平成23年 第2回定例会 辻かおる一般質問原稿
「的確な情報発信で区民に安全・安心を!」
平成23年6月27日登壇
公明党の辻薫でございます。私は、公明党区議団を代表致しまして、「的確な情報発信で区民に安全・安心を!」と題して、第1に、駅周辺混乱防止対策について、第2に、その他として、放射線対策について、一般質問を行います。
初めに、東日本大震災でお亡くなりになられました方々へのお悔やみとともに、被災されました全ての皆様に対し、心より、お見舞い申し上げます。
そして、被災地の一日も早い復旧と復興、さらに、福島第一原子力発電所事故の一刻も早い収束を切に願うものであります。
私ども公明党区議団は、去る6月13日に、岩手県一関市を、14日には、宮城県気仙沼市を訪問し、お見舞いとともに、被災現場の視察をしてまいりました。特に、気仙沼市では、津波の被害が激しく、漁港一帯が壊滅状態となっておりました。また、気仙沼湾に浮かぶ大島にもわたり、そこで島民の命を守ろうと懸命に取り組んで来られた方々ともお会いし、お話を伺うことが出来ました。島にまで視察に来る議員も少ないとのことで、私達には、先ず現場をみてもらいたい、そしてそこから復興支援をお願いしたい、と切実に訴えておられました。そして、昨日、気仙沼港で震災後初のガツオが水揚げされたとのニュースが飛び込んでまいりました。被災現場を目の当たりにしてきただけに、水産業関係者の皆様の復興にかける思いと喜びが伝わってまいりました。
今回の視察は、2期目を迎えた私にとっても、現場目線で「安全・安心まちづくり」に取り組む新たな決意をする機会となりました。
それでは、質問に入ります。
1.駅周辺混乱対策について
最初に、駅周辺混乱防止対策について質問致します。
私は、1期目の初めての一般質問で、池袋駅周辺混乱防止対策訓練の実施を提案し、平成21年1月に、初めての訓練が実現致しました。以来、議会において、継続実施を訴え続けてまいりました。こうした経緯から、さらに、震災当日の状況を踏まえて、質問させて頂きます。
当日、私は、かつて経験したことのない大きなゆれが収まるとすぐに、防災課にまいりました。防災課では、学校などの区有施設の被害状況や町会等からの被害報告の収集にあたっておられました。しかしながら、池袋駅周辺の情報がなかなか入ってまいりません。
そこで、地震発生から40分後、私は、自分自身で池袋駅に向かい状況を確認することにしました。バス停は、既に待機者で長蛇の列が出来ており、東口駅前も、徐々に人で混雑しはじめていました。一方、駅の地下街は、思いの外混乱した様子はなく、不思議に思いましたが、それは、JRの駅員の方々が、滞留者に対して、速やかに地上に出るよう誘導しているからだとわかりました。そして、西口駅前ひろばに出ると、タクシー待機者や公衆電話の順番待ちの方で長蛇の列が出来ておりました。さらに、西口公園には、バス待機者や、鉄道の運行再開待ちの方々で溢れかえっていました。
3時間後、再び池袋駅に向かったところ、既に東西駅前は地下街に入れないほど人で溢れ、混乱しておりました。しかし、地下街は、依然地上への誘導が行われており、座り込んでいる滞留者に対して、運行再開のメドがたっていないものの、現状をアナウンスし続けていることにより、安心感を与えているようでした。
そこで、伺います。今回の大地震に伴い、4事業者8路線の全線が長時間にわたり運行停止となり、滞留者が増え続けていたにもかかわらず、また、結果的に一万人を超える帰宅困難者が発生したにもかかわらず、なぜ「現地連絡調整所」を立ち上げなかったか。その理由をお聞かせ下さい。
併せて、訓練での想定地震規模は、震度6弱以上でしたが、「現地連絡調整所」の設置基準はどのようになっているのか、お聞かせ下さい。仮に、「現地連絡調整所」の設置基準を地震の震度だけで決めているとしたならば、今回の震災を機に、鉄道の全路線が運行停止となり、復旧の見込みが立たない場合も是非加えるべきであると考えますがいかがでしょうか。ご見解をお聞かせ下さい。
先日、私ども公明党区議団は、足立区役所に行き、北千住駅での震災当日の帰宅困難者対応について伺ってまいりました。北千住駅には、4事業者6路線が乗り入れており、一日の利用客は約130万人ですが、駅周辺に広域避難場所が無い点で池袋駅と同様の地域特性を有しております。北千住駅は、駅前滞留者訓練を日本で初めて実施したところです。既に北千住ルールをマニュアル化し、先程の現地本部の設置基準に、震度6弱もしくは足立区からの要請、さらに、北千住駅発着の電車が不通になり復旧のメドが立たない状況、との3つが明記されていました。しかし、震災当日は、対策協議会メンバーで構成する運営スタッフが自社の対応に追われてしまい、立ち上げられなかったとの報告を受けました。足立区では今回の事態を受けて、今後、現地本部については、区職員がリードして立ち上げることにしたそうです。
