○一番(木下 広君) 私は、公明党豊島区議団を代表して、「行政の情報化を進め新しい区民サービスを」と題し、①出張所の統廃合と行政改革について、②小中学校のパソコンの地域開放と生涯学習拠点について、③清掃事業移管に伴う区独自の取り組みについて、④環境教育について、⑤区内西側地域の葬祭場設置について、以上五点の一般質問をいたします。区長さんが代わられてから私の最初の質問でございます。何とぞ前向きなご答弁をお願いいたします。

郵政省は、去る六月十八日、「通信に関する現状報告」、いわゆる通信白書を発表しました。白書によると、一九九八年度のインターネット利用人口は、前年度比四七%増の一千六百九十四万人となり、世帯達成率は一一・〇%に達したことが報告されております。世帯への普及率は、一九九三年、日本での商用利用の開始以来、わずか五年間で一〇%を超えたことになります。パソコンの十三年、携帯電話の十五年をはるかに上回るスピードで、急速なインターネットの普及が進行していることが裏づけられております。

例えば、企業間の原材料取引については、自動車、電機などの業種では、従来の伝票による受注発注方式からインターネット受注発注方式にほとんど切り替わったことが報告されております。また、九八年度の情報通信産業の実質国内生産額は百十一兆二千億円で、全産業に占める割合は一一・八%となり、三年連続のトップとなっております。

平成七年、私が初めての一般質問で区の情報化の促進を訴えてからこの四年間は、時代は名実ともに高度情報化社会に突入しているわけで、市民の暮らしと行政の一番の窓口である地方自治体にとって、情報化による区民サービスは時代の要請であり、区民の方々からの情報化によるサービス向上のご要望も日増しに増えているのが現状であります。新区長におかれましては、そのような時代背景を十分考慮に入れながら、豊島区政のさらなる情報化を促進していただくことを期待しつつ質問に入ります。

最初に、出張所の統廃合と自動交付機による新しいサービスについて伺います。

広報としま、区政連絡会などで区の改正案を発表されてから、区民の皆様からさまざまな反響、ご意見が私ども議員のところにも届いてきております。

本区では、昭和五十年に出張所が十二カ所になって以来二十数年、その間、住民基本台帳、印鑑証明、税証明などのオンライン化等、技術の進歩に伴い、出張所業務もだんだんと自動化され、現在に至っております。一方で、出張所が町会、商店街等地元地域住民と区行政との窓口機能として有効に機能してきたことも事実であり、改めて二十数年という歴史の重みを感じるわけであります。

そこで、現在までに出張所の統廃合に寄せられた区民の皆様の声にはどのようなものがあるのか、また区として出張所を統廃合した場合のプラス面とマイナス面にはどういうものがあるのか、改めて確認の意味で伺います。

また、区民の皆様が一番心配されているのは、高齢者や体に障害を持たれている方々の暮らしの相談窓口が物理的に遠くなることだと思いますが、この点についてどう対処されていかれるのか伺います。

バブルがはじけ、それまでの右肩上がりの予算編成を見直さざるを得なくなってから久しく時間が過ぎております。今までの行政のあり方を根本的に見直す時期に来ていることは、多くの区民の方々の一致したご意見であり、区行政にとって行財政改革、スクラップ・アンド・ビルドの必要性がますます望まれております。

私は、今必要なことは、区民の皆様にまず率直な現状をお知らせし、多くの方のご意見を伺い、区民の皆様と一緒になって考えていく姿勢であると思います。さらに、その上で特に大事なことは、社会的弱者と言われる高齢者、小さいお子さまがいるご家庭、体に障害のある方々などに十分配慮したきめ細やかな施策の展開が必要であると考えますが、今後の行財政改革へ取り組む区長の基本的なお考えを伺います。

情報機器を使った区民サービスについては、人的・時間的・スペース的な省力化が図られ、経費削減に有効であることから、我が会派として長年訴え続けてまいりました。光ファイバー網が全区的に張りめぐらされた今、さらなる情報化を進め、時代に合った新しい区民サービスの必要性が望まれております。そういった意味で、今回自動交付機の導入による区民サービスに取り組まれたことは、時宜にかなった取り組みであり、評価できるところであります。

区の説明ですと、自動交付機導入当初は住民票の写し、印鑑証明、税証明の発行のみで、随時保養所施設の予約などに拡大されることとなっておりますが、まず自動交付機の今後の配置する数的な面、付加されようとする情報コンテンツ、ネットワーク方法等について、どのようにお考えなのか伺います。

