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議会報告 (平成19年6月19日 第2回定例会)

人と地域が輝く豊島をめざして
街づくり
区民の健康づくり
障害者福祉と就労支援
元気はつらつ長寿社会
豊島区教育ビジョン

1.街づくり

このしま  私は、公明党豊島区議団を代表して、「人と地域が輝く豊島をめざして」と題し、1.街づくり 2.区民の健康づくり 3.障害者福祉と就労支援 4.元気はつらつ長寿社会 5.豊島区教育ビジョンの5点にわたり一般質問いたします。

高野区長は、圧倒的勝利で3期目の再選を果されました。区議会議員も、新人の方8名を含め、36名の陣容が整い、私ども公明党も新人3名を加え8名が全員当選をさせていただきました。支持者の皆様に心から感謝申し上げるとともに、高野区政を支える与党として、新たな決意で、安全・安心の街づくり、教育・福祉の充実のために全力で区政に取り組んで参る決意です。

さて今年は、三位一体改革の流れで、地方に本格的に「税源移譲」される最初の年であり、「地方分権」から「地方主権」元年とも言え、いよいよ自己決定による自己責任・自己負担の「行政経営の時代」に入りました。
そして、これからますます基礎的自治体が政策を競い合い、豊かな価値を創造し合うことで、活力を生み出していくという地域の時代が到来します。私たちも新たな分権社会を築く原動力として、精一杯頑張って参りたいと思います。

高野区長は、これまでの負の遺産を克服するための改革に区切りをつけ、未来をひらくための改革の要となる「未来戦略推進プラン2007」を策定し、豊島区の将来像を示されました。

その将来像を実現するため、区民の皆様の参加と協働を基本として、子育て環境の充実、「生きる力」を育む「教育としま」、特色ある教育の展開、弱者を守る「安心ネットワーク」の強化、安心・安全なまちづくり、など「住みたいまち」「住み続けたいまち」の基本をつくっていきたいと言われておられます。そこで、区長がマニフェストに掲げられた政策を含め、豊島の街づくりについて、ソフト・ハードの両面にわたり質問いたします。
高野区長  まず、この度の、定数2名減の厳しい区議会選挙の中で、公明党新人3名の方を加えての全員の当選に敬意を表します。
私も、この選挙戦に於いて、皆様とともに手をたずさえて、共に豊島区の未来像を作り上げようと固く誓いあった選挙でした。
今回はじめて首長選挙にマニフェストを示すことが可能となりました。私も、まさに、これからの4年間について、財政の裏付けをもった豊島区の将来像をお示しすることが出来たわけであります。
それは、行政の基本である教育・子育て・福祉・医療を充実させて、安心・安全な「文化と品格を誇れる価値あるまち」を創り上げることです。
必ずやこのマニフェストの実現を果たし、新たな分権時代に、共に対応してまいりたいと決意いたしております。
このしま  先ず始めに、区民の足である交通機関についてお伺いいたします。

その1点目は、副都心線についてであります。

来る平成20年6月、東京メトロ『副都心線』がいよいよ延長開通の運びとなり、池袋・新宿・渋谷、三大副都心と東京城北・埼玉県西部を結ぶ新路線が、重要な位置づけとして、期待されております。
また副都心線の開業にあわせて、豊島区内の千川駅および要町駅の「副都心線ホーム」につきましても使用を開始することになり、現行の有楽町線を含め更に利用者の増加が見込まれると思われます。そこで、有楽町線の池袋発の最終電車が、他の路線より早い時間に終了してしまうことについてとり上げます。

現在有楽町線の池袋駅発最終電車は、平日・休日ともに0:08分・和光市行きになります。
0時台はこの1本のみであります。そのため、都心で11時過ぎまで仕事をする人は、間に合いません。

一方同じく池袋から郊外に向かう路線では、(平日で)東武東上線は、準急0:44分・普通0:45分、西武池袋線は、準急0:44分・普通0:45分と実に40分近くも時間差があります。
そのため、要町駅・千川駅、小竹向原駅、氷川台駅、平和台駅に向かう有楽町線利用者は、この最終電車に間に合わないと、東武東上線や西武池袋線の駅まで乗車券を別途購入し、一番近い駅から徒歩で帰宅したり、池袋よりタクシーを利用するなど、個人負担を強いられているのが現状です。この終電繰り下げにつきましては、実際の運行には、東京メトロ有楽町線と相互乗り入れしている東武鉄道、西武鉄道との協議が必要とは思いますが、けして時間的に不可能ではないと思われます。
そこで、「副都心線」開通を前に、豊島区として、有楽町線の最終電車の時間繰り下げを東京メトロに要望していただきたいと考えますがいかがでしょうか。お伺いいたします。
増田土木部長  有楽町線の終電時間についてのご質問に、お答えいたします。

ご案内の通り、来年6月の副都心線の開業で、鉄道利用者にとりましては、通勤の混雑緩和や目的地への時間短縮など、多くの期待が寄せられております。
こうした点から考えますと、ご指摘の通り「0時8分」の終電は、早すぎると感じますので、東京メトロに事情を伺いました。
東京メトロからの回答ですが、深夜「0時30分」以降は、地下鉄ネットワークの保守・点検に充てる時間とのことです。
その時間までに、ネットワーク上の一番遠くの駅に電車を到着させなければならず、たとえば、東武東上線・和光市駅に、「0時30分」までに到着するには、「0時8分」が池袋の発車時刻になるとのことです。
改善の余地についてですが、他の路線に乗換える利用者のため「乗り継ぎ電車」の確保が必要となり、結局、地下鉄ネットワーク全体の終電を、遅くする必要があるとのことです。
同様なご要望を利用者からも寄せられており、社内での検討課題となっているとのことですので、鉄道利用者の利便性向上のために、区から、改めてご要望の主旨を伝えてまいります。
このしま  2点目に、区内を走るコミュニティバスについてお伺いいたします。

昨年の第2回定例会の私の一般質問に対するご答弁は、「学識者や関係機関により構成される、『池袋副都心交通ビジョン検討委員会』で、池袋駅へのアクセスが不便な地域の洗い出し、地域特性に応じた交通システムの選択、走行ルート、運行経費等について検討を進め、18年度末までに、基本的な考え方を整理する」ということでしたが、その検討結果はいかがでしょうか。

高齢社会にあって、バリアフリー、予防介護、生涯学習、地域コミュニティ、地域経済振興等の総合的な観点から、区民の自由な外出を促し、社会参加につなげることを考えると政策連携して早急に実現すべきものと考えますが、区長の前向きなご答弁を期待いたします。
増田土木部長  コミュニティバスについてのご質問にお答えいたします。

まず、コミュニティバスの検討状況と、今後の計画についてのご質問に、お答えいたします。

現在、学識者や関係機関により構成される、「池袋副都心交通ビジョン検討委員会」を設置し、副都心エリア周辺の都市計画道路の整備状況を踏まえ、中長期的な視点に立った、池袋副都心の望ましい交通体系のあり方を、検討しております。
この検討会の中で、副都心の魅力の向上、活性化のために、周辺地区から池袋駅への、アクセス性の向上という観点から、副都心循環バス等の、新たな交通システムの必要性、あり方についても、検討しております。