そこで、2点目として、先ず、第1に、池袋駅においても池袋ルールをもとにした対策マニュアルを早急に作成すること。第2に、「現地連絡調整所」の立ち上げについては、足立区と同様に区がリードすること。第3として、今後の訓練においては、想定した地震発生後に、各事業所に召集の連絡を行い、「現地連絡調整所」の立ち上げも訓練の中に組み込んだ「発災対応型訓練」を実施すること。この3つを提案致しますが、ご見解をお聞かせ下さい。
また、後日、私のもとに、西口公園で滞留者となった方からお手紙を頂きました。内容は、当日友人と4人で池袋に来ていて地震に合い、西口公園で待機していたところ、余震の怖さと共に、夕方なっても何の情報提供もないことに一層不安が増したとのことでした。対策訓練では、東西駅前において「情報提供ステーション」が設置され、帰宅困難者へ情報提供をしておりましたが、今回はやはり開設されませんでした。しかし、当日現場では、地元町会長が見るに見かねて、自主的に帰宅困難者に対して、帰宅支援用の地図を長時間にわたり配布して下さったと伺いました。
そこで、3点目として、今後は、訓練の度に場所が変わって分かりにくかった「情報提供ステーション」の場所を事前に決めておくようにし、そして、今回自主的に情報提供して下さいました地元町会長等の意見をよく伺って、体制作りに着手されることを提案致しますが、いかがでしょうか。ご見解を伺います。
4点目に、民間企業への受け入れ要請について伺います。
今回、震災があった中に於いても、区が良かった点として掲げているのがホテルや大学などの民間施設で帰宅困難者を受け入れて下さったことです。
区側からお願いしたのではなく、自主的に対応して下さったことは、これまでの池袋駅周辺混乱防止対策協議会の取り組みと訓練の成果であると評価するとともに、協力頂いた関係者の皆様に深く敬意を表するものであります。
中央防災会議の専門調査会は、企業や学校などに一斉帰宅せず、職場や避難場所での一時待機を提言しています。又、区によっては、条例で帰宅困難者対策づくりを義務化しているところもあります。
そこで、本区においては、先ず、今回の震災を受けて、ホテルなどの民間企業に対して、帰宅困難者の受け入れを正式に協力要請すべきであると考えます。さらに、帰宅困難者対策をより実行あるものにし、安全・安心まちづくりを推進するためには条例化も検討すべきであると考えますが、いかがでしょうか、ご意見をお聞かせ下さい。
5点目に、救援センターの活用について質問致します。
当日、救援センターでも帰宅困難者の受け入れが行われているとの情報が入ってきたため、午前0時を過ぎておりましたが、私は、池袋第3小学校と、千川中学校での受け入れ状況を確認にまいりました。男女別に教室を分けて受け入れ、毛布などの支援物資を提供するなど職員の皆様は翌朝まで不眠不休で帰宅困難者の対応をされたと伺いました。職員の皆様のご尽力に、改めて感謝申し上げます。
しかし、救援センターは、あくまでも区民の一次避難場所であり、帰宅困難者用にはなっておりません。今回の事態を踏まえると、今後予想される大規模災害時には、区民に限らず帰宅困難者も避難されてくると思われます。
今後、救援センターでの受け入れをどのように考えておられるのか、豊島区地域防災計画の見直しを含め、ご見解をお聞かせ下さい。
6点目に、イベント開催時の混乱防止対策について伺います。
先日、セーフコミュニティアジア認証センターから認証審査員を招いて、「繁華街の安全」のテーマで池袋西口駅前環境浄化推進委員会よりプレゼンテーションが行われました。その際、審査員からイベント開催時における緊急対策について質問がありました。確かに、ふくろ祭りなど大変多くの来街者が来られた時に首都直下型地震が発生したらどうなるか。最悪の事態を想定しておく必要があります。
そこで、先ずは、池袋で首都直下型地震に遭遇したらどうすればいいのか、一時待機場所や帰宅支援情報を記載したパンフレットを作成し、東京よさこい等の開催時に配布するなど具体的な取り組みが必要であると考えますが、いかがでしょうか。ご見解をお聞かせ下さい。
ここで、豊島区内の他の駅の状況について伺います。
