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「人に優しい 魅力ある豊島をめざして」

平成21年12月1日登壇

 私は、公明党豊島区議団を代表いたしまして「人に優しい 魅力ある豊島をめざして」と題し、1.財政について 1.福祉施策について 1.子育て支援について 1.がん対策について 1.副都心隣接地区の今後の街づくりについて 1.その他として 読書について一般質問を行います。

第1に「財政について」質問いたします。

平成20年のリーマンショック以降、未曽有の世界的な金融危機から、急速な景気の悪化へと転じました。

税収も大きく落ち込み、今後の財政運営が難しい時代となりました。都税収入は前年度より1兆円以上落ち込む見通しであり、財政調整交付金も削減は免れない状況となっております。今後、財政調整交付金が、本区の当初算定から25億円を超える減収になることが予想されますが、国の予算についてもいつ固まるのかは定かではなく、不安定要素は大いにあります。当然、試算はされていると思いますが、22年度の予算編成について、本区のお考えを伺います。

また,来年度以降の予算編成も、より厳しくなることが予想されます。基金の取り崩しも視野に入れながら、より「身の丈」に合った財政運営に努めなければなりません。しかし、国の方針をそのまま受けるだけではなく、しっかりと区民の声を聞き、ご理解いただいた上での財政運営が求められます。来年度以降の財政運営の考え方についてお聞かせ下さい。

この財政調整交付金の当初予算から、17年ぶりの減額という方針を受け、各区にも動きがでてきております。板橋区は庁舎改築を一時凍結され、足立区等は基金を取り崩すとのことであります。

本区の新庁舎建設については、板橋区とは違うスキームになっておりますので、直接財政状況が建設の有無を左右することはないと考えますが、現庁舎の活用等は、景気にも大きく左右されます。しかも、財政状況が厳しくなれば、区民からは新庁舎建設についての心配の声が上がるのは明らかであり、より区民に対して丁寧な説明が必要となります。旧池袋保健所や旧中央図書館の例もありますので、もしもの事を考えて十分に試算をし、方策を検討していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。

先週まで、政府の行政刷新会議が事業仕分けを行い、来年度予算の概算要求から無駄を洗い出す作業を本格化させている様子が連日報道されていました。そもそもこの事業仕分けについては、ムダ削減を進める有効な手段として、公明党が提唱し、行政改革推進法に定められたことは周知の通りであります。

従来ですと概算要求額が、事前に政府・与党で決定されてきた概算要求基準、いわゆる“シーリング”に基づき、各府省から要求が出される前の段階で一定金額以内、21年度については約89兆1千億円に収まるように調整されていました。その上で、予算編成過程での査定や政府・与党での折衝によって、政府原案が決定されてきたわけであります。
しかし、22年度についてはシーリングを設けていないため、約95兆円に上る“水ぶくれ”予算が要求されております。予算の節減効果を出すためには21年度当初予算額を超えない範囲におさめる必要がありますが、事業仕分けにおいても、1兆6千億円の削減にとどまり、財政は21年度に比べても一層悪化することが予想されます。

国民に見える形で情報開示されたことは良かったと思いますが、本来の事業仕分けは、予算編成前ではなく、根っこから制度自体を問いかけ、地方に委ねるなら相当の打ち合わせをして行うべきであり、「例外なし」「根っこから」「パフォーマンスでなく、影響する多方面によく目配りをして」「時間をかけて」という原則でやるべきだとの声も多く聞かれます。

事業の必要性を問うことは、その事業を定めた制度や事業を担う組織の見直しにもつながります。単に削減額を積み上げるではなく、文字通り、将来の「行政の刷新」につながる議論を期待したいと思いますが、この事業仕分けがどのように予算に影響してくるかは不透明であります。廃止や削減となった事業も多くある中で、本区への影響についてご認識を伺います。

子ども手当、税制改正による所得税の問題、自動車関連諸税の暫定税率廃止によるもの、中小企業の法人税率引き下げ、年金受給者への税負担軽減、さらに、生活保護費の母子加算復活など、これらの事業は国で100%負担するものであれば課題は少ないと思いますが、児童手当や生活保護費の区の負担の現状を考えますと、区財政にも多大な影響を及ぼし、深刻な問題となって参ります。

事業仕分けの報道がされる中、「私のまちの予算はどのように編成され、私たちの税金がどのように使われているのか」という区民の意識は、今後ますます深まっていくと考えますが、区長はこうした納税者の区民ニーズに対しどのように応えていくのか、お考えをお聞かせ下さい。

 

第2に、「福祉施策について」伺います。

1点目として、視覚障がい者の情報バリアフリー化について伺います。

全国の視覚障がい者は約31万人以上存在すると言われており、病気を原因とする途中失明者の増加などにより、点字を利用できない人が全体の9割を占めております。ほとんどの視覚障がい者が活字文書への情報アクセスが非常に困難であり、各種の契約書や申請書、税金や年金、防災・防犯情報、行政サービス情報など、日常全般にわたってその内容が分からず、著しい情報格差にさらされております。そうした格差を埋める技術として、開発されたのが音声コードであります。

この音声コードは、約800文字の情報を記録できるバーコードで、活字文書読み上げ装置を使えば、音声で文字情報の内容が読み上げられ、視覚障がい者は耳でその内容を知ることができます。約2センチ四方の音声コードは、専用ソフトを使ってパソコンで文書を作成すると自働的に添付されるようになっております。既に、年金定期便の封筒にも印刷され、年金記録データも23年度より音声コード化される予定であり、個人情報を視覚障がい者ご本人が確認できるようになります。

平成15年に厚生労働省より、音声コード活用の「活字文書読み上げ装置」が日常生活用具に認定されましたが、現実には持ち運びに不便である等の理由から、これまでの広がりは今ひとつでありました。      しかしながら、携帯電話の大手製造メーカー3社が音声コードを読み取り、音声化できる携帯電話の開発に取り組まれており、早ければ来年販売される見通しであると伺っております。

そうなりますと、音声コードの普及は一段と加速して、情報発信者の姿勢が問われてくることになります。平成16年度に改定された障害者基本法の第1条3項に「何人も、障害者にたいして、障害を理由として、差別すること その他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」と規定されておりますが、現状は情報提供の面で大きく立ち遅れております。しかし、携帯電話が活用できるようになりますと、全盲者のみならず、弱視者・高齢者・外国人等への利用拡大の可能性が広がります。既に、世田谷区や北区等は、行政情報の音声コード化を開始しておりますが、本区としましてもぜひ積極的に取り組むべきであると考えますが、お考えを伺います。