池袋駅へのアクセスが不便な地域の洗い出し、地域特性に応じた交通システムの選択、走行ルート、運行経費等について検討を進め、平成18年度末までに、基本的な考え方を整理する予定であります。
この中で、高齢者の買い物、通院等の利便性の向上や、区民の社会活動を活発化するといった観点からも、運行経路について、検討を加えてみたいと考えております。

バスの運行に向けては、相当の財政負担が伴うことから、需要予測、事業採算性などの検証が必要でありますが、今回の交通ビジョンの検討結果や、現在事業中の補助172号線、173号線など、都市計画道路の進捗状況などを踏まえ、さらに詳細な検討を進めたいと考えております。

ご質問にもありましたように、平成18年度の「池袋副都心交通ビジョン検討委員会」では、新たなアクセス交通の一つの方策として、コミュニティバス導入の可能性について検討し、一応の取りまとめを行いました。

この報告書では、池袋駅までの二つのルートを想定し、標準的な運行経費も算出しております。
ルートの設定にあたっては、鉄道や既存のバス路線から離れた、池袋駅への「アクセス不便地域」を抽出し、この地域をカバーする路線について、交通規制や道路幅員などの運行の諸条件を考慮しています。また、本区の狭あいな道路事情を考慮して、小型バスにより、集客施設や病院などを巡回することを想定しています。

運行経費につきましては、運行頻度によって異なりますが、収支バランスは厳しい状況にあります。しかしながら、既存のバス路線のない地域へのルート設定が必要となり、また、このことがコミュニティバス導入の必要性にも結びつくものです。

したがいまして、採算面でのバランスは、当然、慎重に考慮しなければなりませんが、地域の魅力と区民の利便性を高めるため、効果が期待できるとの判断に立ち、積極的に導入について検討してまいります。
このしま  3点目は、LRTについてであります。

先日、区民と区長の対話集会が3回にわたり開催され、そこでも「路面電車構想で街を活性化する」という区長の政策に批判的な意見が聞かれました。
街を歩きますとそうした声が多々ありますので、改めてお伺いいたします。

高野区長は、LRTを都市再生の目玉、都市間競争に勝利するための切り札として、あげられております。

この路面電車の初期建設費は、車輌基地の状況により異なりますが、少なくても38億円かかり、その後、毎年2~4億円規模の負担が継続的に生じるということであります。
以前にも予算委員会で触れさせていただきましたが、全国の自治体が公営交通事業の赤字に苦悩し、横浜では、2000億円の累積赤字があります。

国の補助の中で区が立ち上げたとしても、交通料金で運営維持は難しいと思いますし、観光の目玉とか話題性を目的にすると台東区でロンドンの2階建バスを購入して運行したけれども、最初は話題性もあって、かなり成果が上がったものの、結果として短期間で廃止に追い込まれたという経緯もあります。
路面電車の場合、固定した建造物と同じ扱いのため、バスのように簡単に廃止が出来ません。地域的に必要不可欠な交通機関であればともかく、また潤沢なゆとりのある時代と違い、区民の理解を得るにはかなりの難しさがあると考えますが、区長のお考えを伺います。
高野区長  路面電車構想についてのご質問に、お答えいたします。

これまでも、折りに触れ申し上げてまいりましたが、いま、新宿、渋谷、さらには他の新都心との間の、都市間競争が激しくなる中で、池袋を「人々が集い」、「交流し」、「多彩な魅力を放つ」、副都心に再生していくことが、緊急の課題であります。
多彩な魅力を放つ都市とは、人と人とのふれ合いの中から新たな文化が創造され、人々の賑わいによって、「訪れたいまち」、「住みたいまち」へと、成長していくことが出来る都市だと考えています。

LRTをグリーン大通りに導入したいという構想は、池袋が、多くの人々から親しまれ、愛され延(ひ)いては信頼される豊島区を築いていくための、「仕掛けづくり」が、魅力ある都市づくりには必要であり、その具体の最善の手段がLRTであるという、私の強い思いがあるからであります。
したがって、まず、はじめにLRTはグリーン大通りだからこそ、その意味があり、池袋だからこそ導入せねばならないのであります。

また、LRTは、低騒音で、人や環境に優しく、住民の生活に身近な交通手段としても、見直されつつあり、自動車交通に頼りすぎてきた生活を、僅かづつでも見直し、環境にやさしい都市づくりに取り組む、池袋副都心だから必要なのであります。

副次的効果も大変大きなものがあります。まず第一に、都電荒川線に乗り入れることにより、早稲田、王子、三ノ輪方面とのアクセスが可能となり、区外から池袋副都心に訪れる人々との、新たな交流や賑わいが生まれます。

また、高田方面など我が豊島区にとって、池袋へのアクセスが悪い地域が改善され、LRTが、高齢者など区民の生活の足となります。

第2には、池袋の玄関口である「グリーン大通り」をLRTによって、池袋副都心のシンボルとして、さらにイメージアップさせることができ、それが街の特色となります。
道路空間を歩行者優先のトランジット・モールとすることによって、通行の安全性が確保され、また、歩行者空間でのオープンカフェや、イベントなどの催しが常に行われることによって、賑わいあふれる空間づくりが、可能となります。
こうした街づくりを一体で進めることで、「池袋は何ですか」と問われれば、「LRTが走り、品格と賑わいのある街」だと、言われるに違いないのであります。
それが、LRT構想を掲げた私の考えです。是非、ご理解をいただきたいと思います。
このしま  次に、「劇場都市・池袋」についてお伺いいたします。

区長は、平成16年1月。有識者による「豊島区の文化政策に関する提言」を受けて文化政策を区政の重要な施策の一つに位置づけてまいりました。「舞台芸術交流センター:あうるすぽっと」の落成はある意味で、豊島区における文化芸術振興のエポックを象徴しているかと思われます。
統計資料-演奏年鑑(2006)から、東京都内の劇場・ホールを大雑把にリストアップしてみますと、106の施設があり、客席数200以上のホールは、136ホールあります。日本を代表するような大規模なものから小規模な劇場・ホール。公共ホールから民間の劇場などバラエティーに富んでおります。
豊島区内でも平成18年1月の資料で見ますと、客席数80の小さなホールを含めますと、10施設15ホール(延べ6430席)の劇場ホールがあるようであります。

さらに映画館9館19スクリーン(=ホール)で、述べ4400席(4411)を超えていますし、大学ホール4施設(=3760席)などの文化施設があります。
これらの都内・区内の劇場・ホールでは、毎日のように音楽・演劇・ミュージカル・舞踊・映画などなどが多様に展開されています。加えて、美術館・ギャラリーなどもありますので、区民・都民は芸術・文化に触れる機会、観る機会に十二分に恵まれており、ある意味では鑑賞機会は飽和状態にあるくらいに言われております。
こうした中で、300席のホール「あうるすぽっと」の売り込みポイントは、東池袋駅前というのは勿論ですが、どのようにお考えでしょうか。