JR大塚駅では、駅構内から乗客を外に出すために、JRの依頼を受けて警察が南北自由通路を一時閉鎖し、通行禁止にしたとの報告をうけました。
その他の区内の駅における滞留者及び帰宅困難者の状況はどうだったのか、また、今後の取り組みについてお聞かせ下さい。
駅周辺混乱防止対策の最後に、他の自治体との連携について伺います。
5月30日に行われた「9都県市首脳会議」の席上、帰宅困難者対策として合同徒歩帰宅訓練を首都圏全体でやりたいとの意見が出ていたと伺いました。震災当日、区内の幹線道路では、夜遅くまで、大勢の方が歩き続けておられました。人の波が、まるで津波のように感じました。
今後予想される首都直下型地震では、今回は発生しなかった建物の倒壊や火災による被害が予想される中での帰宅困難者対策であることを忘れてはなりません。こうした合同徒歩帰宅訓練など近隣区や近県自治体との連携強化が必要になってくると考えますが、ご見解をお聞かせ下さい。
2.放射線対策について
次に、放射線対策について質問致します。
この問題につきましては、公明党豊島区議団として、既に、高野区長に対して、「区民の健康と安全・安心な生活環境の確保に関する要望」として5項目にわたり申し入れを行いました。そして、早速6月9日には、「放射線独自測定の充実について」区の取り組みが発表されました。区の迅速な対応に対し高く評価申し上げます。しかしながら、保護者の皆様からは、未だ不安が払しょくされないとの声が寄せられています。
そこで、伺います。ホットスポットでの放射線測定が取り立たされている今、大気測定に限らず、土壌、砂場、さらに、プールの水についても、全ての小中学校、幼稚園、保育所で実施すべきであると考えますが、いかがでしょうか。ご見解をお聞かせ下さい。
そして、会派の要望の中で、「保育所、幼稚園、学校の保護者に対しては、丁寧な説明を行うこと。」をお願いしておりましたが、この点もさらなる充実を求めるものです。6月13日付けで、ある小学校長名で配られた「水泳指導実施についてのお知らせ」は、保護者が充分に理解し、安心出来る内容のものではないとの声がありました。同お知らせでは、水泳指導を実施することにした理由として、「東京都水道局等が測定している放射線量の値が文部科学省の学校活動上の放射線量の安全基準以下であるとの情報を得ております。」とか、「東京都保健福祉局からは、現在のところ、プールの使用を制限しない、という見解の通知を受けております。」との言葉で終わってしまっています。保護者にとっては、数値が出ているだけでそれが安全という発表がないことが不安に思われる大きな理由の一つになっております。また、自分の子どもが通う学校のプールでの測定結果が出ない限り、プールの授業には参加させられないとの保護者もいらっしゃると伺っております。今後、文部科学省が屋外プールの利用に関する指針を出したとしても、プール使用の最終的な判断は、学校設置者である自治体としております。それだけに、学校現場などでの保護者への説明や、対応については、より丁寧に行って頂きたいと思いますが、今後の取り組みも含め、教育委員会のご見解をお聞かせ下さい。
以上、今回取り上げました駅周辺混乱防止対策及び放射線対策につきましては、いずれも的確な情報発信が区民の皆様の安全・安心につながります。
東京初のセーフコミュニティの認証取得を目指す本区として、高野区長の積極的な答弁をお願い申し上げ、私の一般質問を終わります。
ご清聴、誠にありがとうございました。
辻かおる一般質問の答弁
1.駅周辺混乱防止対策について
豊島区長(高野之夫区長)
ただいまの、辻薫議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。
まず、駅周辺混乱防止対策についてのご質問のうち、まず「現地連絡調整所」についてのご質問にお答えいたします。
ご指摘のとおり、この度の震災時には、「現地連絡調整所」は設置されませんでしたが、その理由といたしまして、一点目は、震災当日、池袋駅周辺混乱防止対策協議会を構成する各事業所等では、自社等の対応に追われ、「現地連絡調整所」を運営するスタッフの派遣に余裕がなかったと報告されていりわけでありまして、あらためて、この池袋駅周辺混乱防止対策協議会のメンバー構成等でありますが、22年度の会長は西武百貨店の総務部安全管理担当部長、副会長が東武鉄道の助役さん、東口の商店街の会長さん、役員がJR池袋駅の防災・工事助役、まさに現場担当の人たちによって構成されているわけでありまして、毎年メンバーも変わっておりまして、23年度は、東武鉄道の池袋駅の助役となっております。
