tuji120221

平成24年第1回区議会定例会2月22日

一般質問  公明党 辻 薫

「次の10年へ持続可能な安全安心まちづくりを!」

公明党の辻薫でございます。私は、公明党区議団を代表しまして、「次の10年へ持続可能な安全安心まちづくりを!」と題して、第1に、セーフコミュニティについて、第2に、帰宅困難者対策について、第3に、住宅施策について、第4に、飼い主のいない猫対策について、第5に、その他として、健康施策と地域問題について、一般質問を行います。

 1.セーフコミュニティについて

最初に、セーフコミュニティについて伺います。

東京初のセーフコミュニティ認証取得への取り組みは、昨年の東日本大震災を経験し、国内外からの関心を集めるばかりでなく、今後は、豊島区が大都市モデルとして世界の安全安心に寄与していくよう期待されております。これまで安全安心まちづくりを推進してきた一人として大変に嬉しく、高野区長をはじめ関係者の皆様のご尽力に対し、深く敬意を表するものであります。

以下、本審査とその後の講評を受けて3点について質問致します。

最初に、健康づくりに関するヘルスプロモーションの取り扱いについて伺います。講評の中で、「セーフコミュニティはこれまでの経緯から、『がん』を含む疾病予防を対象としていない。」との指摘があった一方で、「豊島区が区民の皆さんに向けて使う場合には、加えて頂いても構いません。」 とのコメントもありました。そこで本区としては、当初の重点課題である「がんの早期発見」の取り扱いをどのようにされるのか、また、今後医療費の削減にもつながるヘルスプロモーションについては、どのように取り組んでいかれるのか、ご見解をお聞かせ下さい。

2点目に、セーフコミュニティの拠点としての「地域区民ひろば」について伺います。高野区長は、審査員の講評を受けてのご挨拶の中で、課題の一つとして、「区民ひろばを中心としながら、参加する方の輪をもっと広げていかなければならない。」と語っておられました。また、区民ひろばは、当初の世代間交流や地域活性化の場だけではなく、セーフコミュニティのステーションとして、さらに、コミュニティ・ソーシャル・ワーカー事業の拠点としていくなど、区の重要施策の受け皿ともなってまいりました。そこで、現在推進しています運営協議会のNPO法人化についてですが、これを機にベテラン職員が引き上げることによる活動機能の低下や、部門横断的な調整能力不足を危惧する声が出ております。セーフコミュニティは、長期にわたって継続して取り組む活動であり、その拠点と位置付けている以上、人材の確保のみならず運営費も含め区としても充分な支援が必要であると考えますが、区のご見解をお聞かせ下さい。

3点目として、セーフコミュニティ活動を推進するための財政運営について伺います。重点課題の「障害者の安全」では、視覚障害者の外出時のけがや事故を予防対象としており、現地審査では、その対策として障害者自身が「まちあるき調査」を行ったことが、審査員から高く評価されておりました。こうした調査の結果、道路や各種施設におけるバリアフリー化など、福祉分野に留まらず、道路、交通、施設整備など今後とも部門を超えた取り組みが欠かせなくなってまいります。そこで、現在の予算枠配分方式の中で、こうした横断的な取り組みへの対応はどうようにされていくのか、持続可能なセーフコミュニティ活動における財政運営についてお聞かせ下さい。

2.帰宅困難者対策について

次に、2項目目の帰宅困難者対策について伺います。

最初に、帰宅困難者対策につきましては、我が会派の西山議員が昨年の第4回定例会で取り上げましたが、その際の「帰宅困難者の受け入れ施設の確保について」その後の東京都の取り組みも含め進捗状況をお聞かせ下さい。

2月3日に実施されました東京都等合同帰宅困難者対策訓練において、私は東京都総務局総合防災部の案内で見学させて頂きました。東京都は、当日、池袋駅、新宿駅、東京駅でそれぞれの課題を設定して訓練を実施し、池袋駅周辺では、百貨店での顧客保護訓練と、安全確保後の帰宅支援を行いました。午前9時、開店前の西武池袋本店での訓練を見学。一部従業員がお客に扮しての総勢1200名による大規模な訓練は、当日のニュースでも紹介されていた通り、店内に落下物を散乱させるなど臨場感溢れる中、従業員の真剣さが伝わってくる見事な訓練でした。今回の百貨店での訓練は、池袋駅周辺混乱防止対策協議会などを通して、他事業者での訓練に反映していくべきであると考えますが、お考えをお聞かせ下さい。

次に、安全確保後の帰宅支援について伺います。先ず、埼玉県までの徒歩帰宅訓練におけるコンビニなどでの協力支援の状況をお聞かせ下さい。また、東京都では、都立学校を帰宅支援ステーションに指定していますが、帰宅困難者の受け入れなど、どのような機能を有するのか、また、区との連携はどうなっているのかお聞かせ下さい。さらに、帰宅支援の連携という観点から、今後は、板橋区や練馬区など近隣区との合同訓練も必要であると考えますが、区のご見解をお聞かせ下さい。