また、併せて区長は、今後このホールを通じて区民や利用者に「何を」また「どのような社会的価値」を提供していくのか、このホールの使命を具体的にお聞かせください。
新しくきれいなホールは、目新しさもあり、それなりの集客もあることと思われますが、それだけで急に池袋が演劇のメッカとなれるわけでもなく、サンシャイン劇場、シアターグリーンなどの民間劇場や東京芸術劇場など先に述べた区内10館の劇場ホールの連携ネットワーク化を進め、渋谷でも新宿でも下北沢でもなく「池袋だよ」といわれるような仕組みを作ることが大切であると考えますが、「演劇の街・劇場都市」といわれるためのクリエイティブ・シティー(創造的都市)への戦略をお聞かせ下さい。

次に、「劇場都市・池袋」の西側の核になる「東京芸術劇場」についてお尋ねいたします。
東京芸術劇場は地元池袋にありながら、区や区民との関わりが、これまで希薄な感じがしておりましたが、「豊島区文化フォーラム」における会場提供や小田島芸術劇場館長の全面的な協力など、最近変わってきたなぁと云う印象を受けております。区長は、東京都の「都立文化施設のあり方検討会」の委員として、この東京芸術劇場のあり方検討委員会に参画されたと聞いておりますが、どのように「東京芸術劇場」を評価し、区長の言われる「芸術文化の振興による街づくり・街おこし」に、地元の劇場として芸術劇場をどう位置づけ、活用しようとしておられるのか、また東京都の検討委員会では、「東京芸術劇場』のあり方についてどのように「まとめ」が行われたのか、合わせてお聞かせ下さい。

また先月、読売交響楽団の「東京芸術劇場マチネー(お昼)のコンサート」に出かけた区民の方から、『教育プログラム事業―“芸劇みらいシート”』の参加校として区立中学校5校の名前がホールの入り口に掲示され、子どもたちが大勢来ていたとお聞きしました。

その方から「子どもたちが一般の大人の聴衆の中に入って、音楽を静かに聴いていたが、情操教育の実践面からとてもよいことですね。でも、予算も大変でしょうね。」と言われました。
これは、東京芸術劇場が行っているものなのか、読売日本交響楽団が行っているものなのか、区教育委員会はどのように関わりを持っているのか、この事業のしくみと教育委員会の予算措置などについてお聞かせ下さい。

また聞くところによりますと「東京芸術劇場と読売日本交響楽団とは本年4月から事業提携した」とのことですが、「その他の教育プログラム事業」が行われているのかお聞かせ下さい。
さらに、この「教育プログラム事業」と本年3月に策定した「豊島区教育ビジョン」に書かれている「2.豊かな人間性の育成―(1)心の育成の充実(3)文化の担い手の育成」などとの関係についてもお聞かせ下さい。

また、芸術劇場を取り巻く環境ですが、劇場が夜9時半には照明を落とすことから、この時間以降にここを通る区民から「暗闇の中に大きなマンモスが寝ているようだ」という声を聞きます。特に高齢者の方からは、バスの待ち合わせなどに離れ島のバス停に移動する際、「足元が見えづらくて怖い。」という声も聞きます。ここ一帯は、20年近く前、芦原先生がヨーロッパ風に石畳などを取り入れてデザインしたものと伺っており、私も街づくり大学の一期生として葦原学長には大変お世話になりましたが、安心・安全という観点からしても、もうひと工夫必要ではないかと感じておりますがいかがでしょうか。ここは、東京都のほかに、公園緑地課と道路整備課が関わっておりますのでお伺いいたします。
高野区長  次に、「劇場都市・池袋」についてのご質問にお答えいたします。

まず、「あうるすぽっと」の売り込みポイントについてのご質問にお答えいたします。

最初にハード面について申し上げますと、客席数301の劇場は舞台と観客との距離が近く、その臨場感は他の大劇場では味わうことができないものであります。また、小規模でありながら、劇場全体がゆったりとした上質な作りとなっております。  同規模の劇場としては舞台面が広く、最高レベルの照明や音響設備を備えており、理想的な舞台環境を実現いたしております。まさに、演じ手、観客ともに充実した舞台芸術を堪能できるものであります。

次に、ソフト面について申し上げますと、単なる貸し館にとどまらず、劇場に制作や舞台技術に関する専門スタッフをそろえており、オリジナル企画を実施するほか、他の劇団等とのタイアップにより、幅広い分野にわたる演目を提供し、池袋から全国に文化芸術の情報を発信して参ります。
さらには、劇場と図書館が一体となって、文化を同時多発的に発信できる点も、大きな特長であります。

文化・芸術活動に関連した情報等を図書館が蓄積し、提供する情報機能を活用しながら、講演会やドラマリーディングなど、劇場公演と関連した共同事業を有機的に展開して参ります。
「あうるすぽっと」は、これらハード・ソフトの特長と、図書館との一体性という3つのポイントから、積極的にアピールして参りたいと考えております。

次に、「あうるすぽっと」の具体的使命についてのご質問にお答えいたします。

まず第一に、「芸術文化の創造・発信拠点」の使命でございます。優れた舞台芸術を創り出し、継続的に上演することにより、区民が良質の芸術文化活動に触れる場を提供します。

第二に、「芸術・文化の担い手の育成」の使命でございます。舞台芸術は、アーティストのみならず、照明、音響、制作など多くのスタッフに支えられて成り立っております。
芸術・文化を支える、こうした人材を育成していくため、演劇やダンスなどのワークショップ等により、子どもたちや区民の芸術的感性と創造性を育んで参ります。

第三に、「区民が気軽に集い楽しめる環境づくり」の使命でございます。学校などへのアウトリーチ活動や、誰もが気軽に参加できる地域イベントを開催するなど、芸術・文化に親しめる機会をつくり、地域コミュニティの活性化を促します。  なによりも、良質な作品の上演を通して、区内外から訪れる多くの人々との交流を促し、池袋副都心の新たなスポットとしてまちの魅力とにぎわいを創出することによって、池袋副都心のまちづくりをさらに発展させていくことが「あうるすぽっと」の最大の使命であると考えております。

次に、「演劇の街・劇場都市」といわれるためのクリエイティブ・シティーへの戦略についてのご質問にお答えいたします。

ご指摘のように、豊島区には東京芸術劇場をはじめ、多くの劇場・ホールがあり、多様な情報が発信されています。また、豊かな地域資源や人材等を生かした、新たな文化創造活動が展開されています。このため、「あうるすぽっと」を拠点として、これら区内外の劇場とのネットワーク化を戦略的に進めて参ります。
具体的には、チラシやポスターなど配布・掲載等の相互協力や演劇の巡回公演、また、定期的なネットワーク会議による情報交換等により緊密な連携を保って参ります。

また、「池袋演劇祭」は来年で20周年を迎えようとしており、区民が参加する演劇祭として、池袋を「演劇の街・劇場都市」と印象づけております。さらに、「にしすがも創造舎」が主催する「東京国際芸術祭」は、文化庁や国際交流基金、財団法人地域創造などの支援により、世界各国から話題性の高い劇団を招聘しております。こうした豊島区を特徴づける演劇祭について、さらに充実発展するよう支援して参ります。
文化による活力ある創造的なまちづくりを推進していくためには、幅広い分野と連携した総合的な文化政策を推進すること、また、区民をはじめとする多様な主体との連携と協働が、不可欠であります。

