平成30年3定ふまミチ一般質問
「人がつながり、支えあい、ともに暮らす街 としま」

平成30年9月27日登壇

公明党のふまミチでございます。
私は公明党豊島区議団を代表いたしまして「人がつながり、支えあい、ともに暮らす街 としま」と題し、1.「子ども施策について」2. 「健康施策について」3.「環境施策について」4.その他として「特定整備路線補助172号線整備について」 一般質問を行います。
どうぞよろしくお願いいたします。

はじめに、1項目として「子ども施策について」お尋ねいたします。今年の3月に目黒区では、5歳の女児に十分な食事を与えず、義父からの暴力で幼い生命を奪われる痛ましい事件がありました。児童相談所は、家庭訪問をしているにも関わらず、母親に面会を拒否され子どもに会えていませんでした。ここが非常に問題であり、必ず会って、子どもの状況を確認できれば、虐待を発見でき、このような不幸な事件は起きなかったと考えます。

この事件を受け、公明党は直ちに加藤厚生労働大臣に児童虐待防止対策の抜本的強化に向けた緊急提言を行い、その結果、「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」が児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議で決定されました。増加する児童虐待に対応し、子どもの命が失われることがないよう、国・自治体・関係機関が一体となって対策に取り組まれます。緊急的に講ずる対策として、転居した場合の児童相談所間における情報共有の徹底や子どもの安全確認ができない場合の対応の徹底。児童相談所と警察の情報共有の強化また子どもの安全確保を最優先とした適切な一時保護や施設入所などの措置の実施及び解除と乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の緊急把握の実施等が、児童虐待防止対策体制総合強化プランの策定等が盛り込まれました。国の「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」をふまえ本区としての取り組みがあればお示しください。 

豊島区では、平成12年に「豊島区子ども虐待防止連絡会議」を設置し平成16年度から児童福祉法上の「要保護児童対策地域協議会」に再構築されております。児童虐待の早期発見、迅速・的確な対応、発生の予防が重要と考えます。

この夏、公明党豊島区議団は、「こどもを核としたまちづくり」をおこなっている兵庫県明石市を視察させていただきました。先駆的な子ども支援策に取り組んでいる明石市では、「子どもスマイル100%プロジェクト」という子ども本人と100%会うという取り組みを実施しています。この取り組みで、明石市では、平成29年度は100%確認ができたと聞いております。豊島区も、赤ちゃん訪問や子育て訪問相談事業、1歳のバースデイ訪問相談事業など、親子と直接会い対話をすることにより、不安や悩みなどに寄り添い、応えていくなかで早期発見・早期対応に繋げていく取り組みをしています。 また、本区では健康診査についても明石市と同様に行っています。都心ならではの住宅の高層化やセキュリティの強化、また希薄化するコミュニティにより、重症ケースの通告が増加傾向にあると聞いております。

虐待を防ぐためには、必ず子どもに会い、状況を確認していく中で虐待を発見し救うことができると考えます。本区のお考えと、また、今後どのような取り組みを行っていくかも合わせておきかせください。

明石市では、子どもの安全確認ができない場合や保護者の協力が得られない場合は、児童手当を窓口等での現金支給に切り替え、手渡す前に子どもの安全確認をするとのチラシを作成しております。しかし、これまで100%会えているのでこの現金支給は実際行われておりません。

このシステムは、大変に有効かと考えますが本区のお考えをお聞かせください。

昨年、新しい社会的養護養育ビジョンがまとめられました。その中に、平成28年児童福祉法改正により、子どもが権利の主体であること、実親による養育が困難であれば、里親や特別養子縁組などで養育されるよう、家庭養育優先の理念等が規定されました。これらは子どもの権利保障のために最大限のスピードをもって実現する必要があり、その工程において、子どもが不利益を被ることがないよう十分な配慮を行うとあります。

そこで「児童相談所及び一時保護所開設」についてお尋ねいたします。本区も東京都からの移管により平成33年に児童相談所及び一時保護所が開設予定で準備が進められております。                                     はじめに、児童相談所を設置することによる住民にとっての利点をお聞かせください。

また、児童相談所の強化に関し、児童福祉司の増員だけでなく、児童福祉司を指導するスーパーバイザーの専門性を今以上に高めることも必要であります。

明石市では既存の市職員の異動による配置に加え、新たに多職種の職員を大幅に採用すると聞いておりますが、本区において、現段階での職員配置などを含め準備状況をお聞かせください。

