平成25年第四回定例会 一般質問
「命を守り、安全なまちづくりを目指して」
公明党 西山 陽介
平成25年11月27日登壇
私は公明党区議団を代表して「命を守り、安全なまちづくりを目指して」と題し、1.災害に負けないまちづくりについて、2.良質な集合住宅環境の確保について、3.学校・園におけるアレルギー疾患対策について、4.子どもの安全・安心のための取り組みについて、5.その他として、主権者としての教育について、順次質問いたします。
アジア初の東京オリンピックが開催された1964年11月17日、公明党は「日本の柱」「大衆福祉」のスローガンを掲げ、結党しました。1956年の経済白書には「もはや戦後ではない」との記載がありますが、我が国のGNP(国民総生産)は、その時点から8年後の64年にはおよそ3倍になりました。
そうした経済成長の中で、当時の政治状況は、中小零細企業や、国民生活を豊かにすることが置き去りにされ、大衆の期待に応えるには程遠いものでありました。地方議員から始まったわが党は、当時は他党議員から「素人が何言ってんだ」というような批判を受けながらも、福祉や教育などを政治の舞台に乗せ、声なき声を拾い、苦しむ人を助けたいとの先輩議員の奮闘と多くの皆様に支えられ、明年結党50周年を迎えるまでになりました。そして今を担う私たちは、自らの資質向上に努力するとともに、「大衆とともに」との立党精神のもと、強みであるネットワーク力を駆使しつつ、区民の期待に応えられるよう、一層の努力を果たす決意であります。
〇始めに災害に負けないまちづくりについて質問します。
首都直下地震などの発生が懸念される中、災害時に大規模な火災の恐れがある、区内4割に及ぶ木造住宅密集(木密)地域の対策が急がれています。豊島区ではこれまで、防災生活圏促進事業、都市防災不燃化促進事業や居住環境総合整備事業など、防災都市づくりに係る事業を実施されてきました。また区耐震改修促進計画の策定、防災対策や被災後のまちづくりについても、関連する諸条例の制定も行い、着実に防災まちづくりの下地を整備しつつあることに大いに評価するものであります。
大災害が起きた場合、建物の倒壊や火災の延焼など甚大な被害が出ることは、住民の生命の危機と共に、それこそまちの機能が壊されてしまう問題であり、木密地域でのできうる対策をこれまで以上に万全なものと講じていく必要があります。
もしも木密地域などで火災が起きたとき、犠牲にならないためにはどうしたらよいのか、どう逃げればいいのかなど、区民への啓発がとても重要です。広いところに逃げるだけでは、火災旋風にやられてしまう場合があります。火災の犠牲といっても、いきなり体を焼かれるわけではなく、熱風によって目やのどを傷つけられ、身動きが出来なくなって焼死する例が少なくありません。火災発生場所からは、なるべく遠くに逃げることが大切です。東京は関東大震災、東京大空襲と20世紀に2回も10万人に及ぶ火災犠牲者を出していることは、広場だけが安全ではないということのゆえんでもあります。
東京都は5年ぶりに「地震に関する地域危険度測定調査」結果を公表しました。この5年間、本区が取り組んできた防災対策や防災まちづくりは、この地域危険度の改善にどのように影響したのか、またより課題も明確になったことも踏まえて、その認識について伺います。
都が立ち上げた木密地域不燃化10年プロジェクトについて、特定整備路線7区間の整備とともに、その柱である「不燃化特区制度」では、東池袋4・5丁目の先行実施を含め、新たに区内3地区を本申請しています。
具体的な支援策としては、住民の合意形成を促進するため、複雑な権利関係を調整する弁護士や税理士、まちづくりコンサルタント等専門家の派遣費用を都と区が負担することや、老朽家屋を建て替える場合、不燃化に向けた取り組みをスピードアップするため、除却費や建設設計費が助成され、固定資産税や都市計画税は5年間減免されるものです。
ただし制度の実施に当たっては、課題もあります。例えば、住宅を建て替える場合、多額の建設費用を負担することが困難な世帯があると思われますし、地区計画策定では、利害関係が複雑に絡み合っている場合も多いことが考えられます。住民の合意形成には、行政と住民、さらに専門家が互いに知恵を出し合うなど、粘り強い取り組みが求められています。一層のご努力を期待するものであります。
