24R6年 決特委員会10月17日 文化商工・教育・子ども 辻議員

放課後対策、にしまるーむ

○辻薫委員  ぜひよろしくお願いいたします。

次に、放課後対策として、にしまるーむについて伺いたいと思います。にしまるーむは島村委員長が一般質問で不登校対策として提案していたもので、昨年5月に西池袋中学校に開設されました。そこで、まず、事業概要と令和5年度の実施状況をお聞かせください。

○村山放課後対策課長  にしまるーむは、教育委員会と、それから、NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク様との間で締結しました中学生の居場所づくりモデル事業に関する協定に基づきまして、昨年、令和5年5月に西池袋中学校1階ホールに開設したものでございます。西池袋中学校の生徒が気軽に立ち寄って、思い思いに過ごせる居場所として今運営をされているところでございます。

開設日ですけれども、原則毎週火曜日、金曜日、それから、学校の行事にもよりますけれども、そのほか1日、合わせて週3日、2部制で実施しております。第1部の1時半から3時までの間は教室に入りにくい生徒、それから、その後の3時半から5時45分の第2部につきましては、西池袋中学校の生徒なら誰でも利用することが可能というふうになっておりまして、令和5年度の実績につきましては、5月の開設から6年3月末までの実績になりますけれども、延べ人数で、第1部が87名、それから第2部が1,871名、合計1,958名の生徒の皆さんが利用しております。

○辻薫委員  1,958名の生徒さんが利用されているということですけれども、先月私も参加しました。中学校内の居場所サミット2024でも実践の報告が行われまして、一部紹介されておりましたけども、実際に利用した生徒の声とか、また、保護者の意見をお聞かせいただきたいと思います。

○村山放課後対策課長  生徒からは、友達やスタッフの方と交流できて楽しいであったりとか、あと、他人から評価されない気軽に過ごせる居場所だというような御意見、あるいは、教室は人が多くて疲れるからこの場所はなくさないでほしいというような声を聞いております。また保護者からは、教室以外のこういった居場所があるのは本当にすばらしいことだという声や、子どもがにしまるーむに行った日は家庭でよくその話をしてくれるというようなお声が届いております。

○辻薫委員  私も実際に場所を見て、本当にほっとできるような場所だなというふうに思いました。学校の昇降口のすぐ前にあるということも場所的にもいいなというふうに感じたところでございます。

その上で、開設後の効果をどのように感じていらっしゃいますか。

○村山放課後対策課長  効果を数値化するというのは難しいんですけれども、子どもたちにおきまして家庭や学校のほかに、こういったにしまるーむのような居場所が複数あれば、誰かに話を聞いてもらったりとか、あとは、心の逃げ場所になったりとか、不登校の予防にもつながるものと期待しております。

○辻薫委員  それとスタッフの努力も非常にあるなというふうには感じていますけども、にしまるーむでは生徒が安心安全に過ごせるようにスタッフが心がけていることがあるというふうに言っていましたけども、その点につきましてお聞かせください。

 

○村山放課後対策課長  校内にありながら学校とは異なる居場所として安心して過ごせるように、第1部の教室に入りにくい生徒が利用する時間帯は、入り口につい立てを立てて外から見えないようにして工夫をしたりとか、あとは、誰でも利用できる第2部では、お茶を準備したりとか、気軽に立ち寄れるような雰囲気づくりを心がけております。また、ふだんと様子が異なるなどケアが必要な生徒さんがいた場合については、学校とも連携して一緒に見守るような体制を取っております。

○辻薫委員  このサミットでは、高際区長も最初おっしゃっていましたけども、最初に同じ学校でそういうのを設置するのはどうなのかなとかというような、こういう意見もございました。私も地域からお話を伺ったことがございましたけども、でも、同じ学校につくるというのは、視点的にはそう感じましたけども、非常にいいなというふうに感じました。

そこで、最後に、現状の課題と今後の取組についてお示しいただきたいと思います。

○村山放課後対策課長  課題としましては、現在、スタッフの数の関係などから、運営が毎日ではなくて週3日というふうになっております。ただ、西池袋中学校につきましては、学校独自に不登校生向けの教室、道の駅というような、校長先生がいろいろ工夫されてそういった教室もつくられているということですので、こちらと併せて、生徒たちの不登校予防であったりとか不登校対策につながるものというふうに期待をしているところでございます。

