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私達公明党豊島区議団は、日本創成会議の提言に対し、高野区長に申し入れを行いましたが、未来の子ども達が夢と希望を持てる社会をめざして、少子高齢社会の大きな波を見事に乗り越えていくために、精一杯努力して参りたいと思います。

そこで私は、公明党豊島区議団を代表して、「地域の安心と活性化ビジョン」をテーマに質問をさせていただきます。

人生100年時代を迎えました。今から2200年以上も前、中国の絶対権力者だった秦の始皇帝が、不老不死・長寿の秘薬を得るためにあらゆる手段を尽くして、長寿の薬を探し求めたと言われていることは、余りにも有名な話ですが、望んでも手に入れることが出来なかった長寿。人類にとっては長年の夢の時代がついに到来し、世界の中でもその先端をいっているのが現在の日本社会と言えます。

しかし、高齢化が進み、2025年の団塊の世代の方全員が75歳になる、その時が、日本全体の人口動態のバランスが特異的なために、社会保障費の見直しや、介護の担い手不足も予想され、簡単に喜べる環境となっておりません。公明党は、老いることに希望が持てる社会の実現を目指して、幸せな年齢と書いた幸齢社会を目指しておりますが、急速に進む高齢社会への対応策として、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられる新しいケアシステムの構築は、2025年問題と言われる深刻な超高齢社会への対応に欠かせない喫緊の課題と捉えております。

2025年まで10年足らず。その時は、本区にとって具体的にどのような社会環境の変化が起き、そのことが社会保障の医療や福祉の面でどのような影響を及ぼすことになるのか、予想される本区の2025年の将来像に対する区の見解をお聞かせください。

先ず、平成27年度から開始される第6期介護保険事業計画は、2025年を見据えた計画に位置づけられ、2005年以来の大きな改正になるものと思います。

この改正により、住みなれた地域内で医療や介護、生活支援などのサービスを一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築が求められますが、主な課題として行政の縦割り制度の弊害の克服や、「良質な在宅医療」と「効果的な介護予防」を地域ごとにどのように提供していくか、などが挙げられますが、この行政の縦割り制度の弊害の克服につきまして、福祉・医療介護・住宅という多分野にわたる業務をスピード観をもって効率的に進めて行くために、地域包括ケアシステムの司令塔となる高いレベルの組織が必要と考え専課を設けて取り組む必要があると考えますがいかがでしょうか。また高齢者総合相談センターを拠点に、地域の関係機関の連携体制、在宅医療提供体制の整備など、圏域を含め、どのように進めていかれるのか伺います。

私達公明党区議団は、和光市を視察し、改めて介護保険の基本的な考え方に立ち戻る必要があることに気付かされました。介護保険については、あくまでも健康・自立への取り組みのための保険制度であり、日本のように寝たきり高齢者が多い国は無いに等しいこと、基本的に、高齢者が要介護状態になることを出来る限り防ぎ、要介護状態になってもそれ以上悪化しないように維持・改善を図り、その人の生活・人生を尊重し、出来る限り自立した生活をおくれるようにする。これが介護保険の基本理念であり、和光市の取り組みは徹底したものでした。私達はこの原点を深く自覚し、区民にとって出来るだけ保険料負担の解消にも努めながら健康福祉都市を目指していきたいと考えますが、区のお考えを伺います。さらに、この度の消費税アップが、高齢者の生活の充実にどのように生かされ、区民の生活の安心が高まるのか区の見解をお聞かせください。

いずれにしても、「地域包括ケアシステム」は、一般区民からするとネーミングからして分かりづらい印象を受けますが、一言で言えば、健康な生活への取り組みと言えるのではないかと思います。そこで、この理念と重要性について広く区民に理解して頂けるよう、今後フォーラムや出前健康講座等の開催も含め、分かりやすく周知広報するための努力をお願いいたします。