また、今回3つの駅で共通して行った2つの訓練について伺います。

一つは、駅構内での乗客保護訓練です。

JRでは、乗客をオレンジロードなどの一時待機場所へ誘導を行っておりました。しかし、実際の震災時には、他の4路線からの乗降客が一斉に改札から出て来ることが予想され、地下構内だけではスペースが足りないと思われます。対策を早急に検討すべきであると考えますが、ご見解をお聞かせ下さい。

二つ目は、迅速な安否確認です。一斉帰宅を抑制するには、まず、帰宅困難者自身が家族の安否確認をし、安心してもらうことが必要です。訓練当日は、安否確認ツールとして災害用伝言ダイヤル171の訓練が行われましたが、実際の災害時には、仮設電話の設置はどのように計画されているのでしょうか。その他、安否確認のための対策はどのように講じられるのかお聞かせ下さい。

帰宅困難者対策の最後に、正確で迅速な情報提供について伺います。当日は、午前10時に、緊急速報メールで災害発生情報が入るとのことでしたが、私を始め周りにいた方も受信出来ませんでした。後日携帯電話のエリアメール設定が必要だったことがわかりましたが、こうした点も含め正確で迅速な情報提供は欠かせません。また、今回は自動販売機横のデジタルサイネージによる情報発信を実施しておりましたが、今後常設する計画はあるのでしょうか。さらに、私が以前提案しておりました、平時は民間が使用しているデジタルサイネージを緊急時に活用する取り組みについて、その後の進捗状況をお聞かせ下さい。

3.住宅施策について

3項目目の住宅施策について伺います。

私ども公明党区議団は、住宅施策は、区民生活の根幹である、との考えから、毎定例会で取り上げて参りました。特に、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」が、昨年改正され、従来の高齢者の多様な住宅が「サービス付き高齢者向け住宅」に一本化されるなど、住宅施策の在り方が目まぐるしく変化をしてきております。その中で、豊島区住宅マスタープランでは、空き家活用について重点プロジェクトとして位置付け、高齢者などの区民ニーズに対応出来る、仕組み作りを構築しようとされております。現在そのための基礎資料作りとして、空き家の実態調査が、今年度末まで行われる予定となっておりますが、現在の調査状況についてお聞かせ下さい。

また、今後の住宅施策には、都市整備部をはじめ、保健福祉部や、福祉団体、宅地建物取引業などとの連携が不可欠であると考えます。この度、新規事業として「居住支援協議会」を設置し、有効利用の可能性がある住宅ストックの活用を含めて検討していかれるということであり、重点プロジェクトが一段と進む事を大いに期待するものであります。この豊島区住宅支援協議会について、メンバー構成や取り組み、今後のスケジュールについてお聞かせ願います。

さらに、区内の高齢者住宅のバリアフリー化は、決して進んでいるとは言えません。特に、借家についてはバリアフリー化の普及は大きく遅れており、この点については、私どもはこれまでも取り上げてまいりました。国土交通省は24年度から新たに、既存の民間賃貸住宅や空き家を有効活用し、住宅確保要配慮者の居住の安定確保を目的とした「民間住宅活用型セーフティネット整備推進事業」を実施する予定となっております。この補助事業は、加齢対応構造などや、共有部分に係る改修工事費用の補助事業で、今後、空き家を活用しての住宅活用を考える本区としては、事業を推進するための大変有効な手段の一つとなると考えます。今後、本区がどのように「民間住宅活用型セーフティネット整備推進事業」を活用されていくのか。また、東京都も補助の上乗せをモデル事業として検討されていると伺っておりますが、本区の施策と合致しておりますので、積極的に手を上げていくべきであると考えますが、いかがでしょうか。

さらに、空き家の民間住宅活用を強力に推進していくために、区独自での補助の上乗せを行い、利用しやすい仕組み作りが必要であると考えます。本区のお考えをお示し下さい。また、同制度を活用し、改修を行った後の住宅については、本当に住宅に困っている方が確実に入居できる仕組みや管理・運営についてのスキームについても、検討していく必要があると考えますが、今後の取り組みについてお示し下さい。

もう一点、住宅施策について伺います。現在、東日本大震災の被災者の方々がソシエをはじめ39戸に入居されております。我が会派の議員が新年会でお会いした際に、「入居期間は1年とされており、今年9月30日で期間満了となるが、とても帰宅できる状況ではない」との不安の声を伺いました。被災地の現状はご案内の通り、福島県を始めまだまだ帰宅出来る環境にありません。東京都は既に2年に延長をしており、本区としても被災者のご心配を考えると、早期にしっかりと入居延長の判断をする必要があると考えますが、お考えをお聞かせ下さい。

4.「飼い主のいない猫」対策について

4項目目の、「飼い主のいない猫」対策について伺います。

以前より、私の元にも、猫に関する苦情が寄せられています。一番深刻なのは、それによって人間関係までうまくいかなくなっているケースです。そこで最初に、猫に関する苦情の状況と区の対応についてお聞かせ下さい。