また、東京都も本格的な音声コード化の取り組みを開始するため、来年1月に導入に向けた研修会を3000人規模で開催される予定となっており、行政情報の音声コードマニュアルも作成されるとの事であります。既に、全国各地の自治体も、行政情報の音声コード導入へ向け、積極的に研修会を開催しております。この研修については、視覚障がい者等情報支援緊急基盤整備事業として、国の補助率は10/10で行うことができます。ぜひ、本区としても実施し、視覚障がい者への情報バリアフリー化を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。積極的なご答弁を期待いたします。

2点目として、発達障がい者支援について伺います。

私が平成19年第4回定例会の一般質問で提案させていただきました「発達障害者支援検討会」につきましては、現在 担当部局の縦割りを超えた支援の在り方について検討していただいており、大変期待をいたしております。これまで、ライフステージによって支援のあり方や担当部局が違い、課題も多くあったかと思いますが、同じ場で協議することによって、共通認識もでき、支援の方向性がみえてくる事もあるかと考えます。

23年度には、具体的な支援のための施策を予算に反映していくと伺っております。現在、どのようなスケジュールで検討を進められておられるのか、また今後の課題についてお伺いします。

現在、区内の発達相談は年々増加しており、その発達相談の割合は全ての相談の6割を超える状況にあります。私は豊島区の実態を調査し、実状に沿った支援の施策を展開するべきと考えます。発達障がいについては、複合障がいでない限り障がい者手帳の対象となっておりませんので、正確な人数の把握は非常に困難であり、分からないのが実態であります。グレーゾーンと言われる診断を受けていない場合や、保護者の意志等もありますので、非常にデリケートな支援対象者であることは十分承知しておりますが、ぜひこの機会に、本区の実態調査を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

さらに20年度から、その支援の在り方を調査研究するための東京都のモデル事業に取り組まれておりますが、今年度でそのモデル事業が終了いたします。その後の施策の展開について、本区としてどのようにお考えなのかお聞かせ下さい。

 

第3に「子育て支援について」伺います

1点目として、子育て環境の整備について伺います。

東京都は、乳幼児を連れた保護者が外出中に気軽に立ち寄って、オムツ替えや授乳のできるスペースの設置を進めております。「赤ちゃん・ふらっと」との通称で、公園や公共施設、その他の小さな子どもを連れて出かける身近な地域に、22年度まで600か所整備することを目標としており、現在341か所の届出施設があります。

これにつきましては、「公共施設の赤ちゃんスペースの設置事業」として、豊島区子どもプラン後期計画に明記されると伺っております。できるだけ多くの公共施設に設置を推進していくべきと考えますが、具体的にいつまでに区内何か所の設置を予定されているのでしょうか。

また、こうした施設は周知が大事であります。区独自の通称名を付け、子育てガイドブックに掲載し、看板やマークなどを掲げてわかるようにしてはいかがでしょうか。

こうした事業は予算がかからず、地域ぐるみで子育て世代を支える取り組みとして現在注目を集めています。子育て中の保護者が外出しやすい環境を整えるとともに、育児ストレスや子育て家庭の孤立を軽減するのが目的とされておりますので、積極的な取り組みを期待いたします。
2点目は、税制改正による子育て世帯の影響について伺います。

鳩山政権は「子ども手当」の導入を明言されておりますが、その財源についてはこれまでも不透明で、心配の声が多くありました。そこで財源確保策として、所得税の配偶者控除・扶養控除の廃止を打ち出しております。この控除廃止については、保育料や公営住宅の使用料等、区民生活に大きく影響してくることが考えられます。特に保育料については、非課税世帯が控除廃止に伴って、課税世帯となるケースもでてきて、そのまま保育料に影響することが考えられます。さらに、大変な経済状況の中で、子どもが多い世帯ほど影響が大きいという悪循環になります。これについて本区のご認識を伺います。

具体的なケースを考えますと、夫の年収300万円と妻の年収90万円の家庭で、小学生と1歳児の保育園児がいる世帯については、現在の保育料と配偶者控除・扶養控除の廃止後では保育料にどのように影響してくるのか、お伺い致します。

また、せっかく「子ども手当」が導入されたとしても、支出増になってしまう世帯については、何らかの対策を講じる必要があると考えます。勿論、国がやるべきと考えますが、区の見解を伺います。

3点目として、待機児童対策についてお伺いします。

現在、毎定例会で取り上げられ、本区としても保育計画の策定に基づき、待機児童解消に向け全力で取り組まれ、定員の弾力化や認証保育所の誘致、保育ママの拡大等、あらゆる可能性を探っておられることは周知の通りであります。

そんな中、現在都内では幼保一体化が広がっており、幼児教育と保育を独自に一本化する自治体が相次いでおります。これは、18年度に定められた「認定こども園」の基準がた高すぎて、施設面積や設備などの面で、都内での導入は困難であることによるものと考えられます。

渋谷区は、22年度に区立幼稚園を改修して1歳から5歳を受け入れる予定であると伺っております。また、杉並区も区内の6つの区立幼稚園を独自の幼保一体施設にするとの事であり、品川区や文京区でも同様の施設が設置されております。

現在、既に200名を超す待機児童を抱える本区としても、あらゆる可能性を探る必要から、検討すべきと考えますがいかがでしょうか。

また、文京区の空き教室を利用した無認可保育所等も、既存の施設で早急に実施できる方策であると考えますが、いかがでしょうか。

子育て世帯にとって、子どもが預けられなければ働くことができず、ファミリー世帯が本区の中に住み続けることは困難になります。また、国で産休や育児休暇の取得推進を声高に唱えても、保育園に入園できなければ、安心して子どもを生むこともできません。ぜひ、あらゆる可能性を検討して頂き、早急な対策を講じて頂くよう強く要望します。

 