厚生労働省の地域包括ケア研究会の報告では「地域包括ケアシステム」について、植木鉢に植えられた植物をイメージし、生活の基盤となる「住まい」「生活支援」をそれぞれ、植木鉢と土、専門的なサービスである「医療」「介護」「予防」を植物と捉え、植木鉢や土のないところに植物を植えても育たないのと同様に、高齢者の尊厳のもとで、可能な限り住み慣れた地域で生活を継続出来るような包括的な支援・サービス提供体制の構築を目指すと定義されております。

そこで、今回はその構成要素である「医療」「介護」「予防」「生活支援」「住まい」の観点からその構築に向け、提案を含め質問させていただきます。

先ずはじめに、生活の基盤、住宅施策について伺います。

地域包括ケアシステムの構築は、まず低所得のお年寄りでも安心して住み続けられる住宅や居室の確保が第一であります。

最近は、70代80代になっても元気な高齢者の方が多いと感じますが、3月に報告された「介護保険アンケート調査」の結果によりますと、区内居住年数30年以上で、持ち家戸建に住む一人暮らしや高齢世帯のみの方が5割を超えていることが分かりました。また、8割の方々が、自宅で住み続けたいと考えていながら「介護が必要となった場合は」と聞かれると、特養ホームと答える方が多いのは、こうした地域包括ケアを支えるサービスや選択可能な住まいにどのようなものがあるのか、費用負担はどうなのかなど、知らないからであり、その中で、終の住処はと聞かれると、特養ホームと答えるのではないかと考えます。

在宅での住まいについて誰に相談したら良いのか!所得の低い持ち家高齢者の方が住み替えを余儀なくされても、住宅をリフォームして若い世代にシェアハウスとすれば、家賃収入が得られ、若い世代への住宅供給策にもなりますが、そうした一連の支援をどのように展開していくのか、その相談窓口を明確にしていく必要があり、できる限り住み慣れた自宅や地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで尊厳を持って続けられる地域社会を実現していくことが、地域包括ケアのゴールだと考えますが区の取り組みを伺います。

一方、平成20年の住宅・土地統計調査によりますと、豊島区内に空き家が21,680戸あり、住宅総数の12.9%を占めることが分かりました。

本区では、居住支援協議会を23区の中でも先進区として立ち上げ、住宅活用プロジェクトの取り組みが開始されたところですが、国は空き家を活用した低所得高齢者向けの住まい対策「地域善隣事業」の推進を始めました。これは、自立した生活を送ることが困難な低所得・低資産の高齢者を対象に空き家等を活用した住まいの支援や見守りなどの生活支援を行う事業です。

2014年度に全国16か所でモデルを募集し、介護事業などを手がける社会福祉法人やNPO法人などが拠点となり、空き家の大家に家賃保証をすることで住まいを確保する事業です。日常生活に手助けが必要な低所得高齢者を入居させ、見守りや生活支援も行い、入居者だけでなく、地域の独り暮らし高齢者などに対しても、訪問や生活相談などを実施します。支援を受けている人同士が助け合うネットワーク作りも担うということで、法人職員の人件費を最長3年間補助するというものです。空き家を活用して住まいを確保し、生活支援を組み合わせることで、低所得の高齢者が施設などに入らず、地域で暮らし続けられるようになると期待されておりますが本区の居住支援協議会でのこれらの取り組みについてご所見を伺います。

次に、豊島区のまちづくりと関連して対策を急がなければならない課題は、東京都が進めている特定整備路線沿道の地権者の方々への対応です。

都市計画道路事業で転出を余儀なくされる方の中には、住宅をお持ちの方やアパートなど賃貸住宅にお住まいの方もいらっしゃいます。そして何よりも心配なのは、高齢者の方が多いということです。転居するに当たっては、なるべく住みなれた地域での転出先を望まれる一方で、納得のいく候補地がなかなか見つけられないということも、問題になってくるのではないでしょうか。