次に、地域猫活動について伺います。私は現在、ある地域の地域協議会の設立に関わっております。その地域では、最近、豊島区に引っ越してこられた方が、ご自宅でのガレージセールで不妊去勢の費用を捻出し、自主的に飼い主のいない猫を減らす取り組みを開始しておられます。その方は既に地域猫活動の経験があり、「猫問題を放置しておくと、犯罪の温床にもなりかねない。」とご自身が積極的に取り組む理由を語っておられました。また、豊島区では地域協議会の設立に町会長の了解が要件となっております。地域猫活動への理解度は、町会によって様々であり、現在のように町会長自身に判断をゆだねるようなシステムでは、地域協議会の立ち上げは困難であると考えます。そこで、区としては、こうした現状に対してとのような対策を講じられるのか、取り組みをお示し下さい。

また、私は先月、月に一度、池袋保健所で開催されており、誰でも参加出来る猫部会に参加しました。参加者は、保健所の職員3名と猫部会の方2名、そして、初参加の私だけでした。区民からの苦情に対する取り組みなどのやり取りを聞いておりましたが、どうも職員と猫部会の方との意思疎通がはかられていないように感じました。会議の内容もさることながら、開催時間帯も平日の午後2時からでは、一般の方の参加は困難です。「豊島区人と動物の共生会議」からの高野区長への提言を受けてスタートした猫部会も5年が経過しております。猫部会からも「飼い主のいない猫の不妊去勢手術に関する要綱」の見直しや災害時のみならず、施設入所などで飼い主が不在となった際のシェルターの設置などの提案も出ております。そこで、今後の地域猫活動は、専門性を有することから、先程紹介した地域猫活動の経験がある方などにもご協力頂くなどにより、取り組みの見直しを検討すべきであると考えますが、区のご見解をお聞かせ下さい。

次に、小動物に関連して、従来から強い要望のある、ドックラン等のペット専用スペースのモデル実施について伺います。人間の子どもさんの数より、小動物の数が多いといわれる現代において、高齢者や心の病を持っている方々の有効性があらゆる角度から検証され、年々、小動物への期待が高まってきております。しかしながら、本区の人口密集度の高さから、公園でのペットとペットに対して拒否する利用者のトラブルも後をたちません。そういう意味では、動物を遊ばせるスペースをモデル的に作って、ペットを拒否される方々との共生を試行的に実施し、検証することを要望致しますが、区のお考えをお聞かせ下さい。

5.その他

その他として、最初に、健康施策について伺います。

昨年の「としま健康長寿2011」では、8020運動として80歳以上で20本以上の歯が残っている元気な方122名が表彰されました。当日記念講演を行ったプロスキーヤーの三浦雄一郎氏は、75歳で2度目のエベレスト登頂を達成し、2013年の80歳を機に3度目の登頂に挑戦すると語っておられました。何でも食べることが出来て、生き生きと語るには歯の健康が欠かせないと実感致しました。

公明党区議団としてもこの8020運動を推進すべく、歯周疾患健診の無料化を主張しておりましたが、来年度予算の中に、節目年齢での無料健診が組み込まれましたことに、深く感謝申し上げます。そして、昨年8月には、生涯を通じた歯科・口腔保険対策を推進するための「歯科口腔保険の促進に関する法律」が公布されました。その第3条に、「地方公共団体の責務として、基本理念にのっとり、歯科口腔保険の推進に関する施策に関し、国との連携をはかりつつ、その地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」とあります。地方分権の推進と厳しき財政状況を踏まえると、今後は地方自治体にその権限と責務を委譲する流れが加速していくことが予想されます。そこで、生涯を通じた効果的な歯科・口腔保健対策の推進という観点から、地域の現状や課題を踏まえた上で、その施策の後ろ盾となるような形で、歯科・口腔保健の推進に関する条例制定も視野に入れた取り組みが必要であると考えますが、本区のご見解をお聞かせ下さい。

最後に、椎名町駅周辺の整備について伺います。
西武線椎名町駅周辺は、今年の6月には北口のエスカレターが完成すると、駅自体の整備がほぼ終了し、後は交番の本設、環状六号線の椎名橋下の広場整備を残すのみとなります。地元の方々からは交番の北口設置が決定して大きく安堵していますが、北口駅前の西武鉄道所有の道路について、以前から地元地域で要望のある区有地化、区道路認定が強い要望としてあります。

当該地の駅前北側道路は、西武鉄道の私有のため、この道路下の埋設管の修理保全にも思うように手が着けられず、また、道路幅も狭いことから、防災の緊急車両も進入できない事態になっています。当該地では、過去数度大きな火災があり、その度に水利がなく、延焼が拡大してしまった安全・安心面の不安が残っています。道路幅員や、不法占拠の課題があることも承知していますが、新しくなった駅周辺の更なる安全・安心を考えた場合、同私有地を一日も早く道路認定し、ライフラインを整え、例えば消火栓に鉄腕アトムのモチーフを使う等、地元の安全・安心の環境つくりに取り組んで頂きたいと思います。区として積極的に西武鉄道側に交渉して頂きたいと思いますが、区のお考えをお聞かせ下さい。