区の現在提示された素案によりますと、自動交付機を図書館、教育文化センターなどの社会教育施設に導入する予定になっておりますが、今まで私が何回も主張したとおり、図書館、社会教育施設は、加速する高度情報化時代の区民の身近な情報の受信・発信の拠点として、今後大いに注目されるところであります。財政的に厳しい時代ですので、新たな機器を導入し新しいシステムを開発するとなると、大変厳しい面があることは十分承知いたしておりますが、昨今の業務用パソコンが一昔前のオフコン相当の実力を持つことは多くの利用者の認めるところであります。要は、情報ネットワークを体系的に構築することと行政情報自体のトータル的な管理整備こそ最大のポイントであります。現在ある機器を利用したさらなる区民サービスへの積極的な取り組みを望むものであります。

そこで、区長は区としての情報化について今後どのように取り組んでいかれるのか、基本姿勢をお伺いするものであります。

また、本区の情報化の指針であるテレトピア計画は、五年ごとに見直しすることになっております。今後の行財政改革を進める上での情報化とテレトピア計画の見直しについて、どのように取り組まれていくのか、区長のご見解をお伺いするものであります。

次に、開かれた学校づくりの一環として、区立小中学校に導入されたパソコンの一層の地域開放について伺います。

情報通信教育は、今や全国的レベルで急速に進行しております。本区においても教える側の先生方もさまざま努力をされ、音楽に、算数に、理科に、多くの実績を上げられております。

また、一方で開かれた学校づくりの一環として、他区に先駆けた授業参観週間の取り組みは、PTAだけでなく、地域住民の方々にも徐々に浸透しはじめており、PTAを卒業された地域の方からは、子供が卒業してから余り関係がなかった学校の存在が身近になったという声と同時に、何かお手伝いできることがあればぜひ声をかけていただきたいとの話を伺いました。

核家族化が進む一方、無責任な情報が氾濫し、お子さんの成長をめぐる環境は一層難しい時代を迎えております。地域ぐるみで子供を育てる重要性が日増しに高まっております。さらなる地域へ開かれた学校の取り組みを望むものであります。

最近、小学校PTAのお母さんから、子供が学校でウインドウズ のパソコンでつくった自作カレンダーや文章、カードを見て、ぜひ自分もやってみたいとの声を聞きました。また、高齢者の方々が第二の人生を考えた場合、ぜひやりたいことの中に、パソコンなどの情報通信機器への興味が非常に高いというアンケート結果も出ております。現在本区が生涯学習の一環として取り組まれている教育センターでのパソコン教室が毎回応募する方々が多く非常に人気があることは、区民の皆様の情報機器に関する興味の高さを何よりも物語っております。

学校自体の地域開放を積極的に進めるためにも、また学校を地域生涯学習の拠点とするためにも、導入された小中学校のパソコンの地域開放を積極的に進めるべきであります。危惧される教える側のマンパワーについても、最近のPTAのお父さん、お母さん方はパソコンを使いなれている方々が多く、実際私の住む地域のPTAの方から、初歩的な使い方なら教えられるとの声もいただいております。学校を地域の皆様の手による生涯学習拠点にとの観点に立った小中学校のパソコンの地域開放について、今後どう取り組まれるのか伺います。

次に、清掃事業移管に伴う豊島区のごみ減量、特にオフィスリサイクル推進について伺います。

一般廃棄物処理基本計画及び分別収集計画の策定など、清掃事業の区移管に伴う体制づくりは待ったなしの時期に来ており、豊島区独自のごみ減量・リサイクル計画に基づく清掃事業がいよいよ開始されようとしております。そこで、一般廃棄物処理基本計画及び分別収集計画づくりの現状と本区としてどういった独自性を持たれようとしているのか伺います。

また、パイロットプランに協力していただいている区民の方から、生活ごみが減量されてもオフィスごみのリサイクルを進めないと区に移管される清掃事業が心配だとの声を伺いました。区として責任を持って清掃事業を進める上で、池袋駅を中心としたオフィスビルが多い本区の事業者への資源回収がどうなっているのか、また今後どう対応していかれるのか伺います。

ウインドウズ が登場して、パソコンの普及が進み、生産台数の増加から機器の価格が下がり、家庭用の利用もさることながら、業務用のパソコン導入も、今までのただの売り上げ、在庫管理だけの使い方から、プレゼンテーション用、営業報告管理等、ビジネス業務の中でも次々にデジタル化が進んでおります。ウインドウズ が発売されてから五年目を迎えます。現在の基本OSは、ウインドウズ から周辺機器への接続機能が飛躍的にアップされたウインドウズ です。各企業または事業所で減価償却が終わった機器類を処分するのに、地元自治体でのリサイクル利用の働きかけがあれば、ご協力いただける可能性も十分考えられます。

