決算委員会は最終日8日目、各会派から決算についての意見開陳です。公明党から中島議員が賛成の立場から意見を述べました。
H26決算に対する公明党意見開陳
2015.10.22
公明党の中島義春です。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、公明党豊島区議団を代表いたしまして、平成26年度一般会計決算並びに国民健康保険事業会計、後期高齢者医療事業会計、介護保険事業会計の3特別会計決算を認定することに賛成する立場から意見開陳をいたします。
初めに、円滑公平な運営に努められました正副委員長の労に感謝を申し上げます。また、理事者の皆様には資料要求を初め、事前調査に快く応じていただき、私どもの質問に対し、その意を酌まれ丁寧に御答弁いただきましたことに心から御礼を申し上げます。
さて、平成26年度決算に当たり、私ども公明党は、1、区民の目線に立った行政運営がなされているか、2、豊島区を取り巻く時代の変化に的確に対応した事業展開となっているか、3、安定的・持続可能な財政運営がなされているか。4、セーフコミュニティ国際認証都市としての安全・安心の取り組みがなされているか、を主眼に慎重かつ厳正に審査に臨みました。
平成26年度予算について高野区長は、5つの方針を述べられています。
1、最高レベルの行政サービスを提供できる新庁舎整備。
2、造幣局地区まちづくり、木密不燃化特区事業を通して安全・安心創造都市づくり。
3、旧庁舎地跡地を活用しての文化とにぎわい発信拠点の整備、池袋副都心再生。
4、福祉について待機児童対策は私立認可保育所の整備により定員枠の拡大を図り、スピード感を持って推進し、平成29年度までに待機児ゼロを達成。
最後に5、として豊島区ブランドとしてのフクロウと桜を官民協同で発信。
さらに高野区長は豊島区ならではのオンリーワンの魅力を高め、10年後、20年後を見据えた、住みたいまち、訪れたいまちを推進する大きな一歩を踏み出す年であると抱負を述べられました。私どもも高野区長と同じく、この予算は新庁舎整備をはじめとして、池袋副都心の再生や、待機児童解消など消滅可能性都市から将来に向け持続発展する都市へ変化する、そのスタートとなる予算と認識いたしております。
それでは、平成26年度予算について簡単に確認の意味も含め触れさせていただきます。
まず、総予算規模でありますが、一般会計と3つの特別会計を加えた平成26年度の総予算規模は1,623億9,000万円、対前年度比4.8%の伸びとなり、すべての会計がこれまでで最大の予算規模となりました。このうち一般会計予算は1,080億8,600万円、対前年度比5.7%の伸びとなり、過去最大であった平成5年度の予算を21年ぶりに上回っております。
主な歳入では、特別区民税が258億2,700万円となり、特別区財政調整交付金は、普通交付金を285億円と見込み、特別交付金の15億円と合わせて300億円を計上いたしました。また、地方消費税交付金は、26年4月からの消費税率のアップに伴い、12億500万円増、30.6%プラスとなる51億4,600万円を計上し、特別区債は、目白小学校、池袋第三小学校、池袋本町小中連携校の改築が重なったことなどにより、53億3,700万円、94.1%増の発行となりました。起債依存度は2.2ポイント上昇し、4.9%となりました。
そして154事業、46億円を超える新規・拡充事業を盛り込み、区民の皆様にとって喫緊の課題に可能な限り積極的に取り組むとともに、安心・安全創造都市の実現に取り組まれました。また、平成20年度の予算以来、実に6年ぶりに、特別な財源対策を講じることなく予算を編成することができ、堅実な予算ともなっております。
あわせて、当初予算編成時点の財政調整基金の26年度末残高は111億1,200万円と見込んでおり、本区にとって初めて100億円を超える見通しとなりました。26年度予算は、盤石な財政運営に向けて、将来を見据えた予算でもありました。