また、椎名橋下の南北の広場整備については、昭和60年代頃より、地元地域の貴重なコミュニティスペースとして、様々な声が上がっており、同広場整備の完成を期待を持って見守っています。区が進める安全・安心の街づくりとして、今後どのように整備しようとしていくのか、検討方針をお示し下さい。

更に、椎名橋下から、池袋方面に抜ける区道について、丁度開通1年を迎える、補助172号線から西武線に抜ける南北の区道の交差点では、椎名町駅方面に抜けて一方通行を逆行する車両が後をたたないという、今までにない交通事情が出現しています。地元住民の方からは、安全面を考えれば相互通行にした方がいいとの声があります。補助172号線と環状6号線が交差する「長崎1丁目」交差点の板橋方面からの右折矢印信号も地元の方々からの強い要望で整備されたと同様に、計画していた道路が実際共用開始になって初めて分かる現実もあります。椎名町駅周辺整備と補助172号線の開通という地元住民にとっては、大きな環境変化で、生活環境も変わりつつあります。

今後、補助173号線や81号線など新しい道路整備も予定されています。地域の声を反映させた安全・安心の取り組みを強く望みます。地元住民の要望も強い交通体系変更の検討をぜひお願いしたいと思いますが、区のご見解をお聞かせ下さい。

以上をもちまして、私の一般質問を終了致します。ご清聴、誠にありがとうございました。

   平成24年第1回定例会(2月22日) 辻薫一般質問の答弁

1.セーフコミュニティについて

答弁者:区長

ただいまの、辻薫議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。

辻議員は当初から強力に推進をしてまいりました、セーフコミュニティについてのご質問のうち、まず、ヘルスプロモーションの取扱いについてのご質問に、お答えいたします。世界保健機関が推進するセーフコミュニティ活動は、科学的かつ客観的な分析に基づき、安全・安心な都市づくりを進めるため、事故や怪我の予防活動を推進する取り組みであります。

2月4日の講評会では、スウェーデンのボウ・ヘンリクソン委員から「がん対策」などの疾病予防施策はセーフコミュニティの申請事項には含まれないとのご指摘がありましたが、同時に豊島区が区内に向けた周知活動の中では、がん対策の取り組みを加えても一向に差し支えない、とのお話も頂きました。

本区といたしましては、安心・安全な区民のための健康づくりにおいて、がん対策は欠かすことの出来ない重要な施策であると考えておりますので、今後とも全庁を挙げた、がん対策の取り組みやヘルスプロモーションの取り組みを推進してまいります。

次に、区民ひろば運営協議会への支援についてのご質問にお答えいたします。

現在、自主運営はNPO法人化した運営協議会への業務委託という形で実施しており、区の新たな施策の実施を含め、区民ひろばの運営費については適正な委託料をお支払いできているものと認識しております。

ご指摘の区職員引き上げによる活動機能低下への危惧ですが、円滑な事業運営が図られるよう、区は詳細な「自主運営ガイドライン」や「自主運営マニュアル」を策定するとともに、NPO法人スタッフに対する各種研修も実施しております。また、地域区民ひろば課に支援担当職員を配置し、随時相談できる体制を整備しております。

また、ご指摘の部門横断的な調整能力不足への危惧についてでございますが、従来、このような調整は各ひろばの所長からの情報を受け、地域区民ひろば課本課が担っており、今後も区が責任を持って対応してまいります。

また、NPO法人事務局長には、区民ひろば所長会等に参加していただいており、情報の交換が十分できる体制は整っているものと考えております。

セーフコミュニティの継続的な取り組みについては、その拠点に位置付けられた区民ひろばの役割はますます大きくなるものと認識しております。今後もNPO法人に対しましては、その自主性を尊重しつつ、充分な支援をし、地域と行政が両輪となってセーフコミュニティの推進を図ってまいります。

次に、セーフコミュニティ活動における財政運営についてのご質問にお答えいたします。  ご指摘のバリアフリー化に限らず、様々な横断的取り組みにつきましては、これまでも様々な方法で取り組みを担保するよう努めてきております。セーフコミュニティや震災対策、環境対策など、特に重要な横断的な取り組みにつきましては、まず、事業の計画あるいは実施の段階において、私を責任者とする推進本部を設置いたしまして、部局を横断する事項の検討や指示を行っております。また、各部局の施策にまたがって、ルール化すべきことがあれば、必要な基準や手順を定めて、様々な事業においてそれを順守させる方策も適宜とっております。さらに、セーフコミュニティのように、特に力を入れるべき横断的な取り組みにつきましては、「政策的経費」という「枠外」の財源の中で、私が様々な分野の全体を視野に入れまして、新規・拡充経費の最終決定をするようにしております。

