺い致します。

次に具体的施策として7点にわたり質問いたします。

1点目として、「子ども権利条例」について、お伺いします。

豊島区基本構想の中でも「子どもの権利を保障し、子どもがのびのびと育つ環境づくりを進めます。」と明記されており、権利の理念を具体化する「子ども権利条例」の制定につきましては高く評価するものであります。

この「子ども権利条例」の制定につきましては、ヒヤリングという形で子ども達の声を聞き取り調査されております。現在、本区におきましては年に一度、子ども区議会が行われておりますが、意見表明の場としてはまだまだ不十分であると考えます。特に子ども施策については、子どもの意見も尊重して取り入れていく必要がありますので、本区でどのような取り組みが行われているかを公式ホームページにも、子ども用に分かり易く掲載する事が望まれます。このような子どもの参加と意見表明権につきまして、どのように保障されていくのかお考えをお聞かせ下さい。

また、計画の中には平成18年度を目途に「(仮称)子ども権利擁護センター」の設置がうたわれておりますが、「子ども権利条例」の制定につきましては、権利の救済機能が不可欠である事から、条例制定後はただちに設置していただくよう要望いたします。さらに、虐待やいじめなどの深刻な問題に対応する守秘義務を負う専門の人員配置が必要と考えますが、いかがでしょうか。

いずれにしましても、学校や保育園、幼稚園、PTA、育成委員、教育委員会、子ども家庭部など、それぞれの立場で行なっている事業の中で子どもの人権について状況を見つめ直し、子どもの立場に立って相互ネットワーク化を図っていく事が重要だと考えます。

次に、条例の広報手段についてでありますが、保護者は勿論の事、子ども達と関わる全ての人に広報をし、学習の場を提供していく必要があると思います。また、この「子ども権利条例」の精神が地域で生かされていくには、子ども達自身が権利を自覚する為の広報活動が大切であります。人間は子どもの時に身につけた価値観を、ずっと大きくなるまで持ち続けるものです。大きくなってからそれを変えるのは、決して簡単な事ではありません。子ども時代にきちんと「平和教育」「人権教育」をしていく重要性がここにあります。条例の広報手段としては、単にわかりやすく伝えるというのではなく、子ども達が権利に気づき、考え行動するような内容にする事が求められます。行政機関が別々に広報するのではなく、民間団体を含む関係団体の英知を結集し、なおかつ子どもと共に作っていく事が望まれますが、いかがでしょうか。

また、子ども向け広報には、権利の救済方法あるいは権利行使の事例、救済機関への連絡方法等の記載は、不可欠であります。個別には、他国籍等の子どもや、障害を持つ子どもなどへの配慮があるかもポイントであると考えますが、お考えをお伺い致します。

更に具体的な施策の2点目として、安心して産み育てやすい環境の整備が求められております。「子どもは欲しいけど、お金がかかる。」これが本音ではないでしょうか。出産までも、当然の事ながら保険が利かない為、高額の検診料を負担しなければなりません。若い子育て中の家庭には、これが相当の負担となっております。本区の合計特殊出生率は、全国平均の1.29よりもはるかに低い0.77という結果が出ており、何らかの手立てを考える必要があると思います。そこで、妊産婦健康診査の公的助成の拡充を提案いたしますが、お考えを伺います。

3点目に、「区立保育所の民営化について」です。

このプランには、現在の保育ニーズの変化や、国や都の保育施策の動向、区の財政環境などを視野に入れ、多様化した保育需要に対応していく為、区立保育所の段階的な民営化がうたわれております。しかし、地域では保育所の民営化反対の署名が行われており、内容を見ますと、反対理由として「保育の質が低下するから」とあります。同じ保育士の資格を持つ人が保育にあたるのですが、民営になると質が落ちると言われており、本当にこのような事があれば大変な事でありますが、現実的にはどうなのでしょうか。また民営化になると何がどう変わるのでしょうか。区民にとってメリットはあるのでしょうか。さらに、民営化した時に区として「保育の質」を確保する為にどのように指導、監督していかれるのかお聞かせ下さい。

4点目に、「幼保一元化」についてお伺い致します。 

幼稚園と保育所の機能を統合する「幼保一元化」を推進する為、国は2005年度、全国30ヵ所でモデル事業を実施し、06年度からの本格導入を目指しております。品川区や千代田区など、既に取り組んでいる自治体もありますが、幼稚園と保育所が行事を供にするなど、預かり時間の柔軟化により多様なニーズに応えております。保護者からの反響は大きく、「長時間の保育だけでなく、幼稚園での教育も受けられるので本当に良かった。」との声がよせられていると伺っております。

本区におきましても、幼稚園と保育所の連携を進めていくようですが、どのようなスケジュールで検討されていかれるのか。また、素案には幼保一体化の総合施設の整備がうたわれておりますが、どのように財源の確保をして実現していかれるお考えか、お聞かせ下さい。

5点目に、「病後時保育」についてお伺い致します。

保護者の働き方が変化し、責任ある職についたり、一人親家庭であったり、なかなかまとまった休みがとれない方が増えている中での「病後時保育」は、要望の声が多い事業となり、平成18年度には本区内で初の病後時保育が行われる予定になっております。 この南池袋の病後時保育事業の概要をお聞かせ下さい。また状況によっては一か所で充分なのかを検討する必要があるかと思われます。病後時保育は、その日によって人数に変動があり、事業としては成り立ちにくいものであると思います。また、医療機関との連携が必要となることから、実施できる場所も限られてくると考えますが、保健所での実施を検討されてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせ下さい。

6点目に、「子育て広場」について、お伺い致します。

23の小学校区域に整備される子育て広場については、幼児の保護者にとっては、最も身近な子育て相談の場になる事が望まれます。その意味からも、配置される職員については、専門知識を持ち豊富な経験を持つ方がふさわしいと考えます。そこで人員配置についてはどのようにお考えか、お伺いいたします。さらに、子育て広場と、家庭支援センターの位置づけについてもお聞かせ下さい。

7点目に全児童クラブについてですが、

来年度のモデル実施校を6校に絞ったことについては、区の財政状況のゆえと理解しており、子ども達の平等な教育環境整備という面では、一日も早い全校実施が望まれるところです。そこで、当初今年度実施の南池袋スキップが、モデル実施という事でありましたが、どのようにこの事業を検証されたのかお伺い致します。

また、児童館がらみで反対の声もあった中での実施でしたが、実際のところどのような状況になっているのか、子ども達の声も合わせてお聞かせ下さい。更に、来年度実施の6校に、その検証結果をどのように生かしていくのか、お考えを伺います。

次に、子どもの読書活動について、お伺いいたします。

読書活動は、子どもが人生をより深く生きる力を身につけていく上で、欠く事のできないものであり、フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーは「活字文化こそ人間社会の光明なり」と叫んでおります。