また、児童相談所職員の対応が、法律上適切かどうかの裏付けが必要になるため、弁護士の役割が重要になってきます。明石市は、常勤職員で二人の弁護士を採用予定です。この弁護士はケースワーカーとして現場に赴き現状把握に努めるとのことでした。福岡市でもすでに常勤弁護士が活躍されています。本区としましても非常勤職員ではなく、常勤職員として弁護士の採用を要望いたしますが、お考えをお示しください。

児童相談所の設置にあたり社会的養護の整備も重要になってまいります。保護した子どもの受け入れ先である施設や里親の確保による家庭的養護の推進が必要であると考えます。この社会的養護の整備を本区としてどのように考えておられるかお聞かせください。

先日、里親をされている区民の方から、豊島区の児童相談所の設置にあたり、区民の皆さまが、全国に誇れる子どもファーストの児童相談所にしていただくために、里親との話し合いの場を設けて欲しいと相談がありました。現実、里子を育て頂いている里親さんから様々な意見をうかがうことも大変に重要かと考えます。ぜひとも懇談会を早急に開催していただき児童相談所の設置に役立てていただきたく思いますが、いかがでしょうか。

新しい社会的養育ビジョンに、里親の推進に関し、里親愛着形成に最も重要な時期である3歳未満については概ね5年以内に、それ以外の就学前の子どもについては概ね 7年以内に里親委託率75%以上を実現し、学童期以降は概ね10年以内を目途に里親委託率50%以上を目標とあります。明石市では、あかし里親100%プロジェクトの取り組みがあります。児童相談所開設後、里親を必要とする就学前乳幼児の委託率100%を目指し、全28小学校区で里親配置に取り組んでいます。また、H29年度から里親登録を増やす取り組みとして、里親に関心がある方への個別相談会、里親制度普及のための里親フォーラムの開催、啓発用ポスターの掲出、チラシの全自治会への配布、市民向け・職員向けの出前講座の開催しています。 また、「里親推進連絡会議」を設置し里親の推進・支援にかかる役割分担や連携方策について検討しています。明石市のような独自のこのような取り組みが大変に有効と考えております。とくに里親相談会は、H29年度5月より毎月開催し、H29年度は42組56名が参加され、その結果平成30年7月1日現在新たに里親登録家庭が2組が誕生し、里親登録予定家庭が13組あるとのことです。         このような里親推進の取り組みを参考に、豊島区ならではの取り組みを要望いたします。決意とお考えをお示しください。

このように児童相談所設置には、人材養成や必要な施設整備などのソフト面・ハード面とも課題が山積しています。本区では、児童相談所準備担当課が設置をされておりますが、課長が兼務されております。兼務されることなく専任で児童相談所準備担当課の設置を要望しますがいかがでしょうか。

2項目目の健康施策についてお尋ねいたします。

がんは、依然として区民の死亡原因の1位であり、平成25年度の全死亡者数の28.8%を占めています。この現状を踏まえ、平成22年度に制定、策定した「豊島区がん対策推進条例」及び「豊島区がん対策推進計画」に基づき、今後も引き続きがん対策の総合的かつ計画的な推進に取り組み、「がん検診の推進」「がんの予防・普及啓発」「がん患者と家族の支援」の3つの課題解決を基本に取り組みをすすめていただいているところです。

特にがん検診については、本区ではすべてのがん検診の受診料が無料など、先駆的に取り組んでいただいていることを高く評価いたしております。

今年度からの受診率向上のために、新たな取り組みとして5つのがん検診の受診券を一つにまとめて送付していただき、区民の皆さまからとても好評を博していると聞いております。また7月から胃の内視鏡検査がはじまりましたが、区民の皆様の反応と現状をお聞かせください。

受診率向上の取り組みとして以前にも私ども区議団から「レデイースデー健診」の実施を提案しております。子育て中のお母さんにも安心な無料託児ルームを併設し、1日ですべての5がん検診が受診できる体制づくりを再度要望いたしますが、進捗状況をお聞かせください。

また、がん治療の抗がん剤投与で、吐き気やだるさだけでなく、脱毛や爪の変形、顔のむくみなどの副作用が出ることがあリ、患者にとって身体的痛みに加え、外見の変化による戸惑いやショックといった精神的ダメージは大きく、外出を控えがちになるといわれています。 国立がん研究センター中央病院が実施した「抗がん剤治療による副作用の苦痛度」調査によると、女性では「脱毛」を挙げる人が最も多く、「吐き気」や「全身の痛み」を上回っていました。ほかにも「まつげや眉毛の脱毛」「顔の変色」など、外見に関する“苦痛”を訴える回答が目立っています。また、医療技術が進歩し、外来通院で治療を受ける人が増えており、病気によって変わってしまった姿に悩む患者へのケアが一層求められています。脱毛や乳房の切除など、こうした外見の変化は、治療や就労への意欲の低下や引きもりがちになることもあり得るため、ウイッグや胸部補正具等による外見へのケアが重要と考えます。都内では、港区が医療保険適用外となっているウイッグと胸部補正具の購入経費の一部助成をおこなっております。このような女性の悩みを真摯に受け止めていただき、本区におきましても、ウイッグと胸部補正具の購入費一部助成を要望いたしますが、お考えをお示しください。