ご指摘のように、各部局へ一定範囲の予算編成権限を委譲しておりますことから、横断的取り組みをより意識的に、確実に担保する必要性は強く感じております。従いまして、今般、財政運営全般の総点検を行う中で、各部局の施策実施後におきましても、横断的取り組みの成果をしっかり把握・評価し、それをさらに新たな予算・計画に反映できるような工夫も含め、持続可能な財政運営に努めてまいります。

2.帰宅困難者対策について

 答弁者:高野区長

次に、帰宅困難者対策についてのご質問のうち、まず、都の取り組みも含めた進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

東京都は、第1回都議会定例会におきまして、東京都帰宅困難者対策条例(案)を上程することとしています。その条例(案)概要では、帰宅困難者の一時滞在施設の確保について、都立施設及び都関連施設を一時滞在施設に指定するとともに、国、区市町村及び事業者への協力要請を行うこととしており、施行期日は平成25年4月1日となっております。

本区では、一時滞在施設につきましては、3月に策定予定の「豊島区帰宅困難者対策計画」に基づき、官民挙げて確保していく方針でございます。当面、まずは、区立施設等の指定から行ってまいります。

なお、現在、「池袋駅周辺混乱防止対策協議会」におきましても、各事業所での一時滞在場所やトイレの提供等について協議を行っており、その提供の可否につきまして、現時点での意向等を確認している状況にあります。

次に、百貨店での訓練の他事業者への反映についてのご質問にお答えいたします。2月3日に実施しました東京都等合同帰宅困難者対策訓練では、西武池袋本店におきまして、顧客保護と一斉帰宅抑制を含んだ自衛消防訓練が行われました。ご指摘のとおり、館内の照明を落とし、落下物を散乱させるなど、臨場感あふれる中、訓練に参加した従業員の皆さん全員が、本番さながらに、とても真剣な表情で訓練に臨んでいました。

また、今回の訓練は、顧客保護と一斉帰宅の抑制などを取り入れた民間事業所での帰宅困難者対策訓練としても、先駆的で、たいへん重要で意義のあった取り組みとして、評価しているところであります。

いざ、災害時には、「訓練以上のことはできない」ともいわれておりますので、ご提案のとおり、この訓練の成果を是非とも、他の事業者での訓練に反映できるよう、協議会での訓練の報告など、機会を捉えて、紹介してまいりたいと考えております。

次に、コンビニなどでの協力支援の状況についてのご質問にお答えいたします。埼玉県が実施した安全確認後の徒歩帰宅訓練は、埼玉県庁までの中山道コースと、新座市役所までの川越街道コースの2コースで行い、約17Kmを5時間程度で徒歩帰宅するという内容で行われました。街道沿いのコンビニエンスストアなどの災害時帰宅支援ステーションでは、各店舗に幟を立て、その存在をわかりやすくし、訓練参加者にトイレを提供するなどの支援を、協力的に行っていただいたと聞いております。

3月11日の震災時には約6割の方々が、この支援策を知らなかったとの調査結果もありますので、この機会に改めて、周知ができたのではないかと考えております。なお、この徒歩帰宅訓練では、155人中137名、約88%の方が最終地点までたどりついたとのことです。

次に、帰宅支援ステーションについてのご質問にお答えいたします。

ご指摘のとおり、東京都では都立学校を帰宅支援ステーションに指定しており、その役割は、徒歩帰宅者への支援として、水道水・トイレ・テレビ及びラジオからの災害情報の提供で、一時滞在は含まれておりません。帰宅困難者の受け入れにつきましては、現段階では言及できませんが、先に述べた東京都帰宅困難者対策条例において、一時滞在施設の指定が行われる中で、整理されるものと考えております。

また、区との連携につきましては、都立高校が、本区の救援センターで避難者を収容しきれなかった場合に開設する「補助救援センター」に位置付けられていることから、その取り扱いについて、東京都と慎重に協議する必要があります。

次に、近隣区との合同訓練についてのご質問にお答えいたします。

震災時に徒歩帰宅を行う場合には、帰宅する方面の周辺道路等の災害情報の把握が不可欠です。今回の訓練では、板橋区にご協力をいただき、区のホームページや携帯電話用ホームページ、ツイッターに、区内の中山道や川越街道沿いの災害情報を掲載していただきました。このように、東京都や埼玉県との広域的な連携はもとより、帰宅支援の観点からも、板橋区や練馬区など近隣区との連携も不可欠であり、たいへん重要なご指摘だと考えております。

今後も、広域的な対応関係の自治体との情報連絡を緊密に行うとともに、合同での訓練を企画するなど、より実践的な帰宅困難者対策訓練の実施を図ってまいりたいと考えております。

次に、駅構内の誘導スペースについてのご質問にお答えいたします。

池袋駅及びその周辺地域は、震災時に滞留者が一時滞在するスペースが、新宿駅などの他のターミナル駅と比較しても、不足していることが明らかな状況にあります。こうした中、屋内でもある池袋駅構内の地下スペースの活用は、極めて重要であると考えております。3月11日の震災時においても、帰宅困難者が、池袋駅構内から締め出されるという状況にはならず、多くの方々がそのスペースに滞在することができたことでも、その意義が示されたのではないかと考えております。