この協議会の役員には、もちろん警察、消防も入っておりませんし、事務方は区の総務部長と危機管理担当、防災課長でありまして、この協議会そのものが「現地連絡調整所」を立ち上げる対応が出来るのか、先程らいのご質問のように、改めてこれらについては精査をしていかなければ、本当の機能が出来ないのではないかと強く感じ、後ほどのご答弁でお答えいたしますけれども、これらについては大きな問題点であったと思います。
二点目につきましては、「現地連絡調整所」の設置に関しまして、設置場所や各事業所等の参集ルールが明確に定まっていなかったことがあげられます。
このように、事業所等からの自発的な参集に基づき、協議会が「現地連絡調整所」を設置するという仕組みと、ルールが明確化されていなかったことが、設置できなかった大きな原因であると考えておりまして、その点は大いに反省しており、改めていきたいと思います。
また、「現地連絡調整所」の設置基準につきましては、明確な規定はありませんが、基本的な考え方といたしまして、震度5強以上の地震が発生した場合に、交通機関が停止し、池袋駅が多くの滞留者で混乱する恐れがあると想定していたところであります。
今後、「現地連絡調整所」の設置につきましては、大震災の教訓を踏まえ、ご指摘のとおり、様々な要因により交通機関が停止し、駅周辺が多くの滞留者で混乱する恐れがある場合に、十分対応できるよう対策を講じてまいります。
次に、帰宅困難者の対応についてのご質問のうち、まず、これまでの池袋ルールをもとにした対策マニュアルの策定についてのご質問にお答えいたします。
今回の大震災により、駅周辺混乱防止対策についてのマニュアルが必要であると、改めて認識したところであります。したがいまして、今後、ご提案のとおり、池袋ルールを踏まえつつ、大震災の教訓を十分に活かせるよう、「(仮称)混乱防止対策計画」を策定し、具体的な対策のルール化を図り、対応してまいりたいと考えております。
次に、区が主導する、ただいまお話した「現地連絡調整所」の設置についてのご質問にお答えいたします。大震災後の4月から5月にかけて、本協議会のメンバーである各事業所に、今後の対策について、ご意見、ご要望をお伺いしたところ、区の主導による「現地連絡調整所」の運営など、対策の強化を求める声が多数あげられました。
本区といたしましても、大震災の教訓から、区の主導による「現地連絡調整所」の設置が必要であると認識しておりますので、今後は、これまで以上に区は事務局、連絡役だけでなく、区がリーダーシップを発揮して、私を中心としたメンバー構成を考え、それぞれの企業・団体のトップとの連携をとれるようにしていかなければならないと思っています。そのような対処をしていかなければならないと思っています。
次に、「発災対応型訓練」の実施についてのご質問にお答えいたします。
数々の貴重な教訓を活かすため、今年度の訓練は、東日本大震災の再来を想定して実施してまいりたいと考えております。新たな通信手段を導入し、震災発生後から協議会メンバーと連絡を取り合い、区から参集を呼び掛けて現地連絡調整所を設置するなど、まさに発災対応型の臨場感あふれる訓練にしてまいりたいと考えております。
次に、「情報提供ステーション」の体制づくりについてのご質問にお答えいたします。これまでの訓練では、屋外の帰宅困難者へ情報提供する機能が必要であることを確認してまいりました。今年度は、具体的な行動計画「(仮称)混乱防止対策計画」を策定することとしておりまして、その中で情報提供ステーションの位置や必要な資器材、運営主体などの具体化を図ってまいる考えで
ございます。
次に、帰宅困難者の民間企業への受け入れ要請についてのご質問にお答えいたします。今回の大震災では、大学やホテル等の民間施設で、自主的に帰宅困難者を受け入れていただきました。さらに、飲食物や毛布等の物資の提供等、きめ細やかな対応をしていただきました。 本区といたしましても、ご協力いただいた関係者の方々に深く感謝し、敬意を表するものであります。
今後は、本協議会において、大震災の教訓を踏まえ、各事業所との役割分担などを定めた「(仮称)混乱防止対策計画」の策定等に取り組んでまいります。
ご提案の民間企業への帰宅困難者の受け入れの要請につきましては、鉄道事業者をはじめ各事業所等で構成する本協議会において、対象となる事業所の規模、業務形態、所在地など、十分検討したうえ、対応してまいります。