豊島区の様々な文化芸術事業を展開して参りました「財団法人としま未来文化財団」を充実させるとともに、地域コミュニティの活性化と都市活力の創出に取り組むため、所信表明で申し上げました「文化政策推進プラン」の策定に着手し、積極的にクリエイティブシティーをめざして参ります。

次に、東京芸術劇場への評価・位置付け及び活用についてのご質問にお答えいたします。
文化施設は、地域の活性化の源であり、東京芸術劇場は、池袋西口公園などと一体となって、豊島区のイメージアップに大きく寄与していると評価いたしております。

また、東京芸術劇場は、池袋西口駅前に位置し、「演劇の街・池袋」という地域的背景と相まって、豊島区の文化発信の拠点として位置づけることができます。

ご指摘のとおり、東京芸術劇場は、これまで地域との関係が希薄であった時期もあり、この点につきまして、私は、東京都の「都立文化施設のあり方検討会」の委員として参画した際に訴えて参りました。その意見につきましては、本年3月の検討会報告書でも取り入れられております。

東京芸術劇場は、計画された昭和50年代、劇場・ホールが不足していた時代背景があり、貸し館ニーズに応える施設としてスタートしました。しかし、社会文化環境の変化によって、単なる「貸し館」から「舞台芸術活動の育成・支援」や「創造環境の整備」への対応が課題となっております。

検討会報告書におきましては、今後、自主事業の拡充により存在感を強化することを基本に、地域との関わりを密接にし、地域に愛される劇場をめざすべきとの方向性が示されているところでございます。

これは、「あうるすぽっと」のめざす方向性と軌を一にしているところであり、東京芸術劇場とともに文化発信の拠点として相互協力し、面的な広がりをもった事業展開によって、「文化と品格を誇れる価値あるまちづくり」をさらに強力に推進して参ります。

なお、私からの答弁は以上でございますが、その他の質問につきましては、関係部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から、答弁申し上げます。
日高教育長  引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しましてお答え申し上げます。

まず、「芸劇みらいシート」との関わりについてのご質問にお答えします。この事業は東京芸術劇場の「教育プログラム事業」の一つである「芸劇マチネーシリーズ」に、区立中学生を年11回、毎回50人、無料招待するものです。教育委員会の予算措置はありませんが、各中学校と連携して、参加者の募集を行なっています。この企画は、中学生が一般の観客とともに、芸術性の高いコンサートを鑑賞することで、子どもたちの感性や情操を培い、豊かな人間性の育成が大いに期待されるものであります。

次に、「その他の教育プログラム事業」の実施状況についてのご質問にお答えします。区の「次世代文化の担い手育成事業」の一環として、中学校吹奏楽部員を対象に、「吹奏楽リーダー講習会」をすでに昨年度、2月17日に実施いたしました。当日は、読売日本交響楽団のプロ演奏家を招き、フルートなど4つのパートで、各校の部員46名が丁寧な技術指導を受けました。プロの指導は、演奏技術の向上に絶大な効果をもたらし、部員たちにも大変好評でした。この企画は、今年度も拡充し、実施してまいります。

次に、「豊島区教育ビジョン」と東京芸術劇場の「教育プログラム事業」の関係についてのご質問にお答えします。本区の教育ビジョンの「豊かな人間性の育成」では、「芸術に親しむ習慣や態度」、「豊かな情操」、「社会的マナー」を身に付ける必要性を謳っています。こうした観点から、芸劇の「教育プログラム事業」は、本区の教育ビジョンの目指す方向そのものでありますので、教育委員会といたしましても、引き続き事業連携を推進してまいります。
このしま  続いて、南長崎地域の安心・安全の街づくりについて伺います。

区は5月下旬に旧長崎中学校跡地の有効利用について、隣接するJRアパート敷地も視野に入れた整備のプロポーザル方式の公募を行いました。その整備条件の中にはプール施設を備えた「西部地区スポーツセンター」を組み込んだ施設であることや救援センター機能の確保等があげられています。

一方でこの地域は、西武池袋線の椎名町駅から東長崎駅にかけて、線路を挟んだ南北地域、すなわち長崎、南長崎地域は、東京都の危険度判定では、木造家屋が密集している最も危険な地域として指定されている事はご案内の通りでございます。

そこで、旧長崎中学校跡地利用について、隣接するJRアパート敷地と一体になった整備を考えると、現在使われているサッカーなどを引き続き可能なスペースとすることは当然として、更に、災害時の避難場所確保を視野に入れた防災公園整備が必要と考えます。

ご案内のように、南長崎地域は社会教育会館や図書館などの公共施設が少なく、南長崎地域住民への施設サービスについて、区としても課題とされてきた経緯があります。そのような、南長崎地域への区民サービスの観点からも、旧長崎中学校跡地とJRアパート敷地の整備については、「西部地区スポーツセンター」の機能とグランド機能は確保しながら、一丁、大災害時には避難所等として活用できる、防災公園の設置をぜひ検討していただきたいと考えますが、区のお考えをお聞かせ下さい。
高野区長  次に、旧長崎中学校跡地の整備についてお答えいたします。

現在、温水プールを中心とした室内スポーツ施設や屋外スポーツ広場等を整備すべく、民間の創意工夫の活用も想定した調査・検討を行うため、委託業者を公募しているところであります。
また、JRアパート敷地についても、JRと連絡を取り、土地取得の可能性の検討を進めているところです。
このような状況もみながら、区の関連部署で構成する検討会議を設置し、今年度中に基本構想を策定してまいりたいと考えております。

構想を策定する上での基本的な考え方でありますが、ご案内のとおり、平常時は屋内・屋外のスポーツ機能を中心とした施設配置を考えております。

しかし、ご指摘のとおり、旧長崎中学校周辺地域は、木造密集市街地が分布しております。また、旧長崎中学校跡地と、隣接するJRアパート敷地は、いずれも豊島区の中では、またとない、まとまった土地でありますので、緊急時防災機能を十分発揮できる敷地であると考えております。

平常時のスポーツ機能と、緊急時の防災機能をどのようにバランスよく組み合わせるかも、この検討会議での重要な課題であると認識しております。

いずれにいたしましても、防災公園的機能は、この地域にとって必要な機能であると認識しておりますので、今後の検討会議の中で十分に審議してまいります。

なお、その他の質問につきましては関係部長から、教育委員会所管に属する事項につきましては、教育長から答弁申し上げます。
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2.区民の健康づくり

このしま  次に、区民の健康づくりについてお伺いいたします。

始めに、来年度から変わる健診体制についてですが、近年、個々の被保険者に対し、自主的な健康増進・疾病予防の取り組みを働きかけることが保険者の役割として重視されるようになりました。食生活・運動・飲酒・喫煙など様々な生活習慣の蓄積による糖尿病、高血圧などの生活習慣病を予防する健康管理、健康増進を目的に生活習慣そのものを改善して、発症を未然に防ぐことが求められるようになりました。

来年4月から、40歳から74歳までの方々は、医療保険者の責任で特定健診・特定保健指導が実施されることになり、そのため、健診は加入している医療保険者が指定する健診機関で受診することになりました。そこで、国民健康保険でも、平成20年4月から、メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病の予防のための健診・保健指導を実施することとなりました。