そして、平成26年度事業を一部紹介しますと、安全・安心については駅周辺防災対策として、帰宅困難者対策を防災対策基本条例に基づき着実に充実・強化。災害時要援護者の地域との名簿共有。福祉分野では生活困窮者対策として生活保護に至る前の段階で適切な支援を行い自立促進が図れるようモデル事業を展開。健康施策では歯と口腔の健康に関する教育プログラムを策定。子育て施策では、認証保育所保育料の負担軽減補助事業の拡充。教育では、いじめ防止対策推進条例を制定し、いじめ根絶を目指す。参加と協同については、区民ひろばが本格実施され10年、すべての小学校区単位に設置され、協同のシンボルとしてさらに進化。文化商業施策では、創業支援の充実。染井村が発祥の地と言われるソメイヨシノなどの恵みがある。人と自然が共生する都市を目指す。まちづくりでは、空き家対策をはじめとする住宅対策に取り組み住生活の安定を図る。いまだ大丈夫と言い切れない財政のなか、多様な区民ニーズに応えながら、新庁舎をはじめ、周辺まちづくりの布石となる予算であり、将来に向けた安全・安心創造都市推進の予算案として、我々も了としたところであります。
平成26年度予算全体について、以上のような認識に基づき、決算について意見を申し上げます。
最初に、一般会計歳入歳出決算について意見を申し上げます。
一般会計については、歳入が1,323億5,300万円、歳出は1,295億7,900万円で、前年度と比較すると、歳入は275億7,300万円の増で26.3%のプラス、歳出 は275億400万円の増で26.9%のプラスとなっており、それぞれ過去最大の決算規模となりました。
歳入から歳出を差し引いた形式収支は28億円、翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は20億円の黒字となりました。しかし新庁舎保留床等購入のために財政調整基金を110億円取り崩したことが影響し、実質単年度収支は100億円の大幅な赤字となりました。
26年度歳入総額は、前年度と比べ276億円の大幅な増となる1,324億円となりました。これは、財政調整基金を110億円取り崩して庁舎等建設基金運用金の償還をしたうえで新庁舎保留床等購入の財源として庁舎等建設基金を110億円、公共施設再構築基金を26億円それぞれ取り崩して歳入したことが主な要因です。
また、特別区民税が課税人口の伸びや収納率の向上により、前年度より7億円増となったこともあり、使途が制限されない一般財源歳入は前年度比で17.5%のプラス、121億円の増となる810億円となりました。この中には財政調整基金の取り崩しによる一時的な歳入110億円も含まれています。一般財源は、2大財源である特別区税、特別区財政調整交付金でその大半を占め、26年度の2大財源合計額は605億円でした。これは、直近のピークである20年度の600億円を6年ぶりに上回り、リーマンショック以降の景気後退局面を脱したと言えます。
歳出面では、前年度に比べ26.7%、272億円のプラスとなる1,293億円となっています。歳出規模が拡大したのは、数多くの補正予算を計上したこともあり、また歳入でも申し上げましたが、新庁舎保留床等購入経費136億円と、それに関連し庁舎等建設基金運用金償還金110億円を支出したことが主な要因であり、これまでのピークであった4 年度の1,076億円を大きく上回る過去最大の規模となりました。
歳出における人件費では、「定員管理計画」に基づき計画的に職員数の削減に取り組んできた結果、26年度は203億円となり、人件費のピークであった12年度に比べ27.8%の減、79億円のマイナスとなっています。区民サービスの低下を招くことなく、定数削減に努めておられる現場の方々のご努力を大いに評価いたします。しかし毎年の人件費比率は23区平均より高く、本年は新庁舎関連で歳出規模が大きく膨らんだ結果、23区平均17.3%を下回り15.7%で数字上は下がったように見えますが、特殊要因を除いた試算値では19.4%と依然高い状態が続いています。人件費は、行政コストのウェートが高く、その削減への取り組みは区民の最も関心の高いところです。さらなる推進をお願いいたします。
公債費は特別区債の発行を抑制してきた効果が現れ、前年度比△26.9%、12億13百万円減の33億円にまで減少しました。一方で、扶助費においては新たに設けられた臨時福祉給付金及び、子育て世帯臨時特例給付金5億77百万円の給付事業のほか、保育緊急対策や高齢化の進展に伴い、前年度と比べて4.3%の増、11億64百万円のプラスとなる279億円となりました。また繰出金は、医療給付費や介護給付費などの増の影響で、今後も100億円を超える状態が定着し、さらに増加することが想定されます。扶助費と繰出金を合わせた決算額の構成比は、29.9%と一時的に小さくなっていますが、歳出規模拡大の一時的要因を除いた場合の試算値は36.9%と依然高い数値となっています。深刻化する高齢化への対応、さらに近年伸びが顕著な子育て支援や生活保護費の動向などを踏まえると、その財源の確保が課題となっています。