第4に、「がん対策について」伺います。

私ども公明党はこれまで、がん対策の推進を国に積極的に働きかけ、平成19年4月施行の「がん対策基本法」の制定を推進して参りました。公明党豊島区議団としても、これまで様々ながん対策の取り組みを提案させていただき、いよいよ本区として対策推進本部を設置し、高野区長が本部長として陣頭指揮をとられるということで、大変期待をしております。また、公明党がこれまで承認を推進してきました子宮頸がんワクチンも、9月29日に厚生労働省が承認するとの結論を出し、早ければ年内にも、国内で販売が認められるようになります。既に110ヶ国で認可され、約40カ国で定期摂取されており、全国で年間2500人にも上る子宮頸がんによる死者を減らすため、早急な摂取体制の整備が求められます。私たち公明党は、生命を守る党として、検診受診率の向上と子宮頸がんワクチンの摂取費用助成について、今後力を入れて取り組んでいく決意であります。

がん対策基本法第11条第1項には、「都道府県において、がん対策推進計画を策定しなければならない」とされており、東京都では既に計画策定をされております。本区も、計画を策定していくということでありますが、23区レベルでは千代田区が「がん予防プラン」を策定しており、区独自の取り組みを展開されております。国のがん対策推進計画では、平成23年度中にがん検診受診率50%以上を目標とすることが明記されており、がん検診の受診率が低い本区の実態を考えますと、計画策定を急がなければなりません。計画策定は、1年かけて行うというより、できるだけ前倒しして策定し、早期に実行に移されるべきと考えます。

そこで、本区としての計画策定についての基本的な考え方と、策定メンバーやスケジュールについて、お考えをお示し下さい。また、策定前の実態調査が必要と考えますが、本区のお考えを伺います。

計画策定中においても、検診受診率向上への取り組みについては、積極的に行っていく必要があります。私たち公明党も街角で検診受診率アップを訴えております。本区は昨年に比べ、今年度は受診率が上がっているとの事ですが、現在の状況をお聞かせ下さい。また、計画策定までの当面の取り組みについて、お考えをお示し下さい。

一方、子どもの死因についても、依然として「がん」が上位を占めております。白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫などの小児がんは、かつては「不治の病」とされてきましたが、医療の進歩により、現在ではおおむね7割以上が助かるようになりました。しかし、仮に治癒した場合でも、患者とその家族は、長期入院による家計負担、治療中の学業の問題などのほか、進学、就職、結婚、出産など、生涯にわたって様々な困難に立ち向かう必要を余議なくされております。

小児がん患者の療養支援は、現在、公費負担となっていますが、遠距離病院への付き添いによる二重生活や交通費など、いわゆる「間接医療費」の負担が大きく、特に若年夫婦の家計の負担が大きく厳しい状況にあります。さらに、経済面だけでなく、患者・家族を支えるために必要な取り組みは、小児がんに関する相談、子どもを亡くした家族への支援、小児がんへの理解と偏見をなくすための広報など、多岐にわたっています。

本来、国として取り組むべき課題でありますが、現在、各都道府県のがん対策推進計画に小児がん対策を明記されているところは少数あります。また、先日の第3回定例会での都議会公明党の質問で、東京都はがん対策推進計画改定時には、必要な検討を行うと答弁しております。5大がんと言われるものとは多少違うことは十分承知しておりますが、子どもの死因のトップである小児がん対策について、本区の計画の中に明記し、重層的な支援をされたいと考えますが、いかがでしょうか。

また、今後の計画策定の中で、がん検診受診率の向上への取り組みが大きな課題になってくるかと思います。様々な自治体が、工夫を凝らして挑戦され、受診率向上に取り組んでおります。例えば栃木県では足利銀行と東京海上が協定を結び、銀行店舗等でがん検診受診勧奨用リーフレットを配布したり、企業のホームページ等でもがん検診情報を発信しております。本区にも多くの企業があり、企業としての社会貢献(CSR)としても、十分に検討していく必要があると考えます。また、このような企業との連携については、国の補助金があるとも伺っておりますので、ぜひ積極的に検討して頂き、計画の中に加えていくよう要望しますが、いかがでしょうか。

また、「がん教育」については前回公明党の質問で提案させていただき、教育長からも前向きなご答弁をいただいておりますが、東大病院の中川恵一准教授は、中学生向けにがんに関する小冊子を書かれ、がん教育を推進されております。中川先生は特に子宮頸がんが若い世代に多く発症している点に触れ、「義務教育の時代に、がん検診や予防の大切さを教えることが、がん対策の最大の啓発活動になる」と強調されています。

千代田区のがん予防プランには、子どもへのがん教育については触れられておりませんが、ぜひ本区の計画には、この子どもたちへの「がん教育」をしっかり明記していただきたいと考えますがいかがでしょうか。積極的なご答弁を期待いたします。

さらに、1度がんに罹患しますと、在宅医療等の支援も必要となりますし、がん対策を総合的に推進していく窓口となる部署を設置する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

積極的かつ、大胆な取り組みを期待いたします。

次に、第5として「副都心隣接地区の今後の街づくりについて」お伺いします。

 

池袋副都心は、一日の乗降客数271万人という巨大ターミナルである池袋駅を抱え、池袋駅周辺はなんでも揃う大変便利な街であります。また、副都心であるにもかかわらず、近隣住宅街から自転車などで、気軽に住民が訪れることのできる非常に生活感のある街であり、それが池袋の魅力の一つでもあります。

現在、高野区長は、池袋副都心グランドビジョンを掲げ、「人と環境への優しさ」をコンセプトとして、個性と存在感を発揮する都市づくりを進めておられますが、子育てファミリー世帯にとっては、特に人への優しさについて十分に配慮して頂きたいとの声があります。

今後、少子高齢化に伴い、高齢者や単身世帯がますます増え、ファミリー世帯が減少する方向にある中で、子育て中、また、これから子育てをしようというファミリー世帯が「ぜひ豊島区に住みたい」と思える街づくりを進めることが重要であります。

例えば子育て世代は、希望する学校への通学のしやすさや保育施設・医療施設などの充実、利便性を重視する傾向にあります。その意味で、ファミリー世帯は、通勤に長時間かかる郊外よりも、職場からすぐ自宅に帰れる都心に住みたいというニーズが高いのが実態であります。特に昨今「ワーク・ライフ・バランス」が叫ばれる中、女性が働きやすく住みやすいのは、郊外よりもむしろ都心であります。

そこで、池袋副都心周辺の住宅地においては、便利で、かつ、環境豊かで安全・安心な、職住近接型のコンパクトシティを目指すべきであると考えます。

特に現在、地元と街づくり協議が進んでいる東池袋四・五丁目地区、新庁舎移転に伴う再開発が進む南池袋二丁目地区、補助81号線の用地取得が進む南池袋二・四丁目は、非常に重要な地区であります。これら副都心隣接地区の今後の街づくりのあり方が、今後の豊島区の人口構成のあり方を左右すると言っても過言ではありません。