今まで、政管健保や健保組合に入っている方の扶養になっている方は、今度は指定される健診機関で受診するように--とあります。

そこで、お伺いします。現在行われている節目健診は、保健所の管轄で行われておりますが、これはどのようになるのでしょうか。

また、加入保険者の指定する健診機関に容易に行かれる方は良いのですが、指定される場所が遠かったり、身体的に負担を要する方も少なくないと思われますが、それについては如何お考えでしょうか。お伺いいたします。
山中健康担当部長  次に、区民の健康づくりについてのご質問にお答えいたします。

まず、節目年齢健康診査ですが、現在は老人保健法にもとづき、区が実施しておりますが、ご案内のように、平成20年4月からは、この健診は各医療保険者が実施する健診制度に移行することになります。

また、指定する健診機関に行かれない方につきましては、医療保険者がどのように対処するのかを決めることになりますが、各保険者は、いまだ方向性を具体的に示していない段階にあります。したがいまして、今後、その動向を見極め、区としての対応を検討してまいる考えであります。
このしま  2点目に、昨年9月から開校いたしました「としま健康づくり大学」は、40代からの壮年期を対象として、運動の実践と健康づくりの知識の習得を組み合わせた半年間にわたる講座であり、「アンチ・エイジング」をテーマとして、単なる病気予防だけでなく、積極志向の人生観など、健康の原点を学び、地域における健康づくりのリーダー的人材を育成していくと伺いましたが、具体的な取り組みをお聞かせください。
山中健康担当部長  次に、「としま健康づくり大学」についてのご質問にお答えいたします。

この事業は、地域におけるリーダー的な人材育成もねらいとしておりますが、修了者には「財団法人 健康・体力づくり事業財団」が認定する「健康運動実践指導者」資格の取得を奨励し、実践を通じた自己管理とともに、さらに専門性を磨けるよう育成を図っているところであります。

ご指摘のように、区民の健康志向の高まりとともに、中高年の様々な健康増進活動が活発に展開されております。

人材活用に関しましては、健康づくり大学の卒業生が、地域で活躍していだくことは事業目的の一つでありますので、今後の活動の場として、区民ひろばのほか、区内の体育施設や地域文化創造館におきましても、事業の企画立案や各種講座の講師依頼など、様々な方策を検討してまいる考えであります。
このしま  また、豊島区では、平成7年に、東京都の主催で地域健康推進委員の要請過程講座を5日間受けて、修了証書をいただき、何度か保健所等に通った方々がたくさんおられますが、あまり活躍の場もなく、そのまま尻きりとんぼになった経緯がありますので、ぜひ有効な展開をお願いいたします。
今、各地で、「健康・いきいきまちづくり」が進み、中高年齢者のための健康・体力アップ・スロービクスやストレッチ体操などを行い、健康づくりのために運動習慣をつけるための教室が盛んであります。ぜひ各区民ひろばで展開されるよう要望いたします。
山中健康担当部長  次に、「としま健康づくり大学」についてのご質問にお答えいたします。

この事業は、地域におけるリーダー的な人材育成もねらいとしておりますが、修了者には「財団法人 健康・体力づくり事業財団」が認定する「健康運動実践指導者」資格の取得を奨励し、実践を通じた自己管理とともに、さらに専門性を磨けるよう育成を図っているところであります。

ご指摘のように、区民の健康志向の高まりとともに、中高年の様々な健康増進活動が活発に展開されております。

人材活用に関しましては、健康づくり大学の卒業生が、地域で活躍していだくことは事業目的の一つでありますので、今後の活動の場として、区民ひろばのほか、区内の体育施設や地域文化創造館におきましても、事業の企画立案や各種講座の講師依頼など、様々な方策を検討してまいる考えであります。
このしま  また、学校教育においても、食育の推進と体力向上を重点とした「体 いきいき うきうきプロジェクト」を展開し、今後はさらに、「食育リーダー」の育成や食育に関する研修に取りくむということですが。
日高教育長  次に、学校教育における食育等の取組についてのご質問についてお答えします。

バランスのとれた食事の摂取は、身体の成長や健康づくりに不可欠であり、学校教育においても、食育は、食事の楽しさや喜びを理解するとともに、望ましい食習慣を形成するなどの役割を果たし、その必要性が改めて見直されております。

食育の重要性を認識し、より一層の充実を図るためには、指導体制を明確にし、組織的・計画的に取り組むとともに、食育推進のための教員研修の実施や指導資料の作成、また、食育を推進する「食育リーダー」の育成など、区内の女子栄養大学とも、一層連携を深め、積極的な取組みを進めてまいります。
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3.障害者福祉と就労支援

このしま  次に、障がい者福祉と雇用促進について質問をいたします。

マザー・テレサは、「人間にとって最も悲しむべきことは、病気でもなければ貧乏でもない。それは、自分はこの世にとって必要のない人間なのだと思い込むことである」と語っております。
だれもが生きがいを持ち、安心して暮らすことのできる地域社会。またそれに加えて、だれもが生き生きと、そこの場所で、だれかの役に立つために行動しているというようなユニバーサルデザイン化された社会を築いていくことが今こそ大切だと考えます。

しかし障がい者の方々を町の中で普通に見かける国が世界にはたくさんある中で、日本では、まだまだ少ないという現実があります。600万人近い障がい者が暮らしている中で、余り見かけないということは、障がい者の方々が希望するような基本的な生活を送れる社会には、まだまだなっていないということではないでしょうか。
障がい者も含め、だれもがいきいきと働いて普通に暮らせる社会であれば、これから高齢化が進んでいく日本において、だれもが働きやすく、だれもが暮らしやすい社会になると考えます。逆に、障がい者も含め、働きにくく、暮らしにくい町というのは、これから極めて多くの人が働きにくく、暮らしにくい町になっていくおそれがあるのではないでしょうか。その意味でも障がい者の自立・雇用の問題は、これからの日本社会が抱えるさまざまな課題が凝縮されていると考えます。

まず、障がい者の自立とは、必ずしも経済的自立や身辺自立を指すのではなくて、どのように生きていきたいのか、できる限り自分の意思に基づいて、自分の生き方を選択できるということであると思います。障害者が本当に人間としての生き方をみずから追求して、それが選択できるようにするために、社会全体がバックアップしていく。そしてそれをできる限り実現していくこと、それを支えることが障がい者自立支援の原点ではないかと思います。

豊島区におきましても、本年2月に、「豊島区障がい福祉計画」が策定され、障がい者自立支援法施行後の区内授産関係施設について、自立支援法に基づく新体系移行や工賃アップなどの取り組みがなされていると思います。
先日、一般企業への障がい者の就労支援について、旧池袋授産所に設置された障がい者就労支援センターを視察いたしましたところ、就労実績も年々増加の傾向にあるようです。
また、国や東京都の動向とともに、障がい者福祉課として、障がい者関係授産施設の共同販売所の設置など新規拡充事業をはじめ、知的障がい者を含めた庁内実習の促進や福祉作業所から就労希望者の掘り起こし、また障がい者雇用を行ってもらえる企業への、PR活動の強化とさまざまな取り組みをなされていることは、評価できるところであります。
昨年、私ども公明党が提案した公園清掃も、4箇所だったのが19箇所で実施され、先日お聞きしましたところ、共同作業所など障がい者授産施設では非常に喜んでやっている様子を伺うことができました。今後も区内の多様な社会資源を活用し、施設や機関と連携を取りながら、当事者に適した地域生活への移行が図られるよう今後も期待するところであります。