総括質疑でもお聞きしましたが、扶助費と特別会計への繰出し金については、今後ますます増加する見込みであることから、抜本的な対策が求められます。引き続き地方自治体として国に対する要望など手を打っていく必要があると思います。そして徹底して効果的な取組みをお願いします。
また、保留床等購入経費136億円の財源について、全額基金を活用することで対応可能となり、そのことを決断するに至るまでの経緯と、当時の基金の残高状況についても詳細にお尋ねをいたしました。今後も引き続き、厳しい財政運営に直面することも視野に入れ、財政調整基金をはじめ各種基金への計画的な積立と運用を求めるものです。
主要な財源指標については、公債費負担比率が、前年度から2.3ポイントマイナスとなる3.9%となり、4年度以来22年ぶりに23区平均値を下回りましたが、これは財政調整基金の多額の取り崩しなどが要因であり、この一時的な要因を除いた試算値は4.5%となり、依然として23区平均値を上回る状況となっています。
一方、経常収支比率については、人件費や公債費の歳出抑制の効果があらわれ、前年度から1.0ポイント改善して78.8%となり、2年連続で適正範囲の70%台を維持、3年連続で23区の平均値を下回る好結果となりました。
わが会派は、26年度の決算が将来の豊島区を見通し、積極的に無駄の削減を図り、財政面においても、区民サービスにおいても、必要な手を的確に対応してこられたことに評価するものであります。
高野区長が就任された平成11年当時は、借金と貯金の差が836億円という23区最悪とも言える区財政の状況からスタートされ、徹底した行財政改革を断行して、経費削減を果たし、この16年間で、区を大きく変貌させてきました。11年当時、新庁舎をはじめとして、新しく生まれ変わろうとしている豊島区をだれが想像しましたでしょうか。
確かなことは、高野区政の施策の方向性が、多くの区民に理解され、支持されてきたゆえに現在があると思います。
しかし、これからが本番です。将来にわたる、安全、安心の豊島区構築に向け、過去を教訓としつつ、身の丈に合った財政運営を心がけ、計画的な起債の発行と、基金の積み立てを行い、選択と集中で効率的な財源の投入をお願いいたします。
それでは引き続き款別に若干の提言を含めて、意見を申し上げます。
○議会費、総務費では
議会改革の確認として、前期最後の定例会で、不断の議会改革に取り組む「決議」を全議員一致で可決した事実は重く、今後も絶え間ない改革の推進を要望します。
新庁舎開庁時よりサテライトスタジオを利用し週5日の生放送を通し開かれた区政の情報を発信している。より、区民の皆様に区政が身近になるようテレビでの広報活動の拡大のために放送スケジュールをホームページやとしまテレビの番組ガイドブックだけではなく広報としまや回覧板などに載せていただけるように要望します。
区民の自主防災体制の強化としての街頭消火器ですが、建物の取り壊しや建直し等で街頭消火器が未設置になっているところが増えている。今後、木密地域不燃化10年プロジェクトもあり町が大きく変化していくなかで、保守・点検をしていただき、今まで設置してあった場所には再設置をしてもらえるよう要望します。
地域防災訓練は発災時の初動対応を中心とした訓練、合同防災訓練は救援センター開設運営に特化した訓練と的を絞ったことは、大きく評価できます。今後については、さらに住民の生活実態に合った訓練として、隣接区における合同訓練を開始できるように取り組んでいただくよう要望いたします。
公明党女性委員会は、女性防災会議を立ち上げ、女性の視点を生かした防災対策を提言しています。すでに国の中央防災会議には3割以上の女性委員が登用されています。豊島区においては、女性委員は、いまだ18.8%です。3割を目指すよう要望します。また、町会等の防災訓練に、角度を変えた防災訓練として、女性だけの防災訓練などの開催を提案いたします。
年々増加している非常勤職員の処遇については、より適切に対応し、効果的な行政運営を推進していただくよう要望します。
○福祉費、衛生費では、
発達障害就労支援については、個人差があり課題解決には難しさがあります。
専門的な知識のある方が、きめ細かくサポートができる相談体制が必要です。就労希望のある方が一人でも多く、希望通りの就職ができる相談体制の充実を望みます。