さらに、国の第3期がん対策推進計画には、患者の遺伝情報に基づくゲノム医療、小児・AYAといわれる思春期・若者成人世代・高齢者の特性に応じた対策等を取り組むと明記されております。

本区の第二次がん対策推進計画には、小児、AYA世代の取り組みが明記されておりません。

国と同様に小児・AYA世代の対策をがん対策推進計画に盛り込み世代に応じた取り組みを推進していただきますよう要望しますがいかがでしょうか?

また、我が国の小児の死亡原因は、4歳までは先天異常が1位ですが、それ以降は事故などの病死以外の原因を除けば、がんが死亡原因の1位になっています。小児がんの患者と家族は、発育や教育へのなど成人のがん患者とは異なる課題を抱えております。             本区での小児がん診療の体制整備や小児がん患者の支援と家族の相談体制の現状をお示しください。

小児がんの発症数は年間2000名~2500名と少なく、小児がんを扱う医療施設は全国に200程度しかありません。多くの医療機関では小児がんに対する医療経験の乏しい中、小児がん患者は適切な医療を受けられないことが懸念されています。がん対策推進基本計画に基づき昨年より全国15カ所に小児がん拠点病院を指定し、質の高い医療の提供と相談体制の充実が図られました。                                       小児がん拠点病院や東京都小児がん診療病院と連携を取り、安心して治療が行える環境整備の促進を要望いたしますがお考えをお聞かせください。

また、小児がんなどにかかった子どもが抗ガン剤治療を受けた場合、予防接種で、できていた抗体が失われてしまう場合があります。再接種が必要ですが自己負担となるため、保護者は高額な接種費用を支払わなければなりません。                          名古屋市や愛知県西尾市等ではすでに全額助成がスタートしています。本区におきましても保護者の負担軽減のためにも再接種の助成を要望いたしますがいかがでしょうか?

次に3項目目として、環境施策についてお尋ねいたします。フードロス削減については、ゴミ減量推進課を中心に多岐にわたり取り組んでいただいていることを評価させていただいております。区民の皆様に、よりフードロス削減対策を知っていただくため、私どもが提案しておりました、区民の集いが8月末にセンタースクエアーで開催されました。                                その区民の集いの状況と区民の皆様のお声をお聞かせください。

今回の第一回のフードロス削減に向けての区民の集いが開催されましたが、まだまだこの取り組みを知らない方がおられますので、周知徹底のため2回、3回と引き続きの開催を要望いたしますが、お考えをお聞かせください。

また、フードドライブの常設化を要望し、豊島清掃事務所に設置の方向で検討を進めていただいていますが、区民のみなさまが持ち寄りやすい区役所本庁舎や東西の区民事務所などにも設置していただけるとより、フードドライブに参加される方が増えると考えますがいかがでしょうか?

先日、環境省・消費者庁・農林水産省が後援で民間が主催している「クリエイティブクッキングバトル」が開催されました。家庭から出る食料廃棄を楽しく解消する。ありモノからおいしい料理を作ることは生活の中で 最もクリエイティブな行為である”をコンセプトに 残り食材を工夫して自由に料理する能力に焦点を当てた、 エンターテイメント型フードロス解消バトルイベントです。 ルールーとしては、1チーム3〜4名で、冷蔵庫に残りがちな基礎食材と各参加者持ち寄りの家庭での残り食材各自1~2品持参したものを使用します。また、食材の配分方法は、各チーム早い者勝ちで、各チームに寄って取られなかった食材については、事務局により各チームに強制配布されます。料理数は制限なしで、調理時間は45分です。 調理中の生ごみは指定のゴミ箱へ。味、料理の見た目、工夫やアイデア、生ゴミの量を5人の審査委員により総合的に審査されます。本区では、女子栄養大学の教員によりフードロス削減講座が行われておりますが、さらに、進化してこのような対決型、体験型のイベントの開催を提案させていただきます。区民のみなさまが食品ロス削減って、こんな楽しいのに大きな気づきがあり、工夫って面白いと思っていただけたらより一層取り組みが進むと考えます。区としての見解をお聞かせください。