また、ある教育者は、読書の効用を次の三点にわたって挙げております。まず、第一に「読書経験が、ある意味で人生の縮図をなしていること」。第二に、「蓄えられた読書経験は、巷にあふれ返るバーチャル・リアリティーのもたらす悪影響から魂を保護するバリアとなること」。そして第三に、「読書は青少年のみならず、大人たちにとっても、日常の生活に埋没せず、人生の来し方行く末を熟考するよいチャンスであること。」そしてもっとも重要なことは、「読書経験を通して、子どもたち自身の“問いかけ”を大切に育みながら、時間をかけて自分を見つめ、自分の力で“答え”を探し出す力を育んでいくことである」としております。

しかし、現状はテレビ・インターネット・テレビゲーム・携帯電話等の普及により、子どもの「読書離れ」が指摘され、青少年犯罪はより低年齢化し、増加の一途をたどる中で、読書に再び光があたってきたのも子ども達の内面を耕す読書の重要性が再認識されたからであります。

このような状況をふまえて平成13年12月「子ども読書活動推進法に関する法律」が公布・施行されました。さらにこれに基づき、平成14年8月「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が閣議決定をされ、平成14年度から平成18年度までの5年間にわたり、子どもの読書活動推進のための環境整備の基本的方向と具体的な方策が定められました。

これにともない各都道府県及び市区町村は「子ども読書活動推進計画」の策定に努めなければならないとされており、ご承知の通り東京都ではすでに、子ども読書活動推進計画を策定しております。本区におきましても、計画策定の検討委員会を早急に設置する必要があると考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

さらに、東京都の計画の中では学校図書館の具体的施策も示されており、学校図書館は「読書センター」「学習情報センター」としての役割を担い、計画的な整備、充実が明記されております。

昨年第四回定例会での私の一般質問の中で、学校図書室の整備、充実、活用について触れさせて頂きましたが、その折教育長から「検討委員会を設置する」旨の御答弁を頂きました。この学校図書室も当然の事ながら「子ども読書活動推進計画」に含まれてくるものでありますが、その後の具体的取り組みについてお聞かせください。

また、子ども達に読書の楽しみを伝える為の読み聞かせのボランティア養成講座の開催も、区民から多くの要望がございます。

先日、本区といたしまして初めての「読み聞かせ講演会」が開催され、  116名の方が参加されたと伺い、区民の意識の高さを実感いたしました。参加された方のアンケートを読ませて頂くと、読み聞かせの選書、読み手としての心構えなどの講座を要望する声が数多くあります。読書活動の振興を図る、ボランティアの育成も重要だと考えますが、いかがでしょうか。

また、区内には様々な読書のボランティアグループが活動されておりますが、意見や情報交換をする場もないのが現状です。区が中心となって連絡協議会を設置するなど、積極的な取り組みが望まれるころであります。また、読書離れが顕著な中学生・高校生に対しては、文化特区を指標する豊島区ならではの取り組みが期待されるところでありますが、いかがでしょうか。

更に 区立図書館は、地域における子ども読書活動推進の中核的役割を担う事が期待されます。その意味からも、読書相談や、読書指導、学校図書室との連携等、中心的役割を果たすセンター機能が必要になってくると考えます。そこで、中央図書館に「子ども読書活動支援センター」を設置する事を提案致しますが、お考えをお伺い致します。

いずれにしましても、様々な読書運動を展開するにあたっては、専門の知識を持つ担い手が必要であります。センターが設置されたとしても、身近な地域図書館に専門知識をもつ人材が確保されなければ、読書活動の推進も看板倒れになってしまうからです。財政困難な状況から、現在区立図書館の業務委託を進めておりますが、この担い手の確保についてどのように考えておられるのかお聞かせください。

また、地域には、司書資格をお持ちのボランティアでもいいから図書室で仕事がしたいという本が大好きな方がおられます。さらに、地域から学校図書室への本のリサイクルについてのお考えもお聞かせください。

教育長の積極的な御答弁を、期待致します。

第四点目に、子ども達の防犯対策についてお伺い致します。

昨今、子どもを狙った犯罪が多発しており、先日も奈良県で小学校一年生の女児が犠牲になるという、悲しい事件が起こってしまいました。本区におきましても、10月末に「子どもを誘拐した」との不審電話が6校で発生し、路上での不審者情報は後を絶ちません。このような状況から子ども達を守る為に、何が出来るのかを真剣に検討していく必要があるのではないでしょうか。

公明党は都内全域の小学校における「安心・安全総点検」を行いましたが、本区におきましても、殆どの学校で要望されたのは、スクールガード(警備員)の配置とボランティアや地域の協力員によるパトロール体制の整備であります。また学校施設内の防犯設備の強化を図る必要から教職員に常時携帯できる無線端末機を配備し、緊急時には端末機から直接校内放送ができる緊急警報システムの導入などが望まれますが、これらに対する区としてのお考えをうかがいます。

さらに、学校から保護者への携帯メール等を利用した情報配信システムについて提案させていただきます。

現在、何かあった時家庭に通知するプリント方式では、保護者の手元に届くまで既に数日が経過しております。このような状態では、子どもに注意の言葉もかけられません。

荒川区では、児童生徒の安全に係わる緊急情報を迅速かつ的確に伝達するため、学校から保護者の携帯電話等にメール配信をする事業を全区立小中学校で実施をしており、私ども公明党区議団も視察して参りました。

このシステムは、危機管理対策室から入る事件・災害の発生情報や各学校のさまざまな連絡を、保護者に対して迅速かつ漏れのないメール配信で行うことにより、注意喚起をうながし、地域の安全性を高める為に大変有効であると考えられます。新宿区や杉並区、世田谷区なども、それぞれのシステムを開拓しているようですが、本区としてもぜひ実施すべきと考え、区としての積極的なご答弁を期待いたします。

また、今年度から新たに実施されましたセーフティー教室についてですが、初めてという事もあり、学校によってその取り組み方は、まちまちだったようです。終了後に行なわれた学校・保護者・地域・警察との懇談会では、この意義が浸透されておらず、まだまだ課題が多い事を感じました。このセーフティー教室の更なる内容充実を図ると共に、学校・警察・地域の連携で更なる防犯体制の教化を望むところですが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせ下さい。

さらに防災無線については、現在夕焼けチャイムや投票の呼びかけなどに使用されておりますが、ひったくりや空き巣など、発生した地域を限定して、情報を配信されてはいかがでしょうか。実際に行っている自治体もあり、二次被害を防ぎ犯罪抑止に役立つと考えますので合わせてお伺いいたします。

第五点目に、発達障害者の支援についてお伺いいたします。

子どもは発達段階に、いろいろな事を獲得しながら成長していきます。しかし、何らかの原因で年齢相応の発達がとげられず、心身の機能不全が一生持続するという状態が「発達障害」であります。自閉症がその代表であり、千人に一人から二人の割合で発症すると言われてきましたが、最近は百人に一人と言う報告もあります。