さて、平成19年度4月2日、厚生労働省は、個々の障がい者に対して就職の準備段階から職場定着までの一貫した支援を行う「地域障がい者就労支援事業」を、すべての都道府県労働局・安定所において実施する最終改正案が出されました。

障がい者雇用施策と障がい者福祉施策、特別支援教育との連携の一層の強化を図るため、福祉施設、特別支援学校に対して、一般雇用や雇用支援策に関する理解の促進と就労支援の取組みの強化を働きかける「障がい者就労支援基盤整備業」を実施するとともに、地域の福祉施設や特別支援学校等関係機関と緊密に連携して、個々の障がい者に対して就職の準備段階から職場定着までの一貫した支援を行う「地域障害者就労支援事業」を実施し、“福祉施設を利用している障害者本人やその保護者に対して、一般雇用や雇用支援策に関する理解の促進等のための働きかけを行うことも重要である”という通達を出されました。これに対しどのように対応されるのか、本区の取り組みをお伺いいたします。

2点目に、昨今、まちづくりの推進のためのワークショップなど、障がい者がさまざまな分野に企画の段階から参加するケースもふえてきているとは思いますが、さらに今後、単に参加するということだけではなくて、さまざまな分野で障がい者が重要なポジションに着いて、意思決定へ参画していくという、このような「ポジティブアクション」を推進していく必要があると思いますが、本区の実態とお考えを伺います。

3点目に、障がい者が自立と社会参加を図る上では、3つのバリアがあると言われております。1つ目は、交通機関や建築物などの物理的なバリア、また、障がいのある人は特別な存在であるといった意識上のバリア、最後の3点目が、視覚障がい者の自由な社会生活を阻害するさまざまなバリアを取り除くことを促進していく必要があります。

中でも心のバリアフリーを促進するため、区民一人一人が障がいや障がいのある人のことをよく知った上で、理解や行動をしていくことが重要なことから、障がい者週間を契機とした啓発活動を実施し、障がいの理解、また、障がい者に対する理解を深めていくべきだと考えますがいかがでしょうか。
障がい者基本法に、すべての障がい者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化、その他あらゆる分野の活動に参画する機会が与えられると示されているように、障がいのあるなしにかかわらず、だれもが地域社会の一員として活動できるようにすることが大切だと考えます。

4点目に、障がい者と教育現場の接点についてであります。だれもがかけがえのない存在であって、かつ、大切な役割がある。そして相手の立場を自分のこととして感じるということができる心。これはハードの分野や制度以上に重要なことであると考えております。
そこで、障がい者の皆様から学ぶという姿勢が非常に大事であると考えますが、教育現場を考えますと、障がい者への理解を広げる事業、それは障がい者自身が関わると、非常に強い影響を与えられるかと思います。
知的と精神の場合は確かに接点は難しいと思いますが、決してタブー視する領域ではないと思います。必ずしも職業として教育に関わるということだけではなくて、さまざまな活躍の場が考えられると思いますがいかがでしょうか。

この障がい者の問題というのは、そういう根底的な流れというものと対決して、だれもが受け入れられるんだという社会を築いていくことが根本になければならないと思います。もちろん働いて税金を納めるにこしたことはありません。ありのままの自分に価値を認めあう社会をつくるために、教育の問題というのは避けて通れないというふうに考えておりますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
松崎保険福祉部長  次に、障がい者福祉と就労支援についてお答えいたします。

まず、一般雇用や雇用支援策に関する理解の促進等への区の取り組みについての質問にお答えいたします。

障がい者自立支援法では、障がい者の就労支援が大きな柱として位置付けられております。それに基づき、国や都では就労移行支援事業や地域障がい者就労支援事業など様々な積極的な取り組みが行われつつあります。本区におきましても公園清掃など就労の場の拡大や障がい者就労支援センターを中心とした就労への支援、就労した方への職場定着のための支援などを積極的に取り組んでおります。さらに、これから特例子会社の誘導などにも取り組んでまいりたいと考えております。

今後も、障がい者就労支援ネットワークに参加しているハローワーク池袋や特別支援学校、授産施設などと連携し、就労支援施策のPRや就労している障がい者の方の講演会などを通して、障害者の方が一人でも多く一般就労できるよう支援していきたいと考えております。

次に障がい者の意思決定への参画の推進についてのご質問にお答えいたします。

これまで、障がい者の方には、障がい当事者として、意見をお伺いするため、心身障がい者対策調整会議や障がい福祉計画策定委員会などに参加していただきました。今後は、区の政策決定などに関わる様々な審議会や委員会などに積極的に参画していただけるよう努力してまいりたいと考えております。

次に心のバリアフリー促進のための啓発活動の実施と障がい・障がい者への理解についてのご質問にお答えいたします。

ノーマライゼーションの考え方は、障がい者の方が、ハンデを意識することなく、障がいのない方と街中で自然にふれあい活動できることだと考えます。そのためには、環境面でのバリアをなくすだけでなく、心のバリアをなくすことが重要であります。
障がい者の方が地域でいきいきと暮らすためには、地域の皆さんの障がい者への理解とバックアップが何より大切だと考えます。本年2月に策定しました『豊島区障がい福祉計画』におきまして、「障がいに対する正しい理解が得られ、区民の相互理解のもとに、障がい者への偏見や差別のない社会をめざします」と謳い、区の障がい者施策として重要課題として位置付けました。

今後は、障がい者週間だけでなく、障がいへの理解を得るため、あらゆる機会を利用し、積極的な啓発活動を行っていきたいと考えております。
日高教育長  次に、教育現場における障がい者のさまざまな活躍の場についてのご質問についてお答えします。

障がい者に対する理解を深め、相手を思いやる心を育成するためには、学校教育におきましても、障がいのある方々や障がいのある子どもたちとの交流の機会をもつことが、極めて重要であり、学校において様々な取組みを進めています。

具体的な事例として、ある小学校では、介助犬とともに生活している障がい者の方を学校に招いて学習を進め、また、ある中学校では、障がい者の方々と車椅子バスケットを体験しました。

また、本年度からは、豊島区に在住し、都立の特別支援学校に通学している子どもが、居住する地域の小・中学校の子どもと交流を行う副籍制度が本格的に始まりました。知的障がいや肢体不自由など様々な障がいのある子どもとお互いの作品を交換したり、授業や行事に参加したりすることを通して、同じ地域に住む子ども同士のつながりを深めてまいります。

次に、「誰もが受け入れられる社会、ありのままの自分に価値を認め合う社会をつくるためには、教育の問題は避けて通れない」というご意見ですが、まさに学校教育は、そうした社会をつくるための重要な役割を担っており、障がいのある方との交流の場をさらに充実させていくことが大切であります。

教育委員会といたしましては、ご指摘のとおり、誰もがかけがえのない存在であり、より豊かにかかわっていくことのできる社会を実現するため、学校教育における取組みの充実に努めてまいります。
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4.元気はつらつ長寿社会