この不燃化特区制度では、区が整備計画について積極的に関わり、地区の特徴に応じたきめ細かい支援策を提示され、地域住民への情報提供とともにご理解を頂くためにも、区の相談窓口の一元化など、区としての体制整備についてご所見を伺います。
また特定整備路線の整備と、不燃化特区制度の活用、新たなまちづくりにより、整備地域の中で、街の燃えにくさを示す不燃領域率などの目標について、木密地域解消への決意をお聞かせください。
次に地域不燃化のうち、池袋本町地区内について諸点伺います。
十字にクロスする特定整備路線、補助73、82号線整備後のまちづくりについてです。
池袋本町全体に係ることは、大きく2点あります。現在の町会地域が分断されることと、商店街の再生をいかに作り上げていくか、というものです。
特に高齢化や商店減少の中、本町内商店街は、いかに活性化させるかという課題に対し、4つの商店会の連携を果たされ、共通ポイントカードの創設や、ふれあいまつりの大盛況とともに高齢化対策をも担っています。
この度の特定整備路線の選定では、一昨年多くの地元町会長、商店会長らが一致団結して、都市計画道路整備の早期着手を東京都へ赴き、私も随行させていただき、要望してきたことに始まります。しかしながら安全・安心な街づくりを目指しても、地域の絆が失われては本末転倒です。
地域の再編や商店街の再生などについて、沿道まちづくりとともに、将来に向けて地域住民と一緒になって考え尽くすことに、どうか力強い取り組みを要望するものであります。ご所見を頂きたいと存じます。
今年3月、池袋本町電車の見える公園がオープンしました。地元では池袋本町公園に次ぐ広さを有し、住民の協議を盛り込み、防災機能を持たせるなど、整備にご尽力いただき、感謝申し上げる次第です。
本町内では都市計画道路のほかに、3本の防災通り整備計画があります。そのうち電車の見える公園が接道する防災通り3号線の事業化が進められています。この道路整備では、周辺地域にとってどのような効果があり、将来に向けた街づくりをどう描いておられるのか、ご見解をお聞かせください。
〇2番目に良質な集合住宅環境の確保について質問します。
防災・震災対策調査特別委員会では、一昨年の12月13・14日、委員会視察として仙台市、釜石市を視察し、私も委員として参加しました。
仙台市では、15階建て、229戸の長町街苑パークマンションを訪問しました。被害の詳細は視察報告書にございますが、振り返ってみますと、電気・ガス・水道全てが止まり、当然エレベーターも動かない状況。近くの避難所も入りきれず、玄関ホール及び2階の集会室を避難場所としました。当日は雪も降っており、たいへん寒い中で避難を強いられました。
マンションとしては残念ながら食料的なものは何も備蓄していませんでした。幸い受水槽の水を利用できましたが、トイレは水洗が作動しないため、バケツで流す、という状況でした。
当該マンションは居住者同士の支えあいによって、非常時の不便な生活を乗り切った事例であり、マンション管理組合などによる自主的な防災活動の取り組み強化が求められます。
本区でも中高層集合住宅が多数存在し、居住に関する様々な機能について、ハード・ソフト両面において良質な集合住宅のストックが求められることと、改めて視察などを通じ認識した次第です。
そのような中、本区では中高層集合住宅建築物の建築に関する条例や、本年施行されたマンション管理推進条例などにおいて、災害対策の強化、防災への対応が明記されています。
区内集合住宅における地震対策など防災面での現状についてお聞かせください。
マンション管理推進条例では適正管理項目についてほぼ義務化していますので、今後体制整備された管理組合の元、良好なマンション供給と維持が図られるものと大いに期待します。一方で同条例では、防災・防犯と居住者間及び地域とのコミュニティ形成については、町会加入協議項目以外は努力義務であります。
そこで伺います。この防災・防犯事項や地域とのコミュニティ形成に対する管理組合の取り組み状況について、ご所見を頂きたいと存じます。
今年4月豊島区は人口27万人まで増加しました。しかしながら近い将来人口減少の波は、当然本区にも被ってきます。マンション政策や良質な集合住宅のストックなど、住環境の好循環は将来の自治体運営に直接影響があるものと考えます。