このような観点から、これら池袋副都心隣接地区の今後の街づくりのあり方について、伺います。

1点目は、東池袋四・五丁目地区の街づくりについてであります。

すでに東池袋四丁目第1地区市街地再開発「ライズシティ」が完了し、現在、第2地区である「アウル・タワー」の建設が進んでおります。東池袋駅直結で利便性が高く、中央図書館やあうるすぽっとに隣接しているため、ファミリー世帯にも非常に人気が高いと伺っております。

一方、東池袋四・五丁目地区の「居住環境総合整備事業」は、このような市街地再開発ではなく、地域の状況に即して地区計画で街づくりを進めていくと伺っておりますが、これまでの事業の進捗と今後の街づくりについて、お聞かせください。

2点目として、南池袋二丁目B・C地区について伺います。

東京のしゃれた街並みづくり推進条例による街並み再生地区の指定を受け、

A地区は新庁舎建設を含む市街地再開発が進行中となっております。B・C地区は、懇談会をしながら住民の意向把握をすると聞いておりますが、その進捗と今後の方向性を伺います。

3点目として、南池袋二・四丁目の街づくりについて伺います。

C地区の東側に隣接する南池袋二・四丁目では、南池袋二丁目ABC地区の街並み再生地区指定をかけたあと、平成18年にアンケート調査をしております。その後の状況と今後の方針についてお聞かせ下さい。

最後にその他として、読書について伺います。

はじめに、子どもの読書活動についてであります。

子どもの読書活動の重要性については、これまでも議会で何回か述べて参りました。しかし、国では11月11日に行われた事業仕分け第3ワーキンググループにより「子ども読書活動の推進事業」は廃止、「子どもゆめ基金」も残念ながら廃止との結論となりました。特に、子どもゆめ基金は、子どもの健全育成の一層の推進を図ることを目的に、民間団体が実施する特色ある新たな取り組みや、体験活動等の裾野を広げるような活動を中心に、様々な体験活動や読書活動等への支援を行ってきました。そもそもゆめ基金は「子どもの未来を考える議員連盟」が基金の設立を発案し、超党派が賛成して法改正が行われております。勿論、仕分け人と呼ばれる与党の国会議員も8年前は賛成をしているのであります。この事を考えますと、大変残念でなりません。

そこで改めて伺いますが、子どもの読書活動について教育長のお考えをお聞かせ下さい。

特に、子どもたちにとって1番身近な読書活動の場が、学校図書館であると考えます。文化芸術創造都市として、子どもの読書にどのように取り組まれるのか、全国の自治体が注目しております。図書目録のデータベース化はもちろんのこと、学校司書の在り方や図書ボランティア等、取り組むべき課題は多くあります。

そこで、三田教育長が目指されている学校図書館象について、お聞かせください。

また現在、我が会派からの要望で学校図書充実経費は、小学校38万円、中学校57万円と徐々に拡充していただきましたが、21年度予算委員会でも取り上げさせていただいた通り、23区で最下位というのが現状であります。その後、ご検討いただいたかと思いますが、ぜひ今までにない大胆な拡充を行い、数年間集中的に予算を確保し、ぜひ都内でもトップクラスの充実した学校図書館をめざすべきと考えますが、いかがでしょうか。

学校図書の購入については、校長先生の采配によるところが大きいと伺っておりますが、こういう経済的にも厳しく、活字離れが進んでいる社会状況の中で、ぜひ地元の書店から購入する方策を検討されてはいかがでしょうか。どんな本でも取り寄せは可能ですし、カバーシート等はいかようにも対策が考えられると思います。積極的なご答弁を期待いたします。

さらに、学校図書館でいまだにクーラーが設置されていない小中学校があります。夏にクーラーのない部屋で、読書を行う事は困難なことであります。この点も6年前から指摘しておりますが、普通教室の設置が終わった現在も、未だ計画がはっきり示されません。他の特別教室の扱いと学校図書館は違うと認識しておりますので、ぜひ充実した読書環境を整えていただきたいと考えますが、お考えを伺います。

以上をもちまして、一般質問を終わります。

ご静聴、ありがとうございました。

高野之夫区長・担当部長・三田教育長の答弁

(1)今後の予算編成について
ただいまの、高橋佳代子議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。
財政についてのご質問のうち、まず、今後の予算編成についてのご質問にお答えいたします。

今定例会初日の「招集あいさつ」で申し上げましたとおり、特別区財政調整交付金の原資となる市町村民税法人分を含む今年度の法人2税が、当初予算より約4,500億円、25.4%のマイナスとなる見込みであり、その影響により、本区においても、財政調整交付金の普通交付金が、再調整により当初予算を13億円以上、下回るのが避けられない状況であります。

加えて、財源対策として予算計上した旧中央図書館跡地についても、急激な不動産市況の下落があり、当初予算で計上した10億5千5百万円で売却できる状況にないため、売却をしばらく先送りせざるを得ないところであります。また、その他の財源についても、当初見込みの確保が極めて難しいと考えております。

 こうした財政逼迫事態がさし迫りつつありますため、11月中旬には、8月に続き2度目となる、予算の執行抑制の徹底を図る通達を行ったところであります。

今後、財源不足を解消するため、不用額が大きく見込まれる事業については補正予算で減額するとともに、歳入の減収の状況によっては、財政調整基金からの繰り入れなどを検討しなければならないと考えております。

現在、財源不足額は出ていませんが、いずれにいたしましても、22年度予算編成では相当厳しい対応をせざるを得ないと考えております。とりわけ、国における主要課題、すなわち、事業仕分けの予算への反映、22年度の地方財政対策と地方税制対策、自動車諸税の暫定税率などに対する影響は大変心配されるところでありまして、時期を逸せずに機動的に本区も対応せねばならないと考えております。

(2)22年度以降の予算編成の考え方について
次に、22年度以降の予算編成の考え方についてのご質問にお答えいたします。

最近の円高傾向、デフレスパイラルへの突入、二番底とも心配される経済状況などを考えますと、22年度以降においても歳入環境は今年度以上に厳しい状況になる見込みでありまして、財政調整交付金の大幅な減収のみならず、昨今の賃金低下などにより、1年前の所得を基に算定される特別区民税や配当割交付金などの各種交付金も今年度予算を下回ると想定しております。