このしま  次に、元気はつらつ長寿社会をめざして質問いたします。

訪問介護大手「コムスン」が介護報酬の不正請求を理由に、2011年12月まで事業所の新規指定と更新を認められなくなった問題では、コムスン以外にも、「ニチイ学館」と「ジャパンケアサービス(豊島区)で不正請求が判明し、東京都はこの2社にも業務改善勧告をしたばかりであります。
豊島区では、これ以外にもスマイル・サポートについて、4000万円以上にも及ぶ不正請求の返還を求めておりますが、未だ解決への途上であり、急成長する訪問介護ビジネスサービスの質が改めて問われております。

地域では、懸命に働くヘルパーさん達を見ているだけに、こうした利益追求のために不正をする事業所は、保険者としても断じて許せません。

サービス事業者の増加とともに、不適切なサービス利用と思われる事例が増加しているということで、国においても「保険者機能強化」と「適正化対策」が強調されてきました。サービスの提供から給付費通知までの大まかな流れは、どうなっているのかと改めて確認しますと、例えば1月サービス分は、2月10日までにサービス事業所が請求書を国保連合会に提出して、3月中旬ごろ国保連合会が給付費納付書(請求書)を区に送付、そして3月25日までに区が給付費を国保に振り込み、その後、区が給付費通知を利用者に送付となっております。

ここで問題なのは、国保連合会から請求書が区に来てから、振込みまで僅か10日位しかありません。請求内容を確認出来ないまま、巨額の給付費が豊島区の場合、年間約114億円を超えていますから、毎月約9億5千万円が国保連合会に振り込まれている状況です。厚生労働省は、こうした流れで行われている「介護給付費通知」と「サービス事業者が利用者宅に置いてあるサービス利用票の内容と一致しているか、利用者あるいはその家族に確認するよう周知をお願いいたい」と要請していますが、それが不可能なケースも少なくないと思います。一人暮らし高齢者・高齢者夫婦・介護度がもっと進んだ対象者では、もはや不可能です。
「不適切なサービス利用と思われる事例が増加している」どころか水増しした内容が書かれていても、利用者に身に覚えの無いサービスの請求があっても疑義が分かることは不可能に近いと思います。

東京都の監査では、何らかの過大請求があった事業所は、監査対象となった186事業所の相当数に上るとみられておりますが、そもそもこうしたNPO等の事業所立ち上げの許可があまりにも簡単に出来てしまうところにも問題があると考えますがいかがでしょうか。そして、豊島区でも今年度からチェック機関を拡充したところですが、監査は本来東京都の役目ですから、そうした予算は東京都が出すように要望すべきと考えますがいかがでしょうか。

区民に信頼される区政を担う保険者として、この際しっかり取り組まれることを要望いたします。
松崎保険福祉部長  はじめに、監査に要する予算を東京都に要望すべきについてのご質問にお答えいたします。

昨年、介護保険制度の大幅な改正が行われ、「事業者規制の見直し」が大きな柱の一つになりました。

これは、悪質な不正事業者に対する事後規制ルールを強化する観点から,指定の欠格事由、指定の取消要件の追加や指定の変更制の導入などの見直しが盛り込まれたものでございます。その中で、不正事業者に対するきめ細かな指導監督を可能にするために、これまで「指定取消」だけだったものを「勧告」「命令」「指定の効力の停止」などの行政上の権限が付与され、指導には都道府県とともに区市町村も関与できるようになりました。

また、今回の改正で新しくできた「地域密着型サービス事業」は指定から行政処分に至るまで区の権限となり、本年1月には認知症通所デイサービス1事業所の取消処分も行っております。

現在、悪質事業者に対しましては、権限が都より区へ移譲されたことに伴い、毅然とした態度で指導監督を行っていますが、国や都の補助は給付適正化事業の非常勤2名分の人件費のみとなっています。

また、ご指摘の通り、ほとんどの事業者の指定は都の権限で行っており、書類審査が主でチェック体制の不備が指摘されております。

これまで特別区課長会等でも要望してまいりましたが、今後とも、区の監査に関わる経費の補助を、都へ要求すると共に、厳格な指定審査についても要望してまいりたいと考えております。
このしま  2点目に、介護保険制度を活用した高齢者の「介護支援ボランティア」について質問いたします。

厚生労働省は、介護保険と連動させた高齢者ボランティア制度を考案し、全国に普及させていく方針を決めました。
活動実績に応じてポイントが貯金できるようにし、そのポイントで介護保険料や介護サービス利用料などが払えるようにするシステムで、元気な高齢者に社会参加してもらうことでいつまでも元気でいてもらい、介護給付費の抑制につなげようというものであります。

これは、稲城市がかねてから国へ要望して来た提案に応える形で出来たものであり、「高齢者による介護支援ボランティア活動を介護保険で評価する仕組みを創設したい」との稲城市の構造改革特区要望を契機に厚労省が各都道府県に通達いたしましたが、先日その稲城市を私も視察して参りました。

稲城市では、保険料軽減額は、年間最大5000円程度、管理機関は社会福祉協議会で、ボランティアの内容も介護保険対象施設などに行ってのリクレーション指導・配膳や散歩の補助・話し相手などの介護支援を見込んでおります。

ボランティアの人材登録やポイント・基金管理をする管理機関には、地域支援事業交付金が使われることから、元気高齢者がボランティアに携わることにより、社会参加が広がり、例えば一人の人が2~3週間介護サービスを受け始める時期が遅くなることにより、どれだけ介護保険者の負担が減るかを考えただけでも大変有意義な事業となると稲城市の担当者○○博士は答えておりました。

本区でも社会福祉協議会のリボンサービスに賛助会員として登録して下さる方は少なくないものの、自身がリボンサービスの協力会員として出来るサービスを提供していこうとする方々はニーズに対応できておりません。

元気高齢者は多いものの、どんなに忙しい人でも必ずボランティアをしているというボランティア先進国に比べるとまだまだ日本では、ボランティアへの参加が積極的とは言えません。そのような中で、結果的に自身の介護保険料を減額することになるというこうしたやり方であれば、やってみようという方も増えてくるものと確信しますが、いかがでしょうか。

これまでは、介護保険制度ということから、保険料を引き下げたり、免除したりすることは、その制度上出来ませんでしたが、地域支援事業交付金の一部を使って、社会福祉協議会の協力をいただきながら、ぜひ始めるべきと考えますがいかがでしょうか。お伺いいたします。
松崎保険福祉部長  次に高齢者の介護支援ボランティアについてのご質問にお答えいたします。

高齢者にとって社会参加やボランティア活動が外出のキッカケとなり、認知症予防の効果があるということは、東京都の認知症予防対策室の研究からも実証されており、区といたしましても、関係課で検討を始めたところでございます。

しかし、現在活動している高齢者の実態や問題意識、活動の場や受け入れ施設等需要と供給体制について、区としては正確な情報を把握しておりませんので、この検討の中で調査したいと考えております。

また、ボランティア活動にポイントを付与することで、ボランティア精神が揺らぐなど質の確保に問題が生じないかや、活動内容や活動の場を特定すること等、具体的な実施にあたりましては、多くの課題がありますが、介護支援ボランティア制度によって、積極的にボランティア活動に参加する方が増え、介護予防につながるような仕組みになるよう、十分検討してまいります。