今後も、にしまるーむが悩みの多い中学生がほっと一息つけるような場所になりますように、学校や地域と連携、協力して、不登校予防などにつなげていきたいというふうに考えております。

 

道の駅・不登校対策支援員

○辻薫委員  今、道の駅の話が出ましたけども、それでは不登校対策及び不登校傾向生徒の居場所における支援事業ということで伺いたいと思います。

まず、令和5年度の不登校児童生徒数についてお示しいただきたいと思います。

○木田教育センター所長  令和5年度の不登校児童数は156人、生徒数は218人となっております。

○辻薫委員  そこで、令和6年度の不登校対策及び不登校傾向生徒の居場所における支援事業につきまして、お聞かせいただきたいと思います。

○木田教育センター所長  今年度新たに強化した事業か大きく3点あります。

1点目は、SSWの全中学校区配置です。昨年度までは各学校に対して週1回の巡回をしていたスクールソーシャルワーカーを全中学校区に配置いたしました。現在は、中学校に週3日、小学校に週1日勤務しております。具体的な支援内容としては、教職員との情報交換、気になる児童生徒の観察、今後の支援に向けての助言等を行っております。また、学校だけでは抱え切れない内容については、家庭訪問や面談等を行っております。

2点目は、不登校対策支援員の配置です。今年度、西池袋中、池袋中、駒込中、この3校に不登校対策支援員を区費で配置しております。この支援員は校内の別室において、生徒の話し相手であったり、学習支援や自立支援を行っております。また、欠席した生徒に対して電話連絡、それから家庭訪問などの支援も行っております。

最後、3点目です。バーチャル・ラーニング・プラットフォーム事業です。こちらは都の事業ですが、インターネット上の仮想空間で児童生徒が交流をしたり学習したりできるものです。1学期は適応指導教室でこの児童生徒を対象として実施してまいりました。 以上です。

○辻薫委員  すみません。それで、道の駅というのは、その中のどういう取組でしょうか。

○木田教育センター所長  道の駅は西池袋中の校長先生が命名した校内別室の愛称です。こちらは、先ほどの不登校対策支援員が校内別室におり、不登校の生徒に対して学習支援や自立支援を行っているものです。

○辻薫委員  ありがとうございます。

先日、不登校の中学1年生の保護者からお話を伺うことがございました。そのお子さん本人は、なぜ自分が学校に行けないのか分からないということで、保護者も大変に悩んでおりました。ところが学校に定期的に巡回してくるSSWに思い切って相談ができたそうです。早速、そうしましたら、SSWが、担任教諭、そして学年主任との面談を設けていただいて、その場で、今まで担任教諭に言えなかった生徒の状況を率直に伝えることができたということでございました。そして、それをきっかけに、お子さんも不定期ながら学校の図書室などの別室に通えるようになったと伺ったところでございます。このことは今年度の不登校対策の効果と思われますけども、この点につきまして御所見を伺います。

○木田教育センター所長  そういった子どもや保護者から、そういう助けになっているといった御意見をいただくことは大変喜ばしいことだと感じております。学校現場からは、スクールソーシャルワーカーが配置型になったことで、職員室に席がありますので、教職員との情報連携がとてもスムーズになったとの声もいただいております。これまで保護者と学校だけで対応してきたところをスクールソーシャルワーカーが専門性を生かして、相談先の紹介だとか、それから、子どもへの接し方に対する助言、そういったことを行うことでチームとして保護者が支えられている、そういったことが安心感につながり、より相談しやすくなっているのではないかと思われます。

○辻薫委員  また、この保護者は、その後、教育センターにも相談に行かれたということです。今、話も出ましたけども、やはりこうした連携した相談体制、この人には相談できないけど、この人には相談できるとか、また相談を受けた側の連携だとか、そういうところで、何よりも保護者の安心につながっているなという感じがいたします。生徒自身の問題というよりも、むしろ保護者が抱えている課題というのもあるのではないかなというふうに、それを解決できているんではないかなというふうに感じております。

最後に、不登校対策の課題とともに、今度の取組について伺いたいと思います。

○木田教育センター所長  委員おっしゃるとおり、不登校というものは要因も様々であり、本人もなぜ通えないのか分からないといった状況があったり、保護者のほうが逆にお子さんが行けないことで悩んだり、そういった様々な状況がございます。