したがいまして、「身の丈」に合った財政運営を基本に、区民に対する行政サービスの水準をできるだけ低下させないという基本方針のもと、国の予算編成の影響を見落とすことなく、全庁一丸となって英知を結集し、より一層の選択と集中を徹底した予算編成を行っていかなければならないと考えております。

 厳しい財政状況においても、直接現場を担当する部局では、これまで通り、区民の皆さまの直接の声や様々な分野で活動しておられる各種団体などからの要望等を的確に把握し、枠配分予算方式のメリットを十分活かしつつ、職員の創意工夫のもとに、一層主体性・創造性を発揮した予算編成を徹底していかなければならないと思っております。

高野区長

(3)新庁舎建設・現庁舎活用にかかる、試算及び方策の検討について

次に、新庁舎建設・現庁舎活用にかかる、試算及び方策の検討についてのご質問にお答えします。

本区の新庁舎整備は、ご案内の通り、板橋区等と異なり、税収等に左右されないよう、市街地再開発事業で整備する計画であります。再開発事業は、資金の多くを保留床処分金で賄う事業でありますが、現在、保留床をまとめて取得する住宅事業者を参加組合員として早期に確保しているため、今後の景気動向で整備が大きく遅れる等の影響はないものと考えております。

一方、新庁舎の床の一部の購入資金として予定をしております、現庁舎跡地の資産活用につきましては、50年の定期借地契約を想定し、その内25年分の貸付料を一括で受け取る試算で資金計画をお示ししておりますが、ご指摘のような、景気の変動による、不動産市況の状況で、これらの地代も当然変動いたしますので、平成20年9月の新庁舎整備方針の「土地等の活用方法の検討」の項目の中で、「活用する時点での経済状況により大きく異なる可能性があり、随時、検討・試算を行っていきます。」と、お示ししているとおりであります。

しかしながら、今回の資金計画では、そのような経済変動も想定し、一括受け取りする期間を25年と余裕をもった計画としておりますので、地代が減った場合には、一括受け取り分の期間を長くするなど、経済状況にあわせ柔軟に対応できる仕組みとしております。

実際に現庁舎の土地活用の契約を行うのは、5年以上先であり、この間の経済の好・不況の波もありますので、現時点で予想し、数字を確定させることは不可能でありますが、借金をしたりせずに資産活用により新庁舎を整備する、という目標は十分達成できるものと考えております。

区民の皆様に対して、このような仕組みをご理解いただき、安心いただけるよう、丁寧に説明してまいたいと考えております。

区長

(4)事業仕分けの区への影響について

次に、事業仕分けの区への影響についてのご質問にお答えいたします。

先月11日から27日まで9日間にわたって行われた、過去最大の95兆円に膨らんだ概算要求を圧縮する事業仕分けは、連日マスコミに報道されているように大変国民の大きな関心を呼びました。449事業の仕分けにより、廃止、予算計上見送り、予算削減を合わせた削減額は7,500億円に達し、公益法人の基金の国庫返納などで捻出できる財源を加えると、総額1兆9千億円という数字が発表されております。

この中には、例えば、市街地再開発事業などのまちづくり関連事業、ICT利活用型教育の確立支援事業や高効率給湯器導入補助金など、本区の財政運営に影響のあると思われるものが仕分けの対象などになっておりましたが、詳細は明らかになっておりません。

したがいまして、今後とも国の動向を注視してまいりたいと思います。

(5)納税者の区民ニーズへの対応について

次に、納税者の区民ニーズへの対応についてのご質問にお答えいたします。

今回の国の事業仕分けにより、国民の間に予算編成への関心が高まるのは望ましいことであると考えております。

一方、区の財政状況につきましては、これまでも、条例の定めるところに基づき、毎年6月と12月の2回、当該年度の予算概要や前年度決算のあらましなどを公表しております。その中で、例えば、区の予算がどのような分野にいくら使われているのかなど、区民の関心の高い内容についてもわかりやすく説明しております。

また、そのほか随時、区政の透明性を高め財政への区民参加を促すため、「財政白書」や「グラフで見る区の財政状況」等印刷物の発行、区政連絡会における説明、出前講座及びホームページの活用などにより、可能な限り区民に対する詳細な情報提供に努めており、今後も、わかりやすいカラーパンフレットなどの発行、その充実を図ってまいりたいと思います。

ご指摘のとおり、今回の国の事業仕分けを契機として、今後ますます税の使い道や予算編成に対する区民の意識が高まっていくものと考えております。

したがいまして、区民の皆さんにとって、予算編成過程が見えるということは大切なことであると考えておりますので、その手法等について、先進自治体の例を参考に十分に研究してまいりたいと思います。

区長

(1)東池袋四・五丁目地区「居住環境総合整備事業」の進捗状況と今後の街づくりについて

次に、副都心隣接地域の今後の街づくりについてのご質問のうち、まず、東池袋四・五丁目地区の街づくりについてのご質問にお答えいたします。

東池袋四・五丁目地区の居住環境総合整備事業は、すでに26年を経過しておりますが、この間、防災道路A路線の実現、辻広場や児童遊園の整備、老朽住宅の建替え促進、従前居住者用住宅の建設等、防災性の向上に積極的に努めてまいりました。

しかしながら、約1,500戸の老朽住宅等の建替え促進は、いまだ顕著なものとはなっておりません。

そのため、平成20年6月、地区計画制度を活用し、地区内の準防火地域全域に、東京都建築安全条例に基づく「新たな防火規制」を導入いたしました。このことにより、建主の建替えメニューが増え、これまで以上に耐火性能の高い建築物への建替えを誘導できるように取り組んでおります。

また、防災性機能を高める効果を伴う都市計画道路補助81号線の沿道街づくりに積極的に取り組んでおり、街路事業だけではなく、共同化を推進する街づくりにも取り組み、防災性の向上に努めております。

この沿道の街づくりにおいては、地権者等の意向を尊重しながら、最大の課題である防災性の向上のため、未接道宅地の解消や街区ごとに建物の共同化を図り、オープンスペース等を確保する協議が進んでおります。

平成22年8月には沿道で初めて、共同化ビルが竣工する予定です。この共同住宅は、道路の拡幅により転居を余儀なくされる地権者用の住居を含んだものであり、住み慣れた地域での生活再建を可能にするものとなっております。