私ども公明党はこれまで、発達障害者の支援に先駆的に取り組み、現在、自閉症やアスペルガー症候群、注意欠陥多動性症候群、学習障害などを対象にした「発達障害者支援法」の国会審議が進められております。私もこれまで、保護者の方々の声を伺って参りましたが、存在そのものがあいまいにされ、今まで法制度から除外され続けた自閉症障害に光があてられようとしていることは、大変喜ばしい事であります。

私は先日「東京都自閉症・発達障害支援センター」を視察して参りました。昨年1月に東京都からの委託で社会福祉法人内に設置された、都内唯一の専門スタッフによる支援センターであります。ここでは、相談・療育・就労支援を行っておりますが、たった4人で対応しており、たとえ相談があったとしても抱え切れない現状です。国や都の支援の拡充が必要ですが、乳幼児期から成人期までの一貫した支援を行うには、区での支援体制の整備が不可欠であります。

そこでまず、現在本区では、発達障害者の支援についてどのように取り組んでおられるのかを、お伺いいたします。

次に、発達障害の特性理解の為の研修や講習会を相談員や保育士、教師、施設職員など、関係する全ての人に実施し、また、支援センターとの連携の窓口機関を明確にしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

先日、小児・思春期精神疾患の専門病院である、都立梅が丘病院へも視察に伺いました。病棟と共に養護学校の分教室があり、体育館・運動場も整備され、発達段階に応じた個別指導プログラムを作成し、医療と教育との密接な連携のもとに入院児の教育が行われておりました。

市川医院長は「早期発見で、症状を理解し、生活習慣や人との関わり方などを教えていけば、社会に適応していく事ができる。」と言われておりました。特別支援教育の導入を前に、教育・医療・福祉が一体となった相談窓口、支援体制を確立していく事が重要であると考えますが、お考えをお聞かせ下さい。

第六点目に「自動体外式除細動器」の設置について、お伺いいたします。

現在、心臓突然死は、年間4万人とも言われております。この突然死の中で最も多いのが、心室細動であり、この心室細動が起きた心臓を元に戻すには、電気ショックを与えるしかありません。それを可能にするのが、「自動体外式除細動器」いわゆるAEDであります。

以前、AEDの使用は「医療行為」とされ、医師にしか認められませんでした。しかし、処置が一分遅れるごとに生存率は10%ずつ下がる「心室細動」では、一刻も早い電気ショックが必要になります。この為厚生労働省は、昨年救急救命士や航空機乗務員の使用を認め、本年7月からは、救命の場に偶然居合わせた一般人の使用も認められる事になりました。

AEDは音声ガイドに従って使う仕組みになっており、誰にでも使用が可能であると言われております。欧米ではすでに設置が進んでおり、救命率の上昇と安全性が確認されております。これから、全国的にも公共施設や集客施設に設置されていく事が大いに予想されますが、本区としてのお考えをお聞かせ下さい。

また、交通機関やホテル、デパートなどの不特定多数が利用するところの現状はいかがでしょうか。区としてどのように指導されていくのか、お伺いいたします。

本区と致しましては去る7月29日に、学校保険会がこのAEDの講習会を先駆的に取り組んでおられ、この取り組みは新聞でも大きく報道されました。財政難の折、即設置は厳しいかもしれませんが、人命救助は何よりも優先されますので、関係機関への協力が得られるよう、様々な方策を講じていくよう要望いたします。

第七点目に、旧時習小学校跡地の帝京平成大学誘致に関連した、周辺道路整備についてお伺い致します。

旧時習小学校跡地は、帝京平成大学が購入し、大学本部と医療系学部のキャンパスになる予定であると伺っております。まだ、正式にはどの学部が入るのかは、決定していないようでありますが、四千人もの学生の移転を検討されているようであります。

学生は、最寄の池袋駅からの通学が主体になると思われますが、特に明治通りの歩道幅員は十分なものとはなっておらず、雨の日などは、傘をさして行き来する事も困難な状況であります。また、違法駐輪、違法看板等の掲出などもあり、ユニバーサルデザインの考え方からは程遠いものを感じます。

その観点に立ちますと、四千人もの学生が往来する歩道幅員や安全性の確保あるいは、新たな学生街としての道路整備は、非常に重要なものとなります。

現在、明治通りの歩道はカラー化も進んでおりますが、すでに一部は剥がれ景観上にも問題があると思われます。また駅前広場の整備に東京都が着手するとの動向もありますので、この際街づくりの一環として、帝京平成大学へ通じる国道、都道、区道の車道、歩道の道路形態、街路樹、モニュメントなど、道並みの再整備に計画的に着手し、豊かな空間造りを推進すべきであると考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。

第八点目に、都市計画道路・環状5の1号線の地下道路についてお尋ねします

高田地区から雑司ヶ谷を通過し池袋東地区に至る 環状5の1号線については、平成19年度の開通を目指し、地下鉄13号線と同時整備が進められております。用地買収も相当に進捗し、道路の位置や幅員が、目に見えるものとなってきた状況であり、今後街がどのように変貌し発展するか、期待も大きいところです。

一方、地上部の整備が間近かに迫ったことで、あらためて課題として浮き彫りになるのが、地下道路の整備です。

平成8年、事業説明会において、地上部は都電荒川線を中心にして、片側1車線づつの生活道路として整備し、環状線機能を担う本格的な道路は、将来地下に整備するという考え方が、東京都より示されたと伺っています。

しかし、いまだにこの地下道路については、整備内容や時期が、何ら公表されないまま、現在にいたっております。

地元では、このまま地上部の整備だけが進んだ場合、いろいろな問題が発生するのではないかと、懸念する声もあります。

まず、現在の計画では、環状5の1号線の地上部道路は、目白通りとつながり、明治通りには結節しません。このため、池袋から新宿方面に向かう車が、環状5の1号線に入った場合、目白通りに出てから千登世橋の下に回りこんで明治通りに入らなければなりません。この交差点での交通処理については、よほど上手にやらない限り、千登世橋付近の交通が、大きく混乱するのではないかと考えられます。

また、このようなことから、池袋を通過する車は、依然として、明治通りを利用して池袋駅前を通過しなければならず、駅周辺の交通渋滞はまったく改善されないと思われ、これは池袋副都心の再生にとって、大きな障害になると考えられます。

さらに、地上部の完成後に、地下道路の整備に入るとすると、せっかく整備した地上部を壊さなければならず、税金の無駄使いとなってしまいます。従って、いったん地上部が整備されてしまえば、相当長期間にわたって、地下道路の整備は放置されてしまうのではないかとの声もあがっています。