東京都では特別の支援や現地相談窓口を設置し、きめ細かく対応することを表明していますので、その対応には期待しますが、もう少し踏み込んだ具体的な対応策を示していただきたいと考えます。

そこで、特定整備路線やその沿道まちづくりにおける従前居住者に対する対応について、区のお考えをお聞かせください。

また、他自治体の事例ですが、神奈川県では多世代交流型サービス付き高齢者向け住宅の建設が進められています。民間事業者が主体となり推進しているものですが、質の高い「サービス付き高齢者向け住宅」を建設し、介護が必要な方だけでなく、介護の必要がない方も、現在のライフスタイルを維持しながら居住することが出来るようになっています。

また、若者や子育て世帯向けの住宅や保育所が同じ施設内に併設されており、世代間交流やコミュニティという視点を含めた広い意味での福祉的機能が充実した環境が整えられています。

このように高齢者の方が様々な住まいの形を選択できるよう積極的に取組んでいくことが地域包括ケアシステムの構築には大切であり、また、まちづくりの従前居住者対策にも活かせるのではないかと思いますが、区のお考えをお聞かせください。

 

2番目に認知症への取り組みについて伺います。

認知症による徘徊で行方不明となり、捜索願が出されたケースが昨年だけで10,322人となり、そのうち本区での対象者は31人。今後、保護された方の身元を全国的に素早く照会できる仕組みを、警察庁などと連携して検討していくとのことですが、改めて事態の深刻さを考えさせられ、所在を掴むGPS機能の進化にも期待が寄せられております。

急増する認知症への対策として国は昨年、「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」を発表し、これまでの精神科病院や施設を利用せざるを得ないという考え方を180度転換し、できる限り住みなれた地域で暮らし続けられる社会をめざすと明言しました。本区の認知症高齢者は現在5,977人とされ、2025年には12.8%に及ぶと推計されます。そこで、これまでの取り組みの成果と、今後のあり方について伺います。

本区では高齢者総合相談センターで専門知識を持つ社会福祉士・保健師・主任介護支援専門員がチームで対応し、かかりつけ医の物忘れ相談を紹介するシステムになっていますが、現状について伺います。また相談も予約制で、いずれも1時~3時という時間制限で対応されておられるのは、こうした専門職の方の器用ということから限界があるものと考えます。

そこで、NHK「あさいち」で放映された「物忘れタッチパネル」をご存じかと思いますが,認知症予防の第一人者、鳥取大学の浦上教授が20年以上にもわたり、認知症の予防や治療の研究に身を捧げられて開発したもので、タッチパネルパソコンとの対話方式でアルツハイマー型認知症を簡単に診断するシステムがあります。

これは、機械が質問する自己診断システムなので質問者によって回答が変わるということがなく、機械が相手なので失礼な質問があっても気分を害することがないなどのメリットもあります。実際、鳥取県の各地でその効果が実証済みで、1台60万円程度で、既に全国で約640台普及して来ており、40%が自治体で,他は医療機関で多く活用されているようです。

さらに教授は、認知症の予防策として、嗅神経を刺激すれば海馬の機能が回復する事、アロマの香りで一度弱った神経細胞がまた蘇るということ、心や身体への鎮静作用があること等、倉吉市等の自治体の検証結果等を通じ、確実に発症を抑制できることを実証されています。

区民相談で、ご家族の方から「認知症の疑いがあるので物忘れ外来に行かせたいが本人に言えない」と相談されることがあります。早期発見による診断が重要と言われますが、初期の認知症の場合、本人が病気を認めたがらず、家族が勧めても病院での受診を拒否し、結果として症状が進行してしまうということがよくあるそうです。

そこで、自然な形で対応するためにも、このようなシステムの活用も含め、高齢者の方の検診に検査項目として加えるなどの方法で早期の「認知症の診断と予防」に取り組まれてはいかがでしょうか。