なお、帰宅困難者対策の条例化につきましては、今後の駅周辺混乱防止の対策状況等を十分見極めながら、研究してまいりたいと考えております。
次に、救援センターの活用についてのご質問にお答えいたします。
ご指摘のとおり、救援センターは基本的には区民向けの避難所として整備してきた経過がございます。今回は、区民皆さんの避難者が少なかったため、帰宅困難者向けに開放することができましたが、M6.9の規模で約3万2千人もの区民の避難者が想定される首都直下地震が発生した場合には、救援センターでの帰宅困難者の受け入れは極めて困難になります。今回の震災では、区内のホテルなどで帰宅困難者の受け入れが行われました。今後、こうした民間施設の協力を得ながら帰宅困難者の受け入れ先確保に努めていかなければならないと考えております。
次に、イベント開催時の混乱防止対策についてのご質問にお答えいたします。
ご指摘のとおり、大規模なイベントを開催する際には、大地震の発生を想定した対策を用意しておく必要があると認識しております。大規模イベントの実施に際しましては、主催団体が警察・消防と協議して、必要な安全対策を講じることになりますが、区といたしましても万全を期すよう努めてまいります。
イベント会場においては、主催団体のスタッフが災害対応の最前線に立つことになりますので、事前に主催者側と災害発生に備えた警備体制や対応策についてしっかり協議してまいります。ご提案のありました、パンフレットへの災害対策の記載につきましても、協議の中で主催者側に徹底してまいります。
次に、震災時の区内駅における帰宅困難者の状況についてのご質問にお答えいたします。
ご指摘のJR大塚駅以外の駅につきましては、JRの駒込駅、巣鴨駅、目白駅では、シャッターで閉鎖され、各駅の周辺に一定の滞留者が発生したと聞いております。また、池袋駅では、一部シャッターで閉鎖され、地下コンコースや駅前広場などに、大勢の帰宅困難者が、鉄道の運行再開を待っている状況を、実際にこの目で確認いたしております。
新聞報道によりますと、「JR東日本では、大震災当日に、『一部駅で帰宅困難者を締め出した』との東京都からの抗議を受け、今後の改善策の一つとして、主要駅に毛布などの物資を備蓄する考えを明らかにした」とされております。
昨日もJR池袋駅長さんが変わりまして、ご挨拶に参ったわけでございますが、これについて、齋藤危機管理監と共にこの問題について、色々と意見交換をさせていただき、これからの課題等々については、やはり鉄道事業者が理解をし、しっかりと対応していかなければできないということを強く申し上げると共に、池袋駅長さんだけでは解決できる問題ではございません。しっかりとJR全体で取り組む姿勢について、厳しく私の方からも申し上げさせていただきました。
今後は、このような状況を踏まえ、まず、早急に、池袋駅周辺の混乱防止対策を充実させてまいりたいと考えております。そのうえで、東京都、JRなどとも連携しながら、区内の各駅で、鉄道事業者等との連携を十分に図りながら、駅周辺の混乱防止対策に努めてまいります。
次に、近隣自治体との連携強化についてのご質問にお答えいたします。
これまで都内では、ターミナル駅ごとに帰宅困難者対策の検討や訓練が推進されてきた経緯がございます。昨年度までに都内の主な駅での対策が一定程度進んだことを受けまして、今年になってから複数の駅による合同訓練など、相互連携の機運が高まってきております。今後、東京都とも情報交換しながら、関係自治体と協議いたしまして、連携強化に取り組んでまいります。
私からの答弁は以上ですが、その他の質問については清掃環境部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げます。
2.放射線対策について
清掃環境部長(鈴木公一)
放射線対策についてのご質問のうち、全ての小中学校、幼稚園、保育所の土壌等で測定を実施することについてのご質問にお答えいたします。
6 月に発表しました区の独自測定の方針及び測定の充実にもとづきまして、大気の放射線測定を行っております。現在までの測定結果につきましては、毎時0.05 から0.12 マイクロシーベルトという値になっております。プールの水につきましては、いずれも放射性物質は「不検出」となっており、これらの測定結果は、ホームページ等で公開しております。