この様に考えますと、環状5の1号線地下道路は、必ず整備しなければならない道路であり、また、地上部の整備と整合した整備とする必要があります。

そこで、この問題について、何点かお尋ねします。

まず、この地下道路の必要性について、区はどのように認識されているのか、あらためてお尋ねします。

次に、この道路の整備は東京都が事業主体ではありますが、区としては、都に対してどのような働きかけをおこなってきたのか、この間の経過をご説明ください。

次に、この地下道路を整備するに当たり、具体的にどのようなことが課題になっているのか、お答えください。

最後に、環状5の1号線地下道路の実現に向けて、区としての取り組み姿勢、意欲をお答え下さい。

東京都も財政難のため、この地下道路の大事業を決断することは、大変なことと思います。しかしこの地下道路の整備は、豊島区、特に池袋の街づくりにとって、単に車をスムーズに流すためではなく、様々な街の発展に寄与するものであることは明らかです。

これまで同様、区長の強力なリーダーシップのもと、この整備がいち早く実現されることを念願しております。

最後に、池袋駅周辺の歩きタバコ対策について、お伺い致します。

この問題につきましては、昨年の第4回定例会で質問をさせていただき、「喫煙所の設置に向けて協議中である」とのご答弁をいただきました。

その後、平成16年予算特別委員会、清掃環境調査特別委員会でも進捗状況を質問させていただきましたが、ご答弁の通り、11月上旬には駅周辺の灰皿の撤去とともに、喫煙所が設置され、路上分煙がスタートいたしました。

私がこれまで一貫して主張して参りました喫煙所設置を、実現していただいた事に対しましては、高く評価するものであります。

まだ開始後、日も浅い段階ですが、このような区の取り組みに対する区民や通行人の方々の反応はいかがでしょうか。また地元の方々の反応もお聞かせ下さい。

さらに、今回は区独自の禁煙ルールとして「としま喫煙マナー」を作成されております。「マナー」という喫煙者のモラルに期待するのも大切ですが、私は「歩きタバコ禁止」をより強く訴える形でのPRが必要と考えております。     池袋の地域性から、歩きタバコの禁止を徹底することは大変難しいことは十分承知しておりますが、池袋駅周辺の歩きタバコを減らしていくために

今後どのように対応するお考えなのかお伺いいたします。

以上をもちまして、私の質問を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

【高野之夫区長答弁】
ただいまの、高橋佳代子議員のご質問に対しまして、順次、お答え申し上げます。

はじめに、新たな行財政改革プラン2004〔素案〕についてのご質問における、区民の理解を得るための説明に関するご質問にお答え申しあげます。

豊島区では、バブル経済崩壊以降の構造的な歳入の減少に対応するため、平成7年度の臨時行財政調査会をはじめとして、複数の計画を立て、毎年ごと、行財政改革に取り組んできました。いよいよここまで来たとの認識をもっております。

しかし、これまで絞りに絞ってきた後だけに、今回の見直し内容は、これまでになく厳しいものとなっているのであります。

平成になってからの10年間における、繰出金を除く一般行政経費の推移について、人口規模が比較的近い目黒区や中野区と比較いたしますと、豊島区は人口が1万から6万人少ないにもかかわらず、平均で毎年度50億円も高い経費を支出してきたのであります。

最近では、財政健全化の効果により、次第に中野区の水準に近づいていますが、こうした身の丈を越えた高い行政サービス水準を維持してきたために、基金は底をついた状態であります。

こうした長い積み重ねの延長線上に、今回の改革プランがあるわけであり、高橋議員ご指摘のとおり、これまでの経緯と現状を十分説明できなければ、新たな挑戦の部分についてご理解をいただくことは困難であると考えております。

これまでも、「グラフで見る区の財政状況」を作成するなど、工夫してまいりましたが、今後もさらに分かりやすい資料等を作成し、説明責任を果たしてまいる所存です。

 次に、としま未来の姿についてのご質問にお答え申し上げます。

 今回の改革プランにおける「としま未来への経営戦略」は、中長期的な視点から、豊島区に新たな歳入をもたらすとともに、高齢化の進展に伴う医療費等の歳出抑制を図るための方針として、お示ししたものであります。その基本政策として、私は、文化政策、都市再生、そして健康政策の3つを新たな政策の柱として位置づけたのであります。

 区の調査では、100戸のファミリー向けマンションが供給されることにより、若い夫婦やファミリー世帯をはじめ、人口が184人増加し、特別区民税が約2,100万円増加するとの結果が出ております。1,000戸なら2億円であり、現時点で把握しているところでは、平成21年までの5年間で約8,000戸のマンション供給が計画されております。

マンションに限らず、街の魅力を高め、良質な住宅の供給を誘導することは、定住人口の増加をつうじて、区の歳入に確実に結びつくのであります。

 新東京タワーの誘致による経済効果は、区の歳入に直接的に効果を与えるものではありませんが、街のブランドと価値を高める上では、絶大な効果があるものと考えております。

 現時点での「としま未来への経営戦略」は、方針的な内容となっておりますが、今後、介護予防を中心とした健康政策の新たな展開を含めまして、来年度に向け、より具体的な取り組みをお示ししたいと考えております。

 次に、職員の意識改革についてお答え申し上げます。

 ご指摘のとおり、区政の構造改革は、私一人では、決して成し遂げることはできません。目標に向けて、改革という大きな石を転がしていくためには、全職員が危機意識を共有し、それぞれの現場で改革に向けて、考え、行動していくことが必要であります。

 そのための一つの取り組みとして、私は、10月から11月にかけて、すべての職場において、豊島区が取り組むべき改革について考える機会を設けるため、「区長とのオフサイトミーティング2004」を実施いたしました。

まず各職場での話し合いを行い、その中から57人の代表者が127件の提案を持ち寄り、5グループに分けて、提案を発表してもらいました。

私も、区長としての立場ではなく、一職員の「高野さん」として参加し、意見を交換しました。今回が初めての試みでありましたが、大変有意義な時間を持つことができたと考えております。今回の提案については、その内容をさらに検討し、今後の改革につなげてまいりたいと考えております。

 改革を実現するためには、まず、組織の内部が強い意識をもって変わろうと努力することが必要です。そして、その強い気持ちが謙虚な姿勢とともに、区民に伝わって初めて、ご理解とご協力をいただくことができるものと考えております。

今後もあらゆる機会をとらえて、改革の必要性と目標を明確に職員に伝え、「やる気の出る組織変革」の取り組みを、継続的に展開していかなければならないと思っております。

 次に、環状5の1号線・地下道路整備についてのご質問に、お答え申し上げます。

 まず、地下道路の必要性について、区はどのように認識しているのかとのご質問に、お答え申しあげます。

 環状5の1号線は、環状6号線や環状7号線と同様に、区部を広域につなぐ、主要幹線道路であります。

 しかし、現在整備中の、片側1車線の生活道路では、こうした幹線道路としての機能が果たせないため、池袋東地区、特に池袋駅前の交通渋滞の改善が図れません。一方、生活道路に通過交通が流入した場合、ご指摘のような千登世橋周辺の交通の大混乱など、様々な問題の発生が懸念されます。  