さらに国が打ち出しております「認知症カフェ」は電話相談だけでなく、初期認知症の人と家族、専門職や関心のある人などが自由に集い、悩み事を相談したり、介護情報を得たりする場で、既に100か所以上存在すると言われていますが、豊島区での今後の取り組みをお聞かせください。

また、米子市では、「早期発見システム」として、サポーター養成講座の中で、認知症予防の寸劇・徘徊見守り模擬訓練への参加も行い、小学生にもキッズサポーターとして活躍してもらうために、紙芝居や絵本教室の開催など、認知症への理解を深めてもらう取り組みを実施されております。

文部科学省は学校教育での認知症理解を進めていく方針と伺っておりますが、先日、NHKで「家族介護で閉ざされる若者の未来」の報道を見ました。現在16歳から29歳までの若者で家族を介護している人が18万人近くもいることを知り愕然としました。そういう方達は学校での成績も落ち、不安定な生活となったり、折角就職しても持続出来ずに無職となったりしながらも、それを他言する場所や機会もなく、思い描いていた人生が歩めなくなってしまっています。若くして健気に介護する姿に涙が止まりませんでしたが、介護する側にきちんと光があたり支援が出来るように学校での取り組みも必須だと考えます。御所見を伺います。

3番目に介護予防事業について伺います。

自立して健康に生活できる期間を示す「健康寿命」ですが、都民の健康寿命は、男性が69.99歳、女性が72.88歳ですので、平均寿命までには、男性で約9年、女性は約12年の「不健康な期間」があるとされています。

要支援・要介護になる要因は、骨や関節、筋肉などの運動器の障害=ロコモティブシンドロームが一番で、日頃の適切な運動習慣が必要であることが改めて指摘されました。

本年、本区では介護予防大作戦を企画されています。区民の中には、糖尿病の持病の方が福祉部のご案内に答え、毎年はがきで申し込みしているものの毎年落選だという声もありますので、誰もが気軽に参加出来るように裾野を広くしていくことが大切ではないかと考えます。ただ、そうなれば主催する側は人的限界がありますので、他自治体のケースも視野にいれて取り組まれてはいかがでしょうか。

例えば、三重県いなべ市の元気づくりシステムです。こちらでは、準備運動とスクワットなど筋力アップのストレッチの組み合わせで、高齢者が無理なく続けられるものを平成8年から実施しています。このシステムの特徴は、住民の手で継続出来るしくみにあり、週2度を基本的とし、半年間のコースを卒業した参加者が3日間の講習を受ければ元気リーダーの資格を得ることが出来、リーダーが、それぞれの地区で自主的に運動教室を開くことが出来るシステムになっています。この7年で参加者が倍増し、注目に値するのは、始める前と比較した老人医療費が、1人7万円~9万円の削減につながっているということです。

また、茨城県でも、ボランティアで介護予防の知識と体操の普及に取り組むシルバーリハビリ体操指導士養成講座を10年続けて来ており、統計データによると、高齢者百人に対して一人の指導士がいれば、確実に軽度の要介護者が減少する傾向になっています。軽度要介護者の認定者数全体に占める割合は、全国で茨城県が最も少ない結果になっているようです。いずれも楽しみながら元気になった高齢者が、今度はそれを人に教える側に回るようになり、取り組みの輪がどんどん広がっている点です。本区におきましても出来るだけ多くの区民の皆様に参加していただき、誰もがいつでも気軽に参加出来る健康サロンを、区民広場など身近な場所で取り組む仕掛け作りをしてはいかがでしょうか。お伺いします。

4番目に「元気な高齢者」を増やすための取り組みについて伺います。

健康寿命とともに重要なのが「労働寿命」です。働く年齢を延ばすことが健康維持につながり、保険料や税を払う側に回ることも可能であり、財政の健全化にも役立ちます。

男女ともに長寿日本一の長野県は、高齢者の労働率が全国で1番です。また急速な少子高齢化の進展は、今後、深刻な労働力不足を生むものと懸念されています。

そこで注目されるのが、経験豊富な定年退職者・高齢者の労働力です。定年を過ぎても気力・体力・知力のある方々に「働く場」と「生きがい」を提供することが重要です。そこでお伺いいたします。