実際、私がインターネットで知り合った区民の方が、ソフトウエア開発の会社を経営しており、この三年間で三台のパソコンを買い換え、そのたびに、仕事上では使えないが、表計算・ワープロ機能だけなら十分使える機種を二束三文でリサイクルショップに売っており、地元の、例えば小中学校への寄贈をしたい考えがあっても、時間的に間に合わなかったという方がおりました。ビジネスは反面時間との勝負であり、あらかじめそういったリサイクル行政の取り組みをしていたら喜んで協力ができたということでした。

今後のオフィスごみのリサイクルを考え、区として企業、事業所に接触していく場合、紙、生ごみ、びんなどの回収に加え、事務機器関連の回収方法も考えていく必要があると思います。パソコンのリサイクルについては、ソフトの使用権利の問題も含まれてくるとは思いますが、区として事務機器のリサイクル活用を調査研究していくことを提案いたします。

次に、環境に配慮した学校施設、つまりエコスクールの整備推進について伺います。

近年、各自治体において環境保全、防災拠点の観点、さらに環境教育の観点から、新エネルギーである太陽光発電システム・燃料電池発電システムの導入の検討がなされつつあり、最近では、兵庫県宝塚市役所で災害時の対策と電気料金節約を図る目的で太陽光発電装置を設置、その建設費は二分の一を通産省から受けております。

また、生きた環境教育の教材として多くの自治体でエコスクールを実施しております。国においても文部省と通産省との共同事業として、エコスクールの整備推進を積極的に図っていくとしております。その趣旨は、学校施設についても環境への負荷の低減に対応した施設づくりが求められているところから、エコスクールのモデル的整備を通産省と協力して実施し、児童・生徒の生きた環境教育の教材として活用するとなっております。

内容は、公立学校を対象に太陽光発電、太陽熱利用等の新エネルギー技術の導入や基本計画の策定及び施設整備は文部省が補助を行い、新エネルギー導入関係予算は通産省が優先的に補助するとしており、補助額は二分の一となっております。既に平成九年度では十八校が、平成十年度においては二十校が実施しているのであります。文部省としては、来年二〇〇〇年までにおおむね百校程度のエコスクールを実施する予定としております。

そこで提案ですが、区立小中学校の適正配置の結果、千登世橋中学校が建設されることとなり、本年が実施設計となるわけであります。千登世橋中学校建設地は、南に大きな空間があるとともに高台であるところから、エコスクール建設に最も適した場所であります。千登世橋中学校建設にエコスクール導入を図り、今後のモデル校とすべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の環境保全、防災拠点の観点、さらに環境教育の観点からのエコスクール導入に対する考え方をお伺いいたします。

また、個人で太陽光発電システムを導入し、環境問題に取り組むケースも多くなり、その設置費用を国が一定の補助を実施していますが、最近では各自治体でも上乗せ補助をしているところが増えてきております。隣接の板橋区では、国の四分の一の補助金を出しており、また文京区では、設備資金について三百五十万円まで無利子で融資しております。つまり個人レベルでもクリーンエネルギーの活用を図り、環境に優しい取り組みが今後ますます見込まれる時代になってまいりました。本区においても、これら環境問題に個人レベルで取り組む方に対して、補助金を出していくべきと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。

最後に、区立葬祭場について伺います。

ますます進む高齢社会において、人生の最終章をどう迎えるか、また遺言状に散骨を望む方が増えたことなどを考えると、人間の生死観も時代とともに大きく変わりつつあるようです。しかし、いかに時代が変わっても、人間の死というものは避けて通ることができないのも事実であります。その死を迎えた方々が自宅で葬儀をする方は最近特に少なくなり、豊島区では六〇%以上の方は葬儀場で行っているようであります。

本区では、区民の強い要望により、区立南池袋斎場が平成二年に開設され、さらに平成九年には施設の拡大を図り、自宅では無理でもせめて故人が生きた豊島区で亡くなられた方の最後を見送ってあげたいとの区民の切実な声に応えた区の取り組みは十分理解できるものの、区内西側地域の方にとっては、交通手段の不便さから、特に体が思うようにならない高齢者の方々のご友人の葬儀に、長年のお付き合いがあったにもかかわらず、足の便の悪さから参列できずに残念だという声をよく伺っております。

他区に比較し高齢者人口の多い本区において、高齢社会に対応する特色ある街づくりの一つとして、西側地域の葬祭場の設置をぜひお考えいただきたいのであります。新たな土地を買い求め設置するのではなく、区有施設の活用方法の見直しが迫られている今日、今ある施設を有効的に使う一つの方策として前向きなご検討をお願いするものであります。

以上で私の質問全部を終わります。ご清聴ありがとうございました。