このような状況のもと、今回の訓練におきまして、鉄道4事業者の協力を得て、利用者の保護を行うとともに、駅構内のスペースを一時滞在施設として活用することができたことは、とても有意義なことであり、今後の帰宅困難者対策の中でも、一つの大きな柱として、評価しているところでございます。

現状では、公立及び民間施設におきまして、一時滞在施設を確保してもなお、スペースが不足することが想定されます。

そのため、「豊島区帰宅困難者対策計画(案)」でもお示ししたとおり、公園や駅地下のスペースの活用は、重要な課題と位置づけております。

しかしながら、ご指摘のとおり、乗降客が一斉に改札から出てきて混乱することも想定されますので、活用の検討にあたっては、混乱防止を最優先したプランにしてまいりたいと考えております。

次に、安否確認の対策についてのご質問にお答えいたします。

ご指摘のとおり、一斉帰宅の抑制を図るためには、家族の安否確認を行い、まず安心していただくことが重要です。そのためにも、今回の訓練では、様々な情報媒体を使用し、安否確認の方法を周知するとともに、実際に「災害用伝言ダイヤル171」や「携帯電話災害用伝言板」を体験していただきました。

現在、NTT東日本の協力により、実際の災害時には仮設電話を設置する計画ですが、設置作業に時間を要するため、当初は、各自の携帯電話や公衆電話等を活用し、安否確認を行っていただきたいと考えております。

また、現在、池袋駅周辺から主要な幹線道路までの経路を示す「帰宅支援マップ」等を作成し、提供しておりますが、このマップには、震災時の行動ルールとともに、安否情報を入手するための方法も掲載し、周知を図っております。

なお、今回の訓練では、家族の安否確認の一つのツールとして、固定電話型PHSを活用いたしました。今後、このような方策も検討してまいりたいと考えております。

次に、デジタルサイネージの常設についてのご質問にお答えいたします。

災害時には、ご指摘のとおり、正確で迅速な情報提供は不可欠であります。このため、今回の訓練では、防災行政無線やエリアメール、デジタルサイネージ、携帯電話用ホームページ、駅構内の放送設備、情報提供ステーションでの周知活動など、様々な情報媒体により、滞留者への情報提供を行ったところでございます。その中でも、デジタルサイネージは、画像だけではなく、音声による情報発信が可能であったため、とても有効な情報提供手段の一つと考えられます。一方、このデジタルサイネージを設置するにあたり、その設置主体や設置場所等をどのように整理していくかなど、解決しなければならない課題も多く存在しております。

そのため、現在策定中の「災害時情報配信に係る検討報告」に基づき、24年度にデジタルサイネージによる情報提供の基本方針及び整備計画を策定するなど、情報提供体制の整備検討を行ってまいりたいと考えております。

次に、民間のデジタルサイネージの緊急時の活用についてのご質問にお答えいたします。

ただいま、ご質問におきましても述べたとおり、デジタルサイネージの活用はとても有効であると考えております。   民間のデジタルサイネージを緊急時に活用する場合には、民間広告等を一時休止し、災害情報を配信するという方法が考えられます。その際、情報連絡手段や広告中断の意思決定、費用負担のあり方など検討すべき課題が多くあります。

こうした状況を十分踏まえ、今後も引き続き、先進事例を研究しつつ、デジタルサイネージを設置している民間事業者の意向を聴取しながら、24年度に導入検討を行っていく中で、できるだけ早期に結論が導きだせるよう努めてまいります。

なお、私からの答弁は以上ですが、その他の答弁につきましては、関係部長から答弁いたさせます。

3.住宅施策について

 答弁者:都市整備部長

次に、住宅施策についてのご質問のうち、まず、空き家実態調査についてのご質問にお答えいたします。

空き家実態調査は、区内の空き家の実態を把握し、空き家解消の施策や住宅活用プロジェクトの具体的な方策の基礎資料とするために、今年度後半から行っているものです。調査対象地区は、高齢化率の高い地域や木造住宅が多い地域などを中心に16の地区を選定いたしました。

現段階では、11の地区の現地調査が終了し、外部からの確認だけでも入居者がいない集合住宅や一軒家を、約250戸確認しております。今後、残りの地区の現地調査を行い、空き家のオーナーの所在を確認し、アンケート調査やヒアリングを行い、空き家の実態を報告する予定です。

次に、居住支援協議会についてのご質問にお答えいたします。

居住支援協議会は、高齢者や低所得者、子育て世帯などの住宅確保要配慮者の民間住宅への円滑な入居の促進を図る目的で、地方公共団体や不動産関係団体、居住支援を行う社会福祉協議会やNPO法人などの各団体がネットワークを構築し、協働、連携する仕組みを作っていくものです。