今後さらに、不燃領域率の向上を図るため、東京都と連携して様々な支援を行い、この地区の目指します、安心・安全の防災まちづくりの実現を図ってまいりたいと思います。

また、防災道路BC路線の整備でございますが、狭あいな道路を6mに拡幅し、緊急車両が進入できる安全なエリアを拡大するもので、現在、用地取得が順調に進んでおり、平成22年度には道路整備工事に着手できる予定です。

このような基盤整備に積極的に取り組み、誰もが住みたい・住み続けたいと思えるまちとなるよう、密集住宅地域の住環境の改善に全力で取り組んでまいります。

区長

(2)南池袋二丁目B・C地区街づくりの進捗状況と今後の進め方について

次に、南池袋二丁目B・C地区の街づくりの進捗状況と今後の進め方についてのご質問にお答えいたします。

B・C地区では現在、地権者の皆様の意向を把握するためのヒアリングを進めておりまして、共同化への参加意向、街の将来イメージなどについて、区職員が直接皆様方のお宅を訪問し、ご意見を伺っております。

進捗としましては、B地区のヒアリング状況は、現在6割強でございます。C地区は、比較的新しい分譲マンションが1軒ございますが、これを除きますと、9割強のヒアリングが済んでおります。

個別ヒアリングの結果につきましては、地元に説明する必要がございますが、C地区は12月9日に地権者説明会を開催する予定でございますので、その際、ヒアリング結果をご報告いたしたいと思います。

B地区につきましては、まだお会いできない方もおりますので、年度末に開催を予定しております地権者説明会までには、一人でも多くの地権者を訪問し、ヒアリングを積極的に進めてまいりたいと思います。

ご案内のとおり、南池袋二丁目地区は、東京都が「街並み再生地区」に指定し、「街並み再生方針」に基づく街づくりを推進することになっております。今後は、ヒアリングの結果を踏まえまして、地権者の皆様と十分な協議のうえで、B・C地区の街づくりを推進していきたいと思います。

また、ご指摘のとおり、「街並み再生方針」では、池袋副都心隣接の立地特性を活かし、ファミリー世帯中心の居住機能を充実させることが整備目標の一つとなっております。したがいまして、B・C地区においても、この方針に沿った街づくりを積極的に誘導してまいります。

(3)南池袋二・四丁目地区街づくりの状況と今後の方針について

次に、南池袋二・四丁目地区の街づくりの状況と今後の方針についてのご質問にお答えいたします。

この地区は、南池袋二丁目街並み再生地区の東側、雑司ケ谷霊園の北側に位置しておりまして、狭あいな道路に住宅が密集し、防災性に課題のある地区であります。

平成17年度に街並み再生方針の策定を目的とした調査を実施しておりまして、その調査の中で地権者アンケートを実施しております。回収率は2割程度でございますが、「防災道路の整備」や「建物の不燃化」などの防災性の向上を望む声が6割であったことなど、地区の課題の一端が見える内容となっております。しかし当時は、この地区を貫く補助81号線の事業進展が不明だったことから、街づくり方針の策定を見送った経緯がございます。
先日、東京都第四建設事務所に確認しましたところ、 できる限り早期に補助81号線の用地取得率を5割以上とし、建築基準法上の道路指定をしたいとの意向でありました。

この道路指定がなされますと、沿道の建て替えが活発化してまいりますので、この地区の将来の街づくり方針の検討が喫緊の課題となっております。

したがいまして、今後、地区の現状把握と課題の抽出、事業手法の比較検討など、街づくりを推進するための基礎調査を実施したいと考えております。
なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては関係部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から答弁申し上げます。

保健福祉部長

(1)視覚障がい者の情報バリアフリー化について

①政情報の音声コード化への取り組みについて
福祉施策についてのご質問のうち、まず、視覚障がい者の情報バリアフリー化についてのご質問にお答えいたします。

行政情報の音声コード化への取り組みについてでございますが、ご指摘のとおり、視覚障がい者は、障害があることにより、必要な時に必要な情報を得られないというハンディがございます。

こうした視覚障がい者への情報支援としての音声コードは、まだ一般的には普及しておりませんが、今後は、「音声コード読み上げ装置」としての携帯電話の活用や、現在は読み取ることのできない表や図を読み取れるソフトの開発などの情報通信技術の進歩に伴い、急速に普及、浸透していくものと考えております。

現在、区における音声コード活用の取り組みといたしましては、音声コードを読み上げる活字文書読み上げ装置の支給をおこなっております。

また、本年度は、区の新型インフルエンザのお知らせにつきまして、音声コード付きのちらしを作成し、保健福祉センターの窓口で配布したところでございます。

区といたしましては、今後、視覚障がい者が必要とする行政情報を中心に、それらの音声コード化に積極的に取り組み、さらに、対象とする行政情報の拡大に向けても検討してまいりたいと考えております。

②音声コード導入に向けた研修会の実施について

次に、音声コード導入に向けた研修会の実施についてのご質問にお答えいたします。

現在、音声コードを理解し、活用しているのは、保健福祉センターや障害者福祉課の職員に限られております。

したがいまして、行政情報の音声コード化に向けては、情報発信者である職員の情報バリアフリー化への理解を深める観点から、ご提案の補助金を活用した音声コード普及のための研修を来年度には実施できるよう、鋭意準備してまいりたいと考えております。

保健福祉部長

(2)発達障がい者支援について

①発達障害者支援検討会のスケジュールおよび今後の課題について

次に、発達障がい者支援についてのご質問のうち、まず、発達障害者支援検討会のスケジュールおよび今後の課題についてお答えいたします。

本年度の新規事業である発達障害者支援検討会につきましては、学識経験者2名と保健福祉部、子ども家庭部及び教育委員会の関係部課長14名を構成メンバーとして、本年5月に立ち上げたところでありまして、こうした組織横断的な会議体の設置は、極めて先進的な取組みでございます。

また、検討会の討議内容をより深化させ、課題の整理などを行う場として、各課の担当者によるワーキンググループも設置し、併行して検討を進めてきております。

これまで3回開催しました検討会の中では、本区における乳幼児期並びに学童期のそれぞれの段階に応じた取組みに対する現状と課題について、共通認識が持てるよう議論を重ねてまいりました。