ところで他自治体では、首都直下地震など大規模災害に備え、災害に強いマンション等集合住宅への認定制度を導入するところがあります。住民の安全確保とともに、防災意識を高める試みとして注目を集めています。
認定制度の先駆けとなったのは大阪市で、民間マンションを対象に(1)建物の構造(2)建物内部の安全性(3)避難時の安全性(4)災害に対する備え(5)防災アクションプランの策定――の5項目を設定し、クリアしたら「防災力強化マンション」として認定するもので、災害への備えを向上させることで、住民の安全を守るマンションの整備を促進するのが狙いです。耐震性などハード面と、住民の避難訓練などソフト面を共に備えていることが条件になります。
認定を受けると、マンションの出入り口などに掲示する認定プレートが配布されます。認定を受ける利点は、事業者には認定を受けた物件が市のホームページや広報紙に紹介され、防災力の高さを宣伝でき、購入を検討している人に対しては、一部の新築マンションについて住宅ローンの金利が引き下げられる利点があります。これまで認定されたものは全て新築マンションに限られているため、カギとなる中古市場への展開が難点となっています。
今年度スタートした仙台市の「杜の都防災力向上マンション認定制度」は、星の数で防災力を評価し認定するのが特徴で、項目を耐震性などの「建物性能」と「防災活動」に分け、それぞれ2段階(星二つ)で評価し、全てをクリアした場合は、最大で四つ星が認定されるものです。
建物性能に対する認定では、耐震性の構造や窓、バルコニーなど非構造部材の落下防止策、エレベーター対策などの項目、防災活動の項目では、避難所運営の際の地域との連携体制、防災備蓄状況などの内容を盛り込んでいます。
同制度のポイントは、事業者などが建物性能、防災活動のいずれの項目でも、認定を受けることが特徴で、防災活動だけでも評価が受けられることで、中古マンションの認定が増え、防災への対応力が高まることが期待されています。
同じく今年度スタートした墨田区の「すみだ良質な集合住宅認定制度(防災型)」は、災害発生から3日間、避難所に頼らなくても生活ができるマンションを認定します。具体的な基準として(1)耐震性(2)備蓄倉庫の整備(3)生活用水の確保(4)家具転倒防止など住戸内の安全対策(5)地域自治会の防災訓練に参加――などを挙げています。
同制度のポイントは、認定基準をクリアするための整備費や避難訓練などに区が補助金を支給する点です。例えば、停電した場合でも運転可能な自家発電機を整備すれば300万円が支給され、これによって、生活用水の確保という認定基準の一つがクリアできるわけです。
例えばエレベーター閉じ込め時の非常用備品の備えとか、条例にかからない中小規模集合住宅の備蓄倉庫設置を促すなど、マンション等集合住宅の認定制度などを参考に、災害時でも安全と安心が確保されるような、良質な集合住宅の供給誘導につなげていくべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
前述した墨田区認定制度には「子育て型」というものがあります。必須基準では、専有面積条件、ホルムアルデヒド対策、床衝撃音対策、転落防止措置など、また選択項目の中で注目すべきは、子育てに関する管理・運営上の配慮として、一時預かりの実施や自主保育サークル活動の支援が盛り込まれていることです。待機児童対策に苦慮している本区として、興味深い取り組みと感じたところです。
また23区の中でも単独世帯割合が多く、ファミリー世帯の転入・定住の促進を図ることが課題ですが、住宅マスタープランでは、「子育て支援マンション認定制度の検討」とあります。
「子育てしやすい住環境の整備」の推進のために、施策の方向として今後の取り組みについてご所見を伺います。
特定整備路線の整備や不燃化特区制度による建て替えが促進されますと、ますます集合住宅比率が増加すると考えられます。これまで述べてまいりました良質な集合住宅の環境確保と共に、本区の大きな課題である保育所などの子育て支援施設や、高齢者向け介護施設などを誘致しやすい環境整備に取り組むべきと考えますが、この点についてご見解を伺いたいと存じます。
〇3番目に学校・園におけるアレルギー疾患対策について質問します。