本区では、平成23年9月に、学識経験者、不動産関係団体、豊島区社会福祉協議会、としま未来文化財団をメンバーとし、「豊島区住宅マスタープラン重点プロジェクト準備会」を立ち上げました。本年7月には、この重点プロジェクト準備会を発展的に「豊島区居住支援協議会」に移行することを予定しています。この豊島区居住支援協議会のメンバーは、重点プロジェクト準備会のメンバーに加え、居住支援を行うNPO法人と区の福祉や住宅などの関連部局が参加し、横断的な取り組みを行っていきます。この協議会での活動は、全国に先駆けた取り組みであり、国や都が高い関心を寄せておりますので、国土交通省住宅局や東京都都市整備局にもオブザーバーとして参加をいただくことになっています。今後、空き家活用を行う住宅活用プロジェクトの推進や住まいに関する総合的な窓口の設置、民間住宅への入居の円滑化支援、情報発信、調査研究などの施策を積極的に行ってまいります。

次に、民間住宅活用型セーフティネット整備推進事業についてのご質問のうち、まず、本区における活用についてのご質問にお答えいたします。

民間住宅活用型セーフティネット整備推進事業は、既存の民間賃貸住宅の質の向上を図り、空き家を有効に活用することにより、居住の安定確保を図るとともに災害時の機動的な公的利用を可能にする環境を構築することを目的としております。

平成24年度から、国が直接、空き家のオーナーにバリアフリーの工事などにかかる経費の一部を補助いたしますが、その条件として、居住支援協議会との協議が必要なことや、高齢者等の入居を拒まないことなどが規定されています。東京都も、空き家活用や居住安定化促進の観点から、この事業の普及啓発や上乗せの助成をモデル的に行うことを検討しているところです。

現在、設立準備をしております豊島区居住支援協議会は、こうした新しい制度の活用を前提としておりますので、国や都の助成スキームが固まる前段階から連携するとともに、空き家オーナーに対する区独自の上乗せ助成についても積極的に検討してまいります。

次に、住宅確保要配慮者が入居できるしくみについてのご質問にお答えいたします。民間住宅活用型セーフティネット整備推進事業は、居住の安定化を図ることが目標です。具体的に居住安定化を推進していくには、この事業の助成を受けて改修した住宅を、住宅にお困りの方とマッチングしていくことや適切に管理運営を行っていくことが、非常に重要となってまいりますので、居住支援協議会で、様々な方々のご意見やアイデアをお聞きしながら、このしくみを検討してまいります。

次に、東日本大震災被災者のソシエ入居延長についてのご質問にお答えいたします。本区では、東日本大震災の被災者の方々に対し、区民住宅及び安心住まい住宅を災害救助法に基づく応急仮設住宅として提供し、入居期間は、昨年の10月1日から、本年9月30日の1年間としております。

ご指摘のとおり、既に入居している方々からは、「1年間では生活再建はできない」「いつまでいられるのかわからず不安だ」との声も寄せられています。

被災地の復旧が思うように進まない中、避難者の方々の生活再建を少しでも支援できるよう、現在、区民住宅と安心住まい住宅に避難されている方々につきましては、入居期間を1年間延長し、2年間とさせていただきます。

今後も、避難されている方々に対し、社会福祉協議会や地元の皆様、民間事業者と連携し、積極的に支援をしてまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

4.飼い主のいない猫対策について

 答弁者:池袋保健所長

飼い主のいない猫対策についてのご質問のうち、まず、猫に関する苦情の状況と区の対応についてお答えいたします。

区では、地域に繁殖した猫の糞尿被害等への対策として、平成19年度から、飼い主のいない猫の不妊去勢手術費用の一部助成を開始しました。この助成により、頭数抑制を図るとともに、ボランティアの手による餌やりや糞尿の始末等の適正な世話の徹底によって、18年度に585件あった苦情、相談が22年度には313件と毎年減少しています。

 

次に、地域猫活動についてのご質問のうち、まず、地域協議会設立の現状とその対策についての質問にお答えします。

ご指摘の通り、現在、地域協議会の設立には、町会長の了承を得ることが要件となっております。これは、地域猫活動をその地域で行うことにご理解、ご協力をいただくために設けております。しかしながら、了承した場合、地域住民から様々な苦情等を一手に請け負うことになるのではと、了承をためらう町会長もいらっしゃると伺っております。

区といたしましては、今後も地域協議会による地域猫活動を推進してまいりたいと考えておりますので、地域猫活動や地域協議会の活動内容等について、地域で説明会を行うなど、様々な機会を捉えて町会長をはじめ地域の皆様へのご理解とご協力を得られるよう努めてまいります。あわせて、地域協議会設立の要件につきましても検討してまいります。

次に、地域猫活動の見直しについてのご質問にお答えいたします。

毎月1回保健所で、地域猫活動を実践する人たちが中心となって運営する「人と動物の共生推進会議(通称 猫部会)」を開催しております。開設から5年経過し、当初のメンバーの多くが地元の地域協議会のリーダーとして活躍する一方、こうした人たちが会議へ参加しなくなってしまったことで、会議本来の目的である飼い主のいない猫の悩みを解決していく実践の場としての機能が保てなくなり、形骸化しております。今後の地域猫活動は、ご提案の趣旨を踏まえ、地域協議会で活動している方々等を巻き込んだ豊富な経験と機動力ある組織に再編成して取り組んでまいります。