今後の検討会におきましては、中高校期と就労支援を含む成人期における現状と課題などについて検討を加えていきたいと考えております。

その後、ライフステージごとの支援をつなぐ一貫性のある支援体制を構築するため、これまでの検討過程の中で出された課題を整理の上、本区としての発達障がい者支援の方向性をまとめ、具体の施策として展開できればと考えております。

保健福祉部長

②実態調査の実施について

次に、発達障がい者を対象とした実態調査の実施についてのご質問にお答えいたします。

現在、発達障がい者につきましては、身体障がい者のように、障がい者としての明確な位置づけがなされていない状況にあります。

また、ご指摘のとおり、保護者の意思や認知など非常に難しい問題もあり、発達障がい者の実数について把握することは大変難しく、とりわけ成人期に当たる発達障がい者の正確な人数を把握することは、ほとんど困難な状況にあります。

しかしながら、発達障がい者への支援施策を講じていくうえで、当事者本人の意向や現状を把握することは、極めて重要な要素であると考えております。

したがいまして、今後、発達障害者支援検討会の中で、発達障がい者の意向や実態をどのような方法で把握していくかといった課題につきまして、実態調査の実施の是非も含めて検討してまいりたいと考えております。

子ども家庭部長

(2)発達障がい者支援について③東京都のモデル事業終了後の施策の展開について

次に、発達障がい者についてのご質問のうち、東京都のモデル事業終了後の施策の展開についてのご質問にお答えいたします。

ご指摘のとおり本区では、昨年度より東京都の発達障害者支援モデル事業を受託し、発達障がい児とその家族に対し有効な支援手法の開発を行っております。

昨年度は、西部子ども家庭支援センターに年齢や生活環境の異なる2つのグループを立ち上げ、子どもの発達促進と保護者の不安軽減のためのプログラムを実施しました。さらに、今年度は保育現場において、発達障がい児と周囲の子どもがお互いを尊重し楽しく過ごすことのできる集団づくりと、保護者の理解度やタイプに応じた支援を行っております。

モデル事業は今年度で終了いたしますが、今後はこれまで

の事業の成果や課題を改めて検証するとともに、事業を通じ培った職員の資質を一層向上させることで、発達障がい児とその家族がいきいきと安心して暮らすことができる地域づくりを目指し、より一層の事業の充実を目指してまいりたいと考えております。

子ども家庭部長

(1)公共施設における赤ちゃんスペースの設置予定数及び周知について

次に、子育て支援についてのご質問のうち、まず、公共施設における赤ちゃんスペースの設置予定数及び周知についてのご質問にお答えいたします。

乳幼児を持つ保護者が安心して外出できる環境を整備することは、子育て支援を進めるうえで極めて重要であり、本区ではこの3月、本庁舎内に授乳室を設置したほか、12月1日より、子育てひろばを持つ区民ひろば13か所において、おむつ替えのための設備などを備えた赤ちゃん・ふらっと事業を実施することといたしました。東西の子ども家庭支援センター及び児童館、あわせて9施設においても、年度内の開始に向け、準備を進めているところです。

施設の周知方法につきまして、ご提案の内容は非常に有効と考えており、今後の広報に活かしてまいります。

子ども家庭部長

(2)税制改正による子育て世帯への影響について

①子ども手当について

②配偶者控除・扶養控除廃止後の保育料への影響について

次に、税制改正による子育て世帯への影響についてのご質問にお答えいたします。

保育料につきましては前年分の所得税額または区民税額を基本としており、仮に配偶者控除及び扶養控除が廃止された場合には、現在の保育料基準表を適用すると一部の世帯では増額となってしまいます。

お尋ねの世帯の事例では、現在の保育料は月額4200円ですが、控除が廃止になった場合には月額2万3400円となります。

③支出増になった世帯への対策について

これまで税制改正があった場合には、本区においては保育料基準表の見直しを行っておりますので、仮にこうした控除が廃止された場合にも、各家庭に対する影響が生じないよう同様の対策を講じてまいりたいと考えております。

子ども家庭部長

(3)待機児童対策について

①幼保一元化の検討について
次に、待機児童対策についてのご質問のうち、まず、幼保一元化の検討についてのご質問にお答えいたします。

「認定子ども園」の制度は、多様化する保育ニーズへの対応を目的に、就学前の子どもに教育と保育の双方を提供する制度でございまして、待機児童対策を直接の目的とはしておりませんが、仮に区立幼稚園を乳児から幼児までの保育施設とすることができれば、就労の有無に関わらず子どもを受け入れることが可能となります。本区では、待機児童解消の抜本的対策として、認可保育園・認証保育園の増設や、私立・区立の保育園の改修・改築による受け入れ数の拡大を計画いたしておりますので、今のところ区立幼稚園を「認定こども園」に移行するような「幼保一元化」による待機児童対策は考えておりません。区立幼稚園の今後の在り方については、現在、教育委員会において、教育ビジョン策定作業の中で検討していると聞いておりますので、その結果を待ちたいと思います。

②空き教室を利用した無認可保育所等の方策について

次に、空き教室を利用した無認可保育所等の方策についてのご質問にお答えいたします。
学校施設の保育用途への活用につきましては、すでに教育委員会と協議をしてきておりますが、本区では待機児童が出ているところでは学童数の増加も見込まれますので、転用は困難であると考えております。また、転用にあたっては、最も厳しい児童福祉施設の建築基準に適合する必要があるほか、乳幼児の設備やトイレ、さらに給食施設を新たに設置するなど、大規模な改修が必要となってまいります。そこで、本区では、池袋本町一丁目の防災ひろば内にある仮園舎施設を存続させ、臨時的な保育施設として活用し、20人から30人の待機児童を受け入れる方向で、現在、検討をすすめております。なお、この施設は、24年度から2年間は地元私立保育園の改築中の仮園舎としても利用する予定ですので22年度から2年間の限定的な活用となる予定でございます。

 

健康担当部長

4.がん対策について

(1)計画の策定及び策定前の実態調査の実施について

がん対策についてのご質問のうち、まず、計画の策定及び策定前の実態調査の実施についてのご質問にお答えいたします。

本区におきましては、がんによる死亡率が高く、また検診受診率が極めて低いことを重大に受け止め、今後、がん対策に積極的に取り組むという決意に立ち、「がん予防計画」を策定するものであります。