国では、食品ロスそのものの削減や、未利用食品の活用は進んでおらず、食品ロス削減をより進めていくには、国民運動として取り組みが重要であり、そのためには立法化が必要であると考え、公明党は、食品ロス削減推進法の策定に向け取り組んでおります。本区としましても今後も積極的に食品ロスの取り組みを推し進めていただけますよう要望させていただきます。

次に、紙おむつのリサイクルについておたずね」いたします。(一般社団法人紙おむつリサイクル推進協会によりますと、)現在年間81万トン(大人用32万トン、子ども用49万トン)の紙おむつが生産されこのうち56万トンが国内消費されています。そして使用済みの紙おむつの重量は約4倍になるため国内の紙おむつゴミ処理量は約4倍の224万トンとなります。使用後はその多くが廃棄され、焼却処理されているのが現状です。今後、少子高齢化を背景に大人用紙おむつの生産量が増加すると予測されています。他自治体では、使用済みの紙おむつを、分別収集し燃料などにリサイクルしている事例やパルプ繊維に再生し、そこから再び紙おむつの原料としていく先駆的な実証実験が行われています。本区では、この4月より新たな施策として区内の区立、私立保育園及び地域型保育事業すべての認可保育施設に在園する園児の紙おむつを原則として区が回収・廃棄が実施されています。しくみとしては、各保育園に専用のポリバケツを置き、区の委託業者がバケツにたまったおむつを各園で週3回、回収し廃棄・焼却されているとうかがっております。環境負荷の低減へ、ごみとしての発生抑制だけではなく、資源、エネルギーに変え循環型社会を目指していくために、本区の保育施設から出された紙おむつのリサイクルを推進していただけますよう要望いたしますがお考えをお聞かせください。

最後にその他として、特定整備路線補助172号線の整備についてお尋ねいたします。私ども公明党豊島区議団は、7月下旬高野区長、呉副区長に残地取得の申し入れを行いました。補助172号沿線は約30%まで道路用地買収が進んでおり、フェンスに囲まれた空地が目立つようになってきました。残地を有効活用してポケットパーク整備等の促進を要望し、長い間暮らした方がこの地域で住み続けたいとのご要望に応えるための方策として東京都が買収できない用地を、区が居住環境整備用地として積極的に買収して代替え用地として活用するなど、沿道の街づくりの一層の推進を図る内容です。我々の申し入れに対して、区としてはどのように取り組んでいかれるのかお考えをお聞かせください。木密地域の燃えない街づくり、住み続けられる街づくりに関係者と協力して全力で取り組んでいかれることを要望します。

以上で一般質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。

 

公明党 ふまミチ議員 30年第三回定例会 一般質問 答弁

ただいまの、ふまミチ議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。

子ども施策についてのご質問のうち、まず、国の「児童虐待防止の強化に向けた緊急総合対策」を踏まえた取組についてのご質問にお答えいたします。

今回の国の児童虐待防止対策は、ほとんどが児童相談所設置市の取り組むべき内容となっていますので、現段階で本区が取り組める内容としては、「乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学等の緊急把握の実施」がメインとなります。この取組みは、すでに、東部子ども家庭支援センターで、保健所と連携しながら、平成26年度から実施しております。

具体的には、乳幼児健診等を受けておらず、保健所で電話、文書、家庭訪問等による勧奨を実施したにもかかわらず、連絡・接触ができない家庭の児童について、同センターで保育園・幼稚園の在籍調査を行い、不登園であれば、家庭訪問等や医療機関受診状況調査により実態確認を行っております。

平成29年度実績では、調査対象者509名のうち、保育園等への在籍調査や同センター職員の訪問によって、実際に目視で確認できた子どもは約7割、348名でした。それ以外は、医療機関にかかったかどうかデータ上の確認を行っておりますので、居所(きょしょ)が把握できない児童はゼロでした。平成30年度調査は9月末までとなっており、現在鋭意調査中です。

次に、子どもに必ず会って虐待を防ぐことに対する区の考えと今後の取り組みについてのご質問にお答えいたします。

子どもと会うことは、子どもの安全を確認することができ、児童虐待防止の観点からは有効な手段ですが、その一方で、訪問することで保護者を精神的に追い込んでしまう場合もありますので、慎重な判断と対応が必要ではないかと考えています。

さきほど答弁申し上げたとおり、乳幼児健診等を受けておらず、かつ、連絡・接触ができない家庭の児童については、すべて居所(きょしょ)把握(はあく)はできておりますが、実際に目視で確認できた子どもは、約7割に留まります。今後は、目視で確認できていない子ども約160人について、実際に子どもと会って確認を行う取組みを検討してまいります。