今後も団塊の世代が高齢者となり、シルバー人材の働く場のさらなる拡大が必要です。

これからは、シルバーの労働力は「銀のたまご」と言われています。そこで例えば、現在、区内の公園の清掃を私共の提案で19ヶ所、障害者の方の働く場としていただいておりますが、そのほかの可能な部分をシルバーの仕事として委託出来ないでしょうか。

また、今回の医療・介護総合確保推進法案により、要支援サービスの見直しで、平成27年から3年かけて「予防給付」を廃止し、訪問介護と通所介護が「地域支援事業」に移行されることになります。そこでそれに対応する人材の確保ですが、担い手の対象として、事業者の他、NPOやボランティアとなっております。

そこで、本区のシルバー人材センターでも、家事援助に携わっていただいている方々がおられます。勿論訪問介護にもヘルパー資格が必要な仕事とそうでないものがある訳ですが、その実態と、担い手の資質を高める仕組みを作りながらの今後の拡充の方向性について伺います。

さらに、「高齢者の生きがいづくりの場」、「健康づくりの場」として、6年前に介護支援ボランティアを提案させていただき「元気あとおし事業」が行われておりますが、地域貢献活動としてだけでなく、本人が、健康で充実した日々を送るためのいきがい活動でもポイントをゲット出来るシステムにしてはいかがでしょうか。

足立区では、区から活動指定を受けた区内のデイサービスセンターや老人ホームなどの介護施設、地域包括支援センター、地域学習センター、障がい者施設、子育てサロンなど238ヶ所で、1,571名の方々が参加しておられます。

また杉並区では、60歳からの地域貢献活動、介護予防事業、そして75歳からのいきがい活動という形でポイントをためられる仕組みになっており、区が実施する健康増進・介護予防・地域貢献学習、防犯パトロール、清掃なども地域貢献活動に含まれ、体操・コーラス・ゲートボールなどの生きがい活動680の団体登録でポイントが得られるようになっており、長寿応援ポイントという名称で実施されております。

本区におきましても介護予防の観点から、介護サービスを受けていない「元気な高齢者」を増やすための取り組みとして、「高齢者の生きがいづくりの場」、「健康づくりの場」にも拡充すべきと考えますがいかがでしょうか。

さらに、このような元気高齢者の方々は、ご自身で健康でいるための努力をされていることが一般的ですが、健康保険料や介護保険料などは、世帯の収入などの状況に応じて決められるものの、保険サービスを使うか使わないかで保険料が変わることはありません。

そんな中、京都府では、90歳までに介護保険サービスを10年以上利用していない高齢者に対して、地元商店街で使える商品券を贈呈するという取り組みを開始します。サービスを必要とせず、健康保持に努める元気なお年寄りに特典を贈ることで、一層の健康維持に努めてもらい、ひいては介護保険給付費の抑制を図ることを目的にしています。

健康寿命の長い元気な高齢者が増えていけば、地域が元気になり、財政も助かるといった発想から生まれたものだということです。何らかのご褒美を考えることは、元気高齢者の励みになると考えますが、区のご所見を伺います。

最後に、医療・介護情報の「見える化」について伺います。

24時間365日在宅生活を支える小規模多機能型居宅介護施設は使い勝手の良いサービス施設となっておりますが、現在区内には2ヶ所しかありません。サービス付き高齢者住宅などに併設でないと経営的に厳しい環境下にあることがその理由ですが、それでもお泊りが必要な区民は少々割高でも民間の小規模多機能施設を利用しており、そのニーズは高くて、どこも直ぐ埋まっています。今後、こうした地域密着型サービス施設がどの程度必要と考えておられるのか、また保険者としてサービス事業者の参入導入についてどのように取り組まれるのかお伺いいたします