本区におけるアドレナリン自己注射薬(エピペン)持参の状況は、昨年度まで4人から9人でしたが、今年度は20人に増加しました。これは公明党が推進した保険適用によるものも影響しているかと思いますが、それにしても倍増している状況は、本区においても食物アレルギー疾患が増加していることにほかなりません。
各学校では、文科省監修取り組みガイドラインや都教育委員会作成マニュアルに基づいて、除去食、代替食の提供など、対応に連日、細心の注意を払われていることと思います。
私ども区議団はこれまでも再三にわたり、議会質問を通じアレルギー対策を推進してまいりました。東京都では今年7月に「新たな対策」が発表されましたが、子どもの命を守る視点から、予防体制と緊急対応については、機会あるごとに確認してまいりたいと考えております。
始めに食物アレルギー疾患における学校及び幼稚園での危機管理体制について、現在までどのように整備されているのか、具体的にお聞かせいただきたいと存じます。
次にアナフィラキシー症状と思われる緊急事態になったとき、教職員はどのように判断し、対応をするのか、その研修などの状況について伺います。
同様の主旨で伺います。保育園での食物アレルギー対策について、予防体制、緊急時対応など状況をお聞かせください。
私立保育園でのアレルギー児対策加算では、代替食材料の補助を行っていますが、職員のご努力に頼るところが大きく、その対応は困難さと煩雑さを窮めているとお聞きします。食材料補助に加え、アレルギー児人数に応じた配慮を望むところですが、ご見解を伺います。
食物アレルギーの克服について、「経口免疫療法」が期待されます。これはアレルギー反応を起こす食物を、微量で摂取し続け、時間をかけて徐々に摂取量を増加させることで、アレルギー反応が起こらない体質に改善していく療法のことであります。食物アレルギーに悩まれているご家庭では、今後のお子さんの成長のためにも光明となるのではないでしょうか。
食物アレルギーの克服について、情報やその動向など、区民への広報に努めていただきたいと思いますが、ご見解を伺います。
〇4番目に子どもの安全・安心確保の取り組みについて質問します。
本区では、今年度10月末時点で小中学校内での事故が24件発生、内7件が救急車で搬送され、骨折など大きなけがを負った事故も発生しているとのことです。今後とも学校内での安全管理体制の見直しとともに、事故防止へ向けた児童・生徒へのご指導を徹底していただきたいと思います。
また児童・生徒の交通事故は今年度10月末時点で11件発生し、内8件が救急車での搬送です。この事故の11件中8件が自転車乗車中によるものです。一時停止など交通ルールについて、被害を被るだけでなく、加害側にもならないよう、引き続きのご指導をお願いするものであります。
わが会派の提案により、昨年9月より施行された自転車の安全利用に関する条例では、学校の責務が規定されました。1年余経過しましたが、自転車事故防止など、条例制定の効果についてお聞かせください。
昨年朋有小学校でのインターナショナルセーフスクールの成果をもとに、事故に遭わない、起こさない、けがをしない、させないという、児童・生徒の事故防止について、教育長のご決意を頂きたいと存じます。
次に子ども安心カードの導入について伺います。
町田市の小学校では今年度、児童2人が給食後にアナフィラキシーショック症状を起こして、救急搬送されたことを受けて、入学前に児童のアレルギー症状を把握する取り組みを始めました。症状を起こした児童の保護者はいずれも、食物アレルギーがあることを把握していなかったとの報道であります。
このように一日の大半を幼稚園や保育所、学校で過ごす幼児・児童・生徒は、いつ何時緊急事態が起きるとも限りません。
この子どもの救命救急を円滑にするため、群馬県渋川市では「子ども安心カード」を作成し、運用を始めています。これは小中学校などで児童・生徒らが病気やけが、アレルギー症状で救急搬送される際、救急隊員に手渡すことにより、学校と消防署などが迅速に連携できるよう、子どもの病歴などを記入する緊急時対応の個人カードのことです。
児童・生徒らの基本情報をはじめ、保護者への緊急連絡先、既往症、服用薬、各種アレルギーの有無、かかりつけ病院の連絡先などが記載されているものです。
個人情報保護の観点から、緊急時対応目的を明確にし、保護者からの情報の外部提供同意を得た場合に限り運用しています。また最新情報で管理することに留意し、卒園・卒業時に保護者へカード返却することになっています。