次に、子どもに必ず会うための方策としての児童手当の窓口現金支給についてのご質問にお答えいたします。

ご質問にあります明石市に、児童手当の窓口現金支給を実際にどのように行うのか確認を取ったところ、特に児童手当振込手続停止を制度化しているわけではなく、まずは、保健師や民生委員によって、徹底した家庭訪問を実施し、未確認児童の数を絞り込んだうえで、それでも会えない子どもについて、児童手当振込手続停止とするとのことです。その結果、実際には、これまで振込手続停止となった家庭はゼロとのことです。

本区においてもこのような、まず訪問を徹底するやり方であれば、振込手続停止となる件数は極めて少数になると見込んでおります。平成29年度の実績でも、乳幼児健診等を受けておらず、かつ、目視で確認できていない子どもは160人程度ですので、子ども家庭部門と保健福祉部門が連携して訪問を徹底すれば、対象をかなり絞り込めると想定しています。

したがいまして、明石市と同様の取組みは十分可能と思われますので、実施方法について具体的な検討を進めてまいります。

次に、児童相談所設置による区民の皆さんにとっての利点についてのご質問にお答えいたします。

ここ数年、児童虐待の相談通告件数が急増しており、都の児童相談所・一時保護所の対応が追い付いていない状況にあります。

しかし、本区が児童相談所を設置することで、急を要する事態にも迅速に対応できるという利点があります。また、通告・相談先が豊島区に一元化されますので、区民の皆さんにとって窓口の所在が明確になります。また、地元警察署、学校や保育所、民生委員など地域と連携することで、子どもの状況を把握しながら、虐待の未然防止への取組みができることは基礎自治体ならではのメリットです。さらに児童相談所は、里親の育成支援等も行いますので、社会的養護の必要な子どもへの対応など、切れ目のない一貫した支援・相談体制を構築することができると考えております。

次に、児童相談所の、現段階での職員配置を含めた準備状況についてのご質問にお答えいたします。

平成33年度の児童相談所の設置を見据え、正規職員は福祉職や心理職など、31年度以降に新規採用で13名、人事異動で19名の計32名を確保する採用・異動計画を作成しました。非常勤職員の採用も含めますと、開設時の職員体制は正規職員42名、非常勤職員17名、臨時職員22名の計81名を予定しております。

しかしながら、平成30年7月20日に決定された国の「児童虐待防止の強化に向けた緊急総合対策」に基づき、児童福祉司の配置基準の見直しが発表されています。現在、国会で審議されております改正児童福祉法の動向を注視し、同法が成立した際には職員配置の見直しを検討していきたいと考えております。

また、現在、本区職員を東京都や近隣自治体の児童相談所等へ派遣したり、他自治体の視察や勉強会などに参加させたりするなど、人材育成を強化しております。

次に、常勤の弁護士の採用についてのご質問にお答えいたします。

本区では児童相談所の開設に向け、非常勤職員として弁護士をこれまで2名採用しております。

弁護士を採用したことで、法的措置を見据えたケースワークの助言を受けることができ、また、援助方針会議等へ出席可能となりました。

弁護士が常勤であれば、このような法的対応事案が日常的に相談できる体制が強化されますが、当面は現在の体制で可能となっています。

したがいまして、平成34年の児童相談所開設後、必要に応じ、弁護士の体制強化を再検討してまいりたいと思います。

次に、社会的養護の整備に対する考え方についてのご質問にお答えいたします。

本区では平成30年6月現在、117人の児童が乳児院や児童養護施設、または里親家庭で生活をしております。

子どもたちの健やかな成長を保証していくためには、住み慣れた区内で養育できる環境を整備することが大変重要であると考えております。

一方、現在23区内で、乳児院は8か所、児童養護施設は25か所しかなく、一時保護所退所後の受入れ先がなかなかみつからない状況です。このことが一時保護所入所の長期化につながっています。

したがいまして、児童相談所開設後、できるだけ早期に、乳児院や児童養護施設を開設できるよう誘致してまいりたいと考えております。

次に、児童相談所設置にあたり、里親から意見を聞いて役立てるための懇談会の開催についてのご質問にお答えいたします。

児童相談所は、子どもと里親のマッチングや里親の研修・支援を行うこととなりますので、ご指摘のとおり、児童相談所設置にあたり現在、里親をしている方々からご意見を伺うことは大変重要であると認識しております。

現在、区内の里親家庭の登録数は14家庭となっていますが、平成34年の児童相談所開設に向け、区内の里親家庭を増やすとともに、里親を支える仕組みづくりを構築する必要があります。