課題についてですが、不登校というものがどの児童生徒にも起こり得ることであり、要因は様々で、不登校が悪いといった偏見を払拭し、児童生徒に寄り添って、共感的理解と受容の精神、そういった心を持って対応していくことが今後大切になってくると捉えております。

今後、バーチャル・ラーニング・プラットフォームの対象、これまで柚の木教室だけでしたが、全児童生徒に広げていくとともに、実施時間の拡大も行っていく予定です。また、来年度は、今年度3校に配置した不登校対策支援員、こちらを全中学校へ拡大します。この3校で取り組んできたSSWと不登校対策支援員、それから学校、教育センター、それぞれがしっかりと連携をして、チームで対応する、校内教育支援センター化。校内教育支援センターとしての機能の充実を図ってまいりたいと考えております。今後も児童生徒が安心して学ぶことができる居場所づくりに努めてまいります。

○辻薫委員  来年度のこともお話ししていただきましたけども、拡充されるということで大変うれしく思っていますし、期待もしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

引き続き、センター長への質問になってしまいますけども、外国人への日本語指導について伺いたいと思います。本年第1回定例会の一般質問で現状の課題と外国人児童生徒への日本語指導体制の拡充について質問、要望をさせていただきました。まずは、令和5年における実施状況とともに、令和6年度における拡充内容についてお示しいただきたいと思います。

○木田教育センター所長  令和5年度の日本語指導の実施状況ですが、令和5年度は3名の日本語指導員で、教育センターに子どもたちが通ってくる、通級してくる形で実施をしておりました。令和5年度の実績ですが、小学生が19名、中学生が17名、合計36名の児童生徒が通ってきておりました。今年度、令和6年度は日本語指導員を2名増員いたしました。5名体制で行っており、さらに、小学校については保護者の送迎が必要になってくるというところで、保護者の負担も大きいという御意見もありましたので、小学校に対しては巡回指導、各学校に指導員が回るという形で事業をスタートいたしました。

○辻薫委員  それでは、新たな巡回型のほうを実施していただいた状況と結果につきまして、効果を伺いたいと思います。

○木田教育センター所長  今年度の実施状況についてです。小学生の巡回指導は1人の児童に対して、原則、週に2日、2時間ずつ、計4時間の指導を行っております。今年度9月時点での利用者数は33名、小・中合わせてとなっており、昨年度1年間の利用者数36名に迫る数となっております。こちらは巡回指導になったことで保護者の送迎の負担がなくなったためと考えられます。

効果についてですが、これは児童一人一人違いはありますが、短期間で集中して行うことで児童が日本語をしっかりと身につけることにつながっていると考えております。

○辻薫委員  私は巡回の中で少しでも早く、早期に、そういう意味では、一定の指導が終わるようにということで、それも一つそのようになっていくんではないかなというふうに思っております。

そして、外国人児童生徒に対しましては、両親が働きに出ている間、地域で民生委員さんなどがお世話して大変に苦労されているようですけども、日本語の学習支援をしているところもあると伺っております。教育委員会としては、こうした現状を把握しているかどうか伺いたいと思います。

○木田教育センター所長  私も今年度、民生児童委員との意見交換会であるとか日本語ネット会議等に参加すること、民生さんから様々なお話を聞く機会がございました。特に保護者も日本語が話せず、子どもも日本語が話せず、どうにも手の打ちようがないといったような御意見等も実際に伺っております。

ただ、そういった中でも、今年度、先ほど委員におっしゃっていただいた、巡回をスタートしたことで保護者の送迎負担がなくなって日本語指導を受けられるようになって助かったという保護者の意見を民生児童委員さんが聞いたと、そういったような御意見もいただいております。

○辻薫委員  ありがとうございます。本区では外国人人口が12%、人口比でという状況になってきており、今後とも増加すると予想されますけれども、早期に日本語指導の体制をさらに強化していく必要があると考えますが、御所見を伺います。

○木田教育センター所長  今後も増加し続けていく外国籍の子どもに対する日本語指導を充実させることは大変重要だと捉えております。今後、東京都のバーチャル・ラーニング・プラットフォーム事業、こちらを活用して日本語指導、初期指導を終了した児童生徒に対して、定期的にオンラインで日本語指導を行っていく予定であります。また、日本語指導教員の増員を東京都に要望して、日本語指導教室を増やしていきたいと考えております。

○辻薫委員  どうぞよろしくお願いいたします。