従って、環状5の1号線の地下道路は、池袋副都心の再生に大きく関係するとともに、雑司ヶ谷、高田地区の交通をスムーズにするためにも、是が非でも整備しなければならない道路であると強く認識しております。

 次に、都に対する働きかけの経過についてのご質問に、お答え申し上げます。

 環状5の1号線の当該区間は、平成10年7月に事業決定されましたが、当初より、地下道路の整備が不可欠であるとの認識のもと、平成11年12月、都知事宛ての「地下道路の整備に関する要望書」を、私が持参し、提出して参りました。

 さらに、平成12年9月にも、「地下四車線道路の早期実現に関する要望書」を提出いたしました。

 その後、事務レベルでの要請を進めてきましたが、地上部の整備時期が迫ったことから、昨年6月、再度私が、東京都技監を訪ね、地下道路の必要性や、調査・検討の状況などを確認し、早期具体化を要望して参りました。

 その後、本年5月、さらに11月にも建設局長を再三にわたり訪ね、進捗状況の報告を受けるとともに、実現に向けた督促を行ってきたところであります。

 次に、地下道路整備に当たっての具体的な課題についてのご質問に、お答え申し上げます。

 地下道路整備について、最も大きな課題は、出入口についてであります。

 出入口が予定される、新宿側については千登世橋、池袋側については首都高速道路の橋脚があり、これらの地下構造物を避ける必要があります。また、出入口の位置により、周辺交差点を含めた交通処理に大きく影響いたします。

 このため、東京都では現在、出入口の位置、構造を計画するため、技術的な見地から、複数の案の比較検討を行い、絞込みを行っているところであります。いずれも構造的に、相当難しい課題は多いということですが、都も、課題解決に向けて、鋭意取り組んでいると聞いております。

 もう一つの大きな課題は、財源についてであります。

 地下道路の建設には、数百億円単位の予算が必要となります。ご案内の通り、東京都も財政難であり、この事業を、都がいつ決断するかが、重要なポイントであります。

 この地下道路については、王子、池袋、新宿、渋谷の主要都市を結ぶ、極めて重要な幹線道路でありますので、投資効果はきわめて高く、東京都に対しても、この点を、強く訴えているところであります。

 次に、地下道路実現に向けて、区としての取り組み姿勢、意欲についてのご質問に、お答え申し上げます。

 現在、池袋東地区は、新東京タワー建設計画をはじめ、東池袋四丁目再開発事業、補助81号線の沿道と一体となった街路事業、南池袋二丁目の街区再編まちづくりなど、様々な事業により、大きな変貌をとげようとしております。

 環状5の1号線地下道路は、これらの事業と一体となり、池袋副都心を再生させるために、必要不可欠な事業であります。

 他の事業が次々と具体化する中で、地下道路が実現されなければ、画竜点睛を欠く結果となり、将来に禍根を残すこととなります。これからがまさに正念場であり、早期実現のため、最重要課題として、全力で取り組んでいく所存であります。

  なお、その他の質問につきましては、関係部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から答弁申し上げます。

【子ども家庭部長(郡司信興)】答弁

次世代育成支援行動計画すなわち子どもプランについてのご質問にお答えいたします。

まず、プランの財源の裏付けについてのご質問にお答えいたします。

御案内の通り、この「行動計画」は、全ての自治体及び常時雇用者301人以上の企業に対し、平成17年度を初年度とする10か年の計画策定を義務づけております。

さらに、この計画の中で、ニーズ調査や財政状況を踏まえた数値目標を設定することになっております。

したがいまして、厳しい財政状況に鑑み、公立保育所の民営化など民間活力の導入やサービスについての受益者負担の適正化等、プランの推進と並行して既存施策の再構築を図ることにより、今後の施策の充実に必要な財源を生み出していくことになっております。

次に、「子どもの権利条例」についてのご質問にお答えいたします。

まず、子どもの参加と意見表明権の保障についてのご質問にお答えいたします。

 豊島区が子どもの権利の中で、とりわけ大切に考えている権利に意見表明権があります。子どもは自分に関係のあることについて自由に意見を表す権利を持っています。これまでも、地域での行事に主体的に参加したり、区政に対して、「子ども区議会」や「公開高校生ディベート」など、意見を表明する機会をつくってきました。

今後、まちづくりをはじめとする諸施策についても、意見を表明するシステムづくりを図っていきたいと考えています。

次に「(仮称)子どもの権利擁護センター」の設置についてのご質問にお答えいたします。

子どもの権利侵害について、迅速かつ適切に対応し、救済を図り、回復を支援するために、条例制定後、平成18年度より、「子どもの権利擁護センター」を設置する考えでございます。

 このことにより、虐待、いじめ等の権利侵害を受けている子どもは、自分で救済を求めたり、相談を仰いだりすることができるようになります。

次に、守秘義務を負う専門の人員の配置についての質問にお答えいたします。

「センター」には、ご質問にもありますように、子どもの権利に理解があり、かつ守秘義務についても意識の高い専門職の権利擁護委員を配置し、子どもの権利侵害の予防や救済・回復に向けて関係者と調整を図っていく予定でございます。

次に、条例の広報手段についてのご質問にお答えいたします。

この条例を生きた条例にするには、広報活動が大変重要だと考えています。ご指摘のように民間団体や子どもの意見も取り入れた広報誌の作成や、シンポジュームの開催、さらに各団体への説明会の開催など、様々な活動を展開してまいりたいと考えています。

次に、子ども向け広報の配慮についてのご質問にお答えいたします。

子ども会議等の意見を反映しながら、0歳~18歳までの子どもたちの年齢層ごとの分かりやすいパンフレットを作成し、特に、救済の求め方等については詳しく記したいと考えています。

また、外国籍や障害児等の子どもへの啓発については、それぞれの状況に応じて個別に対応していきたいと考えています。

 次に、区立保育所の民営化についてのご質問にお答えいたします。

 まず、民営化になると何が変わるのかというご質問でございますが、区立保育所の民営化は、区立保育所を都知事の認可する私立保育所へ転換するものであり、施設基準や職員の配置基準、保育内容などは基本的に同じであります。また、保育料についても区が定めた保育料を徴収いたします。

 私立保育園へは、その水準を維持するため国や都、区が一定の経費を負担するとともに、職員の資質向上のための研修システムも充実しておりますので、保育の質が低下するようなことはありません。

ただ、運営主体が変わりますので、保育園で働く職員が替わります。そのため、子どもの保育環境の急激な変化を避けるため、子どもが新しい職員になじむよう、新しい職員が区立保育所の職員と一緒に保育をする期間を設けることにしています。   

 また、民営化のメリットにつきましては、私立保育所は区立保育所に比較して、手続きや経費の面で柔軟に対応できることから、利用者のみなさまの新しい保育需要に、機敏に、柔軟に対応していくことができるものと考えています。