次に、具体的に社会福祉協議会の協力をいただきながら、始めるべきでないかというご提案についてですが、社会福祉協議会はボランティア活動のコーデネイト機能において、十分なノウハウを持っている組織であると認識しておりますので、実施に向けては管理機関の有力な候補として考え、協議をしてまいりたいと考えております。
このしま  3点目に、地域包括支援センターについてお伺いいたします。

介護保険が始まって、介護を必要とする高齢者の生活はすべて介護保険でまかなうようなイメージがありますが、区の福祉サービスでカバーしないと生活に支障が出る方も多々おります。その一翼を担う「地域包括支援センター」について、お伺いします。

豊島区には、民間5箇所を含めた8箇所の地域包括支援センターがありますが、地域包括支援センターの仕事は何なのかあらためてお伺いします。また、区民はこの包括支援センターを選ぶことが出来ませんが、見ておりますと民間のその対応に大きな違いを生じており、「受け皿が狭すぎる。無いに等しい。」という声さえ聞いております。
そこで、包括支援センターの位置づけをお聞かせください。また、場所によって差異が生じることは不平等と考えますので、区民が納得出来る対応をお願いするところであります。
松崎保険福祉部長  地域包括支援センターについてのご質問にお答えいたします。

地域包括支援センターは、介護保険の地域支援事業の包括的支援事業すなわち①介護予防ケアマネジメント、②総合相談支援、③虐待の防止及び早期発見、権利擁護事業、④包括的・継続的ケアマネジメントの事業を実施し、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設です。

この施設の位置付けですが、在宅介護支援センターを基礎に平成18年度に区を8つの地域に区分し、設置したもので、直営も民間も対等に区域、事業を有しています。1年目でありますが、施設ごとに対応能力や力量に差が出ていることは、重大な問題で、ご指摘の不平等がないように、民間5か所のセンターにつきましても、区が指導していきます。
今後、区は、各センターへの支援体制を確立し、指導、支援、研修等の多様な業務を行ってまいりたいと考えています。
このしま  4点目に、練馬区では、「高齢期をいきいきと過ごすための住まいの手帖(てちょう)」というのを、発行いたしました。

これは、区民公募の編集委員さんとともに、【健康福祉事業本部 福祉部 高齢社会対策課】が作成した冊子ですが、自宅に住み続けるためのリフォームのポイントや高齢者向けの施設や住宅などを52ページにわたり、大変分かりやすいかたちでまとめられております。

これからアイデアをいただき、高齢者社会にむけてどうしたらいいのか、分かりやすく紹介する冊子を本区でも作成すべきと考えますがいかがでしょうか。お伺いいたします。
松崎保険福祉部長  次に高齢社会にむけてのわかりやすい冊子の作成についてのご質問についてお答えいたします。

現在、介護保険や福祉サービスを中心とした高齢者向けの冊子については、それぞれの課が関係課と連携・調整しながら作成し提供しております。

網羅的なものとしては、高齢者福祉課において「高齢者のてびき」を作成しておりますが、秋頃の改定に向け、各区の冊子なども参考に、よりわかりやすいものとなるよう検討してまいります。
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5.豊島区教育ビジョン

このしま  最後に、豊島区の教育ビジョンの中からお伺いいたします。

平成19年度から23年度までの5年間を対象に策定された今回のビジョンですが、教育相談の充実について伺います。

私ども公明党が予算要望したスクールカウンセラーの拡充という面では、小学校へのカウンセラーの派遣回数を早急に、週一回となるよう努力されたいと思いますが、いじめの対応につきましては、「ひとりで抱え込まないで!いじめの悩み、直接教育委員会が受け止めます。」ということで、電話相談の時間の延長も行っていただき、相談メールも設けていただいていることは、評価しております。

それに加えて、東京都は、「いじめ相談ホットライン」ということで、24時間、相談を受けつけておりますので、豊島区の相談者のこれまでの相談件数・メール件数、実態をどのように掌握し、対応しておられるのか伺います。

先日、「見えないいじめを解決するために、いま、大人がなすべきこと」をテーマに、東京都児童相談センターの心理士・山脇由貴子さんの衝撃的なお話を伺って参りました。

大人が知っているいじめと子どもたちのいじめの現実とは、あまりにも大きなギャップがあるということ。これだけ報道されていても、いじめの本質は殆ど伝わっていない。いじめによって子どもが自殺するのは、その子どもが弱いからではなく、現代のいじめがそれほど残酷かつ巧妙だからだということ。
そして、いじめは特定の誰かの問題ではなく、次々に感染していくウイルスのようなもの。子どもたちは、あらゆるメディアや通信ツールを使って、大人たちのマイナスの側面を驚くべき速さで吸収し、持ち前の柔軟さで残酷な「いじめ」の手段を開発し続けている。それでも、誰もが被害者になり得るし、加害者にもなり得るのが現代のいじめである。
大人は子どもを守るために、「いじめのメカニズム」を知り、いじめがあると知った時、親として何をすべきか。子どもにどう接するか。学校と何を話せば良いのかを具体的に教えていただきましたが、私もこれまでの概念が根底からくつがえされたような衝撃を覚えました。いじめが発覚したら、先ず学校に問題実態の調査だ!とこれまで考えてきた対応が、多くのケースを伺ってみて、間違っていたことを知らされました。

そして、「いじめ」は子どもたちだけでは解決できない。いまたちあがらなければならないのは、私たち大人なのだ。――ということを教えられました。

さらに、現代は、コミュニティーの崩壊により、ご近所でも、大人たちが仲良くしようとしない。要求と文句ばかりになっている。大人どうし・保護者どうし・みんな単なる他人どうしになっている。あまりにも多くのことを学校の責任にし過ぎた。解決を学校に委ねてもだめ。学校と保護者が協力しなければならない。子どもたちの幸せを願う大人たちが力を合わせる時、必ず「いじめ社会」は変わっていく等々、お話されました。

このことを通して、専門化によるカウンセラーの重要性を改めて考えさせられた状況です。いじめの解決について、教育長の御所見をお聞かせください。
日高教育長  次に、いじめの実態掌握といじめの解決についての私の所見に関するご質問についてお答えします。

いじめ自殺予告問題以降、いじめ電話相談の件数は49件、うち本区の児童・生徒と思われる相談件数は8件ございました。また、メールによる相談件数は115件、うち本区の児童・生徒と思われる件数は13件ございました。

相談の内容については、友達からの無視や言葉による嫌がらせなどの訴えが多く見られ、その実態から、いじめは、大人の目から見えにくく、わかりづらくなっていることが、改めて浮彫りになっております。
このような状況から、いじめの解決にあたっては、学校における担任、養護教諭、及び専のスクールカウンセラー等による組織的な対応はもちろんのことですが、ご指摘のとおり、子どもを取り巻くすべての大人が、子どもたちの健やかな成長のために、社会全体で子どもたちを見守っていくという姿勢が極めて重要であり、学校・家庭・地域相互の信頼関係が、いじめ根絶の基盤になるものと考えております。