また区民は、身近な地域であっても、どこにどんな施設があるのか、分かりません。頼りにすべきケアマネージャーでさえ、欲しい情報が入手出来ていない状況があります。そこで区で知り得たお役立ち情報をSNSなどを活用して、的確に関係機関にお知らせいただきたいと考えますがいかがでしょうか。ぜひ、医療・介護情報の「見える化」の構築をお願いいたします。

 

2項目目の子育て支援について質問です。

内閣府では、結婚から出産まで幅広く活用できる基金をすべての都道府県に設け、男女の出会いの場を地域ぐるみで企画する大規模イベント「街コン」などの費用を補助する仕組みを作るとのことです。また結婚しても経済的な理由で出産をためらう夫婦がいることを考慮し、新婚家庭や子どもの多い家庭が公営住宅に優先的に入居できるための支援も行いたい考えです。また「少子化危機突破のための緊急対策」で「待機児童解消加速化プラン」や、希望に応じて3歳まで育休を取りやすい環境整備など、「子育て支援」と共働き世帯の増加に伴う「働き方の改革」をより一層強化することが決まり、これらに加え、新たに産後ケアを含む「結婚・妊娠・出産支援」を対策の柱と位置付けることが決定されました。

街婚については、区民の方から「豊島区は全国一の密集都市で人がいっぱいいるにも関わらず、たった1人のパートナーが見つからない・・。」などという若者の声も聞かれますが、経済的理由で結婚に躊躇している若者達が多いこともあります。個人的には、毎年2組ほどのカップルを誕生させて来ましたが、今やそうしたお節介おばさんと言われる人も少ないようで国がここまでしないとならない時代環境にあることをどうもこうも受け止めなければならないものと感じております。

私たち公明党区議団は、民間で行っている出会いの場を尊重しながら、スポーツや文化活動などを通じて出会いの機会が作れるよう支援すべきだと考えております。

はじめに、新婚家庭をはじめファミリー世帯の住宅施策について伺います。

消滅可能性都市として23区中、唯一本区が指摘されました。そのようにはさせない覚悟を持った政策を進めなければいけないと考えます。そのためには住宅問題は基本中の基本です。

内閣府の提言で「公営住宅に優先的に入居できるための支援も行う考え」と言われても、本区の公営住宅の数は23区の中でも下から6番目という状況で、地価の高さから、区営住宅の建設は至難であります。また必然的に居住面積の狭さなどもあり、子どもの成長と共に、住み続けたくても住み続けられない現状があります。

平成18年6月に「住生活基本法」が制定され、少子・高齢化の進展による人口減少社会を見据え従来の住宅政策であった住宅の量の確保から、質の向上へと目標を大きく転換しています。

こうしたことから、高齢者の住宅対策を除き住宅を供給する制度から、助成制度に転換するときを迎えていると考えます。たとえば27年3月より区民住宅は20年の借り上げ期間満了を迎える物件がでて来て、27年以降の4年間の内に団地数で88.2パーセント、戸数で92.9パーセントの割合でオーナーとの契約が終了します。そのため空き室は増加し続け、さまざまな対策を講じてきても、空き室増に歯止めがかからない状況となっています。それに伴い当然借り上げ賃借料の充当額も増加しており、24年度決算を見ても、1戸あたり年間471千円、月に39千円、総額152,600千円(決算値:152,706千円)の税金を投入しています。

公開事業評価の専門評価委員5人が抜本的見直し、区民評価人11人中、10名が改善か見直しを求めています。今、求められるのは供給から助成制度の拡充です。区のご見解をお聞きかせ下さい。

一方で、数多く存在する空き家住宅が社会問題となっています。平成20年の住宅・土地の統計調査によれば豊島区内で空き家となっている住宅は21860戸で12.9パーセントを占めており、この既存ストックを活用する事が大きな課題となっています。住宅マスタープラン前期から「住宅活用プロジェクト」が重点プロジェクトとして推進され、居住支援協議会も立ち上げ、シングルマザーなどにシェア居住による入居支援と入居後の暮らしの応援事業も進めて来ました。しかし、利活用できる空き家の確保が難しく、思った以上に進んでいないのが現状です。