 さらに、民営化により一定の財政効果が得られることから、そうした財源をあらたな区民需要に振り向けていくことができます。

民営化後の保育所の「保育の質」確保のための指導・監督の方法につきましては、既存の私立保育園と同様に、東京都が、区の立会いのもと定期的に指導検査を実施いたします。

こうした検査とは別に、区におきましても、月1回、私立保育所園長会を設けるとともに、実際に施設を訪問するなど常に運営状況、保育内容の把握に努め、必要な助言指導等を行ってまいります。

保護者のみなさまのご心配は分かりますが、区立保育所の民営化は、現在の保育水準を維持発展させていくために、保育施策の再構築を図っていくものであり、こうした内容を丁寧に説明していけばご理解は得られるものと考えています。

 次に、幼保一元化についてのご質問にお答えいたします。

幼稚園と保育所の連携につきましては、幼稚園教諭と保育士との研修の合同開催や事業への子どもの相互参加など、可能なところから少しづつ実現に移しております。

ただ、幼保一元化の課題は、区長部局と教育委員会とが連携するとともに、私立幼稚園や私立保育園など民間部門とも緊密な連携のうえに進めていく必要があります。

政府の総合規制改革会議の答申を受けて検討されている、厚生労働省と文部科学省合同の検討会議で、幼保総合施設の検討も具体的になってまいりました。本区におきましても、こうした国の動向に留意しつつ、具体的な実現に向けた検討組織を整備し、一元化の内容やスケジュールを具体化していくべく取り組んでいきたいと考えています。

次に、病後児保育についてのご質問にお答えいたします。

 南池袋三丁目地区福祉基盤等整備事業の保育所で予定しております病後児保育は、まだ詳細まで詰めきれておりませんが、おおよそ以下のような内容で計画しております。

 対象は、区内の保育園に通園している1歳以上の児童で、定員は2名を予定しています。また、事前の予約と主治医の病後児保育が可能という診断を得て児童を保育する計画で、保育料は1日3,000円程度にしたいと考えています。専任の職員は、看護師及び保育士を配置し、保育時間は、通常の保育時間の範囲で実施いたします。

 以上のような概要ですが、今後、事業実施に向けた具体的な基準づくりや協力体制などを医師会と相談させていただく必要があります。

 また、定員が2名であること、また需要も高いと予想されることから、可能であれば区の西部地域に1ヶ所整備できればと考えております。

実施場所につきましては、ご質問にあります保健所や、あるいは医療機関なども視野に入れ、今後、実現の可能性を探ってまいります。

 次に、「子育てひろば」についてのご質問にお答えいたします。

職員は、「地域区民ひろば」全体を担当する正規職員1名と子育ち・子育て支援ができる非常勤の専門職員1名を配置する予定でございます。

また、地域には、子育てに関しまして、豊富な経験をお持ちの方も大勢いらっしゃいますので、その方々のご協力もお願いする予定です。

 「子育てひろば」は、乳幼児や保護者同士の交流を図り、子育てに関しての相談窓口としての活用により、地 域の子育て力を高めていくことを目的としております。

 また、「子ども家庭支援センター」は、区における子どもに関する総合相談窓口としての役割を持っております。

子ども家庭支援センターを中心にしたネットワークの中で地域での子育ち・子育て支援の充実を図っていきたいと考えていますので、相互の連携を充分に図ってまいりたいと考えております。

次に、全児童クラブについてのご質問にお答えいたします。

「子どもスキップ南池袋」事業を開始してから8か月が経ちました。

このほど4月~9月までの半年間の事業内容について子どもの活動状況や運営形態など、多面的に検証いたしました。登録児は現在、約350名で全校児童の85%となっておりますが、1日の利用は、平均70名程度となっています。スキップに加え、校庭・体育館・図書室等の学校施設を活用していますが、子どもたちに一番人気のある場所は校庭となっています。学童クラブのシステムも従来通り維持いたしております。

 学校や地域の方々の協力・支援も大変積極的で、行事を一緒に行ったり、ボランティアとして講座を開いていただいております。

また、南池袋小学校の子どもと保護者の方、401名、全員にアンケート調査をお願いしましたが、アンケートの回収率は、子どもが26.9%、保護者が33.4%でした。

アンケートの内容を見ますと、子どもたちの声として、“利用して楽しかった”こととして、「校庭でたくさん遊べる」「友だちとたくさん遊べる」「体育館で遊べる」が多くありました。“意見や要望”としては、「もっと広くして欲しい」「本・マンガを増やして欲しい」「おやつがまずい」等となっています。

今後の課題としましては、高学年は現在、雑司が谷児童館を中心に利用している実態がありますので、児童館廃止となる来年度以降の、高学年向けの事業の充実などが検討項目として挙がっております。

全体としましては、当初、心配されました事故への対応、図書室の使い方等についても特段の問題はなく、順調な運営となっています。

検証の結果、来年度のモデル実施に活かせるものとして、学校との連携のあり方、来館児童の把握の仕方、地域懇談会の持ち方、職員態勢等、が挙げられております。

現在、子ども家庭部、教育委員会、校長会合同の検討会において、一つひとつの項目についてマニュアルを作成中であります。

「子どもスキップ南池袋」事業の検証結果を踏まえ、子どもの視点に立った全児童クラブの充実した運営を目指したいと考えています。

次に、発達障害者の支援についてのご質問に対しまして、お答え申し上げます。

まず、本区の取り組みについてのご質問にお答えいたします。

乳幼児健診等で発達障害が疑われる乳幼児に対し、池袋保健所におきましては、状態に応じて小児科医師や心理職による経過観察後、専門医療機関等を紹介するとともに、その後の保護者からの相談についても対応しております。

また、西部子ども家庭支援センターにおきましては、発達に問題の見られる乳幼児の保護者からの相談に応じ、助言・指導、関係機関への紹介などを行っております。

さらに、保育園におきましては、発達に遅れが見られる子ども等を対象に、巡回による医師の診断指導、心理相談員の観察指導を定期的に実施しているところでございます。

次に、研修会・講習会の実施についてのご質問にお答えいたします。

相談・指導に携わる関係者の研修につきましては、東京都が主催する研修会・講習会への参加、独自の研修の実施など、各部局単位で実施しております。

ご指摘のとおり、発達に障害を有する子どもへの対応には専門的な知識・技術の修得が不可欠となりますので、関係者すべてが共通の認識のもとに指導を行えるような研修体系をさらに整備していく必要があると考えております。

次に、東京都自閉症・発達障害支援センターとの連携を図る窓口機関の明確化についてのご質問にお答えいたします。

より良い対応・指導を進めていくためには、専門的な知識とともに、適切な役割分担のもとに、関係機関との緊密な連携が不可欠であります。

連携にあたっては、統一的な対応が図れるよう窓口を一つにする必要があることについては十分認識しているところでございます。

したがいまして、ご指摘のとおり、東京都自閉症・発達障害支援センターに対する区側の窓口を一本化するとともに、総合的かつ組織だった対応が図れる体制の構築を進めてまいりたいと考えております。

