令和 4年決特 文化商工・こども・教育 10/13 西山議員自由質疑

特別支援教育

○西山陽介委員  私からは、特別支援教育について取上げをさせていただきます。

決算参考書467ページにございます。令和4年3月に発行されました豊島区特別支援教育推進計画の中にあります推進プラン、多様な教育環境の整備に令和4年度に検討委員会を設置されまして、小・中学校特別支援学級(自閉症・情緒障害)の増設の検討を推進するとございます。現在までの進捗状況と今後の予定について確認をさせてください。

○野崎教育センター所長  自閉症・情緒障害特別支援学級でございますが、本区には現在、南池袋小学校に1学級ございます。それに加えまして、令和5年度に池袋小学校と池袋中学校にそれぞれ1学級、定員8名でございますが、1学級ずつ増設することを決定いたしました。これにつきましては、9月1日に広報としま等で区民の皆様にも告知をしております。

また、現在、検討委員会を開催しておりまして、その中で教育の環境ですとか、教育内容について検討を進めているところでございます。池小と池袋中学校の来年度希望する申込者ですけども、9月30日までとしておりましたけども、池袋第一小学校、池袋中学校ともに複数名の申込みがございます。12月上旬頃に就学相談委員会というのを開催いたしまして、来年度入級予定の児童生徒が決定する見込みでございます。

○西山陽介委員  今ありました南池袋小学校のけやき学級ですね。少し前になりますけども、公明党会派といたしましても視察をさせていただきまして、その取組の様子をつぶさに御説明いただきまして、勉強もさせていただいたところでございます。

やはり近年になりまして、その学級を求めるお子さんが増えてきている、そういった状況の中で、会派といたしましても増設に対して申入れもさせていただいてきたところでございます。

小学校に自閉症の情緒障害の特別支援学級を増設していくということについて、来年4月から教育活動がスタートするわけですが、いかにスムースに行うようになるのか、そういった取組についてはどのように御検討されているでしょうか。

 

○丸山指導課長  スムーズなスタートにつきましては、やはり南池袋小学校のけやきが先輩になりますので、そこでの取組を鑑みながら、児童、学年のニーズ、一人一人のニーズをどのように把握しているかということ、それをどのように教育課程に位置づけているかということを見ながら、南池袋小学校の情緒学級と連携を取りながら、指導課を中心に教育課程の編成を進めてまいります。

 

🌟中学校自閉症・情緒障害の特別支援学級開始

○西山陽介委員  一方、中学校についてですけども、小学校とは異なって、中学校では自閉症・情緒障害の特別支援学級、これは本区としては新しく初めての設置ということになりますけども、こちらのほうもスムースに行うためにはどのような取組をされますか。

○丸山指導課長  中学校につきましては本区初めてになりますので、既に設置のあるほかの区の学校に視察に行っております。学校がどのように教育課程を編成し、進めているかということ、また、ハード面、建物、環境づくり、それから教育課程の編成についても参考になるように、複数回、複数校、違う区に視察に行っているところです。

○西山陽介委員  他区の状況を今視察されて準備をされているということを確認しました。

他区の状況ですけども、伺ったところでは、本区以外に8区がこの特別支援学級を設置されている。そして、その8区全てが中学校にも設置されていて、そのうちの6区は小学校にも設置してあるということも確認をさせていただきました。

設置している区が3分の1、設置していない区が3分の2あるということで、この23区の状況ですけども、改めて、本区が増設するという、その理由について確認しておきたいと思います。

○野崎教育センター所長  増設の理由でございますけれども、まず、小学校につきましては、現在のけやき学級につきましては、子どもの発達の段階ですとか安全面を考慮しまして、原則保護者の方などの送迎をお願いしております。設置校が増えることで登下校に要する保護者の方の時間や負担が減少するものと考えております。

また、中学校につきましては、これまで本区には1校もございませんでしたので、新たに設置することでニーズのある生徒の受皿ができるものと考えております。

○西山陽介委員  本当に本区にとってはもう画期的なスタートじゃないかなと、そのように評価をさせていただいているところでございます。この支援学級を充実させていくためには、やはり教員お一人お一人の指導力の向上、そういったものが不可欠だというふうに感じていますけども、この点についてはどのような対策を講じていかれるでしょうか。

○丸山指導課長  教員の指導力向上ということ、あと、子どもの理解ということについては、やはり指導課としては研修を進めてまいりたいと思っております。

○西山陽介委員  そうですね、研修ということですけども、その具体的な研修の内容とか、どういう実施をしていくのか、その辺についてはいかがでしょうか。

○丸山指導課長  今年度は3回予定をしております。1回目、1学期に終了したんですけれども、特別支援教育ということで、特別支援教育とインクルーシブ教育ということが今取り沙汰されておりますので、インクルーシブ教育について特別支援教育の検討委員でもあられる十文字学園の中西先生にインクルーシブ教育について概論をお話ししていただきました。

2学期に入りまして、今度は各学校にやはり特別支援教室、それから特別支援学級以外、通常の学級にも配慮が必要なお子さんがいらっしゃいますので、特別な配慮を要する児童生徒への支援についてということで、特別支援の教育に限らない、通常の学級の先生を対象にした研修も行いました。また、今月の初めには、今度は各学校1名おります特別支援コーディネーターがいろいろな学級と支援員をつないだりとかってコーディネートをしているんですけれども、特別支援コーディネーターの役割ということで実際にコーディネーターの役割を担っている先生たちに研修、また、意見交換等もして自分たちのやっている不安感ということも解消したところです。

🌟インクルーシブ教育

○西山陽介委員  インクルーシブというキーワードがもう本当にここ最近、どんどん増えてきているなと思います。誰一人取り残さないという理念がこれにつながっているものというふうに感じています。

そういう意味で、今後、本区として、インクルーシブ教育をシステムとして構築していく、そういったお考えについてお示しいただきたいと思います。

○澤田教育部長  インクルーシブ教育システムとは、互いの多様性を尊重し、共生社会の実現に向けて、障害の有無によらず共に学ぶ仕組み、まさにSDGsの理念そのものだと考えてございます。

特別支援教育の推進計画の中でも、交流及び共同学習の推進、これが大きな柱の一つとなっておりますが、現状を見ますと、交流は積極的に行われているものの、授業の中で障害の有無によらず全ての子どもたちが共に学ぶ機会、これがまだまだ不十分というのが課題認識をしているところでございます。

令和2年度から今年度にかけて、要小学校で都教委のモデル校として、この点について研究を重ねておりますので、この成果を全校で共有化することによりまして、インクルーシブ教育システムの構築に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

○西山陽介委員  最後にしたいと思います。

特別な支援を要するお子さんというのは一定数います。また、増加傾向になることも分かっております。それが今回の対応につながったものと捉えているところであります。

そういった支援を要する子どもたちに合わせた指導が今後必要になってくる。また、通常学級の子どもにとっても特別支援教育は必要な教育であるというふうに考えられます。引き続き、インクルーシブ教育システムの整備と、特別支援教育の質の向上に向けていただいて、この豊島の教育を受けたから今の自分があるんだと、そういう、どのような境遇であったとしても、全ての子どもたちが胸を張って社会に巣立っていただきたい、将来の豊島区を支えていただきたいと願ってやまないところでございます。