地域猫の活動の目的は野良猫を排除するのではなく、猫も命あるものとし地域の問題としてとらえ猫を適正に管理しながら共生していくことです。
活動がスムーズにできるよう地域の方々や関連機関である区の他部所や警察に対して、周知徹底を要望します。
ハクビシン対策については平成21年当時は、保健所は「豊島区にはハクビシンはおりません」という反応でした。ここに来て毎年ハクビシンについての相談が50件を超えてきました。環境部門と連携して、東京都の補助金等を活用した積極的な対応を要望します。
がん対策は、公明党が強く推進してきました。国の検討会でも胃がん検診に内視鏡検査を導入することが、正式に打ち出されました。がん対策先進区の豊島区は他区に先駆け内視鏡検査が導入されるよう医師会等への粘り強い働きかけを要望します。また今後、大腸がんが増加することが予測されます。特定検診のお知らせの封筒に大腸がん検診のお知らせをもっとわかるように、レイアウトを考えてもらうように要望します。
地域における見守りと支えあいは、今後の高齢社会や子育て支援にとって欠かせないものとなり、実質的に効果のある対策について検討を重ねていただきたくよう強く要望します。また、そのためにも、区民にとってわかりやすい窓口、すなわち情報を集約し、関係者の情報共有がすみやかに可能となる機関を設置するよう求めます。
○清掃環境、都市整備、土木費では、
ポイ捨て防止の路上喫煙禁止啓発シールが、時間が経つと汚くなるので、点検をしていただき張替えをお願いします。あわせて耐久性の良いシールを要望します。
区内の良質な賃貸住宅に住み替えを希望する子育てファミリー世帯に対して、年収および最低居住水準などの基準により家賃の一部助成が受けられない世帯が多い。区民住宅ソシエの借り上げ期間満了による税投入が少なくなるので、それら財源を活用するなどして、住宅対策の拡充を強く要望します。
空き家・空き地及び敷地内の樹木等の未だ、解決できない課題については、指摘させていただいたとおりであり、適切な条例改正について早急な取組みを要望いたします。
高齢者の居住支援・公的保証人制度について、不動産会社によって使える所と使えないケースがあり、実積が全く上がらない。 より多くの方が利用できる保証制度の確立を強く要望しました。また、安心住まいの提供は、高齢者、障害者、一人親家庭が対象。168戸中、107戸が活用、空きが多くある。ミスマッチの解消に取り組むことを要望します。
高齢者や障がい者、そして子育て世帯等に対する、コミュニティバス等の移動の支援は地域の活性化や住みやすい街づくりという観点から需要の高い政策と考えられます。よって早急に具体的、効果的な事業について実現できるように取り組まれたい。
区有道路の管理・改修について、公明党の要望で「空洞調査」が実施された。全長283Kmのうち100Kmを調査済み、結果100か所の危険と思われる個所をファイバーカメラによる「スコープ調査」で詳細に確認し、緊急を要する箇所40か所の改修が既に終わっている。 従来の発生対応型から予防保全型に軸足を移し、ライフラインの関係者と区道管理者との「調整会議」にて、効率的な管理運営改修に取り組んでいただくよう要望します。
街灯については、2020年までに水銀灯の解消が義務付けられている。適切な対応を望む。また、行き止まりの私道の明るさを確保することについては、特に開発行為によって住宅街が形成されるところの街路灯設置は業者義務となっている。しかし対応しない業者も散見されるところから、関係部署との連携と指導の徹底を要望します。
公衆トイレは、地域で活動し、また、そこを訪れる人にとって欠かせないものであり、その自治体の政策姿勢を如実に反映する象徴ともなります。地域とともに歩む姿勢を明確に示すためにも、また、訪れたい街、女性にやさしい街づくりのためにも、その改善に力を尽くしていただけるよう、強く求めるものです。
○文化商工費、教育費では
公衆浴場については、65歳以上の方に年26回まで100円で入浴できるお達者カードがあります。北区、千代田区、中野区では隣接区の公衆浴場でも使用できる補助券があります。本区のお達者カードもしくは、補助券も利便性を高める上から、隣接区で使用できるよう要望します。
区内企業支援や創業支援については、その底上げを図るためにも、業種間や地域間の関連性も精査しながら、加えて関連性のある企業・産業を区内に呼び込み、新たな産業も生み出すという視点から取り組んでいただくよう要望いたします。