次に、特別支援教育導入前の支援体制の確立についてのご質問にお答えいたします。

心身の発達に何らかの障害を持つ子どもの小学校への入学にあたり、教育委員会においては就学相談を実施しておりますが、小児精神科医、保育園や西部子ども家庭支援センターとの密接な連携のもとに事業を進めているという状況がございます。

発達に障害のある子どもが一日も早く社会適応を実現できるよう、特別支援教育の導入にあたっては、これまで以上に、教育・医療・福祉が一体となった対応を図るべく、連携を強化してまいりたいと考えております。

私からの答弁は以上でございます。

【保健福祉部長(川向良和)】答弁

次に、妊産婦健康診査の公的助成の拡充について、お答えいたします。

現在の健康診査ですが、妊娠23週までの前期と妊娠24週以降の後期に、それぞれ1回無料の妊婦健康診査を実施しております。それ以外の健康診査は有料となります。

通常、妊娠から出産までには平均14回受診し、1回あたり約5千円、合計7万円程度の検診費用がかかります。

また、経済的理由により、有料の健康診査の受診が困難な方に対しては、必要な健診を無料で受けられる「保健指導票」を交付しております。

ご提案の妊産婦健康診査の公的助成の拡充につきましては、出生率向上に資する一つの考え方ではありますが、例えば全て無料受診とした場合、概算で約1億円要しますので、区の財政状況を鑑み、今後の検討課題とさせていただきます。

私からの答弁は以上でございます。                     

【総務部長(山木仁)】

次に、「子供達の防犯対策」についてのご質問のうち緊急警報システム等についてお答えいたします。

なお、教育委員会の所管に属する内容を含んでおりますが、教育委員会との調整のうえ、私からご答弁いたします。

ご指摘の無線システムについては、熊本市や鎌ヶ谷市で検討されたとの情報もございますが、本区ではこれまでのところ具体的な検討はしておりません。もちろん、校舎全体に緊急事態を知らせることの必要性は認識しており、現時点では教職員に防犯ブザーを持たせるなどの対応をしているところです。今後、こうした校内放送による通報システムについても、先進自治体の運用例や財政的な側面も含めて、教育委員会と協議しながら調査を進めてまいりたいと考えております。

次に、携帯メール等の活用についてであります。

 プリントによる連絡に比べて保護者が素早く子どもに関する情報を把握できるというメリットには区としても関心を持って検討いたしております。

 個人情報保護の方法や財政的な側面なども踏まえ、また学校とも協議を進め、可能であれば早い段階での導入にむけて検討を進めてまいります。   

次に、防災無線を活用した地域限定の情報配信について、お答えいたします。

現在、区内の公園や公共施設を中心に76基の屋外拡声器を配備しておりますが、地域限定で放送することも可能となっております。

子ども達の安全確保のために防災無線を活用することにつきましては、警察署とも具体的な使用内容や連絡体制等について充分に協議する必要がございますが、前向きに検討してまいりたいと考えております。

    次に、「自動体外式除細動器」についてのご質問にお答えいたします。 AED、自動体外式除細動器につきましては、ご質問にありますとおり、本年7月の厚生労働省の通知により、一般市民が緊急時にAEDを使用しても医師法違反に当たらないと明記されました。すでに、航空会社などで心肺停止患者の発生などに備えて装置を装備し、客室乗務員に講習を行うなどの取り組みが始められていると聞いております。

本区においても、ご紹介いただいた学校保健会のほか、来庁した区民の安全確保をいかにしていくべきかという視点で、関心を持って、東京都医師会主催の都民公開講座などに職員を参加させております。今後も、職員に対する救急救命講習の実施と合わせて、AEDの装備の可否について検討を進めてまいります。

 なお、厚生労働省の7月の通知は、交通機関・ホテル・デパート等の事業者について、設置を求めるといった性格の内容のものではありません。したがいまして、区として保健所が事業者に調査あるいは指導を行う予定は、現在のところ持っておりません。  私からの答弁は以上でございます。

【土木部長(増田良勝)】
次に、旧時習小学校跡地に関連した周辺道路整備についてのご質問にお答えいたします。

帝京平成大学への主要な通学路になると考えられる明治通りは、歩道も狭く、ユニバーサルデザインの観点からも、改善すべき点があると認識いたしております。

まず、池袋東口駅前広場についての東京都の動向でありますが、ご案内の通り、スムーズ東京21による交通渋滞対策のほか、駅前交番の移設や区の池袋副都心再生プランに連動する形で、 平成17年度には、東京都が、歩道のバリアフリー化、カラー舗装の改修、デザイン街灯の改修などに着手することになっております。

駅前広場は、シンボルロード事業として、整備が予定されておりましたが、当初の計画に加え、治安や地域振興にも繋がる施策も視野に入れ、やっとその整備に着手することになったものであります。

道路整備の一例を述べますと、電話ボックスの必要性の検証や、放置看板の撤去など、環境を損なうばかりでなく、治安を悪化させかねない、道路上の占用物件などを、可能な限り整理し、より良い道路環境の創出を推進していくとのことです。

次に、池袋駅前から池袋六つ又までの明治通りの整備についてでありますが、現在のところ、道路管理者である東京都の具体的な計画は、まだ、示されておりません。

しかし、先ほど述べました、池袋駅前の環境整備の

進捗やその成果を踏まえ、明治通りの再整備を念頭に、早期に検討を加えると聞いております。

また、大学予定地に接する3本の区道につきましては、学校建設に併せ、拡幅が計画されておりますので、地区の環境にマッチした道路整備計画を策定し、順次、取り組んでまいります。

さらに、帝京平成大学の正面となります春日通りは、国が管理する道路ですので、先ほどの道路整備計画に沿った環境改善を、国に要請してまいります。

帝京平成大学の学生達は、通学に際し、ただ学校と駅とを行き来するだけではなく、池袋の街中、いたるところの道筋を、自由・かっ達に往来していただきたいと思いますので、池袋副都心再生プランの将来像に掲げます「ユニバーサルデザイン都市・池袋」の早期実現に向け、

計画的に道路環境整備に取り組んでまいります。

また、大学の進出は、学園をキーワードとして、沿道の街並み環境を再生させる「よい機会」となりますので、地元町会や商店街の方々が、積極的に街づくりに参加されるよう、連携を深めてまいります。

私からの答弁は、以上でございます

【清掃環境部長(河原勝広)】
次に、歩きたばこ対策についてのご質問にお答えいたします。

ご質問にありますように、かねてから懸案でありました池袋駅周辺の歩きたばこ対策として、去る11月4日から、「さわやか街づくり重点区域」内に設置していた 64基の灰皿を撤去し、新たに7ヶ所の指定喫煙所を設け、歩きたばこの禁止と分煙の徹底を目指す取り組みを開始したところでございます。