後期計画でも、空き家住宅の活用が重点プロジェクトとして位置づけられ、住宅支援協議会としては、まず空き家を確保するために、空き家バンクを創設しましたが、登録件数が思うように進まないとお聞きしています。事業がスタートして間もないのですが、登録状況並びに件数が増えない課題等をお伺いいたします。空き家登録件数が伸びない背景には持ち主が高齢であり、活用したくても改修費の捻出や都の建築安全条例が壁となり改修できない等色々な原因があると考えますが、区はどのようにお考えか伺います。

豊島区の住宅対策審議会の会長である小林秀樹教授は都の住宅政策審議会の会長も務められておられ、シェア居住の住宅改修についての規制を愛知県の取り組みを紹介され、改修住宅の用途・規制を限定し、ソフト面での安全性を講じることで、法令等の求めている安全基準をクリアー出来るのではないかと示唆されています。区のお考えを伺います。

冒頭にも述べましたが、区民住宅への税投入が少なくなる分、現在の住替え家賃助成の金額の上乗せや、期間についても5年と限定するのではなく、お子様が中学を卒業するまでを助成期間にするなど拡充する必要があるのではないでしょうか合わせて住宅購入時へのローン助成も検討する必要があるのではないでしょうか。それぞれの家庭によって違いがあり、家賃助成あるいはローン助成の選択ができるよう選択肢を増やすべきと考えます。

私は、先日子育て中のお母さん達と話し合う機会を持ちました。その中でご意見の大半は住宅についてでした。消滅可能性都市と指摘された本区こそ、ファミリー世帯が豊島区で、住み続けられるよう子育て支援策としても住宅対策に取り組むべきと考えますが。区のご決意を伺います。

最後に産後ケアについて伺います。

母親の胎内で、約35億年にわたる生命の進化を凝結して体験し、誕生する人類の赤ちゃん。大脳には140億ものニューロンという神経細胞があり、その中のシナプスという情報伝達の網は赤ちゃんがどんな環境でも対応できるように2歳位までの間に莫大に増大し、それが精査され、大人になっていくと言われております。その時期に豊かな愛情で接すること、笑いかけたり、話しかけたり、触れたりして五感で感じることでシナプスが増え、赤ちゃんのその後の人生を豊かにしていくと言われ、この時期の母親の安定が非常に大事だと言われています。

妊娠中の女性に、様々なケアが必要なことは既によく知られていますが、出産「後」の子育てに忙しい女性の心と体に「ケア」が必要だということは、あまり知られて来ませんでした。産後ケアは、出産後に体調が崩れ、精神的に不安定になりがちな母親に対し、助産師などが付き添って心身の回復をサポートしたり、授乳指導や育児相談などを行うものです。今日の産前・産後の課題は、出産が高齢化、核家族化により、親も頼れない妊産婦が増加していることです。妊産婦の親も高齢化、仕事、介護をしていることが多くなっています。また、夫も仕事で忙しかったり、離婚、シングルマザーなど、身近に支えてくれる人がいない、悩みを聞いてくれる人がいないという孤立化も進んでいます。

体力のある20歳代の妊産婦は全体の1割程度ということであり、2年前に視察した世田谷区の「武蔵野大学産後ケアセンター」では、利用者の30歳から34歳が31.8%、35~39歳が42.7%と高く、ケアセンターの利用動機は「家族の支援が受けられない」が95.4%でした。このような環境に経済的要因が加わり、母親のストレスが増大し、産後鬱が非常に多くってなっており、その結果、虐待に至るケースも少なくありません。

最近は、ほとんどの女性が仕事をしているため、産前から疲れやストレスをため込んでおり、母親と新生児の心身の健康を守るために社会全体で産後ケアの体制づくりを急がなければなりません。