この安心カードは救急を要する事態こそ有用性は高いわけで、また災害や集団での発症など多人数のときは、学校側の対応に迅速性の効果を発揮するものと考えられます。
子どもの命を守るための「安心カード」導入を是非検討いただきたいと思いますが、ご見解を伺います。
登下校時や自宅一人での留守番、学校管理外での外出をしている時に、地震や風水害など災害発生に遭遇するとも限りません。保護者や身近な大人がすぐ近くにいなくても、あわてず、あせらず自分の身を守り、またその後に助ける側につくなど、適切な行動ができるとすれば、これほど心強いことはありません。
私は23年第4回定例会での一般質問で「今後の防災教育の視点」について、子どもの自助・共助の在り方などを伺いました。このことは繰り返しのご指導が重要ですし、普段からの地域への参加などが、いざという時こそ真価が発揮されるところだと強く認識します。
さて前述したように、災害発生時、児童・生徒が一人の時でも適切な行動ができるように、学校や家庭での取り組みを一段と深めていくべきと考えますが、ご所見をお聞かせください。
本区では主に高齢者などが緊急時に備えて、個人の基本情報や緊急連絡先などを記入した「安心連絡メモ」と「あんしんカード」を、わが会派の提案により、作成・運用しています。こちらは大人向けでもあり、子どもの安全・安心を一層深めるためには、児童・生徒向けのものも必要性を感じます。
さいたま市では「災害時安心つながるカード」を作成しています。地震が起きた時の身の守り方や、避難場所の確認、保護者への連絡先、学校の電話番号や災害用伝言ダイヤルの使い方などがカードに記載され、可能な限りいつでも携帯するよう促しているものです。
災害時、家庭内での連絡手段や、いざという時の待ち合わせ場所の確認など、活用に効果があるものと思います。
本区においても同様な取り組みを期待しますが、ご見解を伺います。
〇最後にその他として、主権者としての教育について質問します。
「選挙」に関連する主な法的根拠は、日本国憲法の「前文」から始まり、国民主権の原理の表明、国会や国政選挙の事項、そして地方自治等について定められています。そして公職選挙法6条には、選挙管理委員会は「選挙が公明かつ適正に行われるよう常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治常識の向上に努めなければならない」と規定し、「常時啓発」を国及び選挙管理委員会の責務としています。
昨年6月に「全国市区選挙管理委員会連合会」が開催され、選挙事務研究会での講演に「常時啓発事業のあり方等研究会」の最終報告書が提示されました。この中で、投票率の低下傾向や若年層の選挙離れ、学校教育における政治教育の課題などが取り上げられました。
大学においては、学生みずからの生活の都合から親元を離れても住民票を移動しないケースや、社会人として巣立っても、政治、選挙の学習や候補者の情報不足となって主権を放棄しているというような状況が考えられます。
教育基本法第14条には、「政治的教養の必要性」とともに「中立を要請」しています。しかしながら有権者になる前の学校教育では政治、選挙の仕組みまでに留まり、その意義や重要性、判断力、国民主権者としての意欲のあり方などは、不十分ではないでしょうか。また「中立の要請」が非政治性と解釈され、国や地域が抱える諸問題についての取り扱いが避けられているように感じます。そして政治への関心や有権者への啓発には、我々議員の資質向上に不断の努力が求められることは言うまでもありません。
改正教育基本法にある、「公共の精神、社会の形成参画、発展に寄与」及び前述しました学校教育における「政治的教養の必要性」について、教育長のご所見を頂きたいと存じます。
前述した同研究会では、東日本大震災において、多くの若者がボランティアに積極参加し、「利他・連帯・絆」の精神が認識され、政治に対する意識の高揚につながることが重要とし、主権者としての教育を提案しております。
未来を担う子供たちに向け、本区としてもこのことについて、今後の取り組みを期待するものですが、ご所見を頂きたいと存じます。
以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。