この取り組みに対しまして、これまで区民や通行人の方々から意見が寄せられ、その約8割は「路上がきれいになった。」、「歩きたばこが減った。」など今回の対策を評価するものであります。一方、「歩きたばこ禁止のPRをさらに強化すべきである。」とのご指摘も多数いただいております。

 地元の町会、商店街の方々からも、「歩きたばこが減り、街がきれいになった。」という声がある反面、「歩きたばこ禁止のPRの強化」や「池袋北口等への喫煙所設置」の要望が寄せられております。

また、池袋西口駅前環境浄化推進委員会からは、「ポイ捨てや歩きたばこ対策についても、安全・安心な街づくりへの対応の一つとして、区と地域の協働による活動を積極的に進めたい。」との申し入れをいただいております。

 いずれも、今回の取り組みに対する好意的な評価とともに、ご指摘されますように、共通して、歩きたばこ禁止に向けた更なる啓発活動の強化が求められております。

 従いまして、今後の取り組みといたしましては、先に申し上げました池袋西口駅前環境浄化推進委員会との連携はもとより、地域一体となった美化活動を実施する観点から、地元のボランティアや事業者等とも協働し、歩きたばこ禁止の啓発活動を強力に推進して参りたいと考えております。

 また、池袋北口への喫煙所の設置につきましては、北口のオープンスペースに設置する方向で、現在、具体的な準備を進めているところであります。

いずれにいたしましても、区といたしましては、今回の取り組みを契機として、今後とも、歩きたばこ禁止の徹底に向け、更なる努力を重ねて参りたいと考えております。

私からの答弁は以上でございます。

【教育長(二ノ宮富枝)】
引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しまして、お答え申し上げます。まず、子どもの読書活動についてお答えいたします。

 はじめに、子ども読書活動推進計画の策定についてでございます。子どもにとっての読書は、豊かな創造力を身につけていくため欠くことのできないものでございます。しかし、近年は子どもを取り巻く環境が激変し、全国的に子どもの読書離れが進んでいると言われております。そこで、本区では平成14年から小中学生の読書に関する調査を行っております。その調査では、本を読むのが好きな児童・生徒の数や読書をする時間が増えている傾向にはありますが、子どもの読書活動をより一層推進するため、本区の実情に合わせた「子ども読書活動推進計画」を、平成17年度末を目途に策定する予定でございます。既に図書館内で計画策定PTを立ち上げ、下準備に着手しております。今後、豊島で育つ全ての子ども達が、読むことの楽しさを知ることができるよう関係機関が一体となって推進計画を策定していきたいと考えております。

 次に、学校図書館の整備・充実等の取組みについてですが、教育委員会内に、昨年12月から学校図書館活用検討部会を設置し、検討を重ねてまいりましたが、児童・生徒の発達段階に応じた読書指導の充実、蔵書の整備・充実、区立図書館との連携などを内容とした報告書がまとまりました。また、すでに今年度は各学校の図書購入経費を小中学校とも約10%増額いたしたところです。さらに、平成17年度においても魅力ある学校図書館づくりをより一層進めるための新規事業を検討しております。今後も、報告書に盛り込まれております事業について、計画的に取り組んでまいります。

 次に、ボランティア育成とボランティアの連絡協議会設置についてのご質問にお答えいたします。現在、区内各地域で、ボランティアによる読み聞かせの自主的な活動が行なわれたり、学校図書館の運営に保護者の方々が自主的に携わっていこうという取組みが生まれております。しかし、こうした取組みはまだ充分に組織化されていなかったり、意欲があってもスキルが充分ではなかったりと、持てる力を発揮し切れていない状況も見られます。そこで、読み聞かせのスキルアップ支援や学校図書館などへのボランティアとしての取組み方法の研修支援など、各種のボランティア育成策を推進計画に盛り込み事業実施していきたいと考えております。更に、ご提案のボランティア連絡組織の設置につきましても、具体的な検討を進めて参ります。

 次に、中学生・高校生に対する読書推進のための豊島区ならではの取組みについてお答えいたします。ご質問の通り、中高生の活字離れ・読書離れは深刻になってきておりますが、全国的にもその取組みは遅れているのが実情でございます。こうした中、豊島区内では、駒込中学校と駒込図書館との間で、調べ学習の図書館活用事業やブックトークなどを行っております。こうした取組みを推進計画に盛り込み、各学校へも拡げていきたいと考えております。また、各図書館における中高生向け図書の充実にも力を入れ、中高生への読書推進に取り組んで参りたいと考えております。

 次に、中央図書館に「子ども読書活動支援センター」を設置するご提案についてお答えいたします。図書館には、子ども読書活動を推進していく上で関係機関の連携を確保していくための中心的な支援センター機能を担う役割があると考えております。そこで、今後、センター機能を一層充実したものとしていくため、児童分野の経験豊富な常勤職員・非常勤職員による専任の児童調整担当を配置していきたいと考えております。

 次に、地域図書館にも読書活動を推進できる担い手を確保すべきというご質問にお答えいたします。子ども読書活動の推進は、地域の実情や各学校の環境などの違いによって、取り組み方も異なるため、その担い手には専門能力が求められると考えます。従いまして、子ども読書活動の推進事業などについては委託に委ねず、地域図書館においても司書資格等を有する専門非常勤職員で対応して参ります。

 次に、地域から学校図書館への本のリサイクルについてですが、各家庭で読み終わった本、保管ができなくなった本などを廃棄してしまうのではなく、学校図書館で再活用することは大切なことであります。しかし、現在、地域から学校図書館へ寄贈を含め本をリサイクルするシステムができていない状況であります。区民の皆様から寄贈したいとのお声もあり、教育委員会では、学校と連携し、保護者等の協力体制やリサイクルのルートづくりなど具体的な方策を検討し、出来る限り早い時期にその窓口を設置してまいりたいと考えております。

次に、子どもの防犯対策についてのご質問にお答え申し上げます。 セーフティ教室についてでございますが、セーフティ教室は、非行防止等を含めた健全育成を目的として実施されるものでございます。今年度は、防犯対策に重点をおいて実施をすることといたしました。ご指摘のとおり、実施初年度ということもあり、学校によって時間の設定の仕方や進行方法に、ばらつきがございました。また、保護者や地域関係者への周知も十分ではなかったと言えます。

教育委員会では、来年度の実施に向け、保護者、地域関係者にセーフティ教室の趣旨を改めてお知らせし、参加の協力を得るとともに、学校に対しましては、意見交換の進め方等について助言してまいりたいと考えております。また、警察と連携して、学年に応じたプログラムを作成するなど、各学校における実施内容の改善・充実を図ってまいります。

以上をもちまして、高橋佳代子議員のご質問に対する答弁を終わります。