産後ケアセンター桜新町は世田谷区が武蔵野大学と共同で6年前に開設し、産後4カ月未満の母子が宿泊や日帰りで滞在ができ、助産師らスタッフによる24時間体制の支援を受けられます。費用は1日32,000円ということですが、区民は1割の自己負担で済み、利用した母親からは、親身なケアを受けられ、久しぶりによく眠れたといった好評の声が相次いでおりました。

また横浜市でも、産後母子モデル事業を立ち上げました。生後4か月未満の母子で、家族らの援助が受けられずに支援が必要と認められる母子を妊産婦支援の経験が豊富な助産所に委託して健康管理や授乳指導はもちろん、育児全般にわたり、さまざまなアドバイスを受けられるようにしています。利用は1割負担で、ショートステイ「1日3000円」とデイケア2000円で、非課税世帯は無料となっています。

産前産後の時期の女性は、普段なら気にならないことでもいらいらしたり、また悲しくなったり憂鬱になったり、母乳が出ない、出ていないような気がするなど、生活や育児に関しても心配し過ぎたり、不安定な精神状態に陥りやすくなったりしています。

一番の要因は、お母さん自身が産後あちこちに痛みを抱えながら、ひとりで何もかもやらないといけないという疲労と育児不安が原因のようです。こうした状況で疲労がピークに達して、産後鬱になったり、また虐待を引き起こす原因と言われています。

出産というすばらしい経験を経て、かけがえのない宝物を授かったにもかかわらず、産後のホルモンバランスの崩れに加え、十分なサポート・準備期間がない中での早期退院や高齢出産の増加、核家族化の進行、母子の孤立など、さまざまな社会的な背景があります。私ごとですが、昨年、娘の出産の後は家族3人をしばらく我が家に同居させました。当たり前のことですが、育児は女性だけがするものではありません。この時期に夫も共に過ごすということがどれ程大事であるか痛切に感じました。一般的に、出産・育児の知識や情報が不足しがちな父親は、ストレスで苦しむ母親を十分にサポートしきれていないのが現状です。夫の常態化した長時間労働や単身赴任などにより、妻子が家庭内で孤立してしまう情況は、出産を経験することができない男性が想像する以上に深刻です。また産後うつが発症しても、周囲がそれを病気とは思わず、「育児は母親の仕事。それが満足にできないのは、妻は育児が苦手だから」などと思い込み、治療が遅れ、当人だけではなく、夫をはじめ家族全員に過大な負担がかかるケースもあります。

本区でも、出産後のサポートとして、家事援助や産後サポート事業が行われておりますが、事業の状況を伺うと共に、この大切な産後の数週間を24時間母親に寄り添って支援をする産後ケアが必要と考えますが区のお考えを伺います

国は、全国40か所で産後ケアセンターを含むモデル事業を始めるということで、年明けには、産後ケアモデル事業について公募が行われると伺っております。本区にも助産院さんが1か所ありますが、お手伝いいただくには人手不足の状態です。

そこで今は、出産後、間もない母親の家事・育児を手伝う専門職である産後ドゥーラという資格を持った人材がおります。アメリカでは、ドゥーラは出産に付き添ったり、産後の世話をする職業として知られており、日本でも東京都助産師会が後援をしてドゥーラ協会が立ち上がり、都内を中心に2年ほど前からドゥーラを養成する仕組みが始まっており、新聞やテレビ等でもたびたび取り上げられています。

養成されたドゥーラは、ドゥーラ協会がその活動を支えて職業として確立をしております。単なる家事援助ではなく、それぞれの母親の状況を踏まえ、赤ちゃんの世話を含め、子育てのアドバイスもできる人材として活躍しています。

そこで、産後ケアを必要とする家族の家に、このドゥーラに出張していただき産後ケアに取り組まれたいと考えますがいかがでしょうか。区長の積極的なご答弁を期待いたします。