このため、区内の里親家庭との懇談会を開催し、そこで出された意見等を本区の児童相談所の運営に活用していきたいと考えております。

次に、本区ならではの里親の推進と、取組の決意についてのご質問にお答えいたします。

これまでも本区は、里親となってくださる家庭を少しでも増やすため、研修会等を実施しております。今年6月15日には実際に里親をしている方の体験談を聞く会を開催したところ、参加者150名のうち15名が「里親をやってみたい」という感想をお持ちでした。

このように里親の実態を知る機会があれば、里親になってみたいという方も増えてくると思いますので、今後、里親の必要性について積極的なPRを展開するとともに、地域との連携による「としまの里親プロジェクト」を本年10月に立ち上げ、さらに里親を増やしていく予定です。

次に、児童相談所設置に向けての専任課長の配置についてのご質問にお答えいたします。

平成29年度より、「子育て支援課」のスタッフ職担当課長として「児童相談所設置準備担当課長」を新設し、平成33年度の児童相談所開設に向けた準備を進めております。

現在、児童相談所設置準備担当課長は兼務になっておりますが、本課のスタッフ等と連携し、児童相談所の開設準備業務を進める組織体制を構築しております。

しかしながら、開設に向けた様々な課題に対応していくため、可能な限り最優先で、専任課長を配置できるようにしてまいります。

なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては、両副区長から答弁申し上げます。

健康政策についてのご質問のうち、7月から始まった胃の内視鏡検査に対する区民の反応と現状についてのご質問にお答えいたします。

7月からスタートいたしました、胃内視鏡検査は、7月・8月の2か月だけでも、1,023件の受診がございまして、昨年と比較して、7月が2.8倍、8月が2.2倍の伸びとなっております。区民の皆様からの反響は、予想以上のものがあり、胃の内部を直接観察することができる内視鏡検査のニーズの高さを、改めて実感しております。

次に、子育て中の母親が1日で5つのがん検診を受診できる体制づくりの進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

としま健康診査センターでは、昨年3月と今年3月に、「レディースデイ」を設定し、自費診療とはなりますが、マンモグラフィを使用した乳がん検診と、骨密度測定による骨粗鬆症検診を実施いたしました。

ご質問の、5つのがん検診の同日実施につきましては、検診によっては、一旦、地域の医療機関に受診をしていただく必要があることや、同日実施が想定されるとしま健康診査センターに、子宮がん検診に係る診察台を設置するスペースが不足していることなど、様々な課題がございます。

また、検診受診時における無料託児ルームの設置について、こちらもスペース的な制約から、現在のとしま健康診査センターにおける併設は難しい状況でございます。

ご質問いただきました、子育て中の母親の方々が安心して、がん検診を受診するための環境を整備することは、がん検診の受診率向上に向け、大変重要な課題であると考えておりますので、今後も施設のあり方を含めまして、様々な方策について検討を継続してまいりたいと考えております。

次に、がん治療に伴う外見変化に対応するウィッグ等の購入費一部助成についてのご質問にお答えいたします。

ご質問の、ウィッグと胸部補正具の購入費の一部助成につきましては、すでに複数の自治体で実施されており、少しずつ広がりをみせております。外見ケア、いわゆるアピアランスケアについては、がん患者に闘病の勇気を与え、仕事への復帰や社会参加のきっかけになるものであり、がん患者やその家族への支援として、大変、意義のある施策と考えております。

区といたしましては、先行して助成を実施している自治体の評価や課題などを確認しつつ、相談体制と購入費助成を兼ね備えた支援体制の導入に向けた検討を進めたいと考えております。

次に、国と同様に小児・AYA世代のがん対策を「がん対策推進計画」に盛り込むことについてのご質問にお答えいたします。

本区では、これまで、小児・AYA世代を含む、すべての年代を対象とする形で、「がんの予防・普及啓発」や、「がん患者と家族の支援」の充実に努めてまいりました。

現在の「豊島区がん対策推進計画」では、小児・AYA世代に焦点を当てた記述はしておりませんが、次期計画の策定に向けては、小児・AYA世代をはじめ、人生のライフステージに応じた支援のあり方を十分に検討し、小児・AYA世代に向けた対策つきましても、明確に計画に位置付けてまいりたいと考えております。

次に、小児がん診療の体制整備、患者の支援と家族の相談体制の現状についてのご質問にお答えいたします。

区では、平成22年度から設置している在宅医療連携会議において、緩和ケアや、地域医療連携のあり方を検討し、地域医療・在宅医療の体制整備を進めてまいりました。

本区の取り組みは、全国的にも先駆的な対策として注目されておりまして、今後も引き続き、小児がん診療も含めた、医療体制の充実に取り組みたいと考えております。

また、患者の支援と家族の相談体制についても、医師会に委託するかたちで、平成24年度から在宅医療相談窓口を設置し、医療や介護などの連携と調整をワンストップで行う体制を整えて参りました。