 

答弁者:亀山土木部長

飼い主のいない猫対策についてのご質問のうち、ペット専用スペースのモデル実施についてのご質問にお答えいたします。

主にドックラン等の施設は騒音や臭気の関係から、住宅から距離をとる必要があります。犬がのびのびと走り回れる広さも必要なことから、国や都の大規模な公園の一部に設置されており、豊島区から一番近い場所は城北中央公園にございます。また、23区では、周辺に住宅がない場所で5か所程度が開設されるにとどまっております。

豊島区は公園等の総面積、一人当たりの公園面積はいずれも23区最下位で、一番大きな公園でも8千㎡しかございません。廃校となった学校等においても校庭のスペースは3~4千㎡程度で、どの施設でも住宅が近接して立っており、騒音や臭気の対策として住宅から十分な距離を確保することはできません。

また、公園以外の施設の状況をみましてもドックラン等のスペースを戸外に設けることは大変難しい状況にあります。

しかしながら、これまでもこのようなご質問をいただいておりますので、公園の一部に小型犬の利用に限定した遊ばせるスペースの確保を試行的に実施する検討を行ってまいります。

 

5.その他

 (1)健康施策について

 答弁者:健康担当部長

次に、その他についてのご質問のうち、健康施策についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、歯科衛生や口腔ケアの向上は、幼児期や学童期の虫歯予防だけでなく、生涯を通じた健康の保持においても、重要性が見直されております。また、口腔ケアは生活習慣病の予防や高齢者の誤嚥性肺炎の防止にも効果がございます。

今後ますますの高齢化の進展に伴い、ご高齢でもご自分の歯を持ち、健康に過ごすことは大変意義深い事であると考えております。

こうしたことから本区においても歯科口腔保健に関する、区独自の条例を制定し基本理念に基づく計画的な歯科、口腔保健の推進をすべきであると考えております。 私からの答弁は以上でございます。

   

(2)椎名町駅周辺の整備について

 答弁者:土木部長

次に、その他についてのご質問のうち、椎名町駅周辺の整備についてのご質問にお答えいたします。

まず、西武池袋線椎名町駅北口駅前道路の区道認定についてですが、ご質問の西武鉄道が所有し管理している私道わたくしどう は、駅前広場としての機能を強く有する「広場」的な空間として鉄道利用者や隣接する商業関係者、買い物客などが利用しています。

これまでも区道認定について、区民の方々からご要望をいただき西武鉄道と協議、交渉してまいりましたが残念ながら解決までには至っておりません。

この私道を特別区道として認定するにあたっては、所有者である西武鉄道の意向にもよりますが、道路用地を区に寄付していただくか、土地の無償使用承諾をいただくこと、またご質問にありますように隣接建物が道路を一部占有している箇所がありこの問題を解決すること、そして幅員約4.5mから7mの不均一な道路幅員を沿道建物の建築基準法上の取り扱いに配慮した上で、6mから7mの幅員で整備することなど、さまざまな難しい課題がございます。

区といたしましては今後も所有者である西武鉄道との関係を保ちつつ、特別区道の認定基準に照らして引き続き検討してまいります。

次に、椎名橋下広場の安全・安心街づくりの検討方針についてのご質問にお答えします。椎名橋下の空間では、これまで、車が通行可能な車道部分と自転車駐車場、バイク駐車場、誰もが利用可能なトイレを整備し、24年度内に広場空間を整備する予定となっております。広場空間は、基本的に視界を妨げるような建物を建てることなく、通常は誰でもが自由に入れる空間として整備いたします。法的な制約はありますが、広場空間は、環状6号線の拡幅事業に伴う橋の架け替えの際、地元の強い要望により実現した、地元にとって大変貴重なスペースであると認識しており、安全安心に、そして地元の活性化に寄与する整備、運営をしてまいります。

次に、交通体系変更の検討についてのご質問にお答えいたします。

まちづくりによる道路整備や、都市計画道路のように新たな道路交通が発生する場合、従来の交通体系では不都合が生じることが多々考えられます。

特に、昨年3月に開通した都市計画道路補助第172号線のように地域の幹線となる道路の整備では、その影響は大きいものであると認識しております。

現在、区で施工中の173号線や、東京都施工の81号線はもとより、その他のまちづくり事業においても、各事業主体が責任を持って交通管理者と協議を行い、事業を進めてまいります。その際には、ご意見にあるように、地元の方々の意向を十分に踏まえ、安全を第1に考えながら進めてまいります。

また、ご指摘のように事業が終了したのちに発生する、地域の様々な課題や交通体系の見直しについては、交通管理者との協議も含め、誠意をもって個別に対応をさせていただきます。

以上をもちまして、辻薫議員のご質問に対する答弁を終わります。