高齢の方が日常的、定期的にスポーツに取組むことは、生活習慣病の防止や介護予防にも有効です。スポーツ施設を区民がより使いやすいものとするため、小銭を持たずに手軽に利用できるフリーパスを65歳以上が使用できる新たなフリーパス会員を設けることを要望します。
2001年に公明党のリードで成立した「子ども読書活動推進法」により学校の読書環境が充実してきました。公明党の訴えで、学校司書は平成25年度からは全校配置へと拡大されてきた。現在、小中学校で3週間に4日、1日6時間の配置が実施されていますが、読書環境充実には3週間で4日はあまりにも少ない。さらに拡充することを要望します。
公明党は、区民の命を守る政策として、一貫としてがん対策を推進してきました。特に子どもの頃からの正しい知識の習得の重要性を訴え「豊島区がん対策推進条例」策定の折には、条例文の第5条に、「教育委員会と協働し、健康教育の一貫として、児童・生徒および保護者に対して、がんの予防に関する普及啓発を図る」ことが明記されました。がんに関する授業は、教科書にはない区独自のプログラムのため、今後も引き続きガン教育の推進を力強く推し進めていただきたいことを要望します。
アレルギーの生徒の給食は、除去食もしくは弁当持参となっています。新1年生の給食のはじまりが、入学式の翌日から始まる小学校と入学式より10日後に始まる小学校があり、学校間による格差があります。教育委員会からの指導、アドバイスを要望します。
いじめの早期発見、学級経営に有効なハイパーQUを年2回に拡充されたことは大いに評価いたします。今後は具体的な結果事例を通しながら全教員がアンケート結果を使いこなせるようスキルアップに努められたい。
○特別会計では、
ネットやSNSを活用した介護、医療、看護等の多職種連携による患者、要介護者の情報共有システムは、他自治体においても大きな効果をあげていることから、早急な実現を望み、その上で、患者・要介護者の容態に合った、効果的な面談による連携支援を要望するものです。
国保の「電子レセプトによる、成人病重篤前の健康指導」について、平成25年に広島県呉市の例を引いて電子レセプトを活用して重篤化予防を提案させていただきました。26年度から糖尿病予防について重篤化にならない取り組みを立ち上げたことを評価いたします。また医療費の抑制だけではなく、重篤化にならない成人病予防、健康施策としてICTを活用した、2次、3次予防につなげられる取り組みを要望します。
以上、一般会計歳入歳出決算及び特別会計決算に対する意見を申し述べてきました。
最後に繰り返しになるかもわかりませんが財政運営のお願いを申し上げ終わりたいと思います。
25年度決算では、平成2年度以来23年ぶりに貯金が借金を上回るまでに財務体質は改善されましたが、26年度決算では一時的とはいえ「貯金」と「借金」のバランスは再び85億円の借金超過状態となりました。27年度末には191億円が歳入され、再び貯金が借金を上回る見込みですが、将来の安定的な財政運営を確保するためにも、貯金と借金のバランスを保つことが大変重要であります。
また扶助費や繰出金の増加傾向は今後も続くと予想されますし、施設の改築・大規模改修の需要への対応もしていかなければならず、例えば公共施設等総合管理方針’によれば、今後30年間の建物の改修・更新経費は、1年あたり40.9億円と推計されています。さらには、今後、様々な大型施設建設事業が数多く控えており、投資的経費の増大が見込まれます。
義務的経費と一般行政経費に充当された一般財源が標準財政規模の範囲内となる身の丈に合った財政運営を目指しながら、振り返れば17~21年度は、5年連続で「身の丈」の範囲内でしたが、23、24年度は身の丈を超過しております。景気の動向次第では身の丈超過はアッという間です。
したがいまして、今後、一般行政経費等への過度のしわ寄せが起きないよう、増大が見込まれる投資的経費への対応として、引き続き、起債を計画的に発行し、将来への負担を抑え、機会あるごとに基金への更なる積み増しに努められることを望みます。
平成26年度決算は、新庁舎整備という100年に一度といわれるようなプロジェクトが含まれ、また国際アートカルチャー都市に向け文化都市としての未来に向けての出発の決算であり、私ども公明党区議団も新生豊島づくりに、高野区長とともに、区民と一緒に築いていくことを、お約束いたしまして、平成26年度の決算審査にあたっての公明党の意見開陳といたします。ご清聴ありがとうございました。