さらに、経済的な支援策として、がん先進医療費利子補給事業や、医療保険の負担軽減制度・レスパイト利用の案内等も実施しておりまして、小児がん患者を含めた患者・家族に対する、不安の軽減に取り組んでいるところです。

そうした中で、平成28年度の「がん患者・家族支援のための懇談会」において、「がん患者の病状により、必要なサービスが異なり、その正確な情報が、患者や家族に届きづらい」という現状が指摘されました。

そうした意見を踏まえまして、区では、「がんケアパス検討会議」を本年6月に立ち上げまして、がん患者や家族に対する情報提供のあり方について、具体的な検討をスタートいたしましたので、その議論の中で、小児がん患者や家庭の相談体制についても検討して参ります。

次に、小児がん拠点病院や東京都小児がん診療病院との連携など、安心して治療が行える環境整備の促進についてのご質問にお答えいたします。

「東京都小児がん診療病院」は、いずれも区内の病院ではありませんが、隣接した板橋区、文京区の5つの病院が含まれております。

また、最近では、小児がん拠点病院や、東京都小児がん診療病院といった医療施設での治療が一段落した後、地域での生活を再開した小児がん患者を診療する際の留意点などについて、医療関係者の研修会などを通じ、認識を共有しようという動きも出てきております。

こうした動きを、区医師会と共有するとともに、在宅医療連携会議などを通じた、組織横断的な医療連携を広げまして、地域の医療機関で安心して治療が継続できる体制づくりに取り組んで参ります。

次に、抗がん剤治療に伴う予防接種の再接種に対する助成についてのご質問にお答えいたします。

小児がんにはご案内の通り、いろいろな種類がありますが、特に白血病など、血液のがんの割合が多いといわれております。抗がん剤療法や、造血幹細胞移植などを組み合わせて治療されています。

このような治療の影響で骨髄の機能に障害が出ると、体の抵抗力が弱くなり、治療前に接種していた予防接種の効果が次第に弱くなることもあります。

治療の内容やワクチンの種類によって、予防接種の効果が持続する程度が異なることから、治療終了後に抗体検査を行い、必要と判断されたワクチンの再接種を行うのが望ましいとされています。

予防接種の再接種費用の助成については、がんに罹患したお子さんが、治療終了後も安心して地域で生活できるよう、他自治体の動向も踏まえながら、導入に向けた検討を進めてまいります。

私からの答弁は以上でございます。

環境施策についてのご質問のうち、まず、8月に開催したフードロスの区民の集いの状況と区民の声についてのご質問にお答えいたします。

本年8月27日に、としまセンタースクエアにおいて、区民の集い「フードロス削減の輪を広げよう」を開催しました。

豊島区のフードロス削減対策や、区内循環型フードドライブについての講義、また女子栄養大学豊満(とよみつ)准教授による食材を無駄にしないレシピの紹介を行うとともに、会場ではフードドライブも実施しました。当日は平日の午前中にもかかわらずセンタースクエアが満席となり、またフードドライブでは24人の区民の皆様から47個の食品が提供されるなど、大変充実した区民の集いとなりました。

参加者からのアンケートによれば、大変興味深い内容で勉強になった、ごみを少しでも減らすことを心がけていこうと思う、フードドライブが身近に感じられてよかった、などの声が寄せられました。

次に、区民の集いの引き続きの開催についてのご質問にお答えいたします。

今年度、関係各位のご支援により、はじめて区民の集いを開催することができました。この開催により多くの区民の皆様にフードロスの現状及び削減の重要性についてご理解いただけたと思います。今後もさらに多くの区民の皆様、そして幅広い層への啓発を行うため、休日に開催するなどして、区民の集いを継続して開催してまいります。

次に、本庁舎や東西区民事務所へのフードドライブ設置についてのご質問にお答えいたします。

フードドライブにつきましては、昨年度よりイベント等でのブース出店により実施し、区民の皆様から寄付された食品は豊島区民社会福祉協議会を通じて、支援の必要な方に提供してまいりました。回を重ねるごとにフードドライブは区民の皆様に浸透してまいりましたが、食品を寄付してくださる区民の皆様からも常設窓口の設置を望む声が多く、今年度中に、豊島清掃事務所内に常設窓口を設置することといたしました。常設窓口の設置につきましては、食品の保存場所、管理体制、配送手段等整備すべき課題もあることから、まずは豊島清掃事務所内で開始することといたしましたが、今後は、提供してくださる区民の皆様のため、より便利な場所での設置についても検討してまいります。