そのため、学識経験者、三師会、区民をメンバーとした、(仮称)「がん対策推進会議」を新年度早々に設置いたします。

策定スケジュールにつきましては、推進会議での幅広いご審議を踏まえ、22年度中に計画案を策定したいと考えております。また策定に当たっては、区民のがんに関する実態調査は欠かせないものと考えておりますので、推進会議の設置に合わせ、実施してまいります。

(2)検診受診率の状況及び計画策定までの取り組みについて

次に検診受診率の状況及び計画策定までの取り組みについてのご質問にお答えいたします。

今年度は、がん検診受診勧奨のために、保健所が発行する「健康事業案内」にがん検診の申込書を加えたほか、国保特定健診や長寿健診の受診券の送付の際に、がん検診のご案内・申込書を同封いたしました。

こうした新たな取り組みの結果、がん検診の申し込みは10月末現在で昨年度の倍近くに増えております。

計画策定までの当面の取り組みといたしましては、国保・後期高齢者医療以外の方へも節目年齢で受診勧奨するほか、大腸がん検診の申し込みを健診受診時に医療機関で可能にし、受診率アップにつなげていきたいと考えております。

(3)小児がん対策について

次に、小児がん対策についてのご質問にお答えいたします。

国の「がん対策推進基本計画」には、「小児がんの長期予後のフォローアップ体制を含め、今後一層の研究を行う」とともに、「小児がんの子どもを持つ家族を支援する体制の在り方について研究を進める」と明記されております。

区といたしましては、今後、国や都などの検討内容を注視し、情報収集や課題の整理に努めてまいります。

(4)企業との連携を計画に加えることについて

次に、企業との連携を計画に加えることについてのご質問にお答えいたします。

がん対策における企業連携につきましては、今年度も10月10日に「乳がん受診勧奨イベント」を開催いたしましたが、その際、サンシャインシティや電通と連携しております。

こうしたがん対策での企業連携に対しましては、国からの財源が確保できますことから、今後も連携を推進し、計画に盛り込んでまいりたいと考えております。

(5)子どもたちへの「がん教育」の明記について

次に、子どもたちへの「がん教育」の明記についてのご質問にお答えいたします。

子どもたちへのがん教育につきましては、本年第2回定例会における教育長の答弁の通り、その必要性を区としても認識しており、教育委員会と連携し、計画の中に明記してまいります。

(6)がん対策を総合的に推進する部署の設置について

最後に、がん対策を総合的に推進する部署の設置についてのご質問にお答えいたします。

ご指摘のとおり、がん対策を総合的に推進するためには、専任の組織を中心に全庁的に取り組むことが重要であります。

また、がんの療養支援におきましては、在宅医療と切り離せないものでありますことから、来年度に向け、在宅医療も含めたがん対策を所管する組織の在り方について検討中であります。

 

三田教育長

読書ついて

(1)子どもの読書活動について
引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しまして、お答え申し上げます。 読書についてのご質問のうち、まず、子どもの読書活動についてお答えいたします。

子どもの読書活動の推進に関する法律では、「読書活動は、子どもたちが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことができないものである」との理念が掲げられております。

したがって、家庭では、幼児期からの読み聞かせなど本に親しむ環境づくりを積極的に行い、学校においては、読書への関心や意欲を高め、その楽しさを実感させる活動を通して、子どもたちに読書習慣を確立させていくことが重要であります。

こうしたことから、国や地方公共団体には、子どもの読書活動を推進していく責任があり、具体的な施策を充実させることが求められていると考えております。

(2)学校図書館像について

次に、豊島区教育委員会の目指す学校図書館像についてのご質問にお答えいたします。

学校図書館は、子どもの知的好奇心や探究心、豊かな心をはぐくむ学びの拠点であり、「図書室」から「学校図書館」への位置付けの変更は、こうした役割を明確化したものであると捉えております。

学校図書館には、調べ学習など知的活動を活発に行うための学習情報センター機能と、読書に親しみ読書習慣の形成を図るための読書センター機能があり、これらの機能を十分に発揮させることが重要です。

こうした機能を強化するため、学校図書館環境の充実が必要であり、区立図書館と連携し、蔵書の共有化を図って、子どもたちが調べたい、読みたいと思う本を区内全域の図書館から探し、利用できるようなシステムの充実を図ってまいります。

また、子どもたちにとって、魅力ある学校図書館を実現するためには、学校司書等の人的配置についても新しい教育ビジョンの課題として位置付け、検討を進めてまいります。

教育長

(3)学校図書充実経費の拡充について
次に、学校図書充実経費の拡充についてのご質問にお答えいたします。

学校図書館を充実するうえで、図書費の拡充は最も重要であると認識しております。従いまして、平成22年度には図書充実経費の大幅な増額を図るとともに、平成25年度までには、すべての区立小・中学校で、文部科学省が規定する学校図書標準を達成したいと考えております。

また、合わせて区立図書館との連携や学校図書館のデータベース化などについては、教育ビジョンの見直しの中で検討を進めております。今後は、学校図書館が子どもの学びの拠点となるよう、明確な目標を提示し、総合的な学校図書館の充実を図ってまいります。

(4)地元書店からの学校図書の購入について

次に、地元書店からの学校図書の購入についてのご質問にお答えいたします。

学校図書は、各学校がそれぞれ購入しておりますが、在庫の豊富さやブッカーやラベルの装着が可能であるなどの理由から、大手図書取扱業者からの購入が多くなっております。

ご質問にありますように、昨今の経済情勢を鑑みますと、地域の書店を活用する意義もあると思われますので、今後は、地元書店からも購入できるよう、校長会等と検討を進めてまいります。

教育長

(5)学校図書館の読書環境の充実について

次に、学校図書館の読書環境の充実についてのご質問にお答えいたします。

これまで、小中学校の各教室の冷房化については、普通教室を優先的に整備し、その後特別教室の冷房化に取り組んできたところでございます。学校図書館の冷房化につきましては、これまで、その他の特別教室などの改修工事に合わせて整備してまいりました。その結果、すでに学校図書館で冷房設備の未設置校は、小学校2校、中学校1校のみとなっております。

ご指摘のとおり、学校図書館の充実を目指すうえで、暑い夏でも涼しい図書館で本を読めるような、読書環境の整備充実は重要な課題であると考えております。改修を要する工事は山積する状況ではございますが、学校図書館の冷房化につきましては、できる限り早期に整備するよう努めてまいります。

以上をもちまして、高橋佳代子議員のご質問に対する答弁を終わります。