今回の独自測定の充実につきましては、区における施設の位置のバランスや、校庭などは土や芝生の状況の要素を組み合わせ、全区的な状況を一刻もはやく測定し、お知らせすることを目的としております。先ほど申しあげた大気の測定結果では、現時点ではいずれも国際放射線防護委員会の勧告にある、平常時の年間放射線基準値の1 ミリシーベルトを大幅に下回っておりますので、これら先行する測定を、早急に進め、対象施設全体の結果を見極めたうえで、今後の測定の拡大等について検討してまいります。
私からの答弁は以上でございます。
教育長(三田一則)
引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問のうち、学校現場における保護者対応についてのご質問にお答えいたします。
原子力発電所の事故による放射線の影響が、現地から遠く離れた本区にも及んでいるのではないかとの不安を招き、学校の屋外プールでの水泳指導について、様々な声が、教育委員会や学校に寄せられていることは承知しております。この間、迅速な説明や対応に努めてきたところです。
学校プールの水の放射線量について独自に、6月24日、豊島区で測定した結果が明らかになり、いずれも放射性物質はすべて「不検出」となっていますところから、安心して水泳指導を行うことができると考えております。
さらに、教育委員会といたしまして、6月23日付けで保護者宛てに、原子力発電所事故の影響への対応についてお知らせし、大気の測定状況、屋外プール、土壌、砂場、学校給食につきましても、安心して子どもたちが学校生活を送ることができる旨、周知したところです。
今後も、科学的根拠に基づき、迅速な情報提供とともに、学校設置者として適切かつ機敏に検討・判断を行い、子どもたちが安心して授業を受けられるよう責任をもって対応してまいります。
また、各学校におきましても、保護者や区民のみなさまへの丁寧な説明と対応を行うよう指導に努めてまいります。
以上をもちまして、辻 薫議員のご質問に対する答弁を終わります。
○理事者の答弁終了後、2.の放射線対策に関して再質問を行いました。
質問と答弁は、次頁をご覧下さい。
全学校のプールにおける放射線測定要望について
先ほどのプールの測定に関連する再質問をさせていただきます。
現状、先ほどもお話ししましたけれども、保護者の方の中では、やはり、自分の学校のプールの測定が行われない限り、自分の子どもをプールに入れることはできない、このように思っている方もいらっしゃるわけでございます。そういった意味で、先ほど答弁の中で、今後の推移ということなんですけれども、なるべくそのところは実施するということで、ぜひ、お願いをしたいのですけれども。また、そうした方々への対応につきましては、丁寧という言い方をしましたけれども、やはり具体的にどのように個別にしてくのか、こうした点も具体呈に取り組むよう、お願いしたいと思います。この点につきまして、再度確認をさせていただきます。
教育長(三田一則)
再質問について、お答え申し上げます。
先ほど答弁させていただきましたけれども、学校の水泳指導に当たりまして、6月20日に学校2カ所の水泳プールの水を取水いたしまして、これを検査に出しました結果、いずれの学校も不検出ということでございましたところから、安心して水泳指導ができるということをまずご説明申し上げ、徹底してまいりたいと思います。
しかしながら、学校がそのような説明をしても、若干、そうしたことについて不安をお持ちの方もいらっしゃいますので、経過、それから考え方、さらには水泳指導の意義をしっかり踏まえて説明するように、各学校には伝えてございます。したがいまして、私どもとして大変危惧しているのは、子どもたちがはっきりした理由もわからず、水が怖いものとか、あるいは、そこで泳ぐことが何か、自分にとってよくないことをしているかのように錯覚をして、それで水泳が嫌いになってしまったり、あるいは体力をつくることについて、拒否をしてしまうようなことも大変心配に思っております。しかし、放射能の特性からいって、様々なことに十分配慮しなければいけないということがあると思いますので、そうした事情もよく加味しながら、学校では個別に対応をよくするようにということで指導しております。あわせて、それでもなおかつ入れない、自分の学校の調査が終わらない限りはできないという意見も、私どもも十分承知しておりますので、そうしたものについてはきちんと対応できるように、各学校での水泳指導するときの水をプールが始まる6月末、それから7月、8月と、それぞれ取水をして検査をするということを進めてまいりたいというふうに思っております。