次に、「クリエイティブクッキングバトル」のような体験型イベントの開催についてのご質問にお答えいたします。

平成28年度より女子栄養大学の協力により、区民講座を開催してきました。28年度は講義スタイルの講座を、29年度は実際に調理を行う講座を開催してきました。そして、今年度は来年2月に西武池袋本店のキッチンスタジオで、講師の説明とデモンストレーション、試食を予定しております。対象者を広げることと、買物客など不特定多数の人に足を留めてもらい、フードロスに関心をもってもらうための試みです。

このように、区民講座は毎回、工夫して実施しておりますので、ご案内いただきました新しいスタイルのイベントにも、関係者と連携して今後挑戦してまいりたいと考えます。

食品ロス削減対策は、食品廃棄を減らし環境保全を図るとともに、食品に困窮している人々への支援ともなるもので、世界的な規模で取組みが進んでいます。本区といたしましても、このような状況を踏まえ、今後もさらに、食品廃棄の削減や、食品ロス削減に向けた理解や関心を深める取組みを推進してまいります。

次に、保育施設から出た紙おむつのリサイクル推進についてのご質問にお答えいたします。

今年度から事業化した保育園の使用済み紙オムツの回収処分については、保育園に通うお子さんの保護者や保育園からも大変喜ばれ、順調に実施しているところであります。

その回収した紙オムツは清掃工場で焼却処分をしており、年間の処分量は約300トンと想定しております。

使用済み紙オムツのリサイクルについては、福岡県内で、紙オムツをリサイクルするための専用プラントを持つ民間企業を通して、回収した紙オムツの建築資材等へのリサイクルを実施している自治体があり、また、新潟県十日町市においては、紙オムツの固形燃料化施設を新たに設ける計画があるなど、いくつかの先行する事例があると伺っております。

ご指摘の使用済み紙オムツのリサイクルということにつきましては、大変重要な視点であると本区でも考えておりますので、まずは先行する自治体や企業の取り組み等をよく調べ、また本区における実施に際した課題や方策を整理するなど、調査研究を進めてまいりたいと考えております。

次に、その他についてのご質問のうち、まず、残地取得の取組についてのご質問にお答えいたします。

東京都は、補助172号線整備のための用地買収において、原則としては、残地については取得しない方針としております。

このため、東京都が取得しない残地は、土地所有者自らの判断において再建や売却を行う必要があり、その手間や、税法上の特例措置が適用されないことが土地所有者の負担となっておりました。

こうした状況の中、まず、区は、今年度に居住環境総合整備事業等により残地を取得する体制を整備いたしました。

また、東京都に対して用地買収において、都が取得しない残地の情報を土地所有者の承諾を得たうえで、区に提供するよう今般、要請しましたので、今後、情報の共有を進め、区の残地の円滑な取得に結び付けていきたいとと考えています。

さらに、長崎地域においても、池袋本町・上池袋地区と同様に、UR都市機構との間で区よりも弾力的に代替地となる土地を取得できる自主的な事業を展開することについて、協議を開始しました。

今後、東京都から残地に関する情報、UR都市機構から土地取得に関する情報の提供を受けた場合には、地域のまちづくり協議会とともにその活用方法について検討を行い、ポケットパークや道路の整備、代替地としての利用など、地域の皆様の意見を踏まえながら、補助172号線の沿道まちづくりを展開してまいりたいと考えております。

次に、燃えない街づくり、住み続けられる街づくりに関係者と協力することについてのご質問にお答えいたします。

現在、区は、木密地域である長崎地域において、3つのまちづくり協議会と1つの権利者協議会への支援、1つのまちづくり懇談会の運営を行い、地域の皆様と協働しながら、まちづくりの取り組みを行っております。地元のまちづくり活動においては、ワークショップ、まち歩き、商店会の再生や先進事例の研究などを行い、地域の諸課題を洗い出し、将来のまちの姿を見据えながら、議論を重ねております。

また、補助172号線沿道に相応しい土地利用を目指し、残地を含めた街区単位の共同化の意向を調査したり、駅の玄関口に相応しい空間整備を視野に入れた東長崎駅北口エリアの共同化の研究を行うなど、個別具体的な取り組みを積極的に行い、木密地域の不燃化の一層の促進を図るとともに、地域のまちづくり機運の醸成も行っております。

長崎地域においては、補助172号線の整備により、まちが大きく変化するため、これを契機としたまちづくり活動が活発に行われている状況であり、今後も引き続き、地域の皆様と協力して、燃えない街づくり、住み続けられる街づくりを目指して、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

以上をもちまして、ふまミチ議員のご質問